JPH1183965A - 環境磁場キャンセリングシステム及び磁気計測装置 - Google Patents

環境磁場キャンセリングシステム及び磁気計測装置

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JPH1183965A
JPH1183965A JP9242928A JP24292897A JPH1183965A JP H1183965 A JPH1183965 A JP H1183965A JP 9242928 A JP9242928 A JP 9242928A JP 24292897 A JP24292897 A JP 24292897A JP H1183965 A JPH1183965 A JP H1183965A
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squid
environmental magnetic
environmental
signal
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Yoichi Takada
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Abstract

(57)【要約】 【課題】対象体からの微弱磁場を正確かつ高精度で計測
可能にする。 【解決手段】測定対象から発せられた微弱磁場以外の周
囲の環境に由来して生じた環境磁場を複数のSQUID
磁束計2a1 〜2a3 を用いて計測してキャンセリング
する環境磁場キャンセリングシステム1。フィードバッ
ク回路14a1 〜14a3 におけるフィードバック抵抗
12a1〜12a3 の各インピーダンスをそれぞれ変化
させて(Zf1〜Zf3)、フィードバック回路14a1 〜
14a3 のフィードバックゲインをそれぞれ変える(β
f1〜βf3)ことにより、複数のSQUID磁束計2a1
〜2a3 におけるダイナミックレンジ及びスルーレート
を各SQUID磁束計2a1 〜2a3 間で互いに異なる
ように設定している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微弱磁気信号検出
用のSQUID磁束計(超伝導量子干渉計)を用いて環
境磁場を除去(キャンセル)する環境磁場キャンセリン
グシステム及びこの環境磁場キャンセリングシステムを
備えた磁気計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】SQUID磁束計等の高感度なデバイス
により生体等の測定対象体(以下、対象体とする)から
発せられた生体磁気等の微弱な磁界を検出する際には、
その対象体から発せられた微弱磁場以外の周囲の環境に
由来して生じた磁場(環境磁場)に基づく雑音をいかに
して低減させるかが重要になっている。
【0003】上述した環境磁場を除去(キャンセル)す
るシステムの一例として、例えば特開平H4−3574
81号公報や特開平6−97690号公報に開示された
アクティブシールドを用いたシステムがある。このアク
ティブシールドを用いたシステムとは、微弱磁気信号を
検出可能なSQUID磁束計等の高感度磁気センサによ
り検出された環境磁場に基づく信号をヘルムホルツコイ
ル等で構築された逆磁場発生用コイル(アクティブシー
ルドコイル)へフィードバックすることにより、逆磁場
発生用コイルから上記環境磁場キャンセル用の逆磁場を
発生させるシステムである。
【0004】ここで、アクティブシールドを用いた環境
磁場キャンセリングシステムの一例として、磁気センサ
にSQUID磁束計を用い、逆磁場発生用コイルにヘル
ムホルツコイルを用いたシステムを図7に示す。
【0005】図7によれば、環境磁場キャンセリングシ
ステムは、環境磁場検出用のSQUID磁束計70を有
しており、このSQUID磁束計70の検出コイル71
は、生体磁場等の磁気計測用SQUID磁束計(図示せ
ず)の検出コイルから離間した箇所に配設されている。
そして、少なくともこれらの検出コイルを含む所定空間
部分にアクティブシールドを構成するヘルムホルツコイ
ル72、72が配設されている。
【0006】すなわち、この環境磁場除去システムによ
れば、SQUID磁束計70の検出コイル71により検
出された環境磁場に基づく磁束は、予め電流源73によ
りバイアス電流が流れて2つのジョセフソン接合部分に
電圧が発生しているSQUID素子74に入力コイル7
5を介して伝達される。そして、SQUID素子74か
ら出力された入力磁束に基づく電圧は、SQUID駆動
回路76の増幅器や積分器等を有する駆動回路77に送
られて増幅処理され、電圧信号Vo として出力される。
【0007】このとき、SQUID駆動回路76におけ
るフィードバック回路78により、駆動回路77から出
力された測定磁場(環境磁場)に比例した電圧信号Vo
は電圧/電流変換回路である抵抗79(インピーダン
ス:Zf1)を介して電流に変換され、測定磁場キャンセ
ル用フィードバック電流としてフィードバックコイル8
0に供給される。
【0008】一方、駆動回路77から出力された環境磁
場に比例した電圧信号Vo は、Gain&Filter
制御回路81の制御に基づいてプリプロセッサ回路82
を介してプリプロセッシングされ、ゲイン調整及び帯域
制限が施された電圧信号V'oとしてバッファアンプ83
を介して環境磁場キャンセル用フィードバック電流とし
てヘルムホルツコイル72、72にフィードバックされ
る。
【0009】このとき、ヘルムホルツコイル72、72
により送られた環境磁場キャンセル用フィードバック電
流に基づいて逆磁場が発生し、この逆磁場により上記所
定空間内の環境磁場がキャンセルされる。
【0010】ところで、環境磁場から生じる環境磁気雑
音は、主に1/f雑音から構成された低周波側{例え
ば、DC(直流;0Hz)〜30Hz}の磁気雑音、商
用電源(50/60Hz)に由来する商用電源雑音を含
む高周波側(例えば30Hz以上とする)の磁気雑音か
ら構成されている。また、低周波側の磁気雑音の原因と
なる低周波側の環境磁場および商用電源雑音の原因とな
る商用電源雑音磁場は磁場強度が強く、高周波側の磁気
雑音の原因となる高周波側の環境磁場の磁場強度は比較
的小さい。
【0011】このような磁場強度の強い低周波側の環境
磁場および商用電源雑音磁場を上述した環境磁場除去シ
ステムにおいてピックアップするには、その環境磁場除
去システムのダイナミックレンジ{SQUID磁束計に
入力される最大許容入力磁場レベルと最小入力磁場レベ
ル(雑音レベル)との比}を大きくする必要があり、一
方、磁場強度の弱い高周波側の環境磁場を上述した環境
磁場除去システムにおいてピックアップするには、感度
を上げるとともに、スルーレート(SQUID磁束計動
作時の増幅器のカットオフ周波数)を大きくする必要が
ある。
【0012】すなわち、図7に示した環境磁場除去シス
テムのSQUID磁束計70において、検出コイル71
および入力コイル75の磁束−磁場変換効率(磁場感
度)γを「γ=Bin/Φs ;但しBinは検出コイル71
により検出される磁場、Φs はBinに基づいて入力コイ
ル75を介してSQUID素子74に伝達される磁束」
とし、電圧−磁束変換係数(フィードバックパラメー
タ、フィードバックゲインともいう)βf [Φ0 /V]
を「βf =Mf /Zf1;但しMf は入力コイル75とフ
ィードバックコイル80との相互インダクタンス」とす
る。さらに、駆動回路77の増幅器のゲイン(オープン
ループゲイン)をAおよび積分器のカットオフ周波数を
