JPH119671A - 複合消臭フィルタ及びそれを備える複合消臭フィルタ装置 - Google Patents
複合消臭フィルタ及びそれを備える複合消臭フィルタ装置Info
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- JPH119671A JPH119671A JP9166122A JP16612297A JPH119671A JP H119671 A JPH119671 A JP H119671A JP 9166122 A JP9166122 A JP 9166122A JP 16612297 A JP16612297 A JP 16612297A JP H119671 A JPH119671 A JP H119671A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 消臭速度が速く、除去した臭気分子の再放出
が抑えられ、再生操作が不要で長期間安定して使用でき
る消臭フィルタと消臭フィルタの性能を維持する手段を
備えるフィルタ装置を提供する。 【解決手段】 消臭フィルタは臭気分子を吸着する吸着
材と、臭気分子に対して触媒として働き酸化反応を生じ
せしめる遷移金属キレート化合物とにより構成され、吸
着材による速やかな臭気吸着と、吸着材から離脱した臭
気を遷移キレート化合物により分解することで、長期の
性能維持がなされる。フィルタの形態の一例として、図
示するごとくに遷移金属キレート化合物を担持させた不
織布による通気性バッグ1で活性炭フィルタ2を包み込
んで複合消臭フィルタ10とする。更には、臭気分子の
分解を促進する目的で図示しない通気性の加熱手段を配
する。更には、複合消臭フィルタへ水分を供給する図示
しない水分供給手段を付加し、低湿度環境下での性能低
下を防ぐ。
が抑えられ、再生操作が不要で長期間安定して使用でき
る消臭フィルタと消臭フィルタの性能を維持する手段を
備えるフィルタ装置を提供する。 【解決手段】 消臭フィルタは臭気分子を吸着する吸着
材と、臭気分子に対して触媒として働き酸化反応を生じ
せしめる遷移金属キレート化合物とにより構成され、吸
着材による速やかな臭気吸着と、吸着材から離脱した臭
気を遷移キレート化合物により分解することで、長期の
性能維持がなされる。フィルタの形態の一例として、図
示するごとくに遷移金属キレート化合物を担持させた不
織布による通気性バッグ1で活性炭フィルタ2を包み込
んで複合消臭フィルタ10とする。更には、臭気分子の
分解を促進する目的で図示しない通気性の加熱手段を配
する。更には、複合消臭フィルタへ水分を供給する図示
しない水分供給手段を付加し、低湿度環境下での性能低
下を防ぐ。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空調装置を中心と
する電気機器に応用して空気の消臭を行う消臭用フィル
タに関する。
する電気機器に応用して空気の消臭を行う消臭用フィル
タに関する。
【0002】
【従来の技術】生活の質の高度化に伴い、住環境の快適
さを追求することが求められている。気密性の高い家屋
では、特に臭いがこもりやすく、タバコ臭,汗による臭
い,乳児の臭い,ペットの臭い等を取り除きたいという
要望が強まっている。これに対し、空調装置を中心とす
る電気機器にも脱臭・消臭の機能が取り入れられてきた
が、これは活性炭フィルタ,光触媒酸化,オゾン酸化等
によるものであった。
さを追求することが求められている。気密性の高い家屋
では、特に臭いがこもりやすく、タバコ臭,汗による臭
い,乳児の臭い,ペットの臭い等を取り除きたいという
要望が強まっている。これに対し、空調装置を中心とす
る電気機器にも脱臭・消臭の機能が取り入れられてきた
が、これは活性炭フィルタ,光触媒酸化,オゾン酸化等
によるものであった。
【0003】活性炭フィルタは、臭気分子を吸着するこ
とによって雰囲気の臭気を脱臭するが、吸着量に限界が
あるため、吸着機能は一時的になり、活性炭に吸着した
臭気分子が平衡によって離脱し再放出されてしまうとい
う問題があった。この問題を解決するため、活性炭を加
熱処理によって再生し、白金,ニッケル等による金属触
媒酸化で脱臭するという方法も考案されている(例え
ば、特開昭63−240923号公報,特開平3−22
4619号公報)。しかしながら、この金属触媒酸化
は、約300〜400度と常時高温に加熱する必要があ
り、活性炭が高温で着火する問題があるだけでなく、調
理器具,暖防器具以外の家庭用電気機器に利用するに
は、消費電力が高くなったり、耐熱設計の必要性が生じ
たりする等の問題があった。さらに、加熱温度が高いた
め、脱着速度が触媒速度より速く、消臭しきれない臭い
が出てきたり、臭い分子および触媒によって生成された
分子が加熱温度で反応し、有害成分や新たな臭気を発生
するという問題もあった。
とによって雰囲気の臭気を脱臭するが、吸着量に限界が
あるため、吸着機能は一時的になり、活性炭に吸着した
臭気分子が平衡によって離脱し再放出されてしまうとい
う問題があった。この問題を解決するため、活性炭を加
熱処理によって再生し、白金,ニッケル等による金属触
媒酸化で脱臭するという方法も考案されている(例え
ば、特開昭63−240923号公報,特開平3−22
4619号公報)。しかしながら、この金属触媒酸化
は、約300〜400度と常時高温に加熱する必要があ
り、活性炭が高温で着火する問題があるだけでなく、調
理器具,暖防器具以外の家庭用電気機器に利用するに
は、消費電力が高くなったり、耐熱設計の必要性が生じ
たりする等の問題があった。さらに、加熱温度が高いた
め、脱着速度が触媒速度より速く、消臭しきれない臭い
が出てきたり、臭い分子および触媒によって生成された
分子が加熱温度で反応し、有害成分や新たな臭気を発生
するという問題もあった。
【0004】また、光触媒酸化は、消臭速度が遅いだけ
でなく、励起光源を併設する必要があり、設備が大型化
し、電力消費も増大してコスト上昇の要因となるなどの
問題があった。さらに、オゾン酸化においては、過剰オ
ゾンを分解する装置が必要不可欠であり、装置コストが
上昇するとともに、電力消費も増大し、さらにオゾンそ
のものが人体に有害なため安全性を維持する困難さにお
いても問題があった。
でなく、励起光源を併設する必要があり、設備が大型化
し、電力消費も増大してコスト上昇の要因となるなどの
問題があった。さらに、オゾン酸化においては、過剰オ
ゾンを分解する装置が必要不可欠であり、装置コストが
上昇するとともに、電力消費も増大し、さらにオゾンそ
のものが人体に有害なため安全性を維持する困難さにお
いても問題があった。
【0005】一方、鉄フタロシアニンをはじめとして、
遷移金属キレート化合物を用いた酸化触媒法が、これら
の問題を解決する手段として検討されてきた(白井汪芳
著「化学と工業」10月号27頁(1991)、戸嶋直
樹著「工業材料」10月号45頁(1991)など)。
しかしながら、遷移金属キレート化合物は活性炭に比べ
て消臭速度が遅く、しかも空調装置等の空気が流動する
環境では消臭効果が著しく低下する問題があった。
遷移金属キレート化合物を用いた酸化触媒法が、これら
の問題を解決する手段として検討されてきた(白井汪芳
著「化学と工業」10月号27頁(1991)、戸嶋直
樹著「工業材料」10月号45頁(1991)など)。
しかしながら、遷移金属キレート化合物は活性炭に比べ
て消臭速度が遅く、しかも空調装置等の空気が流動する
環境では消臭効果が著しく低下する問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のごと
き実情に鑑みてなされたもので、消臭速度が速く、しか
も空気が流動する環境でも消臭効果が高く、除去した臭
気分子の再放出が抑えられ、再生操作が不要で、低コス
トで長期間安定して使用できる消臭フィルタと、該消臭
フィルタの性能を維持・向上させるための手段を備える
消臭フィルタ装置を提供することをその解決すべき課題
とする。
き実情に鑑みてなされたもので、消臭速度が速く、しか
も空気が流動する環境でも消臭効果が高く、除去した臭
気分子の再放出が抑えられ、再生操作が不要で、低コス
トで長期間安定して使用できる消臭フィルタと、該消臭
フィルタの性能を維持・向上させるための手段を備える
消臭フィルタ装置を提供することをその解決すべき課題
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、臭気
分子を吸着する吸着材と、臭気分子に対して触媒として
働き該臭気分子に酸化反応を生じせしめる遷移金属キレ
ート化合物とを含んでなる消臭手段を有する複合消臭フ
ィルタにおいて、前記消臭手段は、前記吸着材を含み通
気性を有してなる吸着材含有成形体と前記遷移金属キレ
ート化合物を含み通気性を有してなる遷移金属キレート
化合物含有成形体よりなり、前記吸着材含有成形体を前
記遷移金属キレート化合物含有成形体で包み込んで配す
るようにしたことを特徴としたものである。
分子を吸着する吸着材と、臭気分子に対して触媒として
働き該臭気分子に酸化反応を生じせしめる遷移金属キレ
ート化合物とを含んでなる消臭手段を有する複合消臭フ
ィルタにおいて、前記消臭手段は、前記吸着材を含み通
気性を有してなる吸着材含有成形体と前記遷移金属キレ
ート化合物を含み通気性を有してなる遷移金属キレート
化合物含有成形体よりなり、前記吸着材含有成形体を前
記遷移金属キレート化合物含有成形体で包み込んで配す
るようにしたことを特徴としたものである。
【0008】請求項2の発明は、臭気分子を吸着する吸
着材と、臭気分子に対して触媒として働き該臭気分子に
酸化反応を生じせしめる遷移金属キレート化合物とを含
んでなる消臭手段を有する複合消臭フィルタにおいて、
前記消臭手段は、前記吸着材を含み通気性を有してなる
吸着材含有成形体と前記遷移金属キレート化合物を含み
通気性を有してなる遷移金属キレート化合物含有成形体
よりなり、第1及び第2の前記遷移金属キレート化合物
含有成形体の間に前記吸着材含有成形体を配するように
したことを特徴としたものである。
着材と、臭気分子に対して触媒として働き該臭気分子に
酸化反応を生じせしめる遷移金属キレート化合物とを含
んでなる消臭手段を有する複合消臭フィルタにおいて、
前記消臭手段は、前記吸着材を含み通気性を有してなる
吸着材含有成形体と前記遷移金属キレート化合物を含み
通気性を有してなる遷移金属キレート化合物含有成形体
よりなり、第1及び第2の前記遷移金属キレート化合物
含有成形体の間に前記吸着材含有成形体を配するように
したことを特徴としたものである。
【0009】請求項3の発明は、臭気分子を吸着する吸
着材と、臭気分子に対して触媒として働き該臭気分子に
酸化反応を生じせしめる遷移金属キレート化合物とを含
んでなる消臭手段を有する複合消臭フィルタにおいて、
前記消臭手段は、前記吸着材を含んでなる繊維状成形体
と、前記遷移金属キレート化合物を含んでなる繊維状成
形体よりなることを特徴としたものである。
着材と、臭気分子に対して触媒として働き該臭気分子に
酸化反応を生じせしめる遷移金属キレート化合物とを含
んでなる消臭手段を有する複合消臭フィルタにおいて、
前記消臭手段は、前記吸着材を含んでなる繊維状成形体
と、前記遷移金属キレート化合物を含んでなる繊維状成
形体よりなることを特徴としたものである。
【0010】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て、前記消臭手段を通気性を有する基体に編み込んで構
成したことを特徴としたものである。
て、前記消臭手段を通気性を有する基体に編み込んで構
成したことを特徴としたものである。
【0011】請求項5の発明は、臭気分子を吸着する吸
着材と、臭気分子に対して触媒として働き該臭気分子に
酸化反応を生じせしめる遷移金属キレート化合物とを含
んでなる消臭手段を有する複合消臭フィルタにおいて、
前記消臭手段を加熱するための通気性を有する加熱手段
を備え、該加熱手段と前記消臭手段とを一体化してなる
ようにしたことを特徴としたものである。
着材と、臭気分子に対して触媒として働き該臭気分子に
酸化反応を生じせしめる遷移金属キレート化合物とを含
んでなる消臭手段を有する複合消臭フィルタにおいて、
