JPH1189715A - 電子レンジ用調理容器および調理方法 - Google Patents

電子レンジ用調理容器および調理方法

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JPH1189715A
JPH1189715A JP27398797A JP27398797A JPH1189715A JP H1189715 A JPH1189715 A JP H1189715A JP 27398797 A JP27398797 A JP 27398797A JP 27398797 A JP27398797 A JP 27398797A JP H1189715 A JPH1189715 A JP H1189715A
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  • Package Specialized In Special Use (AREA)
  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子レンジ調理用食品に関し、調理容器に対
する蒸気抜きのための手間が省略でき、素材の風味を損
なわない生の素材からの即時調理が短時間に出来る方法
の開発を行う。 【構成】 電子レンジ調理用容器であって、調理容器:
トレイ(1)内に調理用食品素材(4a,4b)を充填
後、トレイの上面にフィルム・シート(2a)を溶着し
て密封する。この際、フィルム・シート(2a)の内面
には調理する食材により選択される所定温度で溶融する
特性の糊料(3a)を塗布しておくことを特徴とする。
この容器を用い、調理中の容器内雰囲気部分(5)を高
圧状態に保持し、多量の調味液(4b)を含む生の固形
食品素材(4a)の煮込み等の調理を、短時間に行う方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】近年、食生活・食習慣の多様
化すなわち食時間の不規則化と個食化から調理の簡便化
への指向が著しくなり、電子レンジ調理商品の開発が盛
んになってきた。
【0002】本発明は、電子レンジ調理による食用商品
に関連して、従来の既に加熱調理されたレトルト食品の
ように、単に電子レンジで加温して食卓に供する食品ば
かりでなく、電子レンジによって生の素材を煮込み調理
する食品のための容器および調理法に関するものであ
る。
【0003】
【従来の技術】近年、電子レンジ食品の消費は急速な伸
びを示し、国内での電子レンジの普及は90%を越えた
と言われる。
【0004】電子レンジによる調理はマイクロ波で食品
内から一気に加熱するため、短時間で調理できるのが特
徴であるが、電子レンジ調理に使用できる容器には色々
な制約がある。
【0005】このため、電子レンジ用食品の容器の包装
方法、形態、機能について、種々の試みがなされ開発が
行われてきた。特に、包装された容器の調理中における
「破裂」の危険を回避する方法、また容器中の食品の調
理状況を良好に維持する方法等について、多くの技術、
工夫が提案されている。
【0006】調理済みのシュウマイ、饅頭など単に電子
レンジで加温するだけで食用に供せられるものは、もと
もと水分は少なく調整されており、したがって、電子レ
ンジ加熱による水蒸気発生も少ないので、単純に密封保
持されフィルム等で包納されている。
【0007】しかし、最近、電子レンジ調理の食品とし
て、調味液などと共に包納される煮込み用の食用素材が
提供されるようになっている。この場合は、調理中に食
品素材から発生する水蒸気により調理用容器内の内圧が
上昇し、容器が突然破裂するトラブルが発生する。
【0008】このため、別の容器に移し替えてから調理
するか、前もってレトルト容器の一部に小穴が穿孔され
てあったり、又は調理用容器に特別の蒸気吐出の工夫が
あり、調理直前に手を加えるようになっている。
【0009】これらについて、更に詳しく説明する。電
子レンジ調理において最も基本的な調理法としては
「1.調理する食品を皿などの別容器に移してから調理
する」、「2.包装容器の蓋の一部あるいは全部を取り
去ってから調理する」等がある。しかし、これらの操作
は必ずしも守られない場合があり、容器の破裂を避ける
