JPH1189561A - 細胞培養方法および装置 - Google Patents

細胞培養方法および装置

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JPH1189561A
JPH1189561A JP9255381A JP25538197A JPH1189561A JP H1189561 A JPH1189561 A JP H1189561A JP 9255381 A JP9255381 A JP 9255381A JP 25538197 A JP25538197 A JP 25538197A JP H1189561 A JPH1189561 A JP H1189561A
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gas
culture
environment
separation
temperature
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JP9255381A
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Satoshi Kaneko
智 兼子
Takemune Takahara
威統 高原
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KUREA KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少なくとも温度、湿度およびガス濃度を所定
値に保持した環境内に配置された培養液中で細胞を培養
する場合において、培養液を常に湿度およびガス濃度が
所定値に保持され、かつ、温度環境と分離された環境内
に配置して培養することができ、常に理想的な環境条件
において細胞培養を行なうことができる細胞培養方法お
よび装置を提供すること。 【解決手段】 少なくとも温度、湿度およびガス濃度を
所定値に保持した環境内に配置された培養液中で細胞を
培養する細胞培養方法において、前記温度を所定値に保
持する温度環境内に少なくとも前記湿度およびガス濃度
を所定値に保持する分離環境を別個に設けるとともに、
当該分離環境内の湿度およびガス濃度を所定値に保持す
るガスバッファを設け、当該分離環境内に前記培養液を
配置して細胞を培養することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも温度、
湿度およびガス濃度を所定値に保持した環境内に配置さ
れた培養液中で細胞を培養する細胞培養方法および装置
に係り、特に体外受精における胚の培養に好適な細胞培
養方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】一般に、
医療や医療に関連する分野等においては、生体から分離
した各種の細胞の培養が盛んに行なわれている。
【0003】この種の細胞培養を効率よく行うために
は、培養環境を当該細胞が分離前に存在していた生体内
環境に限りなく近づける必要がある。特に、体外受精に
おける胚の培養においては、受精に引き続き胚発生が始
まる卵管内環境と同様な培養環境により行なう必要があ
る。即ち、健常な生児を得るためには胚の分化、発生が
最適な条件下において行なわれる必要がある。
【0004】しかしながら、現在においては卵管内環境
についての正確な知見が少ないために、二酸化炭素イン
キュベータを利用して、以下に述べるような哺乳動物細
胞に用いられる基本的な培養手法によって体外受精にお
ける胚の培養が行なわれている。
【0005】即ち、二酸化炭素インキュベータ内の所定
条件の培養環境内に保持された培養液をもって生体から
分離した細胞を培養している。
【0006】この培養液について説明すると、培養液は
生体から取り出した細胞の生存、機能維持、増殖に必要
な栄養源の供給、老廃物の拡散除去を行なうための溶液
であり、通常、平衡塩類溶液に低分子有機物を加えたも
のからなる基本培地に血清等の添加物を加えて用いられ
ている。
【0007】前記平衡塩類溶液はインビトロ(in vitro)
で細胞の機能を維持するため、イオン組成、pH、浸透
圧を調整した塩類溶液である。一般に、哺乳動物細胞の
至適pHは7.35〜7.45の狭い範囲であり、pH
7.2以下およびpH7.6以上では細胞傷害を受け
