JPH1184193A - Szスロット型光ファイバケーブルの製造方法および装置 - Google Patents

Szスロット型光ファイバケーブルの製造方法および装置

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JPH1184193A
JPH1184193A JP9244437A JP24443797A JPH1184193A JP H1184193 A JPH1184193 A JP H1184193A JP 9244437 A JP9244437 A JP 9244437A JP 24443797 A JP24443797 A JP 24443797A JP H1184193 A JPH1184193 A JP H1184193A
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optical fiber
slot
core
slot groove
phase
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JP9244437A
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Inventor
Naoki Okada
直樹 岡田
Masayoshi Yamanaka
正義 山中
Yoshiyasu Sato
吉保 佐藤
Hiroto Watanabe
裕人 渡邉
Suehiro Miyamoto
末広 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバ心線を、確実にしかも効率よくS
Zスロットのスロット溝内に収容することが可能な光フ
ァイバケーブルの製造方法および装置を提供する。 【解決手段】 光ファイバ心線22を、開口部3bおよび挿
通孔6aを有する回転板3を用いてスロット18のスロット
溝21内に収容する方法であって、スロット18および光フ
ァイバ心線22をそれぞれ回転板3の開口部3bおよび挿通
孔3aに挿通し、これらを引き取りつつ光ファイバ心線22
をスロット溝21内に順次収容する際、スロット溝21の反
転ピッチをp、反転角をγ、心線収容位置Dから回転板3
までの距離をl、位置Dを基点としたスロット18の引き取
り距離をzとしたときに、回転板3を、挿通孔6aの位相α
が下記式(I)で示される関係を満たすように回動させ
る。 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、SZスロット型光
ファイバケーブルを製造する方法および装置に関し、特
に光ファイバ心線を確実にかつ効率よくSZスロットの
スロット溝内に収容できる光ファイバケーブルの製造方
法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】SZスロット型光ファイバケーブルと
は、スロット溝がS撚りとZ撚りとを交互に繰り返すS
Z撚りに形成されてなるスロットを用いたものであり、
このスロット溝内に収容された光ファイバの後分岐を行
なう際の操作性に優れているものである。
【0003】図18および図19は、この種のSZスロ
ット型光ファイバケーブルを用いた自己支持型光ファイ
バケーブルの一例を示したもので、図17は断面図、図
18はSZスロットの構造を示した平面図である。この
自己支持型光ファイバケーブルは、支持線11とSZス
ロット型光ファイバケーブル13とが連結部12によっ
て一体化された構造とされている。支持線11は、亜鉛
メッキ鋼撚線などからなる支持線本体14をポリエチレ
ンなどからなる被覆体15で被覆したものである。連結
部12は、支持線11と光ファイバケーブル13とを連
結、一体化するためのもので、ポリエチレンなどの合成
樹脂からなるものである。
【0004】光ファイバケーブル13は、ケーブルコア
16と、このケーブルコア16を被覆するポリエチレン
などからなるシース17とからなっている。ケーブルコ
ア16は、SZスロット18の上に不織布などからなる
押え巻き19が設けられた構造を有するもので、スロッ
ト18は、その中心に抗張力線20を備え、外周に、ス
ロット長手方向に沿う複数本の溝21を有する。
【0005】スロット溝21は、SZ撚りとなるように
形成されている。ここで、S撚りからZ撚り(あるいは
Z撚りからS撚り)に撚り返す破線T−Tで表わされる
部分を反転部と呼び、破線R−Rで表わされる反転部か
ら反転部までの中間点を回転部と呼ぶ。また、1つの反
転部Tからこれに隣接する反転部Tまでの距離を反転ピ
ッチpと呼ぶ。スロット溝21内には、単心、2心タイ
プなどの光ファイバ心線24が収納されている。
【0006】このSZスロット型光ファイバケーブル1
3の後分岐を行なう際には、図19に示すように、シー
ス17および押え巻き19の一部をスロット18から剥
離した後、反転部Tにて光ファイバ心線24をスロット
18から解放して作業を行なう。このように、SZスロ
ット型光ファイバケーブルでは、一方向撚りのケーブル
と異なり、反転部Tにて容易に光ファイバ心線24を取
り出せるようになっている。
【0007】上記SZスロット型光ファイバケーブル1
3を製造するには、例えば次のようにする。図20は、
光ファイバケーブル13を製造するために用いられる製
造装置の例を示すもので、ここに示す製造装置は、第1
および第2の光ファイバ心線位置調整回転板32、33
と、収容ダイス1とを備えて構成されている。
【0008】第1および第2の光ファイバ心線位置調整
回転板32、33は、スロットに対する光ファイバ心線
の位置を調整し、光ファイバ心線をスロット溝内に収容
しやすい位置に配置するためのもので、それぞれ円板状
に形成され、周方向に回動可能に支持されている。回転
板32、33は、連結部34を介して互いに連結、一体
化されている。回転板32、33の中心近傍には、スロ
ット挿通用の開口部32b、33bが形成され、該開口
部32b、33bより周縁側の位置には、光ファイバ心
線24を挿通するための複数の挿通孔32a、33aが
