JPH1196326A - 電波応答シートおよびその製造方法 - Google Patents

電波応答シートおよびその製造方法

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JPH1196326A
JPH1196326A JP9255744A JP25574497A JPH1196326A JP H1196326 A JPH1196326 A JP H1196326A JP 9255744 A JP9255744 A JP 9255744A JP 25574497 A JP25574497 A JP 25574497A JP H1196326 A JPH1196326 A JP H1196326A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】精度良く、容易に、かつ即応性良く製造できる
とともに、製造コストを従来よりも低く抑え、使い捨て
の用途にも確実に対処できる、遠距離から非接触で情報
読取り可能な電波応答シートを提供する。 【解決手段】送信電波(RF波)に応答して応答信号を
発生するRFタグ30を用いた電波応答シート29であ
る。RFタグ30は、基板31と、基板上にインクジェ
ット法により印刷され且つ電波に対する所望の共振周波
数を有するコイル32およびコンデンサ33を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、商品、荷物などの
物品に取り付けて当該物品に識別、管理などを行うため
のタグおよびその製造方法に関し、とくに、照射される
電波に応答して共振するコイルおよびコンデンサから成
るタグと、このタグを印刷法による形成する製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】現在、物品の識別、管理などのために用
いられるタグの代表的なものとしてバーコードが多用さ
れている。
【0003】このバーコードの場合、バーコードを取り
付けた(張り付けた)物品のバーコード部分をバーコー
ド読取り器で光学的に読み取らせているが、その読み取
り作業は、作業者が物品をバーコード読取り器のセンサ
部に接触状態まで近付けるか、読取り器のセンサ部分を
物品のバーコードに接触状態まで近付けるかで行われて
いる。いずれの場合も読取りは接触的状態で行われ、遠
距離からの読取りは実際上、不可能である。このため、
航空会社の手荷物、運送会社の輸送品などの場合、その
形状は不定であるため、バーコードは扱い難く、手間や
コストが掛かるという現状にある。
【0004】このような現状の中、物品に設けたタグに
持たせた情報を非接触で読み取る提案も徐々になされて
きている。その一例として、特開平8−44794号公
開公報には、電波を用いて遠距離からタグの情報を読み
取り可能なRFタグが提案されている。このタグは、同
公報では共振タグと呼ばれており、コイルとコンデンサ
から成る。この共振タグは、その一例としては、円形の
シート状にて硬貨程度の大きさの絶縁体を設け、この絶
縁体の両側面部に外周部から中心部に向かってコイル状
に銅箔を貼り付けることでコイルおよびコンデンサから
成る電気的な共振回路を形成している。この共振タグ
は、コイルの形状とコンデンサの静電容量を変えること
により、その共振周波数を変えることができ、別々のI
D情報を持たせることができる。この共振タグは例え
ば、食器の底部に張り付けられ、または、埋設される。
同公開公報提案の技術は、かかるタグを食堂の食器分
類、料金精算、仕分けなどの作業に利用し、省力化を計
るものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の公開公報記載の共振タグの場合、コイルは銅箔
をフォトリソなどによりエッチングして形成し、それを
絶縁体に張り付けていること、また、コンデンサも同様
にコンデンサ単体を貼り付けて形成していることから、
所望形状のコイルを製造し難く、また、コンデンサの製
造精度が低く、さらに、多種類のタグを形成しようとす
る際、高価なフォトマスクを多数作らなければならない
という問題があった。また、フォトリソ工程をユーザー
が持つのは困難であるため、刻々と変化する、例えば、
生鮮野菜、鮮魚類等の価格、生産地、種類等の最新の情
報を瞬時にタグに持たせること、つまり、製造されたタ
グに情報の追加、修正を現場で迅速に与えることが困難
である。
【0006】まさた、コイルやコンデンサーを基板に貼
り付ける作業工程を必須としているために貼り付け状
態、プラスチック、セラミック、紙等下地材料の相違に
よる誘電率や導電率の変化や、下地の差による周部の誘
電率や導電率のばらつきにより共振周波数のシフト等共
振条件が変化し易い。そのため、正確な周波数を設定で
きないだけでなく近傍の周波数が使えないため情報の高
密度化を妨げている。
【0007】さらに、共振タグに電波が入射するとき、
その入射方向が異なると共振条件も変わってしまう場合
がある。前述した従来の共振タグは食器の底部に取り付
けられ、この食器がトレイに載せられ、さらに、このト
レイが料金精算装置の所定のトレイ置場に載せられる。
トレイ置場の下方には電波の送受信アンテナがアレイ状
に配置される。このように言わば、共振タグが常に所定
位置または所定位置に近い位置に配置される構成の場
合、電波の入射方向によって共振条件が変わることの影
