JPS581136Y2 - 制御機構を内蔵したシリンダを備えた移動農機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、機体に対して昇降自在に支承された第一の作
業体と、該作業体に対して昇降自在に装着された第二の
作業体を有し、これらの作業体を一連の関係を保って昇
降させるための制御機構を内蔵したシリンダを備えた移
動農機に係るものである。

この種の移動農機、例えば機体に対して昇降自在の草藁
搬送体と該搬送体に草藁拾集回転体を昇降自在に装着し
てなる草藁収集運搬機にあっては、圃場における通常の
草藁収集作業中、草藁拾集回転体の圃場面に対する高さ
調節は草藁搬送体を昇降調節することによって行われる
が、畦越え等の場合には搬送体を上昇させたうえ、さら
に拾集回転体をも上昇させる必要がある。

ところで、従来このような草藁収集運搬機においては、
草藁搬送体の昇降と草藁拾集回転体の昇降を司る二系統
の制御機構および操作レバーが設けられていたので、そ
の構造が複雑である許りでなく、上記の如き一連の操作
にあたってその順序を誤り支障を起すというような誤操
作が生じやすいうえ、操作が煩雑である欠点があった。

本考案は、例示した草藁収集運搬機をはじめ、この種の
移動農機におりる上記の如き欠点を一掃すべく創案され
たものであって、機体に対して昇降自在に支承された第
一の作業体と、該作業体に対して昇降自在に装着された
第二の作業体を有し、これら第一および第二の作業体を
それぞれ上昇させる第一の単動シリンダおよび第二の単
動シリンダを設けると共に、上記第一および第二の単動
シｊンダを、圧油供給および戻し切替制御バルブを介し
て油圧駆動源に接続し、第二の単動シリンダの流路に互
いに逆方向に作動する二つの逆止弁を設け、さらに第一
の単動シリンダの流路にその戻り方向を遮断する逆止弁
を設けて、この逆止弁を第二のシリンダのピストンの戻
り作動に連動して開かせるように構成したことにより、
第一および第二の作業体の昇降動作に、第一および第二
のシノンダを介して一定の関連をもたせることができ、
もって、単一の操作レバーの簡単な操作のみで、第一お
よび第二の作業体を所定の順序で誤動作を生じさせるこ
となく昇降させることができる制御機構を内蔵したシリ
ンダを備えた移動農機を提供しようとするものである。

本考案の構成を図面に示された一実施例について説明す
れば、第１図において、１は草藁収集運搬機、２はその
クローラ走行装置であって、該機体１には、その前方下
部位置から後方の斜め上方にかけて第一の作業体である
草藁搬送体３が架設されており、草藁搬送体３はその傾
斜上端を回動支点として昇降自在に支承されている。

また、上記草藁搬送体３の傾斜下端部には、第二の作業
体である草藁拾集回転体４がその駆動ケース５によって
回動支点６を中心に昇降自在に装着されている。

γは第一の単動シリンダ、８は第二の単動シリンダであ
って、そのうち第一の単動シリンダ７は機体１と草藁搬
送体３間に介装され、また第二の単動シリンダ８は草藁
搬送体３と草藁拾集回転体４の１駆動ケ一ス５間に介装
されており、これら第一および第二のシリンダγ、８の
伸長作動によって搬送体３および拾集回転体４がそれぞ
れ上昇せられるようになっている。

９は草藁移送板、１０は草藁収集部であって、この草藁
移送板９と草藁収集部１０の上方には、草藁掻送り圧縮
運動体１１が設けられている。

なお、１２は運転操作盤、１３は運転者座席である。

第２図および第３図には、前記第一の単動シリンダＴお
よび第二の単動シリンダ８の油圧制御機構が示されてい
る。

すなわち、１４は油圧駆動源を構成する圧油タンク、１
５はその油圧ポンプ、１６は圧油供給および戻し切替制
御バルブであって、上記油圧ポンプ１５の送油流路およ
び圧油タンク１４への油戻し流路と、第二の単動シリン
ダ８の圧油供給口１γは前記バルブ１６を介して切替自
在に接続されている。

また、第二の単動シリンダ８のシリンダカバ一部１８内
には、その圧油供給口１γと該シリンダ８の二つの圧油
流路１９゜２０および第一の単動シリンダγへの圧油流
路２１をそれぞれ形成した弁装置２２が内蔵されており
、上記一方の圧油流路１９には圧油流入方向に閉止され
る逆止弁２３が、他方の圧油通路２０には圧油流入方向
に開放される逆止弁２４が、ざらに圧油流路２１には第
一の単動シリンダγの戻り方向を遮断する逆止弁２５が
それぞれ設けられている。

そして、逆止弁２５に当接するスライドピン２６は第二
の単動シリンダ８内に突出されており、そのピストン２
８の戻り作動終端で逆止弁２５が開放されるようになっ
ている。

なお、逆止弁２４は他の逆止弁２３，２５より高い弁圧
に設定されている。

２６は第二の単動シリンダ８の圧油供給口１γと切替制
御バルブ１６を接続する圧油パイプ、２γは圧油流路２
１と第一の単動シリンダγの圧油供給口とを接続する圧
油パイプである。

次に叙上の如く構成した本考案の作用について説明する
。

圃場において草藁の収集運搬作業を行うにあたっては、
草藁搬送体３に装着されている草藁拾集回転体４を最も
下降させた状態にしたうえ、切替制御バルブ１６を操作
して第一の単動シリンダγを伸縮させ、草藁搬送体３を
昇降させて草藁拾集回転体４の圃場面に対する高さを調
節する。

