JPS58157Y2 - 燃料交換装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、原子炉に適用される燃料交換装置に係り、特
に燃料取扱い装置を装備した昇降ハウジングが、保守お
よび移送のときに自然回転して必要時回転ハウジングか
ら炉内へ挿入しにくくなるのを防いだ高速増殖炉用燃料
交換装置に関する。

高速増殖炉用燃料交換装置の一つとして従来用いられて
いた構成を第１図に示す。

先ず炉体上蓋に回転プラグ１が設けられ、これを貫通し
、任意の方向に回転し、また交換熱料の周囲の燃料をホ
ールドダウンする機能を持つ円筒状の回転ハウジング２
を設け、この回転ハウジング２内に昇降ハウジング３が
必要に応じて挿通されるようになっている。

昇降ハウジング３は円筒状をなし、その下端部にリンク
機構からなるパンタグラフ４が装備され、そのアームの
先端に燃料の掴み離しを行うグリッパ機構５が設けられ
る。

昇降ハウジング３の上端には、上記パンタグラフ４およ
びグリッパ機構５の開閉機横並に燃料位置の位置検出機
構を内蔵した駆動部６が連設され、そのカバー７に駆動
部６ともども昇降ハウジング３上端がベアリング９によ
り回転可能に吊持されている。

また昇降ハウジング３はキャスクハウジング１０内に収
納され、駆動部カバー７はこのキャスクハウジング１０
内面にガイドローラ１１を介して回転不能、昇降可能に
支持され、駆動部カバー７は上部に設けたワイヤロープ
巻上げドラム式の巻上げ装置１２で吊られて昇降を制御
される。

キャスクケーシング１０は必要に応じ回転ハウジング２
上方に招かれ、昇降ハウジング３は回転ハウジング内を
降下して回転一体に結合されると共に下端を炉内に導入
され、パンタグラフ４を開く。

上記回転ハウジング２は、回転プラグ１の貫通ＪＬ１ａ
に設置したガイドスリーブ１３に回転可能、摺動可能に
軸合する。

上方にはベアリング１４を介して胴１５が設置され、こ
の胴１５には回転ハウジング２の旋回機構１６およびホ
ールドダウン機構１７が設けられる。

また胴１６の上端にドアバルブ１８があり、キャスクケ
ーシング１０下端のドアバルブ１９と接続されるように
なっている。

燃料の交換に際しては、キャスクケーシング１０を回転
ハウジング２上方に据え、ドアバルブ１８゜１９を接続
し、キャスクケーシング１０内をＡｒガスで置換した後
、昇降ハウジング３を降し、パンタグラフ４を開く。

そしてグリッパ５を、回転プラグ１と回転ハウジング２
の回転角度の合成によって所定の燃料位置に合わせ、こ
の燃料を掴み、巻上装置１２の捲上げによって引抜き、
所定の場所で燃料交換を行って後、原位置に戻って新燃
料を挿入し、グツツバ５を離す。

交換完了後は上記と逆に、パンタグラフ４を閉じて昇降
ハウジング３を引上げてキャスクケーシング１０内に収
納し、ドアバルブ１８．１９を閉じて切離した後に、所
定の場所に引上げまたは移送して点検を行う。

上記のような構造を有する装置では、昇降ハウジング３
は、回転ハウジング２内に設けたレール２ａにガイドさ
れたガイドローラ３ａで゛回転ハウジング２と回転一体
に昇降自在に結合される。

燃料交換後キャスクケーシング１０内に収容されている
ときは、昇降ハウジング３の回転を拘束するものは何も
なく、ベアリング９の摩擦力のみでその位置を保ってい
るので、移送時や保守点検のときに回転され、次に回転
ハウジング２内に挿入する際に、ガイドローラ３ａとレ
ール２ａが合わずに挿入不可能になる恐れがある。

そのため、この位置合わせを行う必要があり、それはキ
ャスクケーシング１０内をＡｒガスで置換する前に、点
検窓、１０ａから行われ、非能率的であると同時に放射
能汚染など安全上好ましくないものであった。

本考案は、このような昇降ハウジングの不要な回転を防
ぎ、常に円滑な回転ハウジング内への挿入を期待でき、
危険な非能率的な点検を行う必要を避けた燃料交換装置
を提供する。

以下、本考案の一実施例を添付図面を参照して説明する
。

第３図に本考案装置の要部を示す。

その他の燃料交換のための各部の構成および作用は第１
図、第２図に示したものと同様であるため省略する。

昇降ハウジング３上端に連設した駆動部６は、ベアリン
グ９によりカバー７に回転自在に支持され、カバー７は
その外周に設けたガイドローラ１１．１１をキャスクケ
ーシング１０内面に設けたレール１０ｂに係合し、回転
不能、昇降可能に構成されていることは前述の通りであ
る。

