JP2003165950A - 耐溶剤性に優れる水性塗工材 - Google Patents
耐溶剤性に優れる水性塗工材Info
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Abstract
と、特定の分子量で融点が40℃以下の直鎖構造の活性
水素化合物との反応からなる水性ポリウレタン樹脂を用
いた水性塗工材。 【効果】本発明に係わる水性塗工材により得られた架橋
皮膜は、従来の水性塗工材では困難であった、界面活性
剤、可塑剤、加硫剤および有機溶剤を含有する事無く、
皮膜の耐溶剤性、風合いと機械物性(引っ張り強度、伸
び等)の何れの物性についても優れた性能を発揮する事
が可能となった。
Description
用いた水性塗工材に関するものである。更に詳しくは、
耐溶剤性、成膜性、張り強度、伸び、及び風合いに優れ
た皮膜形成物を提供する事を目的とする。本発明は、手
袋、衣類、オムツ、コンドーム、履き物、家具、鞄、テ
ント、垂れ幕、工業用養生ネット、幌、帆布、圧着再剥
離性シート等に代表される、繊維、皮革、紙、合成樹脂
等の美観、風合い、防皺、表面保護向上を目的とした皮
膜形成物を提供する事を目的とする。
討が活発に行われている。繊維、皮革材料等の処理を行
う分野においても例外ではなく、塗工材の従来の要求性
能であった、基体材料の保護、美観向上および皮膜の伸
び、強度、風合いの付与以外にも、基体材料処理の作業
における、引火性、臭気等の環境の改善、樹脂粘度の低
下による作業性向上、廃溶剤等産業廃棄物の低減等の改
善が求められている。上記の問題を解決する手段とし
て、水性塗工材の使用は有望であると言える。
ム、ニトリルゴム、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹
脂、アクリル樹脂およびエチレン・酢酸ビニル樹脂等の
水分散体等が挙げられるが、天然ゴムはカブレの問題か
ら脱蛋白等の複雑な工程をとる問題、天然物であるが
故、価格変動が起き易いといった問題があった。
面、風合いが劣り、さらには加熱時、長期保存時におけ
る樹脂の黄変性に難点があった。
リン対象物質である可塑剤を多量に使用しなければ風合
いを出す事が困難な点や、焼却時のダイオキシン発生の
面で問題があった。
ル樹脂、エチレン・プロピレン樹脂、エチレン・ブテン
樹脂に代表されるポリオレフィン樹脂は、上記のこれら
の問題は少ない反面、皮膜の伸びと強度、風合を両立さ
せる事が困難な点に問題があった。
散体として得る為に乳化剤を使用しており、皮膜形成
後、表面に経時で乳化剤、界面活性剤が移行するために
指触(吸水時のヌメリ)、美観、耐水性の悪化を招く欠
点があった。
っ張り物性を発現すべく、加硫剤、可塑剤等を添加させ
るが、例えば人体、特に臓器、粘膜に接触するような用
途には安全性の面から、使用が制限される、あるいは皮
膜に特別な処理をして使用する必要があった。
脂から形成された皮膜は、フィルム物性と風合いのバラ
ンスに優れ、カブレ、ダイオキシン問題がフリーであ
り、一般的に生体適合性の高い材料として知られてい
る。ところが風合、皮膜の伸びに優れる従来の水性ポリ
ウレタン樹脂は、皮膜が有機溶剤;特にエステル系、ケ
トン系、芳香族系、アルコール系溶剤等の比較的溶解能
力の高い溶剤と接触した際に、皮膜の溶出、膨潤現象が
起こり、当初の物性を保持する事が困難であった。ま
た、これらの問題を解決する手段として、水性ポリウレ
タン樹脂中に含有する官能基と、架橋剤との反応による
2液硬化により皮膜を形成する方法、および分子末端に
イソシアネート基を有するポリマーを熱解離性化合物で
保護したブロックイソシアネートポリマーを基体に塗
工、乾燥工程中でブロック剤を解離させ、架橋皮膜を形
成させることにより耐溶剤性を向上させる技術、更には
粒子内相互浸入網目構造、粒子内架橋構造をとらせる技
術が従来から公知となっているが、耐溶剤性はある程度
改良される反面、皮膜の弾性率向上も同時に起こるの
で、風合いが要求される用途に用いる事が困難であっ
た。また、ブロック剤を解離させるためには通常100
℃以上の高温加熱下で行う必要があり、例えば木材、プ
ラスチック基材のような基材が変形・変化してしまう材
料に対しては制限を受ける点、2液硬化タイプは塗工材
の貯蔵安定性が悪い事が挙げられる。
材中に有機溶剤およびまたは可塑剤を配合し、風合いを
出す事が用いられているが、経時でこれらの添加物が揮
発するために起こる、皮膜伸度の低下、風合いの悪化の
問題が発生する欠点があった。
レタン樹脂エマルション樹脂を用い、作業用手袋を製造
する方法に関する記載であるが、得られた手袋は透湿
性、風合い、耐薬品性などに優れるものの、手袋製造時
に多量の有機溶剤を含有した樹脂を使用するため、廃溶
剤、および溶剤蒸気の処理設備を必要とする点に問題が
あった。
ルと共役ジエンとの共重合体ラテックスと、ソープフリ
ータイプのポリウレタン樹脂エマルションとを含んでな
る浸漬成型用組成物に関する記載であるが、得られた皮
膜の耐溶剤性には優れるものの、ラテックス由来、およ
びコンパウンド物由来の乳化剤、界面活性剤が経時で皮
膜表面に移行するために指触(吸水時のヌメリ)、美
観、耐水性の悪化を招く点、および皮膜強度が低いとい
った問題があった。
題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、耐溶剤
性、成膜性に優れ、かつ優れた風合い、機械物性(伸
び、強度等)を有する水性塗工材を提供する事にある。
対し鋭意検討した結果、直鎖構造の多官能イソシアネー
ト化合物と、特定の分子量で融点が40℃以下の直鎖構
造の活性水素化合物との反応から得られた、水性ポリウ
レタン樹脂からなる水性塗工材形成を用いた皮膜が、上
記の問題を解決する事が可能であるという知見を得て本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の
[1]〜[12]に記載した事項により特定される。
