JPH119979A - ポリイミドガス分離膜 - Google Patents

ポリイミドガス分離膜

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JPH119979A
JPH119979A JP9161090A JP16109097A JPH119979A JP H119979 A JPH119979 A JP H119979A JP 9161090 A JP9161090 A JP 9161090A JP 16109097 A JP16109097 A JP 16109097A JP H119979 A JPH119979 A JP H119979A
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JP
Japan
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gas separation
polyimide
separation membrane
membrane
aminophenoxy
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JP9161090A
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English (en)
Inventor
Miyoshi Shirasaki
美佳 白崎
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】欠陥のない薄膜形成が容易であり、高分離性を
もつガス分離膜を提供すること。 【解決手段】一般式(1) 【化1】 (Xは炭素数1〜20の炭化水素基または硫黄原子を表
す。Rはハロゲン原子、炭素数1〜6の炭化水素基また
は炭素数1〜6の含ハロゲン炭化水素基を表し、aは0
〜4の整数で置換基の数を表す。)で表されるジアミノ
化合物と、一般式(2) 【化2】 (Yは炭素数2以上の4価の有機基を表す。)で表され
るテトラカルボン酸二無水物を反応させて得られるポリ
イミドを成膜してなるガス分離膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリイミドガス分離
膜に関するものである。さらに詳しくは、成膜が容易
で、また気体の透過特性に優れたポリイミドガス分離膜
を提供するものである。本発明の分離膜は混合ガスの分
離に使用されるが、特に酸素と窒素の分離に優れた性能
を示し、空気の酸素富化膜あるいは窒素富化膜として好
適である。
【0002】
【従来の技術】ガス分離膜とは混合ガスから特定ガスの
分離が可能な高分子膜であり、各ガスの膜透過速度の差
により分離が行われるものである。分離膜によるガス分
離は、相変化が無く、省エネルギー、省力的で、装置的
にも単純で操作保守が容易といった特徴があり、分離技
術の重要な手段となってきている。このような流れの中
で、芳香族ポリイミドは剛直構造を持ち高分子鎖間隙が
小さいためガスの透過選択性が高く、水素や炭酸ガス等
の回収、酸素あるいは窒素の富化空気の製造といった用
途などで、ポリイミドガス分離膜を使用した数々の提案
がなされている(例えば、特開平5−49881号公報、特開
平6−71148号公報、特開平6−254367号公報等)。
【0003】効率の良いガス分離を目指すには、モジュ
ールの構造や操作条件その他システム全体としての性能
を考えなければならないが、その中でやはり一番の鍵と
なるのは膜そのものの性能であり、膜のガス分離度の高
いことが重要となる。ガスAとガスBとの分離は、それ
ぞれのガスの透過係数PAおよびPB両者の比(=分離
係数αA/B)により評価することができ、この値が大
きい程分離が良いといえる。一方、ガス分離膜の実用に
際しては、欠陥のない薄膜の形成が可能でなければなら
ない。一般にポリイミドは溶解性に劣り、前駆体である
ポリアミド酸の段階で製膜後イミド化する方法がとられ
るが、その場合イミド化の際に生成する水によりボイド
ができる恐れがある。
【0004】空気を酸素/窒素分離膜に通した時、通過
した先と残った側それぞれが酸素あるいは窒素の富化空
気となり、例えば化学工業、医療分野、食品分野等で幅
広く利用されている。しかし酸素と窒素は分子サイズが
近いため分離が困難で、両者の分離係数αはこれまでの
実用例では3〜5、高いものでも7といった程度であっ
た。だが、窒素富化空気のように95%以上の高濃度の
ものが必要となる場合には、分離効率を上げ高濃度化を
達成するために、特に分離度の高い膜が要求されること
になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、欠陥
のない薄膜形成が容易であり、高分離性をもつガス分離
膜を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、高分離性を
もつガス分離膜を実現するため、ポリイミドの高分子鎖
に柔軟性基を導入することにより高分子鎖間隙を空け、
ガス選択性の高い膜を得ることを考え、そのような特定
の構造を有し、なおかつイミド化後も溶媒可溶性を保持
するポリイミドを使用することにより、上記目的を果た
す、成膜が容易で、また気体の透過特性に優れるガス分
離膜が得られることを見いだし、本発明を完成した。す
なわち、本発明は、一般式(1)
【0007】
【化5】 (式中、Xは炭素数1〜20の炭化水素基または硫黄原
子を表す。Rはハロゲン原子、炭素数1〜6の炭化水素