る。また、細胞は浸透圧の変化にも敏感であり、培養液
の浸透圧には細心の注意を払う必要がある。通常は血清
の浸透圧と等しい(等張)275〜290 mOsmole/Kg
に調整する。
【0008】そして、二酸化炭素インキュベータ中で使
用する前記培養液の基本組成はアーレ(Earle) 液であ
り、ほとんどの平衡塩類溶液にはpH指示薬としてフェ
ノールレッド(Phenol Red)が少量添加されている。この
フェノールレッドはpH7.4付近では茶赤色を示し、
酸性化すると黄色に、アルカリ化すると赤紫色に変化す
る。空気中で胚培養液を操作する時には培養液の色調に
常に注意して、pHを管理しなくてはならない。
【0009】体液のpHを一定に保つことは生命維持の
内で最も重要な機能である。細胞代謝のエネルギは高エ
ネルギ化合物の加水分解によって得られるが、その酸化
還元過程に関与する酵素の活性は溶液中のH+ イオン濃
度変化に敏感である。また、両性電解質である蛋白質の
立体構造や機能もH+ イオン濃度に影響を受ける。
【0010】血清中における最も重要な緩衝系はH2
3+NaHCO3 緩衝系である。細胞培養液を5%の
二酸化炭素によって飽和させた時にpHは約7.4とな
る。このpH維持機能を利用して細胞培養を二酸化炭素
インキュベータ内で行なうものである。
【0011】更に、二酸化炭素インキュベータによる細
胞培養を具体的に説明する。
【0012】二酸化炭素インキュベータは、動物細胞や
組織を一定温度で培養するための恒温装置と、培養液の
pHを安定させるための5%の二酸化炭素を庫内に送る
装置とを有している。そして、恒温装置の内部の湿度を
ほぼ100%(飽和湿度)とするために、下段には蒸留
水を入れた加湿用バットを置くようにしている。また、
二酸化炭素濃度を一定に保つために、二酸化炭素センサ
を用いるものと、ガス流量計により調節するものとがあ
る。実際の細胞培養においては、アーレ型の培養液のp
Hは二酸化炭素濃度により規定されるので、いずれの場
合においても二酸化炭素検知管等を用いてガス濃度を測
定し、最適条件を維持するようにされている。また、こ
の二酸化炭素インキュベータ内は培養細胞のみならず、
細菌、カビにとっても最適の生育条件であるので、内部
を無菌的に保つため、庫内をアルコール綿で清拭し、加
湿用バットおよび棚板は乾熱滅菌するようにしている。
更に、機種によっては二酸化炭素インキュベータ内の温
度およびガス濃度を均一にするために、ファンによる撹
拌が行われている。これは、一般の細胞培養においては
多数のシャーレを一度に培養するため、庫内は多段の棚
板で仕切られているが、これが庫内の温度ムラ等の原因
となるためである。二酸化炭素インキュベータは内扉
(ガラス扉)を開くと内部雰囲気は大気と置換し、ガス
濃度、温度、湿度が変化する。これらの諸条件が復帰す
るまでの時間は機種によって異なるが、その間、培養液
は非平衡となってしまう。これは、従来の二酸化炭素イ
ンキュベータが研究目的、特に細胞を長期間培養するた
めに設計されたものであり、扉の開閉は通常、培養液の
交換を行う3〜4日に一回開閉し、それ以外は開閉しな
いことを前提に設計されていたからである。
【0013】体外受精等の臨床においても細胞(胚)の
培養が必須であり、前記のような性質を有する二酸化炭
素インキュベータが細胞培養に利用されている。
【0014】ところが、体外受精における細胞培養に従
来の二酸化炭素インキュベータを用いると、次のような
問題点があった。
【0015】第1に、扉の開閉が頻繁であり、庫内のガ
ス環境、湿度を所定値に維持することができない。
【0016】第2に、扉を頻繁に開閉することにより、
庫内の細菌、カビによる汚染を招きやすく、また、完璧
な滅菌は困難であった。
【0017】第3に、庫内の温度むらをなくするため
に、ファン等で庫内の空気を撹拌すると、更なる細菌、
カビによる汚染を招きやすいものであった。
【0018】第4に、生殖細胞、特に卵、胚においては
気相の酸素分圧に配慮する必要がある。生体内における
酸素分圧は、大気中よりはるかに低く、動脈血で95mmH
g、静脈血で40mmHgであり、組織中ではさらに低い分圧
である。哺乳動物細胞の多くは低酸素分圧下の場合に増
殖率が高いことが知られており、胚培養においては気相
として混合ガス(5.0%二酸化炭素+5.0%酸素+90% 窒
