JPS5816427B2 - ストツパ機構付きスプリングヒンジ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は閉扉力を蓄力するようにしたスプリングヒンジ
に関し、特に扉を開状態に停止させるストッパ機構を具
備したスプリングヒンジに関するものである。

従来、扉のヒンジとして閉扉力を蓄力するためのバネを
内装したスプリングヒンジが広く知られているが、この
ものにあっては扉を単に閉動作させ得るだけであり、そ
のため扉を開状態に係止するには戸当りに付設した係止
具等地の何らかの器具を使用しなければならなかった。

そこで従来では、スプリングヒンジと併用されるダンパ
ーヒンジ内に緩衝機構と併せてストッパ機構を内装した
ものが提案されているが、このようなダンパーヒンジと
スプリングヒンジとを単一の扉に併用した場合、扉が開
状態にあるとき扉に捩り力が作用することになって好ま
しくない。

また、比較的軽易な扉にはダンパーヒンジを特に設ける
必要がない場合があるが、このような場合に敢えて上記
の如きダンパーヒンジをも使用するとすれば、高価なも
のとなってしまい好ましくない。

本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、構造が簡単
でしかも耐久性に富むストッパ機構付きスプリングヒン
ジを提供することを目的とするものである。

以下本発明の実施例を図面を参照して説明する。

例えば出入口の枠体である方立に固着すべき蝶番片１ａ
が突設された第１の筒体１と、扉に固着すべき蝶番片２
ａが突設された第２の筒体２とは、ベアリング３を介し
てその中心軸線を一致させて回動可能に連結されている
。

前記第１の筒体１の一端（第１図では右端）内周部にブ
ツシュ４が嵌着されており、このブツシュ′４には前記
各筒体１゜２内をその中心軸線に沿って貫通する支持軸
５がその一端部で嵌着され、さらにこの支持軸５は前記
ブツシュ４および支持軸５の一端部をその半径方向に貫
通するピン６で回り止めされている。

一方、前記支持軸５の他端部は第２の筒体２内にあり、
当該他端部にはその外周面との間に所定幅の間隙をもっ
てローラホルダ７が回転可能に嵌装されており、そして
前記支持軸５の中間部外周にはフェルト、合成樹脂等か
らなるスリーブ８が嵌装され、さらにその外周には、一
端部が前記ブツシュ４に、すなわち実質的に第１の筒体
１に係止され、他端部が前記ローラホルダ７に係止され
たコイルバネ９が嵌装されている。

前記支持軸５の他端部外周面の２箇所には、第２図に示
すように当該外周面に滑らかに連続する係止用凹部１０
が形成され、また前記ローラホルダ７の内周面の２箇所
には、当該内周面に滑らかに連続する凹部１１が形成さ
れている。

そして、前記支持軸５の他端部外周面とローラホルダ７
の内周面の間には、ローラ１２を有するローラスリーブ
１３が回転可能に嵌装されている。

すなわち、前記第２の筒体２の第１図における左端内周
部にはブツシュ１４が嵌着されており、前記ローラスリ
ーブ１３はその中実部でブツシュ１４に回転可能に嵌装
されるとともにピン１５で回り止めされ、またローラス
リーブ１３の前記支持軸５の他端部に嵌合する中空部の
壁部の２箇所には、半径方向４に対して所定角度傾斜し
たスリット１６が形成されていて、このスリット１６内
に前記ローラ１２が遊嵌されている。

このローラ１２は前記支持軸５の他端部外周面の係止用
凹部１０内周面と前記ローラホルダ７の内周面との間隙
より犬なる径で、あって、扉を停止させておくべき開扉
位置で前記各凹部１０，１１に係合し、それ以外の位置
でローラホルダ７の凹部１１に係合しており、したがっ
て前記第２の筒体２はブツシュ１４、ローラスリーブ１
３およびローラ１２を介してローラホルダ７と一体とな
って回動動作するようになされている。