ため、当初の電子レンジによる調理は、食品の加温に限
られる等の制約があった。
【0010】調理容器内の内圧を調節して調理時間を短
縮する技術として「食品の容器自体又は蓋に小穴を穿孔
する方法(特公平62−94117)」があり、また
「容器と蓋の間の溶接において、一部溶接をしない封緘
欠落部を設ける方法(特公平1−291754)」があ
る。
【0011】これらは、調理食品に液状のものが含まれ
る場合、凍結状態でない限り容器からの液漏れの懸念が
あり、液体を含まない食品にしか適用できないとする制
約があった。
【0012】さらに「調理容器の一部に小径の穴が穿孔
されてあり、その上に装着された密封用シールを調理直
前に剥離する方法(実開昭59−55170)」が、ま
た「袋状の容器の一部にチャック式構造の開口部があ
り、互いに係合して密封状態になっており、容器内圧の
上昇によりチャック部が開口する方法(特開平8−22
4059)」がある。前者はシール剥離の失念があり
得、また後者は保存運搬中にチャック部が開口する懸念
なしとはいえない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法の一部にお
いて、未解決であった「調理食品素材中に調味料など液
状のものが含まれていて、それが解凍状態にあった場合
でも、調理前の保存、運搬時はもとより、家庭での調理
直前まで調味液が漏れる恐れのない容器に改善するこ
と」が課題の1つであった。
【0014】また、従来方法の「容器に穿孔された小穴
の上面に貼り付けたシールを剥離する方式」の如く調理
する直前にシールを剥がす手間を必要とするものは、こ
の手間が些細であっても、出来れば省略できるものにす
ることが2つ目の課題であった。
【0015】また、従来の方法においては、調理中の容
器内の内圧は、調理される食品素材の種類、設定分量、
容器の大きさ等に応じて蒸気吐出のための空隙量を試験
し、それを容器に対して加工することで調整されてい
た。すなわち、小穴の穿孔による蒸気吐出の場合は穴径
と穴個数を、そしてチャック方式のスリットによる蒸気
吐出の場合は、スリットの切込み幅等を定め、それを容
器に加工していた。
【0016】しかし、容器に充填される調理用食品素材
の量、形状は、厳密には容器各個で必ずしも同じには出
来ず、したがって、調理中に発生する水蒸気による容器
内の内圧と、これに影響を受ける容器内温度は常に同じ
にはならない。また、一般に容器に加工する、あるいは
操作する水蒸気吐出用の空隙量は、容器の膨爆を避ける
ため、安全を見込んで大きめに加工することが多く、こ
のため、調理中の容器内雰囲気は常圧(大気圧)とな
り、容器内の調理雰囲気の高圧化による調理温度の上昇
と調理時間の十分なる短縮は達成出来ていない。
【0017】容器からの水蒸気の吐出量のコントロール
を、容器内の圧あるいは容器内温度の変化に基づいて、
自動的に行うようにしたい。これが、従来の電子レンジ
用容器使用における残された課題であった。
【0018】そこで、本発明は電子レンジ調理法におけ
る従来方法の上記課題を全て解決して、「調理容器に対
する不必要な手間を全く省略」しながら、「調理時間の
短縮」と「素材の風味を損なわない生の食品素材からの
即時調理」が出来る新しい電子レンジ調理の方法を開発
することを目標に創作されたものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
「課題1:調理容器内の調理中における雰囲気圧を高圧
状態に常に保持し、調理時間の短縮化を図る。」に対す
る手段として下記の方法を考案した。
【0020】容器の主体をなすトレイの縁端部にフィル
ム・シートを溶着し、その溶着面より容器内の温度に呼
応して、自動的に水蒸気が吐出するように工夫した。す
なわち、フィルム・シート上に所定の温度で溶融する糊
料をパターン状にプリント塗布し、それを内面として、
調理食品素材が充填されたトレイ上に溶着させて密封し
た。
【0021】糊料の溶融による水蒸気吐出のための空隙
部は、容器内の雰囲気温度により形成されるが、その感
度は塗布した糊料の融点と糊料の塗布パターンにより変
えることが出来る。
【0022】また、調理容器内の内圧は、調理する食品
の種類、分量そして容器の大きさ等による水蒸気の発生