基または炭素数1〜6の含ハロゲン炭化水素基を表し、
aは0〜4の整数で置換基の数を表す。但し、複数のR
およびaはそれぞれ独立に異なった置換基および値をと
りうる。)で表されるジアミノ化合物と、一般式(2)
【0008】
【化6】 (式中、Yは炭素数2以上の4価の有機基を表す。)で
表されるテトラカルボン酸二無水物を反応させて得られ
るポリイミドを成膜してなるガス分離膜に関するもので
ある。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のガス分離膜に使用される
ポリイミドにおいて、一般式(1)のうち、Rとして使
用されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、
およびヨウ素が挙げられ、炭素数1〜6の炭化水素基お
よび炭素数1〜6の含ハロゲン化炭化水素基としては、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシ
ルの直鎖または分鎖状のアルキル基、シクロヘキシル
基、フェニル基等の炭化水素基およびこれらの炭化水素
基の水素原子の一つ以上をハロゲン原子で置換した基が
挙げられる。
【0010】一般式(1)において、Xとして使用され
る炭素数1〜20の炭化水素基としては、炭素数1〜6
のアルキレン基、炭素数2〜14のアルキリデン基、炭
素数7〜20のフェニルアルキリデン基または脂環構造
を含む炭素数5〜20の炭化水素基が挙げられる。炭素
数1〜6のアルキレン基の代表例としては、メチレン
基、エチレン基等、炭素数2〜14のアルキリデン基の
代表例としては、エチリデン基、プロピリデン基、ブチ
リデン基、ペンチリデン基、ヘキシリデン基、ヘプチリ
デン基等の直鎖または分鎖状のアルキリデン基、炭素数
7〜20のフェニルアルキリデン基の代表例としては、
フェニルメチリデン基、フェニルエチリデン基、フェニ
ルプロピリデン基等の直鎖または分鎖状のフェニルアル
キリデン基を挙げることができる。また、脂環構造を含
む炭素数5〜20の炭化水素基の代表例としては、式
(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、または
(g)
【0011】
【化7】 等で表される基およびこれらの脂環中の水素原子の1つ
以上をメチル基、エチル基等のアルキル基で置換した基
が挙げられる。この中でも式(b)、(c)および
(d)で表される基が好ましい。更に一般式(1)で表
されるジアミノ化合物のうち、式(a)
【0012】
【化8】 (式中、Xはブチリデン基または硫黄原子を表す。)で
表されるものも好ましい化合物の一群である。
【0013】一般式(1)で表されるジアミノ化合物類
の代表例を示すと次の通りである。ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)−3−t−ブチル−6−メチルフェニ
ル〕スルフィド、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)
−3−t−ブチル−6−メチルフェニル〕スルフィド、
1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3−t
−ブチル−6−メチルフェニル〕ブタン、1,1−ビス
〔3−(4−アミノフェノキシ)−3−t−ブチル−6
−メチルフェニル〕ブタン、1,1−ビス〔4−(4−
アミノフェノキシ)−3−t−ブチル−6−メチルフェ
ニル〕ペンタン、1,1−ビス〔3−(4−アミノフェ
ノキシ)−3−t−ブチル−6−メチルフェニル〕ペン
タン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−
3−t−ブチル−6−メチルフェニル〕ヘキサン、1,
1−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)−3−t−ブ
チル−6−メチルフェニル〕ヘキサン、1,1−ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)−3−t−ブチル−6
−メチルフェニル〕ヘプタン、1,1−ビス〔3−(4
−アミノフェノキシ)−3−t−ブチル−6−メチルフ
ェニル〕ヘプタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕メンタン、ビス〔2−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕メンタン、1−〔2−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル〕−8−〔4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕メンタン、ビス〔4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル〕メンタン、ビス〔2−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕メンタン、1−〔2−(3
−アミノフェノキシ)フェニル〕−8−〔4−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕メンタン、ビス〔4−(4
−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル〕メンタ