響は少ない。
【0008】しかし、この共振タグを、例えば、籠に無
差別な位置、方向のまま入れる不定形状の手荷物に取り
付ける場合や、ベルトコンベヤ上を無差別な方向を向い
たまま運搬されてくる不定形状の商品に取り付ける場
合、共振タグに入射する電波の方向が違い過ぎて、共振
条件の変化が大きく、共振タグのID情報の読み出し誤
差が大きくなってしまい、とても実用に供し得ないとい
う問題があった。
【0009】本発明の1つの目的は、このような従来技
術が直面している状況に鑑みてなされたもので、精度良
く、容易に、かつ即応性良く製造できるとともに、製造
コストを従来よりも低く抑え、使い捨ての用途にも確実
に対処できる、遠距離から非接触で情報読取り可能な電
波応答シートを提供することである。
【0010】また本発明の別の目的は、誘電率や導電率
のばらつきや、電波の入射方向に依存等の共振条件の変
化に依る影響を回避できる、電波応答シートを提供する
ことにある。さらに、本発明の目的は、かかる電波応答
シートを製造する方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成させるた
め、本発明は、送信した電波(RF波)に応答して応答
信号を発生するRFタグを用いた電波応答シートにおい
て、前記RFタグは、基板と、この基板上に印刷法によ
り印刷され且つ前記電波に対する所望の共振周波数を有
するエレメントを備えたことを特徴とする。
【0012】また、本発明では、送信した電波(RF
波)に応答する応答信号を発生するRFタグを2次元状
に複数個配列して成るアレイ化タグを備えた電波応答シ
ートにおいて、前記複数のRFタグのそれぞれは、基板
と、この基板上に印刷法により印刷され且つ所望の共振
周波数を有するエレメントを備えるととともに、前記複
数のRFタグの内の少なくとも1個のRFタグを、共振
周波数のシフト補正用の基準タグに割り当てるように形
成したことを特徴とするものである。 さらに、本発明
の別の側面は、送信した電波(RF波)に応答して応答
信号を発生するRFタグを用いた電波応答シートの製造
方法において、基板上に、前記電波に対する所望の共振
周波数を有するエレメントを印刷法によって形成したこ
とを特徴とするものである。
【0013】本発明において、電波応答シートが実現さ
れる基板とは、例えば、製品そのもの、製品の包装、或
いは所定の形状を有するシート状体等共振タグを印刷等
によって形成できる対象であれば良い。
【0014】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。
【0015】1.タグの一般説明 最初に、電波(RF波)に応答するタグ(以下、RFタ
グという)の一般的概念を説明する。このRFタグは、
シートや基板上に印刷法によって形成された電波応答シ
ートに相当するものである。
【0016】図1に示すように、単体としてのRFタグ
20は、コイル21とコンデンサ22とから成る。この
RFタグ20にRF波を照射し、その周波数をスキャン
すると、その周波数が、RFタグ20に設定した所定の
共振周波数のときに共振し、RFタグ20はエコー波を
発生する。このエコー波を検出することで、RFタグに
予め設定しているID番号などの情報(以下、「タグ情
報」という。)を読み取ることができる。
【0017】タグ情報の量を多くするには、RFタグ2
0を複数個、例えば図2に示すように2次元的に配列
し、アレイ化タグを形成する。そして、個々のRFタグ
のコイルのインダクタンス(形状、厚さ、導体抵抗な
ど)、コンデンサの静電容量などを調整し、共振周波数
を変える。これにより、横軸を周波数、縦軸をエコー波
の強度にとると、例えば図3に示すように、2次元アレ
イ状RFタグの数分の共振周波数点を持ったピーク波形
が得られる。例えば、このピーク波形それぞれの有無に
論理値0、1が割り当てられる。このため、アレイ化す
るRFタグ数を増加させることで、2のべき乗の単位で
情報を設定できる。
【0018】2.本発明の電波応答シートおよびその製
造方法 2−1.タグ単体 図4および図5に電波応答シートの一例を示す。この電
波応答シート29は、本発明の製造方法によって製造し
たRFタグが単体の場合を示す。電波応答シート29は
RFタグ30と基板31を備える。RFタグ30は、タ
グ形成物としての基板31の上に、略渦巻き状のコイル
32と、このコイル32の渦巻き中心部に一体に形成し
た略矩形状のコンデンサ33とを備える。コンデンサ3
3は、コイル32の渦巻き中心部位に積層した33aお
よび33bとから成る。このRFタグ30は、後述する
インクジェット法により製造される。
【0019】2−2.アレイ化タグ 図6に電波応答シートの別の例を示す。この電波応答シ
ート29は、上記RFタグ30の単体を基板31上に2
次元的に配列して形成したアレイ化タグ34を有する。
個々のRFタグの共振周波数は、コイルのインダクタン
ス(コイルの長さや形状等の変更)やコンデンサの静電
容量を変えて製造することで、共振周波数を相互に違え
ている。これにより、アレイ化タグ34に割り当てる情
報量の豊富化を図っている。図7には、エコーピークが
5個(RFタグが5個)のときのエコー波の強度分布を
例示する。このアレイ化タグも、後述するインクジェッ
ト法により製造される。
【0020】上記アレイ化タグ30には、既述したとこ
ろの共振周波数のシフト等共振条件の変動を補正或いは