設けられている。これら挿通孔32a、33aは、回転
板32、33の周方向に亙ってスロット溝数と同数設け
られている。
【0009】第1の回転板32の挿通孔32aには、導
入パイプ35が挿通している。この導入パイプ35は、
光ファイバ心線をスロット溝内に導入するためのもの
で、その先端部分は収容ダイス1内に達している。また
回転板32には、開口部32b側に突出したスロット溝
位相検出ピン36が固定されている。この検出ピン36
は、開口部32bにスロットを挿通した時に、スロット
溝内に挿入されるように設けられている。収容ダイス1
は、光ファイバ心線をスロット溝内に収容するためのも
ので、開口部の最小内径がスロットの外径とほぼ等しい
筒状体である。
【0010】この方法では、まず、スロット18を、回
転板33、32の開口部33b、32b、および収容ダ
イス1に順次挿通し、図中矢印方向に一定速度で引き取
る。この際、スロット溝21内に、回転板32に設けら
れたスロット溝位相検出ピン36が挿入されるようにす
る。また、導入パイプ35の先端部分を、収容ダイス1
内でスロット溝21内に配置する。また同時に、光ファ
イバ心線24を、回転板33の挿通孔33a、導入パイ
プ35を経て、収容ダイス1内に位置するスロット18
のスロット溝21内に位置させた状態で、図中矢印方向
に上記一定速度で引き取る。
【0011】スロット18が引き取られるにつれて、回
転板32の開口部32b内に位置するスロット18のス
ロット溝21の位相は変化する。この際、スロット溝2
1内には位相検出ピン36が挿入されているため、スロ
ット溝21の位相に合わせて回転板32および回転板3
3が周方向に回動し、これに伴い、導入パイプ35に挿
通した光ファイバ心線24はスロット溝21の位相に応
じた位置に配置される。上記スロット18のスロット溝
21はSZ撚りに形成されているため、回転板32、3
3の回動方向は、所定のスロット引き取り距離ごとに逆
転する。光ファイバ心線24は、導入パイプ35を通過
した後、スロット溝21内に順次収容されていく。
【0012】このようにして、光ファイバ心線24をス
ロット18のスロット溝21内に収容した後、スロット
18の外周にナイロンヤーンなどからなる粗巻、および
不織布などからなる押え巻き19を施してケーブルコア
16を作製し、ケーブルコア16と、支持線本体14と
を一括被覆し、上記光ファイバケーブル13を有する自
己支持型光ファイバケーブルを得る。
【0013】ところで、近年では、利用者数の増加にと
もない、光ファイバケーブルの多心化が要望されてお
り、多心テープ心線を複数枚積層してスロット溝内に収
容したSZスロット型光ファイバケーブルが提案されて
いる。図21は、この種のSZスロット型光ファイバケ
ーブルを用いた自己支持型光ファイバケーブルの例を示
すものである。ここに示す自己支持型光ファイバケーブ
ルの光ファイバケーブル43が上記光ファイバケーブル
13と異なるところは、スロット溝21内に、4〜16
心などの光ファイバテープ心線22を2〜10枚積層し
た光ファイバテープ心線積層体23が収容されている点
である。このような構造のSZスロット型光ファイバケ
ーブルは、本出願人によって既に特許出願された特願平
8−320334に詳しく記載されている。
【0014】図22は、上記SZスロット型光ファイバ
ケーブル43における光ファイバテープ心線22がスロ
ット溝21内に収容されている状態を示したモデル図で
あり、1本のスロット溝21において、反転部Tから回
転部Rを通り、他の反転部Tに至るまでの間に、ケーブ
ル長さ方向において変化する光ファイバテープ心線22
の状態をその断面で示したものである。
【0015】回転部Rにおいては、光ファイバテープ心
線22はスロット溝21の中心軸Cに対してその幅方向
(光ファイバ素線の配列方向)がほぼ直交するように配
置される。そして、この回転部Rにおける光ファイバテ
ープ心線22の幅方向を基準とし、前記反転部Tから他
の反転部Tに至るまでの光ファイバテープ心線22の幅
方向が、前記回転部Rにおける光ファイバテープ心線2
2の幅方向に対して常に略平行になるように、前記積層
体23が撚り返されつつ、スロット溝21内に積層状態
を保ちながら収容されている(この状態を撚り返し有り
で集合するという)。また、図22においては、1本の
スロット溝21の状態が示されているが、他のスロット
溝21に収容された積層体23も同様の状態となってい
る。また、1つの反転部Tから他の反転部Tに至るまで
のスロット溝21の位相差、即ち図22に示す角度γを
反転角という。
【0016】上記構成のSZスロット型光ファイバケー
ブル43では、光ファイバテープ心線22が、その幅方
向が常に回転部Rにおける光ファイバテープ心線22の
幅方向に対してほぼ平行となるように、積層状態を保っ
てスロット溝21内に収容されているので、ケーブル巻
き返し、ヒートサイクルなどの光ファイバテープ心線2
2に応力が印加される状況下においてもこの応力が局所
に集中することがなく、伝送特性劣化が起こりにくいも
のとなっている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
造のSZスロット型光ファイバケーブルを製造するため
に、上記製造方法を採用すると、次のような問題が生じ
ることがあった。上記製造方法では、特にスロット18
の引き取り速度を高めた場合に、導入パイプ35が、ス
ロット18との摩擦やスロット18によって加えられる
外力などによって破損し、生産効率の低下を招くことが
あった。このため、導入パイプ35を用いずに光ファイ
バ心線をスロット溝内に確実にかつ効率よく収容するこ
とができる方法が要望されていた。
【0018】また、回転板32、33が回動するのにつ
れて、導入パイプ35がスロット18の周方向に回動す
るため、積層体23を、幅方向を常にほぼ一定方向に向
けてスロット溝21内に収容しようとすると、回転板3
2、33が回動する際に、導入パイプ35の内壁によっ
て積層体23にパイプ周方向の大きな力が加わり、積層
