JPH1196966A - 高圧金属蒸気放電灯 - Google Patents
高圧金属蒸気放電灯Info
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- JPH1196966A JPH1196966A JP27520897A JP27520897A JPH1196966A JP H1196966 A JPH1196966 A JP H1196966A JP 27520897 A JP27520897 A JP 27520897A JP 27520897 A JP27520897 A JP 27520897A JP H1196966 A JPH1196966 A JP H1196966A
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- discharge lamp
- voltage
- arc tube
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- Discharge Lamp (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、放電灯始動の際、常に安定したア
ーク放電に移行させることのできる等の始動特性が良好
で、発光管の寿命特性も優れた高圧金属蒸気放電灯を提
供すること目的とする。 【解決手段】本発明は、外球と、両端に電極を封着して
なる発光管と、少なくとも非線形コンデンサと双方向性
の半導体スイッチと熱応動スイッチとの直列回路からな
る内部始動器を前記発光管に電気的に並列に接続して前
記外球内に保持してなり、定格100〜130Vの交流
電源電圧にて点灯するように構成し、前記発光管の電極
は電極心棒と電極部とよりなり、前記電極心棒の心棒径
を0.5〜0.7mmとし、かつ、電極部の外径を1.
6〜2.3mmと規定する共に前記非線形コンデンサの
厚みを0.45〜0.80mmとして該コンデンサの抗
電圧を25〜45Vに選定し、また、前記半導体スイッ
チのブレークオーバー電圧を60〜100Vに選定する
ことを特徴とする。
ーク放電に移行させることのできる等の始動特性が良好
で、発光管の寿命特性も優れた高圧金属蒸気放電灯を提
供すること目的とする。 【解決手段】本発明は、外球と、両端に電極を封着して
なる発光管と、少なくとも非線形コンデンサと双方向性
の半導体スイッチと熱応動スイッチとの直列回路からな
る内部始動器を前記発光管に電気的に並列に接続して前
記外球内に保持してなり、定格100〜130Vの交流
電源電圧にて点灯するように構成し、前記発光管の電極
は電極心棒と電極部とよりなり、前記電極心棒の心棒径
を0.5〜0.7mmとし、かつ、電極部の外径を1.
6〜2.3mmと規定する共に前記非線形コンデンサの
厚みを0.45〜0.80mmとして該コンデンサの抗
電圧を25〜45Vに選定し、また、前記半導体スイッ
チのブレークオーバー電圧を60〜100Vに選定する
ことを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外球内に発光管と
並列に少なくとも非線形コンデンサからなる内部始動器
を接続した高圧金属蒸気放電灯に関し、特に定格値が1
00〜130Vの交流電源電圧で点灯される低ワットの
放電灯の発光管の改良に関する。
並列に少なくとも非線形コンデンサからなる内部始動器
を接続した高圧金属蒸気放電灯に関し、特に定格値が1
00〜130Vの交流電源電圧で点灯される低ワットの
放電灯の発光管の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】高圧金属蒸気放電灯として例えば高圧ナ
トリウムランプは、高い発光効率を有し屋内外のスポー
ツ施設あるいは商業施設等の照明分野に広く用いられて
いる。この種の高圧ナトリウムランプは、一般的に商用
電源電圧200Vクラスあるいは100Vクラスで直接
に始動させることは困難であるため、例えば図4に示す
ような構成としてある。図4において、高圧ナトリウム
ランプ31は、外球32内に発光管33と並列にバイメ
タルスイッチのごとき熱応動スイッチ34とグロースタ
ータ35との直列回路が接続されて構成されている。
又、このようなランプ31はチョーク型安定器36を介
して交流電源37に接続されている。
トリウムランプは、高い発光効率を有し屋内外のスポー
ツ施設あるいは商業施設等の照明分野に広く用いられて
いる。この種の高圧ナトリウムランプは、一般的に商用
電源電圧200Vクラスあるいは100Vクラスで直接
に始動させることは困難であるため、例えば図4に示す
ような構成としてある。図4において、高圧ナトリウム
ランプ31は、外球32内に発光管33と並列にバイメ
タルスイッチのごとき熱応動スイッチ34とグロースタ
ータ35との直列回路が接続されて構成されている。
又、このようなランプ31はチョーク型安定器36を介
して交流電源37に接続されている。
【0003】ところが、このように内部始動器としてグ
ロースタータを内蔵した放電灯は、定格100〜130
Vの交流電源電圧で100W以下の低ワットの放電灯を
点灯するような場合、放電灯の始動点灯が困難であると
いう問題がある。この原因は、グロースタータによって
生じたパルスのピーク電圧は約1000V以上と十分に
高いので、発光管の両電極間における絶縁破壊は生じる
が、パルスの発生形態が比較的不規則で、しかもパルス
半値幅は2〜5μsと小さく、かつ二次開放電圧が10
0〜130Vと低いために、発光管の絶縁破壊から安定
したアーク放電への移行が困難であるためである。
ロースタータを内蔵した放電灯は、定格100〜130
Vの交流電源電圧で100W以下の低ワットの放電灯を
点灯するような場合、放電灯の始動点灯が困難であると
いう問題がある。この原因は、グロースタータによって
生じたパルスのピーク電圧は約1000V以上と十分に
高いので、発光管の両電極間における絶縁破壊は生じる
が、パルスの発生形態が比較的不規則で、しかもパルス
半値幅は2〜5μsと小さく、かつ二次開放電圧が10
0〜130Vと低いために、発光管の絶縁破壊から安定
したアーク放電への移行が困難であるためである。
【0004】ところで、定格200〜230Vの交流電
源電圧で、例えば360W程度の中ワットの放電灯を点
灯する場合は、図5に示すような放電灯が知られてい
る。(特開昭60−136151号公報、特開昭60−
54198号公報、特開昭60−52007号公報等)
同図に示す放電灯41は、外球42内に発光管43が支
持され、熱応動スイッチ44と非線形コンデンサ(以下
