JPH11872A - シャーボルトの仮締め機 - Google Patents

シャーボルトの仮締め機

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JPH11872A
JPH11872A JP15250897A JP15250897A JPH11872A JP H11872 A JPH11872 A JP H11872A JP 15250897 A JP15250897 A JP 15250897A JP 15250897 A JP15250897 A JP 15250897A JP H11872 A JPH11872 A JP H11872A
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Japan
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torque
spindle
sleeve
temporary tightening
transmission member
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JP15250897A
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English (en)
Inventor
Kazunori Tsuge
和則 柘植
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Makita Corp
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Makita Corp
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Publication date
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Publication of JPH11872A publication Critical patent/JPH11872A/ja
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  • Details Of Spanners, Wrenches, And Screw Drivers And Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シャーレンチを用いてシャーボルトのナット
を本締めする前の段階では、通常仮締め機によりナット
の仮締めが行われる。この仮締め機において、仮締めト
ルクの調整を行う場合に、従来はハウジングの一部を取
り外す必要があったのでその作業がきわめて面倒であ
り、現実にはほとんどトルク調整作業がなされないのが
実情であった。そこで、この発明では仮締めトルクの調
整を簡単に行うことのできる仮締め機を提供することを
目的とする。 【解決手段】スピンドル11に仮締めトルクが付加され
ると、トルク検知装置の伝達部材12が圧縮ばね22,
23に抗してスピンドル軸方向に移動し、これにより電
源回路が遮断されて回転駆動が自動停止する仮締め機1
であり、圧縮ばね22,23は、伝達部材12と、スピ
ンドル軸方向に移動可能に配置した調整プレート20と
の間に介在させ、ハウジング1aの外部から調整ダイヤ
ル50を回転操作可能に設け、調整ダイヤル50を回転
すると調整プレート20がスピンドル軸方向に移動して
圧縮ばね22,23の付勢力が変化する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、シャーレンチを
用いてシャーボルトにナットを一定のトルク(以下、
「本締めトルク」という)で本締めする前に、本締めト
ルクよりも低い仮締めトルクでナットをシャーボルトに
仮締めするためのシャーボルトの仮締め機に関する。
【0002】
【従来の技術】本締め用のシャーレンチは、シャーボル
ト先端のチップを嵌合するためのインナスリーブと、ナ
ットを嵌合するためのアウタスリーブを備え、インナス