る水性塗工材であって、かつ、該塗工材およびそれから
形成された皮膜が、有機溶剤、界面活性剤、加硫剤、可
塑剤の何れをも含有せず、更に、 破断時伸び率 :500〜1000% 破断時強度 :30〜80MPa 100%モジュラス :1〜7MPa の全ての物性を同時に満足する水性ポリウレタン樹脂か
らなる水性塗工材において、該水性ポリウレタン樹脂
が、 4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、P−
キシリレンジイソシアネート、P−フェニレンジイソシ
アネート、P−テトラメチルキシリレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネートからなる群から選
択される、ポリイソシアネート化合物を、全ポリイソシ
アネート化合物100重量部に対し90重量部以上 数平均分子量500〜1800、融点40℃以下の直
鎖構造の活性水素化合物 数平均分子量が500未満で、かつ分子中にイオン性
原子団を有さない、平均官能基数が2個である、活性水
素化合物 数平均分子量が500未満の、分子中にイオン性原子
団を1個以上有する活性水素化合物との反応により得た
ウレタンプレポリマーを鎖伸長剤で高分子量化、水分散
体としたものであり、かつウレタンプレポリマー中の
との重量比は、90/10〜99/1である事を特徴
とする、皮膜の耐溶剤性に優れた水性塗工材。 [2] 水性ポリウレタン樹脂がアニオン性である、
[1]に記載の水性塗工材。 [3] 形成された皮膜が、・アニオン性水性ポリウレ
タン樹脂と、 ・元素周期表第2族、および4〜13族から選択される
何れかの元素 とを含有してなる事を特徴とする、[2]記載の水性塗
工材。 [4] 元素周期表第2族、および第4〜13族から選
択される何れかの元素が、Mg,Ca,Ba,Co,Z
r,B,Al,Ni,Zn,Agである、[3]記載の
水性塗工材。 [5] アニオン性水性ポリウレタン樹脂における固形
分酸価が、3〜30KOHmg/gである、[4]に記
載の水性塗工材。 [6] 数平均分子量500〜1800の活性水素化合
物が、脂肪族ポリエーテルポリオール、ポリカーボネー
トポリオールから選択される、[1]〜[5]の何れか
に記載の水性塗工材。 [7] 数平均分子量500未満で、かつ分子中にイオ
ン性原子団を有さない活性水素化合物が、 脂肪族系化
合物である、[1]〜[6]の何れかに記載の水性塗工
材。 [8] 水性塗工材を塗布する基体が、繊維、合成繊
維、皮革、合成皮革、人工皮革、金属、合成樹脂、紙、
不織布からなる群から選択された少なくとも1種であ
る、[1]〜[7]の何れかに記載の水性塗工材。 [9] [1]〜[8]の何れかに記載の水性塗工材を
基体に塗布、乾燥し皮膜を形成する方法。 [10] [1]〜[9]の何れかに記載した塗工材を
基体に塗布し、得られた物。 [11] [1]〜[10]の何れかに記載した水性塗
工材を基体に塗布、乾燥し得られた物の上に、繊維、合
成繊維、皮革、合成皮革、人工皮革、合成樹脂、紙、不
織布、金属からなる群から選択される、少なくとも1種
の基材と接着する方法。 [12] [11]記載の方法で得られた物。
「水性」とは、水中に樹脂が分散している状態および/
または一部が溶解している状態を意味し、「水分散」を
包含する。
て、「機械物性」とは、皮膜の引っ張り強度、伸度の項
目を指す。
ウレタン樹脂の形態としては、水系媒体中に溶解、分散
した状態であれば特に制限されるものではないが、高固
形分濃度が可能な点で分散状態が好ましい。
レタン樹脂を構成する成分である、多官能イソシアネー
ト化合物としては、4,4'−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、P−キシリレンジイソシアネート、P−フ
ェニレンジイソシアネート、P−テトラメチルキシリレ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、トランス,トランス−4,4'−ジシクロヘキシル
メタンジイソシアネート、シス,シス−4,4'−ジシ
クロヘキシルメタンジイソシアネートが挙げられ、これ
らのポリイソシアネート化合物は、全ポリイソシアネー
ト化合物100重量部に対し90重量部以上使用する事
が必要である。
なものとして、例えばオクタメチレンジイソシアネー
ト、ノナメチレンジイソシアネート、2,2−ジメチル
ペンタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘ
キサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシ
アネート、ブテンジイソシアネート、1,3−ブタジエ
ン−1,4−ジイソシアネート、2,4,4−トリメチ
ルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウ
ンデカトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレ
ントリイソシアネート、1,8−ジイソシアナト−4−
イソシアナトメチルオクタン、2,5,7−トリメチル
−1,8−ジイソシアナト−5−イソシアナトメチルオ
クタン、ビス(イソシアナトエチル)カーボネート、ビ
ス(イソシアナトエチル)エーテル、1,4−ブチレン
グリコールジプロピルエーテル−ω,ω’−ジイソシア
ネート、リジンジイソシアナトメチルエステル、リジン
トリイソシアネート、2−イソシアナトエチル−2,6
−ジイソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキ
サノエート、2−イソシアナトプロピル−2,6−ジイ
ソシアナトヘキサノエート、キシリレンジイソシアナー
ト、ビス(イソシアナトエチル)ベンゼン、ビス(イソ
シアナトプロピル)ベンゼン、α,α、α’,α’−テ
トラメチルキシリレンジイソシアナート、ビス(イソシ
アナトブチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトメチル)
ナフタレン、ビス(イソシアナトメチル)ジフェニルエ
ーテル、ビス(イソシアナトエチル)フタレート、メシ
チレントリイソシアネート、2,6−ジ(イソシアナト
メチル)フラン等の脂肪族ポリイソシアネート、
シアナトメチル)シクロヘキサン、シクロヘキサンジイ
ソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネー
ト、2,2−ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート、ビス(4−イソシアナト−n−ブチリデン)
ペンタエリスリトール、ダイマ酸ジイソシアネート、2
−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピ
ル)−5−イソシアナトメチル−ビシクロ[2,2,
1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−
イソシアナトプロピル)−6−イソシアナトメチル−ビ
シクロ[2,2,1]−ヘプタン、2−イソシアナトメ
チル−2−(3−イソシアナトプロピル)−5−イソシ
アナトメチル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタン、2
−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピ
ル)−6−イソシアナトメチル−ビシクロ[2,2,
1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−3−(3−
イソシアナトプロピル)−6−(2−イソシアナトエチ
ル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタン、2−イソシ
アナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−6
−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2,1,
1]−ヘプタン、2−イソシアナトメチル−2−(3−
イソシアナトプロピル)−5−(2−イソシアナトエチ
ル)−ビシクロ[2,1,1]−ヘプタン、2−イソシ
アナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−6
−(2−イソシアナトエチル)−ビシクロ[2,2,
1]−ヘプタン、2,5−ビスイソシアナートメチルノ
ルボルナン、2,6−ビスイソシアナートメチルノルボ
ルナン等の脂環族ポリイソシアネート、
レンジイソシアネート、イソプロピレンフェニレンジイ
ソシアネート、ジメチルフェニレンジイソシアネート、
ジエチルフェニレンジイソシアネート、ジイソプロピル
フェニレンジイソシアネート、トリメチルベンゼントリ
イソシアネート、ベンゼントリイソシアネート、ナフタ
レンジイソシアネート、メチルナフタレンジイソシアネ
ート、ビフェニルジイソシアネート、トリジンジイソシ
アネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,
4’−ジイソシアネート、ビベンジル−4,4’−ジイ
ソシアネート、ビス(イソシアナトフェニル)エチレ
ン、3,3’−ジメトキシビフェニル−4−4’−ジイ
ソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネー
ト、ポリメリックMDI、ナフタレントリイソシアネー
ト、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシアネ
ート、3−メチルジフェニルメタン−4,6,4’−ト
リイソシアネート、4−メチル−ジフェニルメタン−
3,5,2’,4’,6’−ペンタイソシアネート、フ
ェニルイソシアナトメチルイソシアネート、フェニルイ
ソシアナトエチルエチルイソシアネート、テトラヒドロ
ナフチレンジイソシアネート、ヘキサヒドロベンゼンジ
イソシアネート、ヘキサヒドロジフェニルメタン−4,
4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシ
アネート、エチレングリコールジフェニルエーテルジイ
ソシアネート、1,3−プロピレングリコールジフェニ
ルエーテルジイソシアネート、ベンゾフェノンジイソシ
アネート、ジエチレングリコールジフェニルエーテルジ
イソシアネート、ジベンゾフランジイソシアネート、カ
ルバゾールジイソシアネート、エチルカルバゾールジイ
ソシアネート、ジクロロカルバゾールジイソシアネート
等の芳香族ポリイソシアネート、
ピルジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネー
ト、ジメチルスルフォンジイソシアネート、ジチオジメ
チルジイソシアネート、ジチオジエチルジイソシアネー
ト、ジチオプロピルジイソシアネート、ジシクロヘキシ
ルスルフィド−4,4’−ジイソシアネート等の含硫脂
肪族イソシアネート、
シアネート、ジフェニルスルフィド−4,4’−ジイソ
シアネート、3,3’4,4’−ジイソシアナトジベン
ジルチオエーテル、ビス(4−イソシアナトメチルベン
ゼン)スルフィド、4、4’−メトキシベンゼンチオエ
チレングリコール−3,3’−ジイソシアネート等の芳
香族スルフィド系イソシアネート、
ソシアネート、2,2’−ジメチルジフェニルジスルフ
ィド−5,5’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチ
ルジフェニルジスルフィド−5,5’−ジイソシアネー
ト、3,3’−ジメチルジフェニルジスルフィド−6,
6’−ジイソシアネート、4,4’−ジメチルジフェニ
ルジスルフィド−5,5’−ジイソシアネート、3,
