JPH119963A - 焼却炉煙道吹込剤および排ガス処理方法 - Google Patents
焼却炉煙道吹込剤および排ガス処理方法Info
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- JPH119963A JPH119963A JP9170641A JP17064197A JPH119963A JP H119963 A JPH119963 A JP H119963A JP 9170641 A JP9170641 A JP 9170641A JP 17064197 A JP17064197 A JP 17064197A JP H119963 A JPH119963 A JP H119963A
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Abstract
れるダイオキシンなどの有害有機物や重金属を効率的に
除去し安定化する。 【解決手段】 特定の物質からなる粉体状の焼却炉煙道
吹込剤と、この吹込剤を用いて焼却炉排ガスを処理する
方法を提供する。
Description
ス処理設備で排出されるダイオキシン類等の有害有機物
や重金属を含有する排ガス処理に使用される煙道吹込剤
とその処理方法に関するものである。
問題視されている。これは、他の汚染物質と比較して、
ダイオキシン類の毒性がきわめて高いためである。例え
ば、最も毒性が強いと言われる2、3、7、8−ダイオ
キシンのモルモットでの LD50は2μg/kgであ
る。更に、ダイオキシン類は上記のように非常に強い急
性毒性を有しているものであるが、強力な発癌性物質や
催奇形性物質でもあることが確認されてる。
の場合には、0.01〜0.07μg/kg/dayという微量
で発癌性を示すという報告がある。また、1〜10μg/
kgの2、3、7、8−ダイオキシンを妊娠中のラット
の母胎に投与することにより、奇形を生ずることが確認
されており、他に類を見ない強い催奇形性物質であるこ
とが判明している。
ミ焼却施設、製鋼所や金属製錬産業等の工業プロセス、
自動車の排ガス、紙パルプ産業における塩素漂白過程、
農薬類などの化学工業製品等があげられる。 日本にお
いては都市ゴミ焼却場から発生するダイオキシン類が最
も多いとされている。日本は、国土が狭くゴミ発生量が
非常に多いため、欧米と比較して一般ゴミの焼却処分率
が高く、ほとんどの一般ゴミが焼却処分した後埋め立て
られている。したがって、日本は世界的にダイオキシン
の発生量が多い国であると考えられる。日本では約48
00万トン(1988年)の一般廃棄物と約3.1億ト
ン(1985年)の産業廃棄物が排出されている。西暦
2000年には、一般廃棄物は約8000万トンに、産
業廃棄物は約6億トンに達すると予測されている。
れ約3割が直接処分されている。また、産業廃棄物は約
4割が再生利用され、約3割が焼却などによって減容化
されて処分、約3割が直接最終処分場で廃棄されてい
る。これらの一般廃棄物や産業廃棄物を焼却する際には
多量のダイオキシン類が発生することが明らかとなって
いる。今後、焼却設備から排出されるダイオキシン類に
関する排出規制が大幅に強化される方向にある。
スチック、残飯、木材等の様々な有機物や塩化物が含ま
れている。これらのごみを焼却すると、有機物の一部は
完全に二酸化炭素まで分解されず、未燃有機物が排ガス
処理設備へと排出され、ダイオキシン類の前駆体とな
る。一方、塩化物中の塩素は塩素や塩化水素等のガス状
成分として排出される。前述の前駆体と塩素を含むガス
成分は複雑な反応経路を経て反応し、ダイオキシン類が
生成すると言われている。更に、排ガス処理設備に吹き
あげられた飛灰中に含有される塩化銅などの金属塩が触
媒となり、ダイオキシン類の生成を更に促進していると
言われている。したがって、一般には未燃有機物が焼却
炉内で前駆体に変化し、ボイラーや集じん機等の低温領
域内でダイオキシン類が合成されると考えられている。
は、まだ始まったばかりであり、現在のところ完全に確
立された技術というものは見当たらない。現在考えられ
ている焼却施設におけるダイオキシン類への対策法は大
きく分けて以下の5つに分類される。すなわち、Aゴミ
中の原因物質の除去、B燃焼条件での生成抑制、C熱回
