JPH1183643A - 熱の流れ方向と温度の計測方法及び装置 - Google Patents

熱の流れ方向と温度の計測方法及び装置

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JPH1183643A
JPH1183643A JP9238648A JP23864897A JPH1183643A JP H1183643 A JPH1183643 A JP H1183643A JP 9238648 A JP9238648 A JP 9238648A JP 23864897 A JP23864897 A JP 23864897A JP H1183643 A JPH1183643 A JP H1183643A
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JP
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temperature
heating
heating material
heat
flow
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JP9238648A
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Hitoshi Nakamura
均 中村
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度変化と速い流れのある空間内における流
れの方向と温度を精度よく計測する。 【解決手段】 細線が空冷される際のレスポンスの速さ
を利用して流速の速い熱流の流れの方向を計測できるよ
うする。即ち、熱流を捕らえる細線を通電加熱して予め
均一に加熱し、該加熱された加熱材に空気流を当て、そ
の冷却によるレスポンスの速い温度変化を検知すること
で空間での流れの方向を計測する。また、それと共に加
熱材の近傍に配置した受熱材の周囲からの熱伝達で生じ
る温度変化を検知して温度場の温度計測を行い、流速が
大きな場合でも流れの方向と温度を同時に計測できるよ
うにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱の流れと温度の測
定方法と装置に関し、特くに、電子機器、OA機器、コ
ンピュータ等の筐体内の熱設計や空調機や生産プロセス
における空間の温度を測定する方法と装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型・高密度化に伴っ
て電子部品から発生する熱による温度上昇が問題となっ
ている。機器内の熱を効率よく機外に排出させるため、
部品の配置やファンの位置等、伝熱や流路を考慮した熱
対策が必要である。その熱対策を施すにあたってあらか
じめ熱源から周囲空間へ放熱される熱流の温度と流れの
方向を効率良く、しかも精度良く計測する手段と装置が
望まれている。さらに、室内の空調機では効率よく冷暖
房を行うため吹き出し口の向きとその制御など、室内の
熱流を測定し局所的な温度上昇や温度低下を防止し、快
適な空調方法を提供する揚合などにも周囲空間に生じる
熱流の温度と流れの方向を計測することは大切である。
また、生産プロセスにおいても熱処理や乾燥工程など、
熱を使ってデバイスを作製する工程が多くあり品質を左
右する重要な工程となることが多い。このような場合も
温度管理が大切で、品質向上の観点からも熱流の制御は
非常に重要である。そこで、従来から、熱源から周囲空
間に自然対流で放熱される温度の計測方法として、ナイ
ロン細線を空間に張り、伝熱した温度を赤外線カメラで
計測するワイヤネット法が知られている。
【0003】ワイヤネット法として知られている計測方
法では、熱源から熱伝達によって周囲空間へ放熱された
熱によってワイヤが温度上昇する際は、その温度変化を
赤外線カメラで計測し、それによって熱流の流れる方向
を解析しているが、ファンを使った強制空冷やダクトの
吸引、送風機等の空気流の流動が速い場合には、ナイロ
ン線が熱流によって加熱される過渡現象において伝熱遅