3’−ジメトキシジフェニルジスルフィド−4,4’−
ジイソシアネート、4,4’−ジメトキシジフェニルジ
スルフィド−3,3’−ジイソシアネート等の脂肪族ジ
スルフィド系イソシアネート、
アネート、ジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシア
ネート、ベンジディンスルホン−4,4’−ジイソシア
ネート、ジフェニルメタンスルホン−4,4’−ジイソ
シアネート、4−メチルジフェニルメタンスルホン−
2,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジメトキシジ
フェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート、3,
3’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシアネートジベン
ジルスルホン、4,4’−ジメチルジフェニルスルホン
−3,3’−ジイソシアネート、4,4’−ジ−ter
t−ブチルジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシア
ネート、4,4’−メトキシベンゼンエチレンジスルホ
ン−3,3’−ジイソシアネート、4,4’−ジクロロ
ジフェニルスルホン−3,3’−ジイソシアネート等の
芳香族スルホン系イソシアネート、
ルホニル−4’−イソシアナトフェノールエステル、4
−メトキシ−3−イソシアナトベンゼンスルホニル−
4’−イソシアナトフェノールエステル等のスルホン酸
エステル系イソシアネート、
エチレンジアミン−4,4’−ジイソシアネート、4,
4’−ジメトキシベンゼンスルホニル−エチレンジアミ
ン−3,3’−ジイソシアネート、4−メチル−3−イ
ソシアナトベンゼンスルホニルアニリド−4−メチル−
3’−イソシアネート等の芳香族スルホン酸アミド系イ
ソシアネート、
チオフェン−2,5−ジイソシアナトメチル、1,4−
ジチアン−2,5−ジイソシアネート、1,4−ジチア
ン−2,5−ジイソシアナトメチル等の含硫複素環化合
物等が挙げられる。
置換体、ニトロ置換体や、多価アルコールとのプレポリ
マー型変性体、カルボジイミド変性体、ウレア変性体、
ビュレット変性体、ダイマー化あるいはトリマー化反応
生成物等も使用できるが、上記化合物以外の多官能イソ
シアネート化合物を使用してもかまわない。また、これ
らの多官能イソシアネート化合物は、1種または2種以
上の混合物で使用することもできる。
ジフェニルメタンジイソシアネート、P−キシリレンジ
イソシアネート、P−フェニレンジイソシアネート、P
−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、トランス,トランス−4,
4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シ
ス,シス−4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネートから選択される化合物を単独で使用する事で、
分子配向性が向上し、皮膜の機械物性、耐溶剤性が向上
する。より好ましくは直鎖対象骨格の4,4'−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、P−キシリレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられ
る。
る、数平均分子量500未満の平均官能基数が2個の活
性水素化合物としては、例えば、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,
3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,9−ノナンジオール、1,3−ブタンジオール、プ
ロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ポリ
オール、
オール、シクロヘキサンジオール、シクロヘプタンジオ
ール、シクロオクタンジオール、シクロヘキサンジメタ
ノール、ヒドロキシプロピルシクロヘキサノール、ジシ
クロヘキサンジオール等の脂環族ポリオール、
ンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、キシリ
レングリコール、ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼ
ン、テトラブロムビスフェノールA、テトラブロムビス
フェノールA−ビス−(2−ヒドロキシエチルエーテ
ル)、ビスフェノールS等の芳香族ポリオール、ジブロ
モネオペンチルグリコール等のハロゲン化ポリオールの
ようなポリオール化合物、
ト−1,2−プロパンジオール、1−ヒドロキシ−4−
メルカプトシクロヘキサン、2,4−ジメルカプトフェ
ノール、2−メルカプトハイドロキノン、4−メルカプ
トフェノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノー
ル、2,3−ジメルカプト−1,3−ブタンジオール、
1−ヒドロキシエチルチオ−3−メルカプトエチルチオ
ベンゼン、4−ヒドロキシ−4’−メルカプトジフェニ
ルスルフォン、2−(2−メルカプトエチルチオ)エタ
ノール、ジヒドロキシエチルスルフィドモノ(3−メル
カプトプロピオネート)、ジメルカプトエタンモノ(サ
ルチレート)等の含硫化合物、
ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、シクロヘ
キシレンジアミン、ピペラジン、2ーメチルピペラジ
ン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレン
ジアミン、α,α’−メチレンビス(2ークロルアニリ
ン)3,3’−ジクロル−α,α’−ビフェニルアミ
