JPH1192653A - 水系ポリウレタン樹脂組成物 - Google Patents

水系ポリウレタン樹脂組成物

Info

Publication number
JPH1192653A
JPH1192653A JP9257230A JP25723097A JPH1192653A JP H1192653 A JPH1192653 A JP H1192653A JP 9257230 A JP9257230 A JP 9257230A JP 25723097 A JP25723097 A JP 25723097A JP H1192653 A JPH1192653 A JP H1192653A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyurethane resin
polyol
aqueous polyurethane
acid
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9257230A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadahiro Nakada
忠洋 仲田
Takashi Nakahata
隆 中畑
Tamotsu Nagamatsu
保 永松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Denka Kogyo KK filed Critical Asahi Denka Kogyo KK
Priority to JP9257230A priority Critical patent/JPH1192653A/ja
Publication of JPH1192653A publication Critical patent/JPH1192653A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水分散物の保存安定性および硬化物物性に優
れ、特に繊維製品の処理剤として用いた場合において風
合いがよく、消臭性、抗菌性および耐洗濯性に優れた繊
維製品を提供することが可能な水系ポリウレタン樹脂組
成物の提供。 【解決手段】 ポリオール成分として芳香環構造を有す
るポリオールの少なくとも一種を使用してなる水系ポリ
ウレタン樹脂に、芳香族多価カルボン酸エステル化合物
を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水系ポリウレタン
樹脂組成物に関し、詳しくは、特定の水系ポリウレタン
樹脂に芳香族多価カルボン酸エステル化合物を配合して
なる、水分散物の保存安定性および硬化物物性に優れた
水系ポリウレタン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】塗料、
接着剤、バインダー、コーティング剤、繊維などの処理
剤あるいは各種仕上げ加工剤などの分野においてポリウ
レタン樹脂が用いられているが、斯る分野においても、
環境問題や人体への悪影響を考え、有機溶剤の使用が制
限されてきており、有機溶剤をほとんど含まない水系ポ
リウレタン樹脂への移行が進行し、その使用量も増加し
ている。
【0003】この水系ポリウレタン樹脂は、一般に、末
端にイソシアネート基を有するプレポリマーを、低分子
量の鎖延長剤および必要に応じて界面活性剤を含有する
水中に加えることによって鎖延長(高分子量化)と水分
散を同時に行わせて製造されるため、ポリマー主鎖に多
量のウレタン結合またはウレア結合を有することとな
り、その構造が剛直化し伸びが小さくなる欠点があっ
た。また、乾燥後に残存する界面活性剤は乾燥塗膜の物
性に悪影響を及ぼすことが多いため、界面活性剤の使用
量を低減したりあるいは界面活性剤を使用しなくとも水
分散性または水溶性を付与するために、分子中にカルボ
キシル基またはスルホン酸基を有するポリオールまたは
分子中に塩基性基を有するポリオールを用いて構造中に
親水性基を導入することも行われているが、この場合に
は、用いられるこれらのポリオールが低分子量の化合物
であるため、上記の欠点がより顕著に現れる。
【0004】また、繊維処理剤として水系ポリウレタン
樹脂を使用した場合にも、上記の欠点によって風合いが
不良となることが多かった。
【0005】これまで、ポリウレタン樹脂に可塑剤を配
合して柔軟性を付与することが行われており、例えば、
特開平7−26137号公報にはジオクチルフタレー
ト、ジオクチルアジペート等のエステル系可塑剤、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル等のポリエーテル系可
塑剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート等の低分子量エーテルエステル系可塑剤を配合した
ポリウレタンエラストマーが記載されている。しかしな
がら、通常の水系ポリウレタン樹脂にこれらの可塑剤を
配合しても物性の改善効果が不十分で、また、クリーニ
ングを繰り返した場合にその効果が失われてしまうばか
りでなく、水系ポリウレタン樹脂の保存安定性が低下す
る欠点もあり、実用上満足できるものではなかった。
【0006】従って、本発明の目的は、水分散物の保存
安定性および硬化物物性に優れ、特に繊維製品の処理剤
として用いた場合において風合いがよく、消臭性、抗菌
性および耐洗濯性に優れた繊維製品を提供することが可
