JPS5815901B2 - デンシジユウソウチ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電子銃装置、特にカラー受像管の電子銃装置に
関するものである。

従来、カラー受像管に使用される電子銃には、パイポテ
ンシャル形電子銃とユニポテンシャル形電子銃の２種類
があることは公知である。

パイポテンシャル形電子銃は１個の集束電極と１個の陽
極電極とを同一軸線上に配列した構成であり、ユニポテ
ンシャル形電子銃は上記パイポテンシャル形電子銃にさ
らに１個の陽極電極を付加した構成である。

そして、これらの電子銃は、カラー受像管のフォーカス
特性において、高電流領域でビームスポットのブルーミ
ング、もしくはハローの増大などが問題となり、上記フ
ォーカス特性を著しく損ねている。

このため、従来上記電子銃の内径を大きくしたり、電極
長を長くしたりして収差、倍率を調整しあるいはアパー
チャ孔を小さくするなど種々の考案がなされている。

しかし、電子銃を収納するネック内径やカラー受像管の
全長の制限により電子銃内径を十分に大きくしたり、電
極長を長くすることに困難をきたし、またアパーチャ孔
を小さくするとカソード面での電流密度のピークが増大
して、寿命特性を悪くする。

このため、従来収差、倍率を十分小さくできずフォーカ
ス特性を向上させることが困難である欠点があった。

したがって、本発明の目的は収差、倍率を小さくシ、良
好なフォーカス特性を有する電子銃装置を提供するもの
である。

本発明はこのような目的を達成するために、２個のユニ
ポテンシャル形レンズを形成してメインレンズを構成し
、かつ上記ユニポテンシャル形レンズを形成する電極の
うち第１陽極の長さをその電極内径の１．５〜１．６倍
に設定してフォーカス特性を向上させるものであり、以
下実施例を用いて詳細に説明する。

第１図ａは本発明による電子銃装置であり、同図におい
て、１はカソード電極、２は第１グリツド、３は第２グ
リツド、４は第１陽極、５は第１集束電極、６は第２陽
極、７は第２集束電極、８は第３陽極であり、これらは
一定距離離間して、同一軸線上に配列されている。

そして、上記第１陽極４、第２陽極６、第３陽極８は共
通接続され、通常１０〜２５ｋＶ程度の電圧が印加され
る。

また、上記第２集束電極Ｔと第１集束電極５とは共通接
続され、３〜９ｋＶの電圧が印加されている。

第１図すはこのような構成による電子銃装置により形成
された電子レンズ系である。

同図において、Ｌｌは実質的にユニポテンシャル形電子
レンズを構成し、第１陽極４、第１集束電極５、第２陽
極６により形成されている。

Ｌ２も同様に実質的にユニポテンシャル形電子レンズを
構成し、上記第２陽極６、第２集束電極１、第３陽極８
により形成される。

上記Ｌ１．Ｌ２の電子レンズより主レンズが構成されて
いる。

ここで、上記主レンズＬ１とＬ２の焦点距離をそれぞれ
ｆｌ、 ｆ２とすると見掛は上の大口径主レンズＬ３の
焦点距離ｆは、１／ｆ＝１／ｆ１＋１／ｆ２−ｄ／ｆ１
・ｆ２で与えられる。

（ｄ：レンズ間距離）この式から明らかなように、個々
の主レンズＬ１．Ｌ２の焦点距離ｆ１．ｆ２は全体の焦
点距離ｆに比較して小さい値で与えられ、このため個々
の主レンズＬ１．Ｌ２により受ける電子ビームの球面収
差の増大は極力押えることができる。

さらに、上述のように主レンズＬ１．Ｌ２の組合せを考
慮すると、クロスオーバ一点Ｏから発散する電子ビーム
は第１陽極４によって加速されるため、発散角が小さく
なる。

ここで球回収差量△ｒ、電子レンズ内での電子ビームの
軌跡位置をレンズ軸からＲ５球面収差係数をＢとすると
、△ｒ−ＢＲ３の関係があるので、ビームの発散角が小
さくなると電子レンズ内でのビーム半径Ｒが小さくなる
ので球面収量を大幅に小さくすることが出来る。

このように、本発明は２個の主レンズを形成することに
より電子ビームの球面収差を軽減してハロー径増大に対
処し、またクロスオーバ一点Ｏから主レンズＬ、までの
距離をある程度長くすることにより倍率を小さくしてビ
ームスポット径を小さくするものである。

つぎに、このような構成において主レンズＬ３の最適位
置を決定する上記クロスオーバ一点Ｏから主レンズＬ１
の距離を求める。

第２図は第１図ａに示す電子銃装置を駆動し、クロスオ
ーバ一点Ｏから主レンズＬ１までの距離ｐに代えて上記
主レンズＬ１を形成する電極４の長さｌを用いかつその
内径りに対する比７／Ｄを種々変えた場合のハロー径お
よびビーム径の特性を示す。

ここで、高解像度でしかも高鮮鋭な画像を得るためには
、カソード電流が約３．０ｍＡの高電流の所でビーム径
が３．５闘以下、ハロー径が１０ｍｍ以下の性能を満足
する必要がある。

したがって、このような条件を満足するための上記ｌ／
Ｄは第２図の特性から１．５〜１．８となる。

これは、電子銃全長を実際的な２０ｃｍ以下の範囲で、
他の電極のパラメータが変化した場合でも成立する。

したがって、上記１，５〜１．８の値から、８．９φ内
径の第１陽極４の場合、この第１陽極４の長さは１３．
４ｍｍ〜１６ｍｍとなる。

したがって、第１陽極をこの値に設定すれば、解像基、
鮮鋭度ともに高くなり、きわめて良好な画像を得ること
ができる。

以上説明したように本発明による電子銃装置によれば、
２個のユニポテンシャル形レンズを形成してメインレン
ズ系を構成し、かつ一方のユニポテンシャル形レンズの
クロスオーバ一点からの距離を所定値に設定したので、
収差、倍率を小さくでき高解像度、高鮮鋭度の画像を得
ることができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは本発明による電子銃装置の一実症例を示す簡
略構成図、第１図すは本発明による電子銃装置により形
成される主レンズを示す説明図、第２図は電子銃装置の
特性を示す特性図である。 １冑…カソード電極、２……第１グリツド、３…胃第２
グリツド、４嬰…第１陽極、５……第１集束電極、６…
…第２陽極、７……第２集束電極、８……第３陽極。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 電子ビームの発射方向に沿って配列された第１陽極
   、第２陽極、第３陽極と、上記第１陽極と第２陽極との
   間および第２陽極と第３陽極との間に配置された集束電
   極を備え、２個のユニポテンシャル形レンズを形成して
   メインレンズ系を構成する電子銃装置において、上記第
   １陽極の長さをその電極内径の１．５〜１．８倍に設定
   したことを特徴とする電子銃装置。