JPS5817396B2 - 製鋼用電気炉装入材料の予熱方法及び装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は製鋼用アーク炉などの高温排ガスを利用して屑
鉄などを効率的ζこ予熱する製鋼用電気炉の装入材料の
予熱方法及びそれに用いる装置に関する。

一般に製鋼用電気炉に屑鉄などの原料を装入するのは、
底部が開閉する鉄製の装入パケットを用いて行われてい
る。

この場合、この装入パケット内に充てんされた屑鉄など
の原料を炉中に装入する前にその電気炉の排ガスで予熱
することが一般に行われており、このような具体例とし
て、例えば高温排ガスを、屑鉄などを充てんした装入パ
ケットの上部から下部に通気させて予熱する装置が開発
されている（特公昭４９−２３９６２号公報参照）。

しかし、この装置によると、装入パケット内の屑鉄など
は、最上部が最も高温に加熱されるが、加熱の程度が強
いと、その一部が赤熱状態となって軟化する結果、屑鉄
どうしが強くからみ合って一体化する状態が発生する。

そのため、屑鉄などの原料を溶解させる際、そのまま電
気炉中に装入すると、原料屑鉄などの炉室内にうまく平
均化して収納されないという面倒な問題が生じた。

また、その装置では、予熱の際、高温排ガス中に含まれ
る酸化鉄を主とする粉じんが装入パケット上部の屑鉄な
どに吸着されるが、この原料を電気炉内に落下装入させ
ると、その粉じんが空中に飛散して、電気炉近辺の工場
内雰囲気を著しく汚染するという欠点があった。

本発明者らは、この従来の、屑鉄を主原料とする製鋼用
電気炉の装入材料の予熱方法及びそれに用いる装置の欠
点を克服するため種々検討を重ねた結果、装入パケット
内に充てんした屑鉄などの原料（以下、装入材料という
）の底面に所定の空洞部を形成し、この空洞部から装入
パケット内に、下部から上部に向けて高温排ガスを通す
ようにすることによりその目的を満足し得ることを見出
し、この知見に基づき本発明をなすに至った。

すなわち本発明は、装入パケット内に充てんした装入材
料の底面中央から内部にかけて空洞部を形成し、電気炉
からの排ガスをこの空洞部に導入して装入材料の間を上
部に拡散通気させ、装入パケットの上部より抜き出して
集じん機に送るようにしたことを特徴とする製鋼用電気
炉の装入材料の予熱方法及びこれに用いる装置を提供す
るものである。

次に本発明を図示の１実施例に従って説明する。

第１図は本発明における装入材料の装入パケットへの充
てん状態を示す縦断面図である。

図中１は装入パケット、２はこの装入パケットの吊り手
、３は装入パケットの２つ割形底板であり、その中央部
には孔４を設ける。

５はパケットピット内の台６の上に設けた塔状体であり
、中央孔４から装入パケット１の内部に貫挿させる。

この塔状体５は鉄製などの堅ろうな材料を用いた構造物
で、上から落下する原料屑鉄などの衝撃に十分耐え得る
強度を有するものである。

なおこの塔状体５の高さは、その挿入部分が装入パケッ
ト１の旨さの百〜丁の程度が好ましい。

また、７，８は装入パケット１の支持リングである。

第１図の装入パケット１に上部からダンプカー又はリフ
マグクレーンにより装入材料９を順次投入し、充てんを
完了したのち、装入パケット１を天井クレーン（図示せ
ず）を用いて吊り手２で吊り下げ、装入パケット１の中
央孔４から塔状体５を完全に抜くと、装入パケット内の
充てんした装入材料の内部に、屑鉄どうしのからみ合い
により塔状体を外形そのままの空洞部（後述する第２図
の符号２５参照）が形成される。

