JPH118359A - キャパシタ絶縁膜およびその製造方法 - Google Patents

キャパシタ絶縁膜およびその製造方法

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JPH118359A
JPH118359A JP9160226A JP16022697A JPH118359A JP H118359 A JPH118359 A JP H118359A JP 9160226 A JP9160226 A JP 9160226A JP 16022697 A JP16022697 A JP 16022697A JP H118359 A JPH118359 A JP H118359A
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capacitor insulating
insulating film
nitride film
thermal
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JP9160226A
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Toshio Nagata
敏雄 永田
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 64M DRAM等の大容量のDRAM等の
用途であっても、耐久性に優れ、キャパシタ絶縁膜とし
ての耐絶縁破壊電圧値や、キャパシタ容量につき安定し
た特性を示し、さらに製造を容易とする。 【解決手段】 シリコンの熱窒化膜を含むキャパシタ絶
縁膜において、シリコンの熱窒化膜106、CVD窒化
膜104および酸化膜102を、この順に下から積層す
ることにより構成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、CVD窒化膜を
含むキャパシタ絶縁膜およびその製造方法に関し、特
に、耐久性に優れたCVD窒化膜を含むキャパシタ絶縁
膜およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、4M以下のMOS DRAMのキ
ャパシタ絶縁膜としては、主としてSiO2 膜が使用さ
れてきた。すなわち、下式(1)で表されるように、キ
ャパシタ絶縁膜のキャパシタ容量Cが、キャパシタ面積
Aや、絶縁膜の誘電率ε0 ・εに比例し、絶縁膜厚さt
に反比例することは良く知られている。そして、SiO
2 膜は、かかる誘電率が低く、耐久性が比較的良好であ
るため、絶縁膜厚さtを比較的薄くすることができ、キ
ャパシタ絶縁膜の主たる材料として使用されてきた。
【0003】C=A・ε0 ・ε/t (1) しかしながら、4M DRAMの時代になり、トレンチ
型キャパシタやスタック型キャパシタのキャパシタ絶縁
膜が実用化されるにあたり、ONO膜(ON膜とも称す
る。)が、その電気絶縁性の良さから、中野隆生、赤坂
洋一監修、「ULSI DRAM技術」、サイエンスフ
ォーラム社、pp.114〜119、1992に説明さ
れているようにキャパシタ絶縁膜の材料として検討され
ている。
【0004】かかるONO膜は、SiO2 膜とSi3
4 膜との複合膜であり、図15(B)に示すように、酸
化膜(SiO2 膜)/窒化膜(Si34 膜)/酸化膜
(SiO2 膜)の三層構造となっている。そして、図1
5(B)を用いて、従来のONO膜(キャパシタ絶縁
膜)28の構造および製造方法を、以下のとおり説明す
る。
【0005】なお、図15(A)は、図15(B)に示
すONO膜(キャパシタ絶縁膜)28を用いたDRAM
(メモリーセル)10の概略を示したものである。この
キャパシタ絶縁膜28は、下部電極(ストレージノー
ド)14と、上部電極(セルプレート)12との間に、
電気絶縁性を保持するために用いられている。
【0006】すなわち、ONO膜からなるキャパシタ絶
縁膜28について、DRAM(メモリーセル)10の、
導電性のポリシリコンから構成された下部電極14上
に、例えば800〜1000℃の温度条件で、CVD法
を用いて、厚さ6.0nmのCVD窒化膜24を設けて
ある。そして、この厚さのCVD窒化膜24を設ける際
に、下部電極14である導電性のポリシリコンの表面も
熱酸化されることを利用して、このCVD窒化膜24の
下層、すなわち、導電性のポリシリコンから構成される
下部電極14上に同時に、厚さ1.5nm以下のSiO
2 膜、すなわち酸化膜26を第1層として形成する。よ
って、一つのCVD工程により、導電性のポリシリコン
から構成された下部電極14上に、下からこの順に、第
1層のSiO2 膜26と、第2層のCVD窒化膜24と
を、同時に形成してある。
【0007】なお、この下部電極14の下方には、p型
シリコン(Si)基板20が設けてあり、また、上部電
極12と、p型シリコン(Si)基板20との間には、
酸化膜18が設けてある。
【0008】そして、このCVD窒化膜24の上に、例
えば、800〜1000℃の温度条件で、熱酸化法によ
り、厚さ3.0nm程度の酸化膜としてのSiO2 膜2
2を、さらに第3層として設けてある。よって、DRA
M(メモリーセル)10における、導電性のポリシリコ
ンから構成される下部電極14上に、下から順に、酸化
膜(SiO2 膜)/窒化膜(Si34 膜)/酸化膜