体23を構成する光ファイバテープ心線22同士が互い
にずれてその積層状態が崩れ、この状態で光ファイバテ
ープ心線22がスロット溝内に収容されてしまうことが
あった。光ファイバテープ心線22の積層状態が乱れた
光ファイバケーブルは、光ファイバテープ心線22に応
力が加わりやすく、伝送特性劣化が起こりやすいものと
なる。
【0019】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は以下に示す通りである。 (1)光ファイバ心線を、確実にしかも効率よくSZス
ロットのスロット溝内に収容することが可能なSZスロ
ット型光ファイバケーブルの製造方法および装置を提供
する。 (2)複数の光ファイバテープ心線が良好な積層状態で
SZスロットのスロット溝内に収容されたSZスロット
型光ファイバケーブルを製造することが可能な方法およ
び装置を提供する。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題は、光ファイバ
心線を、1または複数の心線位置調整回転板を用いてS
Zスロットのスロット溝内に収容するSZスロット型光
ファイバケーブルの製造方法であって、心線位置調整回
転板として、中心近傍にSZスロット挿通用の開口部を
有し、かつ該開口部より周縁側に光ファイバ心線挿通孔
を有するものを用い、SZスロットを心線位置調整回転
板の開口部に挿通するとともに、光ファイバ心線を光フ
ァイバ心線挿通孔に挿通し、これらSZスロットおよび
光ファイバ心線を引き取りつつ、光ファイバ心線を前記
スロット溝内に順次収容し、この際、前記スロット溝の
反転ピッチをp、反転角をγ、光ファイバ心線をスロッ
ト溝内に収容する位置から心線位置調整回転板までの距
離をl、前記位置を基点としたSZスロットの引き取り
距離をzとしたときに、心線位置調整回転板のうち少な
くとも1つを、該回転板の光ファイバ心線挿通孔の位相
αが、下記式(I)で示される関係を満たすように回動さ
せるSZスロット型光ファイバケーブルの製造方法によ
って解決することができる。
【数2】 また、光ファイバ心線として複数の光ファイバテープ心
線を用いた場合には、心線位置調整回転板として、前記
光ファイバ心線挿通孔が、積層した状態の前記複数の光
ファイバテープ心線の断面形状に沿う形状とされたもの
を用いることが好ましい。また、本発明のSZスロット
型光ファイバケーブルの製造装置は、光ファイバ心線を
SZスロットのスロット溝内に収容する収容手段と、光
ファイバ心線をスロット溝内に収容しやすい位置に配置
する1または複数の心線位置調整回転板と、SZスロッ
トのスロット溝の位相を検出するスロット溝位相検出手
段とを有し、前記心線位置調整回転板は、中心近傍に設
けられたSZスロット挿通用の開口部と、該開口部より
周縁側に設けられた光ファイバ心線挿通孔とを有し、か
つスロット溝位相検出手段によって検出されたスロット
溝位相に基づいて回動可能とされたものであることを特
徴とする。また、心線位置調整回転板は、前記光ファイ
バ心線挿通孔が、積層した状態の複数の光ファイバテー
プ心線の断面形状に沿う形状とされたものとしてよい。
【0021】
【発明の実施の形態】図1ないし図4は、本発明のSZ
スロット型光ファイバケーブルの製造装置の第1の例の
主要部を示すものである。以下、この装置の構成の説明
に続いて、この装置を用いて上記光ファイバケーブル4
3を用いた自己支持型光ファイバケーブルを製造する場
合を例として、本発明のSZスロット型光ファイバケー
ブルの製造方法の第1の例を説明する。ここに示す製造
装置は、収容ダイス1と、心線位置調整回転板3と、ス
ロット溝位相検出目板4とを備えて構成されている。
【0022】収容ダイス1は、上記光ファイバテープ心
線22をスロット溝21内に収容する収容手段となるも
ので、開口部の最小内径がスロット18の外径とほぼ等
しい筒状体である。以下、収容ダイス1内において光フ
ァイバテープ心線22がスロット溝21内に収容される
位置を心線収容位置Dという。
【0023】心線位置調整回転板3は、光ファイバテー
プ心線22をスロット溝21内に収容しやすい位置に配
置するとともに光ファイバテープ心線22の撚り返し状
態を良好に保つためのもので、外径50〜200mm程
度の円板状に形成され、周方向に回動自在に支持されて
いる。回転板3には、中心近傍に、スロット挿通用の開
口部3bが設けられ、この開口部3bより周縁側の位置
には、複数の光ファイバ心線挿通孔3aが設けられてい
る。この挿通孔3aは、回転板3の周方向に亙ってスロ
ット溝と同数設けられている。
【0024】回転板3の収容ダイス1に対して反対側の
面には、挿通孔3aを塞いで、複数の位置決め部材6が
設けられている。この位置決め部材6は、光ファイバテ
ープ心線22の積層状態を良好に保つためのもので、外
径2〜10mm程度の円板状に形成され、回転板3に対
して、自身の周方向に回動自在に設けられており、図示
せぬ駆動源によって任意の速度、方向で回動させること
ができるようになっている。
【0025】位置決め部材6には、光ファイバテープ心
線22を挿通するための光ファイバ心線挿通孔6aが設
けられており、この挿通孔6aは、光ファイバテープ心
線22の積層体23の断面形状に沿う矩形状に形成され
ている。収容ダイス1内の心線収容位置Dから回転板3
までの距離、即ち心線収容位置Dから位置決め部材6ま
での距離(図1に示す距離l)は、50〜500mm程
度に設定される。
【0026】位置決め部材6の挿通孔6aは、図3に示
すスロット外周面から挿通孔6aの中心までの距離b
が、5〜50mm程度となる位置に形成される。また、
回転板3には、位相調節機7が設けられており、これを
用いて回転板3の位相を任意に調節できるようになって
いる。位相調節機7としては、汎用のモータを用いてよ
い。
【0027】スロット溝位相検出目板4は、スロット1
8のスロット溝21の位相を検出するスロット溝位相検
出手段となるもので、円板状に形成され、周方向に回動
自在に支持されている。目板4の中心近傍には、スロッ
