JPH1192699A - 顔料分散型水性インク及びカラーフィルタ製造方法 - Google Patents

顔料分散型水性インク及びカラーフィルタ製造方法

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JPH1192699A
JPH1192699A JP25246097A JP25246097A JPH1192699A JP H1192699 A JPH1192699 A JP H1192699A JP 25246097 A JP25246097 A JP 25246097A JP 25246097 A JP25246097 A JP 25246097A JP H1192699 A JPH1192699 A JP H1192699A
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JP
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water
pigment
ink
soluble resin
color filter
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JP25246097A
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English (en)
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Yorisuke Ikuta
順亮 生田
Hide Nakamura
秀 中村
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】顔料分散型水性インクを用いてインクジェット
法でカラーフィルタを製造する際に吐出して得られる着
色層又は各着色層と遮光層との膜厚をほぼ一定にする。 【解決手段】顔料を含有するインクに水溶性樹脂、必要
に応じて体質顔料を添加することにより着色層として形
成した際に複数色の着色層でその膜厚がほぼ等しくなる
ように水溶性樹脂の量及び体質顔料の量を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット法
によりカラーフィルタを製造するための顔料分散型水性
インク及びカラーフィルタ製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パソコンの発達に伴い液晶表示装
置のカラー表示が増加しており、そのためにカラーフィ
ルタが使用されている。このカラーフィルタには、10
0×300μm程度のピッチで800×600×3画素
とか1024×768×3画素とかの微細なパターンを
形成する必要がある。このカラーフィルタの製造方法と
しては、高精度のパターニングが可能なフォトリソ工程
を利用した顔料分散法が現在は主流となっている。
【0003】この顔料分散法は、フォトリソ技術を用い
る方法であるので、高価なフォトレジストを用いたり、
レジストの塗布、乾燥、露光、現像、硬化等の各工程を
色毎に3回は繰り返すことになる。このため、大規模な
設備が必要になり、かつフォトリソ工程のために生産性
が低くなる問題があった。
【0004】このため、製造装置が簡便で生産性が良い
カラーフィルタの製造方法としてインクジェット法が注
目されている。インクジェット装置は、装置が小型で簡
便であり、騒音が少なく、ランニングコストが安く、カ
ラー化が容易なため、オフィスそしてパーソナルユース
の紙用のプリンタとして近年急速に普及している。
【0005】この紙へのプリンタ用としては、最近では
特に低価格のカラー画像出力機としての要望が高まって
おり、これに応えるべき技術手段としては、水溶性染料
を用いたインクを用いてインクジェットプリンタにより
カラー画像を得るというのが一般的であった。
【0006】ところが、カラー画像の場合、複数色のう
ち1色でも耐水性や耐光性が悪いとそれらの影響でカラ
ー画像の品位が極端に劣化する場合がある。このため、
記録液の着色剤として堅牢性の高い顔料をインクジェッ
ト用として使用することが期待されている。
【0007】インクジェット法でカラーフィルタを形成
する場合には、一般にRGB3色又はCMY3色の組成
が異なるインクを吐出することで着色を行いカラーフィ
ルタを形成する。この場合、RGB又はCMY3色の夫
々の色で構成された着色層の高さが異なる(いわゆる着
色層間の段差)ことがある。その理由は、RGB3色又
はCMY3色の着色層の分光特性を最適化すると、イン
ク中に含まれる顔料及びその分散剤等の固形分濃度が一
義的に決まるためである。
