JPS5814303Y2 - 流量制御弁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は流量制御弁、特に弁本体に設けた挿入孔に軸方
向へ移動可能に挿入して同弁本体内に形成した流体通路
に介在させた弁体部材と、同弁体部材の軸方向変位量を
回動操作によって調整するため前記弁本体の外壁端に回
動可能に取付けた調整操作部材を備えて、前記弁体部材
の軸方向変位量に応じて前記通路を流れる流体の流量を
制御するようにした流量制御弁の改良に関するものであ
る。

一般に、この種の流量制御弁においては、上記した調整
操作部材の回動操作により弁体部材の軸方向変位量を広
範囲にわたって簡単に調整しうるため、作業者の不注意
によって流体流量が装置の許容制御量以上に調整される
と、例えば当該流量制御弁を介して接続した流体アクチ
ュエータが高速作動して極めて危険な状態になることが
ある。

このような危険をなくすためには、弁体部材の最大変位
量を規制する手段を設ければよいものの、その規制範囲
が適用対象となる装置の許容制御量に比して小さい場合
には当該装置の作動調整に制約をきたすことになり、反
対に大きい場合には上記の危険を解消し得ないこととな
る。

本考案の目的は、かかる問題を解決するため、上記構成
の流量制御弁においてその弁体部材の最大変位量を適用
対象となる装置の許容制御量に応じて適宜に規制して当
該装置に供給される流体流量（又は同装置から流出する
流体流量）の最大値を所定の許容値に設定しうるように
改良することにある。

この目的を遠戚するため、本考案は、上記構成の流量制
御弁において、その弁体部材の軸方向変位量を回動操作
によって調整するため同弁体部材の外端部に螺着して弁
本体の外壁端に回動可能に取付けた調整操作部材に、前
記弁体部材と同軸的に配置されてその内端にて同弁体部
材の外端面に当接し得る係止部材を軸方向へ位置調節可
能かつ固定可能に取付けた流量制御弁を案出したもので
、この流量制御弁の使用にあたっては、前記係止部材の
調節位置を適用対象となる装置の許容制御量に応じて予
め設定することにより前記弁体部材の最大変位量を規制
して、前記調整操作部材の回動時に当該装置に供給され
る流体流量（又は同装置から流出する流体流量）が許容
制御値以上に調整されるのを防止することができる。

また、本考案は、その実施にあたってこの種流量制御弁
への適用が容易であり、かつ簡単な構造にて安価に実施
し得る利点がある。

以下、本考案を図面に基づいて説明するに、第１図には
本考案に係る流量制御弁の一例が示されている。

この流量制御弁は弁本体１０と、弁本体１０に設けた挿
入孔１１にスリーブ１２を介して軸方向へ移動可能に挿
入された円柱状の弁体２０（弁体部材）と、弁体２０の
外方端部に螺着したフランジ付スリーブ３０と、弁本体
１０の外壁端面にて回動可能に取付けられた調整ハンド
ル４０（調整操作部材）と、調整ハンドル４０を貫通し
て螺着されたアジャストスクリュー５０（係止部材）を
備えている。

弁本体１０は、流入孔１３および流出孔１４を備えてい
て、これら流入孔１３および流出孔１４は、弁体２０の
通孔２１を通して連通可能となっている。

また、流入孔１３および流出孔１４間には、粘度補償す
べく薄刃オリフィスで形成した絞り部が設けられている
。

この絞り部は、弁体２０を内周方向に長方形に切欠して
なる薄刃オリフィス２１１と、スリーブ１２を軸方向に
三角形に切欠してなる薄刃オリフィス１２１とにより形
成されている。

フランジ付スリーブ３０は、弁体２０の外方端部に形成
したネジ部２２に螺合するネジ部３１１を内壁に備えた
筒部３１と、スリーブ１２の外端にピンを介して取付け
た環状の止め金１５の端面に当接するフランジ部３２と
からなり、フランジ部３２にはプラグ６０が進退可能に
螺合するネジ孔３２１が設けられている。

このフランジ付スリーブ３０は、弁体２０に設けたピン
溝２３に突出して弁体２０の回転を規制するピン１６を
介装し、その筒部３１を弁体２０のネジ部２２に螺合し
て弁体２０に取付けられ、かつそのフランジ部３２の周
縁を環状のリテーナ１７に係止し、リテーナ１７を介し
て弁本体２０に回動可能に取付けられている。