素)を用いることが多い。ところが、混合ガスは高価で
あり、これを大量に流し続けることは費用的に負担であ
った。
【0019】第5に、庫内の二酸化炭素濃度を5%とす
るため、ガスセンサによる検知が行われるが、このガス
センサはときどき校正が必要であった。
【0020】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、少なくとも温度、湿度およびガス濃度を所定値
に保持した環境内に配置された培養液中で細胞を培養す
る場合において、培養液を常に湿度およびガス濃度が所
定値に保持され、かつ、温度環境と分離された環境内に
配置して培養することができ、前記従来の二酸化炭素イ
ンキュベータの有する問題点を全て解消することがで
き、常に理想的な環境条件において細胞培養を行なうこ
とができ、装置全体を小型に形成することができ、取り
扱いも容易であり、コストも低廉な細胞培養方法および
装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記目的を達
成するために鋭意研究し、細胞培養環境のうち、温度環
境と他の培養環境即ち少なくとも湿度およびガス濃度を
所定値に保持する環境とを分離させ、更に湿度およびガ
ス濃度を所定値に保持するガスバッファを設けることに
より、前記目的を達成できることを見出して本発明を完
成させたものである。
【0022】請求項1に記載の本発明の細胞培養方法
は、少なくとも温度、湿度およびガス濃度を所定値に保
持した環境内に配置された培養液中で細胞を培養する細
胞培養方法において、前記温度を所定値に保持する温度
環境内に少なくとも前記湿度およびガス濃度を所定値に
保持する分離環境を別個に設けるとともに、当該分離環
境内の湿度およびガス濃度を所定値に保持するガスバッ
ファを設け、当該分離環境内に前記培養液を配置して細
胞を培養することを特徴とする。
【0023】また、請求項3に記載の本発明の細胞培養
装置は、室内温度が所定値に保持される恒温室と、この
恒温室内に出入自在に形成された開閉自在で内部に培養
液が配置される分離培養容器であって、内部の湿度およ
びガス濃度を所定値に保持するガスバッファと、このガ
スバッファを通して内部へ前記ガスを供給するガス供給
系とを備えている分離培養容器とを有することを特徴と
する。
【0024】このように構成されている本発明装置を本
発明方法によって使用することにより、前記目的を達成
することができる。即ち、培養液を常に湿度およびガス
濃度が所定値に保持され、かつ、温度環境と分離された
環境内に配置して培養することができ、前記従来の二酸
化炭素インキュベータの有する問題点を全て解消するこ
とができる。
【0025】即ち、恒温室の扉の開閉をしても、分離培
養容器内の気相は、変化せず、頻繁な開閉が可能であ
る。また、恒温室内は無菌である必要はなく、分離培養
容器内のみが無菌であればよい。また、温度制御と湿度
およびガス制御を完全に分離したので、恒温室内はファ
ン等で撹拌することが可能となり、温度分布を常に均一
に保持することができ、培養環境の精度を向上させるこ
とができる。また、分離培養容器は、培養中においては
完全に密閉したままの状態に保持し、ガスを全く補給を
しないで培養することができ、また、希望ならばガスラ
インを接続して解法培養することもできる。従って、従
来のようなガスセンサを設置して庫内のガス制御を行な
う必要がない。また、同一の恒温室内において、複数の
分離培養容器内に異なったガス組成を設定すれば、異な
ったガス組成で細胞培養することができる。また、ガス
バッファが分離培養容器内の湿度とガス濃度とを常に所
定値に維持させるように機能するので、培養液の組成を
常に最高の条件に保持して、極めて良好な細胞培養を行
なうことができる。
【0026】本発明において、前記ガスは、二酸化炭素
または予め組成が設定されている組成調整ガスとすると
よい。このようにすれば、予めガス業者により調製され
た混合ガスを用いることができ、高再現性のガス組成を
得ることが可能となり、従来のようなガスセンサの狂い
によるガス濃度の不備は皆無となる。
【0027】また、前記分離培養容器としては、耐火性
ガラスまたはセラミックス等の火炎滅菌処理温度に耐え
る耐加熱性を有する素材により形成するとよい。これに
より、分離培養容器をオーブンで高温滅菌することによ