ト挿通用の開口部4bが形成されている。該開口部4b
の内縁には、開口部4bにスロットを挿通したときにス
ロット溝に嵌合する位相検出突起4aが設けられてい
る。
【0028】また、スロット溝位相検出目板4には、こ
の目板4の位相を検出する位相検出機(図示略)が設け
られており、これを用いて、開口部4b内に位置する部
分のスロットのスロット溝の位相を検出することができ
るようになっている。この位相検出機は、上記回転板3
に設けられた位相調節機7と接続されており、上記回転
板3は、位相検出機で検出されたスロット溝の位相に合
わせてその位相を任意に設定することができるようにな
っている。
【0029】次に、上記装置を用いた場合を例として、
本発明のSZスロット型光ファイバケーブルの製造方法
の第1の例を説明する。この例の方法では、まず、スロ
ット18を、スロット溝位相検出目板4、心線位置調整
回転板3、および収容ダイス1の各開口部に順次通した
状態として、図中矢印方向に一定速度で引き取る。この
際、スロット溝位相検出目板4の位相検出突起4aをス
ロット溝21内に配置する。
【0030】ここで用いるスロット18としては、例え
ば、光ファイバテープ心線22をスロット溝21内に収
容したときの層心半径、すなわち図2に示すスロット1
8中心からスロット溝21内の光ファイバテープ心線2
2までの距離aが2〜15mm、反転角γが250〜3
00度、反転ピッチpが100〜500mmのものを用
いてよい。
【0031】また同時に、1つのスロット溝21あたり
複数、好ましくは2〜10本の光ファイバテープ心線2
2を、心線位置調整回転板3に設けられた位置決め部材
6の挿通孔6aに積層した状態で挿通した後、収容ダイ
ス1内に導き、ここでスロット18のスロット溝21内
に位置させた状態で図中矢印方向に上記一定速度で引き
取る。
【0032】スロット18が引き取られるにつれて、ス
ロット溝位相検出目板4の開口部4b内に位置する部分
のスロット18のスロット溝21の位相は変化する。ス
ロット溝位相検出目板4にはスロット溝21に嵌合する
位相検出突起4aが設けられているため、スロット溝位
相検出目板4は、スロット溝21の位相に合わせて周方
向に回動し、開口部4b内のスロット溝21の位相が位
相検出機によって検出される。スロット溝位相検出目板
4におけるスロット溝21の位相と、スロット溝21の
反転ピッチpと、位相検出目板4から心線収容位置Dま
での距離とから心線収容位置Dのスロット溝21の位相
を知ることができる。
【0033】この例の製造方法では、上記位相検出機で
検出された心線収容位置Dのスロット溝21の位相に合
わせて、回転板3に設けられた位相調節機7を駆動さ
せ、次に示すように回転板3を回動させる。
【0034】すなわち、スロット溝21の反転ピッチを
p、反転角をγ、心線収容位置Dから回転板3までの距
離をl、心線収容位置Dを基点としたスロット18の引
き取り距離をzとしたときに、回転板3を、位置決め部
材6の挿通孔6aの位相αが、下記式(I)を満たすよう
に回動させる。
【0035】
【数3】
【0036】なお、上記挿通孔6aの位相αとは、この
挿通孔6aに挿通する光ファイバテープ心線22を収容
するべきスロット溝21の1つの反転部Tの位相を基点
とした位相をいう。
【0037】上記のように、心線位置調整回転板3を、
挿通孔6aの位相が上記式(I)を満たすように回動させ
ることによって、光ファイバテープ心線22は、確実に
スロット溝21内に収容されるようになる。これは以下
の理由によるものである。
【0038】図5ないし図10は、スロット18が引き
取られる過程におけるスロット溝21の位相の変化を模
式的に示すものである。図5ないし図10において、1
つのスロット溝21aの心線収容位置Dにおける接線方
向に延長した線Eが、回転板3に沿う面Fに交わる点を
Gとする。
【0039】スロット18が引き取られる過程におい
て、心線収容位置Dのスロット溝21aの位相は変化す
る。心線収容位置Dのスロット溝21aの位相が変化す
るにつれて、スロット溝21aの反転部T1の位相を基
点とした交点Gの位相αは、スロット溝21の反転部T
1が心線収容位置Dから離れ、反転部T1に隣接する反転
部T2が心線収容位置Dに近づくにつれて大きくなり、
図8に示すように、反転部T2が心線収容位置Dに至る
やや手前で最大値αmaxとなる。この最大位相αmaxは、
スロット溝21の反転角γより大きい値となる。
【0040】続いて、図9に示すように、スロット18
がさらに引き取られると、位相αは徐々に減少し、引き
取り距離zが反転ピッチpに達し、反転部T2が心線収
容位置Dに位置したときに反転角γに等しくなる。続い
て、図10に示すように、スロット18がさらに引き取
られ、反転部T2が心線収容位置Dから離れるに伴い、
上記交点Gの位相αは徐々に小さくなる。
【0041】図11は、上記のようにしてスロット18
が引き取られる過程において、スロット引き取り距離z
(横軸)と、上記交点Gの位相(縦軸)との関係をプロ
ットしたものである。図11に示されるように、心線収
容位置Dのスロット溝21が反転部T1から反転部T2
至る間に、交点Gの位相αは徐々に増加し、反転部T2
が心線収容位置Dに達する以前に反転角γより大きい最
大値αmaxをとり、その後徐々に減少し、反転部T2が心
線収容位置Dに至った時点で反転角γと等しくなる。ま
た、交点Gの位相の最小値をαminとする。
【0042】ところで、心線収容位置Dにおけるスロッ
ト18の中心を原点とし、スロット軸方向にz軸を、面
Fに沿ってx軸、y軸を設定したとき、上記交点Gのz
座標は、下記の式(II)で表わされる。なお式(II)中、θ
は反転部T1の位相を基点とした心線収容位置Dにおけ
るスロット溝21の位相を示す。
【0043】
【数4】
【0044】従って、心線収容位置のスロット溝21の
位相θは、スロット18の引き取り距離をzとすると、
下記式(III)で示されるものとなる。
【0045】
【数5】
【0046】上述のように、心線収容位置Dのスロット
