JPS5818865Y2 - 撹拌式洗濯機のリント捕集装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は攪拌式洗濯機のリント捕集装置に関するもので
、アジテータの揺動運動を利用してアジテータ内部に循
環水流を発生せしめる構造において、アジテータ内に配
するリントフィルターの改良により、衣類より発生する
リント（糸くず）による前記フィルターの目づまりを防
ぎ、リント捕獲効率を低下させないようにするものであ
る。

従来、アジテータの揺動運動を利用して、アジテータ内
に負圧を生じさせ、前記アジテータの中空部内に循環水
流を発生させる構造において、アジテータ内に配するリ
ントフィルターとしては、第１図、第２図に示す如く、
アジテータａの内部上方に挿入された剛性を有した例え
ば樹脂製の略円筒状のフィルターｂが一般的である。

即ち、この略円筒状のフィルターｂは周壁に多数の小孔
Ｃを有しており、アジテータａの上部に設けた洗濯水取
入口ｄより流入した洗濯水は、小孔Ｃを通過し、アジテ
ータａ下部に設けた吐出口ｅより吐出され、この過程で
糸くず（リント）は前記小孔Ｃで捕獲される。

この構造で問題となるのは、アジテータａの中空部の内
壁と前記略円筒状のフィルターｂで作られる空間、即ち
糸くずの貯えられる部分が大きく取れない為、タオル等
のリントが多く出る洗濯物の洗濯に際しては、十分にリ
ントを捕獲することが困難であり、又、一旦捕獲された
リントであっても、脱水時に、その遠心力によって洗濯
水取入口ｄより飛び出すものが多く、再び衣類にリント
がくつついてしまうという欠点を有していた。

そこで、上記した欠点を解消するために提案されたもの
が、第３図、第４図の構造であって、同図によれば、ア
ジテータａの上部に設けた洗濯水取入口ｄよりも下方の
位置に開口部を位置させて袋状のネット等の変形自在な
フィルタ一本体ｆを配したリントフィルターｇを設けて
おり、この構造によると、捕獲リントの貯積量を十分に
多くすることができ、又、脱水時には、捕獲リントの位
置が前記洗濯水取入口ｄよりも十分に下方にある為、遠
心力によって洗濯水取入口ｄより外へ飛び出すことがな
い。

しかし、この構造で問題となるのは、捕獲されたノント
が、フィルタ一本体ｆの内壁に付着して目づまりを起こ
し、アジテータａの揺動運動により発生する循環水流の
移動を阻止してしまい、結果的にリント捕獲量を低下さ
せてしまうという点である。

本考案は上記従来の欠点を解消するもので、以下添付図
面に基づきその一実施例を詳細に説明する。

第５図において、１は外枠、２は外槽、３は洗濯兼脱水
槽（以下内槽という）で、この内槽３は脱水軸４の一端
に固着しである。

５は衣類を攪拌する為の羽根６を複数個周面に具備した
アジテータで、内部は中空状をなすと共に、このアジテ
ータ５の上方部周面には、スリット状の複数個の洗濯水
取入口（以下単に取入口という）７が設けてあり、又、
アジテータ５の下方部には、吐出口８が設けである。

９はアジテータ５の中空部に着脱自在に挿入したリント
フィルターで、第６図に示す通り、その下端開口部には
、剛性を有した略円筒状のフィルタ一本体１０の上方開
口端が固定しである。

そして、このフィルタ一本体１０の上方開口部は、取入
ロアよりも下方に位置する様に構成しである。

前記アジテータ５は洗濯軸１１の一端に適宜な方法で装
着してあり、この洗濯軸１１及び前記脱水軸４は同軸上
に配しである。

１２は軸受箱で、洗濯軸１１及び脱水軸４を軸支する為
の軸受部および洗濯・脱水の切換えを行なう為のクラッ
チ機構（共に図示せず）を内蔵している。

１３はモータで、回転子１４の両側に固定子１５を具備
した構造を有しており、洗濯時には、このモータ１３は
ＣＲタイマーと双方向性三端子制御整流素子との組み合
わせよりなる電子制御方式などの適宜な手段により、短
時間の正転・逆転をくりかえし、このモータ１３の動き
は、回転子１４に固着した回転子軸１６および前述のク
ラッチ機構を介して洗濯軸１１及びアジテータ５へ伝達
され、アジテータ５は揺動運動を行ない、衣類を攪拌し
洗濯することができる。

又、洗濯の後の脱水時には、このモータ１３が一方向に
のみ高速回転する様に構成されており、この動きは、ク
ラッチ機構を介して脱水軸４及び内槽３へ伝達される。

また、この脱水の後に、洗濯と同様にモータ１３の正転
・逆転が生じ、すすぎを行う。

すすぎが終われば、再度脱水へと移行する。１７は前記
モータ１３を固定する為の固定金具、１８は複数個の防
振機構で、一端を外枠１の上方に固持せしめることによ
り、外槽２を懸垂保持している。

ここで、上記したフィルタ一本体１０は、多孔性であっ
てかつその形状が脱水時、水流の循環時に変形すること
のない剛性を有する必要があるために、樹脂成形によっ
て形成するのが好ましく、また、針金を絡み合わせて略
円筒状にしても形成できる。

さらに、板金加工によって、多孔板から作ることも可能
である。

上記構成において、次にリントフィルター９に関する具
体的な説明を行う。

洗濯時、アジテータ５が揺動運動を行なうと、衣類攪拌
用羽根６の近傍の洗濯水は羽根６により遠心力方向に押
し出され、アジテータ５の周囲は一時的な負圧の状態を
呈す。

この時、アジテータ５の中空部内に位置する洗濯水は、
吐出口８より上記負圧部分に吸いこまれ、前記アジテー
タ５内の洗濯水の水面は、内槽３内の水面より低い状態
を呈す。