(SiO2 膜)の3層構造を有するONO膜をキャパシ
タ絶縁膜28として形成してある。
【0009】また、上記文献の「ULSI DRAM技
術」の、同ページに、ON/RTN膜(ランプ窒化(R
TN)/NO膜とも称する。なお、以下の説明では、ラ
ンプ窒化/NO膜と称する。)について説明されてい
る。かかるランプ窒化/NO膜は、上述したONO膜に
おける、下層のSiO2 膜のかわりに、導電性のポリシ
リコンから構成された下部電極上に、ランプ窒化膜(R
TN膜)としてSi34 膜(窒化膜)を形成してある
点で異なる。この点、図16(B)を用いて、ランプ窒
化/NO膜からなるキャパシタ絶縁膜68の構造および
製造方法を簡単に説明する。
【0010】なお、図16(A)は、図15(A)と同
様に、このキャパシタ絶縁膜(ランプ窒化/NO膜)6
8が使用される、DRAM(メモリーセル)50の構成
の概略を示したものである。したがって、図15(A)
に示されるDRAM(メモリーセル)10と同様に、下
部電極54の下方には、p型シリコン(Si)基板70
が設けてあり、さらに、上部電極52と、p型シリコン
(Si)基板70との間には、酸化膜58が設けてあ
る。
【0011】すなわち、DRAM(メモリーセル)50
において、導電性のポリシリコンから構成された下部電
極54上に、例えば温度850〜1000℃、時間30
秒の条件で、アンモニアガス中、ランプ窒化により、厚
さ1.0nm未満のランプ窒化膜(RTN膜)66が第
1層として設けてある。そして、このランプ窒化膜66
上には、CVD法により、例えば、厚さ6.0nmの、
Si34 膜であるCVD窒化膜64が、第2層として
設けてある。さらに、このCVD窒化膜64の上には、
例えば、800〜1000℃の温度条件で、熱酸化法に
より、酸化膜であるSiO2 膜62が、厚さ3.0nm
程度の第3層として設けてある。
【0012】よって、DRAM(メモリーセル)50
の、導電性ポリシリコンからなる下部電極54上に、下
から順に、ランプ窒化膜(Si34 膜)/CVD窒化
膜(Si34 膜)/酸化膜(SiO2 膜)の3層構造
を有するランプ窒化/NO膜として、キャパシタ絶縁膜
68が形成してある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
キャパシタ絶縁膜としてのSiO2 膜(酸化膜)は、こ
の酸化膜中に、MOS キャパシタのカソード(上部電
極/セルプレート)側から、ファウラー−ノードヘイム
(Fowler−Nordheim)電流が注入されや
すいという問題があった。したがって、このファウラー
−ノードヘイム電流がSiO2 膜中に流入し、それに伴
ってSiO2 膜と上部電極との界面を高めるような固定
チャージが発生しやすくなる。そのため、ますます、M
OS キャパシタのカソード(上部電極/セルプレー
ト)側から、ファウラー−ノードヘイム電流がSiO2
膜中に注入し、界面電界を強めるという正帰還が働く。
よって、SiO2 膜中に発生した、かかる固定チャージ
により、局所での電流集中によるジュール発熱が起こ
り、その結果、SiO2 膜の絶縁破壊が生じやすくなる
ものと推定されている。
【0014】すなわち、従来のキャパシタ絶縁膜として
のSiO2 膜は、耐絶縁破壊電圧として十分な値を有し
ておらず、4M DRAM以上の、大容量のDRAM等
におけるキャパシタ絶縁膜として使用することは、一般
に困難であるという問題があった。
【0015】一方、キャパシタ絶縁膜としてのONO膜
においては、SiO2 膜が比較的薄いために、カソード
(上部電極/セルプレート)側からのファウラー−ノー
ドヘイム電流により、衝突電離が起こるほど電子がエネ
ルギを得ることが少ない。しかしながら、プール−フラ
ンケル(Pool−Frenkel)電流として、アノ
ード(下部電極/ストレージノード)側からカソード
(上部電極/セルプレート)側に、ホールの注入がなさ
れる。そして、このプール−フランケル電流におけるホ
ールは、カソード(上部電極/セルプレート)側に到達
し、すなわち最上層のSiO2 膜における電子と再結合
する。そのため、このプール−フランケル電流の一定量
は制御されるものの、少なからず電子との再結合が不十
分なホールも存在する。したがって、このプール−フラ
ンケル電流のうち、電子と再結合しなかったホールに起
因して、局所的に、リ−ク電流が発生するものと推定さ
れている。
【0016】よって、キャパシタ絶縁膜としてのONO
膜は、この発生したリ−ク電流(プール−フランケル電
流)により、ONO膜の耐絶縁破壊電圧が低下しやすい
という問題があった。そして、さらに、下層(第1層)
に形成されるSiO2 膜は自然酸化膜であって、CVD
窒化膜を設ける際に、ポリシリコンの表面も熱酸化され
ることを利用して設けているため、低品質な膜であるう
え、厚さが不均一になりやすい。そのために、下層に形
成されている酸化膜としてのSiO2 膜を十分厚くしな
ければ、かかるリ−ク電流(プール−フランケル電流)
を、十分に防止することができないという問題があっ
た。
【0017】すなわち、従来のONO膜において、下層
に形成されている自然酸化膜としてのSiO2 膜は、い
きおい厚膜化の必要が生じ、このONO膜を、大容量の
DRAM等におけるキャパシタ絶縁膜として使用するこ
とは、一般に困難であった。この点、上記文献の「UL
SI DRAM技術」にも、このプール−フランケル電
