JPS5812666B2 - 磁気バブル用回転磁界発生コイルの駆動方式 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は磁気バブル用回転磁界発生コイルの駆動方式、
特に磁気バブル検出信号のＳ／Ｎ比を向上させた回転磁
界発生コイルの駆動方式に関するものである。

一般に、磁気バブルメモリ装置において、磁気バブルを
転送するためには、磁気バブルの存在する磁性薄膜面内
で回転する磁界つまり回転磁界を加えることによって行
なっている。

そして、この回転磁界は磁気バブルメモリチップの外周
に互いに直交して２組の回転磁界発生用コイルを設け、
この２組のコイルに互いに９０°の位相のずれた正弦波
電流を流すことによって３６０゜回転する磁界を発生さ
せている。

そして、このような回転磁界を発生させる回転磁界駆動
回路は、定電圧電源の両端に互いに電流の流れ方向が異
なる２組の駆動トランジスタが接続され、そのベース側
には交互に駆動信号を送出するタイミング回路が接続さ
れ、またこの両トランジスタの出力側には、回転発生用
のコイルと共振コンデンサを直列接続した共振回路が接
続されて構成されている。

そして、このように構成された回転磁界駆動回路におい
て、タイミング回路からの駆動信号により２組の駆動ト
ランジスタを交互にＯＮ−ＯＦＦさせる周期と、回転磁
界発生コイル、共振コンデンサからなる直列共振回路の
共振周波数とを一致させて第１図ａに示したような滑ら
かな正弦波電流ｉが回転磁界発生コイルに流れている。

ところが、このような滑らかな正弦波電流ｉを回転磁界
発生コイルに流して回転磁界を発生させた際、回転磁界
駆動周波数がコイルとコンデンサで構成される共振周波
数よりも高い場合、駆動トランジスタの切替時点で回転
磁界発生コイルに流れる電流ｉが完全に零とはならず、
回転磁界発生コイルに電流がまだ流れている途中で電流
が切替ることになるため、回転磁界発生コイル７の両端
に第１図ｂに示したように印加電圧Ｖｄに対して極めて
大きなスパイク電圧Ｖｄ１が発生する。

そして、このスパイク電圧■ｄ１は磁気バブルメモリチ
ップの外周部に直交して巻かれた他方の回転磁界発生コ
イルに対しても同様に発生する。

この結果、第２図に示したようｔこ磁気バブルメモリ出
力信号は、情報“１”，“０”に対応して複数個のピー
クを有する信号波形として検出されるが、この信号波形
上に上記スパイク電圧Ｖｄ１によって符号イ，ロ，ハ，
二で示したノイズが重畳され、第３図に特性１，％性■
で示したように磁気バブルメモリ出力信号のＳ／Ｎ比を
著しく低下させてしまい、磁気バブルメモリ出力の判別
を極めて困難なものにしてしまうなどの欠点を有してい
る。

したがって、本発明の目的は上記の欠点を改善するため
になされたものであり、電圧切替時のノイズを除去し、
磁気バブルメモリ出力信号のＳ／Ｎ比を大幅に向上させ
た回転磁界発生コイルの駆動方式を提供することにある
。

このような目的を達成するために本発明による回転磁界
発生コイルの駆動方法は、回転磁界発生コイルの電流ｉ
が零の部分で電圧の切替を行なうようにしたものである
。

以下図面を用いて本発明による回転磁界発生コイルの駆
動方法について詳細に説明する。

第４図は本発明による磁気バブル用回転磁界発生コイル
の駆動方法を説明するための駆動回路図である。

同図において、１は定電圧電源、２，３は駆動トランジ
スタ、４は前記駆動トランジスタ２，３にそれぞれ所定
の周期で駆動信号を送出するタイミング回路、５，６は
前記駆動トランジスタ２，３の酬圧をカバーするダイオ
ードであり、前記駆動トランジスタ２，３とタイミング
回路４とダイオード５，６によって駆動回路を構成して
いる。