溝21aが反転部T1から反転部T2に至る過程におい
て、心線収容位置Dにおけるスロット溝21aの接線方
向の延長線Eと回転板3に沿う面Fとの交点Gの位相
は、反転部T2が心線収容位置Dに達する前に反転角γ
より大きい最大値αmaxをとる。
【0047】従って、交点Gの位相の最大値αmaxと最
小値αminの差の反転角γに対する比、すなわち(αmax
−αmin)/γをAとし、図8および図11に示すよう
に交点Gの位相αが最大値αmaxを取るときの心線収容
位置Dと反転部T2との距離をBとすると、回転板3
を、最大位相差が反転角γに対してA倍大きくなり、か
つ心線収容位置のスロット溝21の位相に対し引き取り
距離Bに相当する分だけ早く最大位相αmaxに達し、し
かも周期が心線収容位置のスロット溝21の周期に等し
くなるように回動させる、すなわち上記式(I)で示すよ
うに回動させることによって、上記回転板3の光ファイ
バ心線挿通孔6aを、常に上記交点Gに近接した位置に
配置することができる。
【0048】これにより、回転板3の挿通孔6aに挿通
する光ファイバテープ心線22を心線収容位置Dのスロ
ット溝21の接線方向に近接した位置に配置しつつスロ
ット溝21内に収容することができる。
【0049】上記A、すなわち(αmax−αmin)/γ
は、1.02〜1.5とされる。また上記B、すなわち
上記交点Gの位相αが最大値αmaxを取るときの心線収
容位置Dと反転部T2との距離は、5〜80mmとされ
る。
【0050】上記Aが1.02未満または1.5を越え
た場合には、光ファイバテープ心線22をスロット溝2
1内に収容する際に、光ファイバテープ心線22がスロ
ット溝21から外れやすくなる。また、上記Bが5mm
未満または80mmを越えた場合には、光ファイバテー
プ心線22をスロット溝21内に収容する際に、光ファ
イバテープ心線22がスロット溝21から外れやすくな
る。
【0051】上記式(I)に従って回転板3を回動させる
際の回転板3の動作の具体例を図12に示す。この具体
例においては、スロット18として、スロット溝21の
反転ピッチpが250mm、反転角γが275度、スロ
ット溝21内に収容したときの光ファイバテープ心線2
2の層心半径aが7.5mmのものを用い、心線収容位
置Dから回転板3までの距離lを50mmとし、上記A
を1.06、Bを40mmとした。
【0052】また同時に、図示せぬ駆動源によって、回
転板3に設けられた位置決め部材6を強制的に回転板3
に対して回動させ、光ファイバテープ心線22の幅方向
が、常に回転部Rのスロット溝21の中心軸Cに対して
直交するようにするのが好ましい。これによって、光フ
ァイバテープ心線22からなる積層体23は、強制的に
撚り返し有りの状態とされる。
【0053】また、回転板3の位置決め部材6に設けら
れた挿通孔6aは、積層体23の断面形状に沿った形状
とされているため、光ファイバテープ心線22は、撚り
返し有りの状態を保ちながらもその積層状態が崩れるこ
となく整った状態で積層体23となって収容ダイス1内
に供給され、スロット18のスロット溝21内に収容さ
れる。
【0054】上記のようにして光ファイバテープ心線2
2をスロット溝21内に収容した後、スロット18上に
ナイロンヤーンなどからなる粗巻を施し、不織布などか
らなる押え巻き19を施してケーブルコア16を作製
し、このケーブルコア16と支持線本体14とをポリエ
チレンなどの樹脂を用いて一括被覆し、上記SZスロッ
ト型光ファイバケーブル43を有する自己支持型光ファ
イバケーブルを得る。
【0055】上記製造方法にあっては、回転板3を、光
ファイバ心線挿通孔6aの位相αが、上記式(I)で示さ
れる簡単な関係を満たすように回動させつつ光ファイバ
テープ心線22をスロット溝21内に収容するので、簡
単な操作で光ファイバテープ心線22を常に心線収容位
置のスロット溝21の接線方向に近接した方向に配置し
つつ、スロット溝21内に収容することができる。従っ
て、光ファイバテープ心線22をスロット溝21内に収
容する際に、光ファイバテープ心線22がスロット溝2
1から外れる事故を未然に防ぎ、容易かつ確実にしかも
効率よく光ファイバテープ心線22をスロット溝21内
に収容することができる。
【0056】また、回転板3として、回転板3に設けら
れた位置決め部材6の光ファイバ心線挿通孔6aが積層
した状態の光ファイバテープ心線22の断面形状に沿う
形状とされたものを用いることによって、光ファイバテ
ープ心線22を、整った状態で積層してスロット溝21
内に収容することができる。従って、スロット溝21内
の光ファイバテープ心線22の積層状態を良好なものと
し、伝送特性に優れたSZスロット型光ファイバケーブ
ルを得ることができる。
【0057】さらには、光ファイバテープ心線22を、
回転板3の位置決め部材6に形成された光ファイバ心線
挿通孔6aに挿通し、位置決め部材6を、回転板3に対
して強制的に回動させ、光ファイバテープ心線22を撚
り返しつつスロット溝21内に収容することによって、
スロット溝21内の光ファイバテープ心線22の撚り返
し状態を良好に保つことができる。また、スロット18
および光ファイバテープ心線22の引き取り速度を高く
することができる。従って、伝送特性に優れたSZスロ
ット型光ファイバケーブルを効率よく製造することがで
きる。
【0058】また、上記製造装置にあっては、光ファイ
バテープ心線22をスロット溝21内に収容する際に光
ファイバテープ心線22がスロット溝21から外れる事
故を未然に防ぎ、容易かつ確実にしかも効率よく光ファ
イバテープ心線22をスロット溝21内に収容すること
ができる。また、スロット溝21内の光ファイバテープ
心線22の積層状態を良好なものとし、伝送特性に優れ
たSZスロット型光ファイバケーブルを得ることができ
る。
【0059】図13ないし図15は、本発明のSZスロ
ット型光ファイバケーブルの製造装置の第2の例の主要
部を示すものである。ここに示す製造装置は、収容ダイ
ス1と、第1および第2の心線位置調整回転板2、3'
と、スロット溝位相検出目板4とを備えて構成されてい
