JPH11124528A - 顔料分散型水性インク及びカラーフィルタ製造方法 - Google Patents

顔料分散型水性インク及びカラーフィルタ製造方法

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JPH11124528A
JPH11124528A JP29205097A JP29205097A JPH11124528A JP H11124528 A JPH11124528 A JP H11124528A JP 29205097 A JP29205097 A JP 29205097A JP 29205097 A JP29205097 A JP 29205097A JP H11124528 A JPH11124528 A JP H11124528A
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pigment
ink
color filter
dispersed aqueous
aqueous ink
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Yorisuke Ikuta
順亮 生田
Takafumi Hasegawa
隆文 長谷川
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インクジェット法により生産性よく製造でき、
均一性及び信頼性に優れたカラーフィルタを得る。 【解決手段】顔料、顔料分散剤としてカルボン酸化合
物、その顔料分散剤と熱又は光により架橋可能な官能基
を有するモノマー又はオリゴマーとを含有するインクを
用い、インクを吐出後に加熱又は光照射により架橋す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット法
により均一性及び信頼性に優れたカラーフィルタを製造
するための顔料分散型水性インク及びカラーフィルタ製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は近年のパソコンの発達に
伴いカラー表示が増加しており、そのためにカラーフィ
ルタが使用されている。このカラーフィルタについて
は、100×300μm程度のピッチで800×600
×3画素とか、1024×768×3画素とかの微細な
カラーフィルタを形成する必要がある。このため、現在
では顔料分散法が主流となっている。
【0003】この顔料分散法は、フォトリソグラフィ技
術を用いる方法であることから、高価なフォトレジスト
を用いたり、レジストの塗布、乾燥、露光、現像、硬化
等の各工程を3回は繰り返すことになる。このため、巨
額の設備投資が必要になり、かつフォトリソ工程のため
に生産性が低く、得られるカラーフィルタの価格が高く
なる問題があった。
【0004】このため、製造装置が簡便で生産性が良い
カラーフィルタの製造方法として、インクジェット法が
注目されている。インクジェット装置は、装置が小型で
簡便であり、騒音が少なく、ランニングコストが安く、
カラー化が容易であるため、オフィスユース及びパーソ
ナルユースの紙用のプリンタとして近年急速に普及して
きている。
【0005】このプリンタ用としては、最近では特に低
価格のカラー画像出力機としての要望が高く、これに応
えるべき技術手段としては、水溶性染料を用いたインク
を用いてインクジェットプリンタによりカラー画像を得
るという一般的であった。
【0006】このような紙へのプリントの場合は、一般
に高温に長時間さらされたり、直射日光に長時間さらさ
れるということは少なく、染料インクは一般に耐久性や
耐光性が低いものではあったが、こうした染料インクを
用いてもあまり問題にはならなかった。
【0007】しかし、カラーフィルタ用途では、プリン
タ用途と異なり、前述の耐水性や耐光性に加え、液晶表
示素子の製造プロセスに耐えるために耐熱性、耐溶剤
性、耐薬品性やガラス基板等の表面性状が平滑な基板と
の密着力が要求される。これらの要求特性を満足するた
めに1つはインクを耐久性の高い顔料インクとすること
及び密着力向上のためにインクにバインダの添加が検討
されてきた。
【0008】そのバインダ成分としてはアクリル樹脂、
エポキシ樹脂、メラミン樹脂等のエマルジョン、ポリビ
ニルアセタール等の水溶性ポリマー又はそのエマルジョ
ン、及びポリエチレングリコールジアクリレートなどの
紫外線硬化型の水溶性モノマー、水溶性オリゴマーが知
られていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このバインダ成分とし
て水溶性ポリマーを用いた場合には、基板との密着性や
耐熱性等の信頼性は問題ないが、 粘度が増加しインクジ
ェット装置からのインクの吐出に問題を生じることがあ
った。すなわち、インクジェット装置によりインクを安
定に吐出するためにはインクの粘度を5cP程度に抑え
