JPS5811571Y2 - 輪転印刷機に於ける印刷紙による危険防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は輪転印刷機に於ける印刷紙による危険防止装置
に関するものである。

輪転印刷機による印刷作業において、給紙装置から繰出
される印刷紙は各色の印刷ユニットで印刷が施されたの
ち排紙される。

そしてこの印刷作業中には、印刷紙の見当調整を行なっ
たりインキ装置を調節したりするなどのために作業者が
隣接する印刷ユニット間に立入りしてこれらを操作しな
ければならないことがしばしばある。

第１図ないし第３図は、従来の輪転印刷機においてこの
種の操作を行なっている各種の状態をそれぞれ示す側面
図と正面図である。

先ず第１図に示す大型印刷機の場合、印刷ユニット１，
２を通過する印刷紙３が高位を走行するので、作業者４
が前記操作を行なう場合には隣接する印刷ユニット１，
２間を走行する印刷紙３の上方にステップ５を架設し、
作業者４はこのステップ５上またはステップ５の下で作
業する。

また、第２図および第３図に示す小型印刷機の場合には
、直接床に立って印刷紙３の上方を操作したり、印刷紙
３の下方にもぐり込んで操作したりする。

このように、作業者４は不安定な姿勢で操作を行なわな
ければならないのに対して、作業位置には印刷紙３が高
速度で走行しており、万一これに接触すると、剃刀の刃
のように鋭い印刷紙３の端縁によって負傷し、大きな事
故となる虞があるばかりでなく、紙をずらしたり曲げた
りして損紙が発生し、はなはだしいときには紙が切断し
て大きな印刷資材の損失や生産性の低下につながる虞が
あった。

本考案は以上のような点に鑑みなされたもので、隣接す
る印刷ユニット間に、走行する印刷紙の側端縁を覆う断
面コ字状の安全カバーを、印刷紙の幅方向へ移動調節自
在に設けることにより、作業者を各種紙幅を有する走行
紙の尖鋭端から保護して作業の安全性を計るとともに、
紙の損傷を防止して印刷資材の節減と生産性の向上を計
った輪転印刷機に於ける印刷紙による危険防止装置を提
供するものである。

以下、その構成等を図に示す実施例により詳細に説明す
る。

第４図ないし第６図は本考案に係る印刷紙による危険防
止装置を示し、第４図はこれを実施した印刷機の側面図
、第５図は同じく斜視図、第６図は危険防止装置の正面
図である。

図において、隣接する印刷ユニット１１および１２は、
それぞれ左右一対のフレーム１３および１４を備えてお
り、これらのフレーム１３．１４には上部印刷胴１５と
下部印刷胴１６とが周面を対接させて軸支されていて、
印刷紙１７は、これらの印刷胴１５．１６の間を通過し
て図に矢印Ａで示す方向へ走行している。

そして、両方の印刷ユニツ） １１．１２の左右のフレ
ーム１３．１４には、それぞれ軸受１８が嵌挿されてお
り、各々の軸受１８には、支持部材としてのカバー支軸
１９が摺動自在に軸支されている。

一方、符号２０で示す安全カバーは、隣接する印刷ユニ
ツ） １１．１２間を走行する印刷紙１７の側端縁を覆
うごとく断面コ字状に形成されかつ印刷ユニツｌ−１１
，１２間の間隔とほぼ同長に形成されており、両端部を
前記カバー支軸１９に支持されて水平状に架設されてい
る。

さらに、前記軸受１８には、カバー支軸１９の摺動を固
定する止ねじ２１が螺入されており、安全カバー２０を
カバー支軸１９と一体に印刷紙１７の幅方向へ移動して
止ねじ２１を緊締することにより各種紙幅の印刷紙１７
に対応し得るように構成されている。

このように構成することにより、第１図ないし第３図に
示すような状態で印刷ユニッ） １１．１２間に立入っ
て各部を操作しても、印刷紙１７の側端縁が安全カバー
２０で覆われているので、作業者がこれに接触すること
がない。

また、印刷作業においては印刷物の仕様によって印刷紙
１７の幅がしばしば変更されるが、この場合には止ねじ
２１を弛めて両側の安全カバー２０を平行移動させ止ね
じ２１を緊締することにより、紙幅変更に対応すること
ができる。

また、印刷準備作業において印刷紙を通す場合には、安
全カバー２０をフレーム１３．１４に近接するまで拡げ
ることにより作業が容易になる。

第７図は本考案の他の実施例としての危険防止装置を実
施した印刷機の側面図であって、本実施例においては、
安全カバー２０を両端部でなく一端部のみで支持してい
る。

すなわち、軸受１８は片方の印刷ユニット１１のみ装着
されており、安全カバー２０は、使用時において図に実
線で示すように水平状態で固定され、また非使用時には
、図に鎖線で示すように垂直状に垂下されるように構成
されている。

そして、安全カバー２０を水平状態で固定するためには
、カバー支軸１９に長いキー溝を設け、カバー支軸１９
を摺動調節したのち、第６図に示す止ねじ２１の先端を
キー溝に係合させて螺入するなどの構造にすればよい。

その他の構成は第４図ないし第６図に示す実施例と同じ
である。

なお、前記各実施例は、安全カバー２０を、印刷紙１７
の両端縁を覆って設けた例を示したが、一般に印刷機は
機台の片方が原動側、他方が操作側であり、原動側には
ラインシャフトなどがあって作業者が最寄ることがない
ので、安全カバー２０を操作側のみに設けてもよい。

以上の説明により明らかなように、本考案によれば、輪
転印刷機の隣接する印刷ユニット間に走行する印刷紙の
側端縁を覆う断面コ字状の安全カバーを設けることによ
り、走行する印刷紙の尖鋭な側端縁が外部に露呈するこ
とがないので、作業者がこれに接触することによる事故
を未然に防止することができ、作業の安全性が向上する
とと・もに、作業者や器物の接触による印刷紙の損傷を
防止することができることにより、印刷資材の損耗がな
く、また停台による生産性の低下を防止することができ
る。

さらに、安全カバーの支持部材を摺動自在に軸支させて
任意の位置で個定できるように構成することにより、安
全カバーを簡単な操作で印刷紙の幅方向へ移動調節する
ことができ、紙幅変更時にはきわめて容易に短時間で、
これに対応することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は従来の輪転印刷機における作業者
の操作作業状態を示す印刷機の側面図および正面図、第
４図ないし第７図は本考案に係る輪転印刷機に於ける印
刷紙による危険防止装置を示し、第４図はこれを実施し
た印刷機の側面図、第５図は同じく斜視図、第６図は危
険防止装置の正面図、第７図は本考案の他の実施例とし
ての危険防止装置を実施した印刷機の側面図である。 １１．１２・・・・・・印刷ユニツ）、１３．１４・・
・・・・フレーム、１７・・・・・・印刷紙、１８・・
・・・・軸受、１９・・・・・・カバー支軸、２０・・
・・・・安全カバー、２１・・・・・・止ねし。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 印刷ユニットの少なくとも操作側のフレームに装着され
   た軸受と、この軸受に摺動自在に軸支された支持部材と
   、隣接する前記印刷ユニット間を走行する印刷紙の側端
   縁を囲むごとく断面コ字状に形成され前記支持部材で少
   なくとも一端部を支持された安全カバーと、前記支持部
   材を任意の摺動位置で前記軸受に固定する止ねじを設け
   たことを特徴とする輪転印刷機に於ける印刷紙による危
   険防止装置。