ン、m−キシレンジアミン、イソフォロンジアミン、N
−メチル−3,3’−ジアミノプロピルアミン、ノルボ
ルネンジアミン等のポリアミノ化合物が挙げられ、これ
らのものは単独、あるいは2種以上混合して使用でき
る。
び耐溶剤性のバランスを良好にするため、ポリオール化
合物の使用が好ましく、風合を更に向上させるためにエ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プ
ロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1、6−ヘ
キサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,3−ブ
タンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレング
リコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル等の脂肪族ポリオールがより好ましい。
得られた皮膜の弾性率が向上し、風合が悪化する傾向に
ある。また、上記化合物からなる群において、脂環族系
およびまたは芳香族系化合物を使用する際は、脂肪族系
化合物単独と比較した場合、皮膜の風合が低下する傾向
がある。
m)40℃以下の直鎖構造の活性水素化合物としては、
例えばシュウ酸、グルタミン酸、アジピン酸、テレフタ
ル酸等の有機酸と前記ポリオール化合物との縮合反応生
成物(ポリエステルポリオール)、前記ポリオール化合
物とエチレンオキシドや、プロピレンオキシド等アルキ
レンオキシドとの付加反応生成物、アルキレンポリアミ
ンおよびまたはアルキレンポリオールとアルキレンオキ
シドとの付加反応生成物(ポリエーテルポリール)、前
記ポリオール化合物とホスゲンとの反応により得られる
ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリ
オールおよびこれらの共重合体、混合物等が挙げられ、
これらは単独で、あるいは2種以上混合して使用する事
が出来る。得られた水性ポリウレタン樹脂およびそれか
らなる皮膜の加水分解安定性の観点で、ポリエーテルポ
リオール、ポリカーボネートポリオール、より好ましく
は、ポリテトラエチレンエーテルグリコール、ポリ1,
6−ヘキサメチレンカーボネート、およびアルキレンポ
リアミンおよびまたはアルキレンオキシドとこれらの共
重合体、混合物が挙げられる。皮膜機械物性を保ち、耐
溶剤性をより向上させる観点で、数平均分子量は600
〜1500の範囲が更に好ましい。
子量が500未満であると、皮膜の風合が低下する傾向
にある。また、数平均分子量が1800を超えると、皮
膜の耐溶剤性が劣る傾向にある。
活性水素化合物と、500未満の活性水素化合物との重
量比は90/10〜99/1、更に90/10〜95/
5の範囲が好ましい。数平均分子量が500未満の化合
物の量が増大するに従い、皮膜の強度、耐溶剤性が向上
する傾向にある。
ト化合物は直鎖対称骨格、数平均分子量500〜180
0の活性水素化合物は直鎖脂肪族系化合物、更には対称
性の高い骨格の化合物を用いる事で、引張り強度、伸
び、風合いの両立を最も満足する。すなわち、極力融
点、弾性率の低い化合物を使用する事で、皮膜の風合を
満足し、分子間配向性を向上させる事で、機械物性およ
び耐溶剤性を達成する事が出来る。また、用途に応じて
重視される性能をより高める目的で、その他の化合物の
種類、添加量が決定する事が可能である。
レタン樹脂を水分散体として安定させるためには、数平
均分子量が500未満の、分子中にイオン性原子団を1
個以上有する活性水素化合物が必須で、好ましくはアニ
オン性化合物である、カルボキシル基及びまたはスルホ
ニル基を有した2,2−ジメチロール乳酸、2,2−ジ
メチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン
酸、2,2−ジメチロール吉草酸、3,4−ジアミノブ
タンスルホン酸、3,6−ジアミノ−2−トルエンスル
ホン酸等の化合物が挙げられるが、これらに限定される
ものではない。又、水分散体の更なる安定性向上のため
に、必要に応じエチレンオキシド基に代表される、ノニ
オン性の原子団を分子中に導入する事も可能である。こ
れらの原子団を導入することで、樹脂の機械的安定性、
他成分との混和安定性が向上する傾向にある。また、上
記のカルボキシル基、およびまたはスルホニル基含有化
合物を用いる際の好ましい量は、アニオン性水性ポリウ
レタン樹脂の固形分換算における酸価が3〜30KOH
mg/g、より好ましくは5〜20KOHmg/gの範
囲内である。上記酸価の範囲未満であると、樹脂の機械
的安定性、他成分との混和安定性に劣る傾向がある。ま
た、酸価が30KOHmg/gを超えると得られた水分
散体の粘度が高く、低固形分となる他、皮膜の風合いが
低下する傾向がある。ここで、酸価の測定方法は例えば
日本工業規格JIS K5400等に開示されている。
造方法は、特に制限されるものではないが、例えば以下
のような方法が例として挙げられる。
物中における、イソシアネート基と反応し得る活性水素
基を有した化合物、および前記化合物中のイソシアネー
ト基と反応し得る活性水素基を有し、且つ分子中にカル
ボキシル基及びまたはスルホニル基を有する化合物を、
イソシアネート基が過剰になるような当量比で、沸点が
100℃以下である有機溶剤の存在下または非存在下に
反応させ、分子末端にイソシアネート基を有したウレタ
ンプレポリマーを製造する。その後、三級アミン等の中
和剤により、上記プレポリマー中のカルボキシル基及び
またはスルホニル基を中和する。ついで、この中和プレ
ポリマーを、鎖伸長剤含有、または含有しない水溶液中
に投入して反応させた後、系内に有機溶剤を含有する場
合はそれを除去し、得る方法。
ポリマーを、中和剤を含有し、かつ鎖伸長剤を含有、ま
たは含有しない水溶液中に投入して反応させて得る方
法。