収・冷却過程での生成抑制、D排ガス処理過程での生成
抑制と除去、E飛灰の無害化があり、これらの方法の
内、近年盛んに検討されている技術はD排ガス処理過程
での生成抑制と除去である。
われることは、集じん機の温度を低下させることであ
る。ダイオキシン類発生防止ガイドラインでは、集じん
機の温度を既設炉では250〜280℃に、新設炉では200℃
以下にすることが示されている。しかし、既設の焼却炉
で多く用いられてきた電気集じん機は温度を余り下げる
ことができない上、コロナ放電でダイオキシン類が生成
することが判明しているため、ほとんどの新設炉ではバ
グフィルタ方式の集じん機が取り入れられているのが実
状である。活性炭や活性コークスを用いてガス中のダイ
オキシン類を吸着し、ダイオキシン類の大気への放出を
減少させる方法も試みられており、商品化されているも
のもある。 最近の技術としては、排ガス処理過程に酸
化剤や酸化触媒を導入することによりダイオキシン類を
酸化させたり、 H2S、NH3、トリエタノールアミンなど
のフライアッシュの触媒活性を抑制する薬剤を排ガス処
理過程で吹き込み処理することも試みられている。
問題を大きな環境問題となっている。ゴミの中に含まれ
るカラー印刷の紙やセロファン類からカドミウム(C
d)、鉛(Pb)、クロム(Cr)、水銀(Hg)、砒
素(As)、銅(Cu)など、プラスチック類からカド
ミウム、鉛、亜鉛(Zn)、クロム、水銀、砒素などが
含まれておりこれらを焼却することによって重金属が濃
縮された灰が得られる。
る主灰とバグフィルターなどで回収される飛灰に分けて
回収する場合が多くなってきている。この主灰、飛灰と
もに重金属が含まれているが飛灰では特に重金属が溶出
し易くなっている。これは、焼却場では焼却時に発生す
る塩酸ガスを捕捉するために、排気経路途中で消石灰や
生石灰を吹き込んでいる。これらは塩酸ガスと結合して
塩化カルシウムとなるために、排ガス中の塩酸ガス濃度
が低減できる。ところが、未反応の消石灰や生石灰が飛
灰中に残存するために、飛灰はpH12以上の高アルカ
リ性となる。
鉛は高アルカリ性では亜鉛酸塩として水溶性となる性質
があるために灰を未処理で廃棄すると鉛が溶出すること
になる。そこで、焼却場では有害金属の溶出を防ぐ目的
で飛灰をセメントと混合し、水を加えて混練した後、養
生固化して廃棄したり、主灰と混ぜて埋め立てられたり
している。
るところから、このような飛灰に対してセメントを大量
に加えると鉛の溶出は抑制されない。したがって、単に
セメントで固化する従来の処理方法には種々の問題があ
り、用途を限定しなければ二次公害が発生する恐れがあ
る。
都市ごみ焼却設備からのダイオキシン類の排出および発
生した飛灰からの重金属の溶出を一つの薬剤にて簡便に
防止する方法を提供することである。
な問題を解決するために鋭意検討した結果、この目的を
達成し得る処理剤および方法を得るに至った。すなわ
ち、本発明の特徴は無機酸化物の多孔質物質、飽和水溶
液のpHが11.5以下の酸性ガス中和剤および活性炭
もしくは活性コークスを目的に合わせて配合することに
より得られる粉体状の吹込処理剤である。
込んだ後、吸着剤により酸性ガスとダイオキシン類を排
ガスから除去するとともに回収された煤塵を水練りする
ことにより、煤塵からの重金属を安定化させる方法であ
る。
物質と飽和水溶液のpH値が11.5以下の粉体状酸性
ガス中和剤および/又は、活性炭もしくは活性コークス
からなる粉体状の焼却炉煙道吹込剤(請求項1)、およ
び本発明の吹込剤を焼却炉煙道に吹き込んだ後に、集塵
機を用いて排ガスから該吹込剤を含有する煤塵を分離す
る排ガス処理方法(請求項15)に関する。
説明する。本発明の重金属の安定化メカニズムは、無機
酸化物の多孔質物質が重金属を吸着安定化する事によ
る。鉛、カドミウム、水銀等の低沸点金属は焼却炉中か
ら蒸発し排ガスとともに排出される。蒸発した重金属の
多くは排ガス中の飛灰を電気集じん機やバグフィルター
で回収する際に飛灰表面に凝縮したり吸着されて捕集さ
れる。しかしながら、飛灰に吸着し、捕集されたこれら
の重金属は、飛灰が水にさらされるとイオン化して水中
に溶解するため、このままでは2次公害が発生する。本
発明で用いる無機酸化物の多孔質物質は親水性を有する
