JPH1184088A - 放射性廃ガスの二次燃焼炉 - Google Patents

放射性廃ガスの二次燃焼炉

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JPH1184088A
JPH1184088A JP24629997A JP24629997A JPH1184088A JP H1184088 A JPH1184088 A JP H1184088A JP 24629997 A JP24629997 A JP 24629997A JP 24629997 A JP24629997 A JP 24629997A JP H1184088 A JPH1184088 A JP H1184088A
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radioactive waste
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waste gas
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Takeshi Hasebe
猛 長谷部
Toru Arai
徹 新井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射性廃棄物焼却炉から排出された放射性廃
ガス中におけるススや有機物を高効率で燃焼処理するこ
とができる二次燃焼炉を提供すること。 【解決手段】 放射性廃棄物焼却炉から排出された放射
性廃ガスの流路1内に、軸方向に複数枚のフィン3が交
互に内設されてジグザグ状の燃焼用流路4が形成された
容器2を配置する。そして、この容器2の外周面には高
周波誘導コイル5が添装されて誘導加熱されるよう構成
されており、放射性廃ガスが前記燃焼用流路4を通過中
にガス中に含まれるススや有機物が高効率で燃焼処理さ
れるものとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放射性廃棄物焼却炉
から排出された放射性廃ガスの二次燃焼炉に関するもの
であり、特に放射性物質を高度に遮蔽したセル内に設置
するに適した放射性廃ガスの二次燃焼炉に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所等において発生する可燃性
の放射性廃棄物は焼却炉により焼却し、廃ガスはフィル
タを含む廃ガス処理設備により濾過されたうえで大気中
に放出されている。しかし、ゴム、イオン交換樹脂、塩
化ビニル等を焼却する際には多量のススや有機物が発生
するため、放射性廃ガスを二次燃焼させたうえで廃ガス
処理設備へ送る必要がある。
【0003】図3は二次燃焼室を備えた従来の放射性廃
棄物焼却炉の一例を示すもので、炉体31の内部が隔壁32
により一次燃焼室33と二次燃焼室34とに区画されてお
り、放射性廃棄物は投入口35から一次燃焼室33内に投入
されて燃焼し、その廃ガスは炭化珪素球36が充填された
二次燃焼室34を通過する間に二次燃焼される構造となっ
ている。
【0004】このような構造のものは、ススや有機物に
よる劣化が少なく長期間にわたり安定した性能を発揮で
きる利点がある。しかしその反面、二次燃焼室34の熱容
量が非常に大きいために炉の立ち上げや停止に長時間を
要し、迅速な温度制御ができないこと、二次燃焼室34の
温度を800 ℃以上に設定することは困難であるために、
ススや有機物の燃焼効率が低いこと、バーナ37を用いる
ため廃ガス量が増加すること等の欠点がある。また、高
放射能廃棄物を焼却する場合には放射性廃棄物焼却炉や
二次燃焼設備をセルと呼ばれる放射性物質を高度に遮蔽
した無人の室内に設置する必要があるが、図3の構造の
ものは燃料を使用するバーナ37を用いているために、安
全性の面からセル内への設置はできないという基本的な
問題がある。
【0005】そこでセル内に配置できる二次燃焼炉とし
て、図4のものが検討されている。これは炉体41内に多
数の電熱ヒータ42を配置した構造を持ち、各電熱ヒータ
42は放射性流体の隔壁としてさらに熱放射体として作用
する金属チューブ43の内部に発熱体44を収納したもので
ある。この図4の構造のものは、電熱式であるためにセ
ル内でも使用でき、また図3に比較してススや有機物の
燃焼効率を高めることができる利点がある。しかし、ス
スや有機物による電熱ヒータ42、金属チューブ43の劣化
が激しく、頻繁に交換が必要となる欠点がある。また迅
速な温度制御が困難という問題もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記したよう
な従来の問題点を解決して、セル内にも設置することが
でき、ススや有機物による劣化が少なく、迅速な温度制
御が可能であり、しかも高い燃焼効率でススや有機物を
二次燃焼させることができる放射性廃ガスの二次燃焼炉
を提供するためになされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明の放射性廃ガスの二次燃焼炉は、放
射性廃棄物焼却炉から排出された放射性廃ガスの流路内
に、軸方向に複数枚のフィンが交互に内設されてジグザ
グ状の燃焼用流路が形成されているとともに、外周面に
添装された高周波誘導コイルにより誘導加熱される容器
を設置したことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照しつつ本発明
の好ましい実施の形態を説明する。図中、1は放射性廃
棄物焼却炉から排出された放射性廃ガスの流路であり、
2はこの流路1内に設置された容器である。この容器2
は放射性廃ガスが通過できるよう上下に開口を有する円
筒状のもので、その内部には軸方向に複数枚のフィン3
が交互に中心部に向け内設されてジグザグ状の燃焼用流
路4が形成されている。そして、該容器2の外周面には
高周波誘導コイル5が添装されて誘導加熱されるよう構
成されている。なお、6は前記容器2をセットするため
の耐火物からなる炉体である。
【0009】前記の容器2は、高周波誘導コイル5によ