このカバ−７内面と駆動部６との間に電磁ブレーキ２０
を設ける。

電磁ブレーキ２０はスプリングローズタイプが適し、パ
ンタグラフ４の開閉信号で断接を制御される。

即ち、第４図に示すように、パンタグラフ４が開いてい
るときにスイッチ２０ ａが入って励磁しく第４図Ａ）
、ブレーキを解除して自由に回転できるようにしく第４
図Ｂ）、パンタグラフ４を閉じたときに励磁電流を断っ
てスプリング２１．２１のばね力でカバー７にブレーキ
シュー２２を接触し、その摩擦力でロックする（第４図
Ｃ）。

電磁ブレーキは非励磁状態時にブレーキ作用をする非励
磁作動タイプのものであるので、燃料交換機を引き抜く
際、回転ハウジング２と昇降ハウジング３とを一体で引
き抜く必要がなく、昇降ハウジング３を回転ハウジング
２から単独で゛引き出すことができる。

また、昇降ハウジング３の引出し時には、昇降ハウジン
グ３は電磁ブレーキ２０により回り止めされるので゛、
回転ハウジング２内への出し入れがスムーズになる。

更に信頼性向上のためには、第５図に示すように、カバ
ー７とブレーキシュー２２との間に凹凸２３による結合
を付加するとよい。

本考案は以上のように、昇降ハウジング上端に連接され
た駆動部と駆動部カバーとの間の偏心位置に、昇降ハウ
ジングの回転を拘束する電磁ブレーキを設けたので、電
磁ブレーキによる摩擦トルクを大きくしてブレーキ作用
を良好にすることができ、昇降ハウジング３を燃料交換
作用に不必要なときは電磁ブレーキ２０で制動ロックし
、移動中あるいは点検中にも回転変位させないようにし
たので、回転ハウジング２に対する回転方向位置を常に
正確に保ち、交換時、回転ハウジング２内に挿入される
際ガイドローラ１１．１１とレール１０ｂとの係合が極
めてスムーズである。

挿入不能となることは全くなく、従って従来のように昇
降ハウジングの姿勢制御のために厄介で放射能汚染のお
それのある危険な点検作業をする必要もなく、総合的に
止枠で安全度の高い燃料交換装置として特徴あるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は高速増埴炉用燃料交換装置の縦断面図、第２図
は同第１図のＩＩ −ＩＩ線横断の拡大した平面図、第
３図は本考案装置の要部を示す縦断面図、第４図は作用
を説明する電磁ブレーキ部の縦断面図で、Ａは電気回路
、Ｂは解放状態、Ｃは制動状態をそれぞれ示し、第５図
は他の実施態様を示す電磁ブレーキ部の正面図である。 ２・・・・・・回転ハウジング、３・・・・・・昇降ハ
ウジング、４・・・・・・パンタグラフ、５・・・・・
・グリッパ、６・・・・・・駆動部、７・・・・・・カ
バー、９・・・・・・ベアリング、１０・・・・・・キ
ャスクケーシング、１１・・・・・・ガイドローラ、１
２・・・・・・巻上装置、１３・・・ガイドスリーブ、
１４・・・・・・ベアリング、１６・・・・・・旋回機
構、１７・・・・・・ホールドダウン機構、１８．１９
・・・・・・ドアバルブ、２０・・・・・・電磁ブレー
キ、２１・・・・・・スプリング、２２・・・・・・ブ
レーキシュー、２３・・・・・・凹凸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炉体上壁に設けた回転プラグと、回転プラグを貫通して
   これに回転および摺動自在に支持された回転ハウジング
   と、常時はキャスクハウジング内に収容されていて必要
   なときに回転ハウジング内に降下してこれと回転一体に
   係合して下端を炉内に導入される昇降ハウジングと、こ
   の昇降ハウジング下端に装備された燃料取扱い装置から
   なり、上記キャスクハウジング内に、回転不能に昇降す
   る駆動部カバーを設け、この駆動部カバーに昇降ハウジ
   ング上端を回転可能に吊持した燃料交換装置において、
   前記昇降ハウジング上端に連設された駆動部と前記駆動
   部カバーとの間の偏心位置に、昇降ハウジングの回転を
   抑止する電磁ブレーキを設け、上記回転ハウジングから
   昇降ハウジングの引出しを可能な構造としたことを特徴
   とする燃料交換装置。