る。なお、以下の説明において、上記第1の例の製造装
置との共通部分については同一符号を付し、その説明を
省略または簡略化する。
【0060】第1の心線位置調整回転板2は、光ファイ
バテープ心線22をスロット溝21内に収容しやすい位
置に配置するためのもので、外径20〜100mm程度
の円板状に形成され、周方向に回動自在に支持されてい
る。回転板2には、中心近傍に、スロット挿通用の開口
部2bが形成され、開口部2bより周縁側の位置には、
複数の光ファイバ心線挿通孔2aが設けられている。こ
の挿通孔2aは、回転板2の周方向に亙ってスロット溝
21と同数設けられている。
【0061】回転板2の開口部2bの内縁には、開口部
2bにスロット18を挿通したときにスロット溝21に
嵌合する位相検出突起2cが設けられており、これによ
って、回転板2は、開口部2b内のスロット溝21の位
相に応じて回動可能とされている。
【0062】回転板2の収容ダイス1側に対して反対側
の面には、挿通孔2aを塞いで複数の円板状の位置決め
部材5が設けられている。これら位置決め部材5は、複
数の光ファイバテープ心線22を積層し、積層体23と
して収容ダイス1に送るためのもので、外径2〜10m
m程度の円板状に形成され、回転板2に対して、自身の
周方向に回動自在に設けられている。
【0063】位置決め部材5には、光ファイバテープ心
線22を挿通するための光ファイバ心線挿通孔5aが設
けられており、この挿通孔5aは、積層した状態の複数
の光ファイバテープ心線22(積層体23)の断面形状
に沿う矩形状に形成されている。
【0064】位置決め部材5の挿通孔5aは、図14に
示すスロット外周面から挿通孔5aの中心までの距離c
が、1〜5mm程度となる位置に形成される。心線収容
位置から回転板2までの距離、即ち心線収容位置から位
置決め部材5までの距離(図13に示す距離s)は、5
〜50mm程度に設定される。
【0065】回転板2は、上記位置決め部材5の挿通孔
5aの回転板2周方向の位相が、挿通孔5aに挿通する
光ファイバテープ心線22が収容されるスロット溝21
の開口部2b内における位相とほぼ等しくなるようにさ
れる。
【0066】第2の心線位置調整回転板3'は、光ファ
イバテープ心線22をスロット溝21内に収容しやすい
位置に配置するとともに光ファイバテープ心線22の撚
り返し状態を良好に保つためのもので、外径50〜20
0mm程度の円板状に形成され、周方向に回動自在に支
持されている。回転板3'には、スロット挿通用の開口
部3'bと、複数の光ファイバ心線挿通孔3'aとが設け
られている。
【0067】回転板3'の収容ダイス1に対して反対側
の面には、挿通孔3'aを塞いで、複数の円板状の位置
決め部材6'が設けられている。この位置決め部材6'
は、光ファイバテープ心線22の撚り返し状態を良好に
保つためのもので、外径2〜10mm程度の円板状に形
成され、回転板3'に対して、自身の周方向に回動自在
に設けられており、図示せぬ駆動源によって任意の速
度、方向で回動させることができるようになっている。
【0068】位置決め部材6'には、光ファイバ心線挿
通孔6'aが設けられており、この挿通孔6'aは、光フ
ァイバテープ心線22の断面形状に沿う形状に形成され
ている。心線収容位置Dから回転板3'までの距離、即
ち心線収容位置Dから位置決め部材6'までの距離(図
13に示す距離l')は、50〜500mm程度に設定
される。
【0069】位置決め部材6'の挿通孔6'aは、図15
に示すスロット外周面から挿通孔6'aの中心までの距
離dが、5〜50mm程度となる位置に形成される。ま
た、回転板3'には、位相調節機7が設けられており、
これを用いて回転板3'の位相を任意に調節できるよう
になっている。
【0070】次に、上記装置を用いた場合を例として、
本発明のSZスロット型光ファイバケーブルの製造方法
の第2の例を説明する。この例の方法では、まず、SZ
スロット18を、収容ダイス1、第1および第2の心線
位置調整回転板2、3'、およびスロット溝位相検出目
板4の開口部に順次通した状態として、図中矢印方向に
一定速度で引き取る。この際、スロット溝位相検出目板
4の位相検出突起4aを、スロット溝21内に配置す
る。
【0071】また同時に、複数、好ましくは2〜10本
の光ファイバテープ心線22を、第2の心線位置調整回
転板3'に設けられた位置決め部材6'の挿通孔6'aに
挿通するのに続いて、第1の心線位置調整回転板2に設
けられた位置決め部材5の挿通孔5aに積層して挿通し
た後、収容ダイス1内に導き、ここでスロット18のス
ロット溝21内に位置させた状態で図中矢印方向に上記
一定速度で引き取る。
【0072】スロット18が引き取られるにつれて、回
転板2の開口部2b内に位置する部分のスロット18の
スロット溝21の位相は変化する。回転板2にはスロッ
ト溝21に嵌合する位相検出突起2cが設けられている
ため、回転板2は、スロット溝21の位相に合わせて周
方向に回動する。
【0073】図16は、スロット18に対する回転板
2、3'の位置関係を模式的に示すものである。図16
において、回転板2に沿う面H内の挿通孔5aに相当す
る点Iと、心線収容位置Dとを結ぶ直線の延長線E'が
回転板3'に沿う面F'に交わる点をG'とする。
【0074】反転部T1および反転部T2を有するスロッ
ト18が引き取られる過程においては、心線収容位置D
のスロット溝21aの位相が次のように変化する。図1
7は、スロット18を引き取る過程において、スロット
引き取り距離z(横軸)と、上記交点G'の位相(縦
軸)との関係をプロットしたものである。スロット18
が引き取られるにつれて、交点G'の位相α'は、反転部
2が心線収容位置Dに至るやや手前で反転角γより大
きい最大値α'maxに達し、反転部T2が心線収容位置D
に位置したときに反転角γに等しくなる。スロット18
がさらに引き取られ、反転部T2が心線収容位置Dから
離れるに伴い、上記交点G'の位相α'は徐々に小さくな
る。また、以下、位相α'の最小値をα'minという。
