JPH1190650A - 異種金属材料の接合方法 - Google Patents
異種金属材料の接合方法Info
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- JPH1190650A JPH1190650A JP9260745A JP26074597A JPH1190650A JP H1190650 A JPH1190650 A JP H1190650A JP 9260745 A JP9260745 A JP 9260745A JP 26074597 A JP26074597 A JP 26074597A JP H1190650 A JPH1190650 A JP H1190650A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 磁性の異なる異種金属材料もしくは磁性が同
一である異種金属材料を、接合強度を高めて一体に接合
することができる接合方法を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 磁性の異なる異種金属材料もしくは磁性
が同一である異種金属材料を一体に接合する際に、タン
タル(Ta),モリブデン(Mo),バナジウム
(V),ニオブ(Nb),ジルコニウム(Zr),ハフ
ニウム(Hf),チタン(Ti),ニッケル(Ni),
パラジウム(Pd)の何れか1種の元素を中間材として
用いてHIP処理による固相拡散接合法を実施する。接
合雰囲気は非酸化性雰囲気とすることが好ましい。異種
金属材料として、チタン合金と合金鋼の組み合わせを用
いるか、チタン合金とインコネルの組み合わせを用い
る。
一である異種金属材料を、接合強度を高めて一体に接合
することができる接合方法を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 磁性の異なる異種金属材料もしくは磁性
が同一である異種金属材料を一体に接合する際に、タン
タル(Ta),モリブデン(Mo),バナジウム
(V),ニオブ(Nb),ジルコニウム(Zr),ハフ
ニウム(Hf),チタン(Ti),ニッケル(Ni),
パラジウム(Pd)の何れか1種の元素を中間材として
用いてHIP処理による固相拡散接合法を実施する。接
合雰囲気は非酸化性雰囲気とすることが好ましい。異種
金属材料として、チタン合金と合金鋼の組み合わせを用
いるか、チタン合金とインコネルの組み合わせを用い
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回転機に用いられる
部材の中で、磁性の異なる異種金属材料もしくは磁性が
同一である異種金属材料を一体に接合する方法に関する
ものである。
部材の中で、磁性の異なる異種金属材料もしくは磁性が
同一である異種金属材料を一体に接合する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年の磁石を用いた回転機として、より
小形化,高速化された性能に対する要求が高くなり、こ
れに伴って磁路の関係から異種金属材料を強固に接合す
る方法の改善が希求されている。
小形化,高速化された性能に対する要求が高くなり、こ
れに伴って磁路の関係から異種金属材料を強固に接合す
る方法の改善が希求されている。
【0003】例えば回転機で用いられる異種金属材料と
して、図19に示したように磁石1を磁性材もしくは非
磁性材でなるシャフト2と接合したり、磁石1を非磁性
材でなる端板3に接合するケース、又は非磁性材でなる
保持リング4と磁石1及び端板3とを接合するケース等
がある。つまり磁性の異なる金属材料の組み合わせだけ
でなく、磁性が同一である金属材料を一体に接合するケ
ースも考えられる。
して、図19に示したように磁石1を磁性材もしくは非
磁性材でなるシャフト2と接合したり、磁石1を非磁性
材でなる端板3に接合するケース、又は非磁性材でなる
保持リング4と磁石1及び端板3とを接合するケース等
がある。つまり磁性の異なる金属材料の組み合わせだけ
でなく、磁性が同一である金属材料を一体に接合するケ
ースも考えられる。
【0004】これら異種金属の接合方法としては、一般
的には銀ろうなどの金属系ろう材を用いたろう付け方法
が用いられており、特に接合界面で大きな接合強度を得
るためには、焼きばめとかくさびを用いた機械的拘束手
段が併用されている。
的には銀ろうなどの金属系ろう材を用いたろう付け方法
が用いられており、特に接合界面で大きな接合強度を得
るためには、焼きばめとかくさびを用いた機械的拘束手
段が併用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】異種金属の接合方法と
しては、一般的には前記したように銀ろうなどの金属系
ろう材を用いたろう付け方法が用いられているが、通常
のAg系ろう材を用いた高温ろう付け方法では接合界面
で充分な強度が得られず、回転機をより小形化,高速化
する上で要求される性能を必ずしも満足する大きな接合
強度を得ることができないという課題が存在する。
しては、一般的には前記したように銀ろうなどの金属系
ろう材を用いたろう付け方法が用いられているが、通常
のAg系ろう材を用いた高温ろう付け方法では接合界面
で充分な強度が得られず、回転機をより小形化,高速化
する上で要求される性能を必ずしも満足する大きな接合
強度を得ることができないという課題が存在する。
【0006】このように異種金属間の接合強度が充分に
得られない場合には、回転機としての強度,剛性,靭
性,変形能等の機械的特性が不足する事態が生じてしま
い、電動機等の高速化とか大容量化に伴って回転機に作
用する遠心力が一段と増大した際に磁石の変形とか破断
が生じやすいという問題点が残る。
得られない場合には、回転機としての強度,剛性,靭
性,変形能等の機械的特性が不足する事態が生じてしま
い、電動機等の高速化とか大容量化に伴って回転機に作
用する遠心力が一段と増大した際に磁石の変形とか破断
が生じやすいという問題点が残る。
【0007】そこで本発明は上記に鑑みてなされたもの
であって、磁性の異なる異種金属材料もしくは磁性が同
一である異種金属材料を、接合強度を高めて一体に接合
することができる接合方法を提供することを目的として
いる。
であって、磁性の異なる異種金属材料もしくは磁性が同