リーブのチップ嵌合部にシャーボルトのチップを嵌合
し、アウタスリーブにナットを嵌合した状態でこのアウ
タスリーブを駆動装置(電動モータ)により回転させる
ことにより、シャーボルトに対してナットを締付け、こ
のナットが一定トルクで締め付けられた時点でアウタス
リーブによるナットの締付け反力をインナスリーブ側の
チップに受けさせることでこのチップを剪断するように
構成されている。
【0003】このようなシャーレンチを用いてシャーボ
ルトにナットを本締めする前段階として、一般的には仮
締め(一次締め)が行われる。この仮締め作業では、シ
ャーボルトに対してナットが一定のトルクまで締め付け
られる。この仮締めを行うシャーボルト仮締め機は、本
締め用のシャーレンチと同様ナットを嵌合するアウタス
リーブと、シャーボルトのチップを嵌合するインナスリ
ーブを備え、シャーボルトの回転を阻止しつつアウタス
リーブを回転駆動させることにより、ナットをシャーボ
ルトに対して一定のトルクまで締め付け、この一定のト
ルク(仮締めトルク)をトルクリミッタで検知してアウ
タスリーブの回転駆動を自動的に停止する構成となって
いる。
【0004】従来、かかる仮締めトルクの設定値を変更
するためのトルク調整機構として、例えば特開平6−3
1645号公報に開示されたものがあった。この従来の
トルク調整機構は、スピンドルにねじにより固定され、
この固定ねじを緩めればスピンドルに対して回転方向の
位置を変更可能なトルク設定円板と、スピンドルに対し
て一定角度回転方向に変位可能に支持した駆動側のトル
ク伝達部材との間に、捩りばねを一定の付勢力を持たせ
た状態で介在させた構成とされ、スピンドルに一定の外
部トルクが付加された時に、捩りばねを撓ませつつ上記
トルク伝達部材をスピンドルに対して回転方向に相対変
位させ、この相対変位によりスイッチをオフさせて電源
回路を遮断する構成となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記従来
のトルク調整機構は、捩りばねの撓みを利用して一定の
仮締めトルクを設定する構成となっており、この設定値
の調整はトルク調整円板のスピンドルに対する回転方向
の位置を調整して捩りばねの撓み量(付勢力の強弱)を
変更することによりなされる構成となっていた。
【0006】ところが、このトルク調整円板は、当該仮
締め機のハウジング内部に組み込まれている部品であっ
たので、トルクの設定値を調整する場合には、ハウジン
グの一部を取り外して、このトルク調整円板を固定して
いるねじを緩めた後、当該トルク調整円板の角度位置を
変更し、然る後固定ねじを締め込んでハウジングの一部
を取付ける必要があり、その結果トルク調整作業はきわ
めて手間がかかり、使い勝手がよくなかった。
【0007】本発明は、この問題に鑑みなされたもの
で、仮締めトルクの調整を簡単に行うことのできるシャ
ーボルトの仮締め機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため請求項1記載の
仮締め機は、スピンドルに仮締めトルクが付加された時
に、トルク検知装置の伝達部材を圧縮ばねに抗して前記
スピンドルの軸方向に移動させ、該移動動作により電源
回路を遮断して、アウタスリーブの回転駆動を自動停止
させるシャーボルトの仮締め機であって、前記圧縮ばね
は、前記伝達部材と、前記スピンドルの軸方向に移動可
能に配置したトルク調整プレートとの間に介在させる一
方、当該仮締め機のハウジングに、トルク調整ダイヤル
を外部から回転操作可能に設け、該トルク調整ダイヤル
と前記トルク調整プレートとの間に、該トルク調整ダイ
ヤルを回転させると、前記トルク調整プレートを前記軸
方向に移動させる動作変換手段を設けたことを特徴とす
る。
【0009】この仮締め機によれば、トルク調整ダイヤ
ルをハウジングの外部から回転操作すると、動作変換手
段を介してトルク調整プレートがスピンドルの軸方向に
移動する。トルク調整プレートが移動すると、伝達部材
との間の間隔が変化し、これにより圧縮ばねの付勢力す
なわち伝達部材を移動させるために必要な仮締めトルク
を変化させることができる。
【0010】このように、ハウジングの外部から仮締め