「FEC」という)45と双方向性サイリスタのごとき
半導体スイッチ(以下「SSS」という)46との直列
回路からなる内部始動器が前記発光管43と並列に接続
されている。又、SSSと並列に位相制御用抵抗体47
が接続されている。このような放電灯41はチョーク型
安定器48を介して交流電源49に接続されている。こ
のように少なくともFEC45からなる始動器を用いれ
ば、完全に制御されたパルスを発生させることができ、
パルス電圧は1800V以上で、パルス半値幅も数十μ
sと広く、パルスのエネルギーも比較的大きい上、ラン
プに印加される電圧が高いので、ランプ始動時に一旦絶
縁破壊が生じると電源周波数の半サイクルから1サイク
ルで安定したアーク放電に移行させやすいという利点を
有する。
源電圧で、例えば360W程度の中ワットの放電灯を点
灯する場合は、図5に示すような放電灯が知られてい
る。(特開昭60−136151号公報、特開昭60−
54198号公報、特開昭60−52007号公報等)
同図に示す放電灯41は、外球42内に発光管43が支
持され、熱応動スイッチ44と非線形コンデンサ(以下
「FEC」という)45と双方向性サイリスタのごとき
半導体スイッチ(以下「SSS」という)46との直列
回路からなる内部始動器が前記発光管43と並列に接続
されている。又、SSSと並列に位相制御用抵抗体47
が接続されている。このような放電灯41はチョーク型
安定器48を介して交流電源49に接続されている。こ
のように少なくともFEC45からなる始動器を用いれ
ば、完全に制御されたパルスを発生させることができ、
パルス電圧は1800V以上で、パルス半値幅も数十μ
sと広く、パルスのエネルギーも比較的大きい上、ラン
プに印加される電圧が高いので、ランプ始動時に一旦絶
縁破壊が生じると電源周波数の半サイクルから1サイク
ルで安定したアーク放電に移行させやすいという利点を
有する。
【0005】上記のような放電灯において、一般にFE
C45の厚みは約0.7mmで抗電圧は約40V、SS
Sのブレークオーバー電圧は約200V、熱応動スイッ
チ44の開放時間は(スイッチの開閉接点が通常の閉止
の状態から開放の状態に移行するまでの時間)約30秒
未満に設定されている。なお、スイッチとして例えばバ
イメタルスイッチを用いた場合は、発熱源(発光管また
は加熱抵抗体等)から受ける熱量に応じて、開閉接点の
接触圧力を適宜調整することにより開放時間を任意の値
に設定できる。そして、この放電灯では始動時に生じる
パルスのピーク値は1500〜2000V、パルス半値
幅は45μsと広く、放電灯は確実に始動し安定なアー
ク放電へと移行する。
C45の厚みは約0.7mmで抗電圧は約40V、SS
Sのブレークオーバー電圧は約200V、熱応動スイッ
チ44の開放時間は(スイッチの開閉接点が通常の閉止
の状態から開放の状態に移行するまでの時間)約30秒
未満に設定されている。なお、スイッチとして例えばバ
イメタルスイッチを用いた場合は、発熱源(発光管また
は加熱抵抗体等)から受ける熱量に応じて、開閉接点の
接触圧力を適宜調整することにより開放時間を任意の値
に設定できる。そして、この放電灯では始動時に生じる
パルスのピーク値は1500〜2000V、パルス半値
幅は45μsと広く、放電灯は確実に始動し安定なアー
ク放電へと移行する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、定格100〜
130Vの交流電源電圧で例えば100W以下の低ワッ
トの高圧金属蒸気放電灯を始動点灯する場合にも、図5
のような構成および仕様を採用することが考えられる。
しかしながら、定格100〜130Vの電源電圧で10
0W以下の放電灯を点灯する場合、200〜230V電
源電圧で使用する図5のような構成をそのまま使用して
も、FECの厚みが0.7mm(抗電圧約40V)、S
SSのブレークオーバー電圧が約200Vではパルス発
生電圧は約170Vrms(実効値)であり、定格電圧
100〜130Vではパルス電圧は発生しない。
130Vの交流電源電圧で例えば100W以下の低ワッ
トの高圧金属蒸気放電灯を始動点灯する場合にも、図5
のような構成および仕様を採用することが考えられる。
しかしながら、定格100〜130Vの電源電圧で10
0W以下の放電灯を点灯する場合、200〜230V電
源電圧で使用する図5のような構成をそのまま使用して
も、FECの厚みが0.7mm(抗電圧約40V)、S
SSのブレークオーバー電圧が約200Vではパルス発
生電圧は約170Vrms(実効値)であり、定格電圧
100〜130Vではパルス電圧は発生しない。
【0007】次に、SSSのブレークオーバー電圧を1
00Vとして実験したところ、発光管の絶縁破壊は生じ
るものの安定なアーク放電を持続し得ないことが判明し
た。FECの厚みを約0.7mmで抗電圧を約40V、
SSSのブレークオーバー電圧を約100V、熱応動ス
イッチの開放時間を20秒に設定した場合、パルスのピ
ーク値は約1000Vとなり、発光管の両電極間は直ち
に絶縁破壊し一旦アーク放電に移りかけたが、熱応動ス
イッチが開放した後、立消えてしまう。これは、200
〜230V電源で点灯する場合に比べて、ランプに印加
される電圧が低く、前記のような絶縁破壊だけでは電極
の温度が十分に上がらず、安定した放電に至らないため
である。特に、電源電圧変動によりランプに印加される
電圧が低下した場合あるいは低温雰囲気で点灯した場
合、さらにその傾向が大きくなる。
00Vとして実験したところ、発光管の絶縁破壊は生じ
るものの安定なアーク放電を持続し得ないことが判明し
た。FECの厚みを約0.7mmで抗電圧を約40V、
SSSのブレークオーバー電圧を約100V、熱応動ス
イッチの開放時間を20秒に設定した場合、パルスのピ
ーク値は約1000Vとなり、発光管の両電極間は直ち
に絶縁破壊し一旦アーク放電に移りかけたが、熱応動ス
イッチが開放した後、立消えてしまう。これは、200
〜230V電源で点灯する場合に比べて、ランプに印加
される電圧が低く、前記のような絶縁破壊だけでは電極
の温度が十分に上がらず、安定した放電に至らないため
である。特に、電源電圧変動によりランプに印加される
電圧が低下した場合あるいは低温雰囲気で点灯した場
合、さらにその傾向が大きくなる。
【0008】又、高圧金属蒸気放電灯としての高圧ナト
リウムランプやメタルハライドランプの発光管の両端に
封着される主電極として、コイル型電極あるいは焼結型
電極が用いられる。コイル型電極は、タングステン製電
極心棒の先端部にタングステン線を巻回し、該コイルの