一である異種金属材料を、接合強度を高めて一体に接合
することができる接合方法を提供することを目的として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは異種金属の
両方に反応層を形成し、かつ接合界面での強度が得られ
る中間材を挿入して熱間等方加圧処理(Hot Isostatic
Pressing,以下HIP処理と略称する)による固相拡散
接合法により両金属間に高強度の接合が行えるものとの
観点から以下の接合方法を実施した。
両方に反応層を形成し、かつ接合界面での強度が得られ
る中間材を挿入して熱間等方加圧処理(Hot Isostatic
Pressing,以下HIP処理と略称する)による固相拡散
接合法により両金属間に高強度の接合が行えるものとの
観点から以下の接合方法を実施した。
【0009】磁性の異なる異種金属材料もしくは磁性が
同一である異種金属材料を一体に接合する際に、タンタ
ル(Ta),モリブデン(Mo),バナジウム(V),
ニオブ(Nb),ジルコニウム(Zr),ハフニウム
(Hf),チタン(Ti),ニッケル(Ni),パラジ
ウム(Pd)の何れか1種の元素を中間材として用いて
HIP処理による固相拡散接合法を実施することが本発
明の特徴となっている。接合雰囲気は、非酸化性雰囲気
とすることが好ましい。
同一である異種金属材料を一体に接合する際に、タンタ
ル(Ta),モリブデン(Mo),バナジウム(V),
ニオブ(Nb),ジルコニウム(Zr),ハフニウム
(Hf),チタン(Ti),ニッケル(Ni),パラジ
ウム(Pd)の何れか1種の元素を中間材として用いて
HIP処理による固相拡散接合法を実施することが本発
明の特徴となっている。接合雰囲気は、非酸化性雰囲気
とすることが好ましい。
【0010】異種金属材料として、チタン合金と合金鋼
の組み合わせを用いるか、チタン合金とインコネルの組
み合わせを用いる。
の組み合わせを用いるか、チタン合金とインコネルの組
み合わせを用いる。
【0011】かかる異種金属材料の接合方法によれば、
非酸化雰囲気中で中間材を挿入してHIP処理を行うこ
とにより、通常のAg系ろう材を用いた場合の接合強度
に対して、約1.5倍〜2.5倍の接合強度が得られ、強
固な接合部の一体化構造が実現された。
非酸化雰囲気中で中間材を挿入してHIP処理を行うこ
とにより、通常のAg系ろう材を用いた場合の接合強度
に対して、約1.5倍〜2.5倍の接合強度が得られ、強
固な接合部の一体化構造が実現された。
【0012】チタン合金と合金鋼の組み合わせの場合、
中間材としてのタンタルはチタン合金のチタンと全率固
溶し、チタン合金側界面では脆い化合物を生成しない。
更に合金鋼側の界面では中間材がCと結び付き、炭化層
を形成して合金鋼側のFe元素のチタン合金側への拡散
を防ぎ、更にチタン合金側で脆い金属間化合物TiFe
2の生成が防止されるという作用に基づいている。
中間材としてのタンタルはチタン合金のチタンと全率固
溶し、チタン合金側界面では脆い化合物を生成しない。
更に合金鋼側の界面では中間材がCと結び付き、炭化層
を形成して合金鋼側のFe元素のチタン合金側への拡散
を防ぎ、更にチタン合金側で脆い金属間化合物TiFe
2の生成が防止されるという作用に基づいている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明にかかる異種金属材料
の接合方法の実施形態例を説明する。一般に磁石を用い
た回転機に課せられている小形化,高速化に対する要求
を満足するためには、異種金属の接合部は高強度に一体
接合されていることが必須の要件である。
の接合方法の実施形態例を説明する。一般に磁石を用い
た回転機に課せられている小形化,高速化に対する要求
を満足するためには、異種金属の接合部は高強度に一体
接合されていることが必須の要件である。
【0014】前記したように、従来のAg系ろう材を使
用したろう付け方法は、異種金属の接合界面で充分な強
度が得られないため、回転機に課せられている前記要求
を満足する大きな接合強度を得ることができないという
課題があるが、本発明者らは供試材であるチタン合金と
鋼材間に脆い化合物層を生成せず、接合界面上に炭化物
層を反応層として形成する中間材を介在して接合を行う
ことにより、高強度の一体接合構造が行えるものと考
え、以下に記す実施形態例1〜13に基づいて一体接合
を試みた。
用したろう付け方法は、異種金属の接合界面で充分な強
度が得られないため、回転機に課せられている前記要求
を満足する大きな接合強度を得ることができないという
課題があるが、本発明者らは供試材であるチタン合金と
鋼材間に脆い化合物層を生成せず、接合界面上に炭化物
層を反応層として形成する中間材を介在して接合を行う
ことにより、高強度の一体接合構造が行えるものと考
え、以下に記す実施形態例1〜13に基づいて一体接合
を試みた。
【0015】本発明の実施形態例では、合金鋼に接合す
る金属として軽量で高強度なチタン合金を採用し、この
チタン合金と合金鋼という異種金属でなる供試材の接合
方法として、チタン合金と固溶して脆い化合物層を生成
しない金属、例えばバナジウム(V),ニオブ(N
b),タンタル(Ta),モリブデン(Mo),ジルコ
ニウム(Zr),ハフニウム(Hf)とか、接合界面上
に炭化物層を反応層として形成するチタン(Ti)、ニ
ッケル(Ni)、両方の供試材の濡れ性を改善するパラ
ジウム(Pd)を中間材として用いて、HIP処理によ
る固相拡散接合法で接合する方法に着目した。
る金属として軽量で高強度なチタン合金を採用し、この
チタン合金と合金鋼という異種金属でなる供試材の接合
方法として、チタン合金と固溶して脆い化合物層を生成
しない金属、例えばバナジウム(V),ニオブ(N
b),タンタル(Ta),モリブデン(Mo),ジルコ
ニウム(Zr),ハフニウム(Hf)とか、接合界面上
に炭化物層を反応層として形成するチタン(Ti)、ニ
ッケル(Ni)、両方の供試材の濡れ性を改善するパラ
ジウム(Pd)を中間材として用いて、HIP処理によ
る固相拡散接合法で接合する方法に着目した。
【0016】接合温度は界面に反応層を形成する800
℃以上でチタン合金の結晶粒の粗大化を招来しない温度
である900℃以下とし、接合雰囲気は非酸化性とする
ことによって接合界面と供試材との間で強固な反応層が
