JPS581673Y2 - 燃料ポンプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、燃料ポンプに関する。

従来の燃料ポンプは、第１図に示すようにダイヤフラム
１、ダイヤフラムスプリング２、ロッカアーム３、リタ
ーンスプリング４を内蔵するロアーボディ５と、インレ
ットバルブ６およびアウトレットバルブ７を取付け、吸
入、吐出通路８，９を持つアッパボディ１０と、該アッ
パーボディ上部に固着され、ダイヤフラム１２によって
エアチャンバ１１を形成するキャップ１３などで構成さ
れている。

このような構成の従来の燃料ポンプでは、機関のカムシ
ャフトに設けられた偏心カム１４の動きによりそのリフ
ト量が増すと、ロッカーアーム３が同図中反時計方向に
回動し、プルロッド１５を介してダイヤフラムスプリン
グ２のばね力に打勝ってダイヤフラム１が下に引かれる
。

このときインレットバルブ６が開き、ダイヤフラム１上
のポンプ室１６内へ燃料を吸込む。

更に偏心カム１４が回動しそのリフト量が下がると、ロ
ッカーアーム３がリターンスプリング４のばね力によっ
て戻され、解放されたプルロッド１５と共に、ダイヤフ
ラムスプリング２のばね力によりダイヤフラム１が押し
戻され、ポンプ室１６の燃料がアウトレットバルブ７を
押開けて吐出通路８へ送られていくという一連の動作を
行っている。

しかしながら、上記構成の従来の燃料ポンプでは、部品
点数が多く、また、各部材をアルミニウムや炬鉛等の非
鉄合金納物で成型していたため、所要ポンプ室に対して
非常に大きなアッパーボディ１０が必要で、そのため重
量が重くなると共に、雰囲気の温度が吸入室及び吐出室
に伝わり易く、そのため耐熱性に難があるという欠点が
あった。

本考案は、以上のような従来の欠点に鑑み、提案された
ものであり、その目的とするところは、軽量で例気温の
影響を受けにくく、しかも構造が簡単で低床な燃料ポン
プを得るにある。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。

なお、本考案の実施例を説明するに当って、前記第１図
に示す従来例と同一の構成部分には、同一符号を付して
重複する説明は省略する。

第２図及び第３図に示す本考案の実施例と第１図に示す
従来例と主に異なる点は、アッパーボディ１０Ａを薄鋼
板で絞り成型されている点、このアッパーボディＩＯＡ
の内部には、吸入室８Ａ、吐出室９Ａおよびポンプ室１
６Ａを形成する１合成樹脂あるいは非鉄合金鋳物で成型
した隔壁ブロック１７が収容配置されている点、及び隔
壁ブロック１７の外周には、環状溝１７ａが設けられて
おり、その環状溝１７ａによって、前記アッパーボディ
１０Ａの内周面１０ａとの間に、大気から密閉された環
状密閉空気室１８が形成されている点である。

そこで、以下に本実施例の構成を詳述すると。

この実施例では、燃料ポンプは、インレットバイブ２６
及びアウトレットバイブ２７を軸方向に突出した筒状の
薄鋼板製のアッパーボディＩＯＡと。

このアッパーボディ１０Ａの内部に収容配置される、金
材として有底筒状であってその内部を半径方向に２分割
して前記インレットバイブ２６及びアウトレットバイブ
２γに対応した位置に吸入室８Ａ及び吐出室９Ａを隔成
する仕切板１７′を有する隔壁ブロック１７と、この隔
壁ブロック１７の下側にポンプ室１６Ａを形成するダイ
ヤフラム１と、このダイヤフラム１の上下動に痒い交互
に開閉して前記吸入室８Ａ内に導かれた燃料を前記ポン
プ室１６Ａを介して前記吐出室９Ａ及びアウトレットバ
イブ２７に送出すべく前記吸入室８Ａ及び吐出室９Ａの
各底部８ａ、９ａに設げられたインレットバルブ６及び
アウトレットバルブ７とを備えており、前記隔壁ブロッ
ク１７の列用に設けた環状溝１７ ａによって、前記ア
ッパーボディ１０Ａの内周面１０ａとの間□、環状密閉
空気室１８を形成して構成されている。

そして、上記隔壁ブロック１７は、燃料ポンプ自体の軽
量化を図るとともに５列部からの断熱効果を上げるため
に、合成樹脂材料、または非鉄合金鋳物で成型されてい
る。

前述のアッパーボディ１０Ａの上部には、吸入室８Ａと
吐出室９Ａの内部に挿通されたインレットバイブ２６と
アウトレットバイブ２７が、上記吸入室８Ａ及び吐出室
９Ａ内の上部にエアチャンバー２４．２５を形成できる
ようにして固設されている。

