JPS5820394B2 - 流体吸排装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は複数のシリンダを設けたシリンダブロックとそ
れらのシリンダ内で往復摺動するピストンとを含む流体
吸排装置、特にそのシリンダブロックと弁板との間の気
密構造に関する。

この種の流体吸排装置としては従来より、第１図乃至第
３図を参照して、シリンダブロック１に互いに平行な複
数のシリンダ２を円周上に形成し、コレラのシリンダ２
内にピストン３を夫々密着嵌合させ、図示を省略した適
当な駆動装置にてこのピストン３を往復運動させるよう
になし、かつ弁板４の一面に金属薄板製の吸入弁５をま
たその他面に金属薄板製の吐出弁６および吐出弁過剰撓
み防止部材７をそれぞれ重ね合わせるとともにボルト・
ナツト手段８にて相互に組合せ固定してなる弁板組９を
シリンダブロック１に薄板状ガスケット１０を介して重
ね合わせ、さらにその上に各シリンダ２に共通のシリン
ダヘッド１１を重ね合わせるとともに、それらをボルト
１２によってシリンダブロック１に締付は固定したもの
が知られている。

ここで弁板４はシリンダ２の夫々に対応して吸入口４ａ
と吐出口４ｂとを有しており、吸入弁５は弁板４とガス
ケット１０との間に挾まれた中央部５ａから夫々の吸入
口４ａに対応する如く半径方向外向きにのびた複数のり
一部５ｂを有しかつ吐出口４ｂに対応して穴５Ｃが設け
られており、吐出弁６のリードは夫刃の吐出口４ｂに対
応する如く弁板４の吸入弁取付面と反対の面に設けられ
ており、またガスケット１０はもちろんシリンダ２に対
応する位置に開口１０ａを有している。

さらに、シリンダブロック１と弁板４との間には、吸入
弁５とガスケット１０とが重なって介在する部分と、ガ
スケット１０のみが介在する部分とが生じるので、この
厚みの違いによる隙間をなくするために、シリンダブロ
ック１のシリンダ２が開口した面のうち吸入弁５の中央
部５ａに対応する部分に浅い凹所１３を設けている。

この第１図乃至第３図に示した流体吸排装置によると、
多数のオーリングを用いるという複雑な構造によること
なく気密が保たれ、ピストン３の往復動にしたがって吸
入口４ａを通して流体をシリンダ２内に吸入するととも
に吐出口４ｂを通してそれを吐出するという流体吸排作
用を正確に行うことができるので、流体として冷媒を用
いる冷却装置の圧縮機として用いるのに適している。

しかしここでは次のような問題が生じている。

即ち第４図に示すように、凹所１３の周縁部に対応して
空隙１４が生じ、この空隙１４を介して互いに隣り合っ
たシリンダ２間が連通ずることになるので、この空隙１
４を通しての流体の洩れによって吸排効率が低下してし
まう。

また吸入弁５のリード５ｂはガスケット１０と実質的に
同一平面内にのびてガスケット１０の開口１０ａに入り
込んでいるが、ガスケット１０の開口１０ａのうちリー
ド５ｂに対応しない部分は空間となって、これが圧縮さ
れた流体の再膨張体積の増加をもたらすため、体積効率
が損われる原因になるという間４題もある。

したがって本発明の目的は、１つのシリンダブロックに
複数のシリンダを設けたタイプの流体吸排装置を、製造
簡単で安価に提供できる構造のまま、より気密を確実に
して吸排効率を向上させる。