物質であるため、イオン化した重金属を効果的に吸着す
る。さらに、両性金属である鉛は、pH12以上の高ア
ルカリ領域では水に溶解するが、pHを11.5以下に
低下させると溶解度は激減する。通常では酸性ガス中和
剤としては粉体状の消石灰を使用するが、消石灰はpH
12以上の強アルカリであるため、鉛などの重金属が多
量に溶出する。そこで、本発明では飽和溶液のpHが1
1.5以下の酸性ガス中和剤を使用することにより、鉛
の溶出量を低下させ、さらに無機酸化物の多孔質物質で
重金属を完全に吸着安定化する。
カニズムついて説明する。前述のように、焼却設備での
ダイオキシン類の発生は未燃有機物と塩素ガスもしくは
塩酸ガスと反応し生成する有機塩素化物である。これら
のダイオキシン類は非常に疎水性の強い物質であり、炭
素や活性炭等の疎水性の物質に吸着されることが知られ
ている。また、無機酸化物の多孔質物質はダイオキシン
類の吸着性能は活性炭には劣るが、活性炭と比較して低
価格であり、多量に使用することが出来るので、活性炭
と併用することにより、ダイオキシン類の排出濃度をよ
り低減することができる。
いて以下説明する。本発明で言う比表面積は窒素置換方
式のBET法で測定した値である.BET法は活性炭、
触媒、触媒単体、ゼオライトなどの多孔質物質の比表面
積を測定する方法として、一般的に使用される方法であ
る。この方法では、物質表面に窒素などの気体分子を吸
着させた後、サンプルを昇温して吸着した気体分子の脱
離量から比表面積が測定される。吸着させる気体分子の
種類は窒素・アルゴン等が使われる。BET法では、サ
ンプルの前処理によって測定値が左右されるので、本発
明では、オーブン中で200℃で3時間以上乾燥させた
サンプルを使用する。このようにして、サンプルを十分
乾燥させれば細孔中の水分等の吸着分子が離脱し、正確
な表面積や細孔容積を測定することができる。また本発
明では窒素ガスを用いる置換法での測定値である。気体
分子は、吸着した細孔径の大きさにより、脱離温度や離
脱圧力が異なる。したがって、BET法では測定系内の
温度や圧力等を徐々に変化させることにより、各細孔領
域に相当する比表面積および細孔容積の分布を測定する
ことが出来る。このような比表面積および細孔容積の細
孔径分布のデータは、ダイオキシン類のような大きな分
子量の物質を吸着性能を判定する上で、重要な情報であ
る。
ついて説明する。本発明で用いる無機酸化物の多孔質物
質は活性炭以外の珪酸・珪酸アルミ・珪酸マグネシウム
のような親水性の物質である。また、ダイオキシン類や
重金属を吸着する能力は無機酸化物の多孔質物質の比表
面積に依存し、比表面積が大きいほどダイオキシン類や
重金属の吸着能力は向上する。通常、比表面積が50m
2/g以上である無機酸化物の多孔質物質が効果的にダ
イオキシン類や重金属を吸着するために使用されるが、
本発明では比表面積が100m2/g以上のものが好ま
しく使用される。ただし、比表面積が余り大きすぎる
と、平均細孔径が小さくなりすぎてしまい、水練りした
場合に細孔内が水分子で埋まってしまうため、重金属類
が内部まで拡散できなくなる。したがって、無機酸化物
の多孔質物質の比表面積には最適な上限があり、800
m2/g以下であることが望ましい。
は、合成物でも天然物でもどちらでも良い。合成物質と
しては、合成珪酸、合成珪酸アルミニウム、合成珪酸マ
グネシウム、合成水酸化アルミニウム、合成ゼオライト
などがある。天然物質としては活性白土、酸性白土、ア
ロフェン、ベントナイト、珪藻土、天然ゼオライト、活
性白土等があり、これらの物質を酸処理することによ
り、アルミニウム、マグネシウムなどの不純物を除去
し、比表面積を更に高めた物質などが好ましく用いられ
る。
る。通常の場合、焼却炉では酸性ガスを中和するために
多量の粉体状の消石灰を煙道に吹き込んでいる。しかし
ながら、消石灰の飽和溶液はpH12以上の高いアルカ
リ性であるため、 未反応の消石灰が煤塵中に残存して
いると、煤塵を水に分散した場合に、pH12以上のア
ルカリ性になる。この様な高アルカリ領域では、鉛等の
両性金属類が溶解するため、煤塵からの鉛溶出量が増大
する。したがって、重金属の溶出を防止するためには、
煤塵のpHを消石灰のpHより低下させることが望まし
