JPS5818974B2 - スケルプのエツジ加熱方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、スケルプのエツジ加熱方法に関するものであ
る。

鍜接鋼管用材料としてのスケルプは、連続炉において加
熱され、製管工程に送られる。

スケルプ加熱用の連続炉は、通常の工業炉のように材料
を均等に加熱する必要はなく、スケルプの両エツジ（鍜
接部）を他の部分より高温に加熱する必要がある。

従来の連続炉においては、ノズルミックス・ポート型の
ガス・バーナを用いてスケルプを加熱しているが、バー
ナから噴射する火炎が長く、スケルプのエツジだけを重
点的に加熱するということが困難であった。

例えば、従来の加熱法によるスケルプ加熱温度はエツジ
部分で約１３３０〜１３４０℃であり、また、中央部分
で約１２８０〜１２９０℃であった。

このように、エツジ部分と中央部分との温度差がわずか
に５０℃程度しかなく、燃料を有効に使用していない。

したがって、本発明の目的は、スケルプのエツジを重点
的に加熱し、中央部分は最小必要限度の温度に加熱して
、省エネルギを図ることにある。

本発明のスケルプのエツジ加熱方法は、スケルプ加熱用
連続炉に用いるガス・バーナに空気旋回流を与える機能
をもたぜることによってバーナから噴射する火炎を短く
し、火炎の最高汚度をスケルプのエツジ付近になるよう
に設定した点に特徴がある。

次に、本発明の方法の具体的実施例について図面を参照
して説明する。

第１図に示すように、スケルプ加熱用の連続炉１ば、送
りローラ２の上のスケルプ４の両エツジ部にそれぞれ対
向させてガス・バーナ３を配設しバーナからの火炎でス
ケルプを加熱する。

本発明の方法に用いられるガス・バーナ３の先端部の構
造を第２図に示す。

従来のガス・バーナはノズルミックス・ポート型のもの
であったが、これを改良し、バーナの先端付近に空気旋
回羽根（スワーラ）３１を設ける。

空気旋回羽根３１は燃料ガス供給管３２およびバーナ外
筒３３に固定する。

羽根３１は第２図および第３図に示すように、熱料ガス
供給管３２の軸方向にそってら旋状にねじ曲りかつ管３
２の外周にそって複数枚設けられる。

噴射空気流の旋回角度は３０〜６０度が好ましい。

その理由は３０度未満の角度では、後述する供給空気の
旋回流か弱すぎて火炎が従来同様に長くなり、また、６
０度を越えると空気の旋回流が強すぎて火炎が不安定と
なるためである。

ここで、噴射空気流の旋回角度とは、第８図に示す角度
θ・を意味する。

すなわち、バーナ軸線３４と空気旋回羽根３１とのなす
角度のうち小さい方の角度を意味する。

したがって、当然のことながらこの空気の旋回方向は右
回りであっても左回りであってもよい。

羽根のオーバ・ラップ代（羽根の１ピツチ内に重複する
隣接羽根の長さの比率）は、１５０〜２５０％が好寸し
い。

１５０％以下では、旋回流のエネルギが不足して旋回量
が減少して効果が少ない。

２５０係以上では、ラップ代を取ることが物理的に困難
とな抄、かつ、空気圧損も急増する。

このようにして構成したガス・バーナ３から噴射する火
炎は、第４図に示すように短くなる。

つまり、ガス・バーナ３の噴射口（ポート）外周から噴
射する空気は、噴射口中央部から噴射する燃料ガスをら
旋状に包囲しながら空気と燃料ガスとを混合させるので
、空気と燃料ガスとの接触面積が犬きくかつ生ずる循環
流によす０２が消費され尽くすまで循環するため早期に
燃料ガスは完全に燃焼し尽くされ、火炎は通常のバーナ
のものよりも短くなる。

第４図において、白点（○）は従来のガス・バーナのも
のであり、黒点（・）は空気旋回羽根を有するガス・バ
ーナのものであって旋回角が４５度であり、また、二重
白点（◎）は同じく旋回角が５０度のものである。

このようなガス・バーナを実際に使用した場合の効果に
ついて、第５図から第１図までを参照して説明する。

第５図は、ガス・バーナのバーナ・ポート先端からの距
離Ｌ（Ｍ）と火炎センタ温度（°ａ ）との関係を示す
。

使用した連続炉幅ば７６０〜８５０朧で、熱料としてＣ
ガスを使用し、バーナ１本当りの流量２１．７ｍ３／ｈ
ｒ（ｌＯ５Ｋａ４／ｈｒ・バーナであった。

グラフの測定点のうち白点（○）は従来のガス・バーナ
のものであり、黒点（・）は空気旋回羽根を有するガス
・バーナのものであって旋回角が４５度であり、また、
二重白点（◎）は同じく旋回角が５０度のものである。

例えば、ＪＩＳ規格呼称８０Ａ（４４５ｒｒｒＪｎ幅の
スケルプで外径８．９１ｍｍ）用のスケルプのエツジ位
置についてみれば、従来のバーナによる加熱ではスケル
プのエツジと中央部とに温度差がほとんどないが、本発
明の方法に用いるバーナでは、スケルプのエツジと中央
部との間に温度差がはっきりと現れている。

次に、燃料消費量について説明する。

第６図に示すように、模擬スケルプ（例えば半幅Ｗ二２
２０閣バーナーは左右１対である。

）について、スケルプのエツジから各点Ａ、、Ｂ、ＣＶ
ｃおける燃料焚量と昇温速度との関係を測定した結果を
第１図に示す。

第１図において、横軸は、燃料焚量１０５Ｋｃａ＃／ｈ
ｒ・バーナを１００係としたときの比率（％）を表し
、また、縦軸はスケルプの各点における昇温速度（°Ｃ
／ ｓｅｅ ）を表す。

各測定点の記号は。前述の定義と同じである。

空気比は１．００とした。第１図のグラフからもわかる
ように、各測定点ｉ Ｂ、Ｃのいずれをとってみても本
発明の方法による加熱の方が従来の方法よりもすぐれて
いることが例えば、ＪＩＳ規格呼称８０Ａ（４４５Ｗ幅
ノスケルプで外径８９．１ ｒｒｒｍ ）用のスケルプ
のエツジ位置についてみれば、従来のバーナによる加熱
ではスケルプのエツジと中央部とに温度差がほとんどな
いが、本発明の方法に用いるバーナでは、スケルプのエ
ツジと中央部との間に温度差がはっきりと現れている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の方法を実施したスケルプ炉の横断面図
。 第２図は本発明の方法に使用されるバーナの先端部の縦
断面図。 第３図は第２図のｍ−■線からみた横断面図。 第４図は羽根の旋回角刈火炎長さを示すグラフ。 第５図は火炎センタ温度の分布状態を示すグラフ。 第６図は加熱模擬スケルプの測定点を示す平面図。 第１図は第６図に示す各測定点についての燃料焚量と昇
温速度との関係を示すグラフ。 第８図は空気旋回羽根の側面図。３：ガス・バーナ、３
１：空気旋回羽根、３２：燃料流通管、３３：バーナ・
チャンバ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ スケルプ加熱用連続炉において、加熱すべきスケル
   プの両エツジにそれぞれ対向設置したガス・バーナの噴
   射空気流を、ガス・バーナ軸線に対し３０〜６０度の範
   囲の角度の旋回流とすることを特徴とするスケルプのエ
   ツジ加熱方法。