【0008】また、遮光層も厚膜で形成した場合には、
この遮光層も着色層とほぼ同じ厚みにしないと段差を生
じることになる。この厚膜の遮光膜も、TFTの動作や
液晶表示装置としてのコントラスト比を確保するために
要求される遮光度からほぼ膜厚が決まる。このため、吐
出後の着色層の膜厚がRGB又はCMY各着色層間と遮
光膜とで異なることを生じやすい。
【0009】こうした着色層間の段差のあるカラーフィ
ルタを用いて液晶表示装置を組み上げた場合、カラーフ
ィルタ上の保護膜等に特別の注意を払わないかぎり、コ
ントラスト比等の表示品位が低下しやすい。この着色層
間の段差としては、TFT方式液晶表示装置に代表され
るTN(ツイスティッドネマティック)液晶表示装置で
は0.2μm以下、STN(スーパーツイスティッドネ
マティック)液晶表示装置では0.05μm以下が通常
要求される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】こうした問題に対し
て、着色層上に保護膜兼用の平坦化層を塗布することに
よって、段差をより小さくする方法がある。しかし、も
との着色層間の段差が大きいと、平坦化層を厚膜化した
り、多層化する必要があるため、そうした場合、透過率
の低下を生じたり、工程数の増加を招く傾向がある。
【0011】また、特開平8−327817には、イン
クジェット法によりRGB着色層を形成後、その上に透
光性インクを吐出するという方法が提案されている。こ
の場合、着色層間の段差の解消には有効であるが、RG
B着色層を形成する工程とは別に透光性インクを各着色
層上に吐出して透明層を積層する工程が増え、生産性が
低下する問題がある。
【0012】また、特開平9−132740には、顔料
分散型水性インクに体質顔料と水溶性樹脂又は水分散性
樹脂を添加することが提案されている。しかし、体質顔
料の量が多いと、着色層と基板との密着性が低下した
り、ヘイズが目立ちはじめたりする。また、インクジェ
ット装置で連続吐出作業を継続していると、吐出安定性
が低下しやすいことが判明した。
【0013】このため、顔料分散型水性インクで着色層
と基板との密着性が高く、ヘイズが少なく、連続吐出作
業においても吐出安定性が高く、かつ、着色層の膜厚を
ほぼ一定に容易に調整できる顔料分散型水性インクが望
まれていた。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決すべくなされたものであり、インクジェット法によ
りカラーフィルタを製造するための顔料分散型水性イン
クにおいて、顔料を含有するインクに水溶性樹脂を添加
することにより着色層として形成した際に複数色の着色
層でその膜厚がほぼ等しくなるように水溶性樹脂の量を
調整したことを特徴とする顔料分散型水性インクを提供
する。
【0015】また、インクジェット法によりカラーフィ
ルタを製造するための顔料分散型水性インクにおいて、
顔料を含有するインクに水溶性樹脂及び体質顔料を添加
することにより着色層として形成した際に複数色の着色
層でその膜厚がほぼ等しくなるように、かつ、水溶性樹
脂の重量≧体質顔料の重量となるように水溶性樹脂及び
体質顔料の量を調整したことを特徴とする顔料分散型水
性インクを提供する。
【0016】また、前記水溶性樹脂が、スチレンと炭素
炭素不飽和結合を含むカルボン酸との共重合体である上
記のカラーフィルタ用の顔料分散型水性インクを提供す
る。
【0017】また、インクジェット法により複数色のイ
ンクを吐出してカラーフィルタを製造するカラーフィル
タ製造方法において、顔料分散型水性インクを吐出して
着色層を形成するに際し、顔料を含有する複数色のイン
クの少なくとも1つに水溶性樹脂、さらに必要に応じて
体質顔料を添加したインクであって水溶性樹脂の重量≧
体質顔料の重量となるようなインクを用いて吐出を行
い、着色層を形成した後に複数色の着色層でその膜厚が
ほぼ等しくなるようにしたことを特徴とするカラーフィ
ルタ製造方法を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の顔料分散型水性インク
は、顔料及び水溶性樹脂、さらに必要に応じて体質顔料
を含むことにより、着色層間の段差の調整が容易にで
き、インクジェット法により平坦性に優れたカラーフィ
ルタを製造できる。
【0019】本発明で用いる着色剤としての顔料は、有
機又は無機の各種顔料が使用できる。例えば、アゾレー
キ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ
顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン顔