間隙に電子放射性物質を塗布して、作成される。又、焼
結型電極は、タングステン等の高融点金属粉末と電子放
射性物質の粉末に適当なバインダーを加えて混合し、該
粉末をタングステン心棒の先端部にプレス加工して固着
し、該プレス体を真空中で加熱して作成される。
リウムランプやメタルハライドランプの発光管の両端に
封着される主電極として、コイル型電極あるいは焼結型
電極が用いられる。コイル型電極は、タングステン製電
極心棒の先端部にタングステン線を巻回し、該コイルの
間隙に電子放射性物質を塗布して、作成される。又、焼
結型電極は、タングステン等の高融点金属粉末と電子放
射性物質の粉末に適当なバインダーを加えて混合し、該
粉末をタングステン心棒の先端部にプレス加工して固着
し、該プレス体を真空中で加熱して作成される。
【0009】本発明は前記に鑑みなされたものであり、
外球内に発光管と並列に少なくとも非線形コンデンサよ
り内部始動器を配置した定格100〜130Vの交流電
源で点灯される低ワットの高圧金属蒸気放電灯であっ
て、放電灯始動の際、常に安定したアーク放電に移行さ
せることのできる等の始動特性が良好で、発光管の寿命
特性も優れた高圧金属蒸気放電灯を提供すること目的と
する。
外球内に発光管と並列に少なくとも非線形コンデンサよ
り内部始動器を配置した定格100〜130Vの交流電
源で点灯される低ワットの高圧金属蒸気放電灯であっ
て、放電灯始動の際、常に安定したアーク放電に移行さ
せることのできる等の始動特性が良好で、発光管の寿命
特性も優れた高圧金属蒸気放電灯を提供すること目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、外球と、両端に電極を封着し内部に発光
物質を封入してなる発光管と、少なくとも非線形コンデ
ンサと双方向性の半導体スイッチと熱応動スイッチとの
直列回路からなる内部始動器を前記発光管に電気的に並
列に接続して、前記外球内に保持してなり、定格100
〜130Vの交流電源電圧にて点灯するように構成し、
前記発光管の電極は電極心棒と電極部とよりなり、前記
電極心棒の心棒径を0.5〜0.7mmとし、かつ電極
部の外径を1.6〜2.3mmと規定する共に前記非線
形コンデンサの厚みを0.45〜0.80mmとして該
コンデンサの抗電圧を25〜45Vに選定し、又、前記
半導体スイッチのブレークオーバー電圧を60〜100
Vに選定することを特徴とする。
め、本発明は、外球と、両端に電極を封着し内部に発光
物質を封入してなる発光管と、少なくとも非線形コンデ
ンサと双方向性の半導体スイッチと熱応動スイッチとの
直列回路からなる内部始動器を前記発光管に電気的に並
列に接続して、前記外球内に保持してなり、定格100
〜130Vの交流電源電圧にて点灯するように構成し、
前記発光管の電極は電極心棒と電極部とよりなり、前記
電極心棒の心棒径を0.5〜0.7mmとし、かつ電極
部の外径を1.6〜2.3mmと規定する共に前記非線
形コンデンサの厚みを0.45〜0.80mmとして該
コンデンサの抗電圧を25〜45Vに選定し、又、前記
半導体スイッチのブレークオーバー電圧を60〜100
Vに選定することを特徴とする。
【0011】前記のように定格100〜130Vの交流
電源電圧で低ワット、特に100W以下の高圧金属蒸気
放電灯を点灯する場合、定格200〜230Vの交流電
源で使用する図5のような構成及び仕様をそのまま採用
しようする場合に特に目立つのはSSSのブレークオー
バー電圧がかなり高い(約200V)という点である。
通常の設計思想からすれば電源電圧が100〜130V
の場合には、前記に比べて電源電圧が約半分になったの
で、SSSのブレークオーバー電圧も半分あるいはそれ
以下にすることが考えられる。
電源電圧で低ワット、特に100W以下の高圧金属蒸気
放電灯を点灯する場合、定格200〜230Vの交流電
源で使用する図5のような構成及び仕様をそのまま採用
しようする場合に特に目立つのはSSSのブレークオー
バー電圧がかなり高い(約200V)という点である。
通常の設計思想からすれば電源電圧が100〜130V
の場合には、前記に比べて電源電圧が約半分になったの
で、SSSのブレークオーバー電圧も半分あるいはそれ
以下にすることが考えられる。
【0012】ところが、図5で説明した構成のFECの
厚みは0.7mmであり、FECの抗電圧は約40Vで
あるから、SSSのブレークオーバー電圧を前記の半分
である約100Vにすると、パルスが発生する電圧は約
140Vとなり、実効値では約100Vとなる。一方、
電源電圧の定格値が100Vの場合、定格値の許容範囲
である−10%の90Vでもランプが正常に動作するこ
とが要求されており、この場合、SSSのブレークオー
バー電圧は100Vよりも低くする必要がある。しか
し、SSSのブレークオーバー電圧を約50Vまで低く
すると、発生するパルス電圧は約600Vとなり、発光
管は絶縁破壊も生じなくなってしまう。
厚みは0.7mmであり、FECの抗電圧は約40Vで
あるから、SSSのブレークオーバー電圧を前記の半分
である約100Vにすると、パルスが発生する電圧は約
140Vとなり、実効値では約100Vとなる。一方、
電源電圧の定格値が100Vの場合、定格値の許容範囲
である−10%の90Vでもランプが正常に動作するこ
とが要求されており、この場合、SSSのブレークオー
バー電圧は100Vよりも低くする必要がある。しか
し、SSSのブレークオーバー電圧を約50Vまで低く
すると、発生するパルス電圧は約600Vとなり、発光
管は絶縁破壊も生じなくなってしまう。
【0013】そこで、次の方法として考えられるのはF
ECの厚みを薄くすることである。SSSのブレークオ
ーバー電圧を一定にした場合、FECの厚みを薄くする
ほどパルスのピーク値は高くなる。前記のようにSSS
のブレークオーバー電圧を約50Vに設定しても、FE
Cの厚みを0.35〜0.40mmにすると、パルスの
ピーク値は約1200Vとなり発光管は絶縁破壊する。
しかし、FECを前記のように薄くすると、耐圧性が低
下するだけでなくランプ始動時の異常な機械的振動でF
ECの基板が破損する恐れがある。
ECの厚みを薄くすることである。SSSのブレークオ
ーバー電圧を一定にした場合、FECの厚みを薄くする
ほどパルスのピーク値は高くなる。前記のようにSSS
のブレークオーバー電圧を約50Vに設定しても、FE
Cの厚みを0.35〜0.40mmにすると、パルスの
ピーク値は約1200Vとなり発光管は絶縁破壊する。
しかし、FECを前記のように薄くすると、耐圧性が低
下するだけでなくランプ始動時の異常な機械的振動でF
ECの基板が破損する恐れがある。
