JPH1187155A - 薄膜インダクタ - Google Patents

薄膜インダクタ

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JPH1187155A
JPH1187155A JP24246997A JP24246997A JPH1187155A JP H1187155 A JPH1187155 A JP H1187155A JP 24246997 A JP24246997 A JP 24246997A JP 24246997 A JP24246997 A JP 24246997A JP H1187155 A JPH1187155 A JP H1187155A
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JP
Japan
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film
magnetic
copper
thin
coil
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Withdrawn
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JP24246997A
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English (en)
Inventor
Hidekuni Sugawara
英州 菅原
Masanori Kumagai
政則 熊谷
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Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きなインダクタンス値及び良好な効率が得
られる薄膜インダクタを提供すること。 【解決手段】 この薄膜インダクタは、ガラス基板1上
に成膜した磁気的に等方な複合磁気異方性膜2上に絶縁
層(図示せず)を介して化学メッキ法によりメッキ銅で
形成した銅メッキスパイラルコイル3を配置し、この銅
メッキスパイラルコイル3上に絶縁層(図示せず)を介
して別の複合磁気異方性膜2を成膜し、別の複合磁気異
方性膜2の中心を通して銅メッキスパイラルコイル3の
中心の端部と他端部が電極に接続されるアルミニウムボ
ンディング線4の一端部とを接続することにより、一対
の複合磁気異方性膜2間に銅メッキスパイラルコイル3
が組み合わされ、且つ銅メッキスパイラルコイル3の全
体が複合磁気異方性膜2の複数の磁性層によって覆われ
ると共に、外鉄磁心を有する構成となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてハイパワ
ー用電源に使用されるDC/DCコンバータ及びAC/
DCコンバータ等へ適用される薄膜インダクタに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の薄膜インダクタは、基板
の厚みを除いた素子の全体の厚みが100μm前後と薄
いため、今後に予測される電源の分散化に伴う小型化,
小パワー化,高効率化が要求される超小型電源への採用
が検討されている。因みに、こうした超小型電源は、例
えば携帯情報機器,パソコン,センサー電源等への応用
が可能である。
【0003】こうした薄膜インダクタ素子を製造する場
合、磁性薄膜形成のための金属ターゲット及び絶縁性タ
ーゲットからのスパッタリング法と、銅コイル形成のた
めの化学メッキ法とが導入されている。その他に必要と
される微細パターン形成では、フォトマスクを用いた露
光によって数μmのレジストパターン形成後、磁性層や
導体を成膜し、その後にリフトオフ法を用いて加工する
工程を有するため、半導体製造技術とほぼ同じ技術が採
用されている。
【0004】一般に薄膜インダクタでは、主に数mmの
フェライト巻き線コイル及びフェライトチップが使われ
ているため、電気回路部分は駆動周波数が1〜5[MH
z]と高周波化による小型化が進展しているにも拘ら
ず、インダクタの形状が大きいために回路自体の厚みが
薄くならず、形状も小さくならないが、特に将来的に予
測される電源の分散化に伴う超小型電源に採用する場
合、インダクタの小型化薄型化が是非とも必要である
上、超小型電源の発展傾向としてインダクタやキャパシ
タを薄型フリップチップ化してカードの中に挿入する形
態も考えられるため、素子の厚みの薄型化が必須となっ
ている。
【0005】そこで、薄膜インダクタはフェライト巻き