能な水系ポリウレタン樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、種々検討
を重ねた結果、特定の水系ポリウレタン樹脂に芳香族多
価カルボン酸エステル化合物を配合することによって、
上記目的が達成されることを見出し、本発明に到達し
た。
【0008】即ち、本発明は、ポリオール成分として芳
香環構造を有するポリオールの少なくとも一種を使用し
てなる水系ポリウレタン樹脂に、芳香族多価カルボン酸
エステル化合物を配合してなることを特徴とする水系ポ
リウレタン樹脂組成物を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の水系ポリウレタン
樹脂組成物について詳述する。
【0010】本発明において用いられる水系ポリウレタ
ン樹脂は、例えば、(1)界面活性剤を用いて強制乳化す
る方法、(2)オキシエチレン骨格を導入して自己乳化性
を付与する方法あるいは(3)分子中にカチオン性基また
はアニオン性基を導入してこれを中和する方法などの方
法により得られるものである。
【0011】これらの中でも特に(3)の方法により得ら
れるものが、特に硬化物の風合いおよび耐水性などの物
性が優れ、かつ、水分散物の保存安定性が優れるため好
ましく、具体的には、有機ポリイソシアネート(A)、
芳香環構造を有するポリオールの少なくとも一種を含有
するポリオール(B)および分子中にカルボキシル基ま
たはスルホン酸基を有するポリオールまたは分子中に塩
基性基を有するポリオール(C)を、反応に不活性で水
との親和性の大きい溶媒中でウレタン化反応させてプレ
ポリマーとし、次いで、プレポリマーを中和、鎖延長
し、水を加えて水性ウレタン樹脂とすることによって製
造される。
【0012】水系ポリウレタン樹脂を製造するために使
用される上記有機ポリイソシアネート(A)としては、
脂肪族、脂環式および芳香族ポリイソシアネートがあげ
られ、具体的には、2,4−トリレンジイソシアネー
ト、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシア
ネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキ
シリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイ
ソシアネートエステル、1,4−シクロヘキシレンジイ
ソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイ
ソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフ
ェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソ
シアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート等があげられ
る。
【0013】これらの有機ポリイソシアネート(A)
は、上記ポリオール(B)、上記ポリオール(C)およ
び後述する鎖延長剤の活性水素の合計に対し、好ましく
くは0.8〜3倍当量、より好ましくは1〜2倍当量と
なるように使用される。有機ポリイソシアネート(A)
の使用量が0.8倍当量未満の場合には過剰のポリオー
ル等が残存することとなり、また、3倍当量より多い場
合には水を加えたときに尿素結合を多量に生成すること
となり、いずれの場合もその特性を低下させるおそれが
ある。
【0014】水系ポリウレタン樹脂を製造するために使
用される上記ポリオール(B)は、芳香環構造を有する
ポリオールの少なくとも一種を含有してなり、その使用
量は、芳香環構造を有するポリオールの量が、全ポリオ
ール成分中で、少なくとも10重量%以上、好ましくは
50重量%以上となる量である。
【0015】上記芳香環構造を有するポリオールとして
は、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノ
ールAのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオ
キシド付加物等の芳香族環を有する低分子量ポリオール
あるいはこれらを開始剤としてエチレンオキシドおよび
/またはプロピレンオキシドを付加してなるポリエーテ
ルポリオール;エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレング
リコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブ
チレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,
4−ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、
ハイドロキノン、レゾルシン、水添ビスフェノールA、
ビスフェノールAのエチレンオキシドおよび/またはプ
ロピレンオキシド付加物等の低分子量ポリオールあるい
はこれらを開始剤としてエチレンオキシドおよび/また
はプロピレンオキシドを付加して得られるポリエーテル
ポリオールとフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、
トリメリット酸、ピロメリット酸、ビフェニルテトラカ