【0014】本発明者等は、前記の課題を解決するため
に種々検討した結果、定格100〜130Vの交流電源
電圧で点灯する図4のような低ワットの高圧金属蒸気放
電灯において、SSSのブレークオーバー電圧をかなり
高い値、例えば60〜100Vに設定した上、FECの
厚みはこれまでよりも厚くする方向、例えば0.45〜
0.80mm(抗電圧は25〜45V)、好ましくは
0.60mm程度(抗電圧は34V程度)に選定し、
又、熱応動スイッチの開放時間を30秒以上に設定する
ことにより、発光管を確実に絶縁破壊させられるだけで
なく、安定なアーク放電に移行させ得ることを見出し
た。但し、これには発光管の電極の大きさ、特に電極心
棒径と電子放射性物質を包含する部分、例えば前記電極
がコイル型電極の場合はコイル部分の大きさとしての電
極コイル部の外径、また、前記電極が焼結型電極の場合
は焼結部分の大きさとしての電極焼結部の外径が密接な
関係を有し、これらとの関係において、上記の条件を設
定する必要があることが判明した。
に種々検討した結果、定格100〜130Vの交流電源
電圧で点灯する図4のような低ワットの高圧金属蒸気放
電灯において、SSSのブレークオーバー電圧をかなり
高い値、例えば60〜100Vに設定した上、FECの
厚みはこれまでよりも厚くする方向、例えば0.45〜
0.80mm(抗電圧は25〜45V)、好ましくは
0.60mm程度(抗電圧は34V程度)に選定し、
又、熱応動スイッチの開放時間を30秒以上に設定する
ことにより、発光管を確実に絶縁破壊させられるだけで
なく、安定なアーク放電に移行させ得ることを見出し
た。但し、これには発光管の電極の大きさ、特に電極心
棒径と電子放射性物質を包含する部分、例えば前記電極
がコイル型電極の場合はコイル部分の大きさとしての電
極コイル部の外径、また、前記電極が焼結型電極の場合
は焼結部分の大きさとしての電極焼結部の外径が密接な
関係を有し、これらとの関係において、上記の条件を設
定する必要があることが判明した。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づき説明する。図1は本発明に係る高圧金属
蒸気放電灯の一実施例の側面図であり、図2は同じく発
光管の両端に封着した焼結型電極の斜視図である。この
実施例の放電灯は図4,5に示す始動器を内蔵した高圧
金属蒸気放電灯と同様な高圧ナトリウムランプであり、
外球1内に保持された発光管2は透光性アルミナ管より
なり、両端に封着されたエンドキャップの中央部にニオ
ビウムよりなる電極支持管が貫通固定されている。該支
持管の先端部にはタングステン等の高融点金属からなる
電極心棒12の先端に高融点金属粉末と電子放射性物質
とを混合し加圧成形した焼結体13からなる焼結型電極
11が固定されている。
て図面に基づき説明する。図1は本発明に係る高圧金属
蒸気放電灯の一実施例の側面図であり、図2は同じく発
光管の両端に封着した焼結型電極の斜視図である。この
実施例の放電灯は図4,5に示す始動器を内蔵した高圧
金属蒸気放電灯と同様な高圧ナトリウムランプであり、
外球1内に保持された発光管2は透光性アルミナ管より
なり、両端に封着されたエンドキャップの中央部にニオ
ビウムよりなる電極支持管が貫通固定されている。該支
持管の先端部にはタングステン等の高融点金属からなる
電極心棒12の先端に高融点金属粉末と電子放射性物質
とを混合し加圧成形した焼結体13からなる焼結型電極
11が固定されている。
【0016】又、発光管2と電気的に並列に内部始動器
が接続され、該始動器は非線形コンデンサ3と熱応動ス
イッチ4と双方向性の半導体スイッチ5とを直列に接続
して、構成している。ここで、非線形コンデンサ3はキ
ュリー温度が約90℃のチタン酸バリウム系のセラミッ
クコンデンサで、直径15.5mm、厚み0.60m
m、メタライズ径が14.5mmであり、基板の表面に
オーバーコートを形成したものである。又、熱応動スイ
ッチ4は常温で閉止し、高温で開放する常閉形バイメタ
ルスイッチとして機能する。更に、半導体スイッチ5は
ブレークオーバー電圧が約80Vである。
が接続され、該始動器は非線形コンデンサ3と熱応動ス
イッチ4と双方向性の半導体スイッチ5とを直列に接続
して、構成している。ここで、非線形コンデンサ3はキ
ュリー温度が約90℃のチタン酸バリウム系のセラミッ
クコンデンサで、直径15.5mm、厚み0.60m
m、メタライズ径が14.5mmであり、基板の表面に
オーバーコートを形成したものである。又、熱応動スイ
ッチ4は常温で閉止し、高温で開放する常閉形バイメタ
ルスイッチとして機能する。更に、半導体スイッチ5は
ブレークオーバー電圧が約80Vである。
【0017】更に、発光管2の外面には外部補助導体6
を配設し、ランプの始動電圧を下げ、低いパルス電圧で
もランプが始動するようにしている。そして、このラン
プは40Wのチョーク型高圧ナトリウムランプ用安定器
を用い、AC100Vの電源で動作させる。このランプ
に電源を投入すると、内部始動器である非線形コンデン
サからパルス電圧が発生し、発光管の両電極間に印加さ
れ絶縁破壊が生じ、電極間のアーク放電に移行して、ラ
ンプが安定に点灯する。その後、発光管の発する熱によ
って熱応動スイッチが開放し、内部始動器を電源から切
り離すこととなる。なお、ランプが充分に安定した点灯
状態となると、非線形コンデンサの温度も上昇しキュリ
ー温度を越えて非線形特性より線形特性となり、スイッ
チング特性は消失し、パルス電圧は停止する。
を配設し、ランプの始動電圧を下げ、低いパルス電圧で
もランプが始動するようにしている。そして、このラン
プは40Wのチョーク型高圧ナトリウムランプ用安定器
を用い、AC100Vの電源で動作させる。このランプ
に電源を投入すると、内部始動器である非線形コンデン
サからパルス電圧が発生し、発光管の両電極間に印加さ
れ絶縁破壊が生じ、電極間のアーク放電に移行して、ラ
ンプが安定に点灯する。その後、発光管の発する熱によ
って熱応動スイッチが開放し、内部始動器を電源から切
り離すこととなる。なお、ランプが充分に安定した点灯
状態となると、非線形コンデンサの温度も上昇しキュリ
ー温度を越えて非線形特性より線形特性となり、スイッ
チング特性は消失し、パルス電圧は停止する。
【0018】以下、図面に基づき具体的な実施例を説明
する。図1及び図2に示すように、T形外球1内に発光
管2を電気的に並列に配設し、又、非線形コンデンサ3
と熱応動スイッチ4と半導体スイッチ5の直列回路より
なる内部始動器を発光管に電気的に並列に接続する。そ
して、一端に口金7を固定した外球1内の管軸に沿っ