ン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジ
メチルフェニル〕メンタン、ビス〔4−(4−アミノフ
ェノキシ)−3−ブチル−6−メチルフェニル〕メンタ
ン、ビス〔4−(4−アミノ−5−メチルフェノキシ)
−3−メチルフェニル〕メンタン、ビス〔4−(4−ア
ミノ−5−メチルフェノキシ)−3,5−ジメチルフェ
ニル〕メンタン、ビス〔4−(4−アミノ−5−メチル
フェノキシ)−3−ブチル−6−メチルフェニル〕メン
タン、ビス〔2−(4−アミノフェノキシ)−3−メチ
ルフェニル〕メンタン、1−〔2−(4−アミノフェノ
キシ)−3−メチルフェニル〕−8−〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)−3−メチルフェニル〕メンタン、ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕トリシクロ
[5,2,1,02,6]デカン、ビス〔2−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕トリシクロ[5,2,1,0
2,6]デカン、〔2−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕−〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕トリ
シクロ[5,2,1,02,6]デカン、ビス〔4−(3
−アミノフェノキシ)フェニル〕トリシクロ[5,2,
1,02,6]デカン、ビス〔2−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル〕トリシクロ[5,2,1,02,6]デカ
ン、〔2−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−〔4
−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕トリシクロ
[5,2,1,02,6]デカン、ビス〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)−3−メチルフェニル〕トリシクロ
[5,2,1,02,6]デカン、ビス〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル〕トリシク
ロ[5,2,1,02,6]デカン、ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)−3−ブチル−6−メチルフェニル〕
トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン、ビス〔4−
(4−アミノ−5−メチルフェノキシ)−3−メチルフ
ェニル〕トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン、ビ
ス〔4−(4−アミノ−5−メチルフェノキシ)−3,
5−ジメチルフェニル〕トリシクロ[5,2,1,0
2,6]デカン、ビス〔4−(4−アミノ−5−メチルフ
ェノキシ)−3−ブチル−6−メチルフェニル〕トリシ
クロ[5,2,1,02,6]デカン、ビス〔2−(4−
アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル〕トリシクロ
[5,2,1,02,6]デカン、〔2−(4−アミノフ
ェノキシ)−3−メチルフェニル〕−〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)−3−メチルフェニル〕トリシクロ
[5,2,1,02,6]デカン等が例示される。これら
の中でも、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)−3−t−ブチル−6−メチルフェニル〕ブタン、
ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メンタ
ンおよびビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3,5
−ジメチルフェニル〕トリシクロ[5,2,1,
2,6]デカンが好ましい。
【0014】一般式(1)で表されるジアミノ化合物
に、他のジアミノ化合物を混合して使用してもよい。他
のジアミノ化合物の代表例としては、以下のものが挙げ
られる。m―フェニレンジアミン、p―フェニレンジア
ミン、2,4―ジアミノトルエン、2,6―ジアミノト
ルエン、3,3’―ジアミノジフェニルエーテル、3,
4’―ジアミノジフェニルエーテル、4,4’―ジアミ
ノジフェニルエーテル、3,3’―ジアミノジフェニル
メタン、3,4’―ジアミノジフェニルメタン、4,
4’―ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’
―テトラブロモ―4,4’―ジアミノジフェニルメタ
ン、3,3’―ジアミノジフェニルスルフィド、3,
4’―ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’―ジア
ミノジフェニルスルフィド、3,3’―ジアミノジフェ
ニルスルホン、3,4’―ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4’―ジアミノジフェニルスルホン、1,3―
ビス(4―アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4―ビス