前記消臭手段を加熱するための通気性を有する加熱手段
を備え、該加熱手段と前記消臭手段とを一体化してなる
ようにしたことを特徴としたものである。
【0012】請求項6の発明は、請求項5の発明におい
て、前記吸着材として粉末または顆粒の吸着材を用い、
互いに接着した前記加熱手段及び前記吸着材に前記遷移
金属キレート化合物を担持させてなるようにしたことを
特徴としたものである。
て、前記吸着材として粉末または顆粒の吸着材を用い、
互いに接着した前記加熱手段及び前記吸着材に前記遷移
金属キレート化合物を担持させてなるようにしたことを
特徴としたものである。
【0013】請求項7の発明は、臭気分子を吸着する吸
着材と、臭気分子に対して触媒として働き該臭気分子に
酸化反応を生じせしめる遷移金属キレート化合物とを含
んでなる消臭手段を有する複合消臭フィルタにおいて、
前記消臭手段を加熱するための通気性を有する加熱手段
を備え、前記消臭手段として粉末または顆粒の前記吸着
材と粉末または顆粒の前記遷移金属キレート化合物とを
用い、前記消臭手段を包含する1または複数のケースを
前記加熱手段に取り付けてなるようにしたことを特徴と
したものである。
着材と、臭気分子に対して触媒として働き該臭気分子に
酸化反応を生じせしめる遷移金属キレート化合物とを含
んでなる消臭手段を有する複合消臭フィルタにおいて、
前記消臭手段を加熱するための通気性を有する加熱手段
を備え、前記消臭手段として粉末または顆粒の前記吸着
材と粉末または顆粒の前記遷移金属キレート化合物とを
用い、前記消臭手段を包含する1または複数のケースを
前記加熱手段に取り付けてなるようにしたことを特徴と
したものである。
【0014】請求項8の発明は、臭気分子を吸着する吸
着材と、臭気分子に対して触媒として働き該臭気分子に
酸化反応を生じせしめる遷移金属キレート化合物とを含
んでなる消臭手段を有する複合消臭フィルタにおいて、
前記消臭手段を加熱するための通気性を有する加熱手段
を備え、前記消臭手段として前記遷移金属キレート化合
物を担持させた粉末または顆粒の前記吸着材を用い、前
記消臭手段を包含する1または複数のケースを前記加熱
手段に取り付けてなるようにしたことを特徴としたもの
である。
着材と、臭気分子に対して触媒として働き該臭気分子に
酸化反応を生じせしめる遷移金属キレート化合物とを含
んでなる消臭手段を有する複合消臭フィルタにおいて、
前記消臭手段を加熱するための通気性を有する加熱手段
を備え、前記消臭手段として前記遷移金属キレート化合
物を担持させた粉末または顆粒の前記吸着材を用い、前
記消臭手段を包含する1または複数のケースを前記加熱
手段に取り付けてなるようにしたことを特徴としたもの
である。
【0015】請求項9の発明は、請求項4の発明におい
て、前記消臭手段を加熱するための通気性を有する加熱
手段を備え、前記通気性を有する基体として前記加熱手
段を用いるようにしたことを特徴としたものである。
て、前記消臭手段を加熱するための通気性を有する加熱
手段を備え、前記通気性を有する基体として前記加熱手
段を用いるようにしたことを特徴としたものである。
【0016】請求項10の発明は、臭気分子を吸着する
吸着材と、臭気分子に対して触媒として働き該臭気分子
に酸化反応を生じせしめる遷移金属キレート化合物とを
含んでなる消臭手段を有する複合消臭フィルタにおい
て、前記消臭手段は、前記吸着材を含み通気性を有して
なる吸着材含有成形体と前記遷移金属キレート化合物を
含み通気性を有してなる遷移金属キレート化合物含有成
形体よりなり、前記消臭手段を加熱するための通気性を
有する加熱手段を備え、該加熱手段と前記消臭手段と
を、該加熱手段,前記吸着材含有成形体,前記遷移金属
キレート化合物含有成形体の順に配してなるようにした
ことを特徴としたものである。
吸着材と、臭気分子に対して触媒として働き該臭気分子
に酸化反応を生じせしめる遷移金属キレート化合物とを
含んでなる消臭手段を有する複合消臭フィルタにおい
て、前記消臭手段は、前記吸着材を含み通気性を有して
なる吸着材含有成形体と前記遷移金属キレート化合物を
含み通気性を有してなる遷移金属キレート化合物含有成
形体よりなり、前記消臭手段を加熱するための通気性を
有する加熱手段を備え、該加熱手段と前記消臭手段と
を、該加熱手段,前記吸着材含有成形体,前記遷移金属
キレート化合物含有成形体の順に配してなるようにした
ことを特徴としたものである。
【0017】請求項11の発明は、臭気分子を吸着する
吸着材と、臭気分子に対して触媒として働き該臭気分子
に酸化反応を生じせしめる遷移金属キレート化合物とを
含んでなる消臭手段を有する複合消臭フィルタにおい
て、前記消臭手段は、前記吸着材を含み通気性を有して
なる吸着材含有成形体と前記遷移金属キレート化合物を
含み通気性を有してなる遷移金属キレート化合物含有成
形体よりなり、前記消臭手段を加熱するための通気性を
有する加熱手段を備え、該加熱手段と前記消臭手段と
を、第1の前記遷移金属キレート化合物含有成形体,第
1の前記吸着材含有成形体,前記加熱手段,第2の前記
吸着材含有成形体,第2の前記遷移金属キレート化合物
含有成形体の順に配してなるようにしたことを特徴とし
たものである。
吸着材と、臭気分子に対して触媒として働き該臭気分子
に酸化反応を生じせしめる遷移金属キレート化合物とを
含んでなる消臭手段を有する複合消臭フィルタにおい
て、前記消臭手段は、前記吸着材を含み通気性を有して
なる吸着材含有成形体と前記遷移金属キレート化合物を
含み通気性を有してなる遷移金属キレート化合物含有成
形体よりなり、前記消臭手段を加熱するための通気性を
有する加熱手段を備え、該加熱手段と前記消臭手段と
を、第1の前記遷移金属キレート化合物含有成形体,第
1の前記吸着材含有成形体,前記加熱手段,第2の前記
吸着材含有成形体,第2の前記遷移金属キレート化合物
含有成形体の順に配してなるようにしたことを特徴とし
たものである。
【0018】請求項12の発明は、臭気分子を吸着する
吸着材と、臭気分子に対して触媒として働き該臭気分子
に酸化反応を生じせしめる遷移金属キレート化合物とを
含んでなる消臭手段を有する複合消臭フィルタにおい
て、前記消臭手段は、前記吸着材を含み通気性を有して
なる吸着材含有成形体と前記遷移金属キレート化合物を
含み通気性を有してなる遷移金属キレート化合物含有成
形体よりなり、前記消臭手段を加熱するための通気性を
有する加熱手段を備え、互いに接着した、該吸着材含有
成形体と該加熱手段とを前記遷移金属キレート化合物含
有成形体で包み込んで配するようにしたことを特徴とし
たものである。
吸着材と、臭気分子に対して触媒として働き該臭気分子
に酸化反応を生じせしめる遷移金属キレート化合物とを
含んでなる消臭手段を有する複合消臭フィルタにおい
て、前記消臭手段は、前記吸着材を含み通気性を有して
なる吸着材含有成形体と前記遷移金属キレート化合物を
含み通気性を有してなる遷移金属キレート化合物含有成
形体よりなり、前記消臭手段を加熱するための通気性を
有する加熱手段を備え、互いに接着した、該吸着材含有
成形体と該加熱手段とを前記遷移金属キレート化合物含
有成形体で包み込んで配するようにしたことを特徴とし
たものである。
【0019】請求項13の発明は、臭気分子を吸着する
吸着材と、臭気分子に対して触媒として働き該臭気分子
に酸化反応を生じせしめる遷移金属キレート化合物とを
含んでなる消臭手段を有する複合消臭フィルタにおい
て、前記消臭手段は、前記吸着材を含み通気性を有して
なる吸着材含有成形体と前記遷移金属キレート化合物を
含み通気性を有してなる遷移金属キレート化合物含有成
形体よりなり、前記消臭手段を加熱するための通気性を
有する加熱手段を備え、第1及び第2の前記吸着材含有
成形体の間に前記加熱手段を配し、該各吸着材含有成形
体と該加熱手段とを前記遷移金属キレート化合物含有成
形体で包み込んで配するようにしたことを特徴としたも
のである。
吸着材と、臭気分子に対して触媒として働き該臭気分子
に酸化反応を生じせしめる遷移金属キレート化合物とを
含んでなる消臭手段を有する複合消臭フィルタにおい
て、前記消臭手段は、前記吸着材を含み通気性を有して
なる吸着材含有成形体と前記遷移金属キレート化合物を
含み通気性を有してなる遷移金属キレート化合物含有成
形体よりなり、前記消臭手段を加熱するための通気性を
有する加熱手段を備え、第1及び第2の前記吸着材含有
成形体の間に前記加熱手段を配し、該各吸着材含有成形
体と該加熱手段とを前記遷移金属キレート化合物含有成
形体で包み込んで配するようにしたことを特徴としたも
のである。
【0020】請求項14の発明は、臭気分子を吸着する
吸着材と、臭気分子に対して触媒として働き該臭気分子
に酸化反応を生じせしめる遷移金属キレート化合物とを
含んでなる消臭手段を有する複合消臭フィルタにおい
て、前記消臭手段は、前記吸着材を含み通気性を有して
なる吸着材含有成形体と前記遷移金属キレート化合物を
含み通気性を有してなる遷移金属キレート化合物含有成
形体よりなり、前記消臭手段を加熱するための通気性を
有する加熱手段を備え、該加熱手段を前記吸着材含有成
形体で包み込み、さらに該吸着材含有成形体を前記遷移
金属キレート化合物含有成形体で包み込んで配するよう
にしたことを特徴としたものである。
吸着材と、臭気分子に対して触媒として働き該臭気分子
に酸化反応を生じせしめる遷移金属キレート化合物とを
含んでなる消臭手段を有する複合消臭フィルタにおい
て、前記消臭手段は、前記吸着材を含み通気性を有して
なる吸着材含有成形体と前記遷移金属キレート化合物を
含み通気性を有してなる遷移金属キレート化合物含有成
形体よりなり、前記消臭手段を加熱するための通気性を
有する加熱手段を備え、該加熱手段を前記吸着材含有成
形体で包み込み、さらに該吸着材含有成形体を前記遷移
金属キレート化合物含有成形体で包み込んで配するよう
にしたことを特徴としたものである。
【0021】請求項15の発明は、臭気分子を吸着する
吸着材と、臭気分子に対して触媒として働き該臭気分子
に酸化反応を生じせしめる遷移金属キレート化合物とを
含んでなる消臭手段を有する複合消臭フィルタと、該複
合消臭フィルタに含まれる水分量を制御するために前記
複合消臭フィルタに水分を供給する水分供給手段とを備
えることを特徴としたものである。
吸着材と、臭気分子に対して触媒として働き該臭気分子
に酸化反応を生じせしめる遷移金属キレート化合物とを
含んでなる消臭手段を有する複合消臭フィルタと、該複
合消臭フィルタに含まれる水分量を制御するために前記
複合消臭フィルタに水分を供給する水分供給手段とを備
えることを特徴としたものである。
【0022】請求項16の発明は、請求項15の発明に
おいて、前記水分供給手段として、水分を貯留させる容
器と、該容器内の水分を前記複合消臭フィルタに噴射す
る水分噴射手段とを用いるようにしたことを特徴とした
ものである。
おいて、前記水分供給手段として、水分を貯留させる容
器と、該容器内の水分を前記複合消臭フィルタに噴射す
る水分噴射手段とを用いるようにしたことを特徴とした
ものである。
【0023】請求項17の発明は、請求項15または1
6の発明において、前記水分供給手段に、電子冷却によ
り結露水を生じせしめるための熱電変換デバイスを用
い、該結露水を前記複合消臭フィルタに供給する前記水
分とするようにしたことを特徴としたものである。
6の発明において、前記水分供給手段に、電子冷却によ
り結露水を生じせしめるための熱電変換デバイスを用
い、該結露水を前記複合消臭フィルタに供給する前記水
分とするようにしたことを特徴としたものである。
【0024】請求項18の発明は、請求項15ないし1
7いずれか1の発明において、前記複合消臭フィルタと
して、請求項1ないし14いずれか1の複合消臭フィル
タを用いるようにしたことを特徴としたものである。
7いずれか1の発明において、前記複合消臭フィルタと
して、請求項1ないし14いずれか1の複合消臭フィル
タを用いるようにしたことを特徴としたものである。
【0025】
【発明の実施の形態】臭気分子は、まず、活性炭を主成
分とする臭気分子吸着材に吸収される。従って、空気が
流動する環境でも消臭が有効に行われる。また、このよ
うな吸着材に隣接する遷移金属キレート化合物の酸化触