り、容易に完全滅菌することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
から図4について説明する。
【0029】図1から図3は本発明の細胞培養装置の1
実施形態を示している。
【0030】本装置は図1に全体を示すように、恒温器
1と分離培養容器2とにより形成されている。
【0031】一方の恒温器1は扉4により開閉自在とさ
れた恒温室3を有しており、ヒータや温度センサ等から
なる公知の温度制御機構5により恒温室3内の温度を所
定値に保持するように形成されている。また、恒温室3
内には多数の分離培養容器2、2を載置できるようにす
のこ状、金網状等の気流の流通可能な載置棚6が着脱自
在に装着されており、また内部空気を攪拌するファン7
も設置されている。
【0032】他方の分離培養容器2は、図2および図3
に示すように、有底円筒状に形成されており、上端部に
フランジ部8が形成されており、このフランジ部8とす
りあわせされた蓋9により開閉自在に形成されている。
また、分離培養容器2の側壁の中間の高さ位置には、内
部に二酸化炭素等のガスを供給するガス供給管10が貫
通させられている。このガス供給管10の内方部は分離
培養容器2の側壁内面および底面に沿うようにクランク
状に曲げられており、その内方端部にはケミカルフィル
タ11が着脱自在に装着されている。また、ガス供給管
10の外方端には三分割バルブ等の仕切り弁12が1個
若しくは複数個を直列状にして着脱自在に装着される。
分離培養容器2の側壁の適当箇所(本実施形態において
はガス供給管10の反対側)には、分離培養容器2の内
外を連通させる連通筒13が設けられている。この連通
筒13の外方端には三分割バルブ等の仕切り弁14が1
個若しくは複数個を直列状にして着脱自在に装着され
る。本実施形態においては、分離培養容器2自身を火炎
滅菌処理温度に耐える耐加熱性を有するようにするため
に、少なくとも分離培養容器2、蓋9、ガス供給管10
および連通筒13が耐火性ガラスまたはセラミックス等
の素材により形成されている。このように形成されてい
る分離培養容器2内には、適宜の載置台15をもって培
養液17を入れたシャーレ状の培養皿16が配置される
ように形成されている。
【0033】次に、このように形成されている細胞培養
装置を用いて行なわれる本発明の細胞培養方法を説明す
る。
【0034】まず、耐火性ガラス製の分離培養容器2、
蓋9、ガス供給管10および連通筒13を適宜のオーブ
ンにおいて火炎滅菌処理温度例えば400℃に加熱し
て、分離培養容器2内を火炎滅菌処理する。これにより
分離培養容器2内の雑菌等は炭化されて無菌化される。
この炭化物は細胞培養にとって何ら傷害とならないの
で、分離培養容器2内からの排除処理が不要である。な
お、この火炎滅菌処理に代えて滅菌ようガスや液体を用
いて分離培養容器2を滅菌する場合には、分離培養容器
2の材質は耐火性ガラスに限られず、使用目的に応じて
適宜の素材を採用することができる。
【0035】その後、無菌処理されているケミカルフィ
ルタ11をガス供給管10の内方端に取付ける。このケ
ミカルフィルタ11が前記の火炎滅菌処理に耐え得るも
のである場合には、ケミカルフィルタ11をガス供給管
10の内方端に取付けた状態で火炎滅菌処理を行なう。
更に、ガス供給管10および連通筒13の外方端にそれ
ぞれ仕切り弁12、14を装着し、続いて分離培養容器
2内に液状のガスバッファ18を、少なくとも前記ケミ
カルフィルタ11が没するように所定量(本実施形態に
おいては200ml)充填する。このガスバッファ18
の素材としては、細胞培養液から栄養源となる物質を除
いたものであり、pHを目視できるようにフェノールレ
ッドが混入されており、5%の二酸化炭素下では培養液
と同じpHを維持する。通常このような分離培養容器2
内に入れる水は飽和湿度を維持する役割を果たすもので
あるが、本発明方法においてはガスバッファとしての役
割を兼ね備えるものである。
【0036】次に、培養皿16内に入れられている約1
ml程度の量の培養液17内に生殖細胞、特に卵、胚等
を入れて、載置台15をもって分離培養容器2内に配置
させる。その後、蓋9をフランジ部8上にすりあわせな
がら載置させて分離培養容器2の開口を密封する。そし
て、必要に応じて図示しないクランプによりフランジ部
8と蓋9とを固定する。
【0037】次に、開放した仕切り弁12およびガス供