次に、この装入パケット１を、電気炉の直接吸引式排ガ
ス集じん装置の排ガス導管中間部に設置して、装入材料
を予熱する。

第２図及び第３図は、電気炉の排ガスを利用して上記の
ようにして装入材料を充てんした装入バスケットを予熱
処理する例を示す一部継断面図及び平面図である。

図中１０は電気炉（図示しないからの排ガスを引き出す
エルボ、１１は排ガス中の未燃焼ガスを完全燃焼させる
燃焼塔、１２はこの燃焼塔１１の下部に接続した排ガス
導管であり二またに分岐している（第３図参照）。

１３ａはその排ガス導管１２内に設けた排ガス切替用ダ
ンパー、１４は排ガス導管１２の先端に設けた防爆安全
弁兼用導管掃除口、１５はその排ガス導管１２に垂直力
向に設けた導入管（水冷式）、１６は装入パケット１を
載置する架台であり、載置した装入パケット１の底板の
中央孔４に導入管１５の先端が嵌挿するようにする。

１７は装入パケット１にかぶせた昇降式フードで、固定
導管１８を中心として旋回する旋回導管１９の先端に懸
吊しである。

２０は旋回導管１９と昇降式フード１７との接続部をお
おう蛇腹であり、２１はこの旋回導管１９の旋回時に昇
降式フード１７を上方に吊り上げるためのエアシリンダ
ー、２２は旋回導管１９と固定導管１８との接続部の軸
受、２３は旋回用エアシリンダー、２４は固定導管用架
台である。

固定導管１８は、集ビん機本体（図示しない゛に連結さ
れており、装入材料を予熱したのちの排ガスを集じん機
に送り出す。

なお、フード昇降用エアシリンダー２１及び旋回用エア
シリンダー２４は例示的にあげたもので、これらに代え
て油圧シリンダーや適当な電動装置を用いてもよいこと
はもちろんである。

次に、上記図面に基ブき、装入材料を予熱する操作を説
明すると、電気炉から排出された高温の排ガスはエルボ
１０、燃焼塔１１及び排ガス導管１２を経て、水冷式導
入管１５より、装入パケット内に充てんした装入材料９
内の空洞部２５に吸引され、嵌入材料の間げきを上昇す
る。

この際、水冷式導入管１５の先端は装入パケット底板の
中央孔４より空洞部２５内に突出するように嵌挿しであ
るので、高温の排ガスが装入パケット底板に直接吹き付
けることもなく、また導入管１５の水冷効果により中央
孔４周辺の底板は、十分低温に保たれるため、装入パケ
ット底板の熱によるひずみや損傷は生じない。

一刀、高温排ガスは、パケットピット内の塔状体５によ
り形成された装入材料９の空洞部２５に吸い込まれ、そ
こから周辺部に拡散し、上方へ抜けるようになっている
ため、予熱終了時の充てん装入材料内部における温度分
布は中心部が最も高く、装入パケットの胴部に接する周
辺部が最も低くなる。

そのため、装入パケットの胴板の温度はあまり上昇せず
、熱ひずみによる損傷などは起らない。

なお、排ガス吸引時には、昇降式フード１７は装入パケ
ット１の上面を密封して置かれ、その）−ドの中心部と
旋回導管１９のすり合わせ部には蛇腹２０が設けられて
いるので外気空気の侵入が防止され、集じん機による吸
引効果はそこなわれない。

次に、排ガス導管１２は二またに分岐しているが、これ
は２台の装入パケットを予熱を交互に行うようにしたも
のである。

すなわち、装入材料を充てんしたパケットが載置されて
いる側の排ガス導管に設けられたダンパー１３ａを開、
他力のダンパー１３ｂを閉とすることにより高温の排ガ
スを装入パケット内に導くことができる。