媒反応によって、活性炭から離脱する臭気分子を分解す
ることにより、吸着材からの離脱による臭気漏れを防ぐ
ことができる。さらに、離脱した臭気分子が分解反応に
よって除去され、活性炭中の臭気分子の吸着と離脱の化
学平衡が変化して離脱と分解が進むため、活性炭の吸着
能が飽和することもない。このようにして、2つの材料
によって臭気分子の吸着と分解が進み、消臭速度が速
く、しかも、空気が流動する環境でも消臭効果が有効
で、空調装置等に対する適用が可能な消臭フィルタを提
供することが可能となる。
分とする臭気分子吸着材に吸収される。従って、空気が
流動する環境でも消臭が有効に行われる。また、このよ
うな吸着材に隣接する遷移金属キレート化合物の酸化触
媒反応によって、活性炭から離脱する臭気分子を分解す
ることにより、吸着材からの離脱による臭気漏れを防ぐ
ことができる。さらに、離脱した臭気分子が分解反応に
よって除去され、活性炭中の臭気分子の吸着と離脱の化
学平衡が変化して離脱と分解が進むため、活性炭の吸着
能が飽和することもない。このようにして、2つの材料
によって臭気分子の吸着と分解が進み、消臭速度が速
く、しかも、空気が流動する環境でも消臭効果が有効
で、空調装置等に対する適用が可能な消臭フィルタを提
供することが可能となる。
【0026】また、臭気分子の離脱・分解反応速度の温
度依存性に起因して生じる吸着速度の低下を防ぐため
に、臭気分子吸着材に接着させた加熱手段を配設するこ
とにより、臭気分子の離脱反応が促進され、離脱した臭
気分子は、遷移金属キレート化合物からなるフィルタに
拡散して速やかに分解される。このため、吸着速度は平
衡に達して遅くなることはない。また、能動的に離脱反
応を促進するため、臭気分子吸着材の再生が不要とな
る。この加熱による離脱促進は、消臭操作中に同時に、
あるいは間欠的に動作させても良いし、また、消臭操作
を終了後に動作させても良い。このように、2つのフィ
ルタと加熱手段によって、臭気分子の吸着と分解が進
み、消臭速度が速く、しかも、空気が流動する環境でも
消臭効果が有効で、かつ、再生操作不要で長期間使用で
きる空調装置等に応用が可能な消臭フィルタを提供する
ことが可能となる。
度依存性に起因して生じる吸着速度の低下を防ぐため
に、臭気分子吸着材に接着させた加熱手段を配設するこ
とにより、臭気分子の離脱反応が促進され、離脱した臭
気分子は、遷移金属キレート化合物からなるフィルタに
拡散して速やかに分解される。このため、吸着速度は平
衡に達して遅くなることはない。また、能動的に離脱反
応を促進するため、臭気分子吸着材の再生が不要とな
る。この加熱による離脱促進は、消臭操作中に同時に、
あるいは間欠的に動作させても良いし、また、消臭操作
を終了後に動作させても良い。このように、2つのフィ
ルタと加熱手段によって、臭気分子の吸着と分解が進
み、消臭速度が速く、しかも、空気が流動する環境でも
消臭効果が有効で、かつ、再生操作不要で長期間使用で
きる空調装置等に応用が可能な消臭フィルタを提供する
ことが可能となる。
【0027】更には、室内の湿度が下がり、消臭フィル
タから水分が失われて乾燥して、遷移金属キレート化合
物の消臭効果が低下することを防ぐために、消臭フィル
タに常に適正な水分もしくは湿気を与えることにより、
消臭効果を高めるようにする。すなわち、フィルタの水
分含有量を一定に保つために、消臭フィルタに水分(好
ましくは消臭液)を噴射する機構を備える。また、消臭
フィルタの水分含有量を一定に保つために、フィルタを
電子冷却して、空気中の水分を結露させてフィルタに水
分を供給する機構を備える。
タから水分が失われて乾燥して、遷移金属キレート化合
物の消臭効果が低下することを防ぐために、消臭フィル
タに常に適正な水分もしくは湿気を与えることにより、
消臭効果を高めるようにする。すなわち、フィルタの水
分含有量を一定に保つために、消臭フィルタに水分(好
ましくは消臭液)を噴射する機構を備える。また、消臭
フィルタの水分含有量を一定に保つために、フィルタを
電子冷却して、空気中の水分を結露させてフィルタに水
分を供給する機構を備える。
【0028】以下に、上述した本発明の実施例を添付さ
れた図面を参照して更に詳しく説明する。なお、実施例
を説明するための全図において、同一の作用をする部分
には同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略す
る。
れた図面を参照して更に詳しく説明する。なお、実施例
を説明するための全図において、同一の作用をする部分
には同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略す
る。
【0029】図1は、本発明による複合消臭フィルタの
一実施例を説明するための斜視図及び断面図で、図中、
1はオクタカルボキシフタロシアニン鉄を担持させた不
織布、2は活性炭フィルタ、10は複合消臭フィルタで
ある。図2は、本発明による複合消臭フィルタの他の実
施例を説明するための斜視図及び断面図である。図3
は、本発明による複合消臭フィルタの更に他の実施例を
説明するための斜視図である。図4は、本発明による複
合消臭フィルタの更に他の実施例を説明するための斜視
図で、図中、4,5は多孔質紙のケース、6は通気性多
孔質紙である。図5及び図6は、図1に示した実施例に
おける吸着性能評価結果の一例を示すグラフである。図
14は、本発明による複合消臭フィルタを適用した機器
の一例としてのエアコンを示す斜視図及び概略構成図
で、図中、7は空気取り入れ口、8は吹き出し口、9は
集塵フィルタ、11は熱交換機、12はファンである。
一実施例を説明するための斜視図及び断面図で、図中、
1はオクタカルボキシフタロシアニン鉄を担持させた不
織布、2は活性炭フィルタ、10は複合消臭フィルタで
ある。図2は、本発明による複合消臭フィルタの他の実
施例を説明するための斜視図及び断面図である。図3
は、本発明による複合消臭フィルタの更に他の実施例を
説明するための斜視図である。図4は、本発明による複
合消臭フィルタの更に他の実施例を説明するための斜視
図で、図中、4,5は多孔質紙のケース、6は通気性多
孔質紙である。図5及び図6は、図1に示した実施例に
おける吸着性能評価結果の一例を示すグラフである。図
14は、本発明による複合消臭フィルタを適用した機器
の一例としてのエアコンを示す斜視図及び概略構成図
で、図中、7は空気取り入れ口、8は吹き出し口、9は
集塵フィルタ、11は熱交換機、12はファンである。
【0030】まず、活性炭を主成分とする臭気分子吸着
材と、臭気分子に対して触媒反応を示す遷移金属キレー
ト化合物から構成される複合消臭フィルタの実施例につ
いて説明する。臭気分子吸着材は、アルカリ添着炭,酸
性添着炭,活性炭,ゼオライト,セピオライト,フライ
ポンタイト(アルミノケイ酸亜鉛),多孔質ケイ酸塩鉱
物,多孔質セラミック等から選ばれた一または複数から
なり、例えばフィルタ状に形成されたものである。ま
た、遷移金属キレート化合物としては、遷移金属ポルフ
ィリン誘導体が有効であり、特に、金属フタロシアニン
が適している。
材と、臭気分子に対して触媒反応を示す遷移金属キレー
ト化合物から構成される複合消臭フィルタの実施例につ
いて説明する。臭気分子吸着材は、アルカリ添着炭,酸
性添着炭,活性炭,ゼオライト,セピオライト,フライ
ポンタイト(アルミノケイ酸亜鉛),多孔質ケイ酸塩鉱
物,多孔質セラミック等から選ばれた一または複数から
なり、例えばフィルタ状に形成されたものである。ま
た、遷移金属キレート化合物としては、遷移金属ポルフ
ィリン誘導体が有効であり、特に、金属フタロシアニン
が適している。
【0031】このようなフィルタの形状は、例えば以下
に示すような通気性フィルタ構造をとることができる。 (1)バッグ状のオクタカルボキシフタロシアニン鉄を
担持させた不織布の中に活性炭フィルタを挟み込んだも
の(図1)。 (2)活性炭フィルタを2つのオクタカルボキシフタロ
シアニン鉄を担持させた通気性の不織布で挟み込んだも
の(図2)。 (3)繊維状遷移金属キレート化合物と繊維状活性炭を
互いに織るか、通気性を有する基体に織り込んだ、ある
いは繊維状活性炭に金属キレート化合物を担持したもの
を織った通気性のもの(図3)。 (4)顆粒状の活性炭に担持させたオクタカルボキシフ
タロシアニン鉄を通気性多孔質紙からなるケースに収納
したもの(図4)。
に示すような通気性フィルタ構造をとることができる。 (1)バッグ状のオクタカルボキシフタロシアニン鉄を
担持させた不織布の中に活性炭フィルタを挟み込んだも
の(図1)。 (2)活性炭フィルタを2つのオクタカルボキシフタロ
シアニン鉄を担持させた通気性の不織布で挟み込んだも
の(図2)。 (3)繊維状遷移金属キレート化合物と繊維状活性炭を
互いに織るか、通気性を有する基体に織り込んだ、ある
いは繊維状活性炭に金属キレート化合物を担持したもの
を織った通気性のもの(図3)。 (4)顆粒状の活性炭に担持させたオクタカルボキシフ
タロシアニン鉄を通気性多孔質紙からなるケースに収納
したもの(図4)。
【0032】まず、図1に示す実施例の複合消臭フィル
タの作製方法を説明する。オクタカルボキシフタロシア
ニン鉄を水酸化カリウムに溶解させ、1%のオクタカル
ボキシフタロシアニン鉄溶液を作成した。この溶液に、
通気性のあるバッグ状の不織布を浸漬させた後、引き上
げ、塩酸雰囲気で中和させることによって、オクタカル
ボキシフタロシアニン鉄を担持した。図1に示すよう
に、このオクタカルボキシフタロシアニン鉄を担持した
不織布による通気性バッグ1の中に、臭気分子吸着材と
して活性炭フィルタ2を差し込み、オクタカルボキシフ
タロシアニン鉄のフィルタ(通気性バッグ)1が活性炭
フィルタ2を挟み込んだ形状の複合消臭フィルタ10を
作成した。
タの作製方法を説明する。オクタカルボキシフタロシア
ニン鉄を水酸化カリウムに溶解させ、1%のオクタカル
ボキシフタロシアニン鉄溶液を作成した。この溶液に、
通気性のあるバッグ状の不織布を浸漬させた後、引き上
げ、塩酸雰囲気で中和させることによって、オクタカル
ボキシフタロシアニン鉄を担持した。図1に示すよう
に、このオクタカルボキシフタロシアニン鉄を担持した
不織布による通気性バッグ1の中に、臭気分子吸着材と
して活性炭フィルタ2を差し込み、オクタカルボキシフ
タロシアニン鉄のフィルタ(通気性バッグ)1が活性炭
フィルタ2を挟み込んだ形状の複合消臭フィルタ10を
作成した。
【0033】得られた複合消臭フィルタ10を、図14
に示すように、家庭用エアコン室内機の集塵フィルタ9
と交換機11の間に取り付け、評価用ボックス(1メー
トル立方)に設置した。評価用ボックス内を温度25
度、湿度50%の一般的な家庭の雰囲気に調整し、次
に、硫化水素ガスを導入した。この評価ボックス内の硫
化水素濃度を、エアコン動作前と動作中にサンプリング
を行い、検知管および炎光光度検出器(FPD)付きの
ガスクロマトグラフで測定した。また、比較例としてオ
クタカルボキシフタロシアニン鉄フィルタで挟み込んで
いない活性炭フィルタ単体についても、同様に測定を行
った。
に示すように、家庭用エアコン室内機の集塵フィルタ9
と交換機11の間に取り付け、評価用ボックス(1メー
トル立方)に設置した。評価用ボックス内を温度25
度、湿度50%の一般的な家庭の雰囲気に調整し、次
に、硫化水素ガスを導入した。この評価ボックス内の硫
化水素濃度を、エアコン動作前と動作中にサンプリング
を行い、検知管および炎光光度検出器(FPD)付きの
ガスクロマトグラフで測定した。また、比較例としてオ
クタカルボキシフタロシアニン鉄フィルタで挟み込んで
いない活性炭フィルタ単体についても、同様に測定を行
った。
【0034】1回目の測定では、図5に示すように、両
フィルタ共に、時間が経過するとともに消臭がなされた
が、ほとんど差を見ることができず、90分経過後で
は、活性炭のみからなる複合消臭フィルタの方がわずか
ではあるが消臭効果が大きかった。しかしながら、2時
間動作後、フィルタは交換しないで、再び硫化水素ガス
を導入し、繰り返し同じ評価を続けたところ、図6に示
すごとくに3回目の測定以降から、本発明の構成を有す
る複合消臭フィルタの方が明らかに消臭効果が大きいと