流に起因したリ−ク電流を制御するため、少なくとも3
nm以上の厚さのSiO2 膜を、酸化膜として、CVD
窒化膜上に最上層として設けることが望ましいと記載さ
れている。
【0018】また、従来のキャパシタ絶縁膜としてON
O膜は、熱ストレス性や機械的強度に一般に乏しく、製
造過程で損傷したONO膜の一部がチャンバ内に飛散し
て、いわゆるパーティクル汚染を生じさせやすいという
製造上の問題もあった。
【0019】一方、ランプ窒化(RTN)/NO膜(O
N/RTN膜とも称する。)の製造方法においては、ラ
ンプ窒化工程という特別な装置やプロセスを必要とする
ほか、製造方法上、ランプ窒化膜(RTN膜)の厚さの
制御が困難であるという問題があった。すなわち、ラン
プ窒化工程は、比較的短時間で窒化処理が可能な反面、
均一な膜厚のランプ窒化膜(RTN膜)を、安定して作
製することは容易でなかった。
【0020】したがって、ランプ窒化(RTN)/NO
膜においても、キャパシタ絶縁膜全体として、耐絶縁破
壊電圧値や、キャパシタ容量のキャパシタ絶縁膜の特性
が変化しやすく、結果として耐久性に乏しいという問題
があった。
【0021】また、必ずしも理由は明確ではないが、ラ
ンプ窒化(RTN)/NO膜においては、所定の電圧を
印加したときに、印加電圧の極性(±)の相違により、
すなわち、カソード側(上部電極/セルプレート)から
マイナス(−)側の電圧を印加したときに、TDDB寿
命が、極端に短い低いという問題もあった。
【0022】したがって、ランプ窒化(RTN)/NO
膜においても、大容量のDRAM等の用途において、キ
ャパシタ絶縁膜の耐久性としては未だ不十分であるとい
う問題があった。
【0023】さらに、ランプ窒化膜(RTN膜)は、プ
ール−フランケル電流に起因したリ−ク電流の防止効果
としては、不十分なために、いきおい、このランプ窒化
膜(RTN膜)の厚さを厚くしなければならないという
問題もあった。したがって、結果として、キャパシタ絶
縁膜の薄膜化が困難となり、キャパシタ絶縁膜の容量を
増加することが困難であるという問題もあった。
【0024】よって、64M DRAM等の大容量のD
RAM等の用途であっても、キャパシタ絶縁膜の耐久性
に優れ、キャパシタ絶縁膜としての耐絶縁破壊電圧値
や、キャパシタ容量につき安定した特性を示し、そし
て、キャパシタ絶縁膜の大容量化のために、キャパシタ
絶縁膜の薄膜化が可能であり、さらには、キャパシタ絶
縁膜の製造も容易な、キャパシタ絶縁膜およびその製造
方法の出現が望まれていた。
【0025】
【課題を解決するための手段】この発明のキャパシタ絶
縁膜によれば、CVD窒化膜(CVD−SiN膜と称す
る場合もある。)を含むキャパシタ絶縁膜において、シ
リコンの熱窒化膜、CVD窒化膜および酸化膜を、この
順に下から積層してあることを特徴とする。
【0026】このようにキャパシタ絶縁膜を構成してあ
ると、アノード(下部電極/ストレージノード)側から
カソード(上部電極/セルプレート)側に向かってキャ
パシタ絶縁膜内を流れるリーク電流(プール−フランケ
ル電流)を、有効に防止しながら、高い耐絶縁破壊電圧
値を得ることができる。すなわち、中間層であるCVD
窒化膜により、優れた耐絶縁破壊電圧値を得ることがで
きる。
【0027】また、このCVD窒化膜だけでは、リーク
電流(プール−フランケル電流)を有効に防止すること
はできないものの、この発明のキャパシタ絶縁膜は、シ
リコンの熱窒化膜を、CVD窒化膜の下層に形成してあ
ることにより、極めて有効にリーク電流(プール−フラ
ンケル電流)を防止することができる。そして、有効に
リーク電流(プール−フランケル電流)を防止すること
ができる結果として、局所電流の集中が防止でき、よっ
て、キャパシタ絶縁膜の耐久性を著しく向上させること
ができる。
【0028】さらに、この発明のキャパシタ絶縁膜によ
れば、シリコンの熱窒化膜およびCVD窒化膜上に、酸
化膜が設けてあるため、より有効にリーク電流(プール
−フランケル電流)を防止することができる。そして、
これらのシリコンの熱窒化膜およびCVD窒化膜上に、
酸化膜が設けてあるために、これらの膜の機械的保護を
図ることができる。
【0029】また、この酸化膜を設ける工程で、いわゆ
るヒーリング効果をこれらのシリコンの熱窒化膜および
CVD窒化膜に付与することもでき、この酸化膜を設け
た構造により、結果として、キャパシタ絶縁膜の耐久性
を、より一層向上させることができる。
【0030】また、この発明のキャパシタ絶縁膜におい
て、好ましくは、シリコンの熱窒化膜の厚さをXとした
ときに、この熱窒化膜の厚さXを、0.1〜5.0nm
の範囲内の値とするのが良い。熱窒化膜の厚さXを、こ
のような範囲内の値とすることにより、熱窒化膜による
優れたリーク電流(プール−フランケル電流)防止効果
や、下部電極(ストレージノード)を構成する凹凸のあ
る導電性のポリシリコン表面への適当な、熱窒化膜のな
じみ性が得られる。そして、熱窒化膜の厚さXが、この
ような範囲内の値であれば、キャパシタ絶縁膜全体とし
て、薄膜化が図られ、高いキャパシタ容量を有するキャ
パシタ絶縁膜、すなわち、64M DRAM等の大容量
のDRAMに適したキャパシタ絶縁膜を得ることができ
る。
【0031】したがって、リーク電流(プール−フラン
ケル電流)防止効果とキャパシタ絶縁膜全体としての薄
膜化等のバランスがより良好な観点から、熱窒化膜の厚