こうして１台の装入パケットで装入材料を予熱している
間にもう１台の装入パケットに装入材料を充てんし。

もう−力の導入管１５上にその装入パケットを設置する
。

そして先の装入パケットの予熱が終了したならば昇降式
フード１７を上げ、旋回導管１９を旋回させてもう一力
の装入パケット上にかぶせるようにする。

そして、ダンパー１３ａ、１３ｂの開閉を逆にすれば排
ガスは後の装入パケットに導かれる。

このようにして集じん機による吸煙をほとんど停止する
ことなく交互に装入パケット内の装入材料を予熱するこ
とができる。

上述のように、本発明方法及び装置においては。

パケット底面の中央部に、内方中心部に向けた、装入材
料を貫通しない空洞部を形成してパケットの見掛容積の
減少を最少にとどめるものであり、この空洞部を通して
、高温排ガスを装入パケット下部・内部より上部に通気
、拡散させるものであるから、従来の予熱のように装入
パケットの表面の屑鉄などが加熱されてからみ合い、一
体化（団塊化）するようなことがなく、シたがって予熱
した装入材料は容易に平均化して電気炉中に収納させる
ことができ、炉上にはみ出すようなことはないので、作
業性が極めてよくなり、装入時間を短縮でき、その分だ
け溶解時間も短縮できるという優れた効果を奏する。

さらに熱損失の発生を防止することができ、予熱効果を
そこなうことなく利用できる。

また、本発明の予熱方法及び装置によれば、排ガス中の
酸化鉄など粉じんは空洞部２５内に吸着されているため
、予熱後装人材料を電気炉中に落下装入させても再発し
んの発生が少なく、電気炉近辺の工場内雰囲気の汚染を
防止することができる。

さらに本発明の予熱方法及び装置によれば、予熱後の装
入材料は、上部より下部と内部が高温に加熱されている
ので、炉の上部より下部がより高温となる電気アーク炉
などの電気炉の特性に合致し、溶解を円滑に進めること
ができ、熱効率が非常に優れる。

その上、本発明においては、予熱する装入材料の内部に
空洞部を設け、これから排ガスを吸い込ませるようにし
たから予熱装置内の圧力損失を小さくすることができる
。

また、内部はど高温で、装入パケットの周辺部に行くほ
ど低温となるため、装入パケットの胴部から熱が逃げる
ようなことも少なく、装入パケットの寿命も長くなる。

さらに、このような本発明の予熱方法及び装置は省エネ
ルギーの点でも極めて優れるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る製鋼用電気炉の装入材料の予熱装置
の１実施例を示し、第１図は装入パケットの縦断面図、
第２図及び第３図はその装入パケットを電気炉の集じん
装置の排ガス導管中間部に設置して装入材料を予熱する
場合を示す、一部縦断面図及び平面図である。 符号の説明、１・・・・・・装入パケット、３・・・・
・・装入パケットの底板、４・・・・・・中央孔、５・
・・・・・塔状体、９・・・・・・装入材料、１２・・
・・・・排ガス導管、１５・・・・・・導入管、１７・
・・・・・昇降式フード、１８・・・・・・固定導管、
１９・・・・・・旋回導管、２５・・・・・・空洞部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 装入パケットに充てんした装入材料の底面中央から
   内部にかけて内方中心力向に、該装入材料を貫通しない
   空洞部を形成し、製鋼用電気炉からの排ガスを、この空
   洞部に導入後芸人材料の間げきを拡散させながら上部に
   通気させ、装入パケットの上部より抜き出して集じん機
   に送るようにしたことを特徴とする製鋼用電気炉の装入
   材料の予熱方法。 ２ 装入パケットの底部に設けた中央孔から、塔状体を
   パケット内部中心力向に、パケットを貫通しないように
   挿入させ、充てんした装入材料に、塔状体と同じ輪郭の
   空洞部を形成させる固定式装入材料空洞形成装置と、そ
   の装入材料を充てんした装入パケットの前記空洞部内に
   、製鋼用電気炉の排ガス導管に設けた導入管を接続し、
   一方、装入パケットの上部フードに集じん機本体に連絡
   する導管を接続してなる装入材料加熱装置とからなるこ
   とを特徴とする製鋼用電気炉の装入材料の予熱装置。