線コイル及びフェライトチップから薄膜素子に移行する
必然性があり、こうした素子の厚みが薄いものはDC/
DCコンバーター等の小型化薄型化に最適となってい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した薄膜素子によ
る薄膜インダクタの場合、磁性体の構成やインダクタの
形状に制約があるため、インダクタンス値が小さかった
り、或いは効率が悪いという問題がある。
【0007】具体的に云えば、薄膜インダクタに使用す
る磁性体は、高周波数帯での特性改善を目的として軟磁
性層及び絶縁層を多層構造にし、一方向に磁気異方性方
向を有する複数の磁気異方性層を互いに磁気異方性方向
が異なるように絶縁層と交互に積層して複合化した構成
の磁気的に等方な複合磁気異方性膜であり、インダクタ
の形状は、ミアンダ形コイル(一軸磁気異方性膜の外鉄
磁心),螺旋コイル(一軸磁気異方性膜の内鉄磁心),
スパイラルコイル(一軸又は複合磁気異方性膜の外鉄磁
心)等であるが、上述した問題はこうした磁性体とコイ
ルとの最適な組み合わせの検討が現状では十分に行われ
ていないことに起因している。
【0008】即ち、ミアンダ形コイルの場合、作製自体
は容易であるが、コイルの形状から一軸磁気異方性膜に
しか使えず、更に磁束方向がコイル線毎に逆転するた
め、大きなインダクタンス値が得られなくなってしま
う。
【0009】螺旋コイルの場合、一軸磁気異方性膜を用
いると直線の開磁路構造となってインダクタンスが小さ
くなってしまい、複合磁気異方性膜を用いるとリング状
の閉磁路となって大きなインダクタンス値を得るために
は巻き線を多く巻く必要により形状が大きくなってしま
う。
【0010】スパイラルコイルの場合、同心円の中心方
向に大きな磁束を発生させるために高いインダクタンス
値が得られるが、薄膜インダクタを構成する際には一軸
磁気異方性膜を使用しているため、この一軸磁気異方性
膜の膜厚を厚くすると反磁界により透磁率が低下してし
まったり、或いは熱処理により異方性分散を大きくして
磁気的に等方にするとインダクタンス値が増加する反
面、損失も同時に増加して効率が低下してしまう。又、
コイルの製造に際しては主にスパッタ法を採用している
ため、10μm以上のコイル膜厚を作製することが困難
であり、これによって直流抵抗を低減できないという問
題もある。
【0011】一方、磁性体として使用される複合磁気異
方性膜は、絶縁層を介した磁性層毎に一軸磁気異方性方
向を45度回転してシフトさせて成膜するため、4n
(但し、nは自然数とする)層構造では成膜のみ(As
−made)でも磁気的に等方な性質が得られ、更に異
方性方向が磁性層毎に異なることにより反磁界の影響が
少なく、透磁率が低下しないという特徴がある。それ
故、複合磁気異方性膜はスパイラルコイルを用いる構成
の薄膜インダクタには適していると考えられるが、現状
ではこうした特徴が充分に活用されずに実施されていな
い。
【0012】本発明は、このような問題点を解決すべく
なされたもので、その技術的課題は、大きなインダクタ
ンス値及び良好な効率が得られる薄膜インダクタを提供
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、外鉄型
磁心を有すると共に、化学メッキ法によりメッキ銅で形
成した銅メッキスパイラルコイルを磁気的に等方な複合
磁気異方性膜に組み合わせて成る薄膜インダクタが得ら
れる。
【0014】又、本発明によれば、上記薄膜インダクタ
において、複合磁気異方性膜は、互いに磁気異方性方向
が異なるように複数の磁性層を積層して成り、且つ該複
数の磁性層の厚みの総和は2μm以上であり、銅メッキ
スパイラルコイルにおけるメッキ銅の厚みは10μm以
上である薄膜インダクタが得られる。
【0015】更に、本発明によれば、上記薄膜インダク
タにおいて、銅メッキスパイラルコイルは、複合磁気異
方性膜の一対のものの間に配備され、且つ全体が複数の
磁性層で覆われて成る薄膜インダクタが得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げ、本発明の薄
膜インダクタについて、図面を参照して詳細に説明す
る。
【0017】図1は、本発明の一実施例に係る薄膜イン
ダクタの要部構成を分解して示した斜視図である。この
薄膜インダクタは、ガラス基板1上に磁気的に等方な複
合磁気異方性膜2を成膜し、この複合磁気異方性膜2上
に図示されない絶縁層を介して化学メッキ法によりメッ
キ銅で形成した銅メッキスパイラルコイル3を配置し、