いう結果を得た。これは、活性炭のみのフィルタは、活
性炭に吸着された硫化水素が飽和することによって脱臭
能力を失ったためであり、一方、複合消臭フィルタは、
活性炭に吸着された硫化水素が、離脱の際にオクタカル
ボキシフタロシアニン鉄による酸化反応によって、無臭
化したことを示している。
フィルタ共に、時間が経過するとともに消臭がなされた
が、ほとんど差を見ることができず、90分経過後で
は、活性炭のみからなる複合消臭フィルタの方がわずか
ではあるが消臭効果が大きかった。しかしながら、2時
間動作後、フィルタは交換しないで、再び硫化水素ガス
を導入し、繰り返し同じ評価を続けたところ、図6に示
すごとくに3回目の測定以降から、本発明の構成を有す
る複合消臭フィルタの方が明らかに消臭効果が大きいと
いう結果を得た。これは、活性炭のみのフィルタは、活
性炭に吸着された硫化水素が飽和することによって脱臭
能力を失ったためであり、一方、複合消臭フィルタは、
活性炭に吸着された硫化水素が、離脱の際にオクタカル
ボキシフタロシアニン鉄による酸化反応によって、無臭
化したことを示している。
【0035】次いで、図2に示す実施例について説明す
る。図2に示すように、活性炭フィルタ2を2つのオク
タカルボキシフタロシアニン鉄を担持させた通気性の不
織布1で挟み込むことによって、複合消臭フィルタ10
を作成した。得られた複合消臭フィルタ10を図1に示
す実施例と同じように、エアコンに取り付け、評価用ボ
ックスに設置し、消臭効果を測定した。その結果は、図
1の実施例と有意な差は認められず、この複合消臭フィ
ルタは消臭効果を示しただけでなく、繰り返し動作させ
ても消臭効果が継続した。
る。図2に示すように、活性炭フィルタ2を2つのオク
タカルボキシフタロシアニン鉄を担持させた通気性の不
織布1で挟み込むことによって、複合消臭フィルタ10
を作成した。得られた複合消臭フィルタ10を図1に示
す実施例と同じように、エアコンに取り付け、評価用ボ
ックスに設置し、消臭効果を測定した。その結果は、図
1の実施例と有意な差は認められず、この複合消臭フィ
ルタは消臭効果を示しただけでなく、繰り返し動作させ
ても消臭効果が継続した。
【0036】次いで、図3に示す実施例について説明す
る。図3に示すようなオクタカルボキシフタロシアニン
鉄を担持させた繊維と繊維状活性炭を互いに織り込んだ
複合消臭フィルタ10を作成した。得られた複合消臭フ
ィルタを、図1及び図2に示した実施例と同じように図
14に示すように、エアコンに取り付け、評価用ボック
スに設置し、温度25度、湿度50%の条件下で消臭効
果を測定した。その結果は、図1の実施例と有意な差は
認められなかった。この複合消臭フィルタは消臭効果を
示しただけでなく、繰り返し動作させても消臭効果が継
続した。
る。図3に示すようなオクタカルボキシフタロシアニン
鉄を担持させた繊維と繊維状活性炭を互いに織り込んだ
複合消臭フィルタ10を作成した。得られた複合消臭フ
ィルタを、図1及び図2に示した実施例と同じように図
14に示すように、エアコンに取り付け、評価用ボック
スに設置し、温度25度、湿度50%の条件下で消臭効
果を測定した。その結果は、図1の実施例と有意な差は
認められなかった。この複合消臭フィルタは消臭効果を
示しただけでなく、繰り返し動作させても消臭効果が継
続した。
【0037】次いで、図4に示す実施例について説明す
る。顆粒状の活性炭を1%のオクタカルボキシフタロシ
アニン鉄水酸化カリウム溶液に浸漬させた後、引き上
げ、塩酸雰囲気で中和させ、オクタカルボキシフタロシ
アニン鉄を顆粒状活性炭に担持させた。これを、図4
(A)に示すような、通気性のある多孔質紙のケース4
に入れ、このケース4を通気性多孔質紙6に貼り合わせ
てフィルタを作成し、これを複合消臭フィルタ10とし
た。これは、図4(A)に示すごとくに、作製したフィ
ルタを2枚の同じ面を合わせるようにして使用してもよ
い。あるいは、図4(B)に示すごとくに、2枚の通気
性のある多孔質紙を袋のように作成し、オクタカルボキ
シフタロシアニン鉄を担持した顆粒状活性炭を入れて多
孔質紙の端を袋とじし、さらに、ミシン目を入れること
により中の顆粒が全体的に分散するようにしても良い。
これは、2枚の通気性のある多孔質紙から作製したケー
ス5を組み合わせて作成することもできる。
る。顆粒状の活性炭を1%のオクタカルボキシフタロシ
アニン鉄水酸化カリウム溶液に浸漬させた後、引き上
げ、塩酸雰囲気で中和させ、オクタカルボキシフタロシ
アニン鉄を顆粒状活性炭に担持させた。これを、図4
(A)に示すような、通気性のある多孔質紙のケース4
に入れ、このケース4を通気性多孔質紙6に貼り合わせ
てフィルタを作成し、これを複合消臭フィルタ10とし
た。これは、図4(A)に示すごとくに、作製したフィ
ルタを2枚の同じ面を合わせるようにして使用してもよ
い。あるいは、図4(B)に示すごとくに、2枚の通気
性のある多孔質紙を袋のように作成し、オクタカルボキ
シフタロシアニン鉄を担持した顆粒状活性炭を入れて多
孔質紙の端を袋とじし、さらに、ミシン目を入れること
により中の顆粒が全体的に分散するようにしても良い。
これは、2枚の通気性のある多孔質紙から作製したケー
ス5を組み合わせて作成することもできる。
【0038】得られた複合消臭フィルタ10を、図1な
いし図3に示す実施例と同様に、家庭用エアコン室内機
の集塵フィルタ9と熱交換機11の間に取り付け(図1
4)、評価用ボックス(1メートル立方)に設置した。
評価用ボックス内を温度25度、湿度50%の一般的な
家屋の雰囲気に整調し、次に、硫化水素ガスを導入し
た。この評価ボックス内の硫化水素濃度を、エアコン動
作前と動作中にサンプリングを行い、検知管および炎光
光度検出器(FPD)付きのガスクロマトグラフで測定
した。
いし図3に示す実施例と同様に、家庭用エアコン室内機
の集塵フィルタ9と熱交換機11の間に取り付け(図1
4)、評価用ボックス(1メートル立方)に設置した。
評価用ボックス内を温度25度、湿度50%の一般的な
家屋の雰囲気に整調し、次に、硫化水素ガスを導入し
た。この評価ボックス内の硫化水素濃度を、エアコン動
作前と動作中にサンプリングを行い、検知管および炎光
光度検出器(FPD)付きのガスクロマトグラフで測定
した。
【0039】この結果硫化水素を消臭したが、圧力損失
のため、図1に示す実施例よりも相対臭気濃度の減衰時
間が長く、相対濃度が1%以下になるのに2時間を要し
た。しかしながら、図1に示す実施例と同様に、繰り返
し動作させても消臭効果を失うことはなかった。
のため、図1に示す実施例よりも相対臭気濃度の減衰時
間が長く、相対濃度が1%以下になるのに2時間を要し
た。しかしながら、図1に示す実施例と同様に、繰り返
し動作させても消臭効果を失うことはなかった。
【0040】図15は、複合消臭フィルタを空気清浄機
に適用した実施例を示す斜視図及び概略構成図で、図
中、13は空気取り入れ口、14はエアフィルタ、15
はイオン発生装置、16は集塵フィルタ、17はファ
ン、18は吹き出し口である。ここでは、図1に示す複
合消臭フィルタ10をファン17と吹き出し口18の間
に設置した構成としている。また、複合消臭フィルタ1
0は、集塵フィルタ16とのファン17の間に設けても
良い。このように複合消臭フィルタ10を設置した空気
清浄機の消臭効果は3ヶ月間使用においても持続した。
に適用した実施例を示す斜視図及び概略構成図で、図
中、13は空気取り入れ口、14はエアフィルタ、15
はイオン発生装置、16は集塵フィルタ、17はファ
ン、18は吹き出し口である。ここでは、図1に示す複
合消臭フィルタ10をファン17と吹き出し口18の間
に設置した構成としている。また、複合消臭フィルタ1
0は、集塵フィルタ16とのファン17の間に設けても
良い。このように複合消臭フィルタ10を設置した空気
清浄機の消臭効果は3ヶ月間使用においても持続した。
【0041】図16は、複合消臭フィルタを除湿器に適
用した実施例を示す斜視図で、図中、19は空気取り入
れ口、20は集塵フィルタである。ここでは、図1に示
す複合消臭フィルタ10を空気取り入れ口19、集塵フ
ィルタ20に続く後方に設置した構成としている。その
消臭効果は3ヶ月間の使用においても持続した。
用した実施例を示す斜視図で、図中、19は空気取り入
れ口、20は集塵フィルタである。ここでは、図1に示
す複合消臭フィルタ10を空気取り入れ口19、集塵フ
ィルタ20に続く後方に設置した構成としている。その
消臭効果は3ヶ月間の使用においても持続した。
【0042】図17は、複合消臭フィルタを掃除機に適
用した実施例を示す斜視図で、図中、21は排気口、2
2は集塵フィルタである。ここでは、図1に示す複合消
臭フィルタ10を排気口21と集塵フィルタ22の間に
設置した構成としている。その消臭効果は1ヶ月間の使
用においても持続した。
用した実施例を示す斜視図で、図中、21は排気口、2
2は集塵フィルタである。ここでは、図1に示す複合消
臭フィルタ10を排気口21と集塵フィルタ22の間に
設置した構成としている。その消臭効果は1ヶ月間の使
用においても持続した。
【0043】図18は、複合消臭フィルタを電子レンジ
に設定した実施例を示す斜視図及び概略構成図で、図
中、23はドア、24はターンテーブル、25は排気ガ
イド、26は排気口、27はマグネトロンである。ここ
では、図1に示す複合消臭フィルタ10を排気口26の
手前に設置した構成としている。庫内で発生した臭い
は、排気ガイド25を経て排気口26から排出される時
に消臭される。この消臭効果は1ヶ月間の使用において
も持続した。ただし、乾燥した食品ばかりを加熱した場
合は、電子レンジ庫内が極めて乾燥した状態になるた
め、消臭性能の低下がみられた。
に設定した実施例を示す斜視図及び概略構成図で、図
中、23はドア、24はターンテーブル、25は排気ガ
イド、26は排気口、27はマグネトロンである。ここ
では、図1に示す複合消臭フィルタ10を排気口26の
手前に設置した構成としている。庫内で発生した臭い
は、排気ガイド25を経て排気口26から排出される時
に消臭される。この消臭効果は1ヶ月間の使用において
も持続した。ただし、乾燥した食品ばかりを加熱した場
合は、電子レンジ庫内が極めて乾燥した状態になるた
め、消臭性能の低下がみられた。
【0044】次いで、複合消臭フィルタを加熱するため
の加熱手段を備える複合消臭フィルタの実施例について
以下に説明する。図7は、本発明による複合消臭フィル
タの更に他の実施例を説明するための斜視図及び断面図
で、図中、36は発熱プレートである。図8は、本発明
による複合消臭フィルタの更に他の実施例を説明するた
めの斜視図及び断面図である。図9は、本発明による複
合消臭フィルタの更に他の実施例を説明するための斜視
図及び断面図である。図10は、本発明による複合消臭
フィルタの更に他の実施例を説明するための斜視図及び
断面図である。図11は、本発明による複合消臭フィル
タの更に他の実施例を説明するための斜視図及び断面図
である。図12及び図13は、図7に示した実施例にお
ける吸着性能評価結果の一例を示すグラフである。本実
施例では、活性炭やゼオライト等の多孔質の臭気分子吸
着材に加熱手段を配設し、さらに、臭気分子に対して触
媒反応を示す遷移金属キレート化合物を隣接させる複合
消臭フィルタを構成する。
の加熱手段を備える複合消臭フィルタの実施例について
以下に説明する。図7は、本発明による複合消臭フィル
タの更に他の実施例を説明するための斜視図及び断面図
で、図中、36は発熱プレートである。図8は、本発明
による複合消臭フィルタの更に他の実施例を説明するた
めの斜視図及び断面図である。図9は、本発明による複
合消臭フィルタの更に他の実施例を説明するための斜視
図及び断面図である。図10は、本発明による複合消臭
フィルタの更に他の実施例を説明するための斜視図及び
断面図である。図11は、本発明による複合消臭フィル
タの更に他の実施例を説明するための斜視図及び断面図
である。図12及び図13は、図7に示した実施例にお
ける吸着性能評価結果の一例を示すグラフである。本実
施例では、活性炭やゼオライト等の多孔質の臭気分子吸
着材に加熱手段を配設し、さらに、臭気分子に対して触