い。そこで本発明では、飽和溶液のpHが11.5以下
の粉体の酸性ガス中和剤を使用することにより、煤塵の
pHを低下させる。この様な酸性ガス中和剤を使用する
ことにより、消石灰に混合して使用する場合でも、消石
灰を別途添加する場合にも、消石灰の使用量を減らすこ
とが出来、煤塵のpHを減少させることが可能となる。
化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ムが望ましい。なお、水酸化アルミニウムのうち非晶質
のものが表面の反応性が高いため好ましく使用される。
さらに、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸
化アルミニウムの比表面積は、大きいほど酸性ガスとの
反応性が高いため、BET法で測定した比表面積が15
m2/g以上であることが望ましく。30m2/g以上で
あることが更に望ましい。
について説明する。本発明によれば、炭素系の吸着剤を
用いてダイオキシン類のような有害有機物が吸着除去さ
れる。本発明で用いる炭素系の吸着剤としては活性炭お
よび活性コークスが用いられる。特に活性炭が吸着能力
が高く望ましい。活性炭には、原料の起源により、石炭
系、ヤシ殻系、木質系などに分類される。また、活性炭
の賦活方法には、水蒸気賦活と薬剤賦活がある。本発明
で用いる活性炭は、原料・賦活方法ともに何れの種類の
ものを用いても良い。ただし、一般に石炭系のものが発
火温度が高く、煙道に吹き込む場合に、安全性が確保さ
れるので、石炭系のものが望ましい。活性コークスは、
コークスを原料とした炭素系の吸着剤であり、活性炭と
違い、賦活をしないか弱めの賦活をしたものである。一
般に活性コークスは、活性炭と比較すると吸着能力に劣
るものであるが、安価であり、経済性を考慮すると活性
炭と同様に使用することが可能である。活性炭や活性コ
ークス等の炭素系吸着剤の粒度に関しては、本発明の薬
剤を煙道に吹き込むことや他の粉体との混合性を考慮す
ると、100μm以下であることが好ましく、70μm
以下であることがより好ましい。また、ダイオキシン類
のような分子量の大きな物質を吸着するためには、細孔
容積が大きな活性炭や活性コークスのような炭素系吸着
剤の方が好ましい。特に、細孔径が10nm以上の領域
にある細孔がダイオキシン類の吸着に有効な細孔であ
る。 図2に活性炭の細孔容積の分布をBET法で測定
した例をしめす。一般に細孔容積分布には幾つかのピー
クが見られる。したがって、本発明によれば、細孔容積
の細孔径分布を測定した場合の10nm以上の領域での
細孔容積の最大値が0.01cc/g以上であることが
望ましい。例えば、図2No.2〜4に示す様な活性炭
や活性コークス等の炭素系吸着剤を使用することが望ま
しい。
説明する。本発明で使用する酸性ガス中和剤を増量する
ことにより、煤塵のpHは低下しやすくなるので中和の
観点からは、酸性ガス中和剤を多量に配合することが望
ましい。しかしながら、重金属類を吸着安定化させる無
機吸着剤が不足すると、重金属の安定化をpH調節のみ
に依存することになり、重金属安定化能力が不安定にな
る。
激に鉛溶出量が10〜100倍程度に変化する場合があ
るため、不安定になるのである。したがって、本発明の
酸性ガス中和剤の配合量は、無機酸化物の多孔質物質1
00重量部に対して10重量部以上500重量部以下で
あることが望ましく、20重量部以上300重量部以下
であることが更に望ましい。
る。本発明で使用する活性炭を増量することによりダイ
オキシン類等の有機物系の汚染物質を除去する能力は増
大する。しかし、混入量が多すぎると粉塵爆発の原因に
もなる可能性がある。また、過剰に配合すると薬剤全体
の吹き込み量が増大するため、コスト的にも不利とな
る。したがって、活性炭の配合量は、無機酸化物の多孔
質物質100重量部に対して1重量部以上20重量部以
下であることが望ましい。
る。本発明の薬剤を作製する際には、単に原料の粉体を
物理的に混合するだけでよい。混合は乾式で行われるこ
とが望ましく、原料中の含水量も少なくなるように注意
する。混合前に乾燥することが望ましい。また、塊状若
しくは粗粒状の原料物質を所定比に混合してから、粉砕
を行っても良く、生産コストを下げるためにこのような