形成されるものと考えた。
℃以上でチタン合金の結晶粒の粗大化を招来しない温度
である900℃以下とし、接合雰囲気は非酸化性とする
ことによって接合界面と供試材との間で強固な反応層が
形成されるものと考えた。
【0017】先ず供試材としてのチタン合金と鋼材の組
成を表1に示す。
成を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1に示したように、チタン合金として
「Ti−6Al−4V」を採用し、鋼材は合金鋼として
「Ni−Cr−Mo鋼SNCM439」を用いた。接合
雰囲気は真空中とすることにより、接合界面と供試材と
の間で強固な合金層を形成させることを試みた。
「Ti−6Al−4V」を採用し、鋼材は合金鋼として
「Ni−Cr−Mo鋼SNCM439」を用いた。接合
雰囲気は真空中とすることにより、接合界面と供試材と
の間で強固な合金層を形成させることを試みた。
【0020】以下に本実施形態例にかかるチタン合金と
鋼材との接合について各種実施形態例を説明する。
鋼材との接合について各種実施形態例を説明する。
【0021】〔第1実施形態例〕接合雰囲気として非酸
化性雰囲気である真空中において、チタン合金と炭素を
0.4%含んでいる合金鋼との界面に、中間材としてタ
ンタルを挿入し、HIP処理による固相拡散接合法によ
り接合温度900℃で接合を行った。
化性雰囲気である真空中において、チタン合金と炭素を
0.4%含んでいる合金鋼との界面に、中間材としてタ
ンタルを挿入し、HIP処理による固相拡散接合法によ
り接合温度900℃で接合を行った。
【0022】得られた試験片を用いて引張試験を行った
所、ろう付けにおける引張強度の約2.1倍の強度を得
た。その理由として図1のTi−Ta二元状態図に示し
たように、中間材としてのタンタルはチタン合金のチタ
ンと全率固溶し、チタン合金側界面では脆い化合物を生
成しない。又、図2のC−Ta二元状態図に示したよう
に、合金鋼側の界面ではタンタルがCと結び付き、Ta
Cを形成する。
所、ろう付けにおける引張強度の約2.1倍の強度を得
た。その理由として図1のTi−Ta二元状態図に示し
たように、中間材としてのタンタルはチタン合金のチタ
ンと全率固溶し、チタン合金側界面では脆い化合物を生
成しない。又、図2のC−Ta二元状態図に示したよう
に、合金鋼側の界面ではタンタルがCと結び付き、Ta
Cを形成する。
【0023】これは図3の接合界面の線分析結果からも
明らかであって、TaCは合金鋼側のFe元素のチタン
合金側への拡散を防ぎ、更にチタン合金側で脆い金属間
化合物TiFe2の生成を防いでいる。中間材としての
タンタルの硬さは、図4の接合界面近傍の硬さ変化を示
す図から分かるようにチタン合金の約1/2であり、接
合時における残留応力を緩和する働きをしている。これ
らのことからチタン合金と低合金鋼の接合強度を高める
ことができる。
明らかであって、TaCは合金鋼側のFe元素のチタン
合金側への拡散を防ぎ、更にチタン合金側で脆い金属間
化合物TiFe2の生成を防いでいる。中間材としての
タンタルの硬さは、図4の接合界面近傍の硬さ変化を示
す図から分かるようにチタン合金の約1/2であり、接
合時における残留応力を緩和する働きをしている。これ
らのことからチタン合金と低合金鋼の接合強度を高める
ことができる。
【0024】又、以下の各実施形態例と共通する事項と
して、チタン合金と合金鋼との接合工程を真空中で実施
することにより、強固な酸化皮膜が形成されやすいチタ
ン合金及び鋼材の表面が洗浄後の清浄な状態を維持して
いて接合しやすくなっており、HIP処理により供試材
及び接合界面に均一な力が作用して接合界面での拡散を
進し、接合強度を高める要因となっている。
して、チタン合金と合金鋼との接合工程を真空中で実施
することにより、強固な酸化皮膜が形成されやすいチタ
ン合金及び鋼材の表面が洗浄後の清浄な状態を維持して
いて接合しやすくなっており、HIP処理により供試材
及び接合界面に均一な力が作用して接合界面での拡散を
進し、接合強度を高める要因となっている。
【0025】ここで前記HIP処理の概略を説明する
と、内壁部にヒータが配備された密閉型高圧容器内に被
処理物を収納し、アルゴンガス等の不活性ガスの雰囲気
中で被処理物に対して所定の圧力と温度条件下で一定時
間保持して、圧力と温度による相乗効果によって被処理
物をあらゆる方向から均等に加圧処理し、上記被処理物
を一体に接合する方法である。
と、内壁部にヒータが配備された密閉型高圧容器内に被
処理物を収納し、アルゴンガス等の不活性ガスの雰囲気
中で被処理物に対して所定の圧力と温度条件下で一定時
間保持して、圧力と温度による相乗効果によって被処理
物をあらゆる方向から均等に加圧処理し、上記被処理物
を一体に接合する方法である。
【0026】図18の概要図に基づいて上記HIP処理
の一例を説明する。下蓋10上に設置された支持台11
上に被処理物20を搭載し、内壁部に複数段のヒータ1
2,12を配置した断熱層13で被処理物20の周囲を
全面的に覆い、外郭部材として上蓋14と下蓋10との
間に跨がって高圧円筒15を固着して密閉型高圧容器を
構成する。この上蓋14には予めガス流入口16が開口
されている。
の一例を説明する。下蓋10上に設置された支持台11
上に被処理物20を搭載し、内壁部に複数段のヒータ1
2,12を配置した断熱層13で被処理物20の周囲を
全面的に覆い、外郭部材として上蓋14と下蓋10との
間に跨がって高圧円筒15を固着して密閉型高圧容器を
構成する。この上蓋14には予めガス流入口16が開口
されている。
【0027】そしてガス流入口16から不活性ガスとし
てアルゴンガスを導入して圧力媒体とし、被処理物20
に対して通常50〜300(MPa)以上の圧力と75
0(℃)〜1100(℃)以上の温度をかけて、圧力と
温度による相乗効果によって矢印pに示したように被処
理物20をあらゆる方向から均等に加圧処理する方法で
ある。
てアルゴンガスを導入して圧力媒体とし、被処理物20
に対して通常50〜300(MPa)以上の圧力と75
0(℃)〜1100(℃)以上の温度をかけて、圧力と
温度による相乗効果によって矢印pに示したように被処
理物20をあらゆる方向から均等に加圧処理する方法で
ある。
【0028】このHIP処理は、高温高圧で被処理物を