量と、糊料の部分に発生する空隙の個数と大きさによる
水蒸気の吐出量で、バランスし調整されるが、それは、
糊料の溶融温度や糊料の塗布幅と間隔の設定によっても
変化し、容器内の雰囲気圧を上げることができる。その
結果、圧力鍋の原理と同じ作用により調理温度が高温側
にシフトすることから、調理時間を大幅に短縮すること
が出来る。そして、水蒸気吐出口の形成のための糊料の
溶融温度を、調理される食材により、たとえば、野菜の
場合は摂氏60度から110度と幾分低温側に、生の魚
介類を調理するときは摂氏80度から130度に、そし
て畜肉類の煮込み調理の場合は更に高温側の摂氏100
度から150度等の様に、種々変えて設定することも可
能である。そして、使用する糊料の溶融温度の特性は、
調理食材の種類の他に、使用する調理容器の材質や食材
の調理量などによっても変更できる。
【0023】後述の実施例にて説明するように、容器内
の雰囲気圧は1.2から3.0気圧の高圧が達成される
ことが実測されている。このため、本発明における調理
容器、フィルム・シート、そして、その溶着部は、その
内圧に十分耐用出来るものであることが要求される。
【0024】「課題2:従来方法における調理前に行
う、手動による密封容器の一部開封等の手間を完全に省
略したい。」に対して本発明では、水蒸気吐出部は電子
レンジ調理中の加熱昇温があって、初めて自動的に形成
されるものにした。したがって、調理容器は調理前にお
いては密封状態にあることから、容器内の食品素材が液
状であっても外部に漏れる気づかいは全く不要である。
また、容器に対する調理直前の穿孔、シールの引剥がし
等、密封状態の一部開封のための「手間」あるいは「操
作」は、全く必要がない。
【0025】以上に述べた課題を解決する手段を要約す
ると、使用する調理用容器は、請求項1のとおりの「電
子レンジ調理用容器であって、トレイ容器内に調理用食
品を充填後、トレイの上面にフィルム・シートを接着し
て密封する。この際に使用するフィルム・シートは、そ
の内面に、調理する食材により選択される所定の温度で
溶融する特性の「感温性の糊料」を一定間隔のパターン
状に塗布しておくことを特徴とする。」となる。この
際、トレイ容器から水蒸気が吐出する前に到達する容器
内雰囲気の最大圧力は、調理時間を短縮するためには、
出来るだけ高圧になることが望ましく、これは、適用す
る糊料の溶解温度を調理する食材に応じて選択すること
によって達成される。
【0026】また、その調理方法は、請求項2に示すと
おりの「電子レンジにより食品素材が加熱され、食品素
材から発生する水蒸気により調理用容器内の内圧が上昇
する。それと共に、容器も昇温して所定の温度になった
時点で、フィルム・シート上の「感温性糊料」が溶融
し、トレイとフィルム・シート間の接着の一部に空隙が
でき、そこから容器内部の水蒸気の一部が外部に吐出す
る。この場合、容器内の最大内圧は1.3から1.5気
圧に範囲に保持される。このように調理中の雰囲気を高
圧状態にして、生素材からの食品の短時間の調理ができ
る請求項1の容器を用いる調理方法。」である。
【0027】
【作用】そこで、これら課題を解決するための手段の構
成、すなわち本発明の構成とその作用について図面と共
に説明する。第1図、第2図並びに第3図は本発明の1
つの実施例に係わる電子レンジ調理用容器の断面図、部
分図並びに作用中の外観図である。
【0028】図面における構成の各部分について説明す
る。第1図において、符号1は、本発明の実施例におけ
る電子レンジ調理容器:トレイを示し、そして符号2a
は調理用食品素材をトレイ内に充填後、密封するフィル
ム・シートであり、符号4aは加熱調理すべき生の固形
食品素材、符号4bは調味液である。調理用容器の密封
端部には、トレイの縁端部、符号3aの糊料の塗布部
分、そして、密封用フィルム・シートの縁端部が、この
順に重積されて溶着されており、これによりトレイ内部
の調理食品素材は内封されている。符号5は容器内雰囲
気部分であるが、加熱調理時には発生する水蒸気が充満
するスペースになる。そして符号3bは、調理中に水蒸
気が吐出する糊料の溶出による空隙部であり、符号6は
吐出水蒸気を、符号2bは膨満状態のフィルム・シート
を示す。