補償するための基準タグ34refが設けられている。
図19は、この基準タグを含めたアレイ化タグの共振パ
ターンを示すものである。(1)は基準タグが一つの場
合、(2)は基準タグが複数の場合である。(1)の動
作は次のとおりである。基準タグによる共振ピークを、
基準タグ以外の共振ピークから離れたところに設定して
おく。すなわち、予想されるシフト量を考慮しRF周波
数と重ならない、最も低周波側或いは最も高周波側に基
準タグの共振ピークを設定しておく。
【0021】基準タグの設計値をRF検出器本体のマイ
クロコンピュータに記憶させておく。マイクロコンピュ
ータは、基準タグのピークの実測値と設定値との差から
共振周波数のシフト値を求め、このシフト値に基づい
て、その他のアレイ状タグの共振周波数を補正する。基
準タグの共振周波数は、図19の(1)に示されるよう
に、その他のアレイ状タグ群の複数のピークから離れた
ところに設定されているので、検出器のマイクロコンピ
ュータは、基準タグのピークを特定することができる。
【0022】図19の(2)の動作は次のとおりであ
る。(2)の場合は、所定の周波数の部分に複数の基準
タグのピーク群が来るように、電波応答シートを製造す
る。すなわち、共振波がシフトしても、パターンで認識
するようにしている。検出器のマイクロコンピュータ
は、ほぼ一定間隔で連続した3つのピークが基準タグの
ピーク群であることを認識できる。そして、(1)の場
合と同様の方法により、共振ピークのシフト量(ずれ)
を計算することが可能である。この(2)の場合、複数
のピークのパターンから基準ピークを検出するために、
基準ピーク群とRFピーク群が重ならない限り、(1)
のように、基準ピークとRFピークとの間に周波数間隔
を設けることは必ずしも要求されない。
【0023】なお、基準タグ34refとRFタグの製
造方法に特に差は存在しない。基準タグの場合には、既
述のように、コイルやコンデンサを調整して望む共振ピ
ークが得られるようにしている。
【0024】共振ピークのシフト量が検出された後、図
20に示すように、後述の印刷法によってコイル32の
コンデンサ33とは反対側にさらにコイルを印刷して、
コイルの長さを、シフト量を補償する分追加する。反対
に、所定の長さ分コイルを次に説明するように消去して
も良い。なお、コンデンサ33の容量を変えるようにし
ても良い。
【0025】信号の補正について、共振ピークのシフト
が下地層の相違や下地の形状相違等による共振ピークの
相違である場合には、設定した周波数と検出した周波数
のシフト量から下地の影響、例えば、誘電率を推定し全
信号に対してその影響分を補正する。一方、基準値ピー
クが得られたタグの下地と今回測定されたタグとの下地
の種類や、厚さ等の形状が同じである場合には、共振ピ
ークのずれは、RFタグの姿勢差によるものであるか
ら、予め用意してある姿勢による影響データから全ピー
クの補正を行う。
【0026】2−3.タグの消去 図8に、RFタグの
消去の様子を示す。これは、上述の図6の如く書き込ん
だアレイ化タグ34の所望の1個または複数個のRFタ
グに、消去材35を上面から、例えば印刷または塗布し
て、消去したものである。この消去材35には電波を透
過させない材料が選択される。
【0027】これにより、一度、アレイ化形成、または
単体形成したRFタグであっても、製造途中でまたは使
用途中で変更したいときは、自在に消去して、その上か
ら新しいRFタグを例えばインクジェット法により印刷
できる。
【0028】2−4.タグの再書き込み 図9は、図8中のB−B線に沿った断面を示すもので、
上述の如く消去したRFタグの上からRFタグを再書き
込みした例を示す。消去材35の上に、例えばインクジ
ェット法に拠り、コイル32およびコンデンサ33から
なる新たな共振周波数のRFタグ36が形成される。こ
れにより、製造途中や使用途中の仕様変更にも容易に対
処できる。
【0029】2−5.下地層付きRFタグ 上述したRFタグおよびアレイ化タグは基板31の上に
直接、コイルおよびコンデンサを形成していたが、この
RFタグは図10に示すように、基板31の上に下地層
37を積層し、この下地層37の上に前述と同様にコイ
ル32およびコンデンサ33から成るRFタグ38を形
成したものである。この下地層37は例えば、インクジ
ェット法でRFタグ38を形成する過程で作られる。
【0030】3.電波応答シートの製造方法 本発明の電波応答シートは印刷法により製造することを
特徴とする。この印刷法として、本実施形態ではインク
ジェット法を採用するが、本発明は必ずしもインクジェ
ット法に限定されるものではない。例えば、インク温度
を上昇させて生じた気泡に因る圧力増加で、インク液を
吐出させる噴射法など、ほかの印刷方法であってもよ
い。
【0031】インクジェット法はインクジェットプリン
タにより実施できる。
【0032】3−1.全体構成 図11に示すように、インクジェットプリンタは、イン
クジェットプリンタヘッド1、本体2、トレイ3、排出
口4、ローラ6(601、602)、ヒータ7、コネク
タ9、制御回路10および操作ボタン11を備えてい
る。
【0033】インクジェットプリンタヘッド1は、同図
の楕円の中に拡大して示すように、ヘッド1s、1c、
1mおよび1yを備え、それぞれが同一の構造を備えて
いる。ただし、各ヘッドから吐出される吐出インクの種