等方加圧しているため、材料に残存するボイドは圧壊さ
れ、材料の強度と靭性が向上する作用がある。
等方加圧しているため、材料に残存するボイドは圧壊さ
れ、材料の強度と靭性が向上する作用がある。
【0029】〔第2実施形態例〕接合雰囲気として非酸
化性雰囲気である真空中においてチタン合金と炭素を
0.4%含んでいる合金鋼との界面に、中間材としてモ
リブデン(Mo)を挿入し、HIP処理により接合温度
900℃で接合を行った。
化性雰囲気である真空中においてチタン合金と炭素を
0.4%含んでいる合金鋼との界面に、中間材としてモ
リブデン(Mo)を挿入し、HIP処理により接合温度
900℃で接合を行った。
【0030】得られた試験片を用いて引張試験を行った
所、ろう付けにおける引張強度の約2.0倍の強度を得
た。その理由として図5のTi−Mo二元状態図に示し
たように、中間材としてのモリブデンはチタン合金のチ
タンと全率固溶し、チタン合金側界面では脆い化合物を
生成しない。モリブデンは合金鋼にも含まれており、合
金鋼界面で脆い界面を生成しない上、図6のC−Mo二
元状態図に示したように、合金鋼側の界面ではモリブデ
ンがCと結び付き、Mo2Cを形成する。このMo2Cは
合金鋼側のFe元素のチタン合金側への拡散を防ぎ、更
にチタン合金側で脆い金属間化合物TiFe2の生成を
防いで接合強度を高めている。
所、ろう付けにおける引張強度の約2.0倍の強度を得
た。その理由として図5のTi−Mo二元状態図に示し
たように、中間材としてのモリブデンはチタン合金のチ
タンと全率固溶し、チタン合金側界面では脆い化合物を
生成しない。モリブデンは合金鋼にも含まれており、合
金鋼界面で脆い界面を生成しない上、図6のC−Mo二
元状態図に示したように、合金鋼側の界面ではモリブデ
ンがCと結び付き、Mo2Cを形成する。このMo2Cは
合金鋼側のFe元素のチタン合金側への拡散を防ぎ、更
にチタン合金側で脆い金属間化合物TiFe2の生成を
防いで接合強度を高めている。
【0031】〔第3実施形態例〕接合雰囲気として非酸
化性雰囲気である真空中においてチタン合金と炭素を
0.4%含んでいる合金鋼との界面に、中間材としてバ
ナジウム(V)を挿入し、HIP処理により接合温度9
00℃で接合を行った。
化性雰囲気である真空中においてチタン合金と炭素を
0.4%含んでいる合金鋼との界面に、中間材としてバ
ナジウム(V)を挿入し、HIP処理により接合温度9
00℃で接合を行った。
【0032】得られた試験片を用いて引張試験を行った
所、ろう付けにおける引張強度の約1.9倍の強度を得
た。その理由として図7のV−Ti二元状態図に示した
ように、中間材としてのバナジウムはチタン合金のチタ
ンと全率固溶し、且つチタン合金の成分であるため、チ
タン合金側界面では脆い化合物を生成しない。又、図8
のV−C二元状態図に示したように、Vは合金鋼側の界
面でCと結び付き、VCを形成する。このVCは合金鋼
側のFe元素のチタン合金側への拡散を防ぎ、接合界面
で分散してチタン合金側で脆い金属間化合物TiFe2
の生成を防いで接合強度を高めている。
所、ろう付けにおける引張強度の約1.9倍の強度を得
た。その理由として図7のV−Ti二元状態図に示した
ように、中間材としてのバナジウムはチタン合金のチタ
ンと全率固溶し、且つチタン合金の成分であるため、チ
タン合金側界面では脆い化合物を生成しない。又、図8
のV−C二元状態図に示したように、Vは合金鋼側の界
面でCと結び付き、VCを形成する。このVCは合金鋼
側のFe元素のチタン合金側への拡散を防ぎ、接合界面
で分散してチタン合金側で脆い金属間化合物TiFe2
の生成を防いで接合強度を高めている。
【0033】〔第4実施形態例〕接合雰囲気として非酸
化性雰囲気である真空中においてチタン合金と炭素を
0.4%含んでいる合金鋼との界面に、中間材としてニ
オブ(Nb)を挿入し、HIP処理により接合温度90
0℃で接合を行った。
化性雰囲気である真空中においてチタン合金と炭素を
0.4%含んでいる合金鋼との界面に、中間材としてニ
オブ(Nb)を挿入し、HIP処理により接合温度90
0℃で接合を行った。
【0034】得られた試験片を用いて引張試験を行った
所、ろう付けにおける引張強度の約2.0倍の強度を得
た。その理由として図9のNb−Ti二元状態図に示し
たように、中間材としてのニオブはチタン合金のチタ
ン,バナジウムと全率固溶し、チタン合金側界面では脆
い化合物を生成しない。又、Nbは合金鋼側の界面でC
と結び付き、Nb2Cを形成する。このNb2Cは合金鋼
側のFe元素のチタン合金側への拡散を防ぎ、接合界面
で分散してチタン合金側で脆い金属間化合物TiFe2
の生成を防いで接合強度を高めている。
所、ろう付けにおける引張強度の約2.0倍の強度を得
た。その理由として図9のNb−Ti二元状態図に示し
たように、中間材としてのニオブはチタン合金のチタ
ン,バナジウムと全率固溶し、チタン合金側界面では脆
い化合物を生成しない。又、Nbは合金鋼側の界面でC
と結び付き、Nb2Cを形成する。このNb2Cは合金鋼
側のFe元素のチタン合金側への拡散を防ぎ、接合界面
で分散してチタン合金側で脆い金属間化合物TiFe2
の生成を防いで接合強度を高めている。
【0035】〔第5実施形態例〕接合雰囲気として非酸
化性雰囲気である真空中においてチタン合金と炭素を
0.4%含んでいる合金鋼との界面に、中間材としてジ
ルコニウム(Zr)を挿入し、HIP処理により接合温
度900℃で接合を行った。
化性雰囲気である真空中においてチタン合金と炭素を
0.4%含んでいる合金鋼との界面に、中間材としてジ
ルコニウム(Zr)を挿入し、HIP処理により接合温
度900℃で接合を行った。
【0036】得られた試験片を用いて引張試験を行った
所、ろう付けにおける引張強度の約1.9倍の強度を得
た。その理由として図10のZr−Ti二元状態図に示
したように、中間材としてのジルコニウムはチタン合金
固溶体強化元素成分であるため、チタン合金側界面では
脆い化合物を生成しない。又、図11のZr−C二元状
態図に示したように、Zrは合金鋼側の界面でCと結び
付き、ZrCを形成する。このZrCは合金鋼側のFe
元素のチタン合金側への拡散を防ぎ、接合界面で分散し
てチタン合金側で脆い金属間化合物TiFe2の生成を
防いで接合強度を高めている。