そして、機体１を所定の速度で移動させれば、圃場に散
乱している草藁は草藁拾集回転体４によって順次収集さ
れ、かつ草藁搬送体３により順次後方へ搬送され、さら
に草藁移送板９上を草藁掻送り圧縮運動体１１によって
順次後方の草藁収集部１０へ供給されたうえ、該草藁収
集部１０において所定密度に圧縮成形される。

この圧縮成形された草藁は、機体１を圃場の所定場所ま
で移動して押出排出する。

一方、畦越え等の場合には、切替制御バルブ１６の操作
により、まず第一の単動シリンダγを伸長せしめて草藁
搬送体３を上昇させ、次いで第二の単動シリンダ８を伸
長せしめて草藁拾集回転体４を上昇させ、該草藁拾集回
転体４の位置を高くして畦越えを容易ならしめる。

前記草藁搬送体３または草藁拾集回転体４を昇降させる
第一の単動シリンダγおよび第二の単動シリンダ８の伸
縮制御動作態様は次の通りである。

すなわち、切替制御バルブ１６をａ位置に操作すれば、
油圧ポンプ１５より送出される圧油が第二の単動シリン
ダ８の圧油供給口１１に流入し、この圧油は弁装置２２
の逆止弁２５を押して圧油流路２１を通って第一の単動
シリンダγ内に供給される。

このため、第一の単動シリンダＩは伸長するので、その
伸長程の範囲内では草藁搬送体３の昇降調節ができる。

そして、上記第一の単動シリンダγが伸長限度に至った
場合には、弁装置２２内の圧油の圧力が上昇するので、
この状態では弁圧の高い逆止弁２４が押開かれ、圧油流
路２０を経て第二の単動シリンダ８内にも圧油が供給さ
れて、該シリンダ８は伸長せられる。

したがって、草藁搬送体３を最上昇させた状態で草藁拾
集回転体４を最上昇させることができ、畦越え等の際に
必要な一連の操作を、切替制御バルブ１６の一つの操作
レバーの簡単な操作のみで行うことができる。

切替制御バルブ１６のｂ位置は動作停止状態である。

一方、畦越え等の状態から草藁収集作業状態に移行する
際には、まず上昇し７ている草藁拾集回転体４を下降さ
せ、次いで草藁搬送体３を下降させるが、この場合切替
制御バルブ１６をＣ位置に戻せば、弁装置２２に通じる
第二の単動シリンダ８の圧油供給口１１が圧油タンク１
４への油戻し流路へ連通せられるので、草藁拾集回転体
４を支持している第二の単動シリンダ８内の圧油は圧油
流路１９を経て流出可能となり、ピストン２８が戻り方
向に作動し、また、その戻り程限度に至ってピストン２
８がスライドピン２６を押して逆止弁２５が押開かれる
ので、第一の単動シリンダγも弁装置２２を経て圧油タ
ンク１４の油戻し流路へ連通せられ、該シリンダγも戻
り方向に作動する。

したがって、この際にも、切替制御バルブ１６の一つの
操作レバーの操作で、草藁拾集回転体４の下降と、草藁
搬送体３の下降とをさせることができる。

これを要するに、本考案は、機体に対して昇降自在に支
承された第一の作業体と、該作業体に対して昇降自在に
装着された第二の作業体を有し、これら第一および第二
の作業体をそれぞれ上昇させる第一の単動シリンダおよ
び第二の単動シリンダを設けると共に、上記第一および
第二の単動シノンダを、圧油供給および戻し切替制御バ
ルブを介して油圧駆動源に接続し、第二の駆動シリンダ
の流路に互いに逆方向に作動する二つの逆止弁を設け、
さらに第一の単動シリンダの流路にその戻り方向を遮断
する逆止弁を設けて、この逆止弁を第二のシリンダのピ
ストンの戻り作動に連動して開かせるように構成したか
ら、第一および第二の作業体の昇降動作に、第一および
第二のシリンダを介して一定の関連をもたせることがで
き、単一の操作レバーの簡単な操作のみで、第一および
第二の作業体を誤動作を生じさせることなく昇降させる
ことができる。

したがって、本考案によれば、各種移動農機における昇
降制御機構の簡素化と、操作の簡易化を図ることができ
る極めて有用な実用的効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る制御機構を内蔵したシリンダを備え
た移動農機の一実施例を示すものであって、第１図は草
藁収集運搬機の全体側面図、第２図は油圧制御機構の構
成図、第３図はその弁装置を示す断面図である。 図中、１は草藁収集運搬機の移動機体、３は第一の作業
体である草藁搬送体、４は第二の作業体である草藁拾集
回転体、５はその駆動ケース、γは第一の単動シリンダ
、８は第二の単動シリンダ、１０は野暮収集部、１４は
圧油タンク、１５は油圧ポンプ、１６は圧油供給および
戻し切替制御バルブ、２２は弁装置、２３，２４，２５
は逆止弁、２６はスライドピンである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体に対して昇降自在に支承された第一の作業体と、該
   作業体に対して昇降自在に装着された第二の作業体を有
   し、これら第一および第二の作業体をそれぞれ上昇させ
   る第一の単動シリンダおよび第二の単動シリンダを設け
   ると共に、上記第一および第二の単動シリンダを、圧油
   供給および戻し切替制御パルプを介して油圧駆動源に接
   続し、第二の単動シリンダの流路に互いに逆方向に作動
   する二つの逆止弁を設け、さらに第一の単動シリンダの
   流路にその戻り方向を遮断する逆止弁を設けて、この逆
   止弁を第二のシリンダのピストンの戻り作動に連動して
   開かせるように構成したことを特徴とする制御機構を内
   蔵したシリンダを備えた移動農機。