JPH119679A - インプラントの製造方法 - Google Patents
インプラントの製造方法Info
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- JPH119679A JPH119679A JP9164117A JP16411797A JPH119679A JP H119679 A JPH119679 A JP H119679A JP 9164117 A JP9164117 A JP 9164117A JP 16411797 A JP16411797 A JP 16411797A JP H119679 A JPH119679 A JP H119679A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 チタンまたはチタン合金製の任意形状のイン
プラント芯体に、生体活性をもつ皮膜を簡便かつ安価に
形成する。 【解決手段】 インプラント芯体を、先ず、リン化合物
を含有する電解溶液で陽極酸化し、その表面に少なくと
もリンを含む陽極酸化皮膜を形成させ、次に、インプラ
ント芯体をカルシウム化合物の溶液中で加熱処理し、リ
ンとカルシウムを反応させて、表面に水酸化アパタイト
などのリン酸カルシウム化合物層を形成する。陽極酸化
に用いられる電解溶液は、グリセロリン酸塩又はリン酸
を主成分とする溶液に、金属の酢酸塩、炭酸塩、水酸化
物等を添加してなる混合電解溶液とすることによって、
陽極酸化皮膜中に取り込まれるリンの量を多くしてもよ
い。上記の加熱処理は、30〜 300℃の温度範囲で行うこ
とができ、また、インプラントの滅菌処理と同時に行っ
てもよい。
プラント芯体に、生体活性をもつ皮膜を簡便かつ安価に
形成する。 【解決手段】 インプラント芯体を、先ず、リン化合物
を含有する電解溶液で陽極酸化し、その表面に少なくと
もリンを含む陽極酸化皮膜を形成させ、次に、インプラ
ント芯体をカルシウム化合物の溶液中で加熱処理し、リ
ンとカルシウムを反応させて、表面に水酸化アパタイト
などのリン酸カルシウム化合物層を形成する。陽極酸化
に用いられる電解溶液は、グリセロリン酸塩又はリン酸
を主成分とする溶液に、金属の酢酸塩、炭酸塩、水酸化
物等を添加してなる混合電解溶液とすることによって、
陽極酸化皮膜中に取り込まれるリンの量を多くしてもよ
い。上記の加熱処理は、30〜 300℃の温度範囲で行うこ
とができ、また、インプラントの滅菌処理と同時に行っ
てもよい。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、人工歯根、人工
骨、人工関節、骨補填材、ボ−ンスクリュ−、ボ−ンプ
レ−ト、ボ−ンフレ−ム等の歯科および整形外科等の分
野で用いられるインプラントとその製造方法に関するも
のである。さらに詳しくは、この発明は、骨組織との親
和性に優れた水酸化アパタイトをインプラント芯体表面
に形成する方法に関するものである。
骨、人工関節、骨補填材、ボ−ンスクリュ−、ボ−ンプ
レ−ト、ボ−ンフレ−ム等の歯科および整形外科等の分
野で用いられるインプラントとその製造方法に関するも
のである。さらに詳しくは、この発明は、骨組織との親
和性に優れた水酸化アパタイトをインプラント芯体表面
に形成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の医療技術の進歩にはめざましいも
のがあり、高齢化社会の到来等も反映して、その技術の
発展には大きな期待が寄せられている。このような技術
の一つとして、人工歯根、人工骨、人工関節等の骨代替
材料あるいは骨補強材料の技術があり、その利用は急速
に広まっている。これらの材料は、いわゆる「インプラ
ント」もしくは「インプラント材料」と呼ばれているも
のであり、一定の強度を保持する必要から、金属やセラ
ミックスが多く用いられる。このうち実用化されている
生体内インプラント材料としての金属には、ステンレス
鋼、Ni−Cr合金、Co−Cr合金、チタン、チタン
合金、貴金属およびその合金などがあり、それぞれ用途
に応じて使用されている。
のがあり、高齢化社会の到来等も反映して、その技術の
発展には大きな期待が寄せられている。このような技術
の一つとして、人工歯根、人工骨、人工関節等の骨代替
材料あるいは骨補強材料の技術があり、その利用は急速
に広まっている。これらの材料は、いわゆる「インプラ
ント」もしくは「インプラント材料」と呼ばれているも
のであり、一定の強度を保持する必要から、金属やセラ
ミックスが多く用いられる。このうち実用化されている
生体内インプラント材料としての金属には、ステンレス
鋼、Ni−Cr合金、Co−Cr合金、チタン、チタン
合金、貴金属およびその合金などがあり、それぞれ用途
に応じて使用されている。
【0003】その中でチタンおよびチタン合金は、成形
加工が困難であるものの、耐食性、生体適合性、機械的
性質などの点で優れており、インプラントとしての使用
量が増加している。但し、チタンやチタン合金の金属表
面又はこれらの酸化物である酸化チタンでは、骨組織と
の親和性が向上するとは限らないので、インプラントに
必要とされる機能をさらに与える必要がある。
加工が困難であるものの、耐食性、生体適合性、機械的
性質などの点で優れており、インプラントとしての使用
量が増加している。但し、チタンやチタン合金の金属表
面又はこれらの酸化物である酸化チタンでは、骨組織と
の親和性が向上するとは限らないので、インプラントに
必要とされる機能をさらに与える必要がある。
【0004】すなわち、特に人工歯根や人工骨等に用い
られるインプラントにおいては、更に長期間生体内で安
定に機能させるために、骨組織に埋植されてからより多
くの骨組織に被覆されるようにすることが望まれてい
る。そこで、インプラントの表面を改質して骨組織親和
性を向上させる試みがなされている。この骨組織の親和
性向上の方法には、例えばチタン基材表面に、水酸化ア
パタイトや他のリン酸カルシウム化合物などの生体活性
(適合)材料の粉末をプラズマ溶射法により付着させ、
骨と直接に結合させる方法や、チタン粉末をプラズマ溶
射法で付着させて凹凸を形成させたり、チタンやチタン
合金のビ−ズを焼き付けて多孔体にすることによって、
骨との物理的なからみ合いによる維持力を得る方法があ
る。また、プラズマ溶射とは別に、カルシウムとリンの
化合物を含む溶液にチタン基材を浸漬した後に、加熱焼
成してリン酸カルシウム化合物を形成し被覆する方法も
知られている。
られるインプラントにおいては、更に長期間生体内で安
定に機能させるために、骨組織に埋植されてからより多
くの骨組織に被覆されるようにすることが望まれてい
る。そこで、インプラントの表面を改質して骨組織親和
性を向上させる試みがなされている。この骨組織の親和
性向上の方法には、例えばチタン基材表面に、水酸化ア
パタイトや他のリン酸カルシウム化合物などの生体活性
(適合)材料の粉末をプラズマ溶射法により付着させ、
骨と直接に結合させる方法や、チタン粉末をプラズマ溶
射法で付着させて凹凸を形成させたり、チタンやチタン