この銅メッキスパイラルコイル3上に図示されない絶縁
層を介して別の複合磁気異方性膜2を成膜し、更に別の
複合磁気異方性膜2の中心を通して銅メッキスパイラル
コイル3の中心における端部と他端部が電極に接続され
るアルミニウムボンディング線4の一端部とを接続する
ことにより、一対の複合磁気異方性膜2間に銅メッキス
パイラルコイル3が組み合わされ、且つ銅メッキスパイ
ラルコイル3の全体が複合磁気異方性膜2の複数の磁性
層によって覆われると共に、外鉄磁心を有する構成とな
っている。
【0018】このうち、一対の複合磁気異方性膜2は、
図2に示されるように、厚さ4μmの絶縁性基材2c上
に一軸磁気異方性方向を示す4つの磁性層2aと4つの
絶縁層2bとを交互に積層した多層構造となっており、
磁性層2aは互いに磁気異方性方向が45度シフトされ
て異なるように配置されている。又、4つの磁性層2a
は、それぞれ厚さ20nmのSiO2 層等の絶縁層2a
´により1層当たりの厚さ0.5μmのCoNbZr層
等の磁性層が2分割されて成っており、4つの絶縁層2
bはそれぞれ厚さ300nmSiO2 層等から成ってい
る。ここで4つの磁性層2aはそれぞれ一軸磁気異方性
を保ったままであるが、膜全体としては磁気的に等方な
特性を示す。因みに、実際の複合磁気異方性膜2におけ
る4n層構造は4層構造をn回繰り返して作製されるも
ので、例えばn=5回とすれば磁性層2a全体における
厚さの総和は(2μm×5=)10μmとなる。尚、絶
縁性基板2cとして使用可能な材料としては、シリコン
基板,低温焼成セラミックス等のセラミックス基板,ガ
ラスエポキシ等のプリント配線板,ポリイミド等の樹脂
絶縁基板等が挙げられる。
【0019】この複合磁気異方性膜2の場合、磁性層2
a及び絶縁層2bによる多層構造から成るため、層面内
で等方な磁気特性を示し、しかも面内方向に発生する磁
束成分による渦電流が抑制されるため、高周波帯域でも
良好な透磁率が得られるものとなる。
【0020】ところで、各磁性層2aの一軸磁気異方性
の付与は永久磁石を2ケ平行に並べて各磁性層2a毎に
磁束方向をシフトさせて成膜すれば良い。こうした方法
により、熱処理しないで層面内で磁気的に等方な透磁率
を有する軟磁性層を作製できる。尚、一軸磁気異方性の
付与の方法としては、ここでの平行磁石による磁界を基
板を中心にして回転させる方法の他、Arガス流方向に
対して基板を回転させて形状磁気異方性を形成させる方
法や、或いはこれらの方法を併用する方法等が挙げられ
る。
【0021】一方、銅メッキスパイラルコイル3を得る
ための化学メッキ法としては、基板上にメッキ用電極及
びコイルパターンを形成し、その上にレジスト壁を数1
0μm塗布してから露光,現像した後、Cuメッキ層を
40μm形成するか、或いは基板にTi及びCuを薄く
スパッタし、その上にレジスト壁を数10μm塗布して
から露光,現像した後、Cuメッキ層を40μm形成
し、更にイオンビームエッチングでコイル部以外のC
u,Tiを除去するようにすれば良い。こうした方法に
よれば、厚さ40μmに及ぶ厚いCu層(銅メッキ)を
形成できるため、直流抵抗を低下させることができる。
【0022】即ち、この薄膜インダクタの場合、複合磁
気異方性膜2と銅メッキスパイラルコイル3とを組み合
わせることにより、透磁率を低下させずに大きなインダ
クタンス値で低直流抵抗な特性が得られて効率が改善さ
れる上、一対の複合磁気異方性膜2の磁性層2aで銅メ
ッキスパイラルコイル3の全体を覆って外部へ露出させ
ないために高周波ノイズの低減化も有効となる。
【0023】図3は、この薄膜インダクタの基本構成を
示した平面図である。ここでは、上述したように、ガラ
ス基板1上に成膜した複合磁気異方性膜2上に絶縁層1
0を敷き、この上に銅メッキを用いて化学メッキ法によ
り形成した銅メッキスパイラルコイル3を配置した後、
この上に絶縁層10及び別の複合磁気異方性膜2を成膜
し、別の複合磁気異方性膜2の中心部より銅メッキスパ
イラルコイル3の端部を取り出してアルミニウムボンデ
ィング線4により電極5に結線して薄膜インダクタが作
製されている。尚、電極5はSMD電極であり、半田ラ
ンドになる。
【0024】表1は、薄膜インダクタ構造として各部の
仕様とその設計値とを例示したものである。
【0025】
【表1】
【0026】尚、表1において、銅メッキスパイラルコ
イル3のターン数は、これを増やすとインダクタンス値
が増加する反面、抵抗値も増加する。又、組成Co86
9Zr5 の磁性層2aの磁気特性は、飽和磁束密度B
s が1.05Teslaであり、飽和磁歪λs が+0.