調整ハンドル４０は、その内側に開口してフランジ付ス
リーブ３０の筒部３１が嵌挿可能な内孔４１と、その外
側中央から内孔４１に延びるネジ孔４２と、その外側周
縁から内側に延びる第１通孔４３と、その外周から内孔
４１に延びる第２通孔４４を備えている。

第１通孔４３は、フランジ付スリーブ３０のネジ孔３２
１に対向して設けられており、その内側部４３１はプラ
グ６０の後端部が侵入可能に大径に形成されている。

また、第２通孔４４はフランジ付スリーブ３０に設けた
ピン溝３１２に対向して設けられている。

この調整ハンドル４０は、フランジ付スリーブ３０の筒
部３１に被嵌されて回動可能に取付けられており、また
第２通孔４４に挿入されてピン溝３１２に突出しネジ止
めして固定されたピン４５にて抜は止めされている。

プラグ６０は、フランジ付スリーブ３０のネジ孔３２１
に螺合するネジを螺設した前端部６１と、これよりわず
かに小径の後端部６２とからなり、その前端から後端に
延びる２本の小孔が穿設されている。

このプラグ６０は、その小孔に嵌挿可能な２本の脚を有
し第１通孔４３に挿通可能な操作工具に上り回動操作さ
れるもので、一方向への回動操作により前進して止め金
１５に当接し、これにより、フランジ付スリーブ３０を
リテーナ１７の係止部に圧接して確実に固定させ、同時
に調整ハンドル４０をフランジ付スリーブ３０に対して
自由に回動できる状態にする。

また、プラグ６０は他方への回動操作により後退して、
その後端部６２を調整ハンドル４０に設けた第１通孔４
３の内側部４３１に侵入させ、調整ハンドル４０とフラ
ンジ付スリーブ３０とを係合させる。

しかして、調整ハンドル４０に設けたネジ孔４２には、
アジャストスクリュー５０が螺着されている。

アジャストスクリュー５０は、ネジ孔４２と螺合するネ
ジを螺設した軸部５１と、これより大径に形成され弁体
２０の外端凹所２４と遊嵌する係止部５２を備えていて
、調整ハンドル４０の外端面にてロックナツト７１にて
固定されている。

また、軸部５１の外端部には、六角礼状の小孔が穿設さ
れていて、ロックナツト７１を緩めた状態にて、操作工
具により回動操作可能となっている。

この回動操作により、アジャストスクリュー５０は調整
ハンドル４０に設けた内孔４１内を移動する。

アジャストスクリュー５０の外端突出部は、調整ハンド
ル４０の外端面にボルト７２にて取付けられたカバー８
０にて覆蓋されている。

このように構成した流量制御弁において、流体の流量調
整を行いたい場合には、自由状態にある調整ハンドル４
０（第１図参照）を、プラグ６０を介してフランジ付ス
リーブ３０と係合させ、その後調整ハンドル４０を回動
操作する。

先ず、調整ハンドル４０を回動してその第１通孔４３と
フランジ付スリーブ３０のネジ孔３２１を一致させ、操
作工具を第１通孔４３に挿入してその脚をプラグ６０の
小孔に嵌合させ、プラグ６０を回動して後退させる。

これにより、プラグ６０の後端部６２が第１通孔４３の
内側部４３１に侵入し、調整ハンドル４０とフランジ付
スリーブ３０とが係合される。

次いで、調整ハンドル４０を回動操作するとこれと一体
的にフランジ付スリーブ３０が回動され、これにより、
弁体２０は前後に移動する。

すなわち、調整ハンドル４０を一方に回動操作すると、
弁体２０は前進して流体の流量が減少し、また調整ハン
ドル４０は逆方向に回動操作すると、弁体２０は後退し
て流体の流量が増大する。

この結果、流体の流量は調整ハンドル４０の回動操作に
より任意に調整される。

流体を所望の流量に調整した後は、再度操作工具を第１
通孔４３に挿入し、プラグ６０を回動して前進させ、止
め金１５に当接させる。

これにより、調整ハンドル４０とフランジ付スリーブ３
０との係合が解除されるとともに、フランジ付スリーブ
３０がリテーナ１７の係止部に圧接されて確実に固定さ
れ、調整ハンドル４０はフランジ付スリーブ３０に対し
て完全に自由状態となる。