媒反応を示す遷移金属キレート化合物を隣接させる複合
消臭フィルタを構成する。
【0045】加熱手段を備える複合消臭フィルタの構造
は、例えば、以下に示すような通気性フィルタ構造をと
ることができる。 (1)フィルタ状の加熱手段とフィルタ状の臭気分子吸
着材を、フィルタ状の遷移金属キレート化合物でバッグ
状に包み込んだ構造(図7,図8)。 (2)フィルタ状の加熱手段をフィルタ状の臭気分子吸
着材でバッグ状に包み込み、さらに、フィルタ状の遷移
金属キレート化合物でバッグ状に包み込んだ構造(図
9)。 (3)フィルタ状の加熱手段とフィルタ状の臭気分子吸
着材とフィルタ状の遷移金属キレート化合物を接着した
構造(図10,図11)。 (4)繊維状臭気分子吸着材と繊維状遷移金属キレート
化合物をフィルタ状の加熱手段に織り込んだ構造(図3
に示す形態と同様であるが、ここではフィルタ状の加熱
手段を通気性を有する基体として用いている)。 (5)臭気分子吸着材と遷移金属キレート化合物の混合
物あるいは遷移金属キレート化合物を担持した臭気分子
吸着材を耐熱性の通気性ケースに収納し、フィルタ状の
通気性を有する加熱手段に取り付けた構造(図4に示す
形態と同様であるが、ここではフィルタ状の加熱手段を
用いている)。 (6)フィルタ状の通気性を有する加熱手段に、粉末状
あるいは顆粒状の臭気分子吸着分解物(臭気分子吸着材
と遷移金属キレート化合物の混合物あるいは臭気分子吸
着材に遷移金属キレート化合物をコーティングしたも
の)を接着させた構造(図示せず)。
は、例えば、以下に示すような通気性フィルタ構造をと
ることができる。 (1)フィルタ状の加熱手段とフィルタ状の臭気分子吸
着材を、フィルタ状の遷移金属キレート化合物でバッグ
状に包み込んだ構造(図7,図8)。 (2)フィルタ状の加熱手段をフィルタ状の臭気分子吸
着材でバッグ状に包み込み、さらに、フィルタ状の遷移
金属キレート化合物でバッグ状に包み込んだ構造(図
9)。 (3)フィルタ状の加熱手段とフィルタ状の臭気分子吸
着材とフィルタ状の遷移金属キレート化合物を接着した
構造(図10,図11)。 (4)繊維状臭気分子吸着材と繊維状遷移金属キレート
化合物をフィルタ状の加熱手段に織り込んだ構造(図3
に示す形態と同様であるが、ここではフィルタ状の加熱
手段を通気性を有する基体として用いている)。 (5)臭気分子吸着材と遷移金属キレート化合物の混合
物あるいは遷移金属キレート化合物を担持した臭気分子
吸着材を耐熱性の通気性ケースに収納し、フィルタ状の
通気性を有する加熱手段に取り付けた構造(図4に示す
形態と同様であるが、ここではフィルタ状の加熱手段を
用いている)。 (6)フィルタ状の通気性を有する加熱手段に、粉末状
あるいは顆粒状の臭気分子吸着分解物(臭気分子吸着材
と遷移金属キレート化合物の混合物あるいは臭気分子吸
着材に遷移金属キレート化合物をコーティングしたも
の)を接着させた構造(図示せず)。
【0046】以下に、図7に示す実施例の複合消臭フィ
ルタの作製方法を説明する。オクタカルボキシフタロシ
アニン鉄を、オクタカルボキシフタロシアニン鉄のカル
ボキシル基と当量の水酸化カリウムに溶解させ、1%オ
クタカルボキシフタロシアニン鉄溶液を作成した。この
溶液に、通気性のあるバッグ状の不織布を浸漬させた
後、引き上げ、希塩酸溶液に浸漬することによって中和
した。さらに、これを風乾してオクタカルボキシフタロ
シアニン鉄を担持した。図7に示すように、このオクタ
カルボキシフタロシアニン鉄を担持した通気性バッグ1
の中に、臭気分子吸着材として活性炭フィルタ2および
メッシュ状の発熱プレート36を差し込むことにより、
発熱手段と臭気分子吸着材とを遷移金属キレート化合物
でバッグ状に包み込んだ構造の複合消臭フィルタ10を
作成した。
ルタの作製方法を説明する。オクタカルボキシフタロシ
アニン鉄を、オクタカルボキシフタロシアニン鉄のカル
ボキシル基と当量の水酸化カリウムに溶解させ、1%オ
クタカルボキシフタロシアニン鉄溶液を作成した。この
溶液に、通気性のあるバッグ状の不織布を浸漬させた
後、引き上げ、希塩酸溶液に浸漬することによって中和
した。さらに、これを風乾してオクタカルボキシフタロ
シアニン鉄を担持した。図7に示すように、このオクタ
カルボキシフタロシアニン鉄を担持した通気性バッグ1
の中に、臭気分子吸着材として活性炭フィルタ2および
メッシュ状の発熱プレート36を差し込むことにより、
発熱手段と臭気分子吸着材とを遷移金属キレート化合物
でバッグ状に包み込んだ構造の複合消臭フィルタ10を
作成した。
【0047】得られた複合消臭フィルタ10を、図1の
実施例における複合消臭フィルタと同様に、図14に示
す家庭用エアコン室内機の集塵フィルタ9と熱交換機1
1の間に取り付け、評価用ボックス(1メートル立方)
に設置した。そして、評価用ボックス内を温度25度、
湿度50%の一般的な家屋の雰囲気に調整し、硫化水素
ガスを導入した。この評価ボックス内の硫化水素濃度
を、エアコン動作前と動作中にサンプリングを行い、検
知管および炎光光度検出器(FPD)付きのガスクロマ
トグラフで測定した。初期濃度は検知管の場合は80p
pm、ガスクロマトグラフの場合は100ppbで行っ
た。また、比較例としてフィルタ状のオクタカルボキシ
フタロシアニン鉄バッグで包み込んでいない活性炭フィ
ルタについても、同様に測定を行った。この結果、図1
2に示すように、両フィルタと共に、消臭能力を示し、
時間経過とともに残存臭気が減少した。さらに、硫化水
素だけでなく他の臭気についても検討し、同じような結
果が得られた。ここで検討したそれぞれの臭気の120
分後の臭気残存率(相対濃度)を表1に示した。
実施例における複合消臭フィルタと同様に、図14に示
す家庭用エアコン室内機の集塵フィルタ9と熱交換機1
1の間に取り付け、評価用ボックス(1メートル立方)
に設置した。そして、評価用ボックス内を温度25度、
湿度50%の一般的な家屋の雰囲気に調整し、硫化水素
ガスを導入した。この評価ボックス内の硫化水素濃度
を、エアコン動作前と動作中にサンプリングを行い、検
知管および炎光光度検出器(FPD)付きのガスクロマ
トグラフで測定した。初期濃度は検知管の場合は80p
pm、ガスクロマトグラフの場合は100ppbで行っ
た。また、比較例としてフィルタ状のオクタカルボキシ
フタロシアニン鉄バッグで包み込んでいない活性炭フィ
ルタについても、同様に測定を行った。この結果、図1
2に示すように、両フィルタと共に、消臭能力を示し、
時間経過とともに残存臭気が減少した。さらに、硫化水
素だけでなく他の臭気についても検討し、同じような結
果が得られた。ここで検討したそれぞれの臭気の120
分後の臭気残存率(相対濃度)を表1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】なお、ここでは、複合消臭フィルタとして
図7に示したものを用い、活性炭フィルタとして図7に
示す複合消臭フィルタにおけるオクタカルボキシフタロ
シアニン鉄バッグなしの活性炭フィルタを用いた。ま
た、測定には、検知管を用いた。各臭気の初期濃度は、
硫化水素,アンモニア,トリメチルアミン,メチルメル
カプタンにおいて、それぞれ80ppm,400pp
m,100ppm,300ppmである。
図7に示したものを用い、活性炭フィルタとして図7に
示す複合消臭フィルタにおけるオクタカルボキシフタロ
シアニン鉄バッグなしの活性炭フィルタを用いた。ま
た、測定には、検知管を用いた。各臭気の初期濃度は、
硫化水素,アンモニア,トリメチルアミン,メチルメル
カプタンにおいて、それぞれ80ppm,400pp
m,100ppm,300ppmである。
【0050】この120分後の臭気残存率の測定後、エ
アコンの動作を停止し、複合消臭フィルタの発熱プレー
ト36を300分間動作させた。次に、フィルタを交換
しないで、再び硫化水素ガスを導入してエアコンを動作
させ評価ボックス内の硫化水素濃度測定を行った。この
ように、2時間エアコンを動作後、30分間の加熱を行
い、再び硫化水素を導入するという操作を繰り返すこと
によって、フィルタの消臭能力の経時変化を測定した。
この繰り返し測定では、本実施例の加熱手段付複合消臭
フィルタと、臭気分子吸着材を遷移金属キレート化合物
でバッグ状に包み込んだ加熱手段を有しない構造の複合
消臭フィルタと、活性炭フィルタ単体について比較して
測定を行った。この結果、図13に示すごとく、加熱手
段を配設させた本発明の複合消臭フィルタは、繰り返し
エアコンを動作させても、加熱手段のないフィルタより
もさらに高い消臭能力の維持がみられた。特に、従来の
フィルタである活性炭のみのフィルタは、消臭能力の低
下が大きかった。これは、活性炭に吸着された硫化水素
が飽和することによって脱臭能力を失ったためである。
一方、複合消臭フィルタにおいては、活性炭に吸着され
た硫化水素が離脱の際にオクタカルボキシフタロシアニ
ン鉄による酸化反応によって無臭化されており、特に、
加熱手段を備えた複合消臭フィルタにおいては、臭気成
分の離脱が促進されたため活性炭フィルタの吸着能力が
維持された。
アコンの動作を停止し、複合消臭フィルタの発熱プレー
ト36を300分間動作させた。次に、フィルタを交換
しないで、再び硫化水素ガスを導入してエアコンを動作
させ評価ボックス内の硫化水素濃度測定を行った。この
ように、2時間エアコンを動作後、30分間の加熱を行
い、再び硫化水素を導入するという操作を繰り返すこと
によって、フィルタの消臭能力の経時変化を測定した。
この繰り返し測定では、本実施例の加熱手段付複合消臭
フィルタと、臭気分子吸着材を遷移金属キレート化合物
でバッグ状に包み込んだ加熱手段を有しない構造の複合
消臭フィルタと、活性炭フィルタ単体について比較して
測定を行った。この結果、図13に示すごとく、加熱手
段を配設させた本発明の複合消臭フィルタは、繰り返し
エアコンを動作させても、加熱手段のないフィルタより
もさらに高い消臭能力の維持がみられた。特に、従来の
フィルタである活性炭のみのフィルタは、消臭能力の低
下が大きかった。これは、活性炭に吸着された硫化水素
が飽和することによって脱臭能力を失ったためである。
一方、複合消臭フィルタにおいては、活性炭に吸着され
た硫化水素が離脱の際にオクタカルボキシフタロシアニ
ン鉄による酸化反応によって無臭化されており、特に、
加熱手段を備えた複合消臭フィルタにおいては、臭気成
分の離脱が促進されたため活性炭フィルタの吸着能力が
維持された。
【0051】さらに、同様な測定を、今度は120分間
の測定における最後の30分間、つまり、エアコン動作
90分後に加熱操作を行ったところ、120分間の測定
終了時の硫化水素濃度が加熱開始から5%ほど上昇した
が、消臭能力は繰り返し硫化水素を導入しても、一定に
維持された。このように、加熱操作は、エアコン動作中
に間欠的に行っても良いし、また、エアコン動作終了後
に行ってもよい。
の測定における最後の30分間、つまり、エアコン動作
90分後に加熱操作を行ったところ、120分間の測定
終了時の硫化水素濃度が加熱開始から5%ほど上昇した
が、消臭能力は繰り返し硫化水素を導入しても、一定に
維持された。このように、加熱操作は、エアコン動作中
に間欠的に行っても良いし、また、エアコン動作終了後
に行ってもよい。
【0052】同様な結果は図8,図9のようなフィルタ
構造でも得られた。ただし、図8の構造では、発熱プレ
ート36が直接オクタカルボキシフタロシアニン鉄を担
持した通気性バッグ1に触接するため、発熱プレート3
6の発熱量を下げた。このため、図7および図9の実施
例に比べて、数回繰り返し臭気を導入した後の消臭能力
が10%劣った。実際のエアコン動作においては、加熱
時間と加熱量を調整することによって、この消臭能力の
低下を防ぐことができる。
構造でも得られた。ただし、図8の構造では、発熱プレ
ート36が直接オクタカルボキシフタロシアニン鉄を担
持した通気性バッグ1に触接するため、発熱プレート3
6の発熱量を下げた。このため、図7および図9の実施
例に比べて、数回繰り返し臭気を導入した後の消臭能力
が10%劣った。実際のエアコン動作においては、加熱
時間と加熱量を調整することによって、この消臭能力の
低下を防ぐことができる。