(4―アミノフェノキシ)ベンゼン等が例示される。こ
れらジアミノ化合物は単独あるいは2種以上混合して良
いが、良好な溶解性を得るためには、ジアミノ化合物全
量のうち一般式(1)で表されるジアミノ化合物が70
%以上占めることが望ましい。
【0015】一般式(2)で表されるテトラカルボン酸
二無水物は上記のジアミノ化合物と縮合反応しうるもの
であれば如何なるものも適用可能であるが、代表例とし
ては、以下のものが挙げられる。エチレンテトラカルボ
ン酸二無水物、シクロペンタンカルボン酸二無水物、ピ
ロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’
−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテ
トラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェ
ニルヘキサフルオロイソプロピリデンテトラカルボン酸
二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、2,
3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、
1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸
二無水物、1,2,7,8−フェナントラセンテトラカ
ルボン酸二無水物、4−(1,2−ジカルボキシルエチ
ル)−4−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−
1,2−ナフタレンジカルボン酸二無水物、2,2−ビ
ス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン二無水物、5−(1,2−ジカルボキシル
エチル)−3−メチル−1,2,5,6−テトラハイド
ロフタル酸二無水物、6−メチル−トリシクロ[6,
2,2,02,7]−ドデカ−6,11−ジエン−3,
4,9,10−テトラカルボン酸二無水物等が例示され
る。これらテトラカルボン酸二無水物は、単独あるいは
2種以上混合して使用される。
【0016】本発明のガス分離膜に使用されるポリイミ
ドの合成方法としては、ポリイミドを合成可能な方法な
らいかなる方法でも適用可能であるが、中でも、ジアミ
ノ化合物とテトラカルボン酸二無水物を適当な溶媒中熱
的に反応させる、いわゆるワンポット合成法が好まし
い。ポリイミドの製造に先だって原料や反応溶媒中の水
分を公知の方法で十分に除去しておき、反応中は乾燥窒
素気流下で行うことが好ましい。反応圧力は特に限定さ
れず、常圧で十分実施できる。反応時間は用いるジアミ
ノ化合物および酸二無水物の種類、溶媒、反応温度によ
り異なるが、通常5〜24時間である。ジアミノ化合物
とテトラカルボン酸二無水物のモル比は1/0.5から
1/2の範囲から選ばれ、高分子量体を得たい場合には
1/1に近いモル比で反応が行われる。また分子量を制
御するために、芳香族モノアミンや芳香族ジカルボン酸
無水物を添加して、末端を非反応性にする方法も用いる
ことができる。反応を促進させる触媒として、安息香酸
やイソキノリン等を添加することもできる。
【0017】本発明のガス分離膜に使用されるポリイミ
ドの合成溶媒には、上記のジアミノ化合物およびテトラ
カルボン酸二無水物を溶解させることのできるものであ
れば如何なるものも適用可能であるが、代表例として
は、以下のものが挙げられる。N−メチル−2−ピロリ
ドン(以下、NMPと略す)、N,N−ジメチルアセト
アミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル
−ε−カプロラクタム、N−シクロヘキシル−2−ピロ
リドン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホ
スホルアミド、m−クレゾール、p−クレゾール、o−
クレゾール、キシレノール、ピリジン、1,2−ジメト
キシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサ
ン、ジグライム、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、エチルベンゼン、キシレン、o−キシレン、m−キ
シレン、p−キシレン、メシチレン、クメン、o−シメ
ン、m−シメン、p−シメン、ベンゾニトリル、ニトロ
ベンゼン、クロロベンゼン等が例示される。これらの溶
媒は、単独あるいは2種以上混合して使用しても良い。
濃度は、ジアミノ化合物とテトラカルボン酸二無水物の
重量の和で1〜50重量%、好ましくは5〜20重量%
程度となるように調製する。
【0018】得られたポリイミドは反応溶液をそのま
ま、または反応溶液をメタノール等の貧溶媒に注いで生
成したポリイミドを沈澱させて粉末とした後これを上記
の適当な溶媒に再溶解させたものに、ポリイミドのガス
分離性その他の物性改良のため必要があれば反応型ある
いは非反応型の適当な添加剤を加えて、ガス分離膜作成
に供することができる。
【0019】ガス分離膜の作成は、上記溶液を適当な基
材上に塗布した後、溶媒を加熱乾燥させることにより行
われるが、その形態は使用目的に応じ、特に限定される
ものではない。作成後基材より剥すか、または基材ご
と、必要に応じて数枚を重ねたり、異種素材と組み合わ
せたり表面処理を行うなどしてガス分離モジュールを製