延が生じるため、その計測は温度変化に追随できず必ず
しも正確な温度計測ができるとは限らない。熱流をナイ
ロン線などで捕らえて赤外線カメラで温度計測する方法
では、ファンや送風機等からの流れの流速が、例えば、
約4m/sを越える揚合など流速が速いと十分なレスポ
ンスや精度が得られない等、従来提案された方法では熱
流の流速が速い場合には信頼性のある温度計測を行うこ
とは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法では熱流の
速度が速い場合にはそれに追従することは困難であった
ため、本発明の第1の課題は、熱源から生じる熱流の流
速が速い場合であっても追従でき、その流動方向を簡単
かつ確実に計測することである。
【0005】本発明の第2の課題は、熱源から生じる熱
流の流速が速い場合であっても追従でき、その流動方向
とともに、前記空間内の空気の温度や分布も容易かつ確
実に計測することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、細線が空冷さ
れる際のレスポンスの速さを利用して流速の速い熱流の
流れの方向を計測できるようにしたものである。即ち、
熱流を捕らえる細線に通電加熱して予め均一に加熱し、
該加熱された加熱材に空気流を当て、その冷却によるレ
スポンスの速い温度変化を検知することで空間での流れ
の方向を計測するものである。また、本発明は、それと
共に加熱材の近傍に配置した受熱材によって周囲からの
熱伝達で生じる温度変化を検知して、温度場(熱源によ
って空気が暖められ温度変化した周囲空間を温度場とい
う)の温度計測もできるようにし、これらを組み合せる
ことにより流速が大きな場合でも流れの方向の計測と温
度計測を同時に可能にするものである。
【0007】請求項1の発明は、温度変化と流れのある
空間内において、加熱材を一定の温度に加熱し、該加熱
した状態において前記加熱材を前記流れにより冷却し、
かつその状態で前記加熱材を計測する、各段階から成る
熱の流れ方向計測方法である。
【0008】請求項2の発明は、温度変化と流れのある
空間内に挿入可能でかつ熱流の無視できる形状を有する
加熱材、該加熱材を加熱せしめる装置、前記加熱材を冷
却する装置及び該加熱材の温度を計測する装置を有する
熱の流れ方向計測装置である。
【0009】請求項3の発明は、請求項2項記載の熱の
流れ方向計測装置において、前記加熱材の温度を計測す
る装置は赤外線カメラであり、かつ前記加熱材の形状は
細線状である熱の流れ方向計測装置である。
【0010】請求項4の発明は、請求項3記載の熱の流
れ方向計測装置において、前記加熱材が水平あるいは垂
直に複数個配置されている熱の流れ方向計測装置であ
る。
【0011】請求項5の発明は、請求項3記載の熱の流
れ方向計測装置において、前記加熱材が水平、垂直に格
子状に配置された構造を有する熱の流れ方向計測装置で
ある。
【0012】請求項6の発明は、請求項3記載の熱の流
れ方向計測装置において、前記加熱材がスパイラル状の
形状を有する熱の流れ方向計測装置である。
【0013】請求項7の発明は、請求項6記載の熱の流
れ方向計測装置において、前記スパイラル状の加熱材が
水平あるいは垂直に複数個配置されている熱の流れ方向
計測装置である。
【0014】請求項8の発明は、温度変化と流れのある
空間内において、加熱材を加熱し、加熱材が一定温度に
達したときに加熱を停止し、前記加熱材に近接して配置
された受熱材の温度を計測する、各段階から成る温度場
の温度計測方法である。
【0015】請求項9の発明は、温度変化と流れのある
空間内に挿入可能で熱流への影響の無視できる形状を有
する加熱材、該加熱材を加熱せしめる装置、前記加熱材
を冷却する装置、前記加熱材に近接して配置され、熱流
への影響を無視できる形状を有する受熱材、及び、前記
加熱部材及び受熱部材の温度を計測する装置を有する温
度場の熱の流れ方向及び温度の計測装置である。
【0016】請求項10の発明は、請求項9記載の温度
計測装置において、前記加熱材及び受熱材の温度を計測
