JPS5812432B2 - フロアヒンジ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 押し開けた扉から手を離すとき、扉力唯動的に閉まるよ
うにするために扉を支え且つその枢軸と連係して扉の開
閉動作を制御するようにしたフロアヒンジが床側に設け
られている。

この種のフロアヒンジは開扉動作をばねに伝えてこれを
圧縮すると共に、ばねに蓄積された反発力により、閉扉
動作を自動的に行うようにしＬものが用いられているが
、従来のものは扉の開き角度の増大に比例してトルクが
漸増し、扉を開くに従って手に伝わる抵抗力が次第に大
きくなって開扉動作が重くなり、またフロアヒンジの機
構内部でのフリクションのため、開扉時と閉扉時のトル
ク差が大きくなり、従って閉扉時のトルクをある一定値
以上に保つためには開扉時のトルクが必然的に大きくな
る問題点がある。

本発明は、このような問題点を解決すると共に構造が簡
単で製作が容易なものを提供するのを目的としたフロア
ヒンジの改良に関するもめで、以下図面の実施例につい
て説明すれば、１は一端に軸受案内片２を有するケース
、３はケース１の上記軸受案内片２側に連結したシリン
ダで、ばね５の弾力によりシリンダの端部蓋体４側に常
時押圧されたピストン６が摺動自在に嵌挿している。

７はピン８によりピストン６に連結したピストンロンド
で、上記軸受案内片２に摺動自在に支持されてケース１
内に延伸した端部に、ピン９を介して水平に並設した上
下一対のアーム１０が揺動自在に枢着している。

これらアームは第２図に示すようにピストンロツド７と
反対側に、がに股状の鉤１ １ ． １ １’が左右対
称に突出し、これら上下アーム１０の鉤先端は、ローラ
ーピン１２，１２’によりそれぞれ連結されていると共
にこれらピンにはローラー１３．１３’がそれぞれ回動
自在に嵌挿されている。

１４はケース１に回動自在に垂直に支持された主軸で、
上下アーム１０の間に設けたカム板１５が水平に固着し
ている。

このカム板１５は、左右肩部分に弧状切欠面ａ，ａ’を
有する左右対称形のハート形をなし、扉が閉じていると
き、即ち主軸１４が中立位置にあるとき、アーム鉤１１
，１１′先端のローラー１ ３ ． １ ３’は、共に
ピストンロツド７を介して伝達されるはね５の弾力によ
りカム板１５の弧状切欠面ａ ， ａ’の側面にそれぞ
れ圧接し、カム板即ち主軸１４の回動を制止している。

１６はピストン６の両側油室Ａ，Ｂを連通ずるためピス
トンに穿設した通路、１７はこの通路の途中に設けた逆
止弁で、油室Ａから油室Ｂに作動油が流れるのを許し、
その逆流を阻止する。

２０は端部蓋体４の内側においてシリンダ３の中心に突
設した油孔桿で、先端に向って外周の全周また部分的に
テーパーを設けて逐次その断面積を減少し、ピストン６
がばね５の反発力により端部蓋体４側に摺動するとき、
その運動の末期においてピストンの中心軸方向に穿設し
て油孔２１に該油孔桿２０が進入して上煕油孔２１の有
効面積を逓減する。

２２は油孔桿２０の中心軸方向に設けた通路で、この通
路は端部蓋体４に設けた通路２３を経て油室Ｂに開口し
、その途中に調節弁２４が設けられ、これを調節するこ
とにより該通路２３の有効面積を変えることができる。

尚ケース１の上方に突出した主軸１４の部分は開閉扉の
回転基部に形成したソケット（図示せず）に連結され、
またケース１およびシリンダ３内には作動油が充填され
ている。