【0053】次いで、図10及び図11に示す実施例に
ついて説明する。まず、図10に示すように、メッシュ
状の発熱プレート36を2つの活性炭フィルタ2で挟
み、さらに、2つのオクタカルボキシフタロシアニン鉄
を担持させた通気性の不織布1で挟み込むことによっ
て、通気性のある複合消臭フィルタ10を作成した。
ついて説明する。まず、図10に示すように、メッシュ
状の発熱プレート36を2つの活性炭フィルタ2で挟
み、さらに、2つのオクタカルボキシフタロシアニン鉄
を担持させた通気性の不織布1で挟み込むことによっ
て、通気性のある複合消臭フィルタ10を作成した。
【0054】得られた複合消臭フィルタ10を図7に示
す実施例と同じように、エアコンに取り付け、評価用ボ
ックスに設置し、消臭効果を測定した。その結果は、図
7の実施例と有意な差は認められなかった。この複合消
臭フィルタ10は、消臭効果を示しただけでなく、繰り
返し動作させても消臭能力が維持された。また、同様な
結果が、図11に示す構成を有するフィルタにおいても
得られた。
す実施例と同じように、エアコンに取り付け、評価用ボ
ックスに設置し、消臭効果を測定した。その結果は、図
7の実施例と有意な差は認められなかった。この複合消
臭フィルタ10は、消臭効果を示しただけでなく、繰り
返し動作させても消臭能力が維持された。また、同様な
結果が、図11に示す構成を有するフィルタにおいても
得られた。
【0055】次いで、繊維状に成形した吸着材及び遷移
金属キレート化合物を加熱手段に編み込んで構成した複
合消臭フィルタの実施例について説明する。この実施例
では、オクタカルボキシフタロシアニン鉄を担持させた
通気性の繊維と繊維状活性炭をメッシュ状の発熱プレー
トに織り込んだ通気性のある複合消臭フィルタ10を作
成した(図3に示す前述の実施例と同様の形態となる)。
金属キレート化合物を加熱手段に編み込んで構成した複
合消臭フィルタの実施例について説明する。この実施例
では、オクタカルボキシフタロシアニン鉄を担持させた
通気性の繊維と繊維状活性炭をメッシュ状の発熱プレー
トに織り込んだ通気性のある複合消臭フィルタ10を作
成した(図3に示す前述の実施例と同様の形態となる)。
【0056】得られた複合消臭フィルタ10を図7の実
施例と同じように、エアコンに取り付け、評価用ボック
スに設置し、消臭効果を測定した。その結果は、図7の
実施例と有意な差は認められなかった。この複合消臭フ
ィルタは消臭効果を示しただけでなく、繰り返し動作さ
せても消臭能力が維持された。
施例と同じように、エアコンに取り付け、評価用ボック
スに設置し、消臭効果を測定した。その結果は、図7の
実施例と有意な差は認められなかった。この複合消臭フ
ィルタは消臭効果を示しただけでなく、繰り返し動作さ
せても消臭能力が維持された。
【0057】次いで、図4に示す実施例におけるケース
を貼り付ける通気性多孔質紙をメッシュ状の発熱プレー
トとして構成した実施例を説明する。オクタカルボキシ
フタロシアニン鉄を、オクタカルボキシフタロシアニン
鉄のカルボキシル基と当量の水酸化カリウムに溶解さ
せ、1%オクタカルボキシフタロシアニン鉄溶液を作成
した。この溶液に、顆粒状の活性炭を浸漬させた後、引
き上げ、希塩酸溶液に浸漬することによって中和した。
これを風乾してオクタカルボキシフタロシアニン鉄を担
持させた。これを、図4に示すような、通気性のある多
孔質紙のケース4に入れ、このケース4をメッシュ状の
発熱プレート(加熱手段を用いない前述の実施形態で
は、通気性多孔質紙6として記載)に貼り合わせ、これ
を複合消臭フィルタ10とした。この複合消臭フィルタ
2枚を同じ表面を合わせるようにして使用してもよい。
あるいは、図4(B)に示すごとく、通気性のある多孔
質紙のバッグの中に発熱プレートを包み込むように挿入
し、オクタカルボキシフタロシアニン鉄を担持した顆粒
状活性炭を入れ、さらに、ミシン目を入れることにより
中の顆粒が全体的に分散するようにして複合消臭フィル
タ10を作成しても良い。
を貼り付ける通気性多孔質紙をメッシュ状の発熱プレー
トとして構成した実施例を説明する。オクタカルボキシ
フタロシアニン鉄を、オクタカルボキシフタロシアニン
鉄のカルボキシル基と当量の水酸化カリウムに溶解さ
せ、1%オクタカルボキシフタロシアニン鉄溶液を作成
した。この溶液に、顆粒状の活性炭を浸漬させた後、引
き上げ、希塩酸溶液に浸漬することによって中和した。
これを風乾してオクタカルボキシフタロシアニン鉄を担
持させた。これを、図4に示すような、通気性のある多
孔質紙のケース4に入れ、このケース4をメッシュ状の
発熱プレート(加熱手段を用いない前述の実施形態で
は、通気性多孔質紙6として記載)に貼り合わせ、これ
を複合消臭フィルタ10とした。この複合消臭フィルタ
2枚を同じ表面を合わせるようにして使用してもよい。
あるいは、図4(B)に示すごとく、通気性のある多孔
質紙のバッグの中に発熱プレートを包み込むように挿入
し、オクタカルボキシフタロシアニン鉄を担持した顆粒
状活性炭を入れ、さらに、ミシン目を入れることにより
中の顆粒が全体的に分散するようにして複合消臭フィル
タ10を作成しても良い。
【0058】得られた複合消臭フィルタ10を図14に
示すように、家庭用エアコン室内機の集塵フィルタ9と
熱交換機11の間に取り付け、評価用ボックス(1メー
トル立法)に設置した。評価用ボックス内を温度25
度、湿度60%の一般的な家屋の雰囲気に調整し、次
に、臭気ガスを導入した。この評価ボックス内の硫化水
素濃度を、エアコン動作前後と動作中にサンプリングを
行い、検知管およびガスクロマトグラフで測定した。オ
クタカルボキシフタロシアニン鉄を含まない活性炭だけ
からなるフィルタについても、同様に測定を行った。
示すように、家庭用エアコン室内機の集塵フィルタ9と
熱交換機11の間に取り付け、評価用ボックス(1メー
トル立法)に設置した。評価用ボックス内を温度25
度、湿度60%の一般的な家屋の雰囲気に調整し、次
に、臭気ガスを導入した。この評価ボックス内の硫化水
素濃度を、エアコン動作前後と動作中にサンプリングを
行い、検知管およびガスクロマトグラフで測定した。オ
クタカルボキシフタロシアニン鉄を含まない活性炭だけ
からなるフィルタについても、同様に測定を行った。
【0059】両フィルタとも、硫化水素を消臭したが、
圧力損失のため、相対濃度が3%に達するのに120分
を要した。しかしながら、本実施例による複合消臭フィ
ルタは、図7に示す実施例と同様に、繰り返し動作させ
ても消臭効果を失うことはなかった。
圧力損失のため、相対濃度が3%に達するのに120分
を要した。しかしながら、本実施例による複合消臭フィ
ルタは、図7に示す実施例と同様に、繰り返し動作させ
ても消臭効果を失うことはなかった。
【0060】次いで、加熱手段を有する複合消臭フィル
タを使用した機器類の一例として、図7に示す実施例の
複合消臭フィルタ10を、図15に示すごとくに、ファ
ン17と吹き出し口18の間に設置した空気清浄機を構
成した。複合消臭フィルタ10は、集塵フィルタ16と
ファン17の間に設けても良い。このように複合消臭フ
ィルタ10を設置した空気清浄機の消臭効果は3ヶ月間
の使用においても持続した。
タを使用した機器類の一例として、図7に示す実施例の
複合消臭フィルタ10を、図15に示すごとくに、ファ
ン17と吹き出し口18の間に設置した空気清浄機を構
成した。複合消臭フィルタ10は、集塵フィルタ16と
ファン17の間に設けても良い。このように複合消臭フ
ィルタ10を設置した空気清浄機の消臭効果は3ヶ月間
の使用においても持続した。
【0061】また、他の機器類の一例として図7に示す
実施例の複合消臭フィルタ10を、図16に示すごとく
に空気取り入れ口19、集塵フィルタ20に続く後方に
設置した除湿器を構成した。その消臭効果は3ヶ月間の
使用においても持続した。
実施例の複合消臭フィルタ10を、図16に示すごとく
に空気取り入れ口19、集塵フィルタ20に続く後方に
設置した除湿器を構成した。その消臭効果は3ヶ月間の
使用においても持続した。
【0062】更に他の機器類の一例として図7に示す実
施例の複合消臭フィルタ10を、図17に示すごとく
に、排気口21と集塵フィルタ22の間に設置した掃除
機を構成した。その消臭効果は1ヶ月間の使用において
も持続した。
施例の複合消臭フィルタ10を、図17に示すごとく
に、排気口21と集塵フィルタ22の間に設置した掃除
機を構成した。その消臭効果は1ヶ月間の使用において
も持続した。
【0063】更に他の機器類の一例として図7に示す実
施例の複合消臭フィルタ10を、図18に示すごとく
に、排気口26の手前に設置した電子レンジを構成し
た。庫内で発生した臭いは、排気ガイド25を経て排気
口26から排出される時に消臭される。この消臭効果は
1ヶ月間の使用においても持続した。ただし、乾燥した
食品のみを加熱した場合は、電子レンジ庫内が極めて乾
燥した状態になるため消臭性能の低下がみられた。
施例の複合消臭フィルタ10を、図18に示すごとく
に、排気口26の手前に設置した電子レンジを構成し
た。庫内で発生した臭いは、排気ガイド25を経て排気
口26から排出される時に消臭される。この消臭効果は
1ヶ月間の使用においても持続した。ただし、乾燥した
食品のみを加熱した場合は、電子レンジ庫内が極めて乾
燥した状態になるため消臭性能の低下がみられた。
【0064】次に、複合消臭フィルタに対し適正な水分
もしくは湿気を付与する手段を備えた複合消臭フィルタ
装置の実施例を説明する。図19は、本発明による複合
消臭フィルタの装置の一実施例を説明するための概略構
成図で、複合消臭フィルタ装置を使用したエアコンを示
すものである。図中、28は空気取り入れ口、29は吹
き出し口、30は集塵フィルタ、31は熱交換機、32
はファン、33は水噴射ノズル、34は水分貯留容器で
ある。本実施例の複合消臭フィルタ装置は、複合消臭フ
ィルタと水分貯留容器34と水噴射ノズル33とを構成
要素として有し、複合消臭フィルタ10に対して水分供
給を行なう機構を備えるものである。
もしくは湿気を付与する手段を備えた複合消臭フィルタ
装置の実施例を説明する。図19は、本発明による複合
消臭フィルタの装置の一実施例を説明するための概略構
成図で、複合消臭フィルタ装置を使用したエアコンを示
すものである。図中、28は空気取り入れ口、29は吹
き出し口、30は集塵フィルタ、31は熱交換機、32
はファン、33は水噴射ノズル、34は水分貯留容器で
ある。本実施例の複合消臭フィルタ装置は、複合消臭フ
ィルタと水分貯留容器34と水噴射ノズル33とを構成
要素として有し、複合消臭フィルタ10に対して水分供
給を行なう機構を備えるものである。
【0065】複合消臭フィルタは、上述と同様の製造方
法により作製した。水分を入れるための水分貯留容器3
4には、複合消臭フィルタ10の表面に向かって水分を
噴射する水噴射ノズル33が取り付けてあり、複合フィ
ルタ10の内部の水分含有量が低下すると水分を噴射す
る機構になっている。作製した複合消臭フィルタ装置
は、図19に示したように、家庭用エアコン室内機の集
塵フィルタ30に取り付けた。
法により作製した。水分を入れるための水分貯留容器3
4には、複合消臭フィルタ10の表面に向かって水分を
噴射する水噴射ノズル33が取り付けてあり、複合フィ
ルタ10の内部の水分含有量が低下すると水分を噴射す
る機構になっている。作製した複合消臭フィルタ装置
は、図19に示したように、家庭用エアコン室内機の集
塵フィルタ30に取り付けた。
【0066】次に、複合消臭フィルタ装置を搭載したエ
アコンを消臭評価用ボックス(1メートル立方)に設置
し、消臭効果を調べた。評価用ボックス内の温度を25
℃とし、湿度は、20%もしくは50%に調整した。ボ
ックス内に硫化水素ガスを導入し、エアコン動作前と動
作後にサンプリングを行い、検知管により硫化水素ガス
濃度を測定した。このときの硫化水素ガスの初期濃度
は、60ppmとした。
アコンを消臭評価用ボックス(1メートル立方)に設置
し、消臭効果を調べた。評価用ボックス内の温度を25
℃とし、湿度は、20%もしくは50%に調整した。ボ
ックス内に硫化水素ガスを導入し、エアコン動作前と動
作後にサンプリングを行い、検知管により硫化水素ガス