類が異なる。インクジェットプリンタヘッド1は、図1
3に示すモータ101により、基板又はシート5を横切
る方向に移動可能に構成されている。
【0034】ヘッド1s〜1yは印字用プリンタヘッド
であり、制御回路10から供給された印字信号に対応し
て、各種インクをそれぞれ吐出するよう構成されてい
る。
【0035】各ヘッド1(s,c,m,y)は、図12
に示すように、ノズル板101、加圧室基板102、振
動板膜103および筐体105を備えている。
【0036】ノズル板101は、ノズル100x(x
は、s、c、mまたはyのいずれか。以下同様)が設け
られている。加圧室基板102は、キャビティ102
a、側壁102bおよび共通流路102cが設けられて
おり、図示しないインクタンクから供給される各種イン
クのいずれかの吐出物がこれらに充填可能に構成されて
いる。
【0037】振動板膜103は、図示しない薄膜素子が
設けられており、制御回路10からの印字信号に対応し
て当該振動板膜が変形可能に構成されている。筐体10
5は、ノズル板101および振動板膜103が取り付け
られた加圧室基板102が填め合わせ可能に構成されて
いる。
【0038】したがって、各ヘッドは、制御回路10か
らの信号に対応して振動板膜103が変形すると、キャ
ビティ102a内の圧力が高まるため、上述した吐出物
がノズル100xから吐出可能に構成されている。
【0039】図11に戻って、本体2は、インクジェッ
トプリンタ1の筐体であって、ローラ6(601、60
2)が基板5をトレイ3から供給可能な位置に、インク
ジェットプリンタヘッド1がローラ6により供給された
基板5の上を横切って通過可能なように、ヒータ7がこ
のヘッド1により印字された基板5上の文字等を加熱可
能な位置にそれぞれ配置されている。
【0040】トレイ3は、印字前の基板5をローラ6に
供給可能に構成されている。排出口4は、印刷が終了し
た基板5を排出するような構成を備えている。基板5は
記録媒体であり、普通紙や樹脂シートを適用することが
できる。
【0041】ローラ6(601、602および図3に示
すモータ600)は給紙機構であり、制御回路10から
駆動信号が出力されることにより、基板5を排出口4の
方に供給し、あるいはその逆の方向に搬送可能に構成さ
れている。
【0042】ヒータ7は乾燥機構であり、制御回路10
から加熱信号が出力されると発熱可能に構成されてい
る。この発熱による基板5の温度上昇は、乾燥に十分な
程度に設定されている。
【0043】コネクタ9は、コンピュータ装置(図示せ
ず)が出力した印字情報を供給するプリンタケーブル
(図示せず)が接続可能に構成されている。例えば、セ
ントロニクス準拠のプロトコルにより汎用コンピュータ
装置と接続が可能なようにその配ピンが規定されてい
る。
【0044】制御回路10は、図13に示すようにCP
U1000、ROM1001、RAM1002、入力回
路1003、出力回路1004、入力回路1005およ
びバス1006を備えている。
【0045】CPU1000は、ROM1001に格納
されている制御プログラムに従い、駆動信号をモータ6
00に出力することでローラ601、602を基板送り
機構として作用させ、加熱信号を出力することでヒータ
7を乾燥機構として作用させ、駆動信号をモータ101
に出力することでヘッド1s〜1yを印字用プリンタヘ
ッドとして作用させ、印字信号を出力することでヘッド
1c、1mおよび1yを印字用プリンタヘッドとして作
用させるよう構成されている。なお、本形態では、「印
字情報」というときにはコンピュータから転送される印
字のための情報を総称し、「印字信号」というときには
制御装置10からヘッド1c、1mおよび1yに出力さ
れる信号を称するものとする。
【0046】ROM1001は、CPU1000の動作
プログラムを格納可能に構成されている。RAM100
2は、CPU1000の動作に必要とされる一時的記憶
領域である他、コネクタ9を経由して供給された印字情
報を格納可能に構成されている。入力回路1003は、
操作ボタン11からの操作信号をCPU1000に供給
可能に構成され、出力回路1004は、CPU1000
からの駆動信号、加熱信号、駆動信号、表面改質信号お
よび印字信号を、それぞれモータ600、ヒータ7、モ
ータ101、ヘッド1s並びにヘッド1c、1mおよび
1yに供給可能に構成されている。入力回路1005
は、コネクタ9から供給された印字情報をバス1006
に出力可能に構成されている。バス1006は、CPU
1000、ROM1001、RAM1002、入力回路
1003、出力回路1004および入力回路1005を
相互接続可能に構成されている。
【0047】図11に戻って、操作ボタン11は、操作
者の操作により、装置の動作内容を指定する操作信号を
入力回路1003に出力可能に構成されている。
【0048】3−2.使用材料 このインクジェット法では、各種の材料粉末に溶媒、ま
たは必要に応じてバインダーを添加する。この材料をイ
ンクジェット法で印刷してパターン化する。その後、固
化させてコイルとコンデンサを形成する。
【0049】このインクジェット法で使用するRFタグ
製造のための材料は以下のようである。
【0050】(a)導電性粉末(コイル材料) 金属:Pt,Pd,Au,Ag,Cu、およびそれらの
合金 酸化物:RuO2,IrO2,OsO2,MoO2,W
2,SnO2 炭化物:TaC,WC,TiC,ZrC,HfC,Nb