以上のように構成した本発明フロアヒンジの作動につい
て説明すれば、主軸１４が中立位置にあるとき、（この
とき扉が出入口を閉じているものとする）カム板１５と
アーム１０の関係位置は第２図および第３図Ａに示す状
態にあって、アーム１０の鉤１１，１１’先端ローラー
１ ３ ． １ ３’はピストンロツド７を介して作用
するばね５の弾力によりカム板１５の肩部に設けた左右
の弧状切欠面ａ ， ａ’にそれぞれ圧接し、カム板１
５はつりあい状態に保持され、扉に外力を加えて主軸１
４を回動しない限り扉は閉じた状態を保つ。

今扉を押開いて主軸１４を例えば図面反時計方向に回動
すると、第３図Ｂに示すようにカム板１５の回動に伴い
一方のローラー１３がカム板１５の弧状切欠面ａに沿い
転動すると同時に、アーム１０を図面左に変位しはね５
を圧縮する。

この時シリンダ３の油室Ａの作動油は、逆止弁１７を押
開いて油室Ｂに抵抗なく流れると共にピストンの油孔２
１が油孔桿２０の先端から離れた後はこの油孔２１から
も油室Ｂに流れ、ばね５の弾力の他には開扉動作に抵抗
力が作用しないので扉を軽く押開けられる。

尚このとき他方のローラー１３′はカム板１５から離間
している。

第３図Ｂは扉を約５０度開いたときの主軸１４に対する
カム板１５およびアーム１０の関係位置を示す。

更に扉を引続いて押開き弧状切欠部ａを転動するローラ
ー１３の中心が、第３図Ｃに示すようにピン９の中心と
主軸１４の中心を結ぶ直線の延長線ｄを越えたある一定
の角度に到達するとＪそれまでローラー１３に作用して
いるはね５の弾力がピン９を中心として時計方向であっ
たものが反時計方向にその作用方向が転換する。

よってローラー１３がこの状態になったとき、アーム１
１に定着したストッパーピン１８がピストンロツド７に
当接するようにすれば、アーム１０をこの位置に制止す
ることができ、従って扉に外力を加えてこれを閉めない
限り扉から手を離しても自動的に閉まることがなくこの
開放状態に係止される。

第３図Ｃ１ま扉を約９０度開いたときを示す。

ローラーがカム板１５の弧状切欠面ａを転動するとき、
上記延長線ｄを越えない範囲内においては、開放された
扉から手を離すとはね５の反発力によりアーム１０はシ
リンダ３側に変位して第３図Ｂの状態から第３図Ａの状
態に戻り、扉は自動的に閉草り、また扉がある開放角度
に係止されているとき、即ちカム板１５とアーム１０が
第３図Ｃの状態にあるとき、扉を手で押し戻してローラ
ー１３が上記延長線ｄを過ぎると、前記のように扉は自
動的に閉まる。

このように扉が自動的に閉まるとき、アーム１０とピス
トン田ンド７を介して連結したピストン６は端部蓋体４
側に摺動復帰する。

ピストンのこの復帰工程においてシリンダ油室Ａ，Ｂの
圧力差により逆止弁１７が閉しるが、ピストンがその復
帰行程の終末に達しないとき、即ちピストンの油孔２１
が完全に開放しているとき、油室Ｂの作動油はこの油孔
２１を経て油室Ａに流動してピストン６に油圧抵抗が作
用しないが、その行程終末において上記油孔２１が油孔
桿２０にはまると、核油孔２１の有効通路面積が逐次減
少して油圧減衰抵抗を生ずると共に、通路２３．２２を
経て油室Ａに流れる油室Ｂの作動油は調節弁２４により
絞られてピストンの運動に抵抗を与え、扉が完全に閉ま
る終末における速度を緩慢にし、誤って手を挾るような
ことを防止する。

尚第３図Ｃに示すようにアーム１０がピン９を支点とし
てある一定の角度揺動した時点においてこれを係止する
ため、ピストンロツド７と当接するストッパーピン１８
を該アーム１０に設けたが、アーム１０の内側面ｂがこ
の時点において主軸１４の外周と接合するようにすれば
、これ以上アームが（第３図Ｃにおいては反時計方向に
）揺動するのを防止することもできる。