て、発光管2の軸方向の延長線上の口金側に非線形コン
デンサ3と熱応動スイッチ4とを配置し、半導体スイッ
チ5は口金7の内部に収納する。なお、このランプはT
形バルブを用い、その寸法は全長(L)135mm、外
径(d)40mmである。
する。図1及び図2に示すように、T形外球1内に発光
管2を電気的に並列に配設し、又、非線形コンデンサ3
と熱応動スイッチ4と半導体スイッチ5の直列回路より
なる内部始動器を発光管に電気的に並列に接続する。そ
して、一端に口金7を固定した外球1内の管軸に沿っ
て、発光管2の軸方向の延長線上の口金側に非線形コン
デンサ3と熱応動スイッチ4とを配置し、半導体スイッ
チ5は口金7の内部に収納する。なお、このランプはT
形バルブを用い、その寸法は全長(L)135mm、外
径(d)40mmである。
【0019】このように構成した高圧ナトリウムランプ
に安定器を介して交流電源を加えると、発光管内の非線
形コンデンサ3には安定器の二次開放電圧(チョークの
場合は電源電圧)が印加される。この印加電圧により並
列に接続された非線形コンデンサ3に充電電流が流れ、
その非線形特性によりその充電電流が停止する。そし
て、そのスイッチング作用により高圧パルスを発生さ
せ、発光管2が始動して点灯する。ここで、発光管2が
点灯すると、非線形コンデンサ3と熱応動スイッチ4は
発光管2に隣接しているため、その発光管からの熱で熱
応動スイッチ4が開状態となり、その後非線形コンデン
サ3の温度はキュリー温度の90℃を越え、非線形特性
が消失し、スイッチング特性がなくなる。
に安定器を介して交流電源を加えると、発光管内の非線
形コンデンサ3には安定器の二次開放電圧(チョークの
場合は電源電圧)が印加される。この印加電圧により並
列に接続された非線形コンデンサ3に充電電流が流れ、
その非線形特性によりその充電電流が停止する。そし
て、そのスイッチング作用により高圧パルスを発生さ
せ、発光管2が始動して点灯する。ここで、発光管2が
点灯すると、非線形コンデンサ3と熱応動スイッチ4は
発光管2に隣接しているため、その発光管からの熱で熱
応動スイッチ4が開状態となり、その後非線形コンデン
サ3の温度はキュリー温度の90℃を越え、非線形特性
が消失し、スイッチング特性がなくなる。
【0020】ここで、発光管は高圧ナトリウムランプ用
発光管40Wを用い、安定器は高圧ナトリウムランプ4
0W用AC100V/50Hzのチョーク型安定器を用
いて点灯している。半導体スイッチ5はブレークオーバ
ー電圧が80Vの双方向性のSSS素子を用いている。
又、パルス位相安定化用抵抗体8は30kΩ、1/4P
型カーボン抵抗を用い、焦電流バイパス用抵抗体9は3
0kΩ、1/8P型カーボン抵抗を用いている。
発光管40Wを用い、安定器は高圧ナトリウムランプ4
0W用AC100V/50Hzのチョーク型安定器を用
いて点灯している。半導体スイッチ5はブレークオーバ
ー電圧が80Vの双方向性のSSS素子を用いている。
又、パルス位相安定化用抵抗体8は30kΩ、1/4P
型カーボン抵抗を用い、焦電流バイパス用抵抗体9は3
0kΩ、1/8P型カーボン抵抗を用いている。
【0021】一般に、始動器を動作させてパルスを発生
させる電圧すなわちパルス発生電源電圧は定格電圧の−
10%以下であることが要求される。このパルス発生電
源電圧は、非線形コンデンサ(FEC)の抗電圧Ecと
半導体スイッチ(SSS)のブレークオーバー電圧Vb
oを加算したものからなり、図3にはFECの厚み(m
m)とFECの抗電圧(V)との関係が示してある。
させる電圧すなわちパルス発生電源電圧は定格電圧の−
10%以下であることが要求される。このパルス発生電
源電圧は、非線形コンデンサ(FEC)の抗電圧Ecと
半導体スイッチ(SSS)のブレークオーバー電圧Vb
oを加算したものからなり、図3にはFECの厚み(m
m)とFECの抗電圧(V)との関係が示してある。
【0022】又、表1はFECのメタライズ電極径1
4.5mmを一定にしてFECの厚みをSSSのブレー
クオーバー電圧Vboとの関係において選択した場合の
パルスのピーク電圧とランプの始動性を示したものであ
る。
4.5mmを一定にしてFECの厚みをSSSのブレー
クオーバー電圧Vboとの関係において選択した場合の
パルスのピーク電圧とランプの始動性を示したものであ
る。
【0023】
【表1】 * ○:ランプが30秒以内に持続したアークになった
もの △:30秒を超えたものがあった ×:持続したア−ク放電にならなかった
もの △:30秒を超えたものがあった ×:持続したア−ク放電にならなかった
【0024】この表1から明らかなように、SSSのV
boが50Vになると、FECの0.45mmのものと
組み合わせてもパルス電圧のピーク値は約850Vと低
いため発光管のアーク放電が持続するまでは30秒以上
かかることがある。ここで、FECの厚みを0.35〜
0.40mmにするとパルス電圧のピーク値は約100
0Vとなり30秒以内にアークが持続するようになる。
しかし、FECを前記のように薄くすると、耐圧性が低
下するだけでなくランプ始動時の異常な機械的振動でF
EC基板が破損する恐れがある。
boが50Vになると、FECの0.45mmのものと
組み合わせてもパルス電圧のピーク値は約850Vと低
いため発光管のアーク放電が持続するまでは30秒以上
かかることがある。ここで、FECの厚みを0.35〜
0.40mmにするとパルス電圧のピーク値は約100
0Vとなり30秒以内にアークが持続するようになる。
しかし、FECを前記のように薄くすると、耐圧性が低
下するだけでなくランプ始動時の異常な機械的振動でF
EC基板が破損する恐れがある。
【0025】そこで、本発明ではSSSのブレークオー
バー電圧Vboをかなり高い値、例えば60〜100V
に設定したうえ、FECの厚みはこれまでの厚みを含め
てより厚くする方向、例えば0.45〜0.80mm程
度に選定する。この場合のFECの抗電圧Ecは図3か
ら明らかなように25〜45Vである。なお、0.80
mm厚のFECを用いてSSSのVboを100Vに選
定した場合には、常温では問題ないが−20℃の低温雰
囲気では前記Vboが約12V程度高くなり、約114
Vrms(実効値)になる。 そして、ランプは定格値の
−10%においても点灯できることが必要であるから、
120V電源の場合は108Vで点灯できなければなら
ない。しかし、前記のように−20℃の低温雰囲気下で
はSSSのVboが114VとなるのでSSSをブレー
クオーバーさせることはできない。このような場合はS
SSのVboを約80V程度に設定すればよい。