する装置は赤外線カメラであり、かつ前記加熱材及び前
記受熱材の形状は共に細線状である温度場の熱の流れ方
向及び温度の計測装置である。
【0017】請求項11の発明は、請求項10記載の温
度計測装置において、前記加熱材及び前記受熱材は水平
あるいは垂直に複数個配置された前記加熱材間に、前記
受熱材が平行にかつ前記加熱材と交互に複数個配置され
た構成である温度場の熱の流れ方向及び温度の計測装置
である。
【0018】請求項12の発明は、請求項10記載の温
度計測装置において、前記加熱材及び前記受熱材は、水
平、垂直に格子状に配置された前記加熱材間に前記受熱
材が平行に、かつ加熱材と交互に複数個配置された構成
である温度場の熱の流れ方向及び温度の計測装置であ
る。
【0019】請求項13の発明は、請求項10記載の温
度計測装置において、前記加熱材及び前記受熱材は、水
平あるいは垂直に複数個配置されたスパイラル状の各々
の加熱材の間に交互にスパイラル状の受熱材が配置され
た構成である温度場の熱の流れ方向及び温度の計測装置
である。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の計測装置の一実
施形態を概略的に示したものであり、測定部材に加熱材
を使用して熱流の方向を計測する場合を示している。図
中、1は加熱材、2は加熱材を支持するホルダー、3は
加熱材を加熱するための電流を供給する定電流電源、4
は加熱材から赤外線を検知する赤外線カメラ、5は赤外
線カメラで検知した赤外線データを解析して温度データ
等を表示するパソコン、6は例えば図2に示す受熱材8
を冷却するための空冷ファン、7は受熱材8を加熱する
加熱源、またSは図1において加熱材及びホルダーを含
む空間をそれぞれ示している。また、加熱材1はホルダ
ー2に張設されて測定部材を構成している。
【0021】次に、前記温度計測装置を用いて熱の流れ
の方向を測計する手順を説明する。該手順は、温度変化
と流れのある空間S内に、支持ホルダーに支持した熱流
に影響を与えない形状の加熱材1を置き、次に加熱材1
を定電流電源3に接続して通電加熱し、加熱材1を一定
温度まで加熱した後、空冷ファン6を始動して前記加熱
材1を冷却し、その温度データを赤外線カメラ4で収集
し、更に、パソコン5で該データを解析表示することに
より、熱の流れの方向を測定する各段階からなってい
る。
【0022】具体的には、例えば、加熱材1にタングス
テンのφ1mmの線を用い、ホルダー2には電気絶縁性
を持たせるためアルミナセラミックスを、電源3には2
4V,2A出力のDC電源を、赤外線カメラ4には、例
えば、NIKON製の赤外線カメラサーモビジョンLA
RD 3A等を用い、更に、前記空間S内において、前
記加熱材1に通電し温度を約100℃に加熱する。この
場合における赤外線カメラで撮影した熱画像は加熱材の
均一な温度を表示するが、次いで、空冷ファン6を作動
させると空気流が生じ、その流れが加熱材のタングステ
ン線の一部を通過すると、その部分に空冷による温度低
下が生じる。この温度低下は赤外線カメラ4を通してパ
ソコン5により例えば約1/60秒のレスポンス時間で
熱画像として表示される。つまり、前記表示は約1/6
0秒のレスポンス時間で変化する。これにより約50℃
に低下するまでの温度計測が可能となる。他方、流れの
ない加熱材部分は温度低下せずそのままでは変化は生じ
ていないため、その両方の温度計測の結果から流れの方
向の計測が可能であり、強制空冷等の速い流れ場の流れ
方向のセンシングが可能である。
【0023】前記加熱材1には熱流への影響が無視でき
る形状として細線が採用されている。加熱材1の熱容量
は極力少ない形状のほうがよいので線径はなるべく細い
方が望ましく、ここでは加熱材1にタングステンのφ1
mmの線を用いている。しかし、線径があまり細くなる
と赤外線カメラの分解能の問題が出てくるので、赤外線
カメラの分解能を考慮して選定することが必要がある。
加熱材の材質は、白金、白金−ロジウムの合金等を利用
することができるが、赤外線の放射率を1に近づけるた
め、金属光沢のものであれば耐熱黒色塗料等で擬似黒化
する必要がある。