なお、前記吐出室９Ａは、ポンプ脈動を減少させるため
に、吸入室８Ａよりもその容積が大きくなるように形成
することが望ましい。

なお、上述の隔壁ブロック１７には、組違い防止のため
、中心より距離の異なる位置に、ボルト１９．１９を植
設されており、このボルト１９゜１９をアッパーボディ
１０Ａの上面に形成したボルト孔から外部に突出させ、
ナツト２０．２０を締め付けることにより、上記隔壁ブ
ロック１７をアッパーボディ１０Ａの内部に吊り下げ状
態で取り付けている。

また、隔壁ブロック１７の上面に沿って形成した環状の
凹部２２内に嵌挿されたシール部材２１は、前述のアッ
パーボディＩＯＡの上部内壁と当接して、その上部内壁
との間を密封するためのものであり、また、隔壁ブロッ
ク１１の下部列置に沿って環装されたシール部材２３も
、上記シール部材２１と同様、アッパーボディ１０Ａと
隔壁ブロック１７との間を密封するためのものである。

次に、以下の構成の本考案の作用について説明する。

まず、ダイヤフラム１を上下動させると、この上下動ニ
より、インレットバイブ２６から吸入室８Ａ内に吸入さ
れた燃料は、インレットバルブ６を通りポンプ室１６Ａ
へ入り−そのポンプ室１６Ａからアウトレットバルブ７
を通り吐出室９Ａ内へ送られる。

そして−吐出室９Ａに送られた燃料は、この吐出室９Ａ
内の液面上部に形成されるエアチャンバ２５により吐出
原動が吸収された後、その吐出室９Ａからアウトレット
バイブ２７へ吐出すれる。

以上のように、本考案では、吸入室８Ａ及び吐出室９Ａ
を形成する隔壁ブロック１７が、アッパーボディ１０Ａ
の形成材料とは異なった合成樹脂あるいは非鉄合金鋳物
から形成されていると共に、隔壁ブロック１７の列用に
設げた環状溝１７ａによって、アッパーボディＩＯＡの
内周面１０ａとその隔壁ブロック１１との間に環状密閉
空気室１８が形成されているものであるから、隔壁ブロ
ック１１自体及び環状密閉空気室１８が例気温からの断
熱作用をする。

したがって、外部の雰囲気温度を吸入室８Ａ及び吐出室
９Ａ内の燃料に対して伝わりにくくすることができる。

したがって、高温雰囲気下においても、吸入室８Ａ及び
吐出室９Ａ内の燃料が加熱気化して、所謂ベーパロック
を生じせしめる等、ポンプ性能の低下を有効に防止する
ことができる。

また隔壁ブロック１Ｔが合成樹脂材料または非鉄合金鋳
物で成型されているので、燃料ポンプの軽量化をさらに
図ることができるとともに、断熱効果もさらに上げるこ
ともできる。

以上の説明から明らかなように、本考案は、アッパーボ
ディ内に収容配置された隔壁ブロックの外周に設けた環
状溝によって、上記アッパーボディの内周面との間に環
状密閉空気室を形成して構成したものであるから、列部
の雰囲気温度の影響を受けにくくすることができ、した
がって、断熱効果の良好な燃料ポンプを提供することが
できる。

また、本考案は、隔壁ブロックを合成樹脂材料または非
鉄合金鋳物から成型しているので、さらに軽量化、低廉
化、及び耐熱性良好化を上げうる燃料ポンプを提供する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の燃料ポンプを示す断面図、第２図は本考
案の一実施例を示す断面図、第３図は本考案の要部を示
す断面図である。 １・・・ダイヤフラム、６・・・インレットバルブ、７
・・・アウトレットバルブ、８Ａ・・・吸入室、９Ａ・
・・吐出室、８ａ、９ａ・・・底部、１０Ａ・・・アッ
パーボディ、１０ａ・・・内周面、１６Ａ・・・ポンプ
室、１７・・・隔壁ブロック、１７ａ・・・環状溝、１
７′・・・仕切板、１８・・・環状密閉空気室−２４，
２５・・・エアチャンバー ２５・・・インレットバイ
ブ、２７・・・アウトレットバイブ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）インレットパイプ及びアウトレットパイプを軸方
   向に突出した筒状の薄鋼板製のアッパーボディと、この
   アッパーボディの内部に収容配置される、全体として有
   底筒状であってその内部を半径方向に２分割して前記イ
   ンレットパイプ及びアウトレットパイプに対応した位置
   に吸入室及び吐出室を隔成する仕切板を有する隔壁ブロ
   ックと、この隔壁ブロックの下側にポンプ室を形成する
   ダイヤフラムと、このダイヤフラムの上下動に伴い交互
   に開閉して前記吸入室内に導かれた燃料を前記ポンプ室
   を介して前言述出室及びアウトレットパイプに送出すべ
   く前記吸入室及び吐出室の底部に設けられたインレット
   バルブ及びアウトレットバルブとを備え、前記隔壁ブロ
   ックのＡ周に設けた環状溝によって前記アッパーボディ
   の内周面との間に環状密閉空気室を形成して成ることを
   特徴とする燃料ボンフ０
2. （２）前記隔壁ブロックは、合成樹脂材料又は非鉄合金
   鋳物からなることを特徴とする前記実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の燃料ポンプ。