合金のビ−ズを焼き付けて多孔体にすることによって、
骨との物理的なからみ合いによる維持力を得る方法があ
る。また、プラズマ溶射とは別に、カルシウムとリンの
化合物を含む溶液にチタン基材を浸漬した後に、加熱焼
成してリン酸カルシウム化合物を形成し被覆する方法も
知られている。
【0005】更に、骨との化学的な結合力と物理的なか
らみ合いによる維持力を合わせもつように、機械加工に
より基材に多数の穴をあけたり、ネジ切りをしたり、あ
るいは酸でエッチングするなどの化学的処理により基板
表面を粗くするなどの様々な工夫を施した上で、その表
面に生体活性材料をコーティングすることが検討されて
いる。この場合、コーティング層は生体内で安定でなく
てはならず、細胞による侵襲や劣化、剥離などが起こら
ないことが必要条件である。
らみ合いによる維持力を合わせもつように、機械加工に
より基材に多数の穴をあけたり、ネジ切りをしたり、あ
るいは酸でエッチングするなどの化学的処理により基板
表面を粗くするなどの様々な工夫を施した上で、その表
面に生体活性材料をコーティングすることが検討されて
いる。この場合、コーティング層は生体内で安定でなく
てはならず、細胞による侵襲や劣化、剥離などが起こら
ないことが必要条件である。
【0006】金属基材とセラミック膜との間に金属酸化
物皮膜を介在させれば、密着性の向上が期待できる。こ
の金属酸化物皮膜を形成させる方法として陽極酸化法が
ある。そこで近年になって、チタンあるいはチタン合金
のインプラント材料を陽極酸化し、その陽極酸化皮膜上
にリン酸カルシウム化合物を含む酸溶液を塗布し加熱焼
成してリン酸カルシウム化合物を形成する方法(特開昭
63-99868)や、酢酸カルシウムとグリセロリン酸塩を含
む電解溶液中でチタンを陽極酸化し、カルシウムとリン
とを含むチタン陽極酸化皮膜を形成し、次いで密閉容器
内の高圧水中または高圧水蒸気中で加熱処理(水熱処
理)することにより、水酸化アパタイト結晶を皮膜表面
上に析出させる方法(特開平7-31627)が発表されてい
る。
物皮膜を介在させれば、密着性の向上が期待できる。こ
の金属酸化物皮膜を形成させる方法として陽極酸化法が
ある。そこで近年になって、チタンあるいはチタン合金
のインプラント材料を陽極酸化し、その陽極酸化皮膜上
にリン酸カルシウム化合物を含む酸溶液を塗布し加熱焼
成してリン酸カルシウム化合物を形成する方法(特開昭
63-99868)や、酢酸カルシウムとグリセロリン酸塩を含
む電解溶液中でチタンを陽極酸化し、カルシウムとリン
とを含むチタン陽極酸化皮膜を形成し、次いで密閉容器
内の高圧水中または高圧水蒸気中で加熱処理(水熱処
理)することにより、水酸化アパタイト結晶を皮膜表面
上に析出させる方法(特開平7-31627)が発表されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術においては、複雑な形状をしたインプラントの表面
に生体活性材料を均一にしかも強固にコ−ティングする
ことは困難であった。例えばプラズマ溶射法では、イン
プラントの外側表面にコーティングするのは容易である
が、細い貫通穴や円筒環状の内側表面には粉末は届かな
いのでコ−ティングが困難であった。表面をチタンある
いはチタン合金のビーズを焼き付けて多孔体にしたもの
や、骨欠損部に充填するための多孔質チタン等でも、内
部まで粉末は到達しないので表面全体をコ−ティングす
ることはできなかった。また、基材との付着強度も生体
内の厳しい環境で長期間機能させるには不十分であっ
た。さらに、プラズマ溶射装置はあまり一般的な装置で
はないことや、高価な水酸化アパタイトの歩止まりが悪
く、コストがかかるといった欠点もあった。
技術においては、複雑な形状をしたインプラントの表面
に生体活性材料を均一にしかも強固にコ−ティングする
ことは困難であった。例えばプラズマ溶射法では、イン
プラントの外側表面にコーティングするのは容易である
が、細い貫通穴や円筒環状の内側表面には粉末は届かな
いのでコ−ティングが困難であった。表面をチタンある
いはチタン合金のビーズを焼き付けて多孔体にしたもの
や、骨欠損部に充填するための多孔質チタン等でも、内
部まで粉末は到達しないので表面全体をコ−ティングす
ることはできなかった。また、基材との付着強度も生体
内の厳しい環境で長期間機能させるには不十分であっ
た。さらに、プラズマ溶射装置はあまり一般的な装置で
はないことや、高価な水酸化アパタイトの歩止まりが悪
く、コストがかかるといった欠点もあった。
【0008】一方、カルシウムとリンの化合物を含む溶
液にチタン基材を浸漬した後に、加熱焼成してリン酸カ
ルシウム化合物を形成被覆する方法では、基材の形状に
よる制限は少ないものの、生体活性の効果を得るために
ある程度の厚さにするには、塗布−焼成工程を何回も繰
り返さなければならず、操作が複雑で長時間を要すると
いう欠点があった。この方法で得られた皮膜も生体内の
安定性は十分とは言えなかった。
液にチタン基材を浸漬した後に、加熱焼成してリン酸カ
ルシウム化合物を形成被覆する方法では、基材の形状に
よる制限は少ないものの、生体活性の効果を得るために
ある程度の厚さにするには、塗布−焼成工程を何回も繰
り返さなければならず、操作が複雑で長時間を要すると
いう欠点があった。この方法で得られた皮膜も生体内の
安定性は十分とは言えなかった。
【0009】さらに、上記2つの方法では、金属材料の
表面にセラミック材料の膜をコーティングするので、両
者の熱膨張率の差や結晶構造の違いなどから、強固に密
着させることは基本的に困難である。金属基材とセラミ
ック膜との間に金属酸化物皮膜を介在させれば、密着性
の向上が期待できる。この金属酸化物皮膜を形成させる
方法として陽極酸化法が用いられる。先に述べた特開昭
63-99868は、陽極酸化皮膜上に所定の厚さのリン酸カル
シウム化合物を形成する際に塗布−焼成工程を何回も繰
り返さなければならず、上述したように操作が複雑で長
時間を要するという欠点がある。また、特開平7-31627
は、アパタイト結晶を析出させるために陽極酸化皮膜か
らカルシウムとリンを溶出させなければならないが、そ
れには水蒸気雰囲気中で 250℃以上に加熱しなければな
らず、高温高圧に設定できる大型で堅牢なオートクレー
ブが必要である。これは操作性や製造コストの点で不利
な要素である。
表面にセラミック材料の膜をコーティングするので、両
者の熱膨張率の差や結晶構造の違いなどから、強固に密
着させることは基本的に困難である。金属基材とセラミ
ック膜との間に金属酸化物皮膜を介在させれば、密着性
の向上が期待できる。この金属酸化物皮膜を形成させる
方法として陽極酸化法が用いられる。先に述べた特開昭
63-99868は、陽極酸化皮膜上に所定の厚さのリン酸カル
シウム化合物を形成する際に塗布−焼成工程を何回も繰
り返さなければならず、上述したように操作が複雑で長
時間を要するという欠点がある。また、特開平7-31627
は、アパタイト結晶を析出させるために陽極酸化皮膜か
らカルシウムとリンを溶出させなければならないが、そ
れには水蒸気雰囲気中で 250℃以上に加熱しなければな