Fc とすると、上記SQUID磁束計70において、最
大許容入力磁場BMAX は、
【数1】 BMAX =VMAX ・γ・βf ……(1) と表される。但し、VMAX は増幅回路における出力段の
幅器の最大出力電圧である。
【0013】一方、SQUID磁束計70の動作時のカ
ットオフ周波数fL は、
【数2】 fL =A・(dV/dΦ)・βf ・Fc ……(2) と表される。なお、このfL がSQUID磁束計70の
スルーレートを意味する。
【0014】このとき、SQUID磁束計70の磁場分
解能をBn とすると、オシロスコープで見た時のピーク
ピーク(peak−to−peak)における雑音磁場
(最小入力磁場)BN は、
【数3】 と表される。したがって、上記(1)および(3)式よ
り、最大許容入力磁場と雑音磁場との関係は、
【数4】 と表される。
【0015】この(4)式によれば、βf を大きくする
ことにより、BMAX /BN 、すなわちダイナミックレン
ジを大きくして入力磁場に対する雑音の割合を小さく抑
制することができる。また、βf を大きくすることによ
り、上記(2)式からスルーレートも大きくすることが
できる。
【0016】一方、SQUID磁束計70の感度(Vo
/Φs )は、
【数5】 と表され、A>>1であるため、
【数6】 Vo /Φs =1/βf ……(6) として表される。
【0017】すなわち、βf を大きくするとダイナミッ
クレンジおよびスルーレートを大きく設定することがで
きるが、反面、1Φ0 当たりの電圧出力である感度は小
さく設定される(図8;βf をパラメータとした際のS
QUID磁束計70の最大許容入力磁場、ダイナミック
レンジおよび1Φ0 当たりの電圧出力(感度)をそれぞ
れ示す図参照)。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、低周
波側の環境磁場や商用電源雑音磁場等の磁場強度の大き
い環境磁場をピックアップするには、SQUID磁束計
のダイナミックレンジを大きくして最大許容入力磁場を
大きくする必要があるため、βf を大きく設定しなけれ
ばならない。また、環境磁場の周波数が低いため、その
周波数に対応するスルーレートがあれば十分であり、高
周波帯域に対応するスルーレートは必要ない。
【0019】一方、高周波側の環境磁場は磁場強度が小
さいため、このような高周波側の環境磁場を十分にピッ
クアップするにはSQUID磁束計の感度を上げる必要
があるため、βf を小さく設定しなければならない。ま
た、高周波帯域に対応する大きいスルーレートを設定す
る必要がある。
【0020】しかしながら、従来の環境磁場除去システ
ムのSQUID磁束計においては、感度(1/βf )、
積分器カットオフ周波数Fc 、磁場感度γおよびオープ
ンループゲインA等、ダイナミックレンジおよびスルー
レートを変化させるためのパラメータが何れも一定であ
るため、そのダイナミックレンジおよびスルーレートが
固定されていた。したがって、例えばβf を大きくして
ダイナミックレンジを低周波側の環境磁場や商用電源雑
音磁場に対応した大きな値に固定していれば、SQUI
D磁束計の感度、すなわち、1Φ0 当たりの電圧出力が
低下するため、高周波側の環境磁場をピックアップする
ことが難しく、また、その1Φ0 当たりの電圧出力の低
下から、駆動回路の出力後段に非常に高いゲインを有す
るアンプを設けることが必要になり、現実的ではなかっ
た。
【0021】これに対して、例えばβf を高周波側の環
境磁場に対応した小さな値に固定していれば、感度は上
昇するもののスルーレートが小さくなるため、その高周
波域に対応した大きなスルーレートを設定することが難
しかった。また、βf を小さな値に設定することにより
ダイナミックレンジが小さくなるため、最大許容入力磁
場が低下して低周波側の環境磁場や商用電源雑音磁場を
ピックアップすることが難しかった。
【0022】すなわち、従来の環境磁場キャンセリング
システムでは、低周波域から高周波域に亘る広い周波数
領域の環境磁場を漏れなくピックアップしてキャンセル
することができないため、その漏れ環境磁場に基づく磁
気雑音の影響により対象体から発せられた微弱磁場を正
確かつ高精度で計測することが難しかった。
【0023】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
もので、低周波域から高周波域に亘る広い周波数領域の
環境磁場を漏れなくピックアップしてキャンセルするこ
とにより、対象体からの微弱磁場を正確かつ高精度で計
測可能にすることをその目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の第1の面に係わる環境磁場キャンセリ
ングシステムによれば、測定対象から発せられた微弱磁
場以外の周囲の環境に由来して生じた環境磁場を複数の
SQUID磁束計を用いて計測してキャンセリングする
環境磁場キャンセリングシステムであって、前記複数の
SQUID磁束計におけるダイナミックレンジ及びスル
ーレートを各SQUID磁束計間で互いに異なるように
設定している。
【0025】特に、前記各SQUID磁束計は、前記環
境磁場を検出可能な検出コイル及びこの検出コイルによ
り検出された環境磁場に基づく磁束に応じて電気信号を
出力するSQUID素子を有する環境磁場測定手段と、
前記SQUID素子からそれぞれ出力された電気信号を
磁束として当該SQUID素子にフィードバックするこ
とにより前記電気信号を前記環境磁場に比例した出力信
号とするSQUID駆動手段とをそれぞれ有する一方、
前記複数のSQUID駆動手段からそれぞれ出力された
前記環境磁場に比例した電気信号のゲイン及び通過周波
数帯域を各信号毎に調整し、ゲイン及び帯域調整された
各電気信号を加算処理する処理手段と、この処理手段に
より加算された加算電気信号に基づいて前記環境磁場を
キャンセルするキャンセル手段とを備えている。
【0026】また、前記各SQUID磁束計のダイナミ
ックレンジ及びスルーレートを、その各SQUID磁束
計において計測する環境磁場の磁場強度および周波数が
互いに異なるように設定しており、特に、前記各SQU
ID磁束計のSQUID駆動手段におけるフィードバッ
クゲイン及び各SQUID磁束計の環境磁場測定手段に
おけるSQUID素子への磁束伝達効率(磁場感度)の
内の少なくとも一方を当該各SQUID磁束計毎に変え
ることにより前記各SQUID磁束計のダイナミックレ
ンジ及びスルーレートをそれぞれ異なるように設定して
いる。
【0027】好適には、環境磁場キャンセリングシステ
ムは、所定距離だけ離間して配設された少なくとも一対
のアクティブシールドコイルを有し、前記複数のSQU
ID磁束計における少なくとも複数の検出コイルは、前
記一対のアクティブシールドコイルが形成する所定空間
内に配置されているとともに、前記キャンセル手段は、
前記加算手段により加算された加算電気信号に基づく電
流を前記一対のアクティブシールドコイルに供給して当
該一対のアクティブシールドコイルを介して前記所定空
間内に前記環境磁場をキャンセルする逆磁場を発生させ
る逆磁場発生手段を備えている。
【0028】一方、本発明の第2の面に係わる環境磁場
キャンセリングシステムによれば、測定対象から発せら
れた微弱磁場を含む磁気信号を磁気計測用SQUID磁
束計を用いて計測する磁気計測手段と、前記微弱磁場以
外の周囲の環境に由来して生じた環境磁場に基づく環境
磁気信号を複数の環境磁場計測用SQUID磁束計を用
いて計測し、計測された環境磁気信号に基づいて前記磁