トルクの調整を行うことができるので、従来のようにハ
ウジングの一部を取り外したり、固定ねじを緩めたりす
る必要がなくなり、このため当該仮締めトルクの調整作
業を大幅に簡略化することができる。また、従来のよう
に固定ねじを緩めたり、締めたりする必要がないのでそ
のための工具を全く必要とせず、この点で当該仮締め機
の使い勝手がよくなり、その商品価値が大幅に高まる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図1
〜図9に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る
シャーボルトの仮締め機1を示している。図中2は、当
該仮締め機1の駆動源としての電動モータであり、この
電動モータ2は、トリガ3のオン操作によりスイッチ4
がオンすると起動する。この電動モータ2の回転は、そ
の出力軸に形成されたピニオンギヤ2a、中間ギヤ5、
中間ギヤ6を経て中間軸7に伝達される。中間軸7の先
端にはかさ歯車7aが形成されており、これはかさ歯車
8に噛み合っている。
【0012】かさ歯車8はスリーブ9に固定され、この
スリーブ9は軸受10a,10bを介してスピンドル1
1に回転可能に支持されている。スリーブ9の図示右側
には同じく筒形状をなす伝達部材12が配置されてい
る。この伝達部材12と上記スリーブ9との間であって
周方向3等分位置には鋼球13がそれぞれ介在されてい
る。
【0013】各鋼球13は、スリーブ9の外周面3等分
位置に形成した傾斜溝部9aと、伝達部材12の内周面
3等分位置に形成した溝部12aとの間にそれぞれ挟み
込まれている。3箇所の傾斜溝部9aは、図9に示すよ
うにスリーブ9の回転軸心に対して傾斜する方向に沿っ
て一定の長さに形成されている。溝部12aは、当該伝
達部材12の回転軸心に沿って一定の長さに形成されて
いる。この各鋼球13〜13を介してスリーブ9の回転
が伝達部材12に伝達される。なお、スリーブ9の回転
軸線と、伝達部材12の回転軸線と、スピンドル11の
回転軸線は一致している。
【0014】伝達部材12とスピンドル11との間であ
って、周方向3等分位置にも鋼球14がそれぞれ介在さ
れている。各鋼球14は、スピンドル11の回転軸線に
沿って一定長さに形成した溝部11aと、伝達部材12
の軸線(従ってスピンドル11の軸線)に沿って一定の
長さに形成した溝部12bとの間にそれぞれ挟み込まれ
ている。この各鋼球14〜14を介して伝達部材12の
回転がスピンドル11に伝達される。
【0015】伝達部材12の溝部12a,12bはそれ
ぞれその回転軸線に沿って形成されているので、この伝
達部材12はスリーブ9およびスピンドル11に対して
軸方向に移動可能となっている。上記スリーブ9、伝達
部材12、鋼球13,14および後述する圧縮ばね2
2,23等によりトルク検知装置が構成されている。
【0016】次に、スピンドル11は軸受15,16に
より回転可能に支持されている。後端部側(図示右端
側)の軸受16の近傍においてスピンドル11には、ト
ルク調整プレート20とスラスト軸受21がそれぞれ軸
方向移動可能に配置されている。スラスト軸受21と上
記伝達部材12との間に、上記圧縮ばね22,23が介
装されている。この両圧縮ばね22,23により伝達部
材12が図示左方へ付勢されており、これにより鋼球1
3は、傾斜溝部9aに対しては相対的にその先端部に保
持され、溝部12aに対しては相対的にその後端部に保
持される。
【0017】圧縮ばね22は圧縮ばね23よりも若干ば
ね定数が小さく、自由長が大きくなっている。図1〜図
4に示す状態では内側の圧縮ばね23は、軸受21に当
接していないので、付勢力を発揮しない自由長の状態と
なっている。これによる作用効果については後述する。
【0018】トルク検知装置の伝達部材12が移動を開
始するために必要な外部トルク(以下、「仮締めトル
ク」という)は、圧縮ばね22または圧縮ばね23また
はその双方の付勢力により決定され、それぞれの付勢力
は、トルク調整プレート20をスピンドル11の軸方向
に移動させることにより一定の範囲で任意に設定するこ
とができる。すなわち、仮締めトルクは、トルク調整プ