【0029】すなわち本発明における電子レンジ調理容
器は、トレイ内に食品素材が充填され、それを密封する
ために内面に「感温性糊料」が塗布されたフィルム・シ
ートがトレイ上に溶着されて構成されている。
【0030】電子レンジ調理用トレイは、水、油などの
液体の浸透や空気・蒸気の透過もないことは勿論、摂氏
100度以上の温度においても十分な強度を持ち、軟
化、炭化、燃焼が誘起しない耐熱性の優れた材質のもの
とする。
【0031】フィルム・シートは、耐熱性のある薄膜で
あって、最大10気圧までの膨張にも破裂せずに耐える
材質のものとする。そして、このフィルム・シートに
は、調理中の容器内の蒸気が一部吐出するように、容器
内温度に感応して溶融し、空隙を形成する糊料がプリン
ト塗布されている。この状況を更に詳細説明すると、第
2図に示すとおりである。すなわち、フィルム・シート
の内面(トレイに溶着される側)には、あらかじめ所定
の温度以上でのみ溶融する特性に調整された糊料が、一
定のパターン状にプリント塗布されている。このように
加工されたフィルム・シートを用いて、トレイは溶着さ
れ調理用食品素材は密封される。
【0032】次に調理が行われる各過程における作用に
ついて説明する。
【0033】このように構成された調理用容器を用いて
電子レンジ内で加熱すると、調理容器内の固形食品素材
と調味液はマイクロ波により共に加熱される。
【0034】加熱により生の調理用固形食品素材および
調味液から水分が蒸発し、容器内の雰囲気の内圧は急激
に上昇する。それに応じて、フィルム・シートはトレイ
上にて凸状に膨満する。
【0035】この際、トレイの縁端部とフィルム・シー
トに挟まれた糊料部分は、容器内温度が所定の温度以上
になると、それに応じて溶融し、容器内の蒸気圧により
吹き出されて欠落する。それに伴い、容器内部の水蒸気
はその部分より外部に吐出する。この様子を第3図に示
した。
【0036】この場合、糊料の欠落部より吐出する水蒸
気と量と調理中の食品素材より発生する水蒸気の量はバ
ランスし、フィルム・シートは破裂することなく、また
容器内の内圧は1.3から1.5気圧の範囲に保持され
る。
【0037】調理される食品素材は、容器内の雰囲気の
圧力に見合う沸点温度で、すなわち摂氏100度以上の
高温で煮込まれるので、一回の調理でおいしい料理が出
来ることになる。
【0038】このように、調理前は完全に密封となって
いる容器は、調理温度に感応して水蒸気の吐出口が初め
て開き、容器内の内圧を一定レベルに保持すると共に調
理温度を高温にする。この過程が本発明における基幹を
なす特徴である。
【0039】加熱調理すべき固形食品素材に調味料を添
加する様態は、固形食品素材が生魚である場合を例に挙
げて説明すると、後述の実施例のように生魚と調味料を
混合してから冷凍する様態と、生魚と調味料をそれぞれ
分離して冷凍してから、組み合わせて容器内に収容する
様態の2つが考えられる。
【0040】本発明が対象としている調理食品素材は、
事前に中間調理済みの単なる「加温食品」ではなく、一
回の加熱で生素材より調理される食品素材である。した
がって、調理素材としての固形食品素材は、一回の加熱
で調理できるものであれば、野菜類、畜肉類、魚介類、
のいずれに対しても適用できる。
【0041】
【実施例】本発明を具体的に説明するために、実施例を
挙げる。尚、本発明は実施例により何ら限定されるもの
でない。
【0042】実施例1:本発明による調理の例。 紙またはパルプの含有により耐熱強度および熱伝導率特
性を調整したポリエチレンを主成分とする容積400c
cの電子レンジ調理用トレイを用いて、生魚「銀むつ」
90gと調味液40gを収容し、上蓋としてフィルム・
シートをもって密封し、そして、摂氏−35度に凍結し
た。この際、フィルム・シートのトレイ側の面には、摂
氏100度以上の温度でのみ溶出する特性の糊料を、幅
5mm、間隔10mmの格子パターン状に塗布した。
【0043】調理食品素材が凍ったままの本発明の調理
容器を、600wの電子レンジに入れて4分間の加熱調
理を行った。電子レンジ内にて投射されるマイクロ波
は、魚肉の内部からの加熱に働くと共に、凍結した調味
液をも加熱する。
【0044】調味液は容易に沸騰し、その蒸気はトレイ