C 窒化物:TiN,NbN,VN,TaN,HfN,Zr
N ほう化物:TiB,TiB2,NbB,NbB2,VB,
VB2,LaB6 けい物:Vsi,Nb5Si2,TaSi2 (上記材料の抵抗率は数〜数千μΩ・cmである。) 高分子化合物:ポリアセチレン、ポリピロール、フタロ
シアニン、テトラメチルテトラセレナフルバレン(TM
TSF)、テトラシアノキノギメタン(TCN) (b)誘電体粉末(コンデンサ材料):( )内は比誘
電率、25℃のとき。
【0051】低〜中誘電率材料:SiO2(3〜4),
23(10),YSZ(20),Bi3TiNbO
9(90) 高誘電率材料:Bi4Ti3O12(200) PbTiO3(230〜370) PLZT(600〜2000;組成比により調整可能) なお、誘電体率の低い材料は一般的な絶縁材料として使
える。ここで、誘電体を固化後に分極処理を行う場合も
ある。誘電体粉末に異方性がない場合は、分極処理を行
うとより広範囲に容量の調整が可能となる。誘電体にベ
ロブスカイト様の層状化合物を用い印刷後圧延し粉体の
結晶を揃えて配向させる場合もある。誘電体の結晶軸を
揃えることにより更に容量の調整が図れる。
【0052】(c)バインダ−(粉体だけでは印刷後形
状を留めない材料の場合、結合材としてのための添加) 有機バインダ−:M・H2PO4(ここでMはAL,C
u,Fe,Ti,Ca,Mn,Mgなど) エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ブチラール 無機バインダ−:Na2O・3SiO2(水ガラス;Na
のほかにK,Liも可) (d)分散材(粉体の分散状態により印刷状態、しいて
はエレメントの特定が異なる。分散材は、粉体を均一に
分散させるために添加) グリセリン、オレイン酸エチル、モノオレイン酸グリセ
リンなど。
【0053】(e)溶剤(射出し易い液状にするために
添加) PGMEA (沸点:145〜146℃) シクロヘキサノン (沸点:155℃) ECA (沸点:155℃) EEP(エトキシエチルプロピオネート) (沸点:1
65℃) カルビトールアセテート (沸点:217℃) ブチルカルビトールアセテート (沸点:247℃) BMA(メトキシブチルアセテート) (沸点:100
℃以上) その他、アセトン(沸点:56.5℃)、エチルアルコ
ール(沸点:摂氏78度)でも良い。インクジェット法
では、好ましくは、PGMEA乃至BMA等の沸点が高
いものが好ましい。
【0054】以上の材料等を適宜選択して使用するが、
コイルのインダクタンスおよびコンデンサの静電容量
は、その形状、厚さのほか、粉末の抵抗率、誘電率の選
定、粉末の充填量により調整できる。複数の材料を混合
すると、必要な特性にさらに正確に合わせることができ
る。この場合、酸化物と窒化物粉末、金属粉末と高分
子、のように異種材料同士を混合してもよい。とくに、
導電性高分子をバインダーとして用いると、バインディ
ング効果は大きい。
【0055】上述のバインダー方式のほかに、低融点材
料を直接飛ばしてもよい。この低融点材料としては、P
b−Sn合金、In−Ga合金などである(組成比によ
っては融点は数十℃である)。
【0056】3−3.印刷プロセス 図14に、このインクジェットプリンタを使用して電波
応答タグを製造する場合の、RFタグまたはアレイ化タ
グの印刷プロセスの一例を示す。
【0057】まず、コイル、コンデンサ、下地層などを
印刷するためのインクを作製する(ステップS1)。イ
ンクは、各種粉体とバインダー、溶媒、分散剤などを印
刷目的に合わせて適宜に混合して作製される。
【0058】次いで、シートまたは基板の上に予め下地
層用のインクを連続的に吐出させ、下地層の印刷が行わ
れ(ステップS2)、この下地層の乾燥による固化処理
が行われる(ステップS3)。乾燥処理としては、イン
クジェットプリンタ内での赤外線による強制乾燥のほか
に、自然乾燥処理も可能である。この下地層の作製は省
略し、シートまたは基板上に直接、エレメント(コイ
ル、コンデンサ)を後述するように積層して印刷しても
よい。乾燥処理は、アニール処理と兼用することもでき
る。
【0059】次いで、下地層上にインクをエレメント
(コイル、コンデンサ)のパターンに沿って吐出させる
(ステップS4)。エレメントや層が重なる部分はイン
クが積層されて状態で印刷される。この後、再度、乾燥
処理またはアニール兼用の乾燥処理が実施される(ステ
ップS5)。
【0060】上記印刷処理では下地層を印刷しているの
で、シートや基板とのエレメントの密着性を向上させる
ことができる。また、シートや基板の固体差など(例え
ば、誘電率が異なる)に因って共振条件が変わるが、下
地層を印刷しているので、シートや基板のばらつきの影
響を抑えて、常に安定した特性の電波応答シートを提供
できる。
【0061】なお、ステップS3,S5での乾燥による
固化処理に代えて、電磁波照射による固化・アニール処
理を実施してもよい。例えば、エキシマレーザなど、材
料が吸収し易い電磁波を照射し、固化およびアニールを
行うものである。このように、印刷材料に対して吸収性
の良い電磁波を用いると、紙、樹脂シートに大きなダメ
ージを与えることなく、アニールによる材料の改質を行
うことができる。
【0062】図15には、インクジェットプリンタによ
り実施される印刷プロセスの別の例を示す。このプロセ