ここで、前記各凹部１０，１１とスリット１６とについ
て更に説明すると、第３図に示す開扉位置においてはロ
ーラ１２は各凹部１０，１１に係・合するが、ローラ１
２が接触する各凹部１０，１１の斜面１０ａ、１．１ａ
は互いにほぼ平行となっており、またスリット１６の内
壁面１６ａはこれら斜面１０ａ、１１ａに対して直交す
る方向を向いており、したがって扉を閉じる際に前記第
２筒体２に付与する回動力が、前記スリット１６の内壁
面１６ａを介してローラ１２を前記係止凹部１０から抜
は出す方向へ作用するようになされている。

さらに、前記支持軸５の他端部は第４図に示すようにほ
ぼ半円状に切欠されてここに係止部１７が形成され、ま
た前記ローラスリーブ１３の中実部の偏芯位置にはねじ
孔１８が形成されており、このねじ孔１８にねじ込んだ
止めねじ１９の先端部を前記係止部１７の立ち上り壁面
に当接させることにより、前記第２の筒体２の回動を規
制するようになされている。

つぎに上記のように構成されたスプリングヒンジの動作
について説明する。

第２の筒体２の蝶番片２ａが取り付けられた扉が前記コ
イルバネ９の復帰力で例えば出入口の枠体の所定箇所に
当接して閉じている場合、ローラスリーブ１３、ローラ
１２およびローラホルダ７は第２図に示す位置にある。

この場合、ローラホルダ７はコイルバネ９にて第２図に
おける反時計方向へ回動するように附勢されているから
、ローラ１２は凹部１１の斜面１１ａに当接している。

そして、扉を押し開くと、第２の筒体２は第２図におけ
る時計方向−１回動するが、第２の筒体２とローラスリ
ーブ１３とが一体的に構成され、またローラ１２がロー
ラホルダ７の凹部１１に係合しているから、これらは一
体となって時計方向へ回動する。

扉をコイルバネ９の復帰力に抗して例えばほぼ９０°回
動して開扉位置まで押し開くと、前記ローラ１２は第３
図に示すように、支持軸５の他端部に形成した係止凹部
１０内に落ち込んで係合する。

この状態においてローラ１２は各凹部１０．１１の斜面
１０ａ、１１ａに接触しており、またコイルバネ９はロ
ーラホルダ７が回動することによって捩られ、その結果
コイルバネ９に閉扉力が蓄力される。

そして、この状態で扉を押し開く力を解除すれば、ロー
ラホルダ７にはコイノＬ／バネ９の復帰力がこれを第３
図における反時計方向へ回動させるように作用するが、
この復帰力は凹部１１の斜面１１ａを介してローラ１２
に作用するため、ローラ１２は各凹部１０，１１の各斜
面１０ ａ 、 １１ 、ａ間に積極的に挾み込まれる
こととなる。

したがって、ローラ１２はクサビ゛の役目を果し、その
結果ローラホルダ７のみならずローラスリーブ１３も支
持軸５に対して回動しない。

換言すれば第２の筒体２の第１の筒体１に対する回動が
阻止され、扉は開扉位置に停止される。

開扉位置にある扉を閉じるために例えば手動にて扉を閉
じる方向へわずか回動させると、ローラスリーブ１３は
第２の筒体２と一体となって第３図における反時計方向
へ回動する。

この場合、ローラスリーブ１３に形成したスリット１６
の内壁面１６ａは前記各凹部１０，１１の斜面１０ａ。

１１ａとほぼ直交する方向を向いているから、扉を閉じ
るための手動による回動力は前記内壁面１６ａを介して
ローラ１２を支持軸５に形成した係止用凹部１０から抜
は出させる方向へ作用し、ローラ１２は係止用凹部１０
からスムースに抜は出る。

しかる後、ローラスリーブ１３およびローラホルダ７は
自由に回動し得る状態になり、その結果コイルバネ９の
復帰力によってローラホルダ７、ローラスリーブ９が復
帰回動動作することにより、扉が閉動作する。