内に充満し、フィルム・シートは凸状に膨満すると共に
内圧は約2.0気圧まで上昇したと推定される。トレイ
内の内圧の上昇により調味液の沸点は、摂氏100度以
上になり、試験測定値では最大で摂氏105度に達し
た。トレイ内の雰囲気温度が約摂氏100度に達した段
階で、トレイとフィルム・シートに挟まれている糊料の
一部が溶けだし、トレイの溶着部分の1個所から容器内
の水蒸気が吐出した。
【0045】魚肉はマイクロ波による内部摩擦熱と調味
液からの熱伝導の両方によって加熱され、3分30秒の
短時間で調味液中に煮上がった状態で煮崩れもなく仕上
がった。また、魚肉の解凍状態で調理をした場合は、調
理時間は更に1分ほど短縮し、2分30秒前後で煮上が
ることが確認できた。
【0046】今回実施例に用いた容積400ccのトレ
イによる実験結果では、調味液1ccの蒸発で容器内の
内圧は、約0.2気圧昇圧して1.2気圧以上となり、
調理中(水蒸気吐出用空隙の発生後)は、その内圧は
1.2から1.5気圧にバランスし持続されることが確
認でき、フィルム・シートの破裂の懸念はないことが判
った。
【0047】実施例2:電子レンジ調理時間に関する試
験結果。 本発明の容器および調理方法に関して電子レンジ調理時
間の試験を行った。電子レンジによる調理は、他の加熱
調理に比較して調理時間が格段に短いのが特長である
が、それは完全に食品素材の内部まで煮上がっているこ
とが絶対条件である。そのため、電子レンジによる調理
時間の経過と食品の加熱温度の変化、そして、食品の煮
上がり状態を推定する方法として「加熱によるタンパク
質の変性」を指標とする確認試験を行った。
【0048】供試材(電子レンジ調理用食品): 1.鯖の味噌煮(固形分90g、調味液40g) 2.銀むつ煮付(固形分90g、調味液40g) 試験調理容器 :実施例1と同じ 使用電子レンジの出力:600W 試験した調理時間:0、1、2、2.5、3、3.5、
4、4.5分
【0049】「試験方法」 (1)電子レンジ加熱による食品素材中心部の温度変
化。 温度測定位置:固形食品素材(魚肉切身)の中心部。 測定器 :ニードル式デジタル温度計。 測定時期 :電子レンジによる各調理時間経過1分
後。 (2)魚肉の水溶性タンパク質の変化による加熱度合の
確認。 試験サンプル:固形食品素材(魚肉)の中心部より5g
採取。 サンプル処理:蒸留水添加+遠心分離+上澄み抽出 測定方法:分光光度計による水溶性タンパク質の測定
(280nmでの吸光値測定) 煮上り時間の判定:タンパク質の変性までの時間。
【0050】試験結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】「食品中心部の加熱温度の変化」これらの
結果から、固形食品素材(魚肉)の中心部温度は、調理
時間3分間以降は、供試材「鯖味噌煮(B)」も「銀む
つ煮付(C)」も共に摂氏60度以上に推移しており、
魚肉タンパク質が変性する温度(摂氏60度付近)に達
している。
【0053】「水溶性タンパク質の変化による煮上がり
時間の推定」調理時間2分間まで吸光値の変化は小さ
く、生煮え状態が推定されるが、調理時間3分30秒以
降は吸光値は急激に低下し、その後一定値を示し、食材
は完全に煮上がった状態になったことが判断される。
【0054】食品の加熱温度および水溶性タンパク質の
変性試験の結果を総合評価して、供試材「鯖味噌煮
(B)」ならびに「銀むつ煮付け(C)」(共に魚肉9
0g、調味液40g)の調理時間は、煮上り3分30秒
が最も適当とあることが確認できた。また同時に行われ
た、食味に関する官能評価の結果においても、それを裏
付けることができた。そして、この試験においても、本
発明の主要な特長である蒸気吐出口の自動的な発生と、
それによる容器内の内圧保持は良好に作動することが確
認できた。
【0055】本発明の効果としての調理時間の短縮化
は、表1の同量の「鯖の味噌煮」のパウチ包装とトレイ
包装の比較において明らかである。すなわち、魚肉の場
合に煮上がり完了と判定される魚肉切身の中心温度が、
摂氏60度以上に達する時間を必要調理時間とした場
合、従来の「パウチ包装のもの(A)」の調理時間は4
分30秒であるのに対して、「本発明のトレイ包装のも