濃度を測定した。このときの硫化水素ガスの初期濃度
は、60ppmとした。
【0067】測定の結果、湿度50%では、硫化水素ガ
スは30分後には複合消臭フィルタに完全に消臭されて
検知管で検出できなかった。しかし、湿度20%では、
30分後の硫化水素ガス濃度は5ppm残存し、90分
後に完全に消臭することができた。次いで、湿度20%
において、硫化水素ガスを導入する前に複合消臭フィル
タ10に水分を噴射して複合消臭フィルタ内の水分含有
量を多くした。この結果、湿度50%におけるデータと
同様に、30分後には完全に消臭することができた。
スは30分後には複合消臭フィルタに完全に消臭されて
検知管で検出できなかった。しかし、湿度20%では、
30分後の硫化水素ガス濃度は5ppm残存し、90分
後に完全に消臭することができた。次いで、湿度20%
において、硫化水素ガスを導入する前に複合消臭フィル
タ10に水分を噴射して複合消臭フィルタ内の水分含有
量を多くした。この結果、湿度50%におけるデータと
同様に、30分後には完全に消臭することができた。
【0068】次いで、複合消臭フィルタ装置の他の実施
例を説明する。図20は、本発明による複合消臭フィル
タ装置の他の実施例を説明するための概略構成図で、複
合消臭フィルタ装置を使用したエアコンを示すものであ
る。図中、35はペルチェ素子である。まず、金属性ハ
ニカム構造の消臭フィルタの製造方法について説明す
る。1%のオクタカルボキシフタロシアニン鉄を含む水
酸化カリウム水溶液を調製し、この水溶液に圧力損失の
小さいハニカム構造の金属板(予めゼオライト粉末をバ
インダーを用いて、表面にコーティング)を浸漬させた
後、引き上げて希塩酸水溶液に浸して中和する。その
後、十分洗浄して金属フィルタ表面にオクタカルボキシ
フタロシアニン鉄を担持した。
例を説明する。図20は、本発明による複合消臭フィル
タ装置の他の実施例を説明するための概略構成図で、複
合消臭フィルタ装置を使用したエアコンを示すものであ
る。図中、35はペルチェ素子である。まず、金属性ハ
ニカム構造の消臭フィルタの製造方法について説明す
る。1%のオクタカルボキシフタロシアニン鉄を含む水
酸化カリウム水溶液を調製し、この水溶液に圧力損失の
小さいハニカム構造の金属板(予めゼオライト粉末をバ
インダーを用いて、表面にコーティング)を浸漬させた
後、引き上げて希塩酸水溶液に浸して中和する。その
後、十分洗浄して金属フィルタ表面にオクタカルボキシ
フタロシアニン鉄を担持した。
【0069】この複合消臭フィルタ10の表面に電子冷
却のペルチェ素子35を取り付けて、複合消臭フィルタ
10を冷却する機構を設け、複合消臭フィルタ装置を構
成した。電子冷却によりペルチェ素子35表面の温度を
下げ、表面に空気中の水分を結露させて複合消臭フィル
タ10に水分を供給できるようにした。
却のペルチェ素子35を取り付けて、複合消臭フィルタ
10を冷却する機構を設け、複合消臭フィルタ装置を構
成した。電子冷却によりペルチェ素子35表面の温度を
下げ、表面に空気中の水分を結露させて複合消臭フィル
タ10に水分を供給できるようにした。
【0070】作製した複合消臭フィルタ装置は、図20
に示すように、家庭用エアコン室内機の集塵フィルタ3
0に取り付け、エアコン消臭評価用ボックス(1メート
ル立方)に設置した。そして、評価用ボックス内を温度
25℃とし、湿度を20%もしくは50%に調整し、ボ
ックス内に硫化水素ガスを導入してエアコン動作前と動
作後にサンプリングを行い、検知管により硫化水素ガス
濃度を測定した。このときの初期濃度は70ppmとし
た。
に示すように、家庭用エアコン室内機の集塵フィルタ3
0に取り付け、エアコン消臭評価用ボックス(1メート
ル立方)に設置した。そして、評価用ボックス内を温度
25℃とし、湿度を20%もしくは50%に調整し、ボ
ックス内に硫化水素ガスを導入してエアコン動作前と動
作後にサンプリングを行い、検知管により硫化水素ガス
濃度を測定した。このときの初期濃度は70ppmとし
た。
【0071】測定の結果、湿度50%では、硫化水素ガ
スは30分後には消臭フィルタに完全に消臭されて検知
管で検出できなかった。しかし、湿度20%では、30
分後の硫化水素ガス濃度は10ppmで、100分後に
完全に消臭することができた。そこで、湿度20%にお
いて、硫化水素ガスを導入する前に複合消臭フィルタ1
0に電子冷却して結露させた水分を供給し、該フィルタ
内部の水分含有量を多くすると、30分後には完全に消
臭することができた。
スは30分後には消臭フィルタに完全に消臭されて検知
管で検出できなかった。しかし、湿度20%では、30
分後の硫化水素ガス濃度は10ppmで、100分後に
完全に消臭することができた。そこで、湿度20%にお
いて、硫化水素ガスを導入する前に複合消臭フィルタ1
0に電子冷却して結露させた水分を供給し、該フィルタ
内部の水分含有量を多くすると、30分後には完全に消
臭することができた。
【0072】
【発明の効果】請求項1ないし4の発明の効果:臭気を
含む空気が流動するような環境であっても臭気の吸着性
能が良く、高い消臭効果を持ち、かつ、経時的にも安定
な吸着性能を維持し、寿命が長いために煩雑なフィルタ
交換の必要がなく、快適な環境を提供することができる
フィルタが得られる。
含む空気が流動するような環境であっても臭気の吸着性
能が良く、高い消臭効果を持ち、かつ、経時的にも安定
な吸着性能を維持し、寿命が長いために煩雑なフィルタ
交換の必要がなく、快適な環境を提供することができる
フィルタが得られる。
【0073】請求項5ないし14の発明の効果:請求項
1ないし4の効果に加えて、加熱手段を備えることによ
り吸着材の吸着性能をより安定して維持することができ
る。
1ないし4の効果に加えて、加熱手段を備えることによ
り吸着材の吸着性能をより安定して維持することができ
る。
【0074】請求項15ないし18の発明の効果:複合
消臭フィルタに水分を供給する水分供給手段を備えるこ
とにより、ごく乾燥した雰囲気における複合消臭フィル
タの吸着性能の低下を防ぎ、湿度条件に関わらず、安定
した吸着性能を維持することができる。
消臭フィルタに水分を供給する水分供給手段を備えるこ
とにより、ごく乾燥した雰囲気における複合消臭フィル
タの吸着性能の低下を防ぎ、湿度条件に関わらず、安定
した吸着性能を維持することができる。
【図1】本発明による複合消臭フィルタの一実施例を説
明するための斜視図及び断面図である。
明するための斜視図及び断面図である。
【図2】本発明による複合消臭フィルタの他の実施例を
説明するための斜視図及び断面図である。
説明するための斜視図及び断面図である。
【図3】本発明による複合消臭フィルタの更に他の実施
例を説明するための斜視図及び断面図である。
例を説明するための斜視図及び断面図である。
【図4】本発明による複合消臭フィルタの更に他の実施
例を説明するための斜視図である。
例を説明するための斜視図である。
【図5】図1に示した実施例における吸着性能評価結果
の一例を示すグラフである。
の一例を示すグラフである。
【図6】図1に示した実施例における吸着性能評価結果
の一例を示すグラフである。
の一例を示すグラフである。
【図7】本発明による複合消臭フィルタの更に他の実施
例を説明するための斜視図及び断面図である。
例を説明するための斜視図及び断面図である。
【図8】本発明による複合消臭フィルタの更に他の実施
例を説明するための斜視図及び断面図である。
例を説明するための斜視図及び断面図である。
【図9】本発明による複合消臭フィルタの更に他の実施
例を説明するための斜視図及び断面図である。
例を説明するための斜視図及び断面図である。
【図10】本発明による複合消臭フィルタの更に他の実
施例を説明するための斜視図及び断面図である。
施例を説明するための斜視図及び断面図である。
【図11】本発明による複合消臭フィルタの更に他の実
施例を説明するための斜視図及び断面図である。
施例を説明するための斜視図及び断面図である。
【図12】図7に示した実施例における吸着性能評価結
果の一例を示すグラフである。
果の一例を示すグラフである。
【図13】図7に示した実施例における吸着性能評価結
果の一例を示すグラフである。
果の一例を示すグラフである。
【図14】本発明による複合消臭フィルタを適用した機
器の一例としてのエアコンを示す斜視図及び概略構成図
である。
器の一例としてのエアコンを示す斜視図及び概略構成図
である。
【図15】複合消臭フィルタを空気清浄機に設定した実
施例を示す斜視図及び概略構成図である。
施例を示す斜視図及び概略構成図である。
【図16】複合消臭フィルタを除湿器に設定した実施例
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
【図17】複合消臭フィルタを掃除機に設定した実施例
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
【図18】複合消臭フィルタを電子レンジに設定した実
施例を示す斜視図及び概略構成図である。
施例を示す斜視図及び概略構成図である。
【図19】本発明による複合消臭フィルタの装置の一実
施例を説明するための概略構成図で、複合消臭フィルタ
装置を使用したエアコンを示すものである。
施例を説明するための概略構成図で、複合消臭フィルタ
装置を使用したエアコンを示すものである。
【図20】本発明による複合消臭フィルタ装置の他の実
施例を説明するための概略構成図で、複合消臭フィルタ
装置を使用したエアコンを示すものである。
施例を説明するための概略構成図で、複合消臭フィルタ
装置を使用したエアコンを示すものである。
1…通気性バッグ、2…活性炭フィルタ、3,36…発
熱プレート、4,5…多孔質紙のケース、6…通気性多
孔質紙、7…空気取り入れ口、8,18,29…吹き出
し口、9,16,20,22,30…集塵フィルタ、1
0…複合消臭フィルタ、11,31…熱交換機、12,
17,32…ファン、13…空気取り入れ口、14…エ
アフィルタ、15…イオン発生装置、19,28…空気
取り入れ口、21,26…排気口、23…ドア、24…
ターンテーブル、25…排気ガイド、27…マグネトロ
ン、33…消臭噴射ノズル、34…水分貯留容器、35
…ペルチェ素子。
熱プレート、4,5…多孔質紙のケース、6…通気性多
孔質紙、7…空気取り入れ口、8,18,29…吹き出
し口、9,16,20,22,30…集塵フィルタ、1
0…複合消臭フィルタ、11,31…熱交換機、12,
17,32…ファン、13…空気取り入れ口、14…エ
アフィルタ、15…イオン発生装置、19,28…空気
取り入れ口、21,26…排気口、23…ドア、24…
ターンテーブル、25…排気ガイド、27…マグネトロ
ン、33…消臭噴射ノズル、34…水分貯留容器、35
…ペルチェ素子。
Claims (18)
- 【請求項1】 臭気分子を吸着する吸着材と、臭気分子
に対して触媒として働き該臭気分子に酸化反応を生じせ
しめる遷移金属キレート化合物とを含んでなる消臭手段
を有する複合消臭フィルタにおいて、前記消臭手段は、
前記吸着材を含み通気性を有してなる吸着材含有成形体
と前記遷移金属キレート化合物を含み通気性を有してな
る遷移金属キレート化合物含有成形体よりなり、前記吸
着材含有成形体を前記遷移金属キレート化合物含有成形
体で包み込んで配するようにしたことを特徴とする複合
消臭フィルタ。 - 【請求項2】 臭気分子を吸着する吸着材と、臭気分子
に対して触媒として働き該臭気分子に酸化反応を生じせ
しめる遷移金属キレート化合物とを含んでなる消臭手段
を有する複合消臭フィルタにおいて、前記消臭手段は、
前記吸着材を含み通気性を有してなる吸着材含有成形体
と前記遷移金属キレート化合物を含み通気性を有してな
る遷移金属キレート化合物含有成形体よりなり、第1及
び第2の前記遷移金属キレート化合物含有成形体の間に
前記吸着材含有成形体を配するようにしたことを特徴と
する複合消臭フィルタ。 - 【請求項3】 臭気分子を吸着する吸着材と、臭気分子
に対して触媒として働き該臭気分子に酸化反応を生じせ
しめる遷移金属キレート化合物とを含んでなる消臭手段
を有する複合消臭フィルタにおいて、前記消臭手段は、
前記吸着材を含んでなる繊維状成形体と、前記遷移金属