【0024】図2は、請求項4記載の実施形態における
測定部材を示したものであり、複数本の加熱材1(例え
ば、図示の場合は10本の加熱材)がホルダー2に張設
されている。図2(A)には細線状の加熱材を縦に、
又、図2(B)には水平に張設した状態が示されてお
り、このように細線状の加熱材を水平あるいは垂直に複
数個配置された構造にすることによって、流れ場(熱源
によって暖められた空気が移動する空間)の様子即ち流
れの方向を空間の広い範囲に渡って、短時間で計測する
ことができる。この場合における加熱材1の材料はタン
グステンのφ1mmの線を用いる。加熱材相互の問隔は
約5mmとし、加熱源からの電気的な接続は電流が一定
となるように直列接続している。流れの方向の計測は1
0本の加熱材に通電して約100℃に加熱し、ファンに
よる空間の流れ場の計測を短時間の内に行うことができ
る。なお、計測空間の形状に併せて縦長や横長等に加工
することができる。
【0025】図3は、請求項5記載の発明の実施の形態
における測定部材を示したものであり、図2に示す加熱
材1は水平と垂直どちらか一方において複数本の細線を
張設したが、本実施の形態では図3に示すように10本
の加熱材を水平、垂直に格子状に張設している。水平細
線と垂直細線は電気的絶縁性を保つため交差点ができな
いように、2のホルダー2に2mm程度の間隔を設けて
加熱材を設置している。加熱源からの電気的な接続は電
流が一定となるように、水平、垂直とも直列接続をし、
計測時に10本の加熱材に通電し約100℃に加熱する
ことで、空冷ファン6による空間の流れ場における流れ
の方向を短時間の内に計測することができる。
【0026】図4は、請求項6記載の発明の実施の形態
における測定部材を示したものであり、加熱材であるタ
ングステン線をφ5mm程度にし、かつピッチ3mmで
20回の巻き数でスパイラル状の形状に作製する。この
スパイラル状の加熱部材1は、立体的な構造であるため
線材と比較した場合に3次元的な流れがより計測しやす
い。計測はこのスパイラル状の部材に通電し、前記の実
施形態のように流れ場の方向を容易に、かつ精密に計測
することができる。
【0027】図5は、請求項7記載の発明の実施の形態
における加熱材を示したものであり、スパイラル状の加
熱材を2のホルダーに例えば10本、水平あるいは垂直
に配置した。この構成により流れ場の流れ方向を的確に
計測することができる。
【0028】次に、本発明により温度における温度計測
を行う場合の実施の形態について説明する。請求項8記
載の温度測定方法の実施形態において、空間の温度計測
は、定電流DC電源3の通電により加熱材を加熱した後
前記DC電源の通電を停止して行う。即ち、前記電源の
通電により加熱材を一定温度に加熱した後、直ちに通電
を停止して加熱材の加熱を止め、赤外線カメラのフォー
カスを8の受熱材に合焦し、空間内の加熱源からの熱伝
達による受熱材の温度上昇とその温度分布を計測するこ
とにより行う。また、本実施の形態ではタングステン線
に流れる電流を一定にするため、加熱材1のタングステ
ン線と直列に高抵抗をつなぎ、それを定電流電源に接続
させている。また、加熱材の温度を一定にするため、タ
ングステン線を一辺とするブリッジと制御増幅器、およ
びこの出力を電流の形でブリッジの電源端子へ帰還させ
る回路を設けることも可能である。この温度測定方法を
前記請求項1記載の熱の流れ方向測定方法と組み合わせ
て同時に実施することができる。
【0029】図6は、請求項9及び10に記載された発
明において使用される加熱材及び受熱材の実施の形態を
示す。この実施の形態においては熱流の温度計測装置に
おいて測定部材のホルダー2には加熱材1とともに受熱
材8が支持されている。この場合における測定装置の構
成は測定装置に加熱材及び受熱材を使用している以外は
図1に示した温度計測装置におけるものと同様である。
従って、流れ場の方向は空冷ファン6と加熱源7を図1
のように配置し共に作動させることにより図1に関連し
て説明した実施の形態におけると同様に計測することが
できる。
【0030】更に、前記加熱材1及び受熱材8にはいず