らず、高温高圧に設定できる大型で堅牢なオートクレー
ブが必要である。これは操作性や製造コストの点で不利
な要素である。
【0010】この発明は、以上の通りの事情に鑑みてな
されたものであり、従来技術の欠点を解消し、任意の形
状のチタンまたはチタン合金からなるインプラント芯体
に、生体内で長時間にわたって安定でしかも骨組織との
親和性に優れた生体活性材料を密着性よく形成でき、し
かも簡単な操作で安価に製造する方法を提供することを
目的とする。
されたものであり、従来技術の欠点を解消し、任意の形
状のチタンまたはチタン合金からなるインプラント芯体
に、生体内で長時間にわたって安定でしかも骨組織との
親和性に優れた生体活性材料を密着性よく形成でき、し
かも簡単な操作で安価に製造する方法を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、芯体の全部あるいは表面だけが
チタンまたはチタン合金からなるインプラント芯体を、
先ず、リン化合物を含有する電解溶液で陽極酸化し、そ
の表面に少なくともリンを含む陽極酸化皮膜を形成さ
せ、次に、インプラント芯体をカルシウム化合物の溶液
中で加熱処理する製造方法である(請求項1)。
を解決するものとして、芯体の全部あるいは表面だけが
チタンまたはチタン合金からなるインプラント芯体を、
先ず、リン化合物を含有する電解溶液で陽極酸化し、そ
の表面に少なくともリンを含む陽極酸化皮膜を形成さ
せ、次に、インプラント芯体をカルシウム化合物の溶液
中で加熱処理する製造方法である(請求項1)。
【0012】陽極酸化皮膜中のリンと加熱処理に用いら
れる溶液中のカルシウムが反応し、インプラント芯体の
表面に水酸化アパタイトなどのリン酸カルシウム化合物
層が形成される。陽極酸化に用いられる電解溶液は、グ
リセロリン酸塩又はリン酸を主成分とする溶液に、金属
の酢酸塩、炭酸塩、水酸化物等を添加してなる混合電解
溶液とすることによって、陽極酸化皮膜中に取り込まれ
るリンの量を多くしてもよい(請求項2)。
れる溶液中のカルシウムが反応し、インプラント芯体の
表面に水酸化アパタイトなどのリン酸カルシウム化合物
層が形成される。陽極酸化に用いられる電解溶液は、グ
リセロリン酸塩又はリン酸を主成分とする溶液に、金属
の酢酸塩、炭酸塩、水酸化物等を添加してなる混合電解
溶液とすることによって、陽極酸化皮膜中に取り込まれ
るリンの量を多くしてもよい(請求項2)。
【0013】また、請求項1の加熱処理は、30〜 300℃
の温度範囲で行うことができ、特に100℃以下の処理な
らば、密閉容器を使わなくとも大気中で実施できる(請
求項3)。一般に行われている高圧蒸気滅菌は 115〜 1
26℃であるから、請求項1の加熱処理は、インプラント
の滅菌処理と同時に行ってもよい(請求項4)。
の温度範囲で行うことができ、特に100℃以下の処理な
らば、密閉容器を使わなくとも大気中で実施できる(請
求項3)。一般に行われている高圧蒸気滅菌は 115〜 1
26℃であるから、請求項1の加熱処理は、インプラント
の滅菌処理と同時に行ってもよい(請求項4)。
【0014】また、インプラント芯体は、請求項2の混
合電解溶液中で陽極酸化するだけで、インプラントの製
造を完了してもよい(請求項5)。
合電解溶液中で陽極酸化するだけで、インプラントの製
造を完了してもよい(請求項5)。
【0015】
【発明の実施の形態】以下この発明を詳細に説明する。
まず、この発明においては芯体としての基材にはチタン
あるいはチタン合金を使用するが、その形状はいかなる
物でもよく、棒状、板状はもちろん、それらに穴があけ
られていてもネジ切りされていてもよい。またスポンジ
状の多孔体やメッシュ状の織物の形状をしていてもよ
い。あるいは基材表面にチタン粉末をプラズマ溶射した
面やチタンあるいはチタン合金のビーズを焼き付けた多
孔体表面層を有していてもよい。
まず、この発明においては芯体としての基材にはチタン
あるいはチタン合金を使用するが、その形状はいかなる
物でもよく、棒状、板状はもちろん、それらに穴があけ
られていてもネジ切りされていてもよい。またスポンジ
状の多孔体やメッシュ状の織物の形状をしていてもよ
い。あるいは基材表面にチタン粉末をプラズマ溶射した
面やチタンあるいはチタン合金のビーズを焼き付けた多
孔体表面層を有していてもよい。
【0016】陽極酸化に際し、これらの基材は、通常の
研磨法で研磨し、アルコ−ル洗浄、水洗などで表面を清
浄にしておく。研磨できないものは酸洗等により表面を
清浄にする。陽極酸化する必要のない部分には予めマス
キング剤を塗布しておき、全体を処理した後にそれを除
去してもよい。表面積を増大させて皮膜との密着性を向
上させるために、酸によるエッチング処理またはサンド
ブラスト処理により表面を適度に粗しておいてもよい。
この操作は大気中で自然に形成された酸化膜を除去し、
活性な金属表面を露出させ、膜の付着強度を高める効果
もある。以上の前処理を行った後に陽極酸化を行なう。
研磨法で研磨し、アルコ−ル洗浄、水洗などで表面を清
浄にしておく。研磨できないものは酸洗等により表面を
清浄にする。陽極酸化する必要のない部分には予めマス
キング剤を塗布しておき、全体を処理した後にそれを除
去してもよい。表面積を増大させて皮膜との密着性を向
上させるために、酸によるエッチング処理またはサンド
ブラスト処理により表面を適度に粗しておいてもよい。
この操作は大気中で自然に形成された酸化膜を除去し、
活性な金属表面を露出させ、膜の付着強度を高める効果
もある。以上の前処理を行った後に陽極酸化を行なう。
【0017】陽極酸化を行うときに用いる電解溶液に
は、導電性を得るためと皮膜にリンを含有させるため
に、少なくともリンの化合物が含まれていなければなら
ない。この電解液中でチタンを陽極酸化することによ
り、リンイオンもしくはリン酸イオンを取り込みながら
酸化皮膜が成長し、結果的に、リンを含むチタン陽極酸
化皮膜が形成される。この場合、リンの化合物として
は、グリセロリン酸塩、リン酸、1-hydroxyethane-1,1-
bisphosphonate、フィチン酸等があるが、グリセロリン
酸塩またはリン酸を用いると高電圧まで安定して陽極酸
化できるので好ましい。グリセロリン酸塩としては、α
−グリセロリン酸ナトリウム、β−グリセロリン酸ナト
リウム、グリセロリン酸カルシウムなどがあるが、水へ
の溶解度が非常に高いことからβ−グリセロリン酸ナト
リウムが最も好ましい。また、これらのリンの化合物を
それぞれ単独で使用するよりも、金属の酢酸塩、炭酸
塩、水酸化物、乳酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、プ
ロピオン酸塩、グリセロリン酸塩、サリチル酸塩、シュ
ウ酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩、マレイン酸塩、ギ酸
塩、ケイ酸塩、チオシアン酸塩、酒石酸塩、ピルビン酸
塩、ホウ酸塩、フッ化物等を少量添加した電解溶液中で
陽極酸化すると、皮膜中のリンの含有量を大きく増加さ
