JPS5814537B2 - 防音床 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、防音床に関するものである。

床や壁を伝わってくる衝撃音は、生活環境上において頗
る不快感を与えた。

この発明はかような状況に鑑みて、繊維方向がほぼ縦な
る鉱物質繊維板を床基台上に設け、或いはまた該鉱物質
繊維間に柔軟性繊維マットを装填した独特の構成によシ
床に加わる衝撃音を吸収し、減衰せしむる防音床を提供
するにある。

次にこの発明に係る防音床の実施例を図面について説明
すると、第１図にはこの発明の基本となる構成の断面斜
視図が示烙れている。

すなわち、繊維方向が縦なる無機質繊維細帯片１のいく
つかを並列的に接着してなる鉱物質繊維板２を平滑処理
３を施した床基台４上に平面的に連続したり、或いは間
隔的に設置し、該鉱物質繊維板２間上に設置したそれぞ
れの重質板５をモルタル６を介して連結固定する。

この重質板５の上にはモルタル塗りやベニヤ板などの下
地板７を施工したのち、表面仕上材８を設けてなるもの
である。

重質板５としてはプレキャストコンクリート板，ＡＬＣ
板、ドリゾール板などで、乾式工法にて施工すればよい
。

また、平滑処理９を施した壁基台１０の下側際の周囲に
、繊維方向が縦なる無機質繊維細帯片１１を密接して設
け、壁体への衝撃音の固体伝播を防止すれば一層効果的
である。

なお、符号１２は幅木である。

第２図には鉱物質繊維板２の製造過程が示されているも
ので、繊維方向をほぼ横方向にそろえて作った無機質繊
維平板１３のいくつかを重接し、それぞれ接着剤にて固
定して形成した立体物１４の繊維方向に対し直角となる
ように所定間隔Ｄを以って切断すれば、第３図に見られ
るように繊維方向が縦なる無機質繊維細帯片１のいくつ
かを並列的に接着してなる鉱物質繊維板２が形成される
。

そして、立体物１４の上面および下面にポリエチレンや
アルミニウム箔のような皮膜１５を設けておけば、鉱物
質繊維板２０両側面が該皮膜１５によって被覆され、鉱
物質繊維板２内の気密性が一層良くなシ、バネ効果を高
めることができる。

並列的に接着された繊維方向が縦なる鉱物質繊維板２の
細帯片１の数は、立体物１４を形成する繊維方向をほぼ
横方向にそろえて作った無機質繊維乎板１３の重接した
数と一致し、施工個所の状態に応じてその数を定めるこ
とができる。

この発明によれば、床に生じた衝撃音は重質板５から鉱
物質繊維板２に伝達されるが、衝撃音はこの繊維板２と
該繊維板２内に封入された空気層と重質板５によって構
成される振動系（繊維板と封入空気がバネとなシ、重質
板が錘となった振動吸収体）によって吸収されるので、
床基台４の下方に放散される衝撃音は著しく小さくなる
。

また、鉱物質繊維板２は繊維方向がほぼ縦方向で固く敷
きつめられるから、重質板５の変形や沈下を防止する束
（ツカ）として働く場合に繊維層が主として横方向の平
板の場合よシも圧密しにくく、挫屈にも強いので、内部
に封入された空気の弾性とが相まって上部からの固定荷
重に対して抵抗し、実験によると繊維方向が主として縦
方向の繊維板２を用いない場合の床仕上層の沈下量は、
３ ０ｋｇ／ｍ２の載荷時に床中央で８朋であったが、
本発明の繊維板２を固く敷きつめた第４図の構造を採用
の沈下量に過ぎなかった。

第４図、第５図およひ第６図は、他の実施例を示す断面
図である。

すなわち、第４図に示すものは床基台４上の全面に鉱物
質繊維板２を敷設したもので、床荷重が大きい場合に施
工すれば有効である。

つまシ、この場合には鉱物質繊維板２は全面において束
の働きをなすから、床荷重の大きい場合にも重質板５の
変形、沈下に耐えることができる。

また、第５図に見られるものは、第１図において形成し
た空隙部１６に柔軟性繊維マット１７を敷設したもので
、鉱物質繊維板２と共に該マット１７が衝撃による空気
伝播音を吸収減衰するので、防音効果が一層良好となる
。

そして第６図に示すものは床基台４上に配管１８や障害
物がある場合のもので、かような場合には床基台４上に
突起１９を設け、該突起１９上に鉱物質繊維板２を設定
して重質板５をか烙上げし、空隙部１６に柔軟性繊維マ
ット１７を敷設すればよい。

この発明による防音床は重質板５による乾式工法である
ため、湿式工法による欠点である塗シ床の硬化に費やす
時間が省け、かつ、湿式工法における下塗り部の収縮に
よる亀裂が生ずることもない。

また、湿式工法においては床基台４上の全面に鉱物質繊
維平板を平滑、かつ密実に敷設しなければ塗り床下地層
を施工できないが、この発明においては床基台４と重質
板５間に空隙部１６が生じてもよく、許容範囲の鉱物質
繊維板２を束として設ければ、重質板５の変形、沈下を
防止でき、著しく工数を減少できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は断面斜視図、第２図および第３図は部品の説明
図、第４図、第５図および第６図は断面図である。 図中符号２…鉱物質繊維板、４…床基台、５…重質板、
７…下地板、８…表面仕上材、１０…壁基台、１１…細
帯片、１５…皮膜、１６…空隙部、１７…柔軟性繊維マ
ット、１８…配管、１９…突起。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 繊維方向がほぼ縦なる無機質繊維細帯片を並列的に
   接着してなる鉱物質繊維板を床基台上に平面的に連続し
   て設置し、該鉱物質繊維板上に設置したそれぞれの重質
   板を連結固定したことを特徴とする防音床。 ２ 繊維方向がほぼ縦なる無機質繊維細帯片のいくつか
   を並列的に接続してなる鉱物質繊維板を床基台上に間隔
   的に設置すると共に、該間隔に柔軟性繊維マットを装填
   し、前記鉱物質繊維間上に設置したそれぞれの重質板を
   連結固定したことを特徴とする防音床。