給管10、ケミカルフィルタ11を通して二酸化炭素ま
たは予め組成を調整された組成調整ガス(例えば、5.0%
二酸化炭素+5.0%酸素+90% 窒素)を分離培養容器2内
に送給して、内部の空気を連通筒13および開放した仕
切り弁14を通して排出させながら置換させる。そし
て、この時両仕切り弁12、14の開度を調整しなが
ら、ガスバッファ18内のフェノールレッドの色を観測
して、二酸化炭素の濃度が5.0%となるまでガスを供
給し、分離培養容器2内を100%の湿度にするととも
に、ガス平衡とさせ、分離培養容器2内の湿度およびガ
ス濃度が共に所定値となった時に、両仕切り弁12、1
4を全閉として分離培養容器2内を密封する。
【0038】次に、この分離培養容器2を恒温器1の恒
温室3内に納めて扉4を閉塞し、温度制御機構5および
ファン7を用いて恒温室3内の温度を所定値に保持し
て、細胞培養を開始する。
【0039】これにより培養液17内の細胞は、少なく
とも温度、湿度およびガス濃度を所定値に保持された理
想的な培養環境下において培養される。
【0040】本実施形態においては、分離培養容器2内
にガスバッファ18を内蔵しているので、もし何らかの
原因で分離培養容器2内のガス濃度が変化した場合(密
閉不良など)、ガスバッファ18がない場合には、培養
皿16内に1ml程度入っている培養液17自体からガ
スが抜けてしまって培養液17のpHが変化してしまう
が、ガスバッファ18が分離培養容器2内に入っている
ために、培養液17+ガスバッファ18の総計201m
lの液体でガス濃度の変化を受け流すことになり、培養
液17のpHの変化は1/201に抑えることができ、
ガス相の変化を緩衝化することができ、培養液17のp
Hを常に7.4に保持して、極めて高精度の培養環境下
で細胞の培養を行なうことができる。また、ガスバッフ
ァ18には、上述したpH指示薬であるフェノールレッ
ドが添加してあるので、ガス平衡の状態を目視でチェッ
クすることができる。
【0041】更に、本実施形態によれば、培養液17を
常に湿度およびガス濃度が所定値に保持され、かつ、温
度環境と分離された分離培養容器2の環境内に配置して
培養することができ、前記従来の二酸化炭素インキュベ
ータの有する問題点を全て解消することができる。
【0042】即ち、恒温室3の扉4の開閉をしても、分
離培養容器2内の気相は、湿度およびガス濃度とも変化
せず、頻繁な開閉が可能である。また、恒温室3内は無
菌である必要はなく、分離培養容器2内のみが無菌であ
ればよい。また、温度制御とガス制御を完全に分離した
ので、恒温室3内はファン7等で撹拌することが可能と
なり、温度分布を常に均一に保持することができ、培養
環境の精度を向上させることができる。また、分離培養
容器2は、培養中においては完全に密閉したままの状態
に保持し、ガスを全く補給をしないで培養することがで
き、また、希望ならばガスラインを接続して解法培養す
ることもできる。従って、従来のようなガスセンサを設
置して庫内のガス制御を行なう必要がない。また、同一
の恒温室3内において、複数の分離培養容器2、2内に
異なったガス組成を設定すれば、異なったガス組成で細
胞培養することができる。
【0043】また、分離培養容器2内に二酸化炭素また
は予め組成が設定されている組成調整ガスを供給するよ
うにしているので、予めガス業者により調製された混合
ガスを用いることができ、高再現性のガス組成を得るこ
とが可能となり、従来のようなガスセンサの狂いによる
ガス濃度の不備は皆無となる。
【0044】また、耐火性ガラスまたはセラミックス等
の火炎滅菌処理温度に耐える耐加熱性を有する素材によ
り分離培養容器2を形成しているので、分離培養容器2
をオーブンで高温滅菌することにより、内部を容易に完
全滅菌することができる。
【0045】本発明者の試験より、前記した従来の二酸
化炭素インキュベータを用いた方法においては15〜2
0%程度であった体外受精・胚移植による妊娠率が、本
発明によれば35〜40%に向上した。
【0046】また、本発明の体外受精以外への応用とし
ては、同一恒温室3内においてガス環境を任意に変え
て、並列に培養できるので、好気性菌、嫌気性菌の同時
培養等が可能となる。また、従来においては一部の例外
を除いて人工的な環境に順応した細胞(代表的な例では
癌細胞)のみが培養可能であった。これは従来の二酸化