【0075】従って、交点G'の位相の最大値α'maxと
最小値α'minの差の反転角γに対する比、すなわち
(α'max−α'min)/γをA'とし、交点G'の位相α'
が最大値α'maxを取るときの心線収容位置Dと反転部T
2との距離をB'とすると、回転板3を、最大位相差が反
転角γに対してA'倍大きくなり、かつ心線収容位置D
のスロット溝21の位相に対し引き取り距離B'に相当
する分だけ早く最大位相α'maxに達し、しかも周期が心
線収容位置のスロット溝21の周期に等しくなるよう
に、下記式(IV)で示すように回動させることによって、
回転板3'の光ファイバ心線挿通孔6'aを、常に上記交
点G'に近接した位置に配置することができる。
【0076】
【数6】
【0077】上述のように、回転板2の挿通孔5aの回
転板2周方向の位相は、開口部2b内のスロット溝21
の位相とほぼ等しいものとなる。また、心線収容位置D
から回転板2までの距離sはごく短いものであるため、
心線収容位置Dから回転板2の開口部2bに至るスロッ
ト溝21はほぼ直線と見なすことができる。このため、
回転板2に沿う面H内の挿通孔5aに相当する点Iと心
線収容位置Dとを結ぶ直線の延長線であるE'は心線収
容位置Dにおけるスロット溝21の接線方向にほぼ近似
したものとなる。
【0078】従って、上記のように回転板3'を式(IV)
に従って回動させることによって、挿通孔5aに挿通す
る光ファイバテープ心線22を心線収容位置Dのスロッ
ト溝21の接線方向に近接した位置に配置しつつスロッ
ト溝21内に収容することが可能となる。
【0079】上記A'、すなわち(α'max−α'min)/
γは、1.02〜1.5とされる。また、上記交点G'
の位相α'が最大値α'maxを取るときの心線収容位置D
と反転部T2との距離B'は、5〜80mmとされる。
【0080】上記A'が1.02未満または1.5を越
えた場合、光ファイバテープ心線22をスロット溝21
内に収容する際に、光ファイバテープ心線22がスロッ
ト溝21から外れやすくなる。また、上記B'が5mm
未満または80mmを越えた場合、光ファイバテープ心
線22をスロット溝21内に収容する際に、光ファイバ
テープ心線22がスロット溝21から外れやすくなる。
【0081】回転板3'は、例えば、図12に示す回転
板3の動作の具体例と同様に動作させることができる。
この例においては、心線収容位置Dから回転板3'まで
の距離l'が50mmとされ、スロット18としては、
スロット溝21の反転ピッチpが250mm、反転角γ
が275度、スロット溝21内に収容したときの光ファ
イバテープ心線22の層心半径aが7.5mmのものが
用いられ、上記A'は1.2、B'は40mmとされてい
る。
【0082】また同時に、図示せぬ駆動源によって、回
転板3'に設けられた位置決め部材6'を強制的に回転板
3に対して回動させ、光ファイバテープ心線22の幅方
向をほぼ一定とするのが好ましい。
【0083】また、回転板2の位置決め部材5に設けら
れた挿通孔5aは積層体23の断面形状に沿った形状と
されているため、光ファイバテープ心線22は、撚り返
し有りの状態を保ちながらもその積層状態が崩れること
なく整った状態で積層体23となって収容ダイス1内に
供給され、スロット18のスロット溝21内に収容され
る。
【0084】上記第2の例の製造方法にあっては、上述
の第1の例の製造方法と同様に、光ファイバテープ心線
22をスロット溝21内に収容する際に、光ファイバテ
ープ心線22がスロット溝21から外れる事故を未然に
防ぎ、容易かつ確実にしかも効率よく光ファイバテープ
心線22をスロット溝21内に収容することができる。
また、スロット溝21内の光ファイバテープ心線22の
積層状態を良好なものとし、伝送特性に優れたSZスロ
ット型光ファイバケーブルを得ることができる。
【0085】さらには、2枚の回転板2、3'を用いる
ので、光ファイバテープ心線22を2枚の回転板2、
3'を用いて支持しつつスロット溝21内に収容するこ
とができる。従って、光ファイバテープ心線22がスロ
ット溝21から外れる事故を防ぎ、光ファイバテープ心
線22をより確実にスロット溝21内に収容することが
可能となる。
【0086】上記製造装置にあっては、上述の第1の例
の製造装置と同様に、光ファイバテープ心線22を積層
状態を良好に保ちつつ、容易かつ確実にしかも効率よく
SZスロットのスロット溝内に収容できる。
【0087】なお、上記第1および第2の例の光ファイ
バケーブルの製造方法では、スロット溝21内に収容す
る光ファイバ心線として、光ファイバテープ心線を用い
たが、これに限らず、単心、2心タイプのものなど、任
意の心数のものを用いてよい。
【0088】
【発明の効果】本発明のSZスロット型光ファイバケー
ブルの製造方法にあっては、光ファイバ心線をスロット
溝内に収容する際に光ファイバ心線がスロット溝から外
れる事故を未然に防ぎ、容易かつ確実にしかも効率よく
光ファイバ心線をスロット溝内に収容することができ
る。また、光ファイバ心線として、複数の光ファイバテ
ープ心線を用いた場合には、スロット溝内の光ファイバ
心線の積層状態を良好なものとし、伝送特性に優れたS
Zスロット型光ファイバケーブルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のSZスロット型光ファイバケーブル
の製造装置の第1の例の主要部を示す概略構成図であ
る。
【図2】 図1に示す製造装置の収容ダイスを示す平面
図である。
【図3】 (A)図1に示す製造装置の心線位置調整回
転板を示す平面図である。(B)(A)に示す心線位置
調整回転板の位置決め部材を示す平面図である。
【図4】 図1に示す製造装置のスロット溝位相検出目
板を示す平面図である。
【図5】 スロット引き取り過程におけるスロット溝の
位相変化を示す説明図である。
【図6】 図5に続くスロット引き取り過程におけるス
ロット溝の位相変化を示す説明図である。
【図7】 図6に続くスロット引き取り過程におけるス
ロット溝の位相変化を示す説明図である。