れも熱流の無視できる形状として細線を用いている。こ
の場合にも線径はなるべく細い方が望ましいが、線形が
あまり細くなると赤外線カメラの分解能の問題が出てく
るので、赤外線カメラの分解能を考慮して選定する必要
がある。具体的には、加熱材1はタングステンのφ1m
mの線を用い、受熱材8にはφ0.8mmのナイロン線
を用いている。受熱材は熱伝達で温度が上昇するが、熱
伝導で温度均一化しないようになるべく熱伝導の小さな
ものが望ましい。さらに、加熱材と同様に擬似黒化する
必要もある。
【0031】図7は、請求項11記載の発明の実施の形
態において使用される加熱材と受熱材を有する測定部材
を示すものであって、この場合は図2に関連して説明し
た10本の加熱材の内、5本を受熱材8に置き換えた構
造となっている。加熱材1と受熱材8は図7に示すよう
に交互に張設されている。受熱材はφ0.8mmのナイ
ロン線を用いた。この構造において、まず加熱材に通電
し、流れ場の流れ方向を計測し、次いで、通電を停止し
受熱材の温度変化を計測することにより、温度変化と流
れのある空間内において、流れの方向と温度とを同一の
装置により実施することができる。
【0032】図8は、請求項12記載の発明の実施の形
態において使用される加熱材と受熱材を測定部材を有す
る測定部材を示すものであって、この場合は図3に関連
して説明した水平、垂直に格子状に配置された細線状の
加熱材を図示のように5本にして、その間に受熱材を5
本挿入した構造になっている。材質、線径はいずれも図
3に関連して説明したものと同様である。この測定部材
を用いて計測を行うには、まず加熱源からの電気的接続
を電流が一定となるように構成し、格子状の5本のタン
グステンを約100℃に加熱し、ファンによる空間の流
れ場によってタングステンが冷却され温度低下するその
変化を計測する。次いで、通電を停止し、タングステン
の温度が雰囲気の温度に戻ったら、熱伝達で温度変化し
た受熱材の温度を計測することによって行う。
【0033】図9は、請求項13記載の発明の実施の形
態において使用される加熱材と受熱材を有する測定部材
を示すものであって、この場合はスパイラル状の加熱材
間に受熱材を交互に配置している。受熱材はこれもナイ
ロン線を用い、スパイラル状にするためナイロン線に熱
をかけて塑性変形させて作製したものである。この測定
部材を用いた計測は、加熱材のスパイラルを約100℃
に加熱し、ファンによる空間の流れ場によってタングス
テンが冷却され温度低下するその変化を計測し、次い
で、通電を停止し、タングステンの温度が雰囲気の温度
に戻ったら、熱伝達で温度変化した受熱材の温度を計測
することにより行う。
【0034】
【発明の効果】
請求項1に対応した効果:従来の煙等で行っていた熱流
の流れの方向の検知では、流れが速い場合などにおいて
は規模の大きな煙発生器が必要であるため測定を行うに
際して大きな制約があった。これに対し、本発明の方法
ではこれらの制約がなく、かつ、加熱された加熱材が流
れにあたり冷却するレスポンスの速さを計測に利用した
ため、強制空冷等の速い流れ場の流れ方向を応答性よく
検知できる。
【0035】請求項2に対応した効果:前記請求項1に
対応した効果に加え、加熱温度を任意に設定できるた
め、計測状況に応じた測定が可能であるとともに、加熱
体を温度変化と流れのある空間内に挿入可能で、かつ、
熱流への影響が無視できる形状にしたため、前記空間内
の任意の位置に設置して計測を行うことができる。
【0036】請求項3に対応した効果:細線を用いるこ
とによつて、流れ場への影響を極力減らし、その場計測
ができる。精度の良い温度計測と流れの方向の計測が可
能である。
【0037】請求項4に対応した効果:細線状の加熱材
を水平あるいは垂直に複数個配置した構造にすることに
よって、流れ場の様子を空間の広い範囲に渡って、短時
問で計測することができると同時に、流れ全体を把握す
ることが可能となり、熱設計を支障なく行えることがで
きる。
【0038】請求項5に対応した効果:加熱材を縦横格
子状に張ることによって、さらに細かい流れ場の計測が