所、ろう付けにおける引張強度の約1.9倍の強度を得
た。その理由として図10のZr−Ti二元状態図に示
したように、中間材としてのジルコニウムはチタン合金
固溶体強化元素成分であるため、チタン合金側界面では
脆い化合物を生成しない。又、図11のZr−C二元状
態図に示したように、Zrは合金鋼側の界面でCと結び
付き、ZrCを形成する。このZrCは合金鋼側のFe
元素のチタン合金側への拡散を防ぎ、接合界面で分散し
てチタン合金側で脆い金属間化合物TiFe2の生成を
防いで接合強度を高めている。
【0037】〔第6実施形態例〕接合雰囲気として非酸
化性雰囲気である真空中においてチタン合金と炭素を
0.4%含んでいる合金鋼との界面に、中間材としてハ
フニウム(Hf)を挿入し、HIP処理により接合温度
900℃で接合を行った。
化性雰囲気である真空中においてチタン合金と炭素を
0.4%含んでいる合金鋼との界面に、中間材としてハ
フニウム(Hf)を挿入し、HIP処理により接合温度
900℃で接合を行った。
【0038】得られた試験片を用いて引張試験を行った
所、ろう付けにおける引張強度の約1.8倍の強度を得
た。その理由として図12のHf−Ti二元状態図に示
したように、中間材としてのハフニウムはチタン合金の
チタンと全率固溶し、チタン合金側界面では脆い化合物
を生成しない。又、図13のHf−C二元状態図に示し
たように、Hfは合金鋼側の界面でCと結び付き、Hf
Cを形成する。このHfCは合金鋼側のFe元素のチタ
ン合金側への拡散を防ぎ、接合界面で分散してチタン合
金側で脆い金属間化合物TiFe2の生成を防いで接合
強度を高めている。
所、ろう付けにおける引張強度の約1.8倍の強度を得
た。その理由として図12のHf−Ti二元状態図に示
したように、中間材としてのハフニウムはチタン合金の
チタンと全率固溶し、チタン合金側界面では脆い化合物
を生成しない。又、図13のHf−C二元状態図に示し
たように、Hfは合金鋼側の界面でCと結び付き、Hf
Cを形成する。このHfCは合金鋼側のFe元素のチタ
ン合金側への拡散を防ぎ、接合界面で分散してチタン合
金側で脆い金属間化合物TiFe2の生成を防いで接合
強度を高めている。
【0039】上記第1実施形態例〜第6実施形態例の場
合、接合界面上に炭化物層を反応層として形成する中間
材を介在して接合を行うことにより、脆い化合物の生成
を防いで高強度の接合が行われる点が共通の技術手段と
なっている。
合、接合界面上に炭化物層を反応層として形成する中間
材を介在して接合を行うことにより、脆い化合物の生成
を防いで高強度の接合が行われる点が共通の技術手段と
なっている。
【0040】〔第7実施形態例〕接合雰囲気として非酸
化性雰囲気である真空中においてチタン合金と炭素を
0.4%含んでいる合金鋼との界面に、中間材としてチ
タン(Ti)を挿入し、HIP処理により接合温度90
0℃で接合を行った。
化性雰囲気である真空中においてチタン合金と炭素を
0.4%含んでいる合金鋼との界面に、中間材としてチ
タン(Ti)を挿入し、HIP処理により接合温度90
0℃で接合を行った。
【0041】得られた試験片を用いて引張試験を行った
所、ろう付けにおける引張強度の約1.5倍の強度を得
た。その理由として中間材としてのチタンがチタン合金
の成分であることと、接合界面上に炭化物層を生成する
点にあり、チタン合金側界面では脆い化合物を生成しな
い。図14のTi−C二元状態図に示したように、中間
材としてのチタンは合金鋼側の界面でCと結び付き、T
i2Cを形成する。このTi2Cは合金鋼側のFe元素の
チタン合金側への拡散を防ぎ、接合界面で分散してチタ
ン合金側で脆い金属間化合物TiFe2の生成を防いで
接合強度を高めている。
所、ろう付けにおける引張強度の約1.5倍の強度を得
た。その理由として中間材としてのチタンがチタン合金
の成分であることと、接合界面上に炭化物層を生成する
点にあり、チタン合金側界面では脆い化合物を生成しな
い。図14のTi−C二元状態図に示したように、中間
材としてのチタンは合金鋼側の界面でCと結び付き、T
i2Cを形成する。このTi2Cは合金鋼側のFe元素の
チタン合金側への拡散を防ぎ、接合界面で分散してチタ
ン合金側で脆い金属間化合物TiFe2の生成を防いで
接合強度を高めている。
【0042】〔第8実施形態例〕接合雰囲気として非酸
化性雰囲気である真空中においてチタン合金と炭素を
0.4%含んでいる合金鋼との界面に、中間材としてパ
ラジウム(Pd)を挿入し、HIP処理により接合温度
900℃で接合を行った。
化性雰囲気である真空中においてチタン合金と炭素を
0.4%含んでいる合金鋼との界面に、中間材としてパ
ラジウム(Pd)を挿入し、HIP処理により接合温度
900℃で接合を行った。
【0043】得られた試験片を用いて引張試験を行った
所、ろう付けにおける引張強度の約1.5倍の強度を得
た。その理由として中間材としてのパラジウムの作用に
よってチタン合金と合金鋼の濡れ性が改善され、チタン
合金側界面では脆い化合物を生成しない。図15のFe
−Pd二元状態図に示したように、中間材としてのPd
は合金鋼側の界面でFeと結び付き、FePdを形成す
る。このFePdは合金鋼側のFe元素のチタン合金側
への拡散を防ぎ、チタン合金側で脆い金属間化合物Ti
Fe2の生成を防いで接合強度を高めている。
所、ろう付けにおける引張強度の約1.5倍の強度を得
た。その理由として中間材としてのパラジウムの作用に
よってチタン合金と合金鋼の濡れ性が改善され、チタン
合金側界面では脆い化合物を生成しない。図15のFe
−Pd二元状態図に示したように、中間材としてのPd
は合金鋼側の界面でFeと結び付き、FePdを形成す
る。このFePdは合金鋼側のFe元素のチタン合金側
への拡散を防ぎ、チタン合金側で脆い金属間化合物Ti
Fe2の生成を防いで接合強度を高めている。
【0044】上記により説明した第1実施形態例〜第8
実施形態例の引張試験結果と、現状の銀ろう材を1とし
た強度比を表2に一覧表として示す。実施形態例7,8
のように強度比が比較的低い場合には、低速回転機用と
して使用可能である。
実施形態例の引張試験結果と、現状の銀ろう材を1とし
た強度比を表2に一覧表として示す。実施形態例7,8
のように強度比が比較的低い場合には、低速回転機用と
して使用可能である。
