JPS5816338Y2 - 調理用鍋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は鍋に高い熱伝導率を得る装置、所謂ヒートパイ
プ機能を持たせて底部の加熱により側部上方に効果的に
熱を伝導させ、内容物の均一加熱を計った調理用鍋に関
するものである。

従来のこの種のものは、調理用鍋が二重壁構造をなし、
二重壁間に一端が底部に位置し、他端が側部上方に延び
る空隙を複数本形威し、それらを底部で連通し、該空隙
内に動作液を封入してヒートパイプ機能を持たせたもの
であるが、前記複数本の空隙は鍋の側部において垂直に
立上りそれぞれ分離しているため側部の加熱にむらがあ
った。

又、それらの内の１本が動作液の突沸により閉塞した時
にはその空隙のヒートパイプ機能は停止し、側部の加熱
むらは更に大きくなるという欠点があった。

本考案は上記にかんがみなされたもので、鍋側部の空隙
を斜めに交互に設けて互いに交差するようにして側部の
加熱むらを少なくすると共に空隙の閉塞を防止したもの
である。

以下本考案の一実施例を図面と共に説明する。

１は鍋本体であり内壁２と複数本の突条３を有する外壁
４とで二重壁構造をなし、両者を接着あるいはシーム溶
接等の適宜手段をもって貼着して空隙５を形成する。

また、前記空隙５を形成する複数本の突状３は一端が底
部に位置してそれぞれ連通し、他端は側部において交互
に斜め上方に延ばしてそれぞれの突条は交差して各々交
差部で連通せしめる。

その交差部は少くとも１個所が側部上部に位置するよう
に傾斜角度を決める。

更に空隙５内部を真空状態にして適量の水アセトン等の
動作液６を密封する。

６′はその飽和蒸気、７はバーナである。

以上の構成における動作を説明すれば、バーナ７に点火
して加熱を開始すると、空隙５内の動作液６は加熱部で
ある鍋本体の底部で潜熱を得て蒸気となり側部に移動し
、側部の冷却部で潜熱を放出して熱量を伝達して後凝縮
して液体となり底部へ落下する。

この時鍋側部の空隙５は斜めに交互に設けているので従
来の垂直のものより放熱面が広くなり均一に加熱される
。

又空隙５には１個所以上の交差部があり互いに連通して
いるので、その内の一部に動作液の閉塞が生じても、交
差部を介して閉塞場所の上下の圧力を等しくするので、
ヒートパイプ作用の停止を少い範囲に限定することがで
きる。

以上の如く本考案によれば、鍋側部の空隙を斜めに交互
に設けて、互に交差するようにしたので、空隙の閉塞に
よるヒートパイプ機能の停止を少い範囲に限定すること
ができるとともに鍋側部をより均一に加熱することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図は鍋本体部
分断面正面図、第２図は鍋本体下面図である。 １・・・・・・鍋本体、２・・・・・・内壁、３・・・
・・・突条、４・・・外壁、５・・・・・・空隙、６・
・・・・・動作液。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 二重壁構造をなし、二重壁間に一端が底部に位置し、他
   端が側部上方に延びる複数本の空隙を形成し、それらを
   底部で連通し、該空隙内に動作液を封入してなる調理用
   鍋において側部の空隙５，５を斜めに交互に設けて互い
   に交差するようにしたことを特徴とする調理用鍋。