JPS5817853Y2 - 建築用防音パネル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、新規な建築用防音パネルに関する。

一般住宅において快適な居住性を得るための条件の一つ
は、屋外からの騒音等に対する防音性が高いことである
。

また他人への影響を考慮して屋内での音を屋外に伝えな
い構造の住宅が望まれる。

そこで、従来より防音効果を高めるために、パネル形式
、の住宅においては、パネル表面を吸音材又は遮音材で
被覆することが行なわれてきた。

しかし、このような、パネルの防音加工を工場で実施す
ると、パネルが嵩張るため搬送を困難にする他に、搬送
時に吸音材等が剥離したり脱落したりする慣れが生じ、
また上記の防音加工を建築現場で実施すると、それ丈施
工に手間取り且つ加工の為の設備を必要とする等の問題
があった。

また、パネル中空部に断熱効果を目的としてグラスウー
ル等を充填することが行なわれており、これによりある
程度の防音効果を得ることもできるが、その効果は極め
て低度のものであった。

本考案は、防音効果が高く且つ上記の如き問題のない防
音パネルを安価に提供することを目的としてなされたも
ので、パネル面材の内部表面にアスファルト層を設ける
と共に、該アスファルト層２内に、多数の透孔４を有す
る吸音材３をその一面を上記パネル面材１に密着させて
埋設してなるパネルにより上記目的を遠戚したものであ
る。

以下に、本考案の防音パネルを図面に示す実施例につい
て説明すると、パネル面材１としては、一般のパネル形
式住宅のパネル面材として用い得るものであれば、特に
制限されないが、遮音効果を一層高めるために高密度の
ものが好ましく且つ仕上材としても充分なものが好まし
く、例えば、石膏とグラスウールとを混ぜて加圧成形し
た、所謂Ｆ、Ｇボードや、石膏板、石綿板、パーライト
板等を用いることができる。

尚、この他に通常の合板等も用いることができる。

本考案の防音パネルは、上記のパネル面材１の内部表面
に、図示の如くアスファルト層２及び吸音枠３を設けた
ものであり、このアスファルト層２を形成するアスファ
ルトとしては、一般のアスファルトをそのまま用いるこ
とも出来るが、高温時にアスファルトが溶融して脱落す
るのを防止するために石灰、タルク等の粘性調整剤を混
入したものが好ましく、またこれらの他に、アスファル
ト層２における遮音性及び制振性を高め、且つアスファ
ルト層２のパネル面材１への接着性又はアスファルト層
２の可塑性を改良するために適宜樹脂成分、ゴム成分を
添加してアスファルトを変性したものを用いることもで
きる。

しかし、遮音性を低下させないためにはアスファルト層
２を低密度化するような添加剤は避け、１．０ｇ／ｃｍ
３以上とするのが好ましく、またその制振性を低下させ
ないためにはアスファルト層２の可塑性を大きく損なう
ものの添加も好ましくない。

アスファルト層２のパネル面材１の内部表面への設置（
被覆）は、如何様な手段によっても構わないが、パネル
の製作と同時に又は片面パネルの場合にはパネル製作後
に工場で連続的に実施でき、その際前記吸音材３の埋設
を行なう。

また、アスファルト層２の厚みは、パネルに応じ種々変
化させることができ、可能な限り厚い方が効果的である
が、脱落防止その他の観点から通常的３〜１０ｍｍの範
囲で選定するのが好ましい。

尚、図中５はパネルの内部枠材で゛ある。また、本考案
の防音パネルに用いられる、多数の透孔４を有する吸音
材３としては、例えば、第３図に示す如き形状の段ボー
ル紙３が用いられ、その埋設は、アスファルト層２を設
ける際に、第２図に示す如く、−面をパネル面材１に密
着させて行なうものである。

即ち、アスファルト層２を、第２図に示す如く、吸音材
３を被覆すると共にその孔部４を通してパネル面材１に
接着させた形態で設け、吸音材３をその内部に埋設する
ものである。

更に、本考案の防音パネルを、両面パネルとする場合に
は、第４図に示す如く、前記パネル面材１と他方のパネ
ル面材６との間に一般に断熱材として用いられているグ
ラスウール等を吸音材７として充填すれば一層防音効果
を向上させることができ、その際に用いるパネル面材６
としては、前記パネル面材１と同様な材質のものを用い
ることができる。

更にまた、第５図に示す如く、本考案の防音パネルのパ
ネル面材１の外部表面側に多数の透孔８を有する有孔板
９を併設し、該有孔板９と上記パネル面材１との間に前
記吸音板７と同様な吸音材を充填することにより更に優
れた防音構造を構成することができ、この場合有孔板９
を屋内側に位置させて壁部又は天井部に設置すると効果
的である。

また、この構造においてはパネル面材１，６として所謂
フレキ合板を用いるのが好ましい。

上記構造からなる本考案の防音パネルは、一般の建築用
パネルと同様に用いられるもので、その設置何処及び設
置態様は、一般のパネル形式住宅における場合と同様で
あるが、アスファルト層２を設けたパネル面材１の外部
表面側が、家屋の外側方向に位置するように設置するこ
とにより屋外からの騒音等を効果的に防音することがで
きる。

本考案の防音パネルは叙上の如く構成しであるため次の
如き効果を有する。

即ち、パネル面材１の内部表面に吸音材３及び高密度で
且つ可塑性を有しているアスファルト層２を設けである
ため、パネル面材１の外部表面から伝播してくる騒音又
は振動等を遮断且つ吸収でき、且つ外観を損う惧れがな
い。

この場合アスファルト層２のみで該層２を厚くすること
により充分な防音効果を得ようとすると重量的な問題が
生じアスファルト層２のパネル面材１への固定に問題が
生じるが、本考案によればアスファルト層２とこれより
も軽量な吸音材３とを併用しであるため、アスファルト
層２を薄くして上記の問題を生じさせることなく所定の
防音効果を得ることができる。

また、吸音材３には多数の透孔４を設けてあり、吸音材
３をその一面をパネル面材１に密着させてアスファルト
層２内に埋設しであるため、アスファルト層２を上記透
孔４を通してパネル面材１に確実に接着でき、且つその
結果吸音材３もパネル面材１に確実に固定でき、これら
が運搬中に剥離する惧れがない。

そして、上記の如く吸音材３をアスファルト層２内に埋
設することにより、吸音材３をアスファルト層２で被覆
できるため、吸音材の吸湿作用を可及的に防止すること
もできる。

また、仮にパネル面材１に目地等の多少の空隙か゛あっ
てもその空隙をアスファルト層２により完全に閉塞可能
であるため、防音効果を一層高めることができる。

また、その他、量産可能であり、且つ断熱性も高い等の
効果も奏される。

【図面の簡単な説明】 第１図は、本考案の一実施例を吸音材を省略し′て示す
断面図、第２図は、本考案の一実施例を示す断面図、第
３図は、第２図に示す実施例に用いる吸音材の一例を示
す斜視図、第４図及び第５図は、別の実施例をアスファ
ルト層内の吸音材を省略して示す断面図である。 １・・・・・・パネル面材、２・・・・・・アスファル
ト層、３・・・・・・吸音材、４・・・・・・透孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パネル面材１の内部表面にアスファルト層２を設けると
   共に、該アスファルト層２内に、多数の透孔４を有する
   吸音材３をその一面を上記パネル面材１に密着させて埋
   設してなることを特徴とする建築用防音パネル。