JPS5819337Y2 - 内燃機関におけるディストリビュ−タの取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、シリンダヘッドにカム軸を軸支したオーバヘ
ッドカム軸式の内燃機関において、そのテ゛イストリピ
ユータを、カム軸から動力伝達するように取付けるため
の装置に関するものである。

内燃機関におけるディストリビュータにカム軸から動力
伝達することは良く知られているが、この手段をオーバ
ヘッドカム軸に対して適用するには、カム軸の一端が突
出するシリンダヘッドの一側面に、カム軸の突出端を覆
うハウジングを取付け、該ハウジングにディストリビュ
ータを取付けて、ハウジング内においてカム軸がらディ
ストリビュータに動力伝達することが行なわれる。

この場合従来のものは、ディストリビュータ取付用のハ
ウジングは、カム軸に対するスラスト軸受とは無関係に
、換言すればハウジングによってカム軸のスラスト荷重
を支受するようにはなっておらず、従ってカム軸に対し
てスラスト受は部品を単独に設けなければならないので
、部品点数が多くなり構造が複雑になるばかりか、組立
、分解が著しく厄介になるのであった。

本考案は、このようにオーバヘッドカム軸式の内燃機関
において、そのカム軸の突出端を覆うハウジングを介し
てテ゛イストビュータを取付けるにおいて、カム軸に対
するスラスト荷重の一方を前記ハウジングにて支受する
ことにより、前記した欠点を改善する一方、カム軸に対
するスラスト荷重の一方をハウジングにて支受する場合
の問題点、つまり詳しくは後述するように機械加工のコ
スト高及び点火時期の変動をも解消したものである。

以下本考案の一例を図面について説明すると、図におい
て１は内燃機関のシリンダヘッド、２は機関のクランク
軸（図示せず）に連動するカム軸で、該カム軸２は円形
断面の軸受３とこれより大径の円形断面軸部４を備え、
前記軸部３，４を前記シリンダヘッド１に造形された軸
受ボス５，６に、一方の軸受ボス６側から嵌挿して拝受
されている。

このカム軸２の大径軸部４には、シリンダヘッド１の側
面１′から軸受ボス６に向って穿設した段付札１″の奥
のスラスト受面７に接触するスラスト愛郷８を一体形に
設け、シリンダヘッド１側面１′からの突出端にはねし
歯車９又ははすば歯車を備えている。

１０は前記ねし歯車９を覆ってシリンダヘッド１側面１
′にボルト１９にて着脱自在に取付けたハウジングで、
該ハウジング１０には、前記段付孔１″内に嵌合する筒
体１０′を備える、この場合シリンダヘッド１側面１′
がら筒体１０′の先端面１０″までの高さＨは、シリン
ダヘッド１′がらスラスト受面７までの深さＤからスラ
スト愛郷８の厚さＴを差引いた寸法より小さくて筒体１
０′の先端面１０″とスラスト愛郷８の外側面８″との
間に隙間を形成するように構成し、且つ前記ハウジング
１０にはカム軸２の軸線と略直角方向にディストリビュ
ータ１１が取付き、ディストリビュータ１１の軸１２に
嵌着したねし歯車１３又ははすば歯車はハウジング１０
内においてカム軸２上のねし歯車９又ははすば歯車に噛
合して、ディストリビュータ１１にはこのねじ歯車対９
，１３を介してカム軸２から動力伝達されており、ハウ
ジング１０内には力ろ軸２の軸線上にばね１４を設け、
該ばね１４の受板１５に設置した押圧体１６を、カム軸
２端中心の凹所１７に直接接当することにより、カム軸
２をそのスラスト愛郷８の内側面８′がスラスト受面７
に対して接当するように押圧付勢して成るものであり、
もちろんこの押圧体１６は受板１５に回転自在にした球
体でも良く、また、回転自在でない楕円放物体をカム軸
２端に直接接当しても良いのであり、前記ばね１４に代
えて油圧を用いてカム軸２をそのスラスト愛郷８の内側
面８′がスラスト受面７に接当するように押圧付勢して
も良い。

このように構成すると、カム軸２に対する矢印Ａ方向の
スラスト荷重はシリンダヘッド１におけるスラスト受面
７に支受される一方、矢印Ｂ方向のスラスト荷重はばね
１４を介してハウジング１０に支受されることになり、
ハウジング１０はテ゛イストリピユータ１１の取付けと
、カム軸２に対するスラスト荷重の一方の支受とに兼用
できるから、カム軸２に対する両スラスト荷重を段付孔
１″内に設けた別の部品によって支受する場合よりも、
部品点数が少なく構造が簡単になると共に、シリンダヘ
ッド１に対するハウジング１０の取付け、取外しによっ
て組立・分解が至極簡単にできるのである。