ルボン酸等の芳香族多価カルボン酸の少なくとも一種か
ら選ばれる多塩基酸との縮合物あるいはこれら芳香族多
価カルボン酸とともにコハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、セバチン酸等のその他の多塩基酸との縮合物である
ポリエステルポリオールなどがあげられるが、特に芳香
族多価カルボン酸を用いて得られる芳香族環含有ポリオ
ールを用いることが、水分散物の保存安定性が一層優れ
たものが得られるため好ましい。
【0016】また、上記ポリオール(B)として他のポ
リオールを併用することもでき、斯る他のポリオールと
しては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレン
グリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−
ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、
1,4−ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、水添ビスフェノールAのエチレンオキシドおよび/
またはプロピレンオキシド付加物等の低分子量ポリオー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリエチレン/プロピレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコール等、または、上記低分子量ポリオー
ルを開始剤としてエチレンオキシドおよび/またはプロ
ピレンオキシドを付加してなるポリエーテルポリオー
ル、上記低分子量ポリオールとコハク酸、グルタル酸、
アジピン酸、セバチン酸等の多塩基酸あるいは炭酸との
縮合物であるポリエステルポリオール、ポリカーボネー
トポリオールおよびポリカプロラクトン等があげられ
る。
【0017】水系ポリウレタン樹脂を製造するために使
用される上記ポリオール(C)のうち、分子中にカルボ
キシル基もしくはスルホン酸基を有するポリオールとし
ては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、
2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草
酸、1,4−ブタンジオール−2−スルホン酸等があげ
られ、また、分子中に塩基性基を有するポリオールとし
ては、例えば、メチルジエタノールアミン、ブチルジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロ
パノールアミンなどがあげられ、特に、カルボキシル基
を有するポリオールを用いた場合には分散性に優れる水
性ウレタンが得られるので好ましい。
【0018】これらのポリオール(C)の使用量は、用
いるポリオールおよびポリイソシアネートの種類にもよ
るが、通常は、水系ポリウレタン樹脂を構成する全ての
反応成分に対して、0.5〜50重量%、好ましくは1
〜30重量%が用いられる。ポリオール(C)の使用量
が0.5重量%未満では水分散物の保存安定性が劣り、
また、50重量%を超えて使用すると特性に悪影響を及
ぼすことがある。
【0019】水系ポリウレタン樹脂を製造するために使
用される上記の反応に不活性で水との親和性の大きい溶
媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、
ジオキサン、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピ
ロリドン等をあげることができる。これらの溶媒は、通
常、プレポリマーを製造するために用いられる上記原料
の合計重量に対して、10〜100重量%が用いられ
る。
【0020】また、上記プレポリマーを中和する中和剤
としては、上記プレポリマーがアニオン系の場合(ポリ
オール(C)として分子中にカルボキシル基もしくはス
ルホン酸基を有するポリオールを使用した場合)と、上
記プレポリマーがカチオン系の場合(ポリオール(C)
として塩基性基を有するポリオールを使用した場合)と
によって異なり、上記プレポリマーがアニオン系の場
合、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ト
リプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチルジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミ
ン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等
の無機塩基があげられ、これらはカルボキシル基または
スルホン酸基を中和するに十分な量が用いられる。ま
た、上記プレポリマーがカチオン系の場合、例えば、蟻
酸、蓚酸、リン酸、硼酸、塩酸、炭酸、酢酸、ジメチロ
ールプロピオン酸等の酸類があげられ、これらはポリオ
ール塩基を中和するのに十分な量が用いられる。
【0021】また、上記プレポリマーを鎖延長する鎖延
長剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレ
ングリコールなどのポリオール類、エチレンジアミン、
プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリレ
ンジアミン、キシリレンジアミン、ジアミノジフェニル
メタン、ジアミノシクロヘキシルメタン、ピペラジン、
2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン、メラミ
ン、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、
フタル酸ジヒドラジド等のアミン類および水等があげら
れる。これらの鎖延長剤の使用量は、目的とするポリウ
レタン樹脂の分子量にもよるが、通常は、プレポリマー
に対して0.5〜10重量%が用いられる。
【0022】前述のように、これらの原料から水系ポリ
ウレタン樹脂を製造する製造方法自体は周知であり、こ
れらの原料の仕込み順序を適宜変更したり、あるいは分
割して仕込むことも可能である。
【0023】このようにして得られた水系ポリウレタン
樹脂は、通常、樹脂固形分が1〜90重量%、より好ま
しくは5〜80重量%となるように調整される。
【0024】また、上記水系ポリウレタン樹脂に配合さ
れる芳香族多価カルボン酸エステル化合物としては、芳
香族多価カルボン酸とアルコール類とのエステル化合物
が用いられ、上記芳香族多価カルボン酸としては、例え
ば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸
などがあげられ、上記アルコール類としては、ブタノー
ル、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オク
タノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、
ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペ
ンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノー
ル、オクタデカノール、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリ
プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエ
チルエーテル、ポリプロピレングリコールモノエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ポ
リエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレ
ングリコールモノブチルエーテル、ポリプロピレングリ
コールモノブチルエーテルなどあるいはこれらの混合ア
ルコール類などがあげられる。
【0025】これら芳香族多価カルボン酸エステル化合
物は、水系ポリウレタン樹脂の樹脂固形分100重量部
に対して、好ましくは1〜100重量部、より好ましく
は5〜50重量部使用され、1重量部未満の使用ではそ
の使用効果がほとんどみられず、100重量部を越えて
使用した場合には、硬化物の物性を低下するおそれがあ
る。
【0026】芳香族多価カルボン酸エステル化合物を水
系ポリウレタン樹脂に配合する方法は、水系ポリウレタ
ン樹脂製造後に配合する方法でもよく、芳香族多価カル
ボン酸エステル化合物の存在下で有機ポリイソシアネー
ト(A)、ポリオール(B)およびポリオール(C)を
反応させることによって最終製品に残存させる方法でも
よい。
【0027】また、本発明の水系ポリウレタン樹脂組成
物には、乳化剤を配合することができ、該乳化剤として
は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カ
チオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性
剤または反応性界面活性剤など全ての界面活性剤を使用
することができる。
【0028】上記アニオン性界面活性剤としては、例え
ば、ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデシ
ルサルフェート、アンモニウムドデシルサルフェートな
どのアルキルサルフェート;ナトリウムドデシルポリグ
リコールエーテルサルフェート;ナトリウムスルホリシ
ノート;スルホン化パラフィンのアルカリ金属塩、スル
ホン化パラフィンのアンモニウム塩などのアルキルスル
ホネート;ナトリウムラウレート、トリエタノールアミ
ンオレート、トリエタノールアミンアビエテートなどの
脂肪酸塩;ナトリウムベンゼンスルホネート、アルカリ
フェノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属サルフェ
ートなどのアルキルアリールスルホネート;高アルキル
ナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸ホルマ
リン縮合物;ジアルキルスルホコハク酸塩;ポリオキシ
エチレンアルキルサルフェート塩;ポリオキシエチレン
アルキルアリールサルフェート塩などがあげられる。
【0029】上記ノニオン性界面活性剤としては、例え
ば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシ
エチレンアルキルアリールエーテル;ソルビタン脂肪酸
エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル;脂肪酸モノグリセライド;トリメチロールプロパン
脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンオキシプロピレン
共重合体;エチレンオキサイドの脂肪酸アミン、アミド
または酸との縮合生成物などがあげられる。
【0030】上記カチオン性界面活性剤としては、例え
ば、第1〜3級アミン塩;ピリジニウム塩;第4級アン
モニウム塩などがあげられる。
【0031】上記高分子界面活性剤としては、例えば、
ポリビニルアルコール;ポリ(メタ)アクリル酸ナトリ
ウム、ポリ(メタ)アクリル酸カリウム、ポリ(メタ)
アクリル酸アンモニウム、ポリヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート;ポリヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート;またこれらの重合体構成単位である重合性
単量体の2種以上の共重合体または他の単量体との共重
合体などがあげられる。また、クラウンエーテル類など
の相関移動触媒と称されるものも界面活性を示すものと
して有用である。
【0032】本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物に
は、必要に応じて他の水性分散体や水分散液、例えば、
酢酸ビニル系、エチレン−酢酸ビニル系、アクリル系、
アクリル−スチレン系等のエマルジョン;スチレン−ブ
タジエン系、アクリロニトリル−ブタジエン系、アクリ
ル−ブタジエン系等のラテックス;ポリエチレン系、ポ
リオレフィン系等のアイオノマー;ポリエステル、ポリ
アミド、エポキシ樹脂等の各種水性分散体、水分散液を
併用することができる。
【0033】また、本発明の水系ポリウレタン樹脂組成
物には、必要に応じて、フェノール系抗酸化剤、有機ホ
スファイトまたはホスホナイトなどの有機リン系抗酸化
剤、チオエーテル系抗酸化剤、紫外線吸収剤あるいはヒ
ンダードアミン化合物などの光安定剤、フッ素系または
シロキサン系などの帯電防止剤、コロイダルシリカまた
はコロイダルアルミナなどの無機質コロイドゾル、シラ
ンカップリング剤、着色剤、ワックス類、防腐剤、消泡
剤、可塑剤、フィラー、溶剤、造膜助剤、分散剤、増粘
剤、香料等の慣用の添加物を加えることもできる。
【0034】本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物は、
塗料、接着剤、バインダー、コーティング剤、繊維など
の処理剤あるいは各種仕上げ加工剤などの分野において
使用することができ、とりわけ、繊維製品の処理剤とし
て使用する場合、風合いを与え、また、難燃、消臭、抗
菌効果もあるので好ましい。
【0035】本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物を繊
維製品の仕上げ剤として使用する場合の繊維基材として
は、例えば、綿、麻等の天然繊維、レーヨン、ナイロ
ン、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル等の人工・
合成繊維、またこれらの混紡繊維あるいはガラス繊維、
炭素繊維等の無機繊維などがあげられる。
【0036】本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物を繊
維製品の仕上げ剤として使用する場合には、これを含有
する処理浴を予め調製し、この中に繊維基材を浸漬、含
浸させ、必要な付着量となるようマングロール等で絞
り、乾燥させればよい。
【0037】また、本発明の水系ポリウレタン樹脂組成
物を塗料などとして使用する場合には、グラビアコート
法、リバースロールコート法、エアナイフコート法、バ
ーコート法、ドクターブレードコート法、カーテンロー
ルコート法、ディップコート法、スプレーコート法、ロ
ッドコート法などのコーティング法を用いて、基材に塗
布して乾燥することによって、塗膜を形成することがで
きる。
【0038】
【実施例】以下、製造例および実施例によって本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例によっ
て制限を受けるものではない。尚、製造例および実施例
における部は特にことわりのないかぎり重量部を表す。
【0039】製造例1 ポリエステルポリオール1(イソフタル酸/アジピン酸
〔1:1〕とヘキサンジオールの縮合物、平均分子量1
000)100部、イソホロンジイソシアネート107
部、ジメチロールプロピオン酸20部およびN−メチル
ピロリドン100部を反応容器にとり、80〜100℃
に保ちながら反応させて、プレポリマーを製造した。
【0040】次いで、トリエチルアミン18部を加えて
中和した後、ヘキサメチレンジアミン5部を加え、水を
添加しながら35℃以下で架橋反応を行い、反応終了ま
でに650部の水を加えて樹脂固形分23重量%の水系
ポリウレタン樹脂Aを製造した。
【0041】上記製造例1と同様な操作により、次の
〔表1〕の水系ポリウレタン樹脂B〜Eを製造した。
【0042】製造例2 ポリエステルポリオール1(イソフタル酸/アジピン酸
〔1:1〕とヘキサンジオールの縮合物、平均分子量1
000)100部、ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート(水添MDI)120部、ジメチロールプロピオ