プレポリマー中に、鎖伸長剤を含有または含有しない水
溶液を加え、反応させて得る方法。
レポリマー中に、中和剤を含有し、かつ鎖伸長剤を含
有、または含有しない水溶液を加え、反応させて水分散
液を得る方法。
プレポリマーを水中に投入後、鎖伸長剤を添加して得る
方法。
レポリマーを、中和剤含有水溶液中に投入し、その後鎖
伸長剤を添加して得る方法。
プレポリマー中に、水を加えた後、鎖伸長剤を添加して
得る方法。
レポリマー中に、中和剤を含有した水溶液を加え、その
後鎖伸長剤を添加させて得る方法。
えば、水、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、
ペンタエチレンヘキサミン、プロピレンジアミン、ブチ
レンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、シクロヘキシ
レンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、フ
ェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミ
ン、α,α’−メチレンビス(2−クロルアニリン)、
3,3’−ジクロル−α,α’−ビフェニルアミン、m
−キシレンジアミン、イソホロンジアミン、NBDA
(商品名、三井化学株式会社製)、N−メチル−3,
3’−ジアミノプロピルアミン、及びジエチレントリア
ミンとアクリレートとのアダクトまたはその加水分解生
成物等のポリアミン類が適当である。
ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基1個に対
し、0〜0.9個、より好ましくは0〜0.6個であ
る。上記範囲を超えると、得られた皮膜の風合が悪化す
る傾向にある。
制限されるものではないが、N,N−ジメチルエタノー
ルアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミンのようなアルカノ
ールアミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ア
ンモニアのような無機塩基、トリメチルアミン、トリエ
チルアミンのような有機塩基が挙げられる。上記中和剤
は、上記ウレタンプレポリマー中のカルボキシル基及び
またはスルホニル基1個に対し、0.5〜1個、より好
ましくは0.8〜1個用いる事が出来る。上記範囲を超
えると、得られた水分散体の安定性が悪化、若しくは粘
度が著しく上昇し、作業性が悪化する傾向にある。
1分子中の平均イソシアネート基が2〜3個未満、好ま
しくは2〜2.3個以下である事が必須である。3個以
上であると、水分散体(粒子)形成後の分子が3次元構
造になり易く、皮膜の風合が低下する傾向にある。よっ
て、ウレタンプレポリマー製造時は反応温度90℃以下
で重合する事が必須である。90℃を超えると、アロフ
ァネート反応などに代表されるような、イソシアネート
基同士の副反応が起こり易くなる傾向にある。
る際に、必要に応じて有機溶剤を使用する事が可能であ
る。溶剤としては、メチルエチルケトン、アセトン等の
ケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、ア
セトニトリル、テトラヒドロフラン等が挙げられ、沸点
が100℃以下のもので、単独で、または2種類以上の
混合状態で用いることが出来る。溶剤の沸点が100℃
を超える、すなわち水の沸点を超える溶剤の使用は、溶
剤のみを完全に留去する事が困難になり、最終樹脂液
中、およびそれから得られた皮膜中へ残存し易くなるの
で、皮膜物性へ影響し、好ましくない。上記溶剤を使用
した場合、減圧脱溶剤等を行う事によって完全に除去す
る事が必要である。また、これらの溶剤を使用する際
は、樹脂(モノマー)と溶剤の合計100重量部に対
し、45重量部以下で使用する必要がある。
離20mm、引っ張り速度50mm/分、温度23℃、
湿度50%の条件下で機械物性を測定した場合、 破断伸び率 :500〜1000% 破断強度 :30〜80MPa 100%モジュラス :1〜7MPa の性能のいずれをも満足する事で風合いと機械物性、お
よび耐溶剤性の両立を達成する。より好ましくは、破断
伸び率:550〜800%、破断強度:35〜80MP
a、100%モジュラス:1.5〜7MPaである。一
般に、破断強度、破断伸び率は皮膜形成した基体の加工
性等に影響し、100%モジュラスは風合いに影響す
る。
皮膜の耐溶剤性が良好になる。本発明で言う耐溶剤性と
は、皮膜を溶剤中に24時間浸漬させ、試験前後の皮膜
面積を測定、面積膨潤倍率を算出した値を指す。膨潤倍
率が低いほど耐溶剤性が良好な皮膜と評価される。
耐溶剤性を向上させる為には、アニオン性水性ポリウレ
タン樹脂を使用し、樹脂中のカルボキシル基およびまた
はスルホニル基と、元素周期表第2族、および第4〜1
3族から選択される、何れかの元素とのイオン架橋を行
う事によって達成される。
選択される、何れかの元素の中で、好ましくはMg、C
a、Ba、Co、Zr、B、Al、Ni、Znが挙げら
れ、該元素を含有する化合物の取り扱い安全性の面から
Mg、Ca、Ba、B、Alがより好ましく、皮膜の成
膜性の観点でMg、Ca、Ba、Alが更に好ましい。
は、硝酸塩、塩酸塩、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、ギ酸
塩、燐酸塩に代表される、塩化合物、および水酸化物、
酸化物、ハロゲン化物、アンモニウムカーボネート化合
物のような錯体化合物等が挙げられるが前記化合物に制
限されるものではない。またこれらの化合物は、それぞ
れ単独でも他の化合物との併用系で使用してもかまわな
い。更に、アニオン性水性ポリウレタン樹脂との架橋反
応を調整するために、一部元素周期表第1族の化合物を
用いてもかまわない。
るカルボキシル基およびまたはスルホニル基と、元素周
期表第2族、および第4〜13族から選択される、何れ