レート20を図示左方に移動させるほど圧縮ばね22,
23の付勢力は大きくなるので高く設定することがで
き、トルク調整プレート20を図示右方に移動させるほ
ど圧縮ばね22,23の付勢力は小さくなるので低く設
定することができる。本実施形態に係る仮締め機1にお
いては、仮締めトルクを一定の範囲で任意に設定するこ
とができるトルク設定機構を備えている。このトルク設
定機構については後述する。
【0019】次に、図1に示すようにスピンドル11の
先端部には、ピニオンギヤ11bが形成されており、こ
のピニオンギヤ11bは遊星歯車装置25の第1遊星ギ
ヤ25aに噛み合っている。スピンドル11から出力側
のアウタスリーブ30に至る駆動力伝達経路およびシャ
ーボルト締付け機構については特に変更を要しないが、
以下簡単に説明する。
【0020】当該仮締め機1のハウジング1aの先端開
口部にはアウタスリーブ30が回転可能かつ軸方向移動
不能に装着されている。このアウタスリーブ30の先端
には、シャーボルトのナットを嵌合するためのナット嵌
合部30cが形成されている。また、このアウタスリー
ブ30の内周側には軸受31,32を介して中間スリー
ブ33が回転可能に支持されている。この中間スリーブ
33は、その後端面に形成した面ギヤ34を介して上記
遊星歯車機構25の第2キャリア25bと噛み合ってい
る。従って、中間スリーブ33は上記第2キャリア25
bと一体で回転する。
【0021】上記第1遊星ギヤ25aと、キャリア25
bに回転支持された第2遊星ギヤ25cが、アウタスリ
ーブ30の内周面に形成した第1および第2インターナ
ルギヤ30a,30bに噛み合っている。スピンドル1
1が回転して第1遊星ギヤ25aが自転することにより
アウタスリーブ30が回転する。アウタスリーブ30に
回転抵抗が付加さると、第1遊星ギヤ25aが公転し、
従ってこれを回転支持する第1キャリア25dが回転す
る。第1キャリア25dの回転を経て第2キャリア25
bが回転し、これにより中間スリーブ33が回転する。
【0022】中間スリーブ33の内周側には、インナス
リーブ35が軸方向移動可能に装着されている。このイ
ンナスリーブ35の先端には、図示省略したシャーボル
トのチップを嵌合するためのチップ嵌合部35aが設け
られている。このインナスリーブ35と上記第2キャリ
ア25bとの間には圧縮ばね36が介装されており、こ
のためインナスリーブ35はアウタスリーブ30のナッ
ト嵌合部30cに突き出す方向に付勢されている。
【0023】インナスリーブ35の外周面には軸方向に
沿って周方向複数の噛合い歯35b〜35bが形成さ
れ、中間スリーブ33の内周側であって、軸方向後ろ側
のほぼ半分の範囲には軸方向に沿って周方向複数の噛合
い歯33a〜33aが形成されている。このため、イン
ナスリーブ35は中間スリーブ33に対してスプライン
嵌合されており、これによりインナスリーブ35と中間
スリーブ33は一体で回転する。
【0024】インナスリーブ35の内周側には、チップ
のなめりを防止するためのなめり防止ピン37が軸方向
移動可能に支持され、かつ圧縮ばね38によりチップ嵌
合部35a内に突き出す方向に付勢されている。インナ
スリーブ35のチップ嵌合部35a内にチップが完全に
嵌合されて上記なめり防止ピン37がチップ嵌合部35
a内から退避すると、インナスリーブ35の周面に設け
たストッパ39がインナスリーブ35の内周側に退避し
てインナスリーブ35がアウタスリーブ30の奥側に移
動可能となる。この構成によれば、チップをインナスリ
ーブ35のチップ嵌合部35aに完全に嵌合した状態で
なければ、アウタスリーブ30のナット嵌合部30cに
ナットを嵌合することができず、これによりチップのな
めりが防止されるようになっている。
【0025】このように構成された駆動力伝達経路およ
び締付け機構によれば、シャーボルトのチップをインナ
スリーブ35のチップ嵌合部35aに完全に嵌合した状
態で、インナスリーブ35を後退させつつアウタスリー
ブ30のナット嵌合部30cにシャーボルトのナット
(図示省略)を嵌合する。この段階で、インナスリーブ
35は中間スリーブ33にスプライン嵌合している。こ
の状態で前記トリガ3をオン操作してスピンドル11を