ン酸20部、N−メチルピロリドン100部およびジ−
2−エチルヘキシルフタレート(DOP)100部を反
応容器にとり、80〜100℃に保ちながら反応させ
て、プレポリマーを製造した。
【0043】次いで、トリエチルアミン18部を加えて
中和した後、ヘキサメチレンジアミン5部を加え、水を
添加しながら35℃以下で架橋反応を行い、反応終了ま
でに537部の水を加えて樹脂固形分34.5重量%の
水系ポリウレタン樹脂Fを製造した。
【0044】上記製造例2と同様な操作により、次の
〔表2〕の水系ポリウレタン樹脂G〜Jを製造した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】実施例1 上記製造例により得られた水系ポリウレタン樹脂を用い
て、次の〔表3〕、〔表4〕および〔表5〕に示したよ
うな水性分散体(水系ポリウレタン樹脂組成物)を調製
し、5℃および40℃で3か月後の保存安定性を下記基
準により評価した。ただし、可塑剤成分を配合する場合
は、水系ポリウレタン樹脂の樹脂固形分100部に対し
て10部を撹拌混合した。
【0048】(保存安定性の評価基準) 1:良好なエマルジョンを保っている。 2:若干分離が見られる。 3:分離が見られる。 4:完全に分離している。
【0049】また、型枠をつけたガラス板上にシートの
厚さ1mmとなるように上記水性分散体を流し込み、4
0℃で2日間乾燥した。これを100℃で3分間乾燥し
てJIS K 7113に準じて100%モジュラス
(Kg/cm2 )および伸び(%)を求めた。
【0050】また、上記水性分散体にT/C=65/3
5綿ブロード布を浸漬し、マングルロールで固形分付着
率70%に絞った後、100℃で2分さらに170℃で
1分熱風乾燥処理し、剛軟度、風合いおよび色合いを評
価した。また、ドライクリーニングを3回実施したもの
についても評価した。
【0051】ここで剛軟度は、JIS L 1096に
準じてカンチレバー法にて剛軟度を測定し、風合いは手
触り、色合いは目視により評価した。
【0052】その結果を次の〔表3〕、〔表4〕および
〔表5〕に示した。
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】実施例および比較例から明らかなように、
水系ポリウレタン樹脂に可塑剤成分を全く使用しない場
合(比較例1−2)には柔軟性が得られず、これで繊維
製品を処理した場合にも、風合いは硬く、色合いもくす
んだ感じのものしかえられず、本発明の水系ポリウレタ
ン樹脂に可塑剤としてエポキシ化大豆油などの可塑剤を
使用した場合(比較例1−1)には、風合い色合いは優
れたものが得られるが、エマルジョンの保存安定性が全
く不十分であり、また、本発明以外の水系ポリウレタン
樹脂に芳香族多価カルボン酸エステル化合物を併用した
場合(比較例1−3および比較例1−4)には、当初の
風合いや色合いなどは優れたものが得られるが、例え
ば、クリーニングを繰り返すことによりその性能は低下
し、エマルジョンの保存安定性も不十分である。
【0057】これに対して、芳香環構造を有するポリオ
ールを使用してなる水系ポリウレタン樹脂に芳香族多価
カルボン酸エステル化合物を配合してなる本発明の水系
ポリウレタン系樹脂組成物を繊維処理剤として使用した
場合(実施例1−1〜1−11)には、エマルジョンの
保存安定性に優れ、また柔軟なシートを提供し、さらに
繊維に良好な風合いや色合いを付与し、クリーニングを
した後においてもその性能は維持される。
【0058】
【発明の効果】本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物
は、水分散物の保存安定性および硬化物物性に優れ、特
に繊維製品の処理剤として用いた場合において風合いが
よく、消臭性、抗菌性および耐洗濯性に優れた繊維製品
を提供することが可能である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオール成分として芳香環構造を有す
    るポリオールの少なくとも一種を使用してなる水系ポリ
    ウレタン樹脂に、芳香族多価カルボン酸エステル化合物
    を配合してなることを特徴とする水系ポリウレタン樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 芳香環構造を有するポリオールが、芳香
    族多価カルボン酸を用いて得られるポリエステルポリオ
    ールである請求項1記載の水系ポリウレタン樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 水系ポリウレタン樹脂の樹脂固形分10
    0重量部に対し、芳香族多価カルボン酸エステル化合物
    1〜100重量部を配合してなる請求項1または2記載
    の水系ポリウレタン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 水系ポリウレタン樹脂が、有機ポリイソ
    シアネート(A)、芳香環構造を有するポリオールの少
    なくとも一種を含有するポリオール(B)および分子中
    にカルボキシル基もしくはスルホン酸基を有するポリオ
    ールまたは分子中に塩基性基を有するポリオール(C)
    から製造されるポリウレタン樹脂に、中和剤を併用した
    ものである請求項1〜3のいずれかに記載の水系ポリウ