７は回転磁界発生コイル、８は共振コンデンサであり、
前記回転磁界発生コイル７と共振コンデンサ８とによっ
て直列共振回路が構成されている。

そして、タイミング回路４からの駆動信号によって駆動
トランジスタ２，３をＯＮ−ＯＦＦさせる駆動回路の駆
動周波数をｆ１とし、回転磁界発生コイル７、共振コン
デンサ８からなる共振回路の共振周波数をｆ２とした場
合、ｆ１を一定としてこの両者間に僅少にｆ１＜ｆ２の
関係を有するように回転磁界発生コイル７、共振コンデ
ンサ８の定数を設定させて回転磁界を発生させたもので
ある。

つまり共振回路の周期Ｔ２が駆動回路の駆動周期Ｔ１に
対し１５％以内の範囲で小さくなるように設定したもの
である。

このように構成された回転磁界発生コイルの１駆動回路
において、駆動回路の電圧切替周期に対して共振回路の
周期を若干短かくしたため、この両者の周期差によって
第５図ａに示したように回転磁界発生コイル７に流れる
電流ｉは、正から負あるいは負から正に電流の流れが変
る前に必ず交流的に電流値が０となる部分、つまりｉ０
を持つようになる。

そして、この電流ｉのｉ０の部分で駆動回路の印加電圧
Ｖｄが切替えられることになり、第５図ｂに示したよう
に印加電圧Ｖｄに対してスパイク電圧Ｖｄ１を極めて小
さく抑えることができる。

この結果、第２図にイ，ロ，ハ，ニで示したようにスパ
イク電圧Ｖｄ１によるノイズ成分がなくなり、磁気バブ
ルメモリ出力信号のＳ／Ｎ比が第３図の特性■、特性■
で示したように大幅に改善することができる。

なお、上記実施例においては、駆動回路の，駆動周波数
ｆ１を一定として共振回路の共振周波数ｆ２を高くした
場合について説明したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、共振周波数ｆ２を一定として駆動周波数ｆ
１を低くした場合においても前述と同様の効果が得られ
ることは言うまでもない。

さらに、駆動回路および共振回路の定数を相対的に可変
させてｆ１＜ｆ２の関係を保持させるようにした場合に
おいても同様の効果が得られる。

以上説明したように、本発明による回転磁界発生コイル
の駆動方式によれば、回転磁界発生コイルの一端に発生
するスパイク電圧が著しく小さくなり、磁気バブルメモ
リ出力信号のＳ／Ｎ比が向上し、磁気バブルメモリ装置
としての品質、性能、信頼性等を大幅に向上させること
ができるなどの優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは従来の回転磁界発生コイルの駆動方法に
よる回転磁界発生コイルに流れる正弦波電流、印加電圧
の波形図、第２図は磁気バブルメモリ出力信号にノイズ
が重畳した検出信号波形図、第３図は従来および本発明
の回転磁界駆動回路を用いた磁気バブルメモリ出力信号
の信号対雑音特性図、第４図は本発明による磁気バブル
用回転磁界発生コイルの駆動方法を説明するための回転
磁界駆動回路図、第５図ａ，ｂは本発明による回転磁界
発生コイルの駆動方法による回転磁界発生コイルに流れ
る正弦波電流、印加電圧の波形図である。 １・・・・・・定電圧電源、２，３・・・・・・駆動ト
ランジスタ、４・・・・・・タイミング回路、５，６・
・・・・・ダイオード、７・・・・・・回転磁界発生コ
イル、８・・・・・・共振コンデンサ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １磁気バブルメモリチップの外周部に交差して巻かれた
   回転磁界発生コイルブロックと、前記回転磁界発生コイ
   ルブロックを駆動する回転磁界発生コイル駆動回路とを
   有する磁気バブルメモリにおいて、前記回転磁界発生コ
   イル駆動回路は電源と、前記電源に接続された駆動トラ
   ンジスタと前記駆動トランジスタの入力に接続されかつ
   所定周期の駆動信号を送出するタイミング回路からなる
   駆動回路と、前記駆動回路に接続された回転磁界発生コ
   イルと共振コンデンサを直列接続した共振回路とを備え
   、前記駆動回路の駆動周波数ｆ１と前記共振回路の共振
   周波数ｆ２との間にｆ１＜ｆ２の関係を持たせて回転磁
   界を発生させたことを特徴とする磁気バブル用回転磁界
   発生コイルの駆動方式。