スは、下地層印刷とその乾燥処理の間、および、エレメ
ント印刷とその乾燥処理の間に、圧延処理を実施するよ
うにしたものである(ステップS2A,S4A)。この
圧延処理により、紙、樹脂シートなどの基板へのインク
の定着を強化でき、導体などの印刷後の密度を上げて、
その特性を向上させることができ、また、コイルとコン
デンサ部分との密着性を上げて、その特性を向上させる
ことができる。特に、加熱圧延を行うと、固化時間を短
縮できるとともに、かかる特性をさらに向上させること
ができる。
【0063】なお、ステップS4のエレメントの印刷処
理においても、各エレメントのインク吐出後に上記圧延
処理を行い、その後に、次のエレメントのインク吐出を
行うようにすることもできる。これにより、上下に重な
るエレメントや層間の相互拡散を防止し、個々のエレメ
ントに与えられた物理的、電気的特性を一層向上させる
ことができる。これにより、短時間での繰り返し積層も
容易になる。
【0064】なお、上述のように印刷される電波応答シ
ートの表面にはさらに保護層を印刷してもよい。とく
に、吸湿などに因り劣化を招く材料を用いる場合、絶縁
性の高分子や前述した下地層を保護するため、また電磁
波の影響を抑えるため、保護層を印刷することが好まし
い。
【0065】またなお、電波応答シートを製造するプロ
セスとして、上述したインクジェット法と他の作製方法
との複合プロセスを採用することもできる。例えば、イ
ンクジェット法に拠りパターニングした導体部にメッキ
処理を施すと、導電性をより高めることができる。この
ようにすると、パターニングにおいてフォトリソ工程が
不要であるため、製造コスト低減に寄与できる。
【0066】3−4.読取りシステム 図16に、この
実施形態に係るタグに割り当てたID番号などの情報
(以下、タグ情報という)を読取る読取りシステムの概
略を示す。
【0067】この読取りシステムは、その主要素とし
て、物品としての商品41と、読取り装置(検出器)4
2とを備える。商品41の形状はとくに決まっておら
ず、種々の形状のものがベクトルコンベアに載せられて
搬送してくる。商品の外装面には上述したように印刷法
により作製された電波応答シート29が張り付けられて
いる。この電波応答シート29の張り付け位置は不定で
ある。
【0068】読取り装置42は、ベルトコンベア側に設
けた送受信アンテナ42と、このアンテナ42aを介し
て所望周波数範囲で電波をスキャンさせる送信部と、ア
ンテナ42aを介して電波応答シート29からのエコー
波を受信し、信号処理する受信・処理部と、エコー波の
信号処理結果を記憶、出力する出力部とを備える。送信
部、受信・処理部、および出力部は読取り装置42内に
設けられている。
【0069】商品41が読取り装置42に対して所定位
置まで到達すると、この到達位置が図示しないセンサに
より検出される。この検出信号は送信部に送出されるか
ら、送信部は、アンテナ42aを駆動させ、電波を飛ば
させるとともに、その周波数を所定範囲で短時間(例え
ば1秒)にスキャンさせる。この周波数範囲は、例え
ば、FM波〜ミリ波の間、とくに、マイクロ波の領域の
波長を好適である。
【0070】商品41は電波の照射領域に入るため、電
波応答シート29のRFタグは自分に設定されている周
波数のときに電波に共振してエコー波を発生させる。周
波数スキャンが進むにつれて、シート29内のRFタグ
が順次、異なる周波数の電波に共振し、エコー波を発生
させる。
【0071】このエコー波はアンテナ42aを介して受
信・処理部に送られ、タグ情報がエコー波の有無に基づ
き解析される。タグ情報の解析結果に応じて、出力部は
例えば仕分け伝票を発行するなどの必要な処理を実行す
る。この時、必要に応じて、既述の共振ピークのずれに
対する補正処理を実行する。
【0072】また、受信エコー波から高調波を分離する
ため、基準タグの高調波から別のRFタグの高調波を選
択して除去する処理を行ってもよい。すなわち、発信部
と受信部間の距離、その中間の妨げる物体により信号強
度は異なるので、強度だけでは高調波の分離はできな
い。そこで、既述のように基準タグを設けて基準タグの
信号強度と高調波の信号強度の比率を測定し、その比率
近傍にあてはまる電波を分離する。そうすると、必要な
共振波(RF波)を除くことなく高調波のみを選択的に
除去することが可能となる。
【0073】さらに、あるRFタグの共振周波数の整数
倍の周波数をほかのRFタグの共振周波数として設定し
ないようにもなっている。以上により、高調波によっ
て、タグ情報の解析にエラーが生じることがなく、高精
度な解析ができる。
【0074】電波のスキャンは短時間であるから、商品
41はベルトコンベアに載ったまま電波照射領域を通過
するだけで、電波応答シート29のRFタグのタグ情報
が読み取られる。商品41が電波照射領域を通過するだ
けでよいから、商品の形状は不定形であってよいし、商
品の向きやシート29の貼る位置には制限されないの
で、確実かつ安定に、タグ情報を所定距離内の遠方から
非接触で読み取ることができる。また、個々の商品を読
取り装置に近付けるなどの手間も不要であるから、その
分、省力化でき、管理コストの低減に寄与できる。
【0075】さらに、印刷法によりRFタグを現場にて
迅速に作製することができるので、即応性があるととも
に、タグ情報を変更する必要が生じたときも、容易に且
つ迅速に対応できる。
【0076】このため、空港の手荷物管理、管理郵送用