    レタン樹脂組成物。
JP9257230A 1997-09-22 1997-09-22 水系ポリウレタン樹脂組成物 Pending JPH1192653A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9257230A JPH1192653A (ja) 1997-09-22 1997-09-22 水系ポリウレタン樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9257230A JPH1192653A (ja) 1997-09-22 1997-09-22 水系ポリウレタン樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1192653A true JPH1192653A (ja) 1999-04-06

Family

ID=17303491

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9257230A Pending JPH1192653A (ja) 1997-09-22 1997-09-22 水系ポリウレタン樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1192653A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000046301A1 (fr) * 1999-02-01 2000-08-10 Dainippon Ink And Chemicals, Inc. Composition de resine urethane aqueuse permettant de fabriquer une matiere microporeuse, procede de fabrication d'un composite en feuilles fibreuses et d'un cuir synthetique
US6238679B1 (en) 1998-03-09 2001-05-29 L'oreal S.A. Film-forming composition comprising a polyurethane in aqueous dispersion and a plasticizer
DE102011009129A1 (de) 2010-01-21 2011-09-01 Hoya Corp. Verfahren zur Herstellung eines Polarisationselements
DE102011077043A1 (de) 2010-06-08 2011-12-08 Hoya Corp. Verfahren zur Herstellung einer Brillenglaslinse
CN102428115A (zh) * 2009-04-16 2012-04-25 3M创新有限公司 适用于涂布饮用水管道的方法和组合物
US10234601B2 (en) 2014-04-24 2019-03-19 Hoya Lens Thailand Ltd. Spectacle lens
US10663625B2 (en) 2014-04-24 2020-05-26 Hoya Lens Thailand Ltd. Spectacle lens
WO2022209092A1 (ja) 2021-03-31 2022-10-06 ホヤ レンズ タイランド リミテッド 眼鏡レンズ及び眼鏡
WO2022209091A1 (ja) 2021-03-31 2022-10-06 ホヤ レンズ タイランド リミテッド 眼鏡レンズ及び眼鏡
WO2022211022A1 (ja) 2021-03-31 2022-10-06 ホヤ レンズ タイランド リミテッド 着色眼鏡レンズ
KR102653712B1 (ko) * 2023-07-11 2024-04-02 주식회사 아이피씨 친환경 2액형 무용제 접착제 조성물

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6238679B1 (en) 1998-03-09 2001-05-29 L'oreal S.A. Film-forming composition comprising a polyurethane in aqueous dispersion and a plasticizer
WO2000046301A1 (fr) * 1999-02-01 2000-08-10 Dainippon Ink And Chemicals, Inc. Composition de resine urethane aqueuse permettant de fabriquer une matiere microporeuse, procede de fabrication d'un composite en feuilles fibreuses et d'un cuir synthetique
US6794446B1 (en) 1999-02-01 2004-09-21 Dainippon Ink And Chemicals, Inc. Water-borne urethane resin composition for forming microporous layer, method of producing fibrous sheet-like composite, and artificial leather