方法を利用することが出来る。さらに、混合時に、セメ
ントやキレート剤、燐酸塩類などの別の重金属処理剤も
しくはダイオキシン類の処理剤を混合しても良い。
述べる。本発明の処理剤の使用方法の最も一般的な方法
は、焼却炉の排ガス処理工程の煙道中に粉体状態の本処
理剤を吹き込む方法である。例えば、図1の処理剤サイ
ロA内に本処理剤を充填し、粉体供給機と空気輸送機を
用いて、煙道内に吹き込む。吹き込む際に、消石灰等の
酸性ガス除去剤や他の重金属安定化剤と同時に吹き込ん
だり、混合して吹きこむと更に効果的である。その場合
には、図1示す処理剤サイロBから別途吹き込めばよ
い。また、本処理剤を粉体状態のままもしくは成型して
容器に詰め込み、これをフィルターとして排ガス処理工
程に配置することもできる。
だ後に回収される飛灰は、本発明の処理剤が重金属の安
定化能力も有しているため、適量の処理剤が吹き込まれ
ていれば、そのままでも重金属の溶出は防止される。
回収する方法について説明する。図1に示されるよう
に、本発明の吹込剤を焼却炉煙道に吹き込んだ後、集塵
機を用いて排ガスから該吹込剤を含有する煤塵を分離
し、次いで、回収した煤塵に水を加え混練して固化す
る。この際、必要に応じて、回収した煤塵に重金属安定
化処理剤を添加し、水を加えて練り込むことにより、煤
塵中の重金属類を安定化する事もできる。 重金属安定
化処理剤はキレート系薬剤、燐酸塩、珪酸ソーダ、珪酸
カリウム、無機吸着剤、セメント類、硫酸鉄、塩化鉄、
硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムなどから選択され
る。
れは本発明の内容を限定するものではない。 実施例1 酸性白土を、硫酸を用いて、含有されるAlやMg等の
不純物除去し、水洗して得られた比表面積230m2/
g無機酸化物の多孔質物質(SiO2含有量が90重量
%以上)と100μmふるい通過が96%であり、細孔
径分布が図2のNo.3に相当する粉体状の活性炭、お
よび酸化マグネシウムを混合した物質を処理剤とした。
表1に処理剤の配合を記載する。
ん方式がバグフィルター方式、ガス排出量が30000
Nm3/hr、通常の消石灰吹き込み量が25kg/h
rで、煤塵の排出量が50kg/hrである都市ごみ焼
却炉にて実験を行った。排ガス処理工程に酸性ガスの除
去剤として消石灰を吹き込む形式の焼却炉(乾式処理)
に、本処理剤を吹き込んだ。吹き込み量は、10kg/
hrとした。消石灰の吹き込み量を20kg/hrに減
少させた。
出濃度とバグフィルターで捕集された煤塵からの重金属
(Pb、Cd、Cr6+ )の溶出量を測定した結果
(「環境庁告示第13号」による)を表2に示す。消石
灰のみを25kg/hrで煙道に吹き込んだ場合の結果
も同時に示す。表2から明らかなように、本処理剤を用
いることによりバグフィルター出口のダイオキシンの排
出濃度は大きく低下していることがわかる。また、回収
された煤塵からの重金属の溶出も規制値以下に押さえら
れていることがわかる。
物や都市ゴミの焼却炉から排ガスとして排出される酸性
ガスおよびダイオキシン類等の有害有機物を減少させる
ことができるとともに、回収された飛灰からの重金属の
溶出を防止することができる。
細孔径分布を示す図である。
Claims (18)
- 【請求項1】 無機酸化物の多孔性物質と飽和水溶液の
pH値が11.5以下の粉体状酸性ガス中和剤および/
又は、活性炭もしくは活性コークスからなる粉体状の焼
却炉煙道吹込剤。 - 【請求項2】 無機酸化物の多孔性物質が、珪酸、珪酸
アルミニウム、珪酸、およびマグネシウムからなる群か
ら選択される少なくとも1種の粉体状の物質を含有する
請求項1記載の焼却炉煙道吹込剤。 - 【請求項3】 無機酸化物の多孔性物質が、合成珪酸、
合成珪酸アルミニウム、合成珪酸マグネシウムからなる
群から選択される少なくとも1種の粉体状の物質を含有
する請求項1〜2記載の焼却炉煙道吹込剤。 - 【請求項4】 無機酸化物の多孔性物質が、酸性白土、
活性白土、カオリン、ベントナイト、アロフェン、珪藻
土等の粘土鉱物およびこれらの粘土鉱物を酸で処理し、
アルミニウム、マグネシウムなどの不純物を除去した物
質からなる群から選択される少なくとも1種の粉体状の