料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン
顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソイン
ドリン顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料
等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レ
ーキやニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、
昼光蛍光顔料等の有機顔料、酸化チタン、酸化鉄系、カ
ーボンブラック系等の無機顔料が挙げられる。
【0020】これらの着色用の顔料は構造により異なる
が、粒径が比較的小さいものが好ましく、最大粒径が5
00nm以下、好ましくは最大粒径が200nm以下の
ものが用いられる。
【0021】これらの顔料の種類は所望の色が得られる
ように選択すればよく、単独又は混合してインクに対し
て1〜5重量%とされる。1重量%未満では色が薄くな
りすぎ、インク量が増加し乾燥ムラが生じやすい。ま
た、5重量%超ではインク粘度が高くなりインクジェッ
トでの吐出が不安定になる。
【0022】本発明で用いられる水溶性樹脂としては、
水溶性アクリル樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性ポリ
ビニルアセタール樹脂等の公知の水溶性樹脂が使用でき
る。この水溶性樹脂は、インクの水系溶媒に溶けるもの
であれば使用できる。それ自体で顔料を分散させる機能
を持つ水溶性樹脂の使用は、顔料の分散性が良く、得ら
れた着色層にヘイズが発生しにくく、吐出性も良いの
で、より好ましい。
【0023】この分散剤としても機能する水溶性樹脂と
しては、アクリル酸、アクリル酸誘導体、メタクリル
酸、メタクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導
体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル
酸誘導体等のカルボキシル基を有する親水性化合物又は
その塩と、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレ
ン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪
族アルコールエステル等の非親水性化合物を共重合させ
たものがある。すなわち、夫々から1種類以上の化合物
を選択して共重合させたブロック共重合体もしくはラン
ダム共重合体、又はこれらの塩などが挙げられる。
【0024】これらの樹脂は、塩基を溶解させた水溶液
に可溶なアルカリ可溶型樹脂であり、インクジェット用
インクに用いるものとして、分散液を低粘度化でき、顔
料の分散も容易であるため、特に好ましく用いられる。
【0025】これらのうち、スチレンーアクリル酸共重
合体、スチレンーマレイン酸共重合体等のスチレンと炭
素炭素不飽和結合を含むカルボン酸との共重合体は、顔
料の分散安定性に優れ、さらに耐熱性も良好であるた
め、より好ましい。さらに、分子量2000〜4000
0のスチレンと炭素炭素不飽和結合を含むカルボン酸と
の共重合体は、顔料分散性と信頼性の両者に優れてお
り、特に好ましい。
【0026】本発明で顔料を分散させる機能を持つ水溶
性樹脂とは、顔料、水溶性樹脂、溶媒を混合して分散さ
せ、2日以上放置しても、顔料が沈降したり、液の粘度
上昇がほとんど生じないものを意味する。
【0027】この水溶性樹脂は、インクに対して0〜1
0重量%添加される。ここで、下限を0重量%としてい
るのは、RGB3色又はCMY3色で顔料だけで最も厚
くなる着色層用のインクは、水溶性樹脂を含まないよう
にしうるためである。他の色の着色層は、最も厚くなる
着色層の厚みにほぼ一致するように水溶性樹脂の添加量
を調整すればよい。
【0028】顔料だけで最も厚くなる着色層用のインク
にも水溶性樹脂を添加できる。これは、着色層と基板と
の密着性、顔料の分散性、遮光膜の膜厚との調整との関
係で、水溶性樹脂を添加することがあるためである。こ
の場合には、当然他の色の着色層用のインクへの水溶性
樹脂の添加量は増大する。
【0029】このように水溶性樹脂の添加量を調整し
て、TN液晶表示装置用カラーフィルタの場合には膜厚
差が0.2μm以下になるように、STN液晶表示装置
用カラーフィルタの場合には膜厚差が0.05μm以下
になるようにするのがよい。
【0030】本発明では、この水溶性樹脂の一部を体質
顔料で置き換えうる。具体的には、コロイダルシリカ、
炭酸カルシウム、アルミナホワイト、沈降性硫酸バリウ