バー電圧Vboをかなり高い値、例えば60〜100V
に設定したうえ、FECの厚みはこれまでの厚みを含め
てより厚くする方向、例えば0.45〜0.80mm程
度に選定する。この場合のFECの抗電圧Ecは図3か
ら明らかなように25〜45Vである。なお、0.80
mm厚のFECを用いてSSSのVboを100Vに選
定した場合には、常温では問題ないが−20℃の低温雰
囲気では前記Vboが約12V程度高くなり、約114
Vrms(実効値)になる。 そして、ランプは定格値の
−10%においても点灯できることが必要であるから、
120V電源の場合は108Vで点灯できなければなら
ない。しかし、前記のように−20℃の低温雰囲気下で
はSSSのVboが114VとなるのでSSSをブレー
クオーバーさせることはできない。このような場合はS
SSのVboを約80V程度に設定すればよい。
【0026】このようにして本発明では、FECの厚み
を0.45〜0.80mmに、SSSのブレークオーバ
ー電圧を60〜100Vに選定するものであるが、これ
のみではまだ発光管を安定なアーク放電に移行させるこ
とはできない。発光管における絶縁破壊から完全に安定
したアーク放電になるまでの時間(放電開始時間)は、
安定器の構造、発光管電極の構造、発光管の寸法、発光
管キセノンガス封入圧等によって変化するが、とりわけ
電極の構造は大きく影響する。電極には前記したように
コイル型電極と焼結型電極が存在するが、何れの電極を
使用するにしても電極の大きさ、特にコイル型電極の場
合は電極心棒径とコイル部の外径で求められる熱容量お
よび電子放射性物質の含有量とにより規定され、焼結型
電極の場合は電極心棒径と焼結体の外径で求められる熱
容量および電子放射性物質の含有量とにより規定され
る。
を0.45〜0.80mmに、SSSのブレークオーバ
ー電圧を60〜100Vに選定するものであるが、これ
のみではまだ発光管を安定なアーク放電に移行させるこ
とはできない。発光管における絶縁破壊から完全に安定
したアーク放電になるまでの時間(放電開始時間)は、
安定器の構造、発光管電極の構造、発光管の寸法、発光
管キセノンガス封入圧等によって変化するが、とりわけ
電極の構造は大きく影響する。電極には前記したように
コイル型電極と焼結型電極が存在するが、何れの電極を
使用するにしても電極の大きさ、特にコイル型電極の場
合は電極心棒径とコイル部の外径で求められる熱容量お
よび電子放射性物質の含有量とにより規定され、焼結型
電極の場合は電極心棒径と焼結体の外径で求められる熱
容量および電子放射性物質の含有量とにより規定され
る。
【0027】従って、電極の形状および寸法が大きくな
ると、熱容量が増大すると共に電子放射性物質の量も増
える。これらは、いずれもランプ点灯中の電極の動作温
度を下げる効果がある。特に、電子放射性物質が増える
と、長時間にわたって電極を適正な動作温度に保つこと
ができ、長寿命化を図ることができる。しかし、電極が
大きくなりすぎると、ランプ点灯中の電極の動作温度が
低くなりすぎ、放電が不安定になってしまうことや、ラ
ンプ始動時に電極の温度が上がりにくく安定した放電に
移行することができなくなる。一方、電極の形状および
寸法が小さくなると、ランプ始動時の電極温度は早く上
がるため始動性は良好となるが、ランプ点灯中の電極温
度が高くなりすぎ、電子放射性物質の飛散や電極のタン
グステンが蒸発し、発光管が黒化しやすくなる。また、
電子放射性物質の量も少なくなり、短時間のうちに消失
しさらに電極温度が上がることとなる。
ると、熱容量が増大すると共に電子放射性物質の量も増
える。これらは、いずれもランプ点灯中の電極の動作温
度を下げる効果がある。特に、電子放射性物質が増える
と、長時間にわたって電極を適正な動作温度に保つこと
ができ、長寿命化を図ることができる。しかし、電極が
大きくなりすぎると、ランプ点灯中の電極の動作温度が
低くなりすぎ、放電が不安定になってしまうことや、ラ
ンプ始動時に電極の温度が上がりにくく安定した放電に
移行することができなくなる。一方、電極の形状および
寸法が小さくなると、ランプ始動時の電極温度は早く上
がるため始動性は良好となるが、ランプ点灯中の電極温
度が高くなりすぎ、電子放射性物質の飛散や電極のタン
グステンが蒸発し、発光管が黒化しやすくなる。また、
電子放射性物質の量も少なくなり、短時間のうちに消失
しさらに電極温度が上がることとなる。
【0028】このことにより、始動特性と寿命特性が良
好なランプを得るためには、電極の熱容量を一定の範
囲、すなわちコイル型電極の場合は電極心棒径を0.5
〜0.7mm及びコイル部の外径を1.6〜1.9mm
と規定する必要がある。また、焼結型電極の場合は電極
心棒径を0.5〜0.7mm及び焼結体の外径を1.9
〜2.3mmと規定する必要がある。表2は電極の心棒
径及び電極部の外径と始動開始時間の関係を示してい
る。 (以下、余白)
好なランプを得るためには、電極の熱容量を一定の範
囲、すなわちコイル型電極の場合は電極心棒径を0.5
〜0.7mm及びコイル部の外径を1.6〜1.9mm
と規定する必要がある。また、焼結型電極の場合は電極
心棒径を0.5〜0.7mm及び焼結体の外径を1.9
〜2.3mmと規定する必要がある。表2は電極の心棒
径及び電極部の外径と始動開始時間の関係を示してい
る。 (以下、余白)
【0029】
【表2】
【0030】表2から明らかなように、発光管の形状、
寸法が大きくなり、電極が大型になるほど始動開始時間
が長くなる。特に、コイル型電極の場合は電極心棒径を
0.5〜0.7mm、コイル部の外径を1.6〜1.9
mmに規定する必要があるが、心棒径が0.5mm及び
コイル部外径が1.6mm未満の場合、電極の温度が上
がりすぎ、タングステンの蒸発が増える。 一方、心棒径
が0.7mm及びコイル部外径が1.9mmを超える場
合、電極の温度が十分に上がらず、安定した放電が得ら
れない。
寸法が大きくなり、電極が大型になるほど始動開始時間
が長くなる。特に、コイル型電極の場合は電極心棒径を
0.5〜0.7mm、コイル部の外径を1.6〜1.9
mmに規定する必要があるが、心棒径が0.5mm及び
コイル部外径が1.6mm未満の場合、電極の温度が上
がりすぎ、タングステンの蒸発が増える。 一方、心棒径
が0.7mm及びコイル部外径が1.9mmを超える場
合、電極の温度が十分に上がらず、安定した放電が得ら
れない。
【0031】 また、焼結型電極の場合は、電極心棒径が
0.5mm及び焼結体の外径が1.9mm未満の場合、
電極の温度が上がりすぎ、タングステンの蒸発が増え
る。一方、心棒径が0.7mm及びコイル部外径が2.