可能である。おおまかな流れ場の計測を先の方法で行
い、細部についてさらに詳しく行いたい場合などに有効
に利用できる。電気部品などが配置された基板などで
は、流路がどのようになっているかなど計測するのに格
子状の部材は適している。
【0039】請求項6に対応した効果:加熱材をスパイ
ラル状の形状にすることにより、空間の立体的な計測と
解析が可能となった。線材の揚合には、ある平面の線と
しての計測が可能であるが、スパイラル状の加熱材を用
いることによって、赤外線カメラのフォーカスを移動す
ることで、計測点近傍の前後の計測と解析を可能にする
ことができる。つまり、より3次元的な流れを計測でき
る。
【0040】請求項7に対応した効果:さらに、スパイ
ラル状の加熱材を水平あるいは垂直に複数本配置するこ
とによって、短時問で流れ揚の流れ方向が計測できる長
所を有している。
【0041】請求項8に対応した効果:温度場の温度を
計測することができるので、請求項1の方法と組み合わ
せて実施することにより機器の空冷等の熱設計を短時間
で効果的に行うことができる。
【0042】請求項9に対応した効果:請求項1に対応
する効果に加えて、被加熱体を温度変化と流れのある空
間内に挿入可能で、かつ、熱流への影響が無視できる形
状にしたため、前記加熱体及び被加熱体を共に前記空間
内の任意の位置に設置して計測を行うことができる。ま
た、温度場の温度と熱の流れ方向の計測とを同一の装置
でほぼ同時に行うことができるので機器の空冷等の熱設
計を短時間で効果的に行うことができる。
【0043】請求項10に対応した効果:細線を用いる
ことによつて、流れ場への影響を極力減らし、その場の
計測ができる。精度の良い温度計測と流れの方向の計測
が可能である。
【0044】請求項11に対応した効果:加熱材と受熱
材を交互に設置することにより、同じ場の近傍で流れ揚
の流れ方向と温度計測ができるため、従来の温度計測の
熱画像では明確にわからなかった流れの方向も計測で
き、精度の高い熱設計や熱対策を施すことが可能となっ
た。
【0045】請求項12に対応した効果:加熱材と交互
して受熱材を配置することによって、請求項5の効果に
重畳して温度計測も可能となり、効率の良い放熱設計が
できるとともに、ヒートシンク上の発熱素子の熱的影響
を小さく押さえる方法など、細かい熱設計ができ信頼性
の高い機器設計が可能である。
【0046】請求項13に対応した効果:スパイラル状
の加熱材間にスパイラル状の受熱材を交互に配置するこ
とによって、流れ方向と温度計測が立体的にでき、計測
効率の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の計測装置の一実施形態を概略的に示
す図である。
【図2】 複数本の加熱材をホルダーに張設した測定部
材を示す図である。
【図3】 加熱材をホルダーに格子状に張設した測定部
材を示す図である。
【図4】 加熱材をホルダーにスパイラル状にした測定
部材を示す図である。
【図5】 複数のスパイラル状の加熱材をホルダーに張
設した測定部材を示す図である。
【図6】 加熱材と受熱材をホルダーに張設した測定部
材を示す図である。
【図7】 それぞれ複数本の加熱材と被加熱材をホルダ
ーに張設した測定部材を示す図である。
【図8】 加熱材および被加熱材をホルダーに格子状に
張設した測定部材を示す図である。
【図9】 複数のスパイラル状の加熱材と被加熱材をホ
ルダーに交互に張設した測定部材を示す図である。
【符号の説明】
1…加熱材、2…ホルダー、3…定電流電源、4…赤外
線カメラ、5…パソコン、6…空冷ファン、7…加熱
源、8…被加熱部材。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度変化と流れのある空間内において、
    加熱材を一定の温度に加熱し、該加熱した状態において
    前記加熱材を前記流れにより冷却し、かつその状態で前
    記加熱材を計測する、各段階から成ることを特徴とする
    熱の流れ方向計測方法。
  2. 【請求項2】 温度変化と流れのある空間内に挿入可能
    でかつ熱流の無視できる形状を有する加熱材、該加熱材
