JPS581758Y2 - 回転炉床型加熱炉における粒状耐火物供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は粒状耐火物を炉床に充填した回転炉床型加熱炉
における粒状耐火物の供給装置に係り、とくに大型加熱
炉の操業中にも供給することができる粒状耐火物供給装
置に関する。

従来から金属または合金素材の加熱、例えば継目無鋼管
の素材であるビレットなどを加熱する場合、通常回転炉
床型加熱炉が使用される。

この炉床部は一般にフラットな耐火れんが、耐火プラス
チックあるいはキャスタブル等の耐火物構造で築造され
、その上に被加熱ビレットを一定間隔で放射状に載置し
、炉床が一回転する間に加熱を終了させる機構である。

しかるに近年被加熱物であるビレットが大型かつ大重量
化し、さらに設備能力を向上させるため単位時間当りの
処理量の増大に伴い、炉床部の損傷あるいは変形により
炉の運転を停止せざるを得ないという事態が多発してい
る。

また炉床に直接被加熱物を置くと加熱むらが生じ、造管
時の偏肉の原因となるなどの問題があった。

この対策として炉床上に耐火物よりなるスキッドもしく
はピアと称するものが突設されているが、耐久性、スケ
ール出し等に問題があった。

これに代わるものとして炉床上に直径１０〜５０ｍｍの
粒状耐火物を充填する方法が実開昭５３−２６３０６号
に提案されている。

しかしこの技術にもなお問題点が残さている。

例えばビレットの加熱などでは、この粒状耐火物も高温
のもとで、装入された重量物により繰返し上から押えら
れることにより破砕されたり、あるいは劣化して粉状に
なったり、また発生した溶融物が粒状耐火物に耐着して
団子状になったり、更には大きな塊となる場合もある。

そのような粉状あるいは塊状となった部分は、操業中で
も炉外に取り除いて新規な粒状耐火物を補給することが
必要となる。

実開昭５３−２６３０６号に提案された上記炉床に粒状
耐火物を充填した回転炉床型加熱炉には、前記のような
粒状耐火物の塊・劣化品などの取り出し、あるいは新し
い粒状耐火物の補給の他にも、尚問題点があり例えばビ
レットなどの加熱では自重や外径の相違による炉床面の
凹凸に基因する温度むらを生じ爾後の加工に悪影響が生
じるため、炉床が一回転する毎に炉床表面をかきならす
必要がある。

上記の諸々の問題点を解決するために、本考案の考案者
等が特願昭５４−１３３号で回転炉床型炉の炉床かきな
らし装置を提案した。

該かきならし装置の概要は、炉の加熱物装入口と抽出口
との間の炉床上方に炉床の回転方向と直角に炉床を跨い
で、かきならし板とかき出し板を備えたビールと、該ビ
ールの先端受は装置と、ビールの位置の設定と、かきな
らし、かき出し、操作とを行なうため走向台車上に設置
された揺動装置とから構成されている。

またビールに附設したがき出し板を駆使して、塊状ある
いは劣化粒状耐火物を炉外へかき出し、その跡に新規に
粒状耐火物が補給されることになるが、本考案は上記補
給に関する具体的な装置の実施態様である。

本考案になる粒状耐火物補給装置は、炉の加熱物装入口
と抽出口との中間で、炉床の回転方向と直角な線上の炉
の天井に複数個の粒状耐火物の供給口を開口させ、各供
給口の上部には粒状耐火物の貯蔵ホッパと、該貯蔵ホッ
パから切り出される粒状耐火物の量の調整可能な供給手
段と、供給された該粒状耐火物を供給口へ運ぶ供給ダク
トと、カバーと蓋とを設けた供給口開放防止手段を備え
た供給口とを配設した機構となっている。

なお各貯蔵ホッパへは、粒状耐火物収納した大型パケッ
トなどで天井走行うレーンなどによって配給される。

本考案の供給装置を図面に基ヴいて詳細に説明する。

第１図は本考案の装置の設置位置を示す平面図であって
、炉壁４に設けられたビレット装入口５と抽出口６との
中間に位置し、炉床１の回転方向（矢印）と直角方向に
複数個の供給ロアが天井８（第２図参照）に開口してい
る。