5×10-6であり、膜単層の比抵抗ρが120μΩcm
となっており、透磁率(μ′,μ″)に関してはAs−
made(成膜が終わった状態)と300℃RFA処理
(回転磁界中熱処理)とにおいて10mm角の試料の場
合に1MHzでそれぞれ(600,5)と(1800,
80)となっている。
【0027】即ち、ここでの薄膜インダクタの全体の厚
みは、ガラス基板1の厚み0.5mmを除いた場合、磁
性層2aが上下合わせて20μmであり、絶縁層2b及
び絶縁性基材2cが上下合わせて40μmであり、銅メ
ッキスパイラルコイル3の厚みが40μmであるので、
これらの総和である100μmとなる。
【0028】図4は、表1に示した12ターン時の空心
銅メッキスパイラルコイル3に関するインダクタ特性と
して周波数f(MHz)に対するL(μH),R
(Ω),Q特性の測定結果及び計算結果を示したもので
ある。
【0029】ここでは、As−madeにおける空心銅
メッキスパイラルコイル3の0.5MHzにおけるイン
ダクタンスLair 測定値が0.3μHであってインダク
タンスLair 計算値0.45μHに近いことを示してお
り、更に直流抵抗Rdc測定値が0.95Ωであって直流
抵抗Rdc計算値0.85Ωにほぼ一致していることが判
った。
【0030】尚、ここでは抵抗Rair 計算値でμ=1と
しており、インダクタンスLair 測定値から交流損失を
計算することによってLair ,Rair ,Qair の値を得
ている。
【0031】図5は、磁心を両面に配置した場合の12
ターン時の磁心銅メッキスパイラルコイル3に関するイ
ンダクタ特性として周波数f(MHz)に対するL(μ
H),R(Ω),Q特性の測定結果及び計算結果を示し
たものである。
【0032】ここでは、As−madeにおける磁心銅
メッキスパイラルコイル3のインダクタンスLmag 測定
値が1.7μHであり、交流損失抵抗Rmag が1MHz
付近で増大し、1.5MHzでのQmag 測定値が最大
5.7となることが判った。
【0033】尚、ここではインダクタンスLmag 計算値
を磁心銅メッキスパイラルコイル3によるインダクタン
スL値が1.55μHであり、空心銅メッキスパイラル
コイル3のインダクタンスL値が0.3μHであると
し、これらの双方を合せて数値を得ている。又、薄膜イ
ンダクタの損失は直流抵抗Rdcと交流損失抵抗Rac(R
mag )に分けられるため、交流損失抵抗Rmag の計算で
は直流抵抗Rdcに空心銅メッキスパイラルコイル3のイ
ンダクタンスL値から起因する交流損失と磁心銅メッキ
スパイラルコイル3に起因する交流損失とを合わせて数
値を得ている。磁心銅メッキスパイラルコイル3の損失
計算に用いた材料特性は、CoNbZr(ρ=115Ω
cm)及びSiO2 多層膜であるので、見かけ上Bs
7000G,ρ=200μΩcm,μ′=400として
計算した。
【0034】図6は、ここでの薄膜インダクタのRFA
処理による周波数f(MHz)に対するL(μH),R
(Ω),Q特性(インダクタ特性の熱処理依存性)を示
したものである。一般に、アモルファス材料は熱処理に
より透磁率が増加するので、As−madeの試料を2
10℃から30℃づつ300℃までRFA処理するとイ
ンダクタンスL値は図示のように、1.7μHから3.