せることができる。その結果、皮膜上に析出する水酸化
アパタイト結晶の量を多くすることができるので好まし
い。金属の酢酸塩、炭酸塩または水酸化物としては、ア
ルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジ
ウム)またはアルカリ土類金属(マグネシウム、カルシ
ウム、ストロンチウム、バリウム)またはランタンなど
が好ましいが、特にこれらに限定されるものではなく、
何でも用いることができる。これらの添加量は少量でよ
く、0.5mol/l以下が好ましく、更に好ましくは0.1mol/l
以下が好ましい。これ以上添加量を多くすると、逆に陽
極酸化皮膜中のリン含有量が低下してしまうので好まし
くない。
は、導電性を得るためと皮膜にリンを含有させるため
に、少なくともリンの化合物が含まれていなければなら
ない。この電解液中でチタンを陽極酸化することによ
り、リンイオンもしくはリン酸イオンを取り込みながら
酸化皮膜が成長し、結果的に、リンを含むチタン陽極酸
化皮膜が形成される。この場合、リンの化合物として
は、グリセロリン酸塩、リン酸、1-hydroxyethane-1,1-
bisphosphonate、フィチン酸等があるが、グリセロリン
酸塩またはリン酸を用いると高電圧まで安定して陽極酸
化できるので好ましい。グリセロリン酸塩としては、α
−グリセロリン酸ナトリウム、β−グリセロリン酸ナト
リウム、グリセロリン酸カルシウムなどがあるが、水へ
の溶解度が非常に高いことからβ−グリセロリン酸ナト
リウムが最も好ましい。また、これらのリンの化合物を
それぞれ単独で使用するよりも、金属の酢酸塩、炭酸
塩、水酸化物、乳酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、プ
ロピオン酸塩、グリセロリン酸塩、サリチル酸塩、シュ
ウ酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩、マレイン酸塩、ギ酸
塩、ケイ酸塩、チオシアン酸塩、酒石酸塩、ピルビン酸
塩、ホウ酸塩、フッ化物等を少量添加した電解溶液中で
陽極酸化すると、皮膜中のリンの含有量を大きく増加さ
せることができる。その結果、皮膜上に析出する水酸化
アパタイト結晶の量を多くすることができるので好まし
い。金属の酢酸塩、炭酸塩または水酸化物としては、ア
ルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジ
ウム)またはアルカリ土類金属(マグネシウム、カルシ
ウム、ストロンチウム、バリウム)またはランタンなど
が好ましいが、特にこれらに限定されるものではなく、
何でも用いることができる。これらの添加量は少量でよ
く、0.5mol/l以下が好ましく、更に好ましくは0.1mol/l
以下が好ましい。これ以上添加量を多くすると、逆に陽
極酸化皮膜中のリン含有量が低下してしまうので好まし
くない。
【0018】このような電解溶液中でチタン製インプラ
ント芯体を陽極酸化するには以下のようにして行う。陽
極酸化において、到達する最高電解電圧は10〜600Vの
範囲が好ましく、10Vより低いと陽極酸化できず、 600
Vより高くなると安定して陽極酸化できなくなり、皮膜
にむらが生じてしまう。電解電圧は、後述のように、皮
膜の組成や皮膜表面の微構造、膜厚等に影響を与えるの
で、これらが最適になるように決定される。電流は、陽
極酸化しようとする基材の表面積に応じて調節するが、
大電流のもとでは電解電圧が上昇するのが速くなり、短
時間で陽極酸化が終了する。その反面、チタン陽極酸化
皮膜の付着強度が低下したり、微構造が乱れるなどの不
都合が生じる。また、高電圧で陽極酸化するときに発生
する火花放電による発熱のために、電解溶液の温度が徐
々に上昇するので、電解溶液を冷却しながら陽極酸化す
るのが望ましい。なお、陽極酸化法については従来公知
の方法や装置などが適宜採用されることはいうまでもな
い。
ント芯体を陽極酸化するには以下のようにして行う。陽
極酸化において、到達する最高電解電圧は10〜600Vの
範囲が好ましく、10Vより低いと陽極酸化できず、 600
Vより高くなると安定して陽極酸化できなくなり、皮膜
にむらが生じてしまう。電解電圧は、後述のように、皮
膜の組成や皮膜表面の微構造、膜厚等に影響を与えるの
で、これらが最適になるように決定される。電流は、陽
極酸化しようとする基材の表面積に応じて調節するが、
大電流のもとでは電解電圧が上昇するのが速くなり、短
時間で陽極酸化が終了する。その反面、チタン陽極酸化
皮膜の付着強度が低下したり、微構造が乱れるなどの不
都合が生じる。また、高電圧で陽極酸化するときに発生
する火花放電による発熱のために、電解溶液の温度が徐
々に上昇するので、電解溶液を冷却しながら陽極酸化す
るのが望ましい。なお、陽極酸化法については従来公知
の方法や装置などが適宜採用されることはいうまでもな
い。
【0019】陽極酸化処理を終えたインプラント芯体
は、カルシウム化合物の水溶液中で加熱処理を行い、皮
膜から溶出させたリンイオンもしくはリン酸イオンと水
溶液中のカルシウムイオンを反応させ、皮膜上に水酸化
アパタイトなどのリン酸カルシウムの結晶を析出させ
る。この加熱処理は、30〜 500℃の温度範囲で行うこと
が好ましく、30℃より低いとリン酸カルシウム化合物の
結晶が全く生成せず、 500℃より高いと装置が大型にな
るのと、皮膜と基材の間の付着強度が低下するなどの理
由から好ましくない。
は、カルシウム化合物の水溶液中で加熱処理を行い、皮
膜から溶出させたリンイオンもしくはリン酸イオンと水
溶液中のカルシウムイオンを反応させ、皮膜上に水酸化
アパタイトなどのリン酸カルシウムの結晶を析出させ
る。この加熱処理は、30〜 500℃の温度範囲で行うこと
が好ましく、30℃より低いとリン酸カルシウム化合物の
結晶が全く生成せず、 500℃より高いと装置が大型にな
るのと、皮膜と基材の間の付着強度が低下するなどの理
由から好ましくない。
【0020】カルシウムの化合物としては、水に溶ける
ものなら何でもよく、塩化カルシウム、硝酸カルシウ
ム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、酢酸カルシウ
ム、乳酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、グル
コン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、プロピオン酸
カルシウム等を用いることができるが、特にこれらの化
合物に限定する必要はない。これらの化合物の濃度は、
あまり高くすると皮膜からのリンイオンもしくはリン酸
イオンの溶出が抑制されてしまうので、0.1mol/l以下が
好ましく、更に好ましくは 0.001〜0.05mol/l が好まし
い。
ものなら何でもよく、塩化カルシウム、硝酸カルシウ
ム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、酢酸カルシウ