回転させると、アウタスリーブ30が回転してナットが
シャーボルトに締め付けられていく。
【0026】ナットが、仮締めトルクで締め付けられる
と、この時のトルクがスピンドル11を経て前記トルク
検知装置の伝達部材12に付加されるので、図9(B)
に示すように伝達部材12に対してスリーブ9(駆動
側)がナット締め方向に変位する。伝達部材12とスリ
ーブ9との間に介在された鋼球13,13は、回転軸心
に対して傾斜する傾斜溝部9aに嵌まり込んでいるの
で、スリーブ9が伝達部材12に対して回転方向に変位
すると、伝達部材12は軸方向後ろ側に変位し、これに
より仮締めトルクが検知される。こうして、トルク検知
装置により仮締めトルクが検知されると、以下説明する
回転駆動自動停止機構によりアウタスリーブ30の回転
が自動的に停止されるようになっている。
【0027】図2に示すように伝達部材12の後部外周
面には、テーパ部12cと円筒部12dが形成されてい
る。このテーパ部12cまたは円筒部12dにはガイド
ロッド40が突き当てられている。このガイドロッド4
0は、ハウジング1aに上下方向移動可能に支持されて
おり、その下端部は、当該仮締め機1のD型ハンドル部
1b内に至っている。
【0028】D型ハンドル部1b内に、前記トリガ3お
よびメインスイッチ4が配置されている。トリガ3は圧
縮ばね3aにより突き出し側(オフ側)に付勢されてい
る。メインスイッチ4は操作片4aを備えている。この
操作片4aは内蔵する弾性手段により突き出し方向すな
わちオフ側に付勢されている。トリガ3の上方には、支
軸41aを介して中間部材41が回動可能に取付けられ
ている。この中間部材41の、支軸41aに対して図示
左側には係合片41bが側方へ突き出し状に設けられて
おり、この係合片41bに上記ガイドロッド40の下端
が上側から突き当てられている。一方、中間部材41
の、支軸41aに対して図示右側には支軸42aを介し
てスイッチ操作部材42が回動可能に取付けられてい
る。
【0029】支軸42aには、捩りばね43の一端43
aが上側から当接されているため、中間部材41は支軸
41aを中心にして図示時計回り方向すなわちガイドロ
ッド40を上方へ移動させる方向に付勢されている。
【0030】支軸42aを介して中間部材41の図示右
側に回転可能かつ吊り下げ状に支持されたスイッチ操作
部材42は下方に延びて、メインスイッチ4の操作片4
aに接触し、かつトリガ3に設けた係合部3bに対して
接触可能な長さを有している。
【0031】このように構成した回転駆動自動停止機構
は以下のように機能する。図1および図2はトリガ3を
引き操作(オン操作)していない状態を示している。従
って、メインスイッチ4の操作片4aは突き出し側(オ
フ側)に位置している。また、この非駆動状態ではスピ
ンドル11が回転しないので、トルク検知装置は作動せ
ず、従って伝達部材12は後ろ側へ変位していない。こ
のため、ガイドロッド40は上方位置に位置してその上
端は円筒部12dに突き当てられている。この時、スイ
ッチ操作部材42は捩りばね43により下方位置に位置
してその下端はトリガ3の係合部3bに接触している。
【0032】この非駆動状態から、図3に示すようにト
リガ3を引き操作(オン操作)すると、係合部3bに押
されてスイッチ操作部材42が支軸42aを中心にして
図示反時計回り方向に回動し、これにより操作片4aが
押されてメインスイッチ4がオンする。メインスイッチ
4がオンすると図示省略した電源回路により電動モータ
2が回転し、これにより前記した駆動力の伝達経路を経
てアウタスリーブ30が回転する。アウタスリーブ30
が回転してナットがシャーボルトに対して仮締めトルク
まで締め付けられると、図4および図9(B)に示すよ
うにトルク検知装置の伝達部材12が圧縮ばね22に抗
して後ろ側へ変位する。なお、この段階で、鋼球13,
13は傾斜溝部9aの前端部から後端部に移動してお
り、この鋼球13,13の移動距離だけ伝達部材12が
後ろ側へ移動している。
【0033】伝達部材12が後ろ側へ変位すると、円筒
部12dに突き当てられていたガイドロッド40がテー
パ部12cの後ろ側への変位により下方へ変位する。ガ