の(B)」は、3分30秒で、約1分間も調理時間が短
縮されることが認められた。
【0056】これは、従来の「パウチ包装の電子調理食
品」は、発生蒸気の吐出用の空隙を開けてから調理する
ため、常圧雰囲気内での調理となる。これに対して、本
発明の「トレイ包装方式の電子調理食品」においては、
容器内雰囲気が所定温度あるいは所定内圧になるまで、
発生蒸気は容器外に吐出されない。したがって、容器内
の調理雰囲気は、大気圧より高圧になり、あたかも圧力
鍋での調理と同様になり、調理食材の調理温度は、常圧
調理の場合よりも高くなる。そして、水蒸気吐出用空隙
部が開口した後も、内圧は1.3から1.5気圧に保持
される。これによって、調理仕上がり時間を、大幅に短
縮することが出来るようになったと考えられる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は水、油に
不透性であり、調理温度にも十分な耐熱性を有するトレ
イ内に、調理すべき食品と調味液を充填し、所定温度で
のみ溶融する性質の糊料が塗布されているフィルム・シ
ートで、密封されている容器を用いる電子レンジ調理法
である。
【0058】本発明による上記容器を用いて調理する場
合、調理前に容器に対して何らの操作を加えることな
く、調理雰囲気を常に高圧にコントロールできることか
ら、電子レンジ調理時間も従来にない短時間調理が達成
できる。そのため、野菜類、魚介類、畜肉類すべての生
素材の煮付け調理が簡単に出来、そして、食感、風味も
格別に優れたものが誰でも賞味でき、しかも、調理容器
がトレイ型であるため、そのまま食器として使用できる
等、現代の食習慣にマッチしたものと考えられる。
【0059】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わる調理用容器、調理用食
品素材およびトレイと封入用フィルム・シートの溶着状
態を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例に係わる調理用容器のトレイを
被覆する調理用食品素材の封入用フィルム・シートで、
糊料が塗布されている状況を示す図である。
【図3】本発明の実施例に係わる電子レンジ調理中にお
ける調理用容器からの水蒸気の吐出状況を示す外観図で
ある。
【符号の説明】
1 調理容器:トレイ 2a フィルム・シート 2b 膨満状態のフィルム・シート 3a 糊料 3b 空隙となった糊料の欠損部 4a 生の固形食品素材 4b 調味液 5 容器内の雰囲気部分 6 吐出する水蒸気

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子レンジ調理用容器であって、トレイ容
    器内に調理用食品を充填後、トレイの上面にフィルム・
    シートを接着して密封する。この際に使用するフィルム
    ・シートは、その内面に、調理する食材によって選択さ
    れる所定の温度で溶融する特性の「感温性の糊料」を、
    一定のパターン状に塗布しておくことを特徴とする。
  2. 【請求項2】電子レンジにより食品素材が加熱され、食
    品素材から発生する水蒸気により調理用容器内の内圧が
    上昇する。それと共に、容器も昇温して所定の温度にな
    った時点で、フィルム・シート上の「感温性糊料」が溶
    融し、トレイとフィルム・シート間の接着の一部に空隙
    ができ、そこから容器内部の水蒸気の一部が外部に吐出
    する。この場合、容器内の最大内圧は1.3から1.5
    気圧に範囲に保持される。このように調理中の雰囲気を
    高圧状態にして、生素材からの食品の短時間の調理がで
    きる請求項1の容器を用いる調理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010017136A (ja) * 2008-07-10 2010-01-28 Q P Corp 加熱料理の製造方法及び調理方法
JP2019031300A (ja) * 2017-08-07 2019-02-28 大日本印刷株式会社 トレイ及び電子レンジ加熱用容器

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