ム、乳酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、グル
コン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、プロピオン酸
カルシウム等を用いることができるが、特にこれらの化
合物に限定する必要はない。これらの化合物の濃度は、
あまり高くすると皮膜からのリンイオンもしくはリン酸
イオンの溶出が抑制されてしまうので、0.1mol/l以下が
好ましく、更に好ましくは 0.001〜0.05mol/l が好まし
い。
【0021】特に、炭酸カルシウムを用いると、炭酸基
を含む水酸化アパタイト結晶を析出させることができ
る。骨に含まれる水酸化アパタイト結晶にも微量の炭酸
基が含まれているため、このような水酸化アパタイトは
極めて骨との適合性に優れる。また、本発明の水熱処理
は、次のような特長をもっている。すなわち、医療機関
で一般に所持しているオートクレーブは、通常 115〜 1
26℃で高圧蒸気滅菌するためのものであり、一方、上記
の水熱処理では 120℃付近でもアパタイト結晶を析出さ
せることができる。従って、特殊なオートクレーブでは
なく、一般に使用されるオートクレーブを用いても水酸
化アパタイトの皮膜を形成することができる。このこと
は、滅菌処理と水酸化アパタイト皮膜の形成を同時に、
しかも医療の現場で実施できることを意味している。
を含む水酸化アパタイト結晶を析出させることができ
る。骨に含まれる水酸化アパタイト結晶にも微量の炭酸
基が含まれているため、このような水酸化アパタイトは
極めて骨との適合性に優れる。また、本発明の水熱処理
は、次のような特長をもっている。すなわち、医療機関
で一般に所持しているオートクレーブは、通常 115〜 1
26℃で高圧蒸気滅菌するためのものであり、一方、上記
の水熱処理では 120℃付近でもアパタイト結晶を析出さ
せることができる。従って、特殊なオートクレーブでは
なく、一般に使用されるオートクレーブを用いても水酸
化アパタイトの皮膜を形成することができる。このこと
は、滅菌処理と水酸化アパタイト皮膜の形成を同時に、
しかも医療の現場で実施できることを意味している。
【0022】100℃以下で水熱処理する場合、もはやオ
ートクレーブなどの密閉容器は必要なく、大気中で加熱
処理できるので、製造設備が簡略化でき、コストを大幅
に下げることができる。本発明においては、リンを含む
チタン陽極酸化皮膜をチタンおよびチタン合金の表面に
形成させるが、この陽極酸化皮膜はチタンまたはチタン
合金の表面から析出してきたものであることから、基材
のチタンまたはチタン合金とは結晶の整合性が高く、皮
膜の付着強度が高い。また、従来の方法では、陽極酸化
皮膜にカルシウムとリンを含有させていたが、本方法で
はリンだけを含有させているので、水熱処理後の皮膜
は、多孔質の度合いが低い。そのため、皮膜自体の機械
的強度は、比較的高い値を維持し得る。
ートクレーブなどの密閉容器は必要なく、大気中で加熱
処理できるので、製造設備が簡略化でき、コストを大幅
に下げることができる。本発明においては、リンを含む
チタン陽極酸化皮膜をチタンおよびチタン合金の表面に
形成させるが、この陽極酸化皮膜はチタンまたはチタン
合金の表面から析出してきたものであることから、基材
のチタンまたはチタン合金とは結晶の整合性が高く、皮
膜の付着強度が高い。また、従来の方法では、陽極酸化
皮膜にカルシウムとリンを含有させていたが、本方法で
はリンだけを含有させているので、水熱処理後の皮膜
は、多孔質の度合いが低い。そのため、皮膜自体の機械
的強度は、比較的高い値を維持し得る。
【0023】このようなインプラントを製造する本発明
の製造方法によれば、インプラントを電解溶液に浸漬し
て陽極酸化するので、液が浸入しないような非常に細い
穴などを除けば、どのような形状をしていても溶液と接
触した表面には均一にコ−ティングすることができ、基
材の形状を問うことはない。しかも特殊な装置を必要と
せず、陽極酸化に要する時間は数10秒から数分と比較的
短時間で済むので、実用上好ましい。なお、陽極酸化さ
れていない金属基材部分には水酸化アパタイト結晶は形
成されないので、場所を選択して水酸化アパタイト皮膜
を形成させることができる。
の製造方法によれば、インプラントを電解溶液に浸漬し
て陽極酸化するので、液が浸入しないような非常に細い
穴などを除けば、どのような形状をしていても溶液と接
触した表面には均一にコ−ティングすることができ、基
材の形状を問うことはない。しかも特殊な装置を必要と
せず、陽極酸化に要する時間は数10秒から数分と比較的
短時間で済むので、実用上好ましい。なお、陽極酸化さ
れていない金属基材部分には水酸化アパタイト結晶は形
成されないので、場所を選択して水酸化アパタイト皮膜
を形成させることができる。
【0024】本発明による陽極酸化皮膜には少なくとも
リンが含まれているので、加熱処理を行わないで骨組織
中に埋植した場合でも、陽極酸化皮膜から溶出したリン
イオンもしくはリン酸イオンと体液中のカルシウムイオ
ンが体温で反応して、自然にインプラントの表面上にア
パタイト皮膜が形成され、この皮膜を介してインプラン
トと骨を化学的に結合させることもできる。
リンが含まれているので、加熱処理を行わないで骨組織
中に埋植した場合でも、陽極酸化皮膜から溶出したリン
イオンもしくはリン酸イオンと体液中のカルシウムイオ
ンが体温で反応して、自然にインプラントの表面上にア
パタイト皮膜が形成され、この皮膜を介してインプラン
トと骨を化学的に結合させることもできる。
【0025】以下、実施例によりさらに詳しく本発明に
ついて説明する。
ついて説明する。
【0026】
〔実施例1〜5〕インプラントとしての純チタンを次の
条件で陽極酸化した。濃度が0.04〜0.12mol/l のβ−グ
リセロリン酸ナトリウムと 0.05mol/lの酢酸カルシウム
とを電解質とし、これらを蒸留水に溶解して電解溶液を
作った。β−グリセロリン酸ナトリウムの濃度は、0.04
〜0.12mol/l の範囲で0.02mol/l づつ変えた5段階とし
た。つまり、実施例1のβ−グリセロリン酸ナトリウム
の濃度は 0.04mol/l、実施2は、0.06mol/l 、以下同様
に、実施例5まで濃度を5段階に変えたものである。
条件で陽極酸化した。濃度が0.04〜0.12mol/l のβ−グ
リセロリン酸ナトリウムと 0.05mol/lの酢酸カルシウム
とを電解質とし、これらを蒸留水に溶解して電解溶液を
作った。β−グリセロリン酸ナトリウムの濃度は、0.04
〜0.12mol/l の範囲で0.02mol/l づつ変えた5段階とし
た。つまり、実施例1のβ−グリセロリン酸ナトリウム
の濃度は 0.04mol/l、実施2は、0.06mol/l 、以下同様
に、実施例5まで濃度を5段階に変えたものである。
【0027】陽極酸化条件は、電解溶液温度を30℃、電
流密度を50mA/cm2、予め設定する最高到達電圧を 350
Vとした。陽極酸化された純チタンは、濃度 0.01mol/l
の酢酸カルシウム水溶液 200mlとともにオートクレーブ