イドロッド40が下方へ変位すると、その下端に突き当
たっている係合片41bが下方へ押し下げられ、これに
より中間部材41が捩りばね43に抗して反時計回り方
向に回転する。
【0034】中間部材41が反時計回りに回転すると、
スイッチ操作部材42が上方へ引き上げられるので、そ
の先端部がトリガ3の係合部3bから外れる。先端部が
係合部3bから外れると、スイッチ操作部材42はメイ
ンスイッチ4の操作片4aに押されて図示左方(時計回
り方向)に回動するとともに、メインスイッチ4がオフ
して電源回路が遮断され、これにより電動モータ2が停
止してアウタスリーブ30の回転駆動が自動停止する。
【0035】次に、トルク設定機構について説明する。
前記したようにこのトルク設定機構は仮締めトルクを変
更するための機構であり、これはトルク調整プレート2
0をスピンドル11の軸方向に移動させて圧縮ばね2
2,23の付勢力を変化させることにより達成される。
すなわち、仮締めトルクは、トルク調整プレート20を
図示左方に移動させるほど高く設定され、図示右方に移
動させるほど低く設定される。図1〜図4に示す状態
は、トルク調整プレート20が最も右側に移動した状態
であり、従って仮締めトルクが最も低く設定された状態
を示している。これに対して図5に示す状態は、トルク
調整プレート20が最も左側に移動した状態であり、従
って仮締めトルクが最も高く設定された状態を示してい
る。
【0036】トルク調整プレート20の移動は、ハウジ
ング1aの後端に配置したトルク調整ダイヤル50を回
転させることにより外部から簡単に行うことができるよ
うになっている。トルク調整ダイヤル50は、ハウジン
グ1aの後端に設けた軸部1cの外周側に回転可能に取
付けられている。なお、この軸部1cの内側には、スピ
ンドル11の後端部を回転支持する軸受16が固定され
ている。
【0037】トルク調整ダイヤル50の内周面には、そ
の展開状態を図6に示すように180°の範囲で徐々に
高さが変化する2つの傾斜面50b,50bが円対称に
形成されている。両傾斜面50b,50bの最も高い位
置には乗り越え防止用の段差部50cがそれぞれ突き出
し状に形成されている。この両傾斜面50b,50bに
は、トルク調整プレート20の両係合片20a,20a
が摺接される。
【0038】トルク調整プレート20は、図7にその単
体を示すように中心にスピンドル11を挿通するための
挿通孔20bを有する円板形状をなし、その外周に上記
係合片20a,20aが一体に形成されている。両係合
片20a,20aは相互に反対側の側部から外方へ張出
し状に形成されている。しかも、図7(B)に示すよう
にこの両係合片20a,20aは、上記傾斜面50bの
傾斜角度に合わせて、当該プレート20の本体部の面方
向とは若干傾いて設けられており、これにより傾斜面5
0b,50bに対する良好な摺接状態が得られるように
なっている。
【0039】このように構成されたトルク調整プレート
20は、両係合片20a,20aをそれぞれ傾斜面50
bに摺接させた状態でスピンドル11に装着されてい
る。なお、トルク調整プレート20は、その両係合片2
0a,20aをハウジング1aの軸部1cに形成した挿
通溝1d,1dに挿通させることにより軸部1cに対し
て回り止めされている。この構成によれば、トルク調整
ダイヤル50を180°の範囲で回転させると、相対的
にトルク調整プレート20の両係合片20a,20aが
傾斜面50b,50b上を移動して、当該トルク調整プ
レート20が軸方向に移動する。すなわち、トルク調整
ダイヤル50とトルク調整プレート20との間に介在さ
れた、傾斜面50bと係合片20aからなる動作変換手
段により、トルク調整ダイヤル50の回転動作がトルク
調整プレート20のスピンドル軸方向への移動に変換さ
れる。
【0040】このような機構によりトルク調整プレート
20を外部操作により移動させて圧縮ばね22,23の
圧縮量を変化させることができ、これにより仮締めトル
クの設定変更を簡単に行うことができる。
【0041】ここで、トルク調整プレート20を図1〜
図4に示すように最も右側に移動させて仮締めトルクを
最低値に設定した状態では、内側の圧縮ばね23は効い