気信号に含まれる前記環境磁場に起因した雑音信号をキ
ャンセルする環境磁場キャンセリングシステムとを備
え、前記複数の環境磁場計測用SQUID磁束計におけ
るダイナミックレンジ及びスルーレートを各環境磁場計
測用SQUID磁束計間で互いに異なるように設定して
いる。
【0029】好適には、前記複数の環境磁場計測用SQ
UID磁束計は、それぞれ前記環境磁場を検出可能な検
出コイル及びこの検出コイルにより検出された環境磁場
に基づく磁束に応じて電気信号を出力するSQUID素
子を有する環境磁場測定手段と、前記SQUID素子か
らそれぞれ出力された電気信号を磁束として当該SQU
ID素子にフィードバックすることにより前記電気信号
を前記環境磁場に比例した出力信号とするSQUID駆
動手段とをそれぞれ有する一方、前記複数のSQUID
駆動手段からそれぞれ出力された前記環境磁場に比例し
た電気信号のゲイン及び通過周波数帯域を各信号毎に調
整し、ゲイン及び帯域調整された各電気信号を加算処理
する処理手段と、この処理手段により得られた加算電気
信号を前記磁気計測手段により計測された磁気信号から
差し引く手段とを備えている。
【0030】本発明の第1の面に係わる環境磁場キャン
セリングシステムでは、例えば所定距離だけ離間して配
設された少なくとも一対のアクティブシールドコイルが
形成する所定空間内に、複数のSQUID磁束計におけ
る少なくとも複数の検出コイルが配置されている。
【0031】このとき、複数のSQUID磁束計におけ
るダイナミックレンジ及びスルーレートは各SQUID
磁束計間で互いに異なるように設定されており、その結
果、計測する環境磁場の磁場強度および周波数が互いに
異なっている。このため、各SQUID磁束計の環境磁
場測定手段及びSQUID駆動手段により、磁場強度及
び周波数帯域の異なる環境磁場(磁場強度の強い低周波
数帯域の環境磁場、磁場強度の弱い高周波数帯域の環境
磁場)それぞれに対応した電気信号が計測される。
【0032】そして、この計測された各電気信号は、処
理手段を介してゲイン及び帯域調整された後加算処理さ
れ、この加算処理により得られた加算電気信号は上記一
対のアクティブシールドコイルに供給される。
【0033】この結果、一対のアクティブシールドコイ
ルが形成する所定空間内においては、加算電気信号に応
じてアクティブシールドコイルから逆磁場が発生してお
り、この逆磁場により前記所定空間内における磁場強度
の強い低周波数帯域の環境磁場及び磁場強度の弱い高周
波数帯域の環境磁場をそれぞれキャンセルすることがで
きる。
【0034】また、本発明の第2の面に係わる磁気計測
装置では、磁気計測手段の磁気計測用SQUID磁束計
により、測定対象から発せられた微弱磁場を含む磁気信
号が計測されている。
【0035】一方、上記微弱磁場以外の周囲の環境に由
来して生じた環境磁場に基づく環境磁気信号は、複数の
環境磁場計測用SQUID磁束計の環境磁場測定手段及
びSQUID駆動手段により計測されている。
【0036】このとき、複数のSQUID磁束計におけ
るダイナミックレンジ及びスルーレートは各SQUID
磁束計間で互いに異なるように設定されており、その結
果、計測する環境磁場の磁場強度および周波数が互いに
異なっている。このため、各SQUID磁束計において
計測された電気信号は、磁場強度及び周波数帯域の異な
る環境磁場(磁場強度の強い低周波数帯域の環境磁場、
磁場強度の弱い高周波数帯域の環境磁場)に基づく電気
信号(環境磁気信号)となっている。
【0037】そして、この計測された各環境磁気信号
は、処理手段を介してゲイン及び帯域調整された後加算
処理され、この加算処理により得られた加算電気信号
は、上記磁気計測手段により計測された磁気信号から差
し引かれる。
【0038】この差し引き処理の結果、測定対象から発
せられた微弱磁場を含む磁気信号から環境磁気信号を差
し引いた信号、すなわち、環境磁場の影響の無い微弱磁
場信号が得られる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に従って以下に説明する。
【0040】(第1の実施の形態)本発明の環境磁場キ
ャンセリングシステムに係わる第1の実施の形態を図1
〜図2に示す。
【0041】図1〜図2によれば、本実施形態の環境磁
場キャンセリングシステム1は、対象体から発せられた
生体磁場等を計測するための磁気計測用SQUID磁束
計(図示せず)に対して作用する環境磁場をキャンセリ
ングするための複数の環境磁場検出用SQUID磁束計
2a1 〜2a3 (なお、図1では3個のSQUID磁束
計を示している)を備えている。
【0042】また、環境磁場キャンセリングシステム1
は、少なくとも1つのアクティブシールドコイルとし
て、磁場勾配の少ない均一磁場を形成可能な一対のヘル
ムホルツコイル3、3を有している。このヘルムホルツ
コイル3、3は、所定距離だけ離間して並行に並設され
た一対の円形コイルを直列に接続して構成されている。
【0043】環境磁場検出用SQUID磁束計2a1 〜
2a3 (以下、単にSQUID磁束計2a1 〜2a3 と
する)におけるSQUID磁束計2a1 は、2つのジョ
セフソン接合を有するSQUID素子5a1 と、生体か
ら発せられた微弱磁場(微弱磁気信号)を検出するため
の検出コイル6a1 と、この検出コイル6a1 により検
出された微弱磁気信号に基づく磁束をSQUID素子5
a1 に伝達する入力コイル7a1 とを備えている。
【0044】このとき、入力コイル7a1 およびSQU
ID素子5a1 間の相互インダクタンスはMであり、検
出コイル6a1 、入力コイル7a1 およびSQUID素
子5a1 間における磁場感度は、例えば検出コイル6a
1 のインダクタンスおよび入力コイル7a1 のインダク
タンス等に応じて所定値γ1 に設定されている。
【0045】また、SQUID磁束計2a1 は、SQU
ID素子5a1 にバイアス電流を流す電流源8a1 と、
所定のオープンループゲイン(A1 )を有し、SQUI
D素子5a1 から出力された電圧を増幅する増幅器(プ
リアンプ)9a1 や所定のカットオフ周波数Fc1を有す
る積分器10a1 から成る駆動回路11a1 および積分
器10a1 から出力された電圧信号Vo1を電圧/電流変
換回路である例えば抵抗12a1 (インピーダンスZf
1)を介して電流に変換し、フィードバック電流If1と
してフィードバックラインL1 を介してフィードバック
コイル13a1 に流す第1のフィードバック回路14a
1 を有したSQUID駆動回路15a1 とを備えており
(図2参照)、フィードバックコイル13a1 に流れる
フィードバック電流If1により測定磁場変化を打ち消す
フィードバック磁束Φf1をSQUID素子5a1 に与え
るように構成されている。なお、ところで、上記フィー
ドバック回路14a1 におけるフィードバックゲインβ
f1は、「βf1=M/Zf1」で表される。
【0046】同様に、SQUID磁束計2a2 、2a3
は、それぞれSQUID素子5a2、5a3 と、検出コ
イル6a2 、6a3 と、入力コイル7a2 、7a3 と、
電流源8a2 、8a3 と、駆動回路11a2 、11a3
(増幅器9a2 、9a3 ,積分器10a2 、10a3 を
含む)および第2のフィードバック回路14a2 、14
a3 {抵抗12a2 、12a3 (インピーダンスZf2、
Zf3),フィードバックコイル13a2 、13a3 を含
む}を備えたSQUID駆動回路15a2 、15a3 と
を備えており、駆動回路11a2 、11a3 からそれぞ
れ出力された電圧信号Vo2、Vo3に基づいてフィードバ