キレート化合物を含んでなる繊維状成形体よりなること
を特徴とする複合消臭フィルタ。 - 【請求項4】 前記消臭手段を通気性を有する基体に編
み込んで構成したことを特徴とする請求項3に記載の複
合消臭フィルタ。 - 【請求項5】 臭気分子を吸着する吸着材と、臭気分子
に対して触媒として働き該臭気分子に酸化反応を生じせ
しめる遷移金属キレート化合物とを含んでなる消臭手段
を有する複合消臭フィルタにおいて、前記消臭手段を加
熱するための通気性を有する加熱手段を備え、該加熱手
段と前記消臭手段とを一体化してなるようにしたことを
特徴とする複合消臭フィルタ。 - 【請求項6】 前記吸着材として粉末または顆粒の吸着
材を用い、互いに接着した前記加熱手段及び前記吸着材
に前記遷移金属キレート化合物を担持させてなるように
したことを特徴とする請求項5に記載の複合消臭フィル
タ。 - 【請求項7】 臭気分子を吸着する吸着材と、臭気分子
に対して触媒として働き該臭気分子に酸化反応を生じせ
しめる遷移金属キレート化合物とを含んでなる消臭手段
を有する複合消臭フィルタにおいて、前記消臭手段を加
熱するための通気性を有する加熱手段を備え、前記消臭
手段として粉末または顆粒の前記吸着材と粉末または顆
粒の前記遷移金属キレート化合物とを用い、前記消臭手
段を包含する1または複数のケースを前記加熱手段に取
り付けてなるようにしたことを特徴とする複合消臭フィ
ルタ。 - 【請求項8】 臭気分子を吸着する吸着材と、臭気分子
に対して触媒として働き該臭気分子に酸化反応を生じせ
しめる遷移金属キレート化合物とを含んでなる消臭手段
を有する複合消臭フィルタにおいて、前記消臭手段を加
熱するための通気性を有する加熱手段を備え、前記消臭
手段として前記遷移金属キレート化合物を担持させた粉
末または顆粒の前記吸着材を用い、前記消臭手段を包含
する1または複数のケースを前記加熱手段に取り付けて
なるようにしたことを特徴とする複合消臭フィルタ。 - 【請求項9】 前記消臭手段を加熱するための通気性を
有する加熱手段を備え、前記通気性を有する基体として
前記加熱手段を用いるようにしたことを特徴とする請求
項4に記載の複合消臭フィルタ。 - 【請求項10】 臭気分子を吸着する吸着材と、臭気分
子に対して触媒として働き該臭気分子に酸化反応を生じ
せしめる遷移金属キレート化合物とを含んでなる消臭手
段を有する複合消臭フィルタにおいて、前記消臭手段
は、前記吸着材を含み通気性を有してなる吸着材含有成
形体と前記遷移金属キレート化合物を含み通気性を有し
てなる遷移金属キレート化合物含有成形体よりなり、前
記消臭手段を加熱するための通気性を有する加熱手段を
備え、該加熱手段と前記消臭手段とを、該加熱手段,前
記吸着材含有成形体,前記遷移金属キレート化合物含有
成形体の順に配してなるようにしたことを特徴とする複
合消臭フィルタ。 - 【請求項11】 臭気分子を吸着する吸着材と、臭気分
子に対して触媒として働き該臭気分子に酸化反応を生じ
せしめる遷移金属キレート化合物とを含んでなる消臭手
段を有する複合消臭フィルタにおいて、前記消臭手段
は、前記吸着材を含み通気性を有してなる吸着材含有成
形体と前記遷移金属キレート化合物を含み通気性を有し
てなる遷移金属キレート化合物含有成形体よりなり、前
記消臭手段を加熱するための通気性を有する加熱手段を
備え、該加熱手段と前記消臭手段とを、第1の前記遷移
金属キレート化合物含有成形体,第1の前記吸着材含有
成形体,前記加熱手段,第2の前記吸着材含有成形体,
第2の前記遷移金属キレート化合物含有成形体の順に配
してなるようにしたことを特徴とする複合消臭フィル
タ。 - 【請求項12】 臭気分子を吸着する吸着材と、臭気分
子に対して触媒として働き該臭気分子に酸化反応を生じ
せしめる遷移金属キレート化合物とを含んでなる消臭手
段を有する複合消臭フィルタにおいて、前記消臭手段
は、前記吸着材を含み通気性を有してなる吸着材含有成
形体と前記遷移金属キレート化合物を含み通気性を有し
てなる遷移金属キレート化合物含有成形体よりなり、前
記消臭手段を加熱するための通気性を有する加熱手段を
備え、互いに接着した該吸着材含有成形体と該加熱手段
とを前記遷移金属キレート化合物含有成形体で包み込ん
で配するようにしたことを特徴とする複合消臭フィル
タ。 - 【請求項13】 臭気分子を吸着する吸着材と、臭気分
子に対して触媒として働き該臭気分子に酸化反応を生じ
せしめる遷移金属キレート化合物とを含んでなる消臭手
段を有する複合消臭フィルタにおいて、前記消臭手段
は、前記吸着材を含み通気性を有してなる吸着材含有成
形体と前記遷移金属キレート化合物を含み通気性を有し
てなる遷移金属キレート化合物含有成形体よりなり、前
記消臭手段を加熱するための通気性を有する加熱手段を
備え、第1及び第2の前記吸着材含有成形体の間に前記
加熱手段を配し、該各吸着材含有成形体と該加熱手段と
を前記遷移金属キレート化合物含有成形体で包み込んで
配するようにしたことを特徴とする複合消臭フィルタ。 - 【請求項14】 臭気分子を吸着する吸着材と、臭気分
子に対して触媒として働き該臭気分子に酸化反応を生じ
せしめる遷移金属キレート化合物とを含んでなる消臭手
段を有する複合消臭フィルタにおいて、前記消臭手段
は、前記吸着材を含み通気性を有してなる吸着材含有成
形体と前記遷移金属キレート化合物を含み通気性を有し
てなる遷移金属キレート化合物含有成形体よりなり、前
記消臭手段を加熱するための通気性を有する加熱手段を
備え、該加熱手段を前記吸着材含有成形体で包み込み、
さらに該吸着材含有成形体を前記遷移金属キレート化合
物含有成形体で包み込んで配するようにしたことを特徴
とする複合消臭フィルタ。 - 【請求項15】 臭気分子を吸着する吸着材と臭気分子
に対して触媒として働き該臭気分子に酸化反応を生じせ
しめる遷移金属キレート化合物とを含んでなる消臭手段
を有する複合消臭フィルタと、該複合消臭フィルタに含
まれる水分量を制御するために前記複合消臭フィルタに
水分を供給する水分供給手段とを備えることを特徴とす
る複合消臭フィルタ装置。 - 【請求項16】 前記水分供給手段として、水分を貯留
させる容器と、該容器内の水分を前記複合消臭フィルタ
に噴射する水分噴射手段とを用いるようにしたことを特
徴とする請求項15に記載の複合消臭フィルタ装置。 - 【請求項17】 前記水分供給手段に、電子冷却により
結露水を生じせしめるための熱電変換デバイスを用い、
該結露水を前記複合消臭フィルタに供給する前記水分と
するようにしたことを特徴とする請求項15または16
に記載の複合消臭フィルタ装置。 - 【請求項18】 前記複合消臭フィルタとして、請求項
1ないし14いずれか1の複合消臭フィルタを用いるこ
とを特徴とする請求項15ないし17いずれか1記載の
複合消臭フィルタ装置。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9166122A JPH119671A (ja) | 1997-06-23 | 1997-06-23 | 複合消臭フィルタ及びそれを備える複合消臭フィルタ装置 |
EP19980304787 EP0893128B1 (en) | 1997-06-23 | 1998-06-17 | Composite space deodorizing filter |
DE1998623929 DE69823929T2 (de) | 1997-06-23 | 1998-06-17 | Verbundluftdesodorierungsfilter |
KR1019980023744A KR100278937B1 (ko) | 1997-06-23 | 1998-06-23 | 복합 탈취 필터 및 이를 포함하는 복합 탈취 필터 장치 및 탈취 필터 제조 방법 |
CN98103266A CN1114449C (zh) | 1997-06-23 | 1998-06-23 | 组合式除臭过滤器及其生产方法和含其的过滤装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9166122A JPH119671A (ja) | 1997-06-23 | 1997-06-23 | 複合消臭フィルタ及びそれを備える複合消臭フィルタ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH119671A true JPH119671A (ja) | 1999-01-19 |
Family
ID=15825447
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9166122A Pending JPH119671A (ja) | 1997-06-23 | 1997-06-23 | 複合消臭フィルタ及びそれを備える複合消臭フィルタ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH119671A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001009019A (ja) * | 1999-04-30 | 2001-01-16 | Kureha Chem Ind Co Ltd | 消臭性構造体及び消臭剤 |
JP2002233718A (ja) * | 2001-02-13 | 2002-08-20 | Nippon Pure Tec Kk | エアフィルタ用ろ材 |
KR100450124B1 (ko) * | 2001-11-23 | 2004-09-30 | 모딘코리아 유한회사 | 자동차의 환기장치용 에어필터 |
JP2007185661A (ja) * | 2007-04-16 | 2007-07-26 | Matsushita Electric Works Ltd | 静電霧化装置 |
US7837134B2 (en) | 2005-12-19 | 2010-11-23 | Panasonic Electric Works Co., Ltd. | Electrostatically atomizing device |
US7874503B2 (en) | 2004-04-08 | 2011-01-25 | Panasonic Electric Works Co., Ltd. | Electrostatcially atomizing device |
-
1997
- 1997-06-23 JP JP9166122A patent/JPH119671A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001009019A (ja) * | 1999-04-30 | 2001-01-16 | Kureha Chem Ind Co Ltd | 消臭性構造体及び消臭剤 |
JP2002233718A (ja) * | 2001-02-13 | 2002-08-20 | Nippon Pure Tec Kk | エアフィルタ用ろ材 |
KR100450124B1 (ko) * | 2001-11-23 | 2004-09-30 | 모딘코리아 유한회사 | 자동차의 환기장치용 에어필터 |
US7874503B2 (en) | 2004-04-08 | 2011-01-25 | Panasonic Electric Works Co., Ltd. | Electrostatcially atomizing device |
US7837134B2 (en) | 2005-12-19 | 2010-11-23 | Panasonic Electric Works Co., Ltd. | Electrostatically atomizing device |
JP2007185661A (ja) * | 2007-04-16 | 2007-07-26 | Matsushita Electric Works Ltd | 静電霧化装置 |
JP4706662B2 (ja) * | 2007-04-16 | 2011-06-22 | パナソニック電工株式会社 | 静電霧化装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040608 |