さXを、より好ましくは、0.5〜3.0nmの範囲
内、最適には、1.0〜2.0nmの範囲内の値とする
のが良い。
【0032】また、この発明のキャパシタ絶縁膜におい
て、好ましくは、CVD窒化膜の厚さをYとしたとき
に、このCVD窒化膜の厚さYを、0.2〜10.0n
mの範囲内の値とするのが良い。
【0033】CVD窒化膜の厚さYを、このような範囲
内の値とすることにより、キャパシタ絶縁膜として、適
当な耐絶縁破壊電圧値を得ることができる。そして、C
VD窒化膜の厚さYを、このような範囲内の値すること
により、キャパシタ絶縁膜全体として薄膜化が図られ、
高いキャパシタ容量を有するキャパシタ絶縁膜を得るこ
とができる。
【0034】したがって、高い耐絶縁破壊電圧値とキャ
パシタ絶縁膜全体としての薄膜化等のバランスがより良
好な観点から、CVD窒化膜の厚さYを、より好ましく
は、0.3〜8.0nmの範囲内、最適には、1.0〜
5.0nmの範囲内の値とするのが良い。
【0035】また、この発明のキャパシタ絶縁膜におい
て、好ましくは、酸化膜の厚さをZとしたときに、この
酸化膜の厚さZを、0.01〜5.0nmの範囲内の値
とするのが良い。
【0036】酸化膜の厚さZを、このような範囲内の値
とすることにより、キャパシタ絶縁膜全体として、カソ
ード(上部電極/セルプレート)側からアノード(下部
電極/ストレージノード)側に向かって流れるファウラ
ー−ノードヘイム電流に起因したリ−ク電流の発生を有
効に防止し、さらには、アノード(下部電極/ストレー
ジノード)側からカソード(上部電極/セルプレート)
側に向かってキャパシタ絶縁膜内を流れるプール−フラ
ンケル電流に起因したリ−ク電流を容易に制御すること
ができる。そして、酸化膜、例えばSiO2 膜の厚さZ
を、このような範囲内の値としてあることにより、キャ
パシタ絶縁膜全体として、薄膜化が図られ、高いキャパ
シタ容量を有するキャパシタ絶縁膜を得ることもでき
る。
【0037】したがって、ファウラー−ノードヘイム電
流に起因したリ−ク電流およびプール−フランケル電流
に起因したリ−ク電流の防止とキャパシタ絶縁膜全体と
しての薄膜化等のバランスがより良好な観点から、酸化
膜、例えばSiO2 膜の厚さZを、より好ましくは、
0.1〜3.0nmの範囲内、最適には、0.5〜1.
0nmの範囲内の値とするのが良い。
【0038】なお、この発明のキャパシタ絶縁膜におい
ては、シリコンの熱窒化膜をキャパシタ絶縁膜の最下層
として形成してあることにより、優れたプール−フラン
ケル電流に起因したリ−ク電流防止効果を得ることがで
きる。そのため、表面の酸化膜、例えばSiO2 膜の厚
さZを、3.0nm未満とすることも可能である。した
がって、この発明のキャパシタ絶縁膜およびその製造方
法において、表面の酸化膜等の厳格な製造上の膜厚管理
を必要としないという利点も得られる。
【0039】また、この発明のキャパシタ絶縁膜におい
て、好ましくは、キャパシタ絶縁膜において、熱窒化膜
の厚さXと、CVD窒化膜の厚さYとの、これら厚さの
合計(X+Y)を、0.5〜15.0nmの範囲内の値
とするのが良い。キャパシタ絶縁膜全体のうち、主とし
て、熱窒化膜とCVD窒化膜との厚さが、このキャパシ
タ絶縁膜の耐絶縁破壊電圧値やキャパシタ絶縁膜のキャ
パシタ容量に影響するため、このような範囲に、これら
の熱窒化膜の厚さとCVD窒化膜の厚さの合計値を制御
することにより、精度良く、優れたキャパシタ絶縁膜の
耐絶縁破壊電圧値やキャパシタ絶縁膜のキャパシタ容量
を得ることができる。
【0040】また、この発明のキャパシタ絶縁膜におい
て、好ましくは、CVD窒化膜の厚さYを、熱窒化膜の
厚さXの、1.0〜10.0倍の範囲内の値としてある
のが良い。CVD窒化膜の厚さYと、熱窒化膜の厚さX
がこのような関係にあると、キャパシタ絶縁膜全体の厚
さを比較的薄く保持したまま、有効に、熱窒化膜により
キャパシタ絶縁膜におけるリーク電流(プール−フラン
ケル電流)を防止し、さらには、CVD窒化膜により、
優れた耐絶縁破壊電圧値を得ることができる。すなわ
ち、CVD窒化膜の厚さYを、熱窒化膜の厚さXと、同
等またはその厚さよりも比較的厚くすることにより、キ
ャパシタ絶縁膜全体の厚さを薄く保持したまま、CVD
窒化膜により優れた耐絶縁破壊電圧値が得られる。そし
て、熱窒化膜の厚さXが比較的薄いため、キャパシタ絶
縁膜全体の厚さもあまり厚くならず、結果として、高い
キャパシタ容量を有するキャパシタ絶縁膜を得ることが
できる。
【0041】また、この発明のキャパシタ絶縁膜におい
て、好ましくは、熱窒化膜の厚さXと、前記CVD窒化
膜の厚さYと、前記酸化膜の厚さZとの、合計の厚さ
(X+Y+Z)、すなわちキャパシタ絶縁膜全体の厚さ
を、1.0〜20.0nmの範囲内の値とするのが良
い。
【0042】キャパシタ絶縁膜全体の厚さを、このよう
な範囲内の値とすると、キャパシタ絶縁膜全体として優
れた耐久性が得られる。そして、キャパシタ絶縁膜の薄
膜化も図られ、適当なキャパシタ容量が得られる一方
で、適当な機械特性も得ることができる。
【0043】したがって、キャパシタ絶縁膜のキャパシ
タ容量と耐久性等のバランスがより良好な観点から、熱
窒化膜の厚さXと、CVD窒化膜の厚さYと、酸化膜の
厚さZとの、合計の厚さ(X+Y+Z)、すなわちキャ
パシタ絶縁膜全体の厚さを、より好ましくは、2.0〜