ックコイル13a2 、13a3 に流れるフィードバック
電流If2、If3により測定磁場変化を打ち消すフィード
バック磁束Φf2、Φf3をそれぞれSQUID素子5a2
、5a3 に与えるように構成されている。
【0047】ところで、SQUID磁束計2a1 〜2a
3 および磁気計測用SQUID磁束計の計測部を構成す
る検出コイル群(検出コイル6a1 〜6a3 および磁気
計測用SQUID磁束計の検出コイル)、入力コイル群
(入力コイル7a1 〜7a3および磁気計測用SQUI
D磁束計の入力コイル)、SQUID素子群(SQUI
D素子5a1 〜5a3 および磁気計測用SQUID磁束
計のSQUID素子)およびフィードバックコイル群
(フィードバックコイル13a1 〜13a3 および磁気
計測用SQUID磁束計のフィードバックコイル)は、
図示しないデュワー内に収容されており、SQUID磁
束計2a1 〜2a3 の計測部は、磁気計測用SQUID
磁束計の計測部から離間した箇所に配置されている。そ
して、上記デュワーを移動させることにより、対象体か
ら発せられた微弱磁気信号を磁気計測用SQUID磁束
計の計測部を介して測定するようになっている。
【0048】特に、本構成によれば、SQUID磁束計
2a1 〜2a3 および磁気計測用SQUID磁束計の計
測部における少なくとも検出コイル群(検出コイル6a
1 〜6a3 および磁気計測用SQUID磁束計の検出コ
イル)は、図1に示すように、一対のヘルムホルツコイ
ル3、3間に形成された所定空間(微弱磁場検出空間)
R内に配設されている。
【0049】また、本構成によれば、SQUID磁束計
2a2 における検出コイル6a2 、入力コイル7a2 お
よびSQUID素子5a2 間の磁場感度は、例えば検出
コイル6a2 のインダクタンスおよび入力コイル7a2
のインダクタンスに応じて、上記SQUID磁束計2a
1 における磁場感度γ1 とは異なる値γ2 に設定されて
いる。同様に、SQUID磁束計2a3 における検出コ
イル6a3 、入力コイル7a3 およびSQUID素子5
a3 間の磁場感度は、例えば検出コイル6a3のインダ
クタンスおよび入力コイル7a3 のインダクタンスに応
じて、上記SQUID磁束計2a1 における磁場感度γ
1 およびSQUID磁束計2a2 における磁場感度γ2
とは異なる値γ3 に設定されている。
【0050】また、SQUID磁束計2a2 の増幅器9
a2 のオープンループゲインは、上記SQUID磁束計
2a1 における増幅器9a1 のオープンループゲインA
1 とは異なる値A2 に設定されており、同様に、SQU
ID磁束計2a3 の増幅器9a3 のオープンループゲイ
ンは、上記SQUID磁束計2a1 における増幅器9a
1 のオープンループゲインA1 およびSQUID磁束計
2a2 における増幅器9a2 のオープンループゲインA
2 とは異なる値A3 に設定されている。
【0051】さらに、SQUID磁束計2a2 の積分器
10a2 のカットオフ周波数は、上記SQUID磁束計
2a1 における積分器10a1 のカットオフ周波数Fc1
とは異なる値Fc2に設定されており、同様に、SQUI
D磁束計2a3 の積分器10a3 のカットオフ周波数
は、上記SQUID磁束計2a1 における積分器10a
1 のカットオフ周波数Fc1およびSQUID磁束計2a
2 における積分器10a2 のカットオフ周波数Fc2とは
異なる値Fc3に設定されている。
【0052】そして、SQUID磁束計2a2 のフィー
ドバック回路14a2 におけるフィードバック抵抗12
a2 のインピーダンスおよびフィードバックゲインは、
上記SQUID磁束計2a1 におけるフィードバック回
路14a1 のフィードバック抵抗12a1 のインピーダ
ンスZf1およびフィードバックゲインβf1とは異なる値
Zf2およびβf2(=M/Zf2)にそれぞれ設定されてお
り、SQUID磁束計2a3 のフィードバック回路14
a3 におけるフィードバック抵抗12a3 のインピーダ
ンスおよびフィードバックゲインは、上記インピーダン
スZf1およびフィードバックゲインβf1,インピーダン
スZf2およびフィードバックゲインβf2とは異なる値Z
f3およびβf3(=M/Zf3)にそれぞれ設定されてい
る。
【0053】このとき、本実施形態においては、SQU
ID磁束計2a1 の上述した各パラメータ{磁場感度γ
1 、オープンループゲインA1 、カットオフ周波数Fc1
およびインピーダンスZf1(フィードバックゲインβf
1)}は、磁場強度の小さい高周波側{例えば、本実施
形態では70Hz以上とする}の環境磁場を漏らさずピ
ックアップできる程度のダイナミックレンジを有し、且
つその高周波磁場をピックアップできるような大きいス
ルーレートを有するようにそれぞれ設定されている。
【0054】また、SQUID磁束計2a3 の上述した
各パラメータ{磁場感度γ3 、オープンループゲインA
3 、カットオフ周波数Fc3およびインピーダンスZf3
(フィードバックゲインβf3)}は、磁場強度の強い低
周波側(DC;0Hz〜30Hz)の環境磁場を漏らさ
ずピックアップできるような大きなダイナミックレンジ
を有し、且つその低周波磁場をピックアップできる程度
のスルーレートを有するようにそれぞれ設定されてい
る。
【0055】さらに、SQUID磁束計2a2 の上述し
た各パラメータ{磁場感度γ2 、オープンループゲイン
A2 、カットオフ周波数Fc2およびインピーダンスZf2
(フィードバックゲインβf2)}は、SQUID磁束計
2a1 およびSQUID磁束計2a3 でピックアップし
た高周波側と低周波側との間の周波数帯域(商用電源周
波数50Hz/60Hzを含む30Hz〜70Hz、以
下、中間周波数帯域という)の環境磁場をピックアップ
するためのダイナミックレンジおよびスルーレートを有
するようにそれぞれ設定されている。
【0056】例えば、本実施形態においては、磁場感度
γ1 <磁場感度γ2 <磁場感度γ3、オープンループゲ
インA1 <オープンループゲインA2 <オープンループ
ゲインA3 、カットオフ周波数Fc1>カットオフ周波数
Fc2>カットオフ周波数Fc3、インピーダンスZf1>イ
ンピーダンスZf2>インピーダンスZf3およびフィード
バックゲインβf1<フィードバックゲインβf2<フィー
ドバックゲインβf3のように定められており、特に、
「インピーダンスZf2=1/2Zf1」および「インピー
ダンスZf3=1/3Zf1」のように設定されている。
【0057】一方、環境磁場キャンセリングシステム1
は、SQUID磁束計2a1 〜2a3 の駆動回路11a
1 〜11a3 からそれぞれ出力された電圧信号Vo1、V
o2、Vo3をプリプロセッシングしてゲイン調整及び帯域
制限が施された電圧信号V'o1 、V'o2 、V'o3 をそれ
ぞれ生成するプリプロセッサ回路20a1 〜20a3
と、これらプリプロセッサ回路20a1 〜20a3 にお
いて設定されるゲインの値及び通過させる周波数帯域を
それぞれ制御するGain&Filter制御回路21
とを備えている。なお、本構成では、プリプロセッサ回
路20a1 〜20a3 においてそれぞれ設定されるゲイ
ン値G1 〜G3 は、フィードバック回路14a1 〜14
a3 の各インピーダンスZf1、Zf2、Zf3の関係(Zf1
=2Zf2=3Zf3)に応じて、G3 =1.5G2 =3G
1 となるようにGain&Filter制御回路21を
介して設定されている。
【0058】さらに、環境磁場キャンセリングシステム
1は、プリプロセッサ回路20a1〜20a3 からそれ