る必要があるが、粘度の高いポリマーを添加した場合は
インク粘度が高くなり、吐出安定性に問題を生じること
があった。
【0010】また、バインダ成分としてエマルジョンを
用いた場合には、顔料の分散安定性を損いやすいため、
やはりインクジェット装置での吐出安定性が悪くなりや
すく、得られたカラーフィルタもヘイズを有しやすい問
題があった。
【0011】さらに、紫外線硬化型の水溶性モノマー、
水溶性オリゴマーをバインダ成分として用いた場合に
は、低粘度であるためインクジェット装置での吐出安定
性には優れるが、その硬化物の信頼性は欠け、特に耐熱
性や基板との密着性が劣っていた。
【0012】したがって従来のバインダ成分としては、
インクジェット装置での吐出安定性及び信頼性の両者を
満足できず、現在主流の顔料分散法によるカラーフィル
タと比べ信頼性又は均一性の点で劣る問題があった。
【0013】本発明は、これらの問題を解決し、インク
ジェット法により均一かつ信頼性に優れたカラーフィル
タを作製できる顔料分散型水性インク及びカラーフィル
タ製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、インクジェッ
ト法によりカラーフィルタを製造するための顔料分散型
水性インクにおいて、顔料と、顔料分散剤としてのカル
ボン酸化合物と、その顔料分散剤と熱又は光により架橋
可能な官能基を有するモノマー又はオリゴマーと、を含
有することを特徴とする顔料分散型水性インクを提供す
る。また、前記モノマー又はオリゴマーが、ポリアルキ
レングリコールジグリシジルエーテルである上記の顔料
分散型水性インクを提供する。
【0015】また、上記の顔料分散型水性インクを用い
て、インクジェット法により基板上にインクを吐出し、
その後加熱又は光を照射して前記顔料分散剤と前記モノ
マー又はオリゴマーとを架橋させることを特徴とするカ
ラーフィルタ製造方法を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の顔料分散型水性インク
は、顔料、顔料分散剤としてカルボン酸化合物を含み、
さらにバインダ成分として顔料分散剤と光又は熱により
架橋可能な官能基を有するモノマー又はオリゴマーを添
加したものであり、インクジェット法により均一性及び
信頼性に優れたカラーフィルタを製造できる。
【0017】本発明で用いる着色剤としては、有機又は
無機の顔料が使用できる。顔料の種類は所望の色が得ら
れるように選択すればよく、単独で又は混合してインク
に対して1〜5重量%とされる。1重量%未満では色が
薄くなりすぎ、インク量が増加し乾燥ムラが生じやす
い。5重量%超ではインク粘度が高くなりインクジェッ
トでの吐出が不安定になる。
【0018】本発明で用いる顔料分散剤としては、カル
ボン酸化合物を用いる。好ましいカルボン酸化合物とし
ては、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マ
レイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマ
ル酸、フマル酸誘導体とから選ばれた化合物と、スチレ
ン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン結合体、α,β
−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエス
テルから選ばれた化合物との2つ以上の単量体からなる
ブロック共重合体、又はランダム共重合体、又はこれら
の塩が挙げられる。
【0019】これらのカルボン酸化合物は、塩基を溶解
させた水溶液に可溶なアルカリ可溶型樹脂であり、イン
クジェット用インクに用いるものとして、分散液を低粘
度でき、分散も容易であるため特に好ましい。特に顔料
分散剤としては、その樹脂自身の耐熱性及び顔料の分散
安定性の点から、スチレンと炭素炭素不飽和結合を含ん
だカルボン酸との共重合体が好ましく、インクジェット
装置での吐出安定性の点から、その分子量は2000〜
50000が好ましい。具体的にはスチレン−マレイン
酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸共重合
体等を挙げられる。また、この顔料分散剤は、顔料に対
して5〜100重量%、より好ましくは10〜25重量
%の範囲で含有されることが好ましい。
【0020】本発明で添加するバインダ成分としては、
前記顔料分散剤と光又は熱により架橋可能な官能基有す
る水溶性モノマー又はオリゴマーであれば特に限定され
ない。具体的には、ヒドロキシメチルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト等の水溶性アクリル系モノマー、ポリエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル等の水溶性エポキシ系モノマ
ー等を使用できる。