ていない。このため、上記最低値からトルク調整ダイヤ
ル50を回転させて徐々に設定トルクを上昇させていく
初期の一定範囲では、外側の圧縮ばね22のみが効いて
いる状態となるため、設定トルクの緩やかな調整(微調
整)を行うことができる。調整ダイヤル50をトルク上
昇側へ一定角度回転させて、内側の圧縮ばね23も軸受
21に当接して付勢力を発揮する段階になると、仮締め
トルクは両圧縮ばね22,23の付勢力により決定され
る段階となり、このためより大きな仮締めトルクを設定
することができるようになる。このように自由長の異な
る2本の圧縮ばね22,23を用いることにより、仮締
めトルクの微調整範囲と、より広い調整代の範囲の2種
類の調整を行うことができる。
【0042】調整ダイヤル50の調整位置は、振動等に
よって位置ずれしないようになっている。図8に示すよ
うに軸部1cの外周には、適度に弾性付勢されたストッ
パ突起51が取付けられている。一方、調整ダイヤル5
0の内周面には、全周にわたって一定の間隔で多数の凹
部50a〜50aが形成されている。この凹部50aに
上記ストッパ突起51が弾性的に嵌まり込むことにより
当該調整ダイヤル50の調整位置が保持される。また、
調整ダイヤル50を回転させると、ストッパ突起50a
がその弾性力により各凹部50aに嵌まり込んでいくた
め、操作する者にとってはコツコツ感を得ることがで
き、従ってその使用感がよくなる。また、ストッパ突起
51が各凹部50aに弾性的に嵌まり込むので、回転操
作するにああって適度な抵抗が得られ、従って確実な調
整を行うことができ、この点でも使い勝手がよくなって
いる。
【0043】次に、前記したようにアウタスリーブ30
によりシャーボルトのナットが所定の仮締めトルクで締
め付けられると、トルク検知装置の伝達部材12が後ろ
側へ変位して電源回路が自動的に遮断されるのである
が、この時点でアウタスリーブ30は通常ナットに食い
付いた状態となっている。従って、この食い付きに対し
て何ら対策が施されていないと、アウタスリーブ30を
ナットから外しにくいという問題がある。この点、本実
施形態に係る仮締め機1では上記締付け後の食い付き状
態が自動的に解除される構成となっている。
【0044】すなわち、トルク検知装置のスリーブ9に
形成した傾斜溝部9a,9aは、図9(A)および図9
(B)に示すようにスリーブ9の回転軸線に対して傾斜
する方向に沿って形成されている。このため、シャーボ
ルトのナットが仮締めトルクで締め付けらて、このトル
クがスピンドル11ひいては伝達部材12に付加されて
伝達部材12の回転が阻止される。このため、図9
(B)に示すようにスリーブ9が伝達部材12に対して
ナット締め方向(図示下側)にわずかな角度αだけ変位
する。スリーブ9が伝達部材12に対して変位すると、
傾斜溝部9aおよび鋼球13の作用により伝達部材12
が軸方向後ろ側(図示右方)へ距離Lだけ変位する。伝
達部材12が後ろ側へ変位することにより前記したよう
に電源回路が遮断されて電動モータ2が停止する。電動
モータ2は電源が遮断されると、外力を加えればいずれ
の方向にも回転可能なフリー状態となる。
【0045】一方、電動モータ2(駆動側)がフリー状
態すなわちナット緩め方向に逆転可能な状態になると、
伝達部材12が圧縮ばね22,23により前側へ距離L
だけ戻され、従って、傾斜溝部9aおよび鋼球13の作
用によりスリーブ9がナット緩め方向に角度αだけ戻さ
れる。
【0046】こうして、フリー状態の電動モータ2ひい
てはスリーブ9がナット緩め方向に回転すると、その慣
性力(惰性)により伝達部材12およびスピンドル11
ひいてはアウタスリーブ30がナット緩め方向にわずか
に回転し、これによりアウタスリーブ30のナットに対
する食い付きが自動的に解除される。
【0047】以上のように構成した本実施形態の仮締め
機1によれば、トルク調整ダイヤル50を回転操作する
と、動作変換手段すなわち傾斜面50bに対するトルク
調整プレート20の係合片20aの摺接作用により当該
トルク調整プレート20がスピンドル11の軸方向に移
動し、これにより圧縮ばね22,23の付勢力が変化
し、従って仮締めトルクが変化する。このように、仮締