ぞれ出力された電圧信号V'o1 、V'o2 、V'o3 を加算
する加算器(Adder)22と、この加算器22によ
り加算された加算信号をバッファアンプ(Amp)23
を介して増幅し、上記環境磁場キャンセル用フィードバ
ック電流Icfとしてヘルムホルツコイル3、3にフィー
ドバックする第2のフィードバック回路24とを備えて
いる。
【0059】次に本実施形態の環境磁場キャンセリング
システム1の全体動作について説明する。
【0060】本構成によれば、磁気計測用SQUID磁
束計を駆動させて対象体から発せられる微弱磁気信号を
測定する前に、環境磁場キャンセリングシステム1の複
数のSQUID磁束計2a1 〜2a3 を駆動させて、ヘ
ルムホルツコイル3、3間に形成された所定空間R内の
環境磁場をキャンセルするようになっている。
【0061】すなわち、SQUID駆動回路15a1 〜
15a3 をそれぞれ駆動させることにより、検出コイル
6a1 〜6a3 により上述した環境磁場に基づく磁束が
それぞれ検出される。
【0062】検出コイル6a1 〜6a3 によりそれぞれ
検出された磁束は、電流源8a1 〜8a3 によりバイア
ス電流が流れて2つのジョセフソン接合部分に電圧が発
生しているSQUID素子5a1 〜5a3 に入力コイル
7a1 〜7a3 を介してそれぞれ伝達され、各SQUI
D素子5a1 〜5a3 から入力磁束に基づく電圧がそれ
ぞれ出力される。
【0063】SQUID素子5a1 〜5a3 からそれぞ
れ出力された電圧は、SQUID駆動回路15a1 〜1
5a3 における駆動回路11a1 〜11a3 の増幅器9
a1〜9a3 及び積分器10a1 〜10a3 によりそれ
ぞれ増幅処理され、電圧信号Vo1〜Vo3として第1のフ
ィードバック回路14a1 〜14a3 の抵抗12a1〜
12a3 にそれぞれ送られて直流電流に変換される。そ
して、変換された直流電流は、それぞれフィードバック
電流If1〜If3としてフィードバックラインL1 〜L3
を介して第1のフィードバック回路14a1 〜14a3
のフィードバックコイル13a1 〜13a3 にそれぞれ
供給される。
【0064】このとき、本構成では、SQUID磁束計
2a1 のダイナミックレンジおよびスルーレートが高周
波域に対応して設定されているため、全周波数帯域の環
境磁場における高周波数帯域の環境磁場が漏れなくSQ
UID磁束計2a1 によりピックアップされている。ま
た、SQUID磁束計2a3 のダイナミックレンジおよ
びスルーレートが低周波域に対応して設定されているた
め、全周波数帯域の環境磁場における低周波数帯域の環
境磁場が漏れなくSQUID磁束計2a3 によりピック
アップされている。
【0065】さらに、SQUID磁束計2a2 のダイナ
ミックレンジおよびスルーレートが中間周波数帯域に対
応して設定されているため、全周波数帯域の環境磁場に
おける高周波側と低周波側との間の商用電源周波数を含
む中間周波数帯域の環境磁場が漏れなくSQUID磁束
計2a2 によりピックアップされている。
【0066】このようにして、各SQUID磁束計2a
1 〜2a3 によってそれぞれピックアップされた高周波
域〜低周波域の環境磁場に比例した電圧信号Vo1〜Vo3
は、Gain&Filter制御回路21の制御に基づ
いてプリプロセッサ回路20a1 〜20a3 によりそれ
ぞれプリプロセッシングされ、ゲイン調整{「G3 =
1.5G2 =3G1 」の関係から、Vo3→G3 Vo3=3
G1 Vo3、Vo2→G2 Vo2=2G1 Vo2、Vo1→G1 V
o1}および帯域調整が行なわれる。
【0067】ゲイン・帯域調整が施された電圧信号V'o
1 (=G1 Vo1)、V'o2 (=G2Vo2)、V'o3 (=
G3 Vo3)は、それぞれ加算器22に送られる。加算器
22に送られた電圧信号V'o1 、V'o2 およびV'o3
は、その加算器22の処理により加算される。そして、
加算処理の結果得られた加算信号V'oA は、フィードバ
ック回路24のバッファアンプ23を介して環境磁場キ
ャンセル用フィードバック電流Icfとしてヘルムホルツ
コイル3、3にフィードバックされる。
【0068】このとき、加算信号V'oA に基づく環境磁
場キャンセル用フィードバック電流Icfは、低周波数帯
域の環境磁場、中間周波数帯域の環境磁場および高周波
数帯域の環境磁場にそれぞれ比例した電圧成分が加算し
て生成された電流であるため、このフィードバック電流
Icfによりヘルムホルツコイル3、3から低周波数帯域
〜高周波数帯域に亘る全ての周波数帯域の環境磁場と同
等の逆磁場が所定空間R内において発生し、この逆磁場
により、その所定空間R内の全周波数帯域の環境磁場が
キャンセルされる。
【0069】この結果、所定空間R内において低周波数
帯域〜高周波数帯域に亘る環境磁場に起因した磁気雑音
を著しく低減させることができる。したがって、環境磁
場キャンセリングシステム1(SQUID磁束計2a1
〜2a3 )を駆動させた状態で所定空間R内において、
磁気計測用SQUID磁束計を駆動させることにより、
対象体から発せられた微弱磁気信号を環境磁気雑音の影
響を受けることなく正確かつ高精度で測定することがで
きる。
【0070】なお、本実施形態においては、1組のヘル
ムホルツコイルおよびこの1組のヘルムホルツコイルに
接続された複数のSQUID磁束計を用いて所定空間を
アクティブシールドしたが、本発明はこれに限定される
ものではなく、複数組のヘルムホルツコイルおよび各組
のヘルムホルツコイルそれぞれに接続された複数のSQ
UID磁束計を用いて所定空間をアクティブシールドし
てもよい。
【0071】また、本実施形態においては、アクティブ
シールドコイル(逆磁場発生用コイル)としてヘルムホ
ルツコイルを用いたが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、所定空間に逆磁場を略均一に形成するコイル
であれば、どんなコイルであってもよい。
【0072】(第2の実施形態)本発明の第2の実施の
形態を図3に示す。図3は、アクティブシールドコイル
を用いずに、全周波数帯域の環境磁場を計測した信号
(参照信号)を計測信号から差し引くことにより、その
全周波数帯域の環境磁場をキャンセリングする環境磁場
キャンセリングシステムを有する磁気計測装置を示す図
である。なお、第1実施形態(図1および図2)に示し
た構成要素については、同一の符号を付してその説明は
省略又は簡略化する。
【0073】図3によれば、磁気計測装置30は、環境
磁場キャンセリングシステム31と、磁気計測用SQU
ID磁束計(図3では、例えば単一チャンネルのSQU
ID磁束計を示している)32とを備えている。
【0074】環境磁場キャンセリングシステム31は、
第1実施形態(図1および図2)の環境磁場キャンセリ
ングシステム1と比べて、一対のヘルムホルツコイルが
省かれており、新たに加算器22から出力された加算信
号V'oA のゲイン調整を行なうゲイン調整器(Gain
調整)33と、このゲイン調整された加算信号(参照信
号)V'oA と磁気計測用SQUID磁束計32の後述す
るSQUID駆動回路からの出力信号Vout との差分信
号を求める差分回路34とを備えている。
【0075】磁気計測用SQUID磁束計32は、環境
磁場キャンセリングシステム31のSQUID磁束計2
a1 〜2a3 と同様に、SQUID素子35、検出コイ
ル36、入力コイル37、電流源38、増幅器や積分器
を有する駆動回路41、および抵抗42(インピーダン
スZf0)やフィードバックコイル43を有するフィード