【0021】このバインダ成分は顔料分散剤に対して等
重量添加すると、得られたカラーフィルターの信頼性が
最も良好となる。また、前記バインダ成分の硬化方法は
熱又は光により行うことができ、インクジェット装置に
より基板上にインクを吐出後、熱又は光により、バイン
ダ成分と顔料分散剤とを共重合させるとともに、バイン
ダ成分を硬化させる。
【0022】こうして得られたカラーフィルタは、比較
的低分子量のバインダ成分が顔料分散剤と架橋している
ため、耐水性、耐溶剤性、基板との密着力等の信頼性が
優れる。インクジェット装置での吐出安定性について
も、インクの粘度が比較的に低いために優れており、均
一性に優れたカラーフィルタを容易に得られる。さらに
前記バインダ成分中でも、ポリエチレングリコールジグ
リシジルエーテル等のポリアルキレングリコールジグリ
シジルエーテルをバインダ成分として用いた場合には、
信頼性、特に耐熱性に優れたカラーフィルタが得られ
る。
【0023】特に好ましいポリアルキレングリコールジ
グリシジルエーテルとしては下記式(1)の化合物があ
る。なお、式(1)中のRはm個の式(2)のR1 及び
n個の式(3)のR2 が線状に結合したものを意味し、
m及びnは0≦m≦12、0≦n≦12、かつ、1≦m
+n≦12である。このため、このRは、全部がR1
み(n=0)又はR2 のみ(m=0)でもよく、R1
2 とが混在していてもよい。
【0024】
【化1】
【0025】また、本発明では、顔料分散補助剤として
界面活性剤も添加できる。界面活性剤としては、アニオ
ン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、
ノニオン界面活性剤を用いうる。この界面活性剤は、イ
ンクに対して0〜2重量%使用される。
【0026】アニオン界面活性剤としては高級脂肪酸
塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキ
ルエステル硫酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、
アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルア
リール及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル
リン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸
塩、アルキルアリールエーテルリン酸塩等がある。
【0027】カチオン界面活性剤としては、アルキルア
ミン塩、ジアルキルアミン塩、テトラアルキルアンモニ
ウム塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジニウム
塩、イミダゾリニウム塩等がある。両性界面活性剤とし
ては、ジメチルアルキルラウリルベタイン、アルキルグ
リシン、アルキルビス(アミノエチル)グリシン、イミ
ダゾリニムベタイン等がある。
【0028】ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルアリールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタン
エステル、ショ糖エステル、グリセリンエステルのポリ
オキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオ
キシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオ
キシエチレンエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポ
リオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド、ポリ
オキシエチレンアルキルアミン等がある。
【0029】本発明におけるインクの水性媒体として
は、水及び水溶性有機溶媒の混合溶媒が好ましく、水と
しては様々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオ
ン交換水(脱イオン水)を使用することが好ましい。
【0030】その他の併用しうる任意の溶剤成分とし
て、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルア
ルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチ
ルアルコール等のアルキルアルコール類、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセト
ン等のケトン類、ジアセトンアルコール等のケトンアル
コール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール等のポリアルキレングリコール類、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、チオジグリコール、ヘキ
シレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレ
ングリコール類、グリセリン、エチレングリコールモノ
メチル(又はエチル、ブチル)エーテル、ジエチレング
リコールモノメチル(又はエチル、ブチル)エーテル、
プロピレングリコールモノメチル(又はエチル、ブチ
ル)エーテル等のアルキルエーテル類、グリセリン等が
挙げられる。
【0031】これらの多くの水溶性有機溶剤中でも、沸
点や保湿性などの観点から、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、グリセリンが特に好ましい。本発明
におけるインク中の上記水溶性有機溶剤の含有量は、イ
ンク全重量の1〜30重量%の範囲であり、好ましくは
5〜20重量%の範囲である。
【0032】本発明のインクには、この他炭酸カルシウ
ム、コロイダルシリカ、アルミナホワイト、沈降性硫酸
バリウム等の体質顔料を0〜5重量%含んでいてもよ
い。また、消泡剤、防腐剤、pH調整剤等のインク用添
加剤を0〜2重量%添加してもよい。
【0033】本発明ではこのようなインク組成の顔料分
散型水性インクを用いてインクジェット法によりカラー
フィルタを形成する。このインクを吐出する基板は、ガ
ラス、プラスチック、半導体基板等が可能である。
【0034】本発明では顔料分散型水性インクを用いて
おり、基板が紙や繊維のような多孔質な媒体でなく平滑
な媒体なので、単にインクをインクジェット装置により
吐出してもインクが基板の所定位置に付着しにくい。こ
のため、基板上にあらかじめ画素に相当する部分の周囲
に堰を形成しておき、その堰に囲まれた部分にインクを
吐出することが好ましい。
【0035】この堰を遮光膜で形成しておき、その上部
に撥水処理をしておくことにより、所定の位置に所定の
色のインクを堆積させることができ、かつインクが堰を
乗り越えにくくなり、インクが隣接画素の部分に流出し
にくくなる。この堰は硬化後の着色層の高さとほぼ同じ
程度の高さにすればよく、通常は0.2〜3μm程度と
されればよい。
【0036】このような基板に、インクジェット装置を
用いてインクを吐出して基板上に着色層を形成する。通
常はRGB3色又はMCY3色のインクを順次吐出して
3原色の着色層を形成する。この着色層を乾燥させ、そ
の後加熱又は光を照射して顔料分散剤とモノマー又はオ
リゴマーとを架橋させる。これにより、顔料が架橋した
樹脂にしっかり固着され、基板との密着性が向上し、耐
久性も向上する。
【0037】このようにして形成されたカラーフィルタ
基板は、必要に応じてその上に絶縁性の樹脂や無機物の
膜を形成し、その上に電極を形成することにより、電極
付き基板とする。さらに、この電極付き基板の電極を必
要に応じて所定のパターンにパターニングし、表面に配
向膜を形成する。それと同時にもう1枚の電極付き基板
も表面に配向膜を形成する。これらの2枚の基板の間に
液晶層を配置することによりカラー液晶表示素子を製造
できる。
【0038】本発明のカラーフィルタの主要な用途はこ
のような液晶表示素子用途であるが、他の用途、例えば
他の表示素子、撮像素子等にも使用できる。また、液晶
表示素子用途でも、片側の基板にはTFT等の能動素子
を用いた基板を用いたり、プラズマによる駆動を用いた
りすることもできる。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。な
お、部は重量部を示す。
【0040】「例1〜5(実施例)及び例6〜10(比
較例)」表1のような顔料分散液を作製し、表2及び表
3にしたがって各色分散液に溶媒やバインダ成分を添加
し、インクジェット用のインクとした。なお、スチレン
−アクリル酸共重合体にはアンモニア中和によるものを
用いた。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【化2】
【0045】こうして得られた例1〜10のインクをイ
ンクジェット装置により、あらかじめ画素部分の周囲を
樹脂遮光膜により囲んで高さ1μmの堰を形成し、その
遮光膜上面をフッ素系撥水処理剤で撥水性にしたガラス
基板に吐出した後、120℃で15分間仮焼成を行い、
230℃で1時間焼成し、カラーフィルタを作製した。
ここで例5及び例10については仮焼成後にUV照射を
行った。
【0046】得られたカラーフィルタについて、以下の
試験1〜3の信頼性試験及び試験4のインクジェット装
置吐出試験を行った。その結果を表4、表5に示す。な
お、試験1〜3の色差ΔEuv * については、ΔEuv *
3が「◎」、ΔEuv * ≦5が「○」、ΔEuv * >5が
「×」とした。
【0047】なお、試験1(耐熱性)は、250℃で1
時間熱処理前後での色差ΔEuv * を測定するとともに、