ム、バライト粉、水酸化アルミニウム、カオリンクレ
ー、ネフェリンサイナイト等の従来用いられているもの
が使用できる。材質的には、コロイダルシリカ、炭酸カ
ルシウム、アルミナホワイト、沈降性硫酸バリウムの使
用が好ましい。
【0031】体質顔料の粒径としては、最大粒径が30
0nm以下、好ましくは最大粒径が100nm以下のも
のが用いられる。本発明はインクジェット方式で使用さ
れ、ノズルが詰まると生産性が低下するので、最大粒径
が100nm以下とされることが好ましい。特に、コロ
イダルシリカは、粒径が小さくでき、水分散性も良いの
で好ましい。
【0032】この体質顔料は、水溶性樹脂の一部を置き
換えるものであり、水溶性樹脂の重量≧体質顔料の重量
となる範囲で置換しうる。すなわち、重量比で水溶性樹
脂/体質顔料=100/0〜50/50とされる。より
好ましくは100/0〜75/25とされる。体質顔料
の量をこれより多くすると、インクジェットの吐出性が
低下しやすく、形成した着色層にヘイズを生じやすくな
る。
【0033】これら以外の組成としては、通常の顔料分
散型水性インクで用いられる材料が用いられる。その1
つとして分散剤としての界面活性剤がある。界面活性剤
としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、
両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤を使用できる。
【0034】アニオン界面活性剤としては高級脂肪酸
塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキ
ルエステル硫酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、
アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルア
リールスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテルリン酸塩、アルキルアリールエ
ーテルリン酸塩等が使用できる。カチオン界面活性剤と
しては、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、テト
ラアルキルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、アル
キルピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が使用でき
る。両性界面活性剤としては、ジメチルアルキルラウリ
ルベタイン、アルキルグリシン、アルキルビス(アミノ
エチル)グリシン、イミダゾリニウムベタイン等が使用
できる。ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルア
リールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピ
レングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエス
テル、ショ糖エステル、グリセリンエステルのポリオキ
シエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシ
エチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシ
エチレンエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオ
キシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン等が使用できる。
【0035】界面活性剤を顔料分散剤として使用するこ
とにより、その使用量に対するインク粘度の上昇が水溶
性樹脂を使用した場合よりも小さいため、顔料の分散安
定性も満足でき、かつ吐出特性も良好な顔料分散型水性
インクが得られる。この界面活性剤は、インクに対して
0〜2重量%、好ましくは0.05〜2重量%使用され
る。
【0036】また、本発明におけるインクの水性媒体と
しては、水及び水溶性有機溶媒の混合溶媒であり、水と
しては様々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオ
ン交換水(脱イオン水)が好ましい。併用しうる任意の
水溶性有機溶媒成分としては、以下のようなものがあ
る。
【0037】メチルアルコール、エチルアルコール、n
−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−
ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、ter
t−ブチルアルコール等のアルキルアルコール類、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド
類、アセトン等のケトン類、ジアセトンアルコール等の
ケトンアルコール類。
【0038】ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、チオジグリコール、ヘキ
シレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレ
ングリコール類、エチレングリコールモノメチル(又は
エチル、ブチル)エーテル、ジエチレングリコールモノ
メチル(又はエチル、ブチル)エーテル、プロピレング
リコールモノメチル(又はエチル、ブチル)エーテル等
のアルキルエーテル類、グリセリン。
【0039】これらの多くの水溶性有機溶媒中でも、沸
点や保湿性などの観点から、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、グリセリンが特に好ましい。本発明
におけるインク中の上記水溶性有機溶媒の含有量は、イ
ンクの1〜30重量%の範囲であり、好ましくは5〜2
0重量%の範囲である。
【0040】本発明のインクには、カラー画像の信頼性
を高めるためにバインダ成分を添加できる。バインダと
しては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等
の水溶性モノマー、水溶性オリゴマーが挙げられ、これ
らは基板上にインクを吐出後に熱又は光により硬化させ
うる。このバインダは0〜5重量%とされる。
【0041】この他、一般に使用される消泡剤、防腐
剤、pH調整剤、紫外線吸収剤等のインク用の添加剤を
0〜2重量%添加してもよい。その他残りの部分が水に
なる。すなわち、インクの組成を示すと以下のようにな
る。
【0042】 顔料(着色材) 1〜 5重量%、 水溶性樹脂 0〜10重量%、 体質顔料(≦水溶性樹脂) 0〜 5重量%、 (水溶性樹脂+体質顔料 0〜10重量%) 界面活性剤 0〜 2重量%、 (分散性の水溶性樹脂+界面活性剤0.05〜 2重量%) バインダ 0〜 5重量%、 その他添加剤 0〜 2重量%、 水溶性有機溶媒 1〜30重量%、 水 46〜97.95重量%。
【0043】本発明では、RGB3色又はCMY3色等
の複数色間で上記の組成を満足しつつ、少なくとも1色
では水溶性樹脂を単独又はその一部を体質顔料で置換し
て所定量を添加してRGB3色又はCMY3色等の複数
色間の着色層の膜厚をほぼ等しくする。
【0044】このようにして調製したインクをインクジ
ェット方式で吹き付けしてカラーフィルタを形成する。
この際に、あらかじめ基板上に仕切り壁となるような凸
部を形成し、その凸部により区切られた凹部にインクジ
ェット方式によってインクを吹き付けて凹部にインクを
堆積させて着色層を形成することが好ましい。
【0045】顔料系のインクを使用すると、基板表面に
顔料が吸着されないので、仕切り壁がないと、吹き付け
たインクが周囲の画素に流れ出したり、飛散して色純度
が低下する。このため、あらかじめ仕切り壁として基板
上に凸部を形成することが好ましい。
【0046】この凸部は、基板上に線状や格子状に形成
されればよい。この凸部の形状は、それにより区切られ
た凹部が画素に対応するようにされればよい。例えば、
ストライプ状のカラーフィルタを形成する場合には、線
状に形成され、四角の画素に対応させるためには格子状
に形成される。この凸部は、液晶表示装置等では遮光膜
を兼用させることが有利である。具体的には、黒色の材
料や金属遮光層等で凸部を形成すればよい。
【0047】この凸部は、インクジェット法によって着
色する際に、吹き付けたインクが他の画素に流れ込んだ
り滲んだりすることを防止する役割を果たす。したがっ
て、この凸部の高さはある程度高いことが好ましいが、
カラーフィルタとした場合の全体の平坦性が高いことも
要求されるので、着色層の厚さに近い高さが選択され
る。通常は0.1〜2μm程度とされればよい。また、
この幅は、通常は画素間の幅よりもやや広くして、後工
程で位置ずれ等を生じてそれが表示に影響しないように
される。
【0048】このようにして吹き付けられたインクに
は、乾燥、150〜300℃での焼成を行う。これによ
り、水溶性樹脂が溶解又は硬化し、基板との密着性も高
まり、顔料が均一になりカラーフィルタとしての色特性
を満たし、高さの揃った着色層を容易に形成できる。
【0049】さらに、このカラーフィルタ上に樹脂等の
絶縁膜を形成して平坦化し又は電極との接着性の向上を