炭素インキュベータを用いる培養の限界であったが、本
発明による高精度の培養環境はより多様な細胞の培養を
可能とするものである。
【0047】図4は他の実施形態の恒温槽1aを示すも
のである。本実施形態の恒温槽1aは上蓋4aにより上
部開口を開閉するように形成したものである。この恒温
槽1aによれば、恒温室3a内の空気やガス等が外部の
温度より低かったり、比重が大きい場合には上蓋4aの
開閉時に流出し難く、有効である。また、本実施の形態
においては、恒温室3a内にガス供給用のガスヘッダ1
9を設けてあり、分離培養容器2を密閉した細胞培養の
他に、そのガスヘッダ19から仕切り弁12を経てガス
を分離培養容器2内に連続的に供給するとともに、他方
の仕切り弁14からガスを流出させて、分離培養容器2
を開放状態にして細胞の培養ができるようにもしてい
る。
【0048】なお、本発明は前記各実施の形態に限定さ
れるものではなく、必要に応じて変更することができ
る。例えば、体外受精を主目的として分離培養容器2と
して有底円筒状の容器を用いたが、密閉できるものであ
れば分離培養容器2の形状、大きさは任意に選択するこ
とができる。
【0049】
【発明の効果】このように本発明の細胞培養方法および
装置は構成され作用するものであるから、少なくとも温
度、湿度およびガス濃度を所定値に保持した環境内に配
置された培養液中で細胞を培養する場合において、培養
液を常に湿度およびガス濃度が所定値に保持され、か
つ、温度環境と分離された環境内に配置して培養するこ
とができ、前記従来の二酸化炭素インキュベータの有す
る問題点を全て解消することができ、常に理想的な環境
条件において細胞培養を行なうことができ、装置全体を
小型に形成することができ、取り扱いも容易であり、コ
ストも低廉にすることができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の細胞培養装置の1実施形態を示す断
面図
【図2】 本発明の細胞培養装置に用いる分離培養容器
の1実施形態を示す断面図
【図3】 図2に示す分離培養容器の一部切断分解斜視
【図4】 本発明の細胞培養装置の他の実施形態を示す
断面図
【符号の説明】
1 恒温器 2 分離培養容器 3 恒温室 4 扉 9 蓋 10 ガス供給管 16 培養皿 17 培養液 18 ガスバッファ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも温度、湿度およびガス濃度を
    所定値に保持した環境内に配置された培養液中で細胞を
    培養する細胞培養方法において、前記温度を所定値に保
    持する温度環境内に少なくとも前記湿度およびガス濃度
    を所定値に保持する分離環境を別個に設けるとともに、
    当該分離環境内の湿度およびガス濃度を所定値に保持す
    るガスバッファを設け、当該分離環境内に前記培養液を
    配置して細胞を培養することを特徴とする細胞培養方
    法。
  2. 【請求項2】 前記ガスは、二酸化炭素または予め組成
    が設定されている組成調整ガスとされることを特徴とす
    る請求項1に記載の細胞培養方法。
  3. 【請求項3】 室内温度が所定値に保持される恒温室
    と、この恒温室内に出入自在に形成された開閉自在で内
    部に培養液が配置される分離培養容器であって、内部の
    湿度およびガス濃度を所定値に保持するガスバッファ
    と、このガスバッファを通して内部へ前記ガスを供給す
    るガス供給系とを備えている分離培養容器とを有するこ
    とを特徴とする細胞培養装置。
  4. 【請求項4】 前記分離培養容器は、火炎滅菌処理温度
    に耐える耐加熱性を有していることを特徴とする請求項
    3に記載の細胞培養装置。
  5. 【請求項5】 前記分離培養容器は、耐火性ガラスまた
    はセラミックスにより形成されていることを特徴とする
    請求項4に記載の細胞培養装置。
  6. 【請求項6】 前記ガスは、二酸化炭素または予め組成
    が設定されている組成調整ガスとされることを特徴とす
    る請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の細胞培
    養装置。
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