【0045】
【表2】
【0046】次に合金鋼として「Ni−Cr−Mo鋼S
NCM439」に代えて、Ni基合金インコネルを用い
た実施形態例を説明する。表3にインコネルの組成を示
す。
NCM439」に代えて、Ni基合金インコネルを用い
た実施形態例を説明する。表3にインコネルの組成を示
す。
【0047】
【表3】
【0048】以下にチタン合金とインコネルとの接合
を、中間材としてタンタル,モリブデン,ニオブ,ニッ
ケルの使用及び中間材なしで行った各実施形態例に関し
て説明する。
を、中間材としてタンタル,モリブデン,ニオブ,ニッ
ケルの使用及び中間材なしで行った各実施形態例に関し
て説明する。
【0049】〔第9実施形態例〕接合雰囲気として非酸
化性雰囲気である真空中において、チタン合金とインコ
ネルとの界面に、中間材として50μm厚のタンタル箔
を挿入し、HIP処理により接合温度900℃で接合を
行った。
化性雰囲気である真空中において、チタン合金とインコ
ネルとの界面に、中間材として50μm厚のタンタル箔
を挿入し、HIP処理により接合温度900℃で接合を
行った。
【0050】得られた試験片を用いて引張試験を行った
所、ろう付けにおける引張強度の約2.1倍の強度を得
た。その理由として前記図1のTi−Ta二元状態図に
示したように中間材としてのタンタルがチタン合金のチ
タンと全率固溶し、チタン合金側界面では脆い化合物を
生成しない。タンタルはインコネルにも含まれているた
め、インコネル側界面で脆い化合物を生成せず、良好な
接合界面が得られる。
所、ろう付けにおける引張強度の約2.1倍の強度を得
た。その理由として前記図1のTi−Ta二元状態図に
示したように中間材としてのタンタルがチタン合金のチ
タンと全率固溶し、チタン合金側界面では脆い化合物を
生成しない。タンタルはインコネルにも含まれているた
め、インコネル側界面で脆い化合物を生成せず、良好な
接合界面が得られる。
【0051】中間材のタンタルはインコネル側のFe元
素のチタン合金側への拡散を防止し、チタン合金側で脆
い金属間化合物TiFe2の生成を防いでいる。タンタ
ルの硬さは前記図4に示した図から分かるようにチタン
合金の約1/2であり、接合時における残留応力を緩和
する働きをしている。これらのことからチタン合金と低
合金鋼の接合強度を高める事ができる。
素のチタン合金側への拡散を防止し、チタン合金側で脆
い金属間化合物TiFe2の生成を防いでいる。タンタ
ルの硬さは前記図4に示した図から分かるようにチタン
合金の約1/2であり、接合時における残留応力を緩和
する働きをしている。これらのことからチタン合金と低
合金鋼の接合強度を高める事ができる。
【0052】〔第10実施形態例〕接合雰囲気として非
酸化性雰囲気である真空中において、チタン合金とイン
コネルとの界面に、中間材として50μm厚のモリブデ
ン箔を挿入し、HIP処理により接合温度900℃で接
合を行った。
酸化性雰囲気である真空中において、チタン合金とイン
コネルとの界面に、中間材として50μm厚のモリブデ
ン箔を挿入し、HIP処理により接合温度900℃で接
合を行った。
【0053】得られた試験片を用いて引張試験を行った
所、ろう付けにおける引張強度の約2.0倍の強度を得
た。その理由として前記図5のTi−Mo二元状態図に
示したように中間材としてのモリブデンがチタン合金の
チタンと全率固溶し、チタン合金側界面では脆い化合物
を生成しない。モリブデンはインコネルにも含まれてい
るため、インコネル側界面で脆い化合物を生成せず、良
好な接合界面が得られる。
所、ろう付けにおける引張強度の約2.0倍の強度を得
た。その理由として前記図5のTi−Mo二元状態図に
示したように中間材としてのモリブデンがチタン合金の
チタンと全率固溶し、チタン合金側界面では脆い化合物
を生成しない。モリブデンはインコネルにも含まれてい
るため、インコネル側界面で脆い化合物を生成せず、良
好な接合界面が得られる。
【0054】中間材のモリブデンはインコネル側のFe
元素のチタン合金側への拡散を防止し、チタン合金側で
脆い金属間化合物TiFe2の生成を防いでいるため、
チタン合金とインコネルの接合強度を高める事ができ
る。
元素のチタン合金側への拡散を防止し、チタン合金側で
脆い金属間化合物TiFe2の生成を防いでいるため、
チタン合金とインコネルの接合強度を高める事ができ
る。
【0055】〔第11実施形態例〕接合雰囲気として非
酸化性雰囲気である真空中において、チタン合金とイン
コネルとの界面に、中間材として50μm厚のニオブ箔
を挿入し、HIP処理により接合温度900℃で接合を
行った。
酸化性雰囲気である真空中において、チタン合金とイン
コネルとの界面に、中間材として50μm厚のニオブ箔
を挿入し、HIP処理により接合温度900℃で接合を
行った。
【0056】得られた試験片を用いて引張試験を行った
所、ろう付けにおける引張強度の約1.9倍の強度を得
た。その理由として前記図9のNb−Ti二元状態図に
示したように中間材としてのニオブがチタン合金のチタ
ンと全率固溶し、チタン合金側界面では脆い化合物を生
成しない。ニオブはインコネルにも含まれているため、
インコネル側界面で脆い化合物を生成せず、良好な接合
界面が得られる。
所、ろう付けにおける引張強度の約1.9倍の強度を得
た。その理由として前記図9のNb−Ti二元状態図に
示したように中間材としてのニオブがチタン合金のチタ
ンと全率固溶し、チタン合金側界面では脆い化合物を生
成しない。ニオブはインコネルにも含まれているため、
インコネル側界面で脆い化合物を生成せず、良好な接合
界面が得られる。
【0057】中間材のニオブはインコネル側のFe元素
のチタン合金側への拡散を防止し、チタン合金側で脆い
金属間化合物TiFe2の生成を防いでいるため、チタ
ン合金とインコネルの接合強度を高める事ができる。
のチタン合金側への拡散を防止し、チタン合金側で脆い
金属間化合物TiFe2の生成を防いでいるため、チタ
ン合金とインコネルの接合強度を高める事ができる。
【0058】〔第12実施形態例〕接合雰囲気として非
酸化性雰囲気である真空中において、チタン合金とイン
コネルとの界面に、中間材として20μm厚のニッケル
箔を挿入し、HIP処理により接合温度900℃で接合
を行った。
酸化性雰囲気である真空中において、チタン合金とイン