10.0nmの範囲内、最適には、3.0〜8.0nm
の範囲内の値とするのが良い。
【0044】また、この発明のキャパシタ絶縁膜におい
て、好ましくは、シリコンの熱窒化膜およびCVD窒化
膜を、それぞれ主材料としてSi34 で以て構成して
あるのが良い。窒化膜のなかには、SiONのように酸
素等を含む材料もあるが、Si34 は絶縁性酸化膜材
料として、特にプール−フランケル電流に起因したリ−
ク電流防止効果に優れ、さらには、耐絶縁破壊電圧値や
機械的特性も優れているためである。
【0045】また、この発明のキャパシタ絶縁膜におい
て、好ましくは、酸化膜がSiO2膜であるのが良い。
SiO2 膜は、一般的な装置等を用いて、精度良くか
つ、短時間で形成することができるためである。そし
て、SiO2 膜は、CVD窒化膜等と組み合わせること
により、キャパシタ絶縁膜の最上層に使用した場合に、
優れたプール−フランケル電流に起因したリ−ク電流防
止効果を得ることができる点でも好ましい。
【0046】また、この発明は、CVD窒化膜を含むキ
ャパシタ絶縁膜の製造方法において、第1の工程とし
て、下部電極としての導電性のポリシリコン上に、高温
条件でアンモニアガスを用いてシリコンの熱窒化膜を積
層し、第2の工程として、この熱窒化膜の表面に、CV
D法によりCVD窒化膜を積層し、第3の工程として、
このCVD窒化膜の表面に、酸化工程により酸化膜を積
層し、結果として、このキャパシタ絶縁膜を形成するこ
とを特徴とする。
【0047】この発明の、CVD窒化膜を含むキャパシ
タ絶縁膜の製造方法によれば、既に説明したシリコンの
熱窒化膜/CVD窒化膜/酸化膜(SiO2 膜)の三層
構造に起因した効果を有するキャパシタ絶縁膜を、容易
に、しかもキャパシタ絶縁膜の膜厚、特にシリコンの熱
窒化膜の膜厚を精度良く制御して形成することができ
る。
【0048】したがって、後述するように、キャパシタ
絶縁膜の膜厚と耐久性は、密接に関係しており、この発
明のキャパシタ絶縁膜の製造方法によれば、正確にキャ
パシタ絶縁膜の膜厚を制御して、優れた耐久性を有する
キャパシタ絶縁膜を得ることができる。
【0049】すなわち、この発明のキャパシタ絶縁膜の
製造方法によれば、シリコンの熱窒化膜とCVD窒化膜
の作製工程が、それぞれ別個に行われるため(第1の工
程と第2の工程)、特に、シリコンの熱窒化膜の厚さ
を、加熱オーブン(チャンバ)等を用いて、容易に加熱
温度や圧力を制御しながら形成することができる。しか
も、シリコンの熱窒化膜は、下部電極(ストレージノー
ド)を構成する、凹凸のある導電性のポリシリコン表面
へのなじみ性が良好であり、均一な膜として形成するこ
とができる。そして、このシリコンの熱窒化膜は、下部
電極としての導電性のポリシリコンとの密着力に優れ、
緻密な膜として形成できるという効果も得られる。
【0050】よって、膜厚の均一な、しかも緻密で安定
したシリコンの熱窒化膜を最下層に含んで形成された、
この発明のキャパシタ絶縁膜は、かかるシリコンの熱窒
化膜を有さないONO膜やランプ窒化膜と比較して、キ
ャパシタ絶縁膜全体として、優れた耐久性や耐絶縁破壊
電圧を得ることができる。
【0051】また、この発明のキャパシタ絶縁膜の製造
方法の第2の工程(CVD窒化法)により得られたCV
D窒化膜は、第1の工程における熱窒化法により得られ
たシリコンの熱窒化膜と組成が似通っており、このCV
D窒化膜は、下地のシリコンの熱窒化膜と容易に馴染ん
で、均一で、しかも安定な膜として形成することができ
る。したがって、キャパシタ絶縁膜の製造における、第
2の工程の工程管理や、CVDプロセス(CVD設備)
自体が容易となる。よって、かかる工程管理が容易な第
2の工程で形成されたCVD窒化膜は、膜としての特性
も均一であり、キャパシタ絶縁膜全体として、より優れ
た耐絶縁破壊電圧や耐久性を得ることができる。
【0052】なお、第1の工程で熱窒化法を行い、第2
の工程でCVD法を行う場合、後述するように、それぞ
れの工程を、同一チャンバ(例えば、チャンバAとチャ
ンバB)内で、容易に実施することができる。したがっ
て、キャパシタ絶縁膜の製造工程が全体として簡略化さ
れ、熱窒化チャンバとCVDチャンバとの間を、電気絶
縁膜の処理すべきDRAM(メモリーセル)等を移送す
る手間や時間を省略することもできる。
【0053】さらに、この発明のキャパシタ絶縁膜の製
造方法の第3の工程(熱酸化法)により得られた酸化膜
をシリコンの熱窒化膜およびCVD窒化膜と組み合わせ
て、これらの膜の上に形成することにより、均一で、安
定した薄膜の酸化膜として、容易に、しかも比較的短時
間で得ることができる。
【0054】また、かかる第3の工程において、熱酸化
法を用いて、シリコンの熱窒化膜およびCVD窒化膜上
に酸化膜、例えばSiO2 膜を形成することにより、同
時に、これらのシリコンの熱窒化膜およびCVD窒化膜
に対して、いわゆるヒーリング効果を付与することがで
きる。すなわち、均一な酸化膜、例えばSiO2 膜が下
地のシリコンの熱窒化膜およびCVD窒化膜上に形成さ
れるとともに、これら下地のシリコンの熱窒化膜および
CVD窒化膜の緻密化がより図られ、キャパシタ絶縁膜
の耐久性を著しく向上させることができる。
【0055】したがって、以上のとおり、この発明のキ
ャパシタ絶縁膜の製造方法によれば、従来のONO膜や
ランプ窒化膜と異なり、膜厚の均一な安定したキャパシ