に入れ、 180℃、4時間加熱(水熱処理)した。図1
は、陽極酸化と水熱処理を終了したインプラントの表面
付近の断面を示す部分模式図である。水酸化アパタイト
層1は、陽極酸化皮膜2の上に形成され、陽極酸化皮膜
2は、チタン基材3の上に形成されている。実施例3の
場合、水酸化アパタイト層1と陽極酸化皮膜2とを合わ
せた厚さは5μm であった。
流密度を50mA/cm2、予め設定する最高到達電圧を 350
Vとした。陽極酸化された純チタンは、濃度 0.01mol/l
の酢酸カルシウム水溶液 200mlとともにオートクレーブ
に入れ、 180℃、4時間加熱(水熱処理)した。図1
は、陽極酸化と水熱処理を終了したインプラントの表面
付近の断面を示す部分模式図である。水酸化アパタイト
層1は、陽極酸化皮膜2の上に形成され、陽極酸化皮膜
2は、チタン基材3の上に形成されている。実施例3の
場合、水酸化アパタイト層1と陽極酸化皮膜2とを合わ
せた厚さは5μm であった。
【0028】インプラント表面の走査型電子顕微鏡観察
から、陽極酸化皮膜に含まれていたリンイオンもしくは
リン酸イオンと酢酸カルシウム水溶液中のカルシウムイ
オンが反応して、陽極酸化皮膜上に水酸化アパタイトの
微結晶が無数に析出し、陽極酸化皮膜の表面を覆ってい
ることがわかった。この析出した層に対するX線回折図
形には、水酸化アパタイトの回折ピ−クが見られた。
から、陽極酸化皮膜に含まれていたリンイオンもしくは
リン酸イオンと酢酸カルシウム水溶液中のカルシウムイ
オンが反応して、陽極酸化皮膜上に水酸化アパタイトの
微結晶が無数に析出し、陽極酸化皮膜の表面を覆ってい
ることがわかった。この析出した層に対するX線回折図
形には、水酸化アパタイトの回折ピ−クが見られた。
【0029】また、β−グリセロリン酸ナトリウムの濃
度増加とともに水酸化アパタイトの析出量も増加する傾
向があった。 〔実施例6〕上記実施例3において、インプラント芯体
を純チタンからTi-6Al-4V合金に代えただけで、他
の条件は実施例3と同様に、陽極酸化及び水熱処理を行
った。
度増加とともに水酸化アパタイトの析出量も増加する傾
向があった。 〔実施例6〕上記実施例3において、インプラント芯体
を純チタンからTi-6Al-4V合金に代えただけで、他
の条件は実施例3と同様に、陽極酸化及び水熱処理を行
った。
【0030】このようにチタン合金を用いた場合でも、
純チタンと同様に、陽極酸化皮膜と水酸化アパタイト層
が形成され、チタン合金表面を覆っていた。 〔実施例7〕上記実施例1において、電解溶液の成分を
酢酸カルシウムに代えて酢酸ナトリウムとし、陽極酸化
を行った。すなわち、電解溶液にはカルシウムが含まれ
ないので、当然に陽極酸化皮膜中にもカルシウムイオン
は取り込まれていない。それにもかかわらず、水熱処理
後の陽極酸化皮膜上には水酸化アパタイト結晶が析出し
た。このことは、陽極酸化皮膜中に取り込まれたリンイ
オンもしくはリン酸イオンと、水熱処理に用いられた酢
酸カルシウム水溶液中のカルシウムイオンとが反応して
水酸化アパタイト結晶が析出したものと解釈できる。従
って、電解溶液にカルシウムを含まなくともよい。その
結果、例えば酢酸塩の場合には、酢酸カルシウムだけに
限られず、それ以外の金属元素を含む酢酸塩を用いるこ
とができる。
純チタンと同様に、陽極酸化皮膜と水酸化アパタイト層
が形成され、チタン合金表面を覆っていた。 〔実施例7〕上記実施例1において、電解溶液の成分を
酢酸カルシウムに代えて酢酸ナトリウムとし、陽極酸化
を行った。すなわち、電解溶液にはカルシウムが含まれ
ないので、当然に陽極酸化皮膜中にもカルシウムイオン
は取り込まれていない。それにもかかわらず、水熱処理
後の陽極酸化皮膜上には水酸化アパタイト結晶が析出し
た。このことは、陽極酸化皮膜中に取り込まれたリンイ
オンもしくはリン酸イオンと、水熱処理に用いられた酢
酸カルシウム水溶液中のカルシウムイオンとが反応して
水酸化アパタイト結晶が析出したものと解釈できる。従
って、電解溶液にカルシウムを含まなくともよい。その
結果、例えば酢酸塩の場合には、酢酸カルシウムだけに
限られず、それ以外の金属元素を含む酢酸塩を用いるこ
とができる。
【0031】〔実施例8、9〕実施例8は、実施例3に
おいて、水熱処理の温度のみを 180℃から 120℃に下げ
た例であり、実施例3と同様の水酸化アパタイト結晶の
析出が観察された。また、実施例9は、実施例6におい
て、水熱処理の温度のみを 180℃から 120℃に下げた例
であり、実施例6と同様の水酸化アパタイト結晶の析出
が観察された。
おいて、水熱処理の温度のみを 180℃から 120℃に下げ
た例であり、実施例3と同様の水酸化アパタイト結晶の
析出が観察された。また、実施例9は、実施例6におい
て、水熱処理の温度のみを 180℃から 120℃に下げた例
であり、実施例6と同様の水酸化アパタイト結晶の析出
が観察された。
【0032】図2は、実施例9におけるインプラント表
面の走査型電子顕微鏡写真を示す。水熱処理を 120℃と
低い温度で行っても、陽極酸化皮膜上に水酸化アパタイ
ト結晶を析出させることができた。 〔実施例10〕実施例10は、実施例8において、水熱
処理の温度を 120℃から70℃に下げ、時間を4時間から
3日間に長くした例であり、実施例8と同様に、水酸化
アパタイトの微結晶が析出し、表面を覆った。加熱処理
を70℃と非常に低い温度で行っても、陽極酸化皮膜上に
水酸化アパタイト結晶を析出させることができた。
面の走査型電子顕微鏡写真を示す。水熱処理を 120℃と
低い温度で行っても、陽極酸化皮膜上に水酸化アパタイ
ト結晶を析出させることができた。 〔実施例10〕実施例10は、実施例8において、水熱
処理の温度を 120℃から70℃に下げ、時間を4時間から
3日間に長くした例であり、実施例8と同様に、水酸化
アパタイトの微結晶が析出し、表面を覆った。加熱処理
を70℃と非常に低い温度で行っても、陽極酸化皮膜上に
水酸化アパタイト結晶を析出させることができた。
【0033】〔実施例11〜13〕インプラントとして
の純チタンを次の条件で陽極酸化した。電解溶液とし
て、以下の3種類を用いた。実施例11では、濃度が
0.26mol/lのリン酸水溶液に0.1mol/lの酢酸カルシウム
を加えた電解溶液、実施例12では、濃度が 0.26mol/l
のリン酸水溶液に0.1mol/lの炭酸カルシウムを加えた電
解溶液、実施例13では、濃度が 0.26mol/lのリン酸水
溶液に0.1mol/lの水酸化カルシウムを加えた電解溶液を
用いた。陽極酸化における最高到達電圧を 350Vとし
た。
の純チタンを次の条件で陽極酸化した。電解溶液とし
て、以下の3種類を用いた。実施例11では、濃度が
0.26mol/lのリン酸水溶液に0.1mol/lの酢酸カルシウム
を加えた電解溶液、実施例12では、濃度が 0.26mol/l
のリン酸水溶液に0.1mol/lの炭酸カルシウムを加えた電
解溶液、実施例13では、濃度が 0.26mol/lのリン酸水
溶液に0.1mol/lの水酸化カルシウムを加えた電解溶液を