図り、その上に電極を形成する。このようにして形成し
たカラーフィルタ基板ともう1枚の電極付き基板とを組
合せて液晶表示装置を形成すればよい。
【0050】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。な
お、以下に示す部は特に説明がない限り重量部を示す。
表1、表2に示すレッド分散液、グリーン分散液、ブル
ー分散液、イエロー分散液、バイオレット分散液の5色
の顔料分散液を作製し、夫々表3に示すような割合で混
ぜてRGB3色の顔料分散液を作成した。
【0051】次いで、そのRGB3色の顔料分散液を用
い、溶媒や水溶性樹脂を添加して表4〜表7に示す割合
で混合してRGBのインクを作成した。表4〜表7で
は、これらのR分散液、G分散液、B分散液を特定の色
を指定する場合を除いてRGB分散液と表記したが、夫
々Rの欄ではR分散液、Gの欄ではG分散液、Bの欄で
はB分散液が使用されたことを意味する。
【0052】このようにして得られた例1〜9のインク
を用いて、インクジェット法によりカラーフィルタを作
製した。得られたカラーフィルタの着色層間の段差、吐
出安定性、ヘイズ発生の有無、基板との密着力の評価結
果を表8〜表10に示す。
【0053】ここで着色層間の段差は、RGBの各着色
層及び遮光層の膜厚を接触式段差計により測定し求め
た。また、ヘイズについては高輝度ランプ下で目視検査
し確認し、基板との密着力についてはかなり厳しい試験
である煮沸5時間後に碁盤目剥離試験を行い評価した。
また、吐出安定性については、一定の吐出パルス(周波
数1kHz)を2.5秒周期で断続的に与えてインクを
吐出させ、インクジェットヘッドのノズルから吐出され
たインク5滴分の固形分体積を測定した。試験開始後2
0時間経過したときの吐出液量に対する試験開始時の吐
出液量の比率が、1)95%以上である場合:◎、2)
90%以上95%未満である場合:○、3)70%以上
90%未満である場合:△、4)70%未満又は液が吐
出されていない場合:×、として評価した。
【0054】なお、表中の「水溶性樹脂A」はスチレン
−アクリル酸共重合体(アンモニア中和、分子量100
00)を、「水溶性樹脂B」はポリオキシエチレンナフ
トールを表す。これらの2種類の水溶性樹脂は顔料分散
剤としても機能する。
【0055】また、表中の「水溶性樹脂C」はスチレン
アクリル酸共重合体(アンモニア中和、分子量1550
0。分散剤として機能。)を、「水溶性樹脂D」はポリ
ビニルアセタール(積水化学社製商品名「エスレックK
W」、分散剤としては機能せず。)を、「水溶性樹脂
E」は水溶性アクリル樹脂(東亜合成化学社製商品名
「ED4600」、分散剤としては機能せず。)を、
「界面活性剤」はドデシルベンゼンスルホン酸を、「グ
リコール」はエチレングリコールを、「アミン」はモノ
エタノールアミンを表す。
【0056】これらの水溶性樹脂に顔料、溶媒を混合し
てサンドブラインダー20分間分散させ、2日以上放置
したところ、水溶性樹脂A、B、Cでは顔料は沈降しな
く、液の粘度の上昇はほとんど生じなかった。これに対
し、水溶性樹脂D、Eでは短時間の放置では顔料は沈降
しなかったが、2日の放置で一部の顔料が沈降し、分散
性が水溶性樹脂A、B、Cよりも低いものであった。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】
【表5】
【0062】
【表6】
【0063】
【表7】
【0064】
【表8】
【0065】
【表9】
【0066】
【表10】
【0067】例1、2は実施例であり、水溶性樹脂とし
て顔料分散液中には顔料分散用の水溶性樹脂A又は水溶
性樹脂Bが添加され、さらにインク組成中にも顔料分散
機能を有する水溶性樹脂Cを用いているため、着色層の
膜厚、着色層のヘイズ、インクの吐出安定性及び着色層
の基板との密着性の全てで高い評価が得られた。
【0068】例3、4も実施例であり、顔料分散液中の
顔料分散用の水溶性樹脂は同じであるが、インク組成中
に添加された水溶性樹脂D、水溶性樹脂Eは顔料分散機
能を有しない(低い)ので、着色層の膜厚、着色層のヘ
イズ及び着色層の基板との密着性は高いものであった
が、インクの吐出安定性がやや低いものであった。
【0069】例5、6は実施例、例7は比較例であり、
水溶性樹脂の一部を体質顔料である粒径0.06μmの
コロイダルシリカに置換した例である。これらの例は、
体質顔料の添加による効果を比較するためのものであ
り、遮光層の他にはGのみの着色層を形成して試験を行
った。
【0070】例5は水溶性樹脂3.04重量%、体質顔
料0.75重量%の例(水溶性樹脂/体質顔料=4.0
5)であり、体質顔料を用いていない例1とほぼと同様