り誘導加熱されるものであり、これによって放射性廃ガ
スを二次燃焼させる。即ち、高周波誘導コイル5により
容器2の外周筒部が誘導加熱され、次いで熱伝導により
内部のフィン3がそれぞれ加熱されることにより、結果
としてジグザグ状の燃焼用流路4が十分に加熱されて放
射性廃ガスの二次燃焼を効率よく行うのである。このた
め、容器2としては電導性であること、また高温に耐え
ること、腐食性物質に耐えること、発熱性に優れるこ
と、熱伝導性及び熱伝達性が良いこと、輻射率が大きい
こと、ススの捕集率が良いこと等が求められる。
【0010】これらの条件を満足できる材質としては、
ステンレスのような金属や、C-SiC 系セラミック等の電
導性のあるセラミックを用いることができる。また、炉
体6にも同様に高温に耐えること、腐食性物質に耐える
こと、発熱性に優れること、熱伝導性及び熱伝達性が良
いこと、輻射率が大きいこと等が要求され、C-SiC 系セ
ラミック等の耐火物を用いることができる。
【0011】また、図2に示されるように、前記ジグザ
グ状の燃焼用流路4内に高周波誘導コイルにより誘導加
熱される充填物7を充填しておけば、放射性廃ガスとの
接触面積が増加してより効率的な二次燃焼を行えること
となり好ましい。この場合、充填物7としては前記の容
器2と同様に電導性であること、また高温に耐えるこ
と、腐食性物質に耐えること、発熱性に優れること、熱
伝導性及び熱伝達性が良いこと、輻射率が大きいこと、
ススの捕集率が良いこと等が求められ、例えばステンレ
スパイプのような金属や、C-SiC 系セラミック等の電導
性のあるセラミックを用いることができる。
【0012】このように構成されたものにおいては、容
器2が高周波誘導コイル5により高温に誘導加熱される
と外周筒部が誘導加熱され、次いで熱伝導により内部の
フィン3がそれぞれ加熱されることとなり、この結果、
ジグザグ状の燃焼用流路4が十分に加熱される。そして
放射性廃ガスはこの燃焼用流路4を通過する際に比較的
粒径の粗いススや有機物はフィン3の表面に捕捉され、
二次燃焼される。また粒径の細かいススは燃焼用流路4
の高温空間に滞留する間に完全に二次燃焼される。この
ため次の実施例に示すように、放射性廃ガス中のススや
有機物を高い燃焼効率で二次燃焼させることができるこ
ととなるのである。このようにして容器2の内部でスス
や有機物を除去された放射性廃ガスは、容器2を通過し
て次の廃ガス処理設備へ送られ、以下常法により放射性
物質の除去処理が施されることとなる。なお、図2に示
されるような、前記ジグザグ状の燃焼用流路4内に高周
波誘導コイルにより誘導加熱される充填物7を充填した
ものにおいては、放射性廃ガスとの接触面積が増加して
より効率的な二次燃焼が行えることとなる。
【0013】以上のように、この放射性廃ガスの二次燃
焼炉はエネルギ源として電気を使用するのみであるから
セル内に安全に設置することができるものであり、また
容器2はフィン3を一体的に設けたもので、メンテナン
ス作業や交換作業を簡単に行うことができることとな
る。更には、この二次燃焼炉は迅速な温度制御が可能で
あり、しかも高い燃焼効率でススや有機物を二次燃焼さ
せることができるという利点もある。
【0014】
【実施例】図1に示した構造のC-SiC-SiO2-Al2O3質の炉
体の内部に、内径270mm、長さ845mm のステンレス製筒
(厚み 1mm)からなり、内部に8枚のフィンが交互に内
設された容器をセットし、放射性廃ガスを模擬した試験
ガスを流した。試験ガスはポリエチレン10重量%、塩化
ビニル30重量%、ネオプレンゴム50重量%を7kg/h の割
合で焼却することにより発生させたもので、そのガス流
量は160Nm3/hである。そして、コイル出力が40kWの高周
波誘導コイルに500Hz の高周波電流を流し、容器を加熱
してダスト濃度の変化を測定した結果、試験開始後1.5
時間、3.5 時間、5.5 時間経過時におけるガス中のダス
ト濃度は表1の通りとなり、スス等が効率よく除去され
ていることが確認された。なお、燃焼処理時における二
次燃焼炉入口の廃ガス温度は約400 ℃、出口の廃ガス温
度は約900 ℃、容器内部の温度は約1000℃であった。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の放射性
廃ガスの二次燃焼炉はセル内にも設置することができ、
ススや有機物による劣化が少なく、また仮に劣化しても
それによる影響が少なく、迅速な温度制御が可能であ
り、しかも高い燃焼効率でススや有機物を二次燃焼させ
ることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二次燃焼炉の断面図である。
【図2】その他の二次燃焼炉の断面図である。
【図3】従来の二次燃焼室を備えた放射性廃棄物焼却炉
の断面図である。
【図4】従来の電熱ヒータ式の二次燃焼炉の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 放射性廃ガスの流路、2 容器、3 フィン、4
燃焼用流炉、5 高周波誘導コイル、6 炉体、7 充
填物、31 従来例における炉体、32 隔壁、33 一次燃
焼室、34 二次燃焼室、35 投入口、36 炭化珪素球、
37 バーナ、41 他の従来例における炉体、42 電熱ヒ
ータ、43 金属チューブ、44 発熱体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射性廃棄物焼却炉から排出された放射
    性廃ガスの流路内に、軸方向に複数枚のフィンが交互に
    内設されてジグザグ状の燃焼用流路が形成されていると
    ともに、外周面に添装された高周波誘導コイルにより誘
    導加熱される容器を設置したことを特徴とする放射性廃
    ガスの二次燃焼炉。
  2. 【請求項2】 燃焼用流路内には、高周波誘導コイルに
    より誘導加熱される充填物が充填されている請求項1に
    記載の放射性廃ガスの二次燃焼炉。
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