用いた。陽極酸化における最高到達電圧を 350Vとし
た。
【0034】陽極酸化された純チタンは、濃度 0.01mol
/lの酢酸カルシウム水溶液 200mlとともにオートクレー
ブに入れ、 180℃、4時間加熱(水熱処理)した。図3
は、実施例11におけるインプラント表面の走査型電子
顕微鏡写真を示す。リンを含む電解溶液としてリン酸を
用いた場合にも、柱状の水酸化アパタイト微結晶を析出
させることができた。更に、リン酸を用いた場合、これ
に添加する電解質は、酢酸塩に限らず炭酸塩や水酸化物
を用いても水酸化アパタイト結晶を析出させることがで
きた。
/lの酢酸カルシウム水溶液 200mlとともにオートクレー
ブに入れ、 180℃、4時間加熱(水熱処理)した。図3
は、実施例11におけるインプラント表面の走査型電子
顕微鏡写真を示す。リンを含む電解溶液としてリン酸を
用いた場合にも、柱状の水酸化アパタイト微結晶を析出
させることができた。更に、リン酸を用いた場合、これ
に添加する電解質は、酢酸塩に限らず炭酸塩や水酸化物
を用いても水酸化アパタイト結晶を析出させることがで
きた。
【0035】〔実施例14〕上記実施例11において、
インプラント芯体を純チタンからTi-6Al-4V合金に
代えただけで、他の条件は実施例11と同様に、陽極酸
化及び水熱処理を行った。このようにチタン合金を用い
た場合でも、純チタンと同様に、陽極酸化皮膜と水酸化
アパタイト層が形成され、チタン合金表面を覆ってい
た。
インプラント芯体を純チタンからTi-6Al-4V合金に
代えただけで、他の条件は実施例11と同様に、陽極酸
化及び水熱処理を行った。このようにチタン合金を用い
た場合でも、純チタンと同様に、陽極酸化皮膜と水酸化
アパタイト層が形成され、チタン合金表面を覆ってい
た。
【0036】〔実施例15〕上記実施例11において、
電解溶液の成分を酢酸カルシウムに代えて酢酸ナトリウ
ムとし、陽極酸化を行った。すなわち電解溶液にはカル
シウムが含まれないので、当然に陽極酸化皮膜中にもカ
ルシウムイオンは取り込まれていない。それにもかかわ
らず、水熱処理後の陽極酸化皮膜上には水酸化アパタイ
ト結晶が析出した。このことは、陽極酸化皮膜中に取り
込まれたリンイオンもしくはリン酸イオンと、水熱処理
に用いられた酢酸カルシウム水溶液中のカルシウムイオ
ンとが反応して水酸化アパタイト結晶が析出したものと
解釈できる。従って、電解溶液にカルシウムを含まなく
ともよい。その結果、例えば酢酸塩の場合には、酢酸カ
ルシウムだけに限られず、それ以外の金属、例えばスト
ロンチウムの酢酸塩を用いることもできる。さらに、上
記実施例11〜13の結果を併せて考えると、酢酸塩だ
けに限られず、請求項2に記載の化合物、例えば炭酸塩
や水酸化物を用いることもできるので、結果的に非常に
多種類の化合物を用いることができる。
電解溶液の成分を酢酸カルシウムに代えて酢酸ナトリウ
ムとし、陽極酸化を行った。すなわち電解溶液にはカル
シウムが含まれないので、当然に陽極酸化皮膜中にもカ
ルシウムイオンは取り込まれていない。それにもかかわ
らず、水熱処理後の陽極酸化皮膜上には水酸化アパタイ
ト結晶が析出した。このことは、陽極酸化皮膜中に取り
込まれたリンイオンもしくはリン酸イオンと、水熱処理
に用いられた酢酸カルシウム水溶液中のカルシウムイオ
ンとが反応して水酸化アパタイト結晶が析出したものと
解釈できる。従って、電解溶液にカルシウムを含まなく
ともよい。その結果、例えば酢酸塩の場合には、酢酸カ
ルシウムだけに限られず、それ以外の金属、例えばスト
ロンチウムの酢酸塩を用いることもできる。さらに、上
記実施例11〜13の結果を併せて考えると、酢酸塩だ
けに限られず、請求項2に記載の化合物、例えば炭酸塩
や水酸化物を用いることもできるので、結果的に非常に
多種類の化合物を用いることができる。
【0037】表1は、以上の実施例1〜15をまとめた
ものである。表中、電解質1は、陽極酸化に用いられる
主成分となる電解質を示し、電解質2は、これに添加さ
れる電解質を示す。
ものである。表中、電解質1は、陽極酸化に用いられる
主成分となる電解質を示し、電解質2は、これに添加さ
れる電解質を示す。
【0038】
【表1】
【0039】なお、上記の全実施例において、インプラ
ント芯体の形状が複雑であったり、例えばネジが形成さ
れていたりチタン粉末がプラズマ溶射された粗い表面で
あっても、陽極酸化皮膜と水酸化アパタイト層を均一な
厚さに形成することができた。
ント芯体の形状が複雑であったり、例えばネジが形成さ
れていたりチタン粉末がプラズマ溶射された粗い表面で
あっても、陽極酸化皮膜と水酸化アパタイト層を均一な
厚さに形成することができた。
【0040】
【発明の効果】本発明の請求項1〜4は、陽極酸化処理
と加熱処理によってインプラント芯体の表面に水酸化ア
パタイト層をコーティングする方法である。その操作は
プラズマ溶射などのアパタイト形成法と比べると極めて
簡単である。陽極酸化は、通常の装置を使って、室温の
電解溶液中ででき、電解溶液の成分及び濃度と、電解条
件を設定すれば、陽極酸化は最後まで自動的に行われる
ので熟練は必要としない。
と加熱処理によってインプラント芯体の表面に水酸化ア
パタイト層をコーティングする方法である。その操作は
プラズマ溶射などのアパタイト形成法と比べると極めて
簡単である。陽極酸化は、通常の装置を使って、室温の
電解溶液中ででき、電解溶液の成分及び濃度と、電解条
件を設定すれば、陽極酸化は最後まで自動的に行われる
ので熟練は必要としない。
【0041】また、加熱処理も、70〜 180℃と比較的低
温の処理であり、圧力もそれほど高くならないので、安
価で一般的なオートクレーブを用いることができるし、
大気中で加熱処理する場合はオートクレーブも必要ない
ため、誰でもできる操作である。医療現場で操作すると
きには、滅菌処理温度を兼ねて実施することができるの
で、インプラント製造から治療までの手順が短縮でき
る。
温の処理であり、圧力もそれほど高くならないので、安
価で一般的なオートクレーブを用いることができるし、
大気中で加熱処理する場合はオートクレーブも必要ない
ため、誰でもできる操作である。医療現場で操作すると
きには、滅菌処理温度を兼ねて実施することができるの
で、インプラント製造から治療までの手順が短縮でき
る。
【0042】本発明の請求項5は、陽極酸化処理を施す
だけなので、加熱処理は不要となり、インプラント製造
のスピードアップとコスト削減を図ることができる。イ
ンプラントは、その性質上、一つ一つの形状や表面状態
が異なるものであるが、本発明の方法によれば、どの様
なタイプのものでも均一な厚さのアパタイト層をコーテ
ィングできる。
だけなので、加熱処理は不要となり、インプラント製造
のスピードアップとコスト削減を図ることができる。イ
ンプラントは、その性質上、一つ一つの形状や表面状態
が異なるものであるが、本発明の方法によれば、どの様
なタイプのものでも均一な厚さのアパタイト層をコーテ
ィングできる。
【図1】本発明の実施例1〜15で製造したインプラン
トの表面付近の断面を示す部分模式図である。