CN102428115A (zh) * 2009-04-16 2012-04-25 3M创新有限公司 适用于涂布饮用水管道的方法和组合物
DE102011009129A1 (de) 2010-01-21 2011-09-01 Hoya Corp. Verfahren zur Herstellung eines Polarisationselements
DE102011077043A1 (de) 2010-06-08 2011-12-08 Hoya Corp. Verfahren zur Herstellung einer Brillenglaslinse
US10234601B2 (en) 2014-04-24 2019-03-19 Hoya Lens Thailand Ltd. Spectacle lens
US10663625B2 (en) 2014-04-24 2020-05-26 Hoya Lens Thailand Ltd. Spectacle lens
WO2022209092A1 (ja) 2021-03-31 2022-10-06 ホヤ レンズ タイランド リミテッド 眼鏡レンズ及び眼鏡
WO2022209091A1 (ja) 2021-03-31 2022-10-06 ホヤ レンズ タイランド リミテッド 眼鏡レンズ及び眼鏡
WO2022211022A1 (ja) 2021-03-31 2022-10-06 ホヤ レンズ タイランド リミテッド 着色眼鏡レンズ
KR102653712B1 (ko) * 2023-07-11 2024-04-02 주식회사 아이피씨 친환경 2액형 무용제 접착제 조성물

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2057293B1 (de) Zugerichtetes leder
CN104837637B (zh) 用于数字印刷的织物预处理物
JP4302989B2 (ja) コーティング組成物としてのポリウレタン−ポリ尿素分散体
EP0994136B1 (de) Wässrige Polyurethandispersionen
AU2008228259B2 (en) Aqueous dispersions comprising polyurethane and the use thereof for the production of flat substrates
CN101959915B (zh) 由环氧化的天然油类获得的含水聚合物组合物
TWI588318B (zh) 經塗佈之織物、其製造方法與元素週期表第五族之一或多種元素之用途
CA2013062A1 (en) Aqueous dispersions of polyurethanes which are crosslinkable by the action of high energy radiation
JPH10120757A (ja) ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物
EP2222784A1 (en) Vinyl chloride, acrylate, and urethane polymers with increased moisture vapor permeability and static dissipative properties
JPS60243163A (ja) ポリウレタン―尿素水性被覆組成物
JPH1192653A (ja) 水系ポリウレタン樹脂組成物
JP4283577B2 (ja) 無孔質膜型透湿性防水布帛、該無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物並びに該組成物を含有するコーティング剤
EP0208908A1 (de) Ionisch modifizierte PUR-Streichpasten und ihre Verwendung
CZ20023780A3 (cs) Směsi vodných pojiv
DE3730780C2 (ja)
EP0697029B1 (de) Wässrige polymerdispersionen und ihre verwendung zur herstellung wasserdampfdurchlässiger beschichtungen
JP3508030B2 (ja) 水系樹脂組成物
KR101622621B1 (ko) 친환경 매트용 합성피혁 및 그의 제조방법
EP0517029A2 (de) Verfahren zur Herstellung von Beschichtungsmittel für wasserdampfdurchlässige Beschichtungen
JP2019526714A (ja) 布地のコーティングのための方法
JP3957018B2 (ja) 水系ポリウレタン樹脂組成物
JP2003165950A (ja) 耐溶剤性に優れる水性塗工材
DE1225381B (de) Verfahren zur Herstellung von Formkoerpern einschliesslich Flaechengebilden auf Grundlage von Urethanvorpolymeren
JPH05239372A (ja) 非水系顔料調剤形成剤としてのオリゴウレタン類の使用