タ絶縁膜を形成することができる。よって、キャパシタ
絶縁膜の膜厚のばらつきに起因した、キャパシタ絶縁膜
の特性としての、耐絶縁破壊電圧値やキャパシタ容量が
変化することも有効に防止することができ、さらには、
キャパシタ絶縁膜の耐久性を著しく向上させることがで
きる。そして、キャパシタ絶縁膜の耐絶縁破壊電圧値や
耐久性等が優れていることより、キャパシタ絶縁膜の薄
膜化も図られ、64M DRAM等の大容量のDRAM
等の用途に適した、大容量のキャパシタ絶縁膜を容易に
製造することができる。
【0056】また、この発明のキャパシタ絶縁膜の製造
方法において、好ましくは、第1の工程と、第2の工程
とを、実質的に等しい温度で行うのが良い。このような
製造方法であれば、第1の工程から第2工程へと移行す
る際に、温度を均一にするための遷移時間を省略する、
あるいは短時間とすることができる。したがって、キャ
パシタ絶縁膜の製造時間を全体として、著しく短縮する
ことができる。
【0057】また、このように、第1の工程と第2の工
程とを、実質的に等しい温度とすると、第1の工程と第
2の工程との間で、実質的に温度差がないか、あるいは
少なくなる。そのため、第1の工程で形成された熱窒化
膜における熱ストレスが減少する。したがって、熱窒化
膜が破壊されて、チャンバ内に飛散することにより発生
する、いわゆるパーティクル汚染の問題を著しく減少さ
せることもできる。
【0058】ここで、例えば、第1の工程と、第2の工
程との間で、温度差が200℃を超えると、第1の工程
で形成された熱窒化膜に対して、急激に熱ストレスが発
生することが別の実験で判明している。よって、第1の
工程と、第2の工程とを、実質的に等しい温度にすると
は、それぞれの工程を、好ましくは200℃の範囲内で
実施することを意味する。また、かかる熱窒化膜におけ
る熱ストレスの発生をより減少させるためには、より好
ましくは、第1の工程と第2の工程とを、100℃の範
囲内、最適には、50℃の範囲内の温度差とするのが良
い。
【0059】また、この発明のキャパシタ絶縁膜の製造
方法において、第1の工程の温度を600〜1000℃
の範囲内の値とするのが良い。このような温度で熱窒化
を行い、アンモニアガスを用いてシリコンの熱窒化膜を
形成すれば、緻密で均一な膜が、例えば、下部電極とし
ての導電性のポリシリコン上に形成することができる。
また、このような温度で、熱窒化反応を行った場合、熱
窒化膜と、下部電極としての導電性のポリシリコンとの
密着力が優れている点でも都合が良い。
【0060】ここで、アンモニアガス(NH3 )とシリ
コン(Si)との熱窒化反応について簡単に説明する。
熱窒化反応のメカニズムとしては、SiH2 の、NH3
に対する挿入反応と、H2 Si−NH2 (アミノシラ
ン)からの水素脱離反応から説明することができる。す
なわち、SiH2 の、NH3 に対する挿入反応は、シリ
コンの再構成表面においてバックリングしたダイマー状
態のうち、sp2 混成軌道を有しているSiH2 の、N
3 に対する挿入反応である。この挿入反応は発熱反応
であり、比較的容易に生じる。一方、この水素脱離反応
は2種類あり、これらSiH2 とNH3 の挿入反応によ
り生成するH2 Si−NH2 (アミノシラン)からHS
i−NH2 が生成する1、1脱離反応、およびH2 Si
−NHが生成する1、2脱離反応がある。そして、これ
らの素反応が繰り返され、最終的に、Si34 からな
る熱窒化膜が、導電性のポリシリコン上に形成される。
【0061】しかしながら、上記水素脱離反応は吸熱反
応であるため、挿入反応に比較して起こりにくい。した
がって、熱窒化膜中に、Si−HやN−H結合が残留し
やすくなる。よって、これらの低分子物は、熱窒化膜の
質を低下させて、リ−ク電流(プール−フランケル電
流)の防止効果を低下させるため、第1の工程におい
て、特に、水素脱離反応を十分に行うことが肝要であ
る。すなわち、前記第1の工程の温度を、600〜10
00℃の範囲内の値が好ましいとしているのも、この水
素脱離反応を十分に行うことを主眼としたものである。
【0062】なお、第1の工程の温度があまりに高い場
合には、副反応が生じやすく、さらに、冷却過程におい
て、所要時間が長くなるとともに、生成した熱窒化膜に
熱ストレスが生じやすい。したがって、第1の工程の温
度として、より好ましくは650〜900℃の範囲内、
最適には、680〜800℃の範囲内の値とするのが良
い。
【0063】但し、後述するように、第1の工程の温度
は、第1の工程の圧力とともに、生成する熱窒化膜の厚
さに密接的に関係している。したがって、第1の工程の
圧力を比較的低圧(例えば、1.2Torr)のまま、
1.0nmを越えた熱窒化膜を所望する場合には、第1
の工程の温度としては比較的高く、800〜1000℃
の範囲内の値とするのが良く、より好ましくは、チャン
バ内の副反応の発生防止も考慮して、820〜900℃
の範囲内の値とするのが良い。
【0064】一方、第1の工程の圧力として、低圧(例
えば、1.2Torr)のまま、1.0nm以下の薄い
熱窒化膜を所望する場合には、第1の行程の温度は、6
00〜800℃の範囲内の値とするのが良く、より好ま
しくは、膜厚の制御の容易性も考慮して、650〜75
0℃の範囲内の値とするのが良い。
【0065】また、この発明のキャパシタ絶縁膜の製造
方法において、好ましくは、第1の工程の圧力を、0.