かの元素を有する化合物とを反応させる方法は特に制限
されるものではないが、例えば、・前記材料、および他
成分材料を混合し、水性塗工材を得た後、基体上に塗
布、乾燥し架橋皮膜を得る方法。・予め元素周期表第2
族、および第4〜13族から選択される、何れかの元素
を有する化合物を塗布した基体上に、アニオン性水性ポ
リウレタン樹脂を含む水性塗工材を塗工、乾燥させ得る
方法。・予めアニオン性水性ポリウレタン樹脂を含む水
性塗工材を基体上に塗布し、その上に元素周期表第2
族、および4〜13族から選択される、何れかの元素を
有する化合物を塗布、その後乾燥させ得る方法。が挙げ
られる。
は特に制限されるものではないが、例えば木綿などに代
表される天然繊維、ポリエステル、ナイロン、ポリプロ
ピレン等の素材に代表されるような不織布、合成繊維、
皮革、合成皮革、人工皮革、紙、金属、木材、合成樹
脂、フィルム、シート等が挙げられるが、この他にも例
えば特定の型に塗工材を塗布、あるいは流し込み、乾燥
して得られた皮膜、あるいは成型物を再度型から脱着し
得る用途にも用いる事が可能である。
応じ、顔料、染料、補助バインダー、増粘剤、レベリン
グ剤、チクソトロピー付与剤、濡れ剤、消泡剤、充填
剤、発泡剤、沈降防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化
防止剤、減粘剤、その他の慣用成分を含有しても良い。
ン樹脂は、他の単量体、樹脂成分等の他成分と反応させ
ることによって変性体としても使用できる。さらに、本
発明で得られた水性ウレタン樹脂中において、アクリル
酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸
エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、スチレ
ン、アクリロニトリル、ブタジエン、酢酸ビニル、エチ
レン、プロピレン、イタコン酸、マレイン酸等の少なく
とも1種以上のモノマーを重合させた複合体としても使
用できる。
は、特に制限されるものではないが、例えば浸せき塗
工、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロッドコ
ーター、ハイドロバーコーター、トランスファロールコ
ーター、リバースコーター、グラビアコーター、ダイコ
ーター、カーテンコーター、スプレーコーター、ロール
コーターなどが挙げられ、基体の一部、もしくは全面に
塗工する事が出来る。
させた物の上に、天然繊維、ポリエステル、ナイロン、
ポリプロピレン等の素材に代表されるような不織布、合
成繊維、皮革、合成皮革、人工皮革、紙、金属、木材、
合成樹脂、フィルム、シート等の基材と接着させる事が
可能であり、熱あるいは高周波接着し得る方法、他の材
料と複層皮膜を形成させる事も可能である。更に、基体
に本塗工材を塗布し、風合い、滑り止め効果付与剤とし
て使用する事も可能である。また、本発明により得られ
た皮膜は、例えばインクジェット方式、熱転写方式、静
電記録方式、捺染印刷方式等に代表されるような記録方
式の受理層として使用する事も可能である。
膜は、例えば塗料、接着剤、塗工紙、手袋、垂れ幕、
幟、養生ネット、圧着再剥離材料、衣服、芯地、繊維集
束材、家具、不織布バインダー、トラック等の幌、テン
ト、旗、履き物、鞄、手袋、カテーテル、輸液バッグ、
コンドーム、オムツ、ナプキン、セラミクスバインダ
ー、シーツ、手術着、透湿シート、カーペット、自動車
インパネ、エアフィルター、湿布、絆創膏、包帯等を構
成する際に使用する事が出来る。
施例、比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。
mlの4つ口フラスコに、数平均分子量1000のポリ
テトラメチレンエーテルグリコールを648.6g、
2,2−ジメチロールブタン酸39.6g、1,4−ブ
タンジオール34.1g、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート277.6g、及びメチルエチルケトンを692.
5gを仕込み、窒素ガス雰囲気下80℃で6時間反応さ
せた。その後、60℃迄冷却し、トリエチルアミン2
5.2gを添加し、この温度下で30分混合させた。得
られたプレポリマーと脱イオン水2308.2gと混合
し1時間撹拌後、メチルエチルケトンを40℃で減圧脱
溶剤することにより、水性ポリウレタン樹脂−1を得
た。
2〜10を得た。各樹脂の組成を表−1〜2([表1]
〜[表2])に示す。
活性水素化合物と、数平均分子量500未満の活性水素
化合物の重量比
粘度が100mPa・sとなるように、水およびポリア
クリル酸アンモニウム(増粘剤)を徐々に添加し、その
後水性塗工材−1〜10を得た。
乾燥後の膜厚が100μになるようにアプリケーターで
塗工し、80℃で1時間乾燥させ、評価用皮膜−1〜1
0を得た。
させ、その状態で30秒保持した後取り出し、60秒風
乾後、前記水性塗工材−2、9中に浸漬させ、その状態
で30秒保持させ、乾燥後の膜厚が100μになるよう
に皮膜を形成させた。その後ゆっくりと硝子板を引き上
げ、50℃温水中に1時間浸漬し、過剰の硝酸カルシウ
ムを除去させた後、再度80℃で1時間乾燥させること
によって評価用皮膜−11、12を得た。
条件およびその結果を以下に示す。
00%モジュラスの値を測定した。測定条件としては、
チャック間距離20mm、引張り速度50mm/分、温
度23℃、湿度50%で行った。
触による風合の評価を行った。風合の良好な物から順に
◎、○、△、×の4段階で評価した。
が満たされたガラスシャーレ中に24時間浸漬させた。
試験後の皮膜の面積を測定し、面積膨潤倍率を算出し
た。膨潤倍率の算出は以下の方法で行った。面積膨潤倍
率=測定後の皮膜の面積/試験前の皮膜の面積(120
0mm2)溶剤として、酢酸エチル、トルエン、メチル
エチルケトン、メタノールを使用した。膨潤倍率が2.