バック回路44(駆動回路41およびフィードバック回
路44でSQUID駆動回路45を構成する)をそれぞ
れ備えている。
【0076】第1実施形態と同様に、SQUID磁束計
2a1 〜2a3 および磁気計測用SQUID磁束計32
の計測部を構成する検出コイル群(検出コイル6a1 〜
6a3 および検出コイル36)、入力コイル群(入力コ
イル7a1 〜7a3 および入力コイル37)、SQUI
D素子群(SQUID素子5a1 〜5a3 およびSQU
ID素子35)およびフィードバックコイル群(フィー
ドバックコイル13a1 〜13a3 およびフィードバッ
クコイル43)は、図示しないデュワー内に収容されて
おり、SQUID磁束計2a1 〜2a3 の計測部は、磁
気計測用SQUID磁束計32の計測部から離間した箇
所に配置されている。そして、上記デュワーを移動させ
ることにより、対象体から発せられた微弱磁気信号を磁
気計測用SQUID磁束計32の計測部を介して測定す
るようになっている。
【0077】次に本構成の全体動作について説明する。
【0078】本構成によれば、磁気計測用SQUID磁
束計32および環境磁場キャンセリングシステム1の複
数のSQUID磁束計2a1 〜2a3 を共に駆動させる
ことにより、磁気計測用SQUID磁束計32に含まれ
ている環境磁場に基づく環境磁気信号をキャンセルする
ようになっている。
【0079】すなわち、本構成によれば、デュワーを対
象体に装着してSQUID磁束計32のSQUID駆動
回路45および複数のSQUID磁束計2a1 〜2a3
のSQUID駆動回路15a1 〜15a3 をそれぞれ駆
動させることにより、検出コイル36を介して対象体か
ら発せられた微弱磁気信号を含む磁気信号が検出され
る。
【0080】このとき、検出コイル36により検出され
た磁気信号には、対象体から発せられた微弱磁気信号の
他に、環境磁場に基づく環境磁気信号(環境磁場雑音)
が含まれている。
【0081】検出コイルに検出された磁気信号に基づく
磁束は、SQUID素子35に入力コイル37を介して
伝達されて入力磁束に基づく電圧が出力され、駆動回路
41を介して増幅処理されて電圧信号Vout として出力
される。
【0082】このとき、フィードバック回路44によ
り、駆動回路41から出力された電圧信号Vout は抵抗
42を介してフィードバック電流としてフィードバック
コイル43に供給されており、フィードバック磁束がS
QUID素子35に与えられ、測定された磁気信号の変
化が打ち消される。
【0083】また、駆動回路41から出力されたフィー
ドバック磁束に比例する電圧信号Vout は差分回路34
に送られる。
【0084】一方、複数のSQUID磁束計2a1 〜2
a3 のSQUID駆動回路15a1〜15a3 をそれぞ
れ駆動させると、第1実施形態で述べたように、SQU
ID磁束計2a1 のダイナミックレンジおよびスルーレ
ートが高周波域に、SQUID磁束計2a3 のダイナミ
ックレンジおよびスルーレートが低周波域に、およびS
QUID磁束計2a2 のダイナミックレンジおよびスル
ーレートが中間周波数帯域にそれぞれ対応して設定され
ているため、上記第1実施形態と同様の動作により、各
SQUID磁束計2a1 〜2a3 によって高周波域〜低
周波域の環境磁場がそれぞれピックアップされている。
【0085】そして、ピックアップされた高周波域〜低
周波域の環境磁場に比例した電圧信号Vo1〜Vo3は、G
ain&Filter制御回路21の制御に基づくプリ
プロセッサ回路20a1 〜20a3 の処理によりゲイン
・帯域調整が施された電圧信号V'o1 、V'o2 、V'o3
としてそれぞれ加算器22に送られる。加算器22に送
られた電圧信号V'o1 、V'o2 およびV'o3 は、その加
算器22の処理により加算される。
【0086】そして、加算処理の結果得られた加算信
号、すなわち、高周波域〜低周波域の環境磁場に基づく
環境磁気信号V'oA は、ゲイン調整器33により上記電
圧信号Vout に応じたゲイン調整が施された後で差分回
路34に送られる。
【0087】このとき、差分回路34の処理により、駆
動回路41から送られた環境磁気信号を含む電圧信号V
out から、ゲイン調整器33から送られた環境磁気信号
V'oA がキャンセルされ、全周波数帯域の環境磁場に起
因した環境磁気信号がキャンセルされた電圧信号V'out
が得られる。この電圧信号V'outは、図示しないA/D
変換器等を介してディジタルデータに変換された後コン
ピュータ等のデータ処理装置に送られ、そのデータ処理
装置により様々なデータ処理が行なわれるようになって
いる。
【0088】すなわち、本構成によれば、磁気計測用S
QUID磁束計32により計測された対象体からの微弱
磁気信号を含む計測信号から、低周波数帯域〜高周波数
帯域に亘る環境磁場に起因した磁気信号(磁気雑音成
分)をキャンセルすることができるため、対象体から発
せられた微弱磁気信号を環境磁気雑音の影響を受けるこ
となく正確かつ高精度で測定することができる。
【0089】なお、本構成では、加算器22の後段にゲ
イン調整器33を設けたが、このゲイン調整器33は省
略することも可能であり、加算器22の前段のプリプロ
セッサ回路20a1 〜20a3 においてゲイン調整器3
3によるゲイン調整処理を併せて行なうようにすればよ
い。
【0090】また、第2実施形態の変形例を図4に示
す。図4によれば、磁気計測装置30Aの環境磁場キャ
ンセリングシステム31Aは、第2実施形態(図3)の
磁気計測装置30の環境磁場キャンセリングシステム3
1の各構成要素に加えて、差分回路34の出力信号V'o
utをできる限り小さくするために、その出力信号V'out
の値に基づいて差分回路34前段のゲイン調整器33の
ゲイン調整をフィードバック制御する制御回路50を備
えている。なお、その他の構成は第2実施形態(図3)
の磁気計測装置30の構成と同等であり、その説明は省
略する。
【0091】図4に示した磁気計測装置30Aの環境磁
場キャンセリングシステム31Aによれば、差分回路3
4から出力された微弱磁気信号V'outをできる限り小さ
くすることができるため、第2実施形態(図3)の磁気
計測装置30の効果に加えて、その微弱磁気信号V'out
に含まれる磁気ノイズ等を自動的に低減することがで
き、微弱磁気信号の計測精度がさらに向上する。
【0092】ところで、上述した第1〜第2実施形態の
環境磁場キャンセリングシステムにおいては、フィード
バック抵抗12a1 〜12a3 のインピーダンスZf1〜
Zf3は固定(すなわち、第1〜第3のフィードバック回
路14a1 〜14a3 のフィードバックゲインβ1 〜β
3 が固定)であり、駆動回路11a1 〜11a3 から出
力された電圧信号Vo1〜Vo3のゲイン及び周波数帯域を
Gain&Filter制御回路21と駆動回路11a
1 〜11a3 後段のプリプロセッサ回路20a1 〜20
a3 とで調整しているが、本発明はこれに限定されるも
のではない。
【0093】例えば、第1〜第2実施形態の環境磁場キ
ャンセリングシステム(図1〜図4参照)において、駆
動回路11a1 〜11a3 から出力された電圧信号Vo1
〜Vo3のゲイン調整及び周波数帯域調整に加えて、フィ
ードバック抵抗12a1 〜12a3 のインピーダンスZ
f1〜Zf3を調整してフィードバックゲインβ1 〜β3を
制御することも可能である。
【0094】図5は、第1〜第2実施形態の環境磁場キ
ャンセリングシステム(図1〜図4参照)において、上
述した電圧信号Vo1〜Vo3のゲイン調整及び周波数帯域