造し、目的のガス分離用途に使用する。
【0020】本発明のガス分離膜の用途には、例とし
て、酸素富化空気または窒素富化空気の製造、石油や天
然ガスの精製、化学プラント等における廃ガスの分離・
回収などが挙げられるが、特に限定されるものではな
い。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限される
ものではない。尚、本実施例および比較例にて用いた測
定方法および装置は次の通りである。 固有粘度ηinh.:0.5g/dlのNMP溶液を調整
し、ウベローデ粘度計を使用して30℃の恒温槽中で落
下時間を測定し、次式により算出した。 ηinh.=〔ln(t/t0)〕/0.5 〔dl/
g〕 ただし、t :粘度計で測定される溶液の落下時間
(秒) t0:同様に測定される溶媒の落下時間(秒) 赤外吸収スペクトル:日本分光工業社製 IR−700
装置を使用して測定した。 気体透過度:JIS K7126 A法(差圧法)に基
づいて測定した。
【0022】合成例 窒素ガス導入管、温度計、撹拌装置を備えた2リットル
4つ口フラスコに、1,1−ビス〔4−(4−アミノフ
ェノキシ)−3−t−ブチル−6−メチルフェニル〕ブ
タン197.4g(0.35mol)およびNMP10
29.6gを仕込み溶解させたところへ、ピロメリット
酸二無水物76.3g(0.35mol)を仕込み、窒
素気流下室温で一晩撹拌してポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸の固有粘度は1.16dl/gで
あった。次にポリアミド酸溶液を190℃まで昇温し、
窒素気流下7時間撹拌して(生成した水は窒素と共に系
外へ除かれる)イミド化を行い、ポリイミドのNMP溶
液を得た。反応溶液の一部を取り分けて、激しく撹拌し
ているメタノール中に滴下して析出した粉状のポリイミ
ドを濾取して乾燥し、赤外吸収スペクトルを測定したと
ころ、5員環イミド基の特性吸収帯である1720cm
-1および1780cm-1付近の吸収が認められるが、ア
ミド基に由来する1650cm-1付近の吸収は認められ
ず、イミド化完結を確認した。得られたポリイミドの固
有粘度は0.73dl/gであった。
【0023】実施例 合成例にて得られたポリイミド溶液をガラス板上にキャ
ストして減圧下200℃で3時間乾燥後剥離し、26μ
m厚のポリイミドフィルムを得た。得られたフィルムの
外観はボイドや白濁等が観測されず良好であった。
【0024】比較例 窒素ガス導入管、温度計、撹拌装置を備えた300ml
4つ口フラスコに、4、4’−ジアミノジフェニルエー
テル10.0g(0.05mol)とNMP118.4
gを仕込み溶解させたところへ、ピロメリット酸二無水
物10.9g(0.05mol)を仕込み、窒素気流下
室温で一晩撹拌してポリアミド酸溶液を得た。得られた
ポリアミド酸の固有粘度は0.81dl/gであった。
次にポリアミド酸溶液をガラス板上にキャストして減圧
下100℃で一晩乾燥させた後、減圧下200℃で1時
間、さらに通風条件下300℃で1時間加熱して、ガラ
ス板より剥離して25μm厚のポリイミドフィルムを得
た。得られたフィルムの外観はボイドや白濁等が観測さ
れず良好であった。またフィルムの赤外吸収スペクトル
を測定したところ、5員環イミド基の特性吸収帯である
1720cm-1および1780cm-1付近の吸収が認め
られるが、アミド基に由来する1650cm-1付近の吸
収は認められず、イミド化完結を確認した。
【0025】実施例および比較例で得られたフィルムに
ついて、酸素および窒素の透過度を測定し、透過係数を
算出した結果を次表に示す。実施例における酸素と窒素
との分離係数は、10という大きな値を示した。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明のポリイミドガス分離膜は、成膜
が容易で、また気体の、特に酸素と窒素の分離に優れた
性能を示し、空気の酸素富化膜あるいは窒素富化膜とし
て工業的に有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中、Xは炭素数1〜20の炭化水素基または硫黄原
    子を表す。Rはハロゲン原子、炭素数1〜6の炭化水素
    基または炭素数1〜6の含ハロゲン炭化水素基を表し、
    aは0〜4の整数で置換基の数を表す。但し、複数のR
    およびaはそれぞれ独立に異なった置換基および値をと
    りうる。)で表されるジアミノ化合物と、一般式(2) 【化2】 (式中、Yは炭素数2以上の4価の有機基を表す。)で
    表されるテトラカルボン酸二無水物を反応させて得られ
    るポリイミドを成膜してなるガス分離膜。
  2. 【請求項2】一般式(1)のジアミノ化合物が式(a) 【化3】 (式中、Xはブチリデン基または硫黄原子を表す。)で
    表されるものである請求項1記載のポリイミドガス分離
    膜。
  3. 【請求項3】一般式(1)において、Xが式(b)、
    (c)または(d) 【化4】 で表されるものである請求項1記載のポリイミドガス分
    離膜。
  4. 【請求項4】一般式(1)中のエーテル酸素原子の置換
    位置に対するアミノ基のそれがパラ位である請求項1記
    載のポリイミドガス分離膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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