めトルクを変化させるにはトルク調整ダイヤル50を外
部から回転操作すればよく、従来のようにハウジングの
一部を取り外したり、固定ねじを緩めたりする作業は全
く必要ないのでトルク調整作業を大幅に簡略化すること
ができる。また、従来のように固定ねじを緩め、あるい
は締め付ける作業を要しないので、そのための工具を全
く必要とせず、この点でその商品価値を高めることがで
きる。
【0048】さらに、トルク調整ダイヤル50の内周面
に形成した凹部50a〜50aに対してストッパ突起5
1が弾性押圧されるので、当該調整ダイヤル50を回転
操作する際にコツコツ感を持たせることができ、この点
でその操作性をよくすることができる。
【0049】以上説明した実施形態には種々変更を加え
ることができる。例えば、傾斜面50bと係合片20a
の摺接作用により構成される、回転操作を直線方向の運
動に変換するための動作変換手段はねじ軸とナットを主
体とする構成、すなわち図示は省略したがトルク調整ダ
イヤルの内周面に雌ねじを形成する一方、トルク調整プ
レートの両係合片の側面に雄ねじを形成し、両ねじの螺
合によりトルク調整ダイヤルの回転操作をトルク調整プ
レートの直線移動に変換する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す図であり、シャーボル
ト仮締め機の全体側面図である。なお、主要部の内部構
造がハウジングの破断により示されている。
【図2】仮締め機の後部の内部構造を示す図であり、ト
リガを引き操作しない非使用時における各部の状態を示
す図である。
【図3】仮締め機の後部の内部構造を示す図であり、ト
リガを引き操作した駆動時における各部の状態を示す図
である。
【図4】仮締め機の後部の内部構造を示す図であり、ト
ルク検知装置により仮締めトルクが検知されて、メイン
スイッチがオフされた時点における各部の状態を示す図
である。
【図5】仮締め機の後部の内部構造を示す図であり、仮
締めトルクを最大値に設定した状態を示す図である。
【図6】トルク調整ダイヤルの内周面の展開図である。
【図7】トルク調整プレートの単体斜視図である。
【図8】図5の (8)−(8) 線断面矢視図である。
【図9】トルク検知装置においてスリーブと伝達部材の
位置関係を示す図であり、(A)は伝達部材が前側に位置
する状態を示し、(B) はスリーブが伝達部材に対して回
転方向に変位して、伝達部材が後ろ側に変位した状態を
示す。
【符号の説明】
1…シャーボルトの仮締め機、1c…軸部 3…トリガ 9…スリーブ、9a…傾斜溝部 11…スピンドル、11a…溝部 12…伝達部材 20…トルク調整プレート 30…アウタスリーブ 35…インナスリーブ 50…トルク調整ダイヤル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スピンドルに仮締めトルクが付加された
    時に、トルク検知装置の伝達部材を圧縮ばねに抗して前
    記スピンドルの軸方向に移動させ、該移動動作により電
    源回路を遮断して、アウタスリーブの回転駆動を自動停
    止させるシャーボルトの仮締め機であって、 前記圧縮ばねは、前記伝達部材と、前記スピンドルの軸
    方向に移動可能に配置したトルク調整プレートとの間に
    介在させる一方、当該仮締め機のハウジングに、トルク
    調整ダイヤルを外部から回転操作可能に設け、該トルク
    調整ダイヤルと前記トルク調整プレートとの間に、該ト
    ルク調整ダイヤルを回転させると、前記トルク調整プレ
    ートを前記軸方向に移動させる動作変換手段を設けたこ
    とを特徴とするシャーボルトの仮締め機。
JP15250897A 1997-06-10 1997-06-10 シャーボルトの仮締め機 Pending JPH11872A (ja)

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JP15250897A JPH11872A (ja) 1997-06-10 1997-06-10 シャーボルトの仮締め機

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