3mmを超える場合、電極の温度が十分に上がらず、安
定した放電が得られない。このようにして、FECの厚
みおよび抗電圧とSSSのブレークオーバー電圧とを、
電極の熱容量との関係において所定の範囲に設定するこ
とにより、100〜130V電源で点灯する100W以
下の高圧金属蒸気放電灯に適用することができるが、安
定なアーク放電を持続させるためには熱応動スイッチの
開放時間を適当な値に選定する必要がある。
0.5mm及び焼結体の外径が1.9mm未満の場合、
電極の温度が上がりすぎ、タングステンの蒸発が増え
る。一方、心棒径が0.7mm及びコイル部外径が2.
3mmを超える場合、電極の温度が十分に上がらず、安
定した放電が得られない。このようにして、FECの厚
みおよび抗電圧とSSSのブレークオーバー電圧とを、
電極の熱容量との関係において所定の範囲に設定するこ
とにより、100〜130V電源で点灯する100W以
下の高圧金属蒸気放電灯に適用することができるが、安
定なアーク放電を持続させるためには熱応動スイッチの
開放時間を適当な値に選定する必要がある。
【0032】これは、上記のような電源電圧で点灯する
放電灯においては、一旦絶縁破壊を起こしても、ランプ
を通じて流れる電流量が少なく、かつランプに印加する
電圧も低いため、電源周波数の何サイクルにわたってパ
ルスを印加し続ける必要があること、更に、アーク放電
に移行しても安定する前に熱応動スイッチが開放してし
まうと立消えてしまう場合があるためである。
放電灯においては、一旦絶縁破壊を起こしても、ランプ
を通じて流れる電流量が少なく、かつランプに印加する
電圧も低いため、電源周波数の何サイクルにわたってパ
ルスを印加し続ける必要があること、更に、アーク放電
に移行しても安定する前に熱応動スイッチが開放してし
まうと立消えてしまう場合があるためである。
【0033】前記実施例では、 FECの厚みを0.4
5〜0.80mmに、抗電圧を25〜45Vに、SSS
のブレークオーバー電圧を60〜100Vに選定し、か
つ、発光管の電極がコイル型電極の場合は電極心棒径を
0.5〜0.7mm、コイル部外径を1.6〜1.9m
mとし、焼結型電極の場合は電極心棒径を0.5〜0.
7mm、焼結体外径を1.9〜2.3mmに選定してい
る。更に、熱応動スイッチの開放時間を30秒以上に設
定することにより、放電灯を安定なアーク放電に移行さ
せることができた。
5〜0.80mmに、抗電圧を25〜45Vに、SSS
のブレークオーバー電圧を60〜100Vに選定し、か
つ、発光管の電極がコイル型電極の場合は電極心棒径を
0.5〜0.7mm、コイル部外径を1.6〜1.9m
mとし、焼結型電極の場合は電極心棒径を0.5〜0.
7mm、焼結体外径を1.9〜2.3mmに選定してい
る。更に、熱応動スイッチの開放時間を30秒以上に設
定することにより、放電灯を安定なアーク放電に移行さ
せることができた。
【0034】以上の条件を満たす高圧ナトリウムランプ
を次の仕様で製作した。 発光管:40/LV Xe封入圧2700Pa 外部補
助電極付 FEC:外径15.5mm、厚み0.60mm(抗電圧
34V)、メタライズ径14.5mm SSS:Vbo 80V 焼結型電極:電極心棒径0.6mm、焼結体外径2.0
mm 各抵抗体:30kΩ
を次の仕様で製作した。 発光管:40/LV Xe封入圧2700Pa 外部補
助電極付 FEC:外径15.5mm、厚み0.60mm(抗電圧
34V)、メタライズ径14.5mm SSS:Vbo 80V 焼結型電極:電極心棒径0.6mm、焼結体外径2.0
mm 各抵抗体:30kΩ
【0035】又、SSSは口金内に設置し、その他の部
品は外球内に設置して熱応動スイッチの開放時間は40
秒とし、その接点圧は20gとした。そして、100V
−40W/LV−50Hzのチョーク型安定器を使用し
て、交流の電源電圧90Vで点灯したところ、25〜3
0秒程度で安定したアーク放電となり、正常に点灯しそ
の後熱応動スイッチが開放した。
品は外球内に設置して熱応動スイッチの開放時間は40
秒とし、その接点圧は20gとした。そして、100V
−40W/LV−50Hzのチョーク型安定器を使用し
て、交流の電源電圧90Vで点灯したところ、25〜3
0秒程度で安定したアーク放電となり、正常に点灯しそ
の後熱応動スイッチが開放した。
【0036】前記実施例では、外球内に高圧ナトリウム
ランプ用発光管を収納配置した場合について説明した
が、石英製発光管の両端に主電極を封着し、内部に少な
くとも金属ハロゲン化物を封入したメタルハライドラン
プついても適用可能である。又、電極として、焼結型電
極について説明したが、コイル型電極についても前記規
定の範囲内に電極寸法を設計することにより、ほぼ同様
な効果が得られる。更に、高圧ナトリウムランプ用発光
管の電極としてコイル型電極を用いた場合、あるいはメ
タルハライドランプ用発光管の電極として焼結型電極を
用いた場合も前記と同様な効果が認められる。
ランプ用発光管を収納配置した場合について説明した
が、石英製発光管の両端に主電極を封着し、内部に少な
くとも金属ハロゲン化物を封入したメタルハライドラン
プついても適用可能である。又、電極として、焼結型電
極について説明したが、コイル型電極についても前記規
定の範囲内に電極寸法を設計することにより、ほぼ同様
な効果が得られる。更に、高圧ナトリウムランプ用発光
管の電極としてコイル型電極を用いた場合、あるいはメ
タルハライドランプ用発光管の電極として焼結型電極を
用いた場合も前記と同様な効果が認められる。
【0037】
【発明の効果】以上実施例に基づいて説明したように本
発明によれば、100〜130V電源で低ワットの高圧
金属蒸気放電灯を点灯する場合、 FECの厚みを0.