荷物の管理、商品の流通管理、倉庫の在庫管理、スーパ
ーやデパートの食料品、雑貨品の管理などに好適とな
る。また、印刷法を用いるため、簡単に且つ比較的、低
コストで電波応答シートが作製できるため、使い捨ての
用途にも好適である。
【0077】なお、本発明の電波応答シートとしては、
図17に示すように、金属製の反射シート44に電波吸
収フィルタ45を2次元状に配列したものでもよく、こ
れにより、例えば図18に示したような反射強度特性を
得て、上述した実施形態のRFタグに拠るシートと同等
の機能を得ることができる。
【0078】さらに、既述の印刷法を、RFタグの製造
以外に各種電気回路パターンを形成することに利用する
ことも可能である。すなわち、基板に導電パターンを形
成後、この部分に選択的に金属めっきを施せば良い。
【0079】また、周波数をスキャン又は検出するアン
テナに指向性アンテナ、好ましくはアンテナ材料に超伝
導材料を用いた超指向性アンテナを使用する。遠距離か
らの情報を得る場合の指向性を強くして、目的とするR
Fタグに隣接するRFタグかあの情報を呼び込まないよ
うにして、必要なRFタグからのみの情報を得ることが
可能となる。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる電
波応答シートおよびその製造方法によれば、RFタグを
用いた電波応答シートを印刷法により精度良く、容易
に、かつ即応性良く製造できるとともに、製造コストを
従来より低く抑え、使い捨ての用途にも確実に対処でき
る、遠距離から非接触で情報読取り可能な電波応答シー
トを提供することができる。
【0081】また、共振周波数シフト等の共振条件の変
動による影響を回避でき、これにより、不定形状の物品
の情報読取りも確実に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】RFタグを概念的に示す図である。
【図2】アレイ化タグを概念的に示す図である。
【図3】アレイ化タグの周波数応答を概念的に示す図で
ある。
【図4】本発明の実施形態に係るタグ単体の一例を示す
平面図である。
【図5】図4中のA−A線に沿った概略断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係るアレイ化タグの一例を
示す平面図である。
【図7】アレイ化タグの周波数応答を概念的に示す図で
ある。
【図8】一部消去したRFタグを含むアレイ化タグの一
例を示す平面図である。
【図9】再書き込みしたRFタグを例示する断面図であ
る。
【図10】下地層付きのRFタグを例示する断面図であ
る。
【図11】インクジェットプリンタの構成を説明する図
である。
【図12】インクジェットプリンタの構成を説明する図
である。
【図13】インクジェットプリンタの構成を説明する図
である。
【図14】電波応答シートの作製プロセスの一例を説明
する部分工程図である。
【図15】電波応答シートの作製プロセスのほかの例を
説明する部分工程図である。
【図16】読取りシステムを説明するための概略図であ
る。
【図17】その他の構成の電波応答シートを説明する図
である。
【図18】図17の構成のシートの反射波強度分布を説
明する図である。
【図19】基準タグを含むアレイ状タグの共振ピークを
含む特性図である。
【図20】印刷法によって共振タグのコイルの長さを追
加する状態を示す説明図である。
【符号の説明】
29 電波応答タグ 30 RFタグ 31 基板(タグ形成物) 32 コイル 33 コンデンサ 34 アレイ化タグ 35 消去材 36 RFタグ 37 下地層 38 RFタグ

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信した電波(RF波)に応答して応答
    信号を発生するRFタグを用いた電波応答シートにおい
    て、前記RFタグは、基板と、この基板上に印刷法によ
    り印刷され且つ前記電波に対する所望の共振周波数を有
    するエレメントを備えたことを特徴とする電波応答シー
    ト。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明において、前記エレ
    メントは、前記印刷法により形成したコイルとコンデン
    サとから成る電波応答シート。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の発明において、前記印刷
    法としてインクジェット法を用いて印刷した電波応答シ
    ート。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の発明において、前記基板
    と前記エレメントとの間に下地層を介挿させた電波応答
    シート。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の発明において、前記エレ
    メント上に保護層を形成した電波応答シート。
  6. 【請求項6】 送信した電波(RF波)に応答する応答
    信号を発生するRFタグを複数個配列して成るアレイ化
    タグを備えた電波応答シートにおいて、前記複数のRF
    タグの少なくとも1個を、共振周波数のシフトの補正用
    の基準タグに割り当てるように構成したことを特徴とす
    る電波応答シート。