本発明フロアヒンジは以上のとおり構成したから、主軸
１４の単位回転角度に対するピストン６の変位量即ちは
ね５の圧縮量が、主軸の回転角度の増大するに従って減
少し、扉を押し開くに従ってトルクが増大した従来の欠
点を除いて扉を軽く開くことができ、然も確実な自動閉
扉動作が得られ、またカム板１５のハート形側面Ｃとピ
ストンロツド７先端の間に微少な間隙を、保たしめるか
或は軽く接せしめることにより、ローラー１３，１３′
とカム板１５の遊離による扉の早戻りを防止し、更にア
ーム１０の揺動に伴ってピストンロツド７に直線運動を
与えるようにしたから、上記アーム１０の揺動を制止す
るガイド部をアーム１０部分に設ける必要がなく、この
ガイド部で負担する横方向荷重をシリンダ３内に挿入さ
れたピストンロツド７を案内する軸受案内片２で受ける
ようにしたことから、上記ピストンロッド７の直線運動
時における摩擦力を最少限に抑えることができるという
優れた特徴がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明フロアヒンジの一実施例を示し、第１図は
縦断面図、第２図は第１図Ｘ−Ｘ線の断面図、第３図は
要部の拡大図でその作動状態を示す。 １……ケース、２……軸受案内片、３…・・クリンダ、
４……端部蓋体、５……ばね、６……ピストン、７……
ピストンロツド、１０……アーム、１１，１１’……鉤
、１ ２ ． １ ２’……ローラーピン、１３，１３
’……ローラー、１４……主軸、１５……カム板、１８
……ストッパーピン、２０……油孔桿、２１……油化２
４……調節弁、ａ，ａ′……弧状切欠面、ｂ……内側面
、Ｃ……ハート形側面、ｄ……延長線、Ａ，Ｂ……シリ
ンダ油室。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ シリンダ内にピストンが摺動自在に嵌押され、この
   ピストンに連結されたピストンロンドの一端かアームに
   結合され、このアームは当該アームに設けたローラを介
   して主軸と一体なカム板によって一方尚に駆動され、ピ
   ストンが開扉動作に伴なう主軸の回動によりアームとロ
   ツドを介して摺動するときシリンダに内装したばねを圧
   縮すると共に、圧縮された上記ばねの反発力によりピス
   トンが復帰して閉扉動作を自動的に行うフロアヒンジに
   おいて、カム板１５は左右肩部に左右対称な弧状切矢面
   ａ，ａ’を形成し、前記アーム１０はカム板の上下に一
   対並設され、このアームからはそれぞれ左右対称の鉤１
   １．１１’が突設され、各鉤１ １ ， １ １’の先
   端には面転自在にローラ１３，１３／が設けられ、各ロ
   ーラ１ ３ ， １ ３’はそれぞれ前記カム板１５の
   弧状切欠面ａ ， ａ’に回転自在に当接すると共に主
   軸１４とカム板１５の回転に伴なってアーム１０を一方
   向に揺動させ、各アームは前記ピストンロツド７の一端
   に回転自在に枢着され、アームの揺動時にピストンロン
   ドが軸受案内片２を介して直線方向に運動し、主軸１４
   が中立位置にあるときばね５の弾力により口−ラ１ ３
   ， １ ３’がカム板１５の弧状切欠面ａ，ａ′に圧
   接して主軸１４をその位置に保持し、開扉動作時に主軸
   １４が回転すると、一方のローラ１３が弧状切欠面ａに
   沿って転動してアーム１０をばね５に抗して揺動させる
   と共にピストンロツド７に直線運動を与え、更に前記ロ
   ーラ１３の軸芯カ主軸１４とピストンロツド７の中心を
   結ぶ延長線ｄを起えた時ばね５の力が開扉状態を保持す
   る方向に作用するようにしたフロアヒンジ。