コネルとの界面に、中間材として20μm厚のニッケル
箔を挿入し、HIP処理により接合温度900℃で接合
を行った。
【0059】得られた試験片を用いて引張試験を行った
所、ろう付けにおける引張強度の約2.5倍の強度を得
た。その理由として図16のTi−Ni二元状態図に示
したように今回の接合温度では中間材としてのニッケル
がチタン合金のチタンと形状記憶合金で使用されている
脆くない金属間化合物をチタン合金側界面に3層に渡っ
て生成している。従って図17の接合界面近傍の線分析
結果に示したようにニッケル箔を挿入することによって
接合界面に金属間化合物が傾斜的に形成されて良好な接
合構造が得られる。
所、ろう付けにおける引張強度の約2.5倍の強度を得
た。その理由として図16のTi−Ni二元状態図に示
したように今回の接合温度では中間材としてのニッケル
がチタン合金のチタンと形状記憶合金で使用されている
脆くない金属間化合物をチタン合金側界面に3層に渡っ
て生成している。従って図17の接合界面近傍の線分析
結果に示したようにニッケル箔を挿入することによって
接合界面に金属間化合物が傾斜的に形成されて良好な接
合構造が得られる。
【0060】中間材のニッケルはインコネル側のFe元
素のチタン合金側への拡散を防止し、チタン合金側で脆
い金属間化合物TiFe2の生成を防いでいるため、チ
タン合金とインコネルの接合強度を高める事ができる。
素のチタン合金側への拡散を防止し、チタン合金側で脆
い金属間化合物TiFe2の生成を防いでいるため、チ
タン合金とインコネルの接合強度を高める事ができる。
【0061】〔第13実施形態例〕接合雰囲気として非
酸化性雰囲気である真空中において、チタン合金とイン
コネルとの界面に中間材なしで直接HIP処理により接
合温度900℃で接合を行った。
酸化性雰囲気である真空中において、チタン合金とイン
コネルとの界面に中間材なしで直接HIP処理により接
合温度900℃で接合を行った。
【0062】得られた試験片を用いて引張試験を行った
所、ろう付けにおける引張強度の約2.3倍の強度を得
た。その理由として中間材のニッケル効果をインコネル
の主成分のニッケルが果たしたためにチタン合金側とイ
ンコネル側に良好な接合界面が生成したものである。但
しニッケル箔のように直接ニッケルが接合界面でチタン
合金に接していないので、強度の向上は若干低めとなっ
た。
所、ろう付けにおける引張強度の約2.3倍の強度を得
た。その理由として中間材のニッケル効果をインコネル
の主成分のニッケルが果たしたためにチタン合金側とイ
ンコネル側に良好な接合界面が生成したものである。但
しニッケル箔のように直接ニッケルが接合界面でチタン
合金に接していないので、強度の向上は若干低めとなっ
た。
【0063】又、インコネル側のFe元素のチタン合金
側への拡散を防止し、チタン合金側で脆い金属間化合物
TiFe2の生成を防いでいるため、チタン合金とイン
コネルの接合強度を高める事ができる。
側への拡散を防止し、チタン合金側で脆い金属間化合物
TiFe2の生成を防いでいるため、チタン合金とイン
コネルの接合強度を高める事ができる。
【0064】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる異種金属材料の接合方法によれば、磁性の異なる異
種金属材料もしくは磁性が同一である異種金属材料を接
合するに際して、非酸化雰囲気中で中間材を挿入してH
IP処理を行うことにより、通常のAg系ろう材を用い
た場合の接合強度に対して、約1.5倍〜2.5倍の接合
強度が得られ、強固な接合部の一体化構造を実現するこ
とができる。
かる異種金属材料の接合方法によれば、磁性の異なる異
種金属材料もしくは磁性が同一である異種金属材料を接
合するに際して、非酸化雰囲気中で中間材を挿入してH
IP処理を行うことにより、通常のAg系ろう材を用い
た場合の接合強度に対して、約1.5倍〜2.5倍の接合
強度が得られ、強固な接合部の一体化構造を実現するこ
とができる。
【0065】特にチタン合金と合金鋼の組み合わせの場
合には、中間材がチタン合金のチタンと全率固溶し、チ
タン合金側界面では脆い化合物を生成せず、合金鋼側の
界面では中間材がCと結び付いて炭化層を形成し、合金
鋼側のFe元素のチタン合金側への拡散を防止するとと
もにチタン合金側で脆い金属間化合物TiFe2の生成
が防止されるという効果が得られる。
合には、中間材がチタン合金のチタンと全率固溶し、チ
タン合金側界面では脆い化合物を生成せず、合金鋼側の
界面では中間材がCと結び付いて炭化層を形成し、合金
鋼側のFe元素のチタン合金側への拡散を防止するとと
もにチタン合金側で脆い金属間化合物TiFe2の生成
が防止されるという効果が得られる。
【0066】更にチタン合金とインコネルの組み合わせ
で中間材としてニッケルを用いた場合、チタン合金のチ
タンと形状記憶合金で使用されている脆くない金属間化
合物(TiNi)をチタン合金側界面に生成し、接合界
面に金属間化合物が傾斜的に形成されて良好な接合構造
が得られる。
で中間材としてニッケルを用いた場合、チタン合金のチ
タンと形状記憶合金で使用されている脆くない金属間化
合物(TiNi)をチタン合金側界面に生成し、接合界
面に金属間化合物が傾斜的に形成されて良好な接合構造
が得られる。
【0067】従って本発明によれば、銀ろうなどの通常
の金属系ろう材を用いた従来のろう付け方法で接合界面
で充分な強度が得られず、回転機をより小形化,高速化
する上で要求される性能を満足できないという課題を解
消して、回転機としての強度,剛性,靭性,変形能等の
機械的特性を高めて電動機等の高速化とか大容量化に伴
って回転機に作用する遠心力が増大しても磁石の変形と
か破断が生じることがない磁性の異なる金属部材の高強
度な一体化接合方法を実現することができる。
の金属系ろう材を用いた従来のろう付け方法で接合界面
で充分な強度が得られず、回転機をより小形化,高速化
する上で要求される性能を満足できないという課題を解
消して、回転機としての強度,剛性,靭性,変形能等の
機械的特性を高めて電動機等の高速化とか大容量化に伴
って回転機に作用する遠心力が増大しても磁石の変形と
か破断が生じることがない磁性の異なる金属部材の高強
度な一体化接合方法を実現することができる。
【図1】本発明の第1実施形態例におけるTi−Ta二