調整とフィードバックゲインβ1 〜β3 の調整とを連係
して行なう環境磁場キャンセリングシステム60を示す
図である。なお、その他の構成要素については、図示を
省略している。
【0095】図5に示すように、環境磁場キャンセリン
グシステム60におけるGain&Filter制御回
路21Aは、プリプロセッサ回路20a1 〜20a3 に
おけるゲイン制御及び通過周波数帯域制御と連係して、
フィードバック回路14a1〜14a3 のフィードバッ
ク抵抗12a1 〜12a3 におけるインピーダンスZf1
〜Zf3を制御するようになっている。なお、その他の構
成については、図1〜図4で示した環境磁場キャンセリ
ングシステムと同等であるため、その説明は省略する。
【0096】すなわち、本構成によれば、Gain&F
ilter制御回路21Aにより、プリプロセッサ回路
20a1 〜20a3 におけるゲイン制御及び通過周波数
帯域制御と連係してフィードバック抵抗12a1 〜12
a3 におけるインピーダンスZf1〜Zf3、すなわち、各
SQUID磁束計2a1 〜2a3 のフィードバックゲイ
ンβf1〜フィードバックゲインβf3の値を環境磁場の強
度や周波数帯域の変動等に応じて調整することができる
ため、各SQUID磁束計2a1 〜2a3 のダイナミッ
クレンジおよびスルーレートを、その環境磁場の強度や
周波数帯域の変動に対応した値に調整することができ
る。したがって、上述した効果に加えて、フィードバッ
クゲインやコイルの設置状態に応じてプリプロセッサ回
路の増幅度および周波数帯域を調整することにより、環
境磁場を正確にピックアップしてキャンセルすることが
でき、微弱磁気信号計測精度をさらに向上させることが
できる。なお、この駆動回路後段のプリプロセッサ回路
のゲイン調整・周波数帯域調整と連係してフィードバッ
ク回路のフィードバックゲインを調整する方式は、上述
した磁気計測用SQUID磁束計においても有効であ
る。
【0097】また、図5の環境磁場キャンセリングシス
テム60の変形例を図6に示す。図6によれば、環境磁
場キャンセリングシステム60Aは、プリプロセッサ回
路20a1 〜20a3 を介してゲイン調整及び周波数帯
域調整された電圧信号V'o1、V'o2 およびV'o3 をデ
ィジタルデータV'Do1、V'Do2およびV'Do3にそれぞれ
変換するA/D変換器(A/D)61と、このA/D変
換器61により変換されたディジタルデータV'Do1、
V'Do2およびV'Do3を加算するディジタル加算器(ad
der)62とを備えている。このディジタル加算器6
2により得られた加算ディジタルデータ、すなわち、高
周波域〜低周波域の環境磁場に基づく環境磁気データ
V'DoAは、D/A変換器(図示せず)を介してバッファ
アンプ23(図1〜図2の環境磁場キャンセリングシス
テムの場合)やゲイン調整器33(図3〜図4の環境磁
場キャンセリングシステムの場合)に送られるようにな
っている。
【0098】本構成によれば、プリプロセッサ回路20
a1 〜20a3 を介してゲイン調整及び周波数帯域調整
された電圧信号V'o1 、V'o2 およびV'o3 をA/D変
換器61およびディジタル加算器62によりディジタル
データとして加算しているため、上述した効果に加え
て、加算処理においてノイズ等の影響を極力避けること
ができ、精度良く環境磁場に基づく環境磁気データを取
得することができる。
【0099】なお、図6に示したプリプロセッサ回路2
0a1 〜20a3 を介してゲイン調整及び周波数帯域調
整された電圧信号V'o1 、V'o2 およびV'o3 をA/D
変換器61およびディジタル加算器62によりディジタ
ルデータとして加算する構成は、図5の構成の変形例と
して示したが、図1〜図4に示した環境磁場キャンセリ
ングシステムにおいても適用可能である。
【0100】また、上述した各実施形態では、環境磁場
キャンセリングシステムとしてアクティブシールドを用
いた構成および環境磁気信号を参照信号として用いた構
成を示したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、参照信号を用いて環境磁場を除去するための装置全
般に適用される。
【0101】さらに、上述した各実施形態によれば、複
数の環境磁場検出用SQUID磁束計それぞれのダイナ
ミックレンジおよびスルーレートを環境磁場の周波数帯
域および強度に応じた異なる値に設定するために、各S
QUID磁束計の各パラメータ{磁場感度、オープンル
ープゲイン、カットオフ周波数およびインピーダンス
(フィードバックゲイン)}をそれぞれ異なるように定
めたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例え
ば各パラメータの内の少なくとも一部{例えば磁場感度
やインピーダンス(フィードバックゲイン)}のみを異
なるように定めて、ダイナミックレンジおよびスルーレ
ートを環境磁場の周波数帯域および強度に応じた異なる
値に設定してもよい。
【0102】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の環境磁場キ
ャンセリングシステム及び磁気計測装置によれば、ダイ
ナミックレンジ及びスルーレートの異なる複数のSQU
ID磁束計(環境磁場計測用SQUID磁束計)により
磁場強度及び周波数帯域の異なる環境磁場(磁場強度の
強い低周波数帯域の環境磁場、磁場強度の弱い高周波数
帯域の環境磁場)をそれぞれ検出し、それらの環境磁場
に対応した電気信号を計測することができる。
【0103】したがって、計測した各電気信号を加算処
理して得られた加算電気信号に基づいて一対のアクティ
ブシールドコイルを介して逆磁場を発生させるか、ある
いは、磁気計測手段の磁気計測用SQUID磁束計によ
り計測された磁気信号から当該加算電気信号を差し引く
ことにより、磁場強度や周波数帯域の異なる環境磁場を
キャンセリングすることができる。
【0104】すなわち、複数の環境磁場計測用SQUI
D磁束計の各ダイナミックレンジ及びスルーレートを調
整することにより、周波数帯域の異なる、例えば低周波
域から高周波域に亘る広い周波数領域の環境磁場を漏れ
なく計測してキャンセルすることが可能になり、対象体
からの微弱磁場を、上記異なる周波数帯域の環境磁場の
影響を受けることなく正確かつ高精度で計測することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる環境磁場キ
ャンセリングシステムの概略構成を示すブロック図。
【図2】図1におけるSQUID駆動回路によるSQU
ID素子駆動部分の構成を示す図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係わる環境磁場キ
ャンセリングシステムを有する磁気計測装置の概略構成
を示すブロック図。
【図4】第2の実施の形態に係わる環境磁場キャンセリ
ングシステムの変形例を概略的に示すブロック図。
【図5】第1〜第2の実施の形態に係わる環境磁場キャ
ンセリングシステムの変形例を概略的に示すブロック
図。
【図6】図5に示した環境磁場キャンセリングシステム
の変形例を概略的に示すブロック図。
【図7】アクティブシールドを用いた環境磁場キャンセ
リングシステムの一例として、磁気センサにSQUID
磁束計を、逆磁場発生用コイルにヘルムホルツコイルを
用いたシステムを示す図。
【図8】βf をパラメータとした際のSQUID磁束計
の最大許容入力磁場、ダイナミックレンジおよび1Φ0
当たりの電圧出力(感度)をそれぞれ示す図。
【符号の説明】