の特性を有した。例6、例7は吐出安定性がやや低下し
たが、着色層の膜厚、着色層のヘイズ及び着色層の基板
との密着性は良い結果が得られた。しかし、例7はヘイ
ズがわずかに生じ、着色層の浮きも一部に発生した。他
の実施例ではこのようなヘイズや着色層の浮きの発生は
なかった。
【0071】例8は段差の調整をしない例であり、着色
層のヘイズ、インクの吐出安定性及び着色層の基板との
密着性の点では良いものであったが、着色層間で大きな
段差があり、液晶表示装置を組み上げたときにコントラ
スト比が低い液晶表示装置しか得られなかった。
【0072】例9は、顔料分散液中の水溶性樹脂以外に
は水溶性樹脂を用いずに、水溶性樹脂に比較して大量の
体質顔料を添加した例である。これはヘイズが少し発生
(例7よりは多い)し、吐出安定性にもやや問題があ
り、着色層と基板との密着力に大きな問題があった。
【0073】
【発明の効果】以上の説明のように、本発明のインクジ
ェット法によるカラーフィルタ製造用のインクは、水溶
性樹脂により各着色層又は各着色層と遮光層との膜厚を
容易にほぼ一定にできるので、液晶表示装置にこのカラ
ーフィルタを組み込んだ場合に表示品位の優れたカラー
フィルタを提供できる。
【0074】また、水溶性樹脂を添加しているので、イ
ンクジェットの吐出性能を低下させることなく描画で
き、得られた着色層のヘイズが少なく、連続吐出を継続
してもインクの吐出安定性があり、かつ得られた着色層
と基板との密着性の点でも高い性能が得られる。本発明
は、本発明の効果を損しない範囲内で、種々の応用が可
能である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インクジェット法によりカラーフィルタを
    製造するための顔料分散型水性インクにおいて、顔料を
    含有するインクに水溶性樹脂を添加することにより着色
    層として形成した際に複数色の着色層でその膜厚がほぼ
    等しくなるように水溶性樹脂の量を調整したことを特徴
    とする顔料分散型水性インク。
  2. 【請求項2】インクジェット法によりカラーフィルタを
    製造するための顔料分散型水性インクにおいて、顔料を
    含有するインクに水溶性樹脂及び体質顔料を添加するこ
    とにより着色層として形成した際に複数色の着色層でそ
    の膜厚がほぼ等しくなるように、かつ、水溶性樹脂の重
    量≧体質顔料の重量となるように水溶性樹脂及び体質顔
    料の量を調整したことを特徴とする顔料分散型水性イン
    ク。
  3. 【請求項3】前記水溶性樹脂が、スチレンと炭素炭素不
    飽和結合を含むカルボン酸との共重合体である請求項1
    又は2記載のカラーフィルタ用の顔料分散型水性イン
    ク。
  4. 【請求項4】インクジェット法により複数色のインクを
    吐出してカラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造
    方法において、顔料分散型水性インクを吐出して着色層
    を形成するに際し、顔料を含有する複数色のインクの少
    なくとも1つに水溶性樹脂、さらに必要に応じて体質顔
    料を添加したインクであって水溶性樹脂の重量≧体質顔
    料の重量となるようなインクを用いて吐出を行い、着色
    層を形成した後に複数色の着色層でその膜厚がほぼ等し
    くなるようにしたことを特徴とするカラーフィルタ製造
    方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002220555A (ja) * 2001-01-25 2002-08-09 Konica Corp インクジェット記録液及び記録方法
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JP2009015081A (ja) * 2007-07-05 2009-01-22 Seiko Epson Corp カラーフィルター用インクセット、カラーフィルターの製造方法、カラーフィルター、画像表示装置、および、電子機器
JP2009058546A (ja) * 2007-08-29 2009-03-19 Seiren Co Ltd カラーフィルター及び液晶表示装置の製造方法
JP2011137913A (ja) * 2009-12-28 2011-07-14 Toppan Printing Co Ltd カラーフィルタ及び多面付けカラーフィルタ、並びにその製造に用いる感光性着色組成物

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