ことにある。

本発明の他の目的は体積効率を容易に向上させることが
できる流体吸排装置を提供することにある。

本発明によれば、同一円周上に互いに平行な複。

数のシリンダを設けたシリンダブロックと、該夫夫のシ
リンダ内に往復摺動可能に配置されたピストンと、該シ
リンダブロックのシリンダ開口を有する面に薄板状ガス
ケットを介して固着され、該夫々のシリンダに対応して
吸入口および吐出口を有する弁板と、該弁板および該ガ
スケット間に中央部を挾持され、かつ該夫々の吸入口に
対応する如く半径方向外向きにのびた複数のリードを有
する薄板状の吸入弁とを含む流体吸排装置であって、上
記吸入弁には円周方向における該複数のリード間におい
て上記周方向で互いに隣り合うシリンダの中心間を結ぶ
線分を越えて半径方向外向きにのびた付加突片を設け、
一方、上記シリンダブロックのシリンダ開口を有する面
には該吸入弁に対応した位置に該吸入弁の厚みに相当す
る深さの凹所を設けたことを特徴とする流体吸排装置が
得られる。

本発明の流体吸排装置によると、弁板と吸入弁とガスケ
ットとの間にシリンダ相互間を連通ずるように生じる空
隙の長さ寸法を大きくできるため、ガスケットによる気
密をより確実にすることができ、したがって流体の洩れ
を少なくして吸排効率の向上を計ることができる。

また上記付加突片をシリンダに対向する位置まで延在さ
せることにより、圧縮された流体の再膨張体積を小さく
して体積効率を容易に向上させることもできる。

以下本発明につき実施例を用いて図面を参照しながら説
明する。

第５図乃至第８図を参照して、この第１の実施例は冷却
装置に用いられる圧縮機であって、それにおいては、吸
入弁５′は中央部５′ａから半径方向外向きにのびた複
数のり一部５’ｂの間に、同じく中央部５’ａから半径
方向外向きにのびた付加突片５’ｄをそれぞれ有してい
る。

それらの付加突片５’ｄはその先端を、周方向で互いに
隣り合うシリンダ２の中心間を結ぶ線分とシリンダブロ
ック１の中心０１ との距離ｌよりも大きな半径ｒの
円１５に沿って円弧状になす。

一方、シリンダブロック１′のシリンダ開口を有する面
には、付加突片５’ｄの突出長を規定した円１５０半径
ｒよりもほんの少し大きい半径の円形凹所１３′を設け
る。

この凹所１３′の深さ寸法は吸入弁５／の厚み寸法にほ
ぼ相当するものとなす。

そしてこのような吸入弁５′を含む弁板組９′を、シリ
ンダブロック１′のシリンダ開口を有する面にガスケッ
ト１０を介して押し当てる。

このときには吸入弁５１の付加突片５’ｄを、シリンダ
ブロック１′のシリンダ２間の部分に対応させる。

この際シリンダブロック１′と弁板組９′との相対位置
関係は位置決めピンの使用などにより正しく保つことが
できる。

さらに弁板組９′にシリンダヘッド１１を重ね合わせて
、それらをボルト１２によってシリンダブロック１′に
締付は固定する。

こうすると、ガスケット１０の吸入弁５に対応した部分
は凹所１３′に押し込められるので、シリンダブロック
１′と弁板４との間にガスケット１０を実質的に隙間な
くしつかりと挟み込んだ状態になる。

したがって外周部分およびボルト１２を挿入するための
孔１６の周囲部分の気密はオーリングを用いることなく
保たれる。

ところでこの場合にも円形凹所１３′の周縁部に対応し
て、第４図に示したような空隙１４′が形成されるが、
この凹所１３′の半径は距離１よりも十分に大きくなっ
ているので、その空隙１４′は長くなり、それ故にこの
空隙１４’を通して各シリンダ２間で流体（冷媒ガス）
が洩れるおそれはきわめて少なくなり、それによる吸排
効率の低下はほとんど起らない。

因みに述べるに、凹所１３′の半径を距離１よりも小さ
くした場合には、吸入弁５′のり一部５’ｂの幅との関
係もあって上述した空隙を長くとるには凹所１３′の形
状を円形以外に設計しなげればならず、それにより加工
がきわめて面倒になってしまう。