1〜900Torrの範囲内の値とするのが良い。第1
の工程の圧力が、かかる範囲内の値であれば、比較的簡
易な真空装置により、一定の酸素等の障害を排除して、
上記SiH2 のNH3 に対する挿入反応を、特に有効に
生じさせることができる。そのため、所定の膜厚を有す
る熱窒化膜を、例えば、下部電極としての導電性のポリ
シリコン上に形成することができる。
【0066】なお、後述するように、第1の工程の圧力
は、生成する熱窒化膜の厚さに密接的に関係している。
したがって、例えば、1.0nmを越えた熱窒化膜を所
望する場合には、第1の工程の圧力は比較的高く、30
0〜900Torrの範囲内の値とするのが良く、より
好ましくは、チャンバ内の酸素等の影響やチャンバ内の
制御の容易性も考慮して、500〜800Torrの範
囲内の値とするのが良い。
【0067】一方、例えば、1.0nm以下の薄い熱窒
化膜を所望する場合には、第1の工程の圧力は、0.1
〜300Torrの範囲内の値とするのが良く、より好
ましくは、チャンバの制御の容易性も考慮して、0.5
〜100Torrの範囲内の値とするのが良い。
【0068】また、この発明のキャパシタ絶縁膜の製造
方法において、好ましくは、第2の工程の温度を、60
0〜800℃の範囲内の値とするのが良い。第2の行程
の温度が、かかる範囲内の温度であれば、CVD装置に
より、CVD窒化膜の原料としての、例えば、ジクロロ
シラン(DCS)とアンモニア(NH3 )とを十分に反
応させて、第1の工程で形成した熱窒化膜上に、密着力
に優れた、均一なCVD窒化膜を形成することができ
る。そしてまた、第2の工程の温度が、かかる範囲内の
温度であれば、第1の工程で形成した熱窒化膜および第
2の工程で形成したCVD窒化膜について、それぞれC
VD工程で発生する熱ストレスを可及的に少なくするこ
とができる。
【0069】したがって、より密着力に優れたCVD窒
化膜を形成し、CVD窒化膜等の熱ストレスの発生を有
効により防止できる観点から、第2の工程の温度を、よ
り好ましくは、620〜780℃の範囲内、最適には、
650〜750℃の範囲内の値とするのが良い。
【0070】また、この発明のキャパシタ絶縁膜の製造
方法において、好ましくは、第2の工程の圧力を、0.
01〜10.0Torrの範囲内の値とするのが良い。
第2の工程の圧力が、かかる範囲内の値であれば、比較
的簡易なCVD装置により、一定の酸素等の障害を排除
して、CVD窒化膜の原料としての、例えば、ジクロロ
シラン(DCS)とアンモニア(NH3 )とを十分に反
応させて、第1の工程で形成した熱窒化膜上に、密着力
に優れた、均一なCVD窒化膜を形成することができ
る。
【0071】したがって、より有効に酸素等の障害を排
除し、装置の制御が容易な観点から、第1の工程の圧力
を、より好ましくは、0.05〜5.0Torrの範囲
内、最適には、0.1〜3.0Torrの範囲内の値と
するのが良い。
【0072】また、この発明のキャパシタ絶縁膜の製造
方法において、好ましくは、第1の工程の温度(第1の
工程のチャンバ内の温度)まで、例えば室温から昇温す
る場合に、その昇温速度を、50〜100℃/分の範囲
内の値とするのが良い。
【0073】一般に、真空装置やCVD装置を、800
〜1000℃の高温条件に保持して動作させる場合、工
程時間を短縮させるために、昇温速度を100℃/分以
上とする場合が多い。しかしながら、100℃/分以上
で温度を昇温させた場合、高速の昇温速度となり、ヒー
タ等の加熱手段も特殊なものを使用する必要が生じる。
また、かかる高速の昇温速度を用いた場合、第1の工程
で形成する熱窒化膜に過度の熱ストレスが発生するおそ
れがある。すなわち、この熱ストレスに起因して、熱窒
化膜の一部が損傷し、キャパシタ絶縁膜をDRAM(メ
モリーセル)に用いた場合に、初期絶縁不良が生じるお
それがあり、あるいは、損傷した熱窒化膜の一部がチャ
ンバ内に飛散しやすくなり、いわゆるパーティクル汚染
の問題が生じるおそれがある。
【0074】したがって、第1の工程の温度(第1の行
程のチャンバ内の温度)まで昇温する場合には、その昇
温速度を、50〜100℃/分の範囲内の値とすること
により、熱窒化膜に発生する熱ストレスを著しく減少さ
せることができる。また、このような昇温速度であれ
ば、ヒータ等のチャンバの加熱手段も一般的なものを使
用することもできる。そして、さらに、かかる昇温速度
であれば、工程時間の長さについても特に問題となるお
それは少ない。