5倍以下の物は耐溶剤性が良好な皮膜で、2.0倍以下
の物は特に優れている。
せたガーゼでラビング試験を往復50回行った。皮膜が
溶出した時の往復ラビング回数を測定した。各皮膜の評
価結果を表−3、4および5([表3]〜[表5])に
示す。
た架橋皮膜は、従来の水性塗工材では困難であった、、
界面活性剤、可塑剤、加硫剤および有機溶剤を含有する
事無く、皮膜の耐溶剤性、風合いと機械物性(引っ張り
強度、伸び等)の何れの物性についても優れた性能を発
揮する事が可能となった。
Claims (12)
- 【請求項1】 基体上に塗布し、皮膜を形成し得る水性
塗工材であって、かつ、該塗工材およびそれから形成さ
れた皮膜が、有機溶剤、界面活性剤、加硫剤、可塑剤の
何れをも含有せず、更に、 破断時伸び率 :500〜1000% 破断時強度 :30〜80MPa 100%モジュラス :1〜7MPa の全ての物性を同時に満足する水性ポリウレタン樹脂か
らなる水性塗工材において、該水性ポリウレタン樹脂
が、 4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、P−
キシリレンジイソシアネート、P−フェニレンジイソシ
アネート、P−テトラメチルキシリレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、トランス,トラ
ンス−4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート、シス,シス−4,4'−ジシクロヘキシルメタン
ジイソシアネートからなる群から選択される、ポリイソ
シアネート化合物を、全ポリイソシアネート化合物10
0重量部に対し90重量部以上 数平均分子量500〜1800、融点40℃以下の直
鎖構造の活性水素化合物 数平均分子量が500未満で、かつ分子中にイオン性
原子団を有さない、平均官能基数が2個である、活性水
素化合物 数平均分子量が500未満の、分子中にイオン性原子
団を1個以上有する活性水素化合物との反応により得た
ウレタンプレポリマーを鎖伸長剤で高分子量化、水分散
体としたものであり、かつウレタンプレポリマー中の
との重量比は、90/10〜99/1である事を特徴
とする、皮膜の耐溶剤性に優れた水性塗工材。 - 【請求項2】 水性ポリウレタン樹脂がアニオン性であ
る、請求項1に記載の水性塗工材。 - 【請求項3】 形成された皮膜が、・アニオン性水性ポ
リウレタン樹脂と、 ・元素周期表第2族、および4〜13族から選択される
何れかの元素とを含有してなる事を特徴とする、請求項
2記載の水性塗工材。 - 【請求項4】 元素周期表第2族、および第4〜13族
から選択される何れかの元素が、Mg,Ca,Ba,C
o,Zr,B,Al,Ni,Znである、請求項3記載
の水性塗工材。 - 【請求項5】 アニオン性水性ポリウレタン樹脂におけ
る固形分酸価が、3〜30KOHmg/gである、請求
項4に記載の水性塗工材。 - 【請求項6】 数平均分子量500〜1800の活性水
素化合物が、脂肪族ポリエーテルポリオール、ポリカー
ボネートポリオールから選択される、請求項1〜5の何
れかに記載の水性塗工材。 - 【請求項7】 数平均分子量500未満で、かつ分子中
にイオン性原子団を有さない活性水素化合物が、脂肪族
系化合物である、請求項1〜6の何れかに記載の水性塗
工材。 - 【請求項8】 水性塗工材を塗布する基体が、繊維、合
成繊維、皮革、合成皮革、人工皮革、金属、合成樹脂、
紙、不織布、木材からなる群から選択された少なくとも
1種である、請求項1〜7の何れかに記載の水性塗工
材。 - 【請求項9】 請求項1〜8の何れかに記載の水性塗工
材を基体に塗布、乾燥し皮膜を形成する方法。 - 【請求項10】 請求項1〜9の何れかに記載した塗工
材を基体に塗布し、得られた物。 - 【請求項11】 請求項1〜10の何れかに記載した水
性塗工材を基体に塗布、乾燥し得られた物の上に、繊
維、合成繊維、皮革、合成皮革、人工皮革、合成樹脂、
紙、不織布、金属からなる群から選択される、少なくと
も1種の基材と接着する方法。 - 【請求項12】請求項11記載の方法で得られた物。
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