この場合、カム軸２を軸方向に押圧付勢するばね１４等
の弾性押圧手段を廃止し、段付孔１″内に嵌合した筒体
１０’の先端面１０“をスラスト愛郷８の外側面８″に
接当させて、矢印Ｂ方向のスラスト荷重を支受すること
が考えられるが、この手段によって、カム軸が円滑に回
転できるための適正なスラストクリアランスを確保する
には、スラスト愛郷８の厚さＴ、シリンダヘッド１側面
１′からスラスト受面７までの深さＤ及びシリンダヘッ
ド１側面１′から筒体１０′の先端面１０″までの高さ
Ｈの三つの寸法を正確に仕上げる必要があると共に、軸
受ボス６端面とハウジング１０との間には寸法精度確保
のためにガスケットパツキン等のように厚みが変化しな
いＯリングによってシールするようにしなければならな
いから、その加工には多大の手数を要してコストが嵩む
ばがりが、それまでも、なおりム軸のスラストクリアラ
ンスは適正なりリアランスよりもＱ、３ｍ／ｍ程度も大
きくなり、このスラストクリアランスによってテ゛イス
トノピユータの点火時期には、クランク角で約４°の狂
いを生じるのである。

これに対し本考案は、カム軸２をばね１４等の弾性押圧
手段にて、カム軸２上のスラスト愛郷８の内側面８′が
スラスト受面７に対して接当するように押圧付勢する一
方、前記スラスト愛郷８の外側面と、シリンダヘッド１
に取付くハウジング１０との間に隙間を設けて、カム２
ハウジング１０方向へのスラスト力は前記押圧手段で、
これと逆方向のスラスト力はスラスト受面７へのスラス
ト愛郷８の内側面８′の接当て各々支受するようにした
もので、カム軸２及びこれに嵌着したねし歯車９はいず
れのスラスト方向にも動くことか゛ないから、該カム軸
２にねし歯車９，１３を介して連動すルテ゛イストリピ
ユータ１１における点火時期には狂いを生じることがな
いのであり、しかも、カム軸２のハウジング１０方向へ
のスラスト力は、前記押圧手段を介してハウジング１０
で支受し、ハウジング１０とスラスト愛郷８外側面８″
との間に隙間を設けて、カム軸２のハウジング１０方向
へのスラスト力をハウジング１０にて直接的に支持しな
いようにしたので、前記した各寸法Ｔ、Ｄ、Ｈには相互
間に加工精度を必要としないばかりか、スラスト愛郷８
の外側面８″及び筒体１０’の先端面１０″は荒削り又
は鋳肌のま・で良く、更には、ハウジング１０のシ−ル
には図示のように殊更Ｏリングによる必要はなく第１図
に示すように普通の板状ガスケット１８で良いから、加
工の手数が著しく簡単になってコストを著しく低減でき
るのである。

以上の通り本考案は、ディストリビュータをシリンダヘ
ッドの１側面に対して取付けるためのハウジングによっ
て、カム軸のスラスト軸受部の部品点数を少なくできて
構造を簡単化できると共に、組立・分解を容易にするこ
とができるのであり、しかも当該部分の機械加工に要す
るコストを著しく低減できると共に、ディストリビュー
タにおける点火時期の変動を防止できる等の多大の効果
を有するのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施装置の縦断正面図、第２図は第１図
のＩＩ −ＩＩ視断面図である。 １・・・・・・シリンダヘッド、２・・・・・・カム軸
、５，６・・・・・・軸受ボス、８・・・・・・スラス
Ｉ・鍔、７・・・・・・スラスト受面、１０・・・・・
・ハウジング、１１・・・・・・ディストリビュータ、
９゜１３・・・・・・ねじ歯車、１４・・・・・・ばね
、１８・・・・・・押圧体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダヘッドには、これに軸支したカム軸が突出する
   一側面に段付孔を設け、該段付孔の奥のスラスト受面に
   、カム軸に一体的に設けたスラスト受鍔の内側面を接当
   する一方、前記シリンダヘッドにおける一側面には、カ
   ム軸の突出端を覆うようにしたハウジングを着脱自在に
   取付け、該ハウジングと前記スラスト受鍔の外側面との
   間に隙間を形成し、且つ前記ハウジングに取付けたディ
   ストリビュータの軸をハウジング内においてカム軸突出
   端のねし歯車又ははすば歯車に連結し、前記ハウジング
   とカム車との間には、カム軸の端面に直接接当して当該
   カム軸をそのスラスト受鍔の内側面が前記スラスト受面
   に対して接当する方向に押圧付勢する手段を設けて成る
   内燃機関におけるディストリビュータの取付装置。