物質を含有する請求項1〜3に記載の焼却炉煙道吹込
剤。 - 【請求項5】 無機酸化物の多孔性物質物質が、BET
法で測定した比表面積が 100〜800m2/gの粉
体状の無機酸化物の多孔性物質物質からなる請求項1〜
4に記載の焼却炉煙道吹込剤。 - 【請求項6】 酸性ガス中和剤が、水酸化マグネシウ
ム、酸化マグネシウムおよび非晶質水酸化アルミニウム
からなる群から選択される少なくとも1種を含有する請
求項1〜5に記載の焼却炉煙道吹込処理剤。 - 【請求項7】 非晶質水酸化アルミニウムが、アルマイ
ト処理工程で発生する非晶質水酸化アルミニウム廃棄物
を乾燥し粉砕して得られる粉体状の物質である請求項6
に記載の焼却炉煙道吹込剤。 - 【請求項8】 水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム
および非晶質水酸化アルミニウムのBET法で測定した
比表面積が、15m2/g以上の粉体状の物質である請
求項6又は7に記載の焼却炉煙道吹込剤。 - 【請求項9】 水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム
および非晶質水酸化アルミニウムが、BET法で測定し
た比表面積が30m2/g以上の粉体状の物質である請
求項6又は7に記載の焼却炉煙道吹込剤。 - 【請求項10】 活性炭および活性コークスが、粒径1
00μm以下の粉体である請求項1〜9に記載の焼却炉
煙道吹込剤。 - 【請求項11】 活性炭が石炭を原料とする活性炭であ
る請求項1〜10に記載の焼却炉煙道吹込剤。 - 【請求項12】 活性炭が、BET法で測定した細孔容
積の細孔径分布を測定した場合の10nm以上の領域で
の細孔容積の最大値が0.01cc/g以上の粉体状の
活性炭である請求項10又は11に記載の焼却炉煙道吹
込剤。 - 【請求項13】 無機酸化物の多孔性物質100重量部
に対して、酸性ガス中和剤20〜300重量部を含有す
る請求項1〜12に記載の焼却炉煙道吹込剤。 - 【請求項14】 無機酸化物の多孔性物質100重量部
に対して、活性炭および/または活性コークスを1重量
部以上20重量部以下添加することを特徴とする請求項
1〜13に記載の焼却炉煙道吹込剤。 - 【請求項15】 請求項1〜14に記載のいずれかの吹
込剤を焼却炉煙道に吹き込んだ後に、集塵機を用いて排
ガスから該吹込剤を含有する煤塵を分離することを特徴
とする排ガス処理方法。 - 【請求項16】 請求項1〜14に記載のいずれかの吹
込剤を焼却炉煙道に吹き込んだ後、集じん機により焼却
炉排ガスから該吹込剤を含有する煤塵を分離し、回収し
た煤塵に水を加え混練し、固化する事を特徴とする排ガ
ス処理方法。 - 【請求項17】 請求項1〜14に記載のいずれかの吹
込剤を焼却炉煙道に吹き込んだ後、集じん機により焼却
炉排ガスから該吹込処理剤を含有する煤塵を分離し、回
収した煤塵に重金属安定化処理剤を添加し、水を加えて
練り込むことにより、煤塵中の重金属類を安定化する事
を特徴とする排ガス処理方法。 - 【請求項18】 重金属安定化処理剤がキレート系薬
剤、燐酸塩、珪酸ソーダ、珪酸カリウム、無機吸着剤、
セメント類、硫酸鉄、塩化鉄、硫酸アルミニウム、塩化
アルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種
である請求項17に記載の排ガス処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17064197A JP4029439B2 (ja) | 1997-06-26 | 1997-06-26 | 焼却炉煙道吹込剤および排ガス処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17064197A JP4029439B2 (ja) | 1997-06-26 | 1997-06-26 | 焼却炉煙道吹込剤および排ガス処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH119963A true JPH119963A (ja) | 1999-01-19 |
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