    を加熱せしめる装置、前記加熱材を冷却する装置及び該
    加熱材の温度を計測する装置を有することを特徴とする
    熱の流れ方向計測装置。
  3. 【請求項3】 請求項2項記載の熱の流れ方向計測装置
    において、前記加熱材の温度を計測する装置は赤外線カ
    メラであり、かつ前記加熱材の形状は細線状であること
    を特徴とする熱の流れ方向計測装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の熱の流れ方向計測装置に
    おいて、前記加熱材が水平あるいは垂直に複数個配置さ
    れていることを特徴とする熱の流れ方向計測装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の熱の流れ方向計測装置に
    おいて、前記加熱材が水平、垂直に格子状に配置された
    構造を有することを特徴とする熱の流れ方向計測装置。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の熱の流れ方向計測装置に
    おいて、前記加熱材がスパイラル状の形状を有すること
    を特徴とする熱の流れ方向計測装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の熱の流れ方向計測装置に
    おいて、前記スパイラル状の加熱材が水平あるいは垂直
    に複数個配置されていることを特徴とする熱の流れ方向
    計測装置。
  8. 【請求項8】 温度変化と流れのある空間内において、
    加熱材を加熱し、加熱材が一定温度に達したときに加熱
    を停止し、前記加熱材に近接して配置された受熱材の温
    度を計測する、各段階から成ることを特徴とする温度場
    の温度計測方法。
  9. 【請求項9】 温度変化と流れのある空間内に挿入可能
    で熱流への影響の無視できる形状を有する加熱材、該加
    熱材を加熱せしめる装置、前記加熱材を冷却する装置、
    前記加熱材に近接して配置され、熱流への影響を無視で
    きる形状を有する受熱材、及び、前記加熱部材及び受熱
    部材の温度を計測する装置を有することを特徴とする温
    度場の熱の流れ方向及び温度の計測装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の温度計測装置におい
    て、前記加熱材及び受熱材の温度を計測する装置は赤外
    線カメラであり、かつ前記加熱材及び前記受熱材の形状
    は共に細線状であることを特徴とする温度場の熱の流れ
    方向及び温度の計測装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の温度計測装置におい
    て、前記加熱材及び前記受熱材は水平あるいは垂直に複
    数個配置された前記加熱材間に、前記受熱材が平行にか
    つ前記加熱材と交互に複数個配置された構成であること
    を特徴とする温度場の熱の流れ方向及び温度の計測装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の温度計測装置におい
    て、前記加熱材及び前記受熱材は、水平、垂直に格子状
    に配置された前記加熱材間に前記受熱材が平行に、かつ
    加熱材と交互に複数個配置された構成であることを特徴
    とする温度場の熱の流れ方向及び温度の計測装置。
  13. 【請求項13】 請求項10記載の温度計測装置におい
    て、前記加熱材及び前記受熱材は、水平あるいは垂直に
    複数個配置されたスパイラル状の各々の加熱材の間に交
    互にスパイラル状の受熱材が配置された構成であること
    を特徴とする温度場の熱の流れ方向及び温度の計測装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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