元状態図。
元状態図。
【図2】第1実施形態例におけるC−Ta二元状態図。
【図3】第1実施形態例における接合界面の線分析結果
を示すグラフ。
を示すグラフ。
【図4】第1実施形態例における接合界面近傍の硬さ変
化を示す図。
化を示す図。
【図5】本発明の第2実施形態例におけるTi−Mo二
元状態図。
元状態図。
【図6】第2実施形態例におけるC−Mo二元状態図。
【図7】本発明の第3実施形態例におけるV−Ti二元
状態図。
状態図。
【図8】第3実施形態例におけるV−C二元状態図。
【図9】本発明の第4実施形態例におけるNb−Ti二
元状態図。
元状態図。
【図10】本発明の第5実施形態例におけるZr−Ti
二元状態図。
二元状態図。
【図11】第5実施形態例におけるZr−C二元状態
図。
図。
【図12】本発明の第6実施形態例におけるHf−Ti
二元状態図。
二元状態図。
【図13】第6実施形態例におけるHf−C二元状態
図。
図。
【図14】本発明の第7実施形態例におけるTi−C二
元状態図。
元状態図。
【図15】本発明の第8実施形態例におけるFe−Pd
二元状態図。
二元状態図。
【図16】本発明の第12実施形態例におけるTi−N
i二元状態図。
i二元状態図。
【図17】第12実施形態例における接合界面近傍の線
分析結果を示す図。
分析結果を示す図。
【図18】HIP処理の一例を説明するための概要図。
【図19】回転機で用いられる異種金属材料の接合例を
示す要部断面図。
示す要部断面図。
1…磁石 2…シャフト 3…端板 4…保持リング 10…下蓋 11…支持台 12…ヒータ 13…断熱層 14…上蓋 15…高圧円筒 16…ガス流入口 20…被処理物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B23K 20/00 B23K 20/00 B 20/14 20/14 H02K 15/03 H02K 15/03 G // H02K 1/27 501 H02K 1/27 501H 15/02 15/02 K B23K 103:18 103:24
Claims (4)
- 【請求項1】 磁性の異なる異種金属材料もしくは磁性
が同一である異種金属材料を一体に接合する方法におい
て、 タンタル(Ta),モリブデン(Mo),バナジウム
(V),ニオブ(Nb),ジルコニウム(Zr),ハフ
ニウム(Hf),チタン(Ti),ニッケル(Ni),
パラジウム(Pd)の何れか1種の元素を中間材として
用いて、熱間等方加圧処理による固相拡散接合法により
接合を行うことを特徴とする異種金属材料の接合方法。 - 【請求項2】 前記異種金属材料が、チタン合金と合金
鋼である請求項1記載の異種金属材料の接合方法。 - 【請求項3】 前記異種金属材料がチタン合金とインコ
ネルである請求項1記載の異種金属材料の接合方法。 - 【請求項4】 接合雰囲気を、非酸化性雰囲気としたこ
とを特徴とする請求項1記載の異種金属材料の接合方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9260745A JPH1190650A (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | 異種金属材料の接合方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9260745A JPH1190650A (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | 異種金属材料の接合方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1190650A true JPH1190650A (ja) | 1999-04-06 |
Family
ID=17352163
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9260745A Pending JPH1190650A (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | 異種金属材料の接合方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1190650A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006304562A (ja) * | 2005-04-25 | 2006-11-02 | Nissan Motor Co Ltd | アキシャルギャップ型回転電機のロータ構造 |
US8025983B2 (en) | 2008-11-20 | 2011-09-27 | Min Ku Lee | Joining method between Fe-based steels and Ti/Ti-based alloys having joint strength higher than those of base metals by using interlayers and the joints produced using the method |
-
1997
- 1997-09-26 JP JP9260745A patent/JPH1190650A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006304562A (ja) * | 2005-04-25 | 2006-11-02 | Nissan Motor Co Ltd | アキシャルギャップ型回転電機のロータ構造 |
US8025983B2 (en) | 2008-11-20 | 2011-09-27 | Min Ku Lee | Joining method between Fe-based steels and Ti/Ti-based alloys having joint strength higher than those of base metals by using interlayers and the joints produced using the method |
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