【図8】 図7に続くスロット引き取り過程におけるス
ロット溝の位相変化を示す説明図である。
【図9】 図8に続くスロット引き取り過程におけるス
ロット溝の位相変化を示す説明図である。
【図10】 図9に続くスロット引き取り過程における
スロット溝の位相変化を示す説明図である。
【図11】 スロット引き取り過程において、心線収容
位置のスロット溝の接線方向の延長線が心線位置調整回
転板に沿う面に交わる点の位相と、スロット引き取り距
離との関係を示すグラフである。
【図12】 図1に示す製造装置の心線位置調整回転板
の動作の具体例を示すグラフである。
【図13】 本発明のSZスロット型光ファイバケーブ
ルの製造装置の第2の例の主要部を示す概略構成図であ
る。
【図14】 (A)図13に示す製造装置の第1の心線
位置調整回転板を示す平面図である。(B)(A)に示
す第1の心線位置調整回転板の位置決め部材を示す平面
図である。
【図15】 図13に示す製造装置の第2の心線位置調
整回転板を示す平面図である。
【図16】 スロットに対する第1および第2の心線位
置調整回転板の位置関係を模式的に示すものである。
【図17】 スロット引き取り過程において、心線収容
位置と第1の心線位置調整回転板の光ファイバ心線挿通
孔とを結ぶ直線の延長線が第2の心線位置調整回転板に
沿う面に交わる点の位相と、スロット引き取り距離との
関係を示すグラフである。
【図18】 SZスロット型光ファイバケーブルを用い
た自己支持型光ファイバケーブルの一例を示した断面図
である。
【図19】 図18に示すSZスロット型光ファイバケ
ーブルのスロットの構造を示す平面図である。
【図20】 従来のSZスロット型光ファイバケーブル
の製造装置の例の主要部を示す概略構成図である。
【図21】 SZスロット型光ファイバケーブルを用い
た自己支持型光ファイバケーブルの一例を示した断面図
である。
【図22】 図21に示すSZスロット型光ファイバケ
ーブルにおける光ファイバテープ心線の収容状態を示す
モデル図である。
【符号の説明】
1・・・収容ダイス(収容手段)、2・・・第1の心線位置調
整回転板、2b、3b、3'b・・・開口部、3・・・心線位
置調整回転板、3'・・・第2の心線位置調整回転板、4・・
・スロット溝位相検出目板(スロット溝位相検出手段) 5a、6a、6'a・・・光ファイバ心線挿通孔、18・・・
SZスロット、21・・・スロット溝、22・・・光ファイバ
テープ心線(光ファイバ心線)、D・・・心線収容位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邉 裕人 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内 (72)発明者 宮本 末広 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ心線を、1または複数の心線
    位置調整回転板を用いてSZスロットのスロット溝内に
    収容するSZスロット型光ファイバケーブルの製造方法
    であって、 心線位置調整回転板として、中心近傍にSZスロット挿
    通用の開口部を有し、かつ該開口部より周縁側に光ファ
    イバ心線挿通孔を有するものを用い、 SZスロットを心線位置調整回転板の開口部に挿通する
    とともに、光ファイバ心線を光ファイバ心線挿通孔に挿
    通し、これらSZスロットおよび光ファイバ心線を引き
    取りつつ、光ファイバ心線を前記スロット溝内に順次収
    容し、 この際、前記スロット溝の反転ピッチをp、反転角を
    γ、光ファイバ心線をスロット溝内に収容する位置から
    心線位置調整回転板までの距離をl、前記位置を基点と
    したSZスロットの引き取り距離をzとしたときに、心
    線位置調整回転板のうち少なくとも1つを、該回転板の
    光ファイバ心線挿通孔の位相αが、下記式(I)で示され
    る関係を満たすように回動させることを特徴とするSZ
    スロット型光ファイバケーブルの製造方法。 【数1】
  2. 【請求項2】 請求項1記載のSZスロット型光ファイ
    バケーブルの製造方法において、光ファイバ心線として
    複数の光ファイバテープ心線を用い、 心線位置調整回転板として、前記光ファイバ心線挿通孔
    が、積層した状態の前記複数の光ファイバテープ心線の
    断面形状に沿う形状とされたものを用いることを特徴と
    するSZスロット型光ファイバケーブルの製造方法。
  3. 【請求項3】 光ファイバ心線をSZスロットのスロッ
    ト溝内に収容する収容手段と、光ファイバ心線をスロッ
    ト溝内に収容しやすい位置に配置する1または複数の心
    線位置調整回転板と、SZスロットのスロット溝の位相
    を検出するスロット溝位相検出手段とを有し、 前記心線位置調整回転板は、中心近傍に設けられたSZ
    スロット挿通用の開口部と、該開口部より周縁側に設け
    られた光ファイバ心線挿通孔とを有し、かつスロット溝
    位相検出手段によって検出されたスロット溝位相に基づ
    いて回動可能とされたものであることを特徴とする光フ
    ァイバケーブルの製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のSZスロット型光ファイ
    バケーブルの製造装置において、 心線位置調整回転板は、前記光ファイバ心線挿通孔が、
    積層した状態の複数の光ファイバテープ心線の断面形状
    に沿う形状とされたものであることを特徴とするSZス
    ロット型光ファイバケーブルの製造装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015155949A (ja) * 2014-02-20 2015-08-27 株式会社フジクラ 光ケーブルの製造方法

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