トの表面付近の断面を示す部分模式図である。
【図2】本発明の実施例9におけるインプラント表面の
走査型電子顕微鏡写真である。
走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】本発明の実施例11におけるインプラント表面
の走査型電子顕微鏡写真である。
の走査型電子顕微鏡写真である。
1・・・水酸化アパタイト層(水酸化アパタイト皮膜) 2・・・陽極酸化皮膜 3・・・チタン基材
Claims (5)
- 【請求項1】 少なくともリンの化合物を含む電解溶液
中で、芯体の全部あるいは表面だけがチタンまたはチタ
ン合金からなるインプラント芯体を陽極酸化する工程
と;前記陽極酸化されたインプラント芯体をカルシウム
化合物を含む溶液中で加熱処理する工程と;から成るこ
とを特徴とするインプラントの製造方法。 - 【請求項2】 前記電解溶液は、グリセロリン酸塩又は
リン酸を主成分とする溶液に、金属の酢酸塩、炭酸塩、
水酸化物、乳酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、プロピ
オン酸塩、グリセロリン酸塩、サリチル酸塩、シュウ酸
塩、マロン酸塩、安息香酸塩、マレイン酸塩、ギ酸塩、
ケイ酸塩、チオシアン酸塩、酒石酸塩、ピルビン酸塩、
ホウ酸塩、フッ化物のうち少なくとも1種類を添加した
電解溶液であることを特徴とする、請求項1に記載のイ
ンプラントの製造方法。 - 【請求項3】 前記加熱処理は、30〜 300℃の範囲で行
うことを特徴とする、請求項1に記載のインプラントの
製造方法。 - 【請求項4】 前記加熱処理は、インプラントの滅菌処
理と同時に行われることを特徴とする、請求項1に記載
のインプラントの製造方法。 - 【請求項5】 グリセロリン酸塩又はリン酸を主成分と
する溶液に、金属の酢酸塩、炭酸塩、水酸化物、乳酸
塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、プロピオン酸塩、グリ
セロリン酸塩、サリチル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸
塩、安息香酸塩、マレイン酸塩、ギ酸塩、ケイ酸塩、チ
オシアン酸塩、酒石酸塩、ピルビン酸塩、ホウ酸塩、フ
ッ化物のうち少なくとも1種類を添加した電解溶液中
で、芯体の全部あるいは表面だけがチタンまたはチタン
合金からなるインプラント芯体を陽極酸化する、ことを
特徴とするインプラントの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9164117A JPH119679A (ja) | 1997-06-20 | 1997-06-20 | インプラントの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9164117A JPH119679A (ja) | 1997-06-20 | 1997-06-20 | インプラントの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH119679A true JPH119679A (ja) | 1999-01-19 |
Family
ID=15787082
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9164117A Pending JPH119679A (ja) | 1997-06-20 | 1997-06-20 | インプラントの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH119679A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004024200A1 (en) * | 2002-09-16 | 2004-03-25 | Lynntech Coatings, Ltd. | Biocompatible implants |
JP2004531305A (ja) * | 2001-04-02 | 2004-10-14 | ストラテック メディカル アクチエンゲゼルシャフト | 特に医療インプラントおよびプロテーゼ用の生体活性表面層 |
JP2007068854A (ja) * | 2005-09-08 | 2007-03-22 | Univ Kinki | 骨代替材料、該骨代替材料を含む医療用材料、及び該骨代替材料の製造方法 |
JP2008237425A (ja) * | 2007-03-27 | 2008-10-09 | Gc Corp | チタンまたはチタン合金の表面処理方法 |
JP2009061104A (ja) * | 2007-09-06 | 2009-03-26 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 生体インプラント及びその製造方法 |
JP2012095735A (ja) * | 2010-10-29 | 2012-05-24 | Kyushu Univ | リン酸塩被覆材料、アパタイト被覆材料、およびこれらの製造方法 |
JP2014136008A (ja) * | 2013-01-16 | 2014-07-28 | Olympus Corp | インプラント |
JP2015511666A (ja) * | 2012-03-02 | 2015-04-20 | シンセス・ゲーエムベーハーSynthes GmbH | 陽極酸化チタン装置及び関連方法 |
WO2018174475A1 (ko) * | 2017-03-21 | 2018-09-27 | 조선대학교산학협력단 | 플라즈마 전해 산화 공정에서 금속과 실리콘이 함유된 전해질 조성물 및 그 조성물을 이용하여 금속이온과 실리콘 이온을 함유하는 수산화아파타이트가 코팅된 치과용 임플란트 제조방법 |
KR20220011298A (ko) * | 2020-07-21 | 2022-01-28 | 조선대학교산학협력단 | Ti-Nb-Ta합금을 이용한 치과용 임플란트의 제조방법 및 치과용 임플란트 |
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1997
- 1997-06-20 JP JP9164117A patent/JPH119679A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004531305A (ja) * | 2001-04-02 | 2004-10-14 | ストラテック メディカル アクチエンゲゼルシャフト | 特に医療インプラントおよびプロテーゼ用の生体活性表面層 |
WO2004024200A1 (en) * | 2002-09-16 | 2004-03-25 | Lynntech Coatings, Ltd. | Biocompatible implants |
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