45〜0.80mmでその抗電圧を25〜45Vに選定
し、かつSSSのブレークオーバー電圧を60〜100
Vに選定し、さらに、コイル型電極の場合は電極心棒と
コイル部の外径を所定の範囲とし、また、焼結型電極の
場合は電極心棒と焼結体の外径を所定の範囲として、電
極部の熱容量を適正な範囲に規定することにより、放電
灯の始動特性を改善することができるばかりでなく、寿
命特性を改善することができる。更に、熱応動スイッチ
の開放時間を30秒以上に設定することにより、安定し
たアーク放電を確実に行わせることができる等の利点が
ある。
発明によれば、100〜130V電源で低ワットの高圧
金属蒸気放電灯を点灯する場合、 FECの厚みを0.
45〜0.80mmでその抗電圧を25〜45Vに選定
し、かつSSSのブレークオーバー電圧を60〜100
Vに選定し、さらに、コイル型電極の場合は電極心棒と
コイル部の外径を所定の範囲とし、また、焼結型電極の
場合は電極心棒と焼結体の外径を所定の範囲として、電
極部の熱容量を適正な範囲に規定することにより、放電
灯の始動特性を改善することができるばかりでなく、寿
命特性を改善することができる。更に、熱応動スイッチ
の開放時間を30秒以上に設定することにより、安定し
たアーク放電を確実に行わせることができる等の利点が
ある。
【図1】本発明に係る高圧ナトリウムランプの一実施例
を示す側面図である。
を示す側面図である。
【図2】同じく発光管の両端に封着した焼結型電極の一
実施例を示す斜視図である。
実施例を示す斜視図である。
【図3】FECの厚みと抗電圧との関係を示す特性図で
ある。
ある。
【図4】従来の始動器内蔵形高圧ナトリウムランプの回
路構成図である。
路構成図である。
【図5】先に提案された始動器内蔵形高圧ナトリウムラ
ンプの回路構成図である。
ンプの回路構成図である。
1 外球 2 発光管 3 非線形コンデンサ 4 熱応動スイッチ 5 半導体スイッチ 6 外部補助導体 7 外球口金 8 位相制御用抵抗体 9 焦電流バイパス用抵抗体 11 焼結型電極 12 電極心棒 13 電極焼結体 14 突出部
Claims (5)
- 【請求項1】外球と、両端に電極を封着し内部に発光物
質を封入してなる発光管と、少なくとも非線形コンデン
サと双方向性の半導体スイッチと熱応動スイッチとの直
列回路からなる内部始動器を前記発光管に電気的に並列
に接続して、前記外球内に保持してなり、定格100〜
130Vの交流電源電圧にて点灯するように構成してな
る高圧金属蒸気放電灯において、前記発光管の電極は電
極心棒と電極部とよりなり、前記電極心棒の心棒径を
0.5〜0.7mmとしかつ電極部の外径を1.6〜
2.3mmと規定する共に、前記非線形コンデンサの厚
みを0.45〜0.80mmとして該コンデンサの抗電
圧を25〜45Vに選定し、また、前記半導体スイッチ
のブレークオーバー電圧を60〜100Vに選定するこ
とを特徴とする高圧金属蒸気放電灯。 - 【請求項2】前記発光管は、透光性アルミナ管よりなり
その両端に電極支持管を介して電極を封着し、該電極は
タングステン製の電極心棒の先端部にタングステンを主
体とする電極部を一体的に焼結してなり、前記電極心棒
の心棒径を0.5〜0.7mm、電極部の外径を1.9
〜2.3mmと規定してなる請求項1項記載の高圧金属
蒸気放電灯。 - 【請求項3】前記発光管は、石英ガラス管よりなりその
両端に電極を封着し、該電極はタングステン製の電極心
棒の先端部にタングステン製の電極コイル部を一体的に
巻回してなり、前記電極心棒の心棒径を0.5〜0.7
mm、電極コイル部の外径を1.6〜1.9mmと規定
してなる請求項1又は2項記載の高圧金属蒸気放電灯。 - 【請求項4】前記内部始動器の熱応動スイッチの開閉動
作は、発光管が安定点灯してその後開放する開放時間を
30秒以上に設定してなる請求項1乃至3項記載の高圧
金属蒸気放電灯。 - 【請求項5】前記放電灯は、定格ランプ電圧40〜60
V、ランプ電流2.5A以下、ランプ電力100W以下
で点灯して使用される請求項1乃至4項記載の高圧金属
蒸気放電灯。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27520897A JPH1196966A (ja) | 1997-09-22 | 1997-09-22 | 高圧金属蒸気放電灯 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27520897A JPH1196966A (ja) | 1997-09-22 | 1997-09-22 | 高圧金属蒸気放電灯 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1196966A true JPH1196966A (ja) | 1999-04-09 |
Family
ID=17552207
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27520897A Pending JPH1196966A (ja) | 1997-09-22 | 1997-09-22 | 高圧金属蒸気放電灯 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1196966A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007324372A (ja) * | 2006-06-01 | 2007-12-13 | Iwasaki Electric Co Ltd | 非線形コンデンサ及びその製造方法並びにそれを用いた高圧金属蒸気放電灯 |
-
1997
- 1997-09-22 JP JP27520897A patent/JPH1196966A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007324372A (ja) * | 2006-06-01 | 2007-12-13 | Iwasaki Electric Co Ltd | 非線形コンデンサ及びその製造方法並びにそれを用いた高圧金属蒸気放電灯 |
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Legal Events
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A977 | Report on retrieval |
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Effective date: 20080414 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |