JPS5816739Y2 - 病人用寝台 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、病人、老人等がベット上に仰臥したまま容易
に用便をさせることを可能にした病人用寝台に関するも
のである。

病人、老人等が健康上または身体的障害その他の事由に
より起居が思うにまかせず、付き添い看護者の手を借り
て用便をする場合、病人等自身はもとより看護者も共に
多大の労力を要していた。

このため、従来より病人向きの寝台やポータプルトイレ
が提案されてきたが、前者の多くは複雑な機構を必須不
可欠としており、操作取り扱いも高令者には不向きであ
り、しかも高価格なものであった。

また、後者のポータプルトイレの場合、病室等に持ち込
めるので病人等の歩行を強制しないですむが、寝台から
降りることが不可能な病人等には使用困難であるという
欠点があった。

本考案は、簡単な構造からなり、用便時にはきわめて簡
単な操作によって、仰臥したまま用便可能たらしめる寝
台を提供することを目的とするものである。

本考案は、接合する前部ベットと後部ベットからなり、
通常は普通の寝台として利用し、用便時には後部ベット
を傾斜させることによって前部ベットとの間に段差を形
成し、該部に用益を挿脱できるようにしたものである。

本考案の一実施例を図面を参照しながら説明すると、Ｓ
ｌは前部ベット、Ｓ２は後部ベットであって、これらは
接合して使用される。

１ａは例えば長方形状を呈する前部ベットＳ１の主枠で
、１ｂは同じく後部ベラｌ−８ｉの主枠で、主枠１ｂに
は後述する基脚部３を保持するための副枠部２ａｔ２ｂ
を付設するとよい。

後部ベットＳ２の主枠１ｂのほぼ中央部位には基脚部３
が保持され、前端には基脚部３より短かい補助脚部４が
固定されているが、基脚部３の主枠１ｂへの取り付けは
ピン５によって枢着し、補強部材６ａ、６ｂによって補
強しである。

したがって主枠１ｂは基脚部３が接地したまま補助脚部
４が接地するまで傾斜することができるが、その傾斜角
度がほぼ１０度前後となるように補助脚部４の長さを定
めれるとよく、また補助脚部４は第２図示のように接地
時に床面と直角となるように主枠１ｂと広角状態に固定
する。

さらに前部ベットＳ１の主枠１ａの前端には外部主脚部
７ａが、後部ベットＳ２の主枠１ｂの後端には外部主脚
部７ｂが固定され、また前部ベットＳ１の後端には固定
脚部８が固定されており、当然のことながら基脚部３、
外部主脚部？ａｙ７ｂ、固定脚部８の長さは同一であり
、前部ベットＳ１、後部ベットＳ２を同一高さに保つ。

また、主枠１ａ、１ｂには適当数の懸架材９を付設し、
主枠１ａ、１ｂの歪形防止と後述する滑動部材１１の保
持機能を果すようにするとよい。

１０ａは主枠１ａの後端に、１０ｂは主枠１ｂの前端、
１０ｃは主枠１ｂの後端にそれぞれ同一直線上に設けた
滑動部材１１の係止部であり、滑動部材１１は主枠１ｂ
に可滑動的に設けられ、押込時でも第１図示のように端
部が主枠１ｂの後端より僅かに突出するようにし、突出
部には手掛孔１２等を付設すると便利である。

１３は前部ベットＳ１の主枠１ａの後端に固定したふと
ん押えであって、前部ベットＳ１と後部ベットＳ２の主
枠１ａ、１ｂが分離しにくいように、第４図示のように
連結部材１４で連結するようにするとよく、その場合連
結部材１４の基部１４ａを補助脚部３へ回動自在に取り
付は先端部４ｂをふとん押え１３に係脱自在とするのが
好ましい。

図中、Ｈは仰臥する病人等、Ｎは用益を示す。

しかして、通常は滑動部材１１を内方に押し込んで前部
ベットＳ１の枠体１ａの係止部１０ａへ係止させて各ベ
ットを同一高さにしておくが、用便時には滑動部材１１
を引き出して前後部ベットＳ１．Ｓ２の係合を解き、後
部ベットＳ２の後端を上方に押し上げることによって後
部ベットＳ２は傾斜し、第２図のように前後部ベットＳ
１，８２間に段差ができるから、そこに用益Ｎを差し込
んで用便をさせる。

上記のとおりの構成を有する本考案は、簡単な構造であ
って操作もきわめて容易、迅速に行うことができるほか
、次に列記するような効果をもたらすものである。

第１に、従来、寝たままの病人の場合、看護者は病人を
抱き起すなり、側方から不自然な姿勢で病人の腰部を持
ち上げて尿器を当てがっていたので、その着脱は大変な
苦労であり、それも−日に少くとも数回行う関係上、病
人の側からも遠慮する気持ちがあって、病勢の昂進の原
因にすらなっていた。

本考案によれば、滑動部材１１による前後ベットの係合
を解き後部ベットＳ２をシーソ一方式で持ち上げれば、
その前端と前部ベットＳ１後端との間には段差が生じ、
用益Ｎの差し入れまたは取除きを至極簡単に行うことが
できるものである。

特に、尿意を訴えることのできない重病人とか、夜間の
際には用益を当てかったままとしても差し支えないので
、看護者は安心して休息をとることが可能である。

第２に、使用時、前・後部ベットＳ１．Ｓ２の接合部分
に段差が生じるので、従来のように腰を上げさせそり返
るという無理な姿勢を強制しないですむため、腰を痛め
ず身体の弱った病人や老人には真に良好である。

第３に、男女を問わずにおむつをさせることが多いが、
その取換えも容易でないし、時間的経過とか季節によっ
ては非衛生となり、時には余病すら発生することがあっ
た。

本考案によれば、おむつ使用の必要もなく容易に用益な
簡単に利用できるので真に便宜である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る病人用寝台の実施例を示し、第１図
は側面図、第２図は使用状態説明図、第３図ａは要部拡
大横断平面図、同図すは第３図ａのＡ−Ａ線断面図、第
４図は他の実施例を示す説明図である。 Ｓｌ・・・前部ベット、Ｓ２・・・後部ベット、１ａ、
１ｂ・・・主枠、２ａ、２ｂ・・・副枠部、３・・・基
脚部、４・・・補助脚部、７ａ、７ｂ・・・外部主脚部
、８・・・固定脚部、１０ａ、１０ｂ、１０ｃｍ係止部
、１１−・・滑動部材、１３・・・ふとん押え、１４・
・・連結部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 接合する前部ベットＳ１と後部ベットＳ２とからなり、
   後部ベットＳ２のほぼ中央部位に基脚部３を枢着し、前
   端に基脚部３より短かい補助脚部４を、後端に外部主脚
   部７ｂを固定し、前部ベットＳ１の前端に外部主脚部７
   ａを、後端に固定脚部８を固定し、これら基脚部３、外
   部主脚部７ａ。 ７ｂおよび固定脚部８を同一長さとし、さらに後部ベッ
   トＳ２に滑動部材１１を付設して滑動部材１１を前部ベ
   ットに係脱可能たらしめてなる病人用寝台。