なお、第２図および第３図に示すように支持軸５の他端
部に形成した係止用凹部１０は当該他端部の外周面に滑
らかに連続するものであるから、扉を第３図に示す状態
以上に開くことができるのであって、扉を９０°以上に
大きく開いて前記止めねじ１９をねじ込んでその先端部
を支持軸５の他端部に形成した切欠部１７に位置させれ
ば、止めねじ１９が切欠部１７の立ち上り壁面に当接す
ることにより扉のコイルバネ９による閉動作が阻止させ
る。

したがって、このようにしておけばスプリングヒンジの
扉への取付作業を容易に行なうことができ、また扉を大
きく開いておくことにより、例えば内装工事時の通行が
容易になり、あるいは搬入材による扉の損傷が防止され
る。

以上説明したように本発明によれば、コイルバネに閉扉
力を蓄力するようにしたスプリングヒンジにおいて、一
方の筒体内に一端部で固着した支持軸の他端部外周面に
係止用凹部を形成し、また前記他端部に所定の間隙をも
って嵌装し、かつ前記コイルバネの一端部が係止された
ローラホルダの内周面に凹部を形成し、さらに前記支持
軸の他端部外周面とローラホルダの内周面との間に挿入
されるとともに他方の筒体にピンにより固着され；たロ
ーラスリーブにスリットを形成し、このスリット内に前
記各凹部に係合するローラを設け、そして前記スリット
の内壁面をその半径方向に対して傾斜させることにより
扉に付与する回動力が前記ローラを前記係止凹部から抜
は出させる方向へ作用するように構成したから、扉を所
定の開扉位置へ確実に停止させておくことができるうえ
、その停止状態を容易に解除することができ、また構造
が簡単であるから容易に製造し安価に提供することがで
き、さらには耐久性に富むものとすることができる。

図面の簡単な説明。

第１図は本発明の一実施例を示す断面図、第２図は閉扉
状態における第１図の■−■線矢視拡大断面図、第３図
は開扉状態における第２図と同様な拡大断面図、第４図
は第１図のＩＶ−ＩＶ線矢視拡大断面図である。

１・・・・・・第１の筒体、２・・・・・・第２の筒体
、１ａｔ２ａ・・・・・・蝶番片、５・・・・・・支持
軸、７・・・・・・ローラホルダ、９・・・・・・コイ
ルバネ、１０・・・・・・係止用凹部、１０ａ・・・・
・・斜面、１１・・・・・・凹部、１１ａ・・・・・・
斜面、１２・・・・・・ローラ、１３・・・・・・ロー
ラスリーフ、１６・・・・・・スリット、１６ａ・・・
・・・内壁面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 外周面に蝶番片が突設された一対の筒体をその中心
   軸線を一致させて相対回転可能に連結するとともに、一
   端部が一方の筒体に固着された支持軸を前記各筒体の中
   心軸線に沿って配設し、前記支持軸の他端部外周面の所
   定箇所に係止用凹部を形成し、前記支持軸の他端部に内
   周面所定箇所に四部が形成されたローラホルダを回転可
   能に遊嵌するとともに、該ローラホルダに前記支持軸の
   外周に嵌装され、かつ一端部が前記一方の筒体に係止さ
   れたコイルバネの他端部を係止し、また前記支持軸の他
   端部外周面と前記ローラホルダの内周面との間に、前記
   係止用凹部の内周面と前記ローラホルダの内周面との間
   隙より犬なる径で前記凹部および前記係止凹部に係合す
   るローラをスリット内に有しかつ前記他方の筒体に固着
   されたローラスリーブを回転可能に嵌装してなり、前記
   ローラスリーブに形成された前記スリットの内壁面を前
   記他方の筒体に付与する回動力が前記ローラを前記係止
   用凹部から抜は出させる方向へ作用するように半径方向
   に所定角度傾斜して形成してなることを特徴とするスト
   ッパ機構付きスプリングヒンジ。