  7. 【請求項7】 送信した電波(RF波)に応答して応答
    信号を発生するRFタグを用いた電波応答シートの製造
    方法において、基板上に、前記電波に対する所望の共振
    周波数を有するエレメントを印刷法を用いて形成したこ
    とを特徴とする電波応答シートの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の発明において、前記印刷
    法はインクジェットプリンタを用いるインクジェット法
    である電波応答シートの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の発明において、前記エレ
    メントは、前記インクジェット法により形成したコイル
    とコンデンサとから成る電波応答シートの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の発明において、前記イ
    ンクジェット法は、前記コイルおよびコンデンサの材料
    粉末に少なくとも溶剤を添加して溶液を準備する工程
    と、この溶液を当該コイルおよびコンデンサのパターン
    化情報に沿ってノズルから前記基板上に吐出させて当該
    コイルおよびコンデンサを印刷する工程とを含む電波応
    答シートの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の発明において、前記
    溶液を、前記コイルおよびコンデンサの材料粉末につい
    て複数種類準備し、前記ノズルを複数個準備し、前記複
    数種類の溶液それぞれを前記複数個のノズルそれぞれか
    ら吐出させて前記印刷を行う電波応答シートの製造方
    法。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の発明において、前記
    溶液は、前記コイルを印刷するための導電性粉末に基づ
    く溶液、および、前記コンデンサを印刷するための誘電
    体粉末に基づく溶液であり、これらの溶液には前記溶剤
    のほか、バインダーおよび分散剤の内の少なくとも一方
    が添加される電波応答シートの製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項10記載の発明において、前記
    インクジェット法による前記溶液の印刷工程は、前記溶
    液を前記基板上に吐出させて積層する工程と、この吐出
    溶液を乾燥させる工程とを含む電波応答シートの製造方
    法。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の発明において、前記
    インクジェット法による前記溶液の印刷工程は、前記積
    層工程の後に、この積層溶液を圧延する工程を含む電波
    応答シートの製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項9記載の発明において、前記イ
    ンクジェット法は、前記コイルおよびコンデンサの材料
    粉末に少なくとも溶剤を添加して溶液を準備する工程
    と、前記基板上に下地層を印刷する工程と、前記溶液を
    当該コイルおよびコンデンサのパターン化情報に沿って
    ノズルから前記基板上に吐出させて当該コイルおよびコ
    ンデンサを印刷する工程とを含む電波応答シートの製造
    方法。
  16. 【請求項16】 基板上に、導体パターンをインクジェ
    ット法によって印刷形成し、次いでメッキを施すことを
    特徴とする電気回路パターンの製造方法。
  17. 【請求項17】 送信した電波(RF波)に応答する応
    答信号を発生するRFタグを複数個配列して成るアレイ
    化タグを備えた電波応答シートにおいて、前記複数のR
    Fタグの少なくとも一つを、高調波分離用基準タグに割
    り当てるように構成したことを特徴とする電波応答シー
    ト。
  18. 【請求項18】 送信した電波(RF波)に応答する応
    答信号を発生するRFタグを複数個配列して成るアレイ
    化タグを備えた電波応答シートにおいて、前記複数のR
    Fタグのそれぞれは、所望の共振周波数を有するエレメ
    ントを備えるととともに、前記複数のRFタグの内の少
    なくとも一つを、共振周波数のシフトの補正用の基準タ
    グに割り当てるように構成し、共振波周波数のシフトが
    検出された時に、このシフト量を補正するために前記エ
    レメント再調整が行われることを特徴とする電波応答シ
    ート。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の発明において、前記
    エレメントの再調整が、このエレメントを構成するコイ
    ルのインダクタンスの増減、このエレメントを構成する
    コンデンサ容量の増減の少なくともいずれかである電波
    応答シート。
  20. 【請求項20】 前記RFタグが、基板と、この基板上
    に印刷法により印刷され且つ所望の共振周波数を有する
    エレメントを備える請求項6又は17記載の電波応答シ
    ート。
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