その為、内槽３内の洗濯水は、取入ロアより、アジテー
タ５の中空部内に落ち込む。

このような現象は、アジテータ５の揺動毎に発生し、結
果的に、アジテータ５の中空部内には、取入ロアから吐
出口８に向けて第５図矢印穴で示す連続した循環水流が
発生する。

上記アジテータ５内の循環水流の途中に剛性を有した略
円筒状のフィルタ一本体１０を設けているために、洗濯
中に発生したリントは第７図に示す通り、捕獲集蓄され
る。

この時、リントの状態は、Ｂで示す通り、フィルタ一本
体１０の内壁面全面に付着しており、このリン）Ｂは、
循環水流の流れを阻止してしまい、その結果、循環水量
が低下し、リント捕獲性能が低下する。

しかるに、上記フィルタ一本体１０は剛性をもつために
、洗濯行程の後、脱水行程に移行した場合、捕獲リン）
Ｈには遠心力が働き、第８図の如く、フィルタ一本体１
０の周壁にリントＢ′が結集し、更に、その体積が圧縮
状態となって縮少することになり、結果的にフィルタ一
本体１０における循環水の通過面積が回復し、次のすす
ぎ行程の際には循環水流が増加し、リント捕獲性能が向
上する。

第９図および第１０図は、第３図、第４図に示す１ント
フイルタ−ｇにおけるフィルタ一本体ｆの洗濯時、およ
び脱水時のそれぞれの状態を示し、第９図に示すように
リン）ｃが蓄積したフィルタ一本体ｆは、第１０図のよ
うに、脱水時に遠心力で容易に変形してリントＣ′にて
ふさがれたままで、次のすすぎ行程に移っても、循環水
流はやはりその流動を集積したリントによって阻止され
たままとなって、リントの捕獲性能は低下したままであ
る。

しかるに、上記した実施例によれば、洗濯行程から脱水
行程に移行した時点で、フィルタ一本体１０の通水性は
復元するものであって、次のすすぎ行程において、循環
水量を低減させず、一連の行程の円滑な遂行が行え、ま
た、リント捕獲量の増大化が図れる。

なお、実施例ではフィルタ一本体を略円筒状としたが、
要するに上方に開口部をもつ有底筒状を威しておれば良
い。

また、実施例では、洗濯−脱水すすぎをこの順序にて自
動的に遂行する場合について説明したが、洗濯−脱水、
すすぎ一脱水といった節約的なコースを繰り返し行う場
合であっても、フィルタ一本体におけるリント捕獲能力
は十分に発揮でき、また、循環水量の低減を招くことは
ない。

以上のように本考案は、中空部に着脱自在にリントフィ
ルターを配したアジテータと、このアジテータを装着し
た洗濯軸と、洗濯軸と、洗濯兼脱水軸を固着し前記洗濯
軸と同一軸上に配した脱水軸と、洗濯、すすぎ時に前記
アジテータを揺動運動させ脱水時に前記洗濯兼脱水槽を
アジテータとともに脱水回転させるモータとを備え、上
記アジテータはその周面に中空部に通じる洗濯水取入口
を有するとともにその下方部に中空部に通じる吐出口を
有し、アジテータの中空部に配したリントフィルターは
、前記洗濯水取入口よりも下方に開口部が位置し有底筒
状でかつ剛性を有するフィルタ一本体を具備してなるも
のであり、脱水時に、フィルタ一本体における循環水通
過面積を回復することができ、次の例えばすすぎ行程に
おけるリント捕獲性能が低下するのを未然に防止でき、
また、脱水終了時に集蓄されたリントを取り出す際、フ
ィルタ一本体が剛性を有しているため、リントがフィル
タ一本体の周壁内面に結集し、きわめて容易に取り出す
ことができる。

さらに、フィルタ一本体はリントを貯える空間が大きい
ため、タオル等のリントが沢山発生する洗濯物の洗濯に
際し、そのリントを十分に捕獲できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のアジテータを示す縦断面図、第２図はそ
のリントフィルターの外観斜視図、第３図は同じ〈従来
のアジテータを示す縦断面図、第４図はそのリントフィ
ルターの外観斜視図、第５図は本考案の実施例における
洗濯機の縦断面図、第６図はそのリントフィルターの外
観斜視図、第７図は同リントフィルターの洗濯時におけ
る作用を示す部分断面図、第８図は同脱水時における作
用を示す部分断面図、第９図は第３図、第４図に示すリ
ントフィルターの洗濯時の作用を示す部分断面図、第１
０図は同脱水時の作用を示す部分断面図である。 ３・・・・・・洗濯兼脱水槽、４・・・・・・脱水軸、
５・・・・・・アジテータ、７・・・・・・洗濯水取入
口、８・・・・・・吐出口、９・・・・・・リントフィ
ルター、１０・・・・・・フィルタ一本体、１１・・・
・・・洗濯軸、１３・・・・・・モータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中空部に着脱自在にリントフィルターを配したアジテー
   タと、このアジテータを装着した洗濯軸と、洗濯兼脱水
   槽を固着し前記洗濯軸と同一軸上に配した脱水軸と、洗
   濯、すすぎ時に前記アジテータを揺動運動させ脱水時に
   前記洗濯兼脱水槽をアジテータとともに脱水回転させる
   モータとを備え、上記アジテータはその局面に中空部に
   通じる洗濯水取入口を有するとともにその下方部に中空
   部に通じる吐出口を有し、アジテータの中空部に配した
   リントフィルターは、前記洗濯水取入口よりも下方に開
   口部が位置し有底筒状でかつ剛性を有するフィルタ一本
   体を具備してなる攪拌式洗濯機のリント捕集装置。