7μH(RFA at300℃)に増加する。この際、
交流損失抵抗Racも1MHzでは1.6Ωから5Ωに増
えるため、その結果としてQ値のピークは5.7と同じ
であるが、そのピーク周波数は1.5MHzからより低
周波側にシフトして300℃では500kHz付近にな
る。
【0035】そこで、こうしたインダクタ特性の熱処理
依存性に基づいて一軸磁気異方性膜を磁性層2aに用い
て薄膜インダクタを構成すると、インダクタンス値Lが
半分の0.8μHとなり、効率も半分の2.5となり、
RFA処理するとインダクタンス値Lは逆に低下した。
これは透磁率の増加に伴って反磁界が増加して見かけ上
のインダクタンス値Lが減るためである。
【0036】以上により、ここでの薄膜インダクタは、
素子の厚みが100μmであり、これまでのフェライト
コア及びフェライトチップによる素子の厚み800μm
に比べて一桁近くも薄く作製することができ、インダク
タ特性としてAs−madeでインダクタンスL値を
1.7μHにでき、更に300℃RFA処理を行えばイ
ンダクタンスL値を3.7μHという大きなものにして
効率を5.7にできるという結果が得られた。このよう
な特性は、導体コイルを一層構造とした場合、ここでの
薄膜インダクタのように複合磁気異方性膜2と銅メッキ
スパイラルコイル3との組み合わせを適用することによ
り初めて得られたものである。
【0037】そこで、表2に示されるように、複合磁気
異方性膜2の磁性層2aの厚みと銅メッキスパイラルコ
イル3の導体厚とを変えて実施例1〜実施例9に係る薄
膜インダクタを作製して1.5MHzにおけるL(μ
H),R(Ω),Q特性を評価した。
【0038】
【表2】
【0039】表2からは、複合磁気異方性膜2の磁性層
2aの厚み及び銅メッキスパイラルコイル3の導体厚が
増える程、インダクタンス値L及び抵抗値Rが増加して
いることが判る。
【0040】
【発明の効果】以上に述べた通り、本発明の薄膜インダ
クタによれば、化学メッキ法によりメッキ銅で形成した
銅メッキスパイラルコイルを磁気的に等方な複合磁気異
方性膜に組み合わせて外鉄磁心を有する構成としている
ため、極めて薄型の構成により透磁率が低下されずに大
きなインダクタンス値で低直流抵抗な特性が得られて効
率が改善される(高Q値化が具現される)ようになる
上、一対の複合磁気異方性膜の磁性層で銅メッキスパイ
ラルコイルの全体を覆って外部へ露出させないために高
周波ノイズの低減化も有効に計り得るようになる。この
結果、将来的に予測される電源の分散化に伴う超小型電
源への採用が有望視される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る薄膜インダクタの要部
構成を分解して示した斜視図である。
【図2】図1に示す薄膜インダクタに用いられる複合磁
気異方性膜の細部構成を拡大して示した斜視図である。
【図3】図1に示す要部を含む薄膜インダクタの基本構
成を示した平面図である。
【図4】図1に示す薄膜インダクタに用いられる空心銅
メッキスパイラルコイルにおけるインダクタ特性として
周波数に対するL,R,Q特性の測定結果及び計算結果
を示したものである。
【図5】図1に示す薄膜インダクタに用いられる磁心銅
メッキスパイラルコイルにおけるインダクタ特性として
周波数に対するL,R,Q特性の測定結果及び計算結果
を示したものである。
【図6】図1に示す薄膜インダクタのRFA処理による
周波数に対するL,R,Q特性(インダクタ特性の熱処
理依存性)を示したものである。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 複合磁気異方性膜 2a 磁性層 2a´,2b,10 絶縁層 2c 絶縁性基材 3 銅メッキスパイラルコイル 4 アルミニウムボンティング線 5 電極

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外鉄型磁心を有すると共に、化学メッキ
    法によりメッキ銅で形成した銅メッキスパイラルコイル
    を磁気的に等方な複合磁気異方性膜に組み合わせて成る
    ことを特徴とする薄膜インダクタ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の薄膜インダクタにおい
    て、前記複合磁気異方性膜は、互いに磁気異方性方向が
    異なるように複数の磁性層を積層して成り、且つ該複数
    の磁性層の厚みの総和は2μm以上であり、前記銅メッ
    キスパイラルコイルにおける前記メッキ銅の厚みは10
    μm以上であることを特徴とする薄膜インダクタ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の薄膜インダクタにおい
    て、前記銅メッキスパイラルコイルは、前記複合磁気異
    方性膜の一対のものの間に配備され、且つ全体が前記複
    数の磁性層で覆われて成ることを特徴とする薄膜インダ
    クタ。
JP24246997A 1997-09-08 1997-09-08 薄膜インダクタ Withdrawn JPH1187155A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9655247B1 (en) 2015-11-19 2017-05-16 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Coil component and board having the same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9655247B1 (en) 2015-11-19 2017-05-16 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Coil component and board having the same

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