第２図および第３図は供給ロアの上部に設けられた粒状
耐火物２の供給装置の側面図である。

粒状耐火物２をパケット１５で天井走行うレーンなどに
より運搬し貯蔵ホッパ９に貯蔵する。

粒状耐火物の必要量は調整可能な供給手段１０により、
供給ダクト１１と、カバー１２と蓋１３とからなる供給
口開放防止手段を備えた供給ロアとを介して、炉内炉床
上に補給される。

本考案になる装置の操作を、図面を参照しつつ説明する
。

加熱炉の炉床の状況を工業用テレビジョン（ＩＴＶ）な
どにより監視し、新たに粒状耐火物２の補給を要する個
所が発見されると、その個所が供給ロアの下方に来た位
置で炉床の回転を停止し、炉外に排出すべきものは前記
がきならし装置（図示なし）のかき出し板を駆使してか
き出しな後その跡に、なお補強するだけでよい場合には
炉床の回転を停止することなく操業状態のままで、供給
ロアの蓋１３を揚げ供給手段１０を駆動して必要量の粒
状耐火物を供給ダクト１１および供給ロアを介して炉床
上に補給する。

補給が終ると再び蓋１３を降ろして閉めることで、本考
案による粒状耐火物の新規補給の操作は完了する。

この際蓋１３はシリンダー１４などにより昇降して供給
ロアを開閉するが、供給口カバー１２によりおおわれて
いるので、開口中でも熱が外部に放散されないようにな
っている。

またこの場合、粒状耐火物の供給手段１０はコンベヤで
もよく、エフセントリック式のパイブレークでもよい。

尚図示はしていないが、炉床上に補給された粒状耐火物
２は、前記かきならし装置のかき出し板を駆使して炉中
方向のかきならし操作をし、またかきならし板を駆使し
て炉床の回転方向のかきならし操作をすることにより、
供給口から炉床上に供給された粒状耐火物は平らにかき
ならされて、次の新しく加熱されるビレットの装入準備
は完了し、炉の回転が再開され操業が継続されることに
なる。

本考案になる粒状耐火物の供給装置では、加熱炉の操業
中でも炉床の任意の場所に必要量の粒状耐火物を補給す
ることができるので、供給口からの外部放熱による熱損
失もなく、安定した灼熱加熱ができて従来のような高熱
重労働から開放されるようになった。

即ち近来の大型炉において、従来は困難であった操業中
の粒状耐火物の補給が、先に本考案者らによって提案さ
れたかきならし装置に本考案の供給装置を組合わせるこ
とにより、容易に可能とすることができた工業上の効果
は極めて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の粒状耐火物供給装置の設置位置を示す
平面図、第２図は供給装置の全体側面図、第３図は供給
装置の側面拡大図である。 １・・・・・・炉床、２・・・粒状耐火物、３・・・・
・・ビレット、４・・・・・・炉壁、５・・・・・・装
入口、６・・・・・・抽出口、７・・・・・・供給口、
８・・・・・・炉の天井壁、９・・・・・・ホッパ、１
０・・・・・・供給手段、１１・・・・・・供給ダクト
、１２・・・・・・供給口カバー１３・・・・・・蓋、
１４・・・・・・シリンダー、１５・・・・・・パケッ
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炉床に粒状耐火物を充填した回転炉床型加熱炉において
   、被加熱物の装入口と抽出口との中間で炉床の回転方向
   と直角をなす炉中線上の炉の天井に複数個の粒状耐火物
   供給口を開口させ、該供給口の各々の上部に粒状耐火物
   の貯蔵ホッパと、該貯蔵ホッパからの粒状耐火物の供給
   量調整可能な供給手段と、供給された粒状耐火物を供給
   口へ送る供給ダクトと、カバーと蓋とを備えた開放防止
   手段を設備した供給口とを配設したことを特徴とする回
   転炉床型加熱炉における粒状耐火物供給装置。