1、31、31A、60、60A 環境磁場キャンセリ
ングシステム 2a1 〜2a3 環境磁場検出用SQUID磁束計 3、3 ヘルムホルツコイル 5a1 〜5a3 SQUID素子 6a1 〜6a3 検出コイル 7a1 〜7a3 入力コイル 8a1 〜8a3 電流源 9a1 〜9a3 増幅器 10a1 〜10a3 積分器 11a1 〜11a3 駆動回路 12a1 〜12a3 抵抗 13a1 〜13a3 フィードバックコイル 14a1 〜14a3 フィードバック回路 20a1 〜20a3 プリプロセッサ回路 21、21A Gain&Filter制御回路 22 加算器(adder) 23 バッファアンプ(Amp) 24 第2のフィードバック回路 30、30A 磁気計測装置 32 磁気計測用SQUID磁束計 33 ゲイン調整器(Gain調整) 34 差分回路 50 制御回路 61 A/D変換器(A/D) 62 ディジタル加算器(adder)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象から発せられた微弱磁場以外の
    周囲の環境に由来して生じた環境磁場を複数のSQUI
    D磁束計を用いて計測してキャンセリングする環境磁場
    キャンセリングシステムであって、 前記複数のSQUID磁束計におけるダイナミックレン
    ジ及びスルーレートを各SQUID磁束計間で互いに異
    なるように設定したことを特徴とする環境磁場キャンセ
    リングシステム。
  2. 【請求項2】 前記各SQUID磁束計は、前記環境磁
    場を検出可能な検出コイル及びこの検出コイルにより検
    出された環境磁場に基づく磁束に応じて電気信号を出力
    するSQUID素子を有する環境磁場測定手段と、前記
    SQUID素子からそれぞれ出力された電気信号を磁束
    として当該SQUID素子にフィードバックすることに
    より前記電気信号を前記環境磁場に比例した出力信号と
    するSQUID駆動手段とをそれぞれ有する一方、 前記複数のSQUID駆動手段からそれぞれ出力された
    前記環境磁場に比例した電気信号のゲイン及び通過周波
    数帯域を各信号毎に調整し、ゲイン及び帯域調整された
    各電気信号を加算処理する処理手段と、この処理手段に
    より加算された加算電気信号に基づいて前記環境磁場を
    キャンセルするキャンセル手段とを備えた請求項1記載
    の環境磁場キャンセリングシステム。
  3. 【請求項3】 前記各SQUID磁束計のダイナミック
    レンジ及びスルーレートを、その各SQUID磁束計に
    おいて計測する環境磁場の磁場強度および周波数が互い
    に異なるように設定した請求項2記載の環境磁場キャン
    セリングシステム。
  4. 【請求項4】 前記各SQUID磁束計のSQUID駆
    動手段におけるフィードバックゲイン及び各SQUID
    磁束計の環境磁場測定手段におけるSQUID素子への
    磁束伝達効率(磁場感度)の内の少なくとも一方を当該
    各SQUID磁束計毎に変えることにより前記各SQU
    ID磁束計のダイナミックレンジ及びスルーレートをそ
    れぞれ異なるように設定した請求項3記載の環境磁場キ
    ャンセリングシステム。
  5. 【請求項5】 前記処理手段は、前記各電気信号のゲイ
    ン及び通過周波数帯域の調整と前記フィードバックゲイ
    ンの各SQUID磁束計毎の変化とを互いに連係して行
    なう制御手段を有した請求項4記載の環境磁場キャンセ
    リングシステム。
  6. 【請求項6】 前記処理手段は、前記複数のSQUID
    駆動手段からそれぞれ出力された前記環境磁場に比例し
    た電気信号のゲイン及び通過周波数帯域を各信号毎に調
    整するゲインフィルタ回路と、このゲインフィルタ回路
    によりゲイン及び帯域調整された各電気信号をディジタ
    ル信号にそれぞれ変換するA/D変換器と、変換された
    各ディジタル信号を加算するディジタル加算器とを備
    え、前記キャンセル手段は、このディジタル加算器によ
    り加算された加算ディジタル信号に基づいて前記環境磁
    場をキャンセルするようにした請求項4記載の環境磁場
    キャンセリングシステム。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の環境磁場キャンセリング
    システムは、所定距離だけ離間して配設された少なくと
    も一対のアクティブシールドコイルを有し、前記複数の
    SQUID磁束計における少なくとも複数の検出コイル
    は、前記一対のアクティブシールドコイルが形成する所
    定空間内に配置されているとともに、前記キャンセル手
    段は、前記加算手段により加算された加算電気信号に基
    づく電流を前記一対のアクティブシールドコイルに供給
    して当該一対のアクティブシールドコイルを介して前記
    所定空間内に前記環境磁場をキャンセルする逆磁場を発
    生させる逆磁場発生手段を備えたことを特徴とする環境
    磁場キャンセリングシステム。
  8. 【請求項8】 測定対象から発せられた微弱磁場を含む
    磁気信号を磁気計測用SQUID磁束計を用いて計測す
    る磁気計測手段と、前記微弱磁場以外の周囲の環境に由
    来して生じた環境磁場に基づく環境磁気信号を複数の環
    境磁場計測用SQUID磁束計を用いて計測し、計測さ
    れた環境磁気信号に基づいて前記磁気信号に含まれる前
    記環境磁場に起因した雑音信号をキャンセルする環境磁
    場キャンセリングシステムとを備え、 前記複数の環境磁場計測用SQUID磁束計におけるダ
    イナミックレンジ及びスルーレートを各環境磁場計測用
    SQUID磁束計間で互いに異なるように設定したこと
    を特徴とする磁気計測装置。
  9. 【請求項9】 前記複数の環境磁場計測用SQUID磁
    束計は、それぞれ前記環境磁場を検出可能な検出コイル
    及びこの検出コイルにより検出された環境磁場に基づく
    磁束に応じて電気信号を出力するSQUID素子を有す
    る環境磁場測定手段と、前記SQUID素子からそれぞ
    れ出力された電気信号を磁束として当該SQUID素子
    にフィードバックすることにより前記電気信号を前記環
    境磁場に比例した出力信号とするSQUID駆動手段と
    をそれぞれ有する一方、 前記複数のSQUID駆動手段からそれぞれ出力された
    前記環境磁場に比例した電気信号のゲイン及び通過周波
    数帯域を各信号毎に調整し、ゲイン及び帯域調整された
    各電気信号を加算処理する処理手段と、この処理手段に
    より得られた加算電気信号を前記磁気計測手段により計
    測された磁気信号から差し引く手段とを備えた請求項8
    記載の磁気計測装置。
  10. 【請求項10】 前記差し引き手段は、前記処理手段に
    より得られた加算電気信号に対してゲイン調整を行なう
    ゲイン調整回路と、ゲイン調整された加算電気信号を前
    記磁気計測手段により計測された磁気信号から差し引く
    差分回路と、この差分回路から出力された信号値に基づ
    いて前記ゲイン調整回路を介して前記加算電気信号のゲ
    インを制御する制御回路とを備えた請求項9記載の磁気
    計測装置。
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