この結果、調整ハンドル４０をどのように回動操作して
も、調整ハンドル４０は空転する。

従って、弁体２０の移動は全くなく、調整された流体の
流量は変化しない。

ところで、調整ハンドル４０の回動操作中、弁体２０を
第１図示の状態から大きく後退させると、弁体２０の凹
所２４とアジャストスクリュー５０の係止部５２とが遊
嵌して、係止部５２が凹所２４の内壁に当接する。

この結果、弁体２０のそれ以後の後退が規制され、調整
ハンドル４０の回動操作による流量増大ができなくなる
。

従って、アジャストスクリュー５０と弁体２０とが当接
した状態において、流体は最大流量値となる。

このため、この流量値を許容される最大流量値に設定す
れば、調整ハンドル４０の回動操作により流量を許容制
御量以上に調整しえなくなり、これにより、適用対象と
なる流体アクチュエータが高速作動して生ずる危険性等
は確実に防止される。

また、アジャストスクリュー５０は、操作工具による回
動操作によりその軸方向への移動が可能であるため、使
用する流体アクチュエータに応じて前記最大流量値を調
整することができる。

しかも、本実施例においては、アジャストスクリュー５
０の外端突出部をカバー８０にて覆蓋して、カバー８０
を取外して後アジャストスクリュー５０を回動操作しう
るようになっているため、作業者の不注意によるアジャ
ストスクリュー５０の回動操作が防止される。

従って、作業者の不注意による危険性等は確実に防止さ
れる。

第２図は、本考案に係る流量制御弁の他の一例を示して
いて、この流量制御弁においては、先端が調整ハンドル
４０のネジ孔４２から外側へ突出しないよう短小に形成
した軸部５１ａと、端面周縁が弁体２０の外端に当接す
るよう形成した係止部５２ａとを備えたアジャストスク
リュー５０ａを採用している。

このアジャストスクリュー５０２は、第１実施例におけ
るアジャストスクリュー５０と同様に、操作工具により
回動操作されて移動しうるもので、アジャストスクリュ
ー５０ａの先端は、ネジ孔４２に螺合しアジャストスク
リュー５０ａのロック機能を兼備したプラグ８０ａにて
覆蓋されている。

これにより、作業者の不注意によるアジャストスクリュ
ー５０ａの回動操作が防止されている。

なお、弁体２０の凹所２４とアジャストスクリュー５０
３の係止部５２ａとの間にはスプリング２５が介装され
ていて、このスプリング２５の弾撥力により、弁体２０
のネジ部２２とフランジ付スリーブ３０の筒部３１の内
壁ネジ部との螺合間隙を常に一方に保持して、流入孔１
３および流出孔１４間に設けた絞り部の開変誤差を補償
している。

以上の説明から明らかなように、上記実施例においては
、調整操作部材（調整ハンドル４０）に、回動操作によ
り弁体部材（弁体２０）の軸方向へ移動可能な係止部材
（アジャストスクリュー５０゜５０ａ）を設けて、この
係止部材により前記弁体部材の最大変位量を規制して流
量の最大値を設定しうるようにしたことにその構成上の
特徴がある。

このため、流体の流量を許容制御量以上に調整すること
ができず、これにより、流量を許容制御量以上に調整す
ることにより惹起される危険性が防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る流量制御弁の一例を示す縦断側面
図、第２図は流量制御弁の他の一例を示す縦断側面図で
ある。 符号の説明、１０・・・・・・弁本体、１１・・・・・
・挿入孔、１７・・・・・・リテーナ、２０・・・・・
・弁体、３０・・・・・・フランジ付スリーブ、４０・
・・・・・調整ハンドル、５０゜５Ｑａ・・・・・・ア
ジャストスクリュー、６０・・・・・・プラグ、８０・
・・・・・カバー、８０ａ・・・・・・プラグ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弁本体に設けた挿入孔に軸方向へ移動可能かつ回転不能
   に挿入して同弁本体内に形成した流体通路に介在させた
   弁体部材と、該弁体部材の軸方向変位量を回動操作によ
   って調整するため同弁体部材の外端部に螺着して前記弁
   本体の外壁端面に回動可能かつ固定可能に組付けた調整
   操作部材を備えて、前記弁体部材の軸方向変位量に応じ
   て前記通路を流れる流体の流量を制御するようにした流
   量制御弁において、前記弁体部材と同軸的に配置されそ
   の内端にて同弁体部材の外端面に当接し得る係止部材を
   、前記調整操作部材に軸方向へ位置調整可能かつ固定可
   能に取付けたことを特徴とする流量制御弁。