なお凹所１３′の大きさは孔１６にかかることのない程
度に制限されることには留意を要する。

また第９図乃至第１３図は第２の実施例を示しており、
これにおいては吸入弁５′の付加突片５’ｄはシリンダ
２０円形間口に対向する位置まで広がっている。

さらに吸入弁５″のり一部５’ｂを第１の実施例のそれ
よりも長く形成し、一方、付加突片５’ｄにはリード５
’ｂに沿うような形で突起５〃ｅを設ける。

またガスケット１ｒの開口１０′ａにはリード５“ｂの
先端と突起５’ｅとを受は入れる逃げｌ （）’ｂ 、
Ｉ Ｑ’ｃを設け、カリシリンダブロック１′には夫々
のシリンダ２に対応してリード５’ｂの先端を受は入れ
るへこみ１７を設けている。

こうして圧縮動作時には吸入弁５〃のリード５’ｂと付
加突片５′ｅとが同一平面内にあってかつシリンダ２に
その開口を実質的に塞ぐごとく対応配置されるようにし
ている。

これによるとさらに、圧縮された流体（冷媒ガス）の再
膨張体積を小さくできるので体積効率の向上が容易にな
る。

なお吸入動作時にはリード５１ｂノ先端近傍部分がへこ
み１７の壁面に当ることによってリード５１ｂの撓みが
成る量で制限される。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は従来例を示し、第１図は断面図、第
２図はシリンダブロックにガスケットを介して吸入弁を
押しつげた状態を示す端面図、第３図は弁板の端面図、
第４図は第１図のＡ部拡大図である。 第５図乃至第８図は本発明の一実施例を示し、第５図は
断面図、第６図はシリンダブロックにガスケットを介し
て吸入弁を押しつけた状態を示す端面図、第７図は第６
図から吸入弁を取外した状態を示す端面図、第８図は吸
入弁の端面図である。 第９図乃至第１３図は本発明の他の実施例を示し、第９
図はシリンダブロックにガスケットを介して吸入弁を押
しつげた状態を示す端面図、第１０図は第９図の１０−
１０断面図、第１１図は第９図の１１−１１断面図、第
１２図は第９図から吸入弁を取外した状態を示す端面図
、第１３図は吸入弁の端面図である。 １ 、１’、 １’・・・・・・シリンダブロック、２
°°°°°°シリンダ、３・・・・・−ピストン、４
、４′・・・・・・弁板、５ 、５’。 ５′・・・・・・吸入弁、５ｂ 、 ５’ｂ 、 ５’
ｂ・・・・・・リード、５’ａ 、 ５”ｄ・・・・・
・付加突片、６・・・・・・吐出弁、１０゜１０′・・
・・・・ガスケット、１１・・・・・・シリンダヘッド
、１３ 、１３’・・・・・・凹所、１４ 、１４’−
・・・・・空隙。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 同一円周上に互いに平行な複数のシリンダを設けた
   シリンダブロックと、該夫々のシリンダ内に往復摺動可
   能に配置されたピストンと、該シリンダブロックのシリ
   ンダ開口を有する面に薄板状ガスケットを介して固着さ
   れ、該夫々のシリンダに対応して吸入口および吐出口を
   有する弁板と、該弁板および該ガスケット間に中央部を
   挾持され、かつ該夫々の吸入口に対応する如く半径方向
   外向きにのびた複数のリードを有する薄板状の吸入弁と
   を含む流体吸排装置であって、上記吸入弁には円周方向
   における該複数のリード間において上記周方向で互いに
   隣り合うシリンダの中心間を結ぶ線分を越えて半径方向
   外向きにのびた付加突片を設け、一方、上記シリンダブ
   ロックのシリンダ開口を有する面には該吸入弁に対応し
   た位置に該吸入弁の厚みに相当する深さの凹所を設けた
   ことを特徴とする流体吸排装置。 ２、特許請求の範囲第１項記載の流体吸排装置において
   、上記付加突片は上記シリンダに対向する位置まで広が
   っていることを特徴とするもの。 ３ 特許請求の範囲第２項記載の流体吸排装置において
   、上記付加突片はその一部に、シリンダの外径方向に向
   って突起を有することを特徴とするもの。