外観検査を行った。試験2(耐溶剤性)は、N−メチル
ピロリドンに1時間浸漬し、さらに230℃で1時間ベ
ーク処理を行った。処理前後での色差ΔEuv * を測定す
るとともに、外観検査を行った。試験3(基板との密着
力)は、沸騰水に1時間浸漬したのちクロスカット法に
より、基板との密着性を評価した。
【0048】試験4(インクジェット装置での吐出安定
性)は、一定の吐出パルス(周波数1kHz)を2.5
秒周期で断続的に与えてインクを吐出させ、オリフィス
から吐出されたインク5滴分の固形分体積を測定した。
(試験開始後20時間経過した時の吐出液量)/(試験
開始時の吐出液量)の比率が、95%以上が「◎」、9
0%以上95%未満が「○」、70%以上90%未満が
「△」、70%未満又は液が吐出されていないが「×」
とした。
【0049】この結果、例1〜5では耐久性試験の結果
にいずれも色差ΔEuv * の違いが少なく、かつ外観上の
異状がなく、インクの吐出安定性にも優れていた。特
に、例1〜4の架橋性化合物としてポリエチレングリコ
ールジグリシジルエーテルを用いたものは、耐久性試験
での色差ΔEuv * が小さかった。一方、例6〜10のも
のは耐久性試験の結果何らかの異常が発生し、例9はイ
ンクの吐出安定性にも問題が生じた。
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】「例11(実施例)」例1〜3の3色のイ
ンクを用いてインクジェット装置により、あらかじめ画
素部分の周囲を樹脂遮光膜により囲んで高さ1μmの堰
を形成し、その遮光膜上面をフッ素系撥水処理剤で撥水
性にしたガラス基板に順次吐出した。その後、120℃
で15分間仮焼成を行い、230℃で1時間焼成した。
【0053】その後、遮光膜上面の撥水処理剤を除去し
てから、アクリル系の樹脂による絶縁膜を形成し、IT
Oによる導電膜を積層形成した。このITOをパターニ
ングして、さらにポリイミドの配向膜を形成してラビン
グを行った。他方の基板として、ガラス基板上にITO
による導電膜を積層形成しパターニングして、さらにポ
リイミドの配向膜を形成してラビングを行った。
【0054】これら2枚の基板の周辺をエポキシ樹脂で
シールして内部にネマチック液晶を封入してカラーST
N液晶表示素子を作成した。このカラーSTN液晶表示
素子は美しいカラー表示が可能であった。
【0055】
【発明の効果】本発明の顔料分散型水性インクは、顔
料、顔料分散剤としてカルボン酸化合物、その顔料分散
剤と熱又は光により架橋可能な官能基を有するモノマー
又はオリゴマーとを含有している。これにより、インク
の吐出時には粘性が低く安定して長時間吐出ができる。
さらに、吐出後に加熱又は光照射により架橋することに
より、耐久性が向上し基板との密着性が向上する。
【0056】これにより、インクジェット法により、均
一性及び信頼性に優れたカラーフィルタを容易に製造で
きる。本発明は、本発明の効果を損しない範囲内で、種
々の応用ができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インクジェット法によりカラーフィルタを
    製造するための顔料分散型水性インクにおいて、顔料
    と、顔料分散剤としてのカルボン酸化合物と、その顔料
    分散剤と熱又は光により架橋可能な官能基を有するモノ
    マー又はオリゴマーと、を含有することを特徴とする顔
    料分散型水性インク。
  2. 【請求項2】前記モノマー又はオリゴマーが、ポリアル
    キレングリコールジグリシジルエーテルである請求項1
    記載の顔料分散型水性インク。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の顔料分散型水性イン
    クを用いて、インクジェット法により基板上にインクを
    吐出し、その後加熱又は光を照射して前記顔料分散剤と
    前記モノマー又はオリゴマーとを架橋させることを特徴
    とするカラーフィルタ製造方法。
JP29205097A 1997-10-24 1997-10-24 顔料分散型水性インク及びカラーフィルタ製造方法 Pending JPH11124528A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007070477A (ja) * 2005-09-07 2007-03-22 Fujifilm Corp インク組成物、インクジェット記録方法、印刷物、平版印刷版の製造方法、及び、平版印刷版
JPWO2007113958A1 (ja) * 2006-03-31 2009-08-13 富士フイルム株式会社 カラーフィルタ用インクジェットインク、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法及び表示装置

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