【0075】この点、第1の工程のチャンバ(例えば、
真空装置等)内の温度を、200〜400℃程度の温度
にあらかじめ加熱しておけば、昇温速度を50〜100
℃/分の範囲内の値とした場合でも、この場合の工程時
間を、室温から、昇温速度を100℃/分以上で昇温し
た場合よりも、著しく短縮することができる。すなわ
ち、第1の工程の温度(第1の工程のチャンバ内の温
度)に昇温する場合に、その昇温速度を、50〜100
℃/分の範囲内の値とした場合でも、工程時間の長さの
問題は、他の手段で十分解決することができる。
【0076】したがって、熱窒化膜に発生する熱ストレ
スをより有効に減少させることができ、工程時間の問題
もより少ない観点から、第1の工程の温度まで昇温する
場合の昇温速度を、より好ましくは、60〜90℃/分
の範囲内、最適には、70〜80℃/分の範囲内の値と
するのが良い。
【0077】なお、かかる熱ストレスが、第1の工程の
温度に昇温する際に、熱窒化膜に過度に発生しているか
否かは、熱窒化膜、あるいは、この熱窒化膜を含めて最
終的なキャパシタ絶縁膜を作製し、その耐絶縁破壊電圧
を測定することにより、容易に判断することができる。
すなわち、熱窒化膜に熱ストレスが発生している場合、
かかる熱ストレスにより微細なひび割れが生じやすくな
り、熱窒化膜に発生した熱ストレスと耐絶縁破壊電圧と
を関係づけることができる。よって、例えば、最終的な
キャパシタ絶縁膜として、4.0nmの厚さで、4.0
MV/cm以上、より好ましくは、6.0MV/cm以
上、最適には、6.0MV/cm以上の値が得られれ
ば、第1の工程の熱窒化膜に対して発生した熱ストレス
は少ないと経験上判断できる。
【0078】また、この発明のキャパシタ絶縁膜の製造
方法において、第1の工程から第2の工程に降温する場
合には、その降温速度を、10〜40℃/分の範囲内の
値とするのが良い。もちろん、第1の工程と第2の工程
との温度を、実質的に等しくしてある場合には、かかる
降温の工程は不要である。しかしながら、第1の工程
を、第2の工程よりも高温で処理する場合には、かかる
降温の工程が必要となる。
【0079】ここで、この第1の工程から第2の工程に
降温する場合の降温速度が、第1の工程で形成した熱窒
化膜についての熱ストレスを発生させる原因の一つとな
っていると推定されている。したがって、第1の工程か
ら第2の工程に降温する場合の降温速度を、10〜40
℃/分の範囲内の値とすることにより、第1の工程で形
成した熱窒化膜に発生する熱ストレスを減少させること
ができると考えられる。そのため、この熱ストレスによ
り、熱窒化膜の一部が破壊されて、そして、その破壊さ
れた熱窒化膜の一部が、いわゆるパーティクル粒子とな
って、キャパシタ絶縁膜を汚染させるおそれも少なくな
る。また、かかる温度範囲内であれば、工程時間が著し
く長くなる問題も少ない。
【0080】したがって、熱窒化膜に発生する熱ストレ
スをより減少させ、パーティクル粒子によるキャパシタ
絶縁膜を汚染を防止するために、第1の工程から第2の
工程に降温する場合の降温速度を、好ましくは、20〜
30℃/分の範囲内の値とするのが良い。
【0081】なお、かかる熱ストレスが、第1の工程か
ら第2の工程に降温時に、熱窒化膜に過度に発生してい
るか否かは、既に説明したと同様に、熱窒化膜、あるい
は、この熱窒化膜を含めて最終的なキャパシタ絶縁膜を
作製し、その耐絶縁破壊電圧を測定することにより、容
易に判断することができる。
【0082】また、この発明のキャパシタ絶縁膜の製造
方法において、好ましくは、第1の工程のアンモニアガ
スの流量を、0.1〜10リットル/分の範囲内の値と
するのが良い。第1の工程のアンモニアガスの流量を、
このような範囲に設定することにより、既に説明したよ
うに、アンモニアガス(NH3 )とシリコン(Si)と
の熱窒化反応である、SiH2 の、NH3 に対する挿入
反応と、H2 Si−NH2 (アミノシラン)からの水素
脱離反応を、それぞれ十分に生じさせることができる。
また、第1の工程のアンモニアガスの流量が、10リッ
トル/分を超えるような流量となると、副反応が生じや
すく、また、熱窒化膜の膜厚の制御が困難になったり、
あるいは均一な熱窒化膜を作製することが困難となるお
それがある。
【0083】したがって、第1の工程のアンモニアガス
の流量は、より好ましくは、0.5〜5.0リットル/
分の範囲内、最適には、1.0〜3.0リットル/分の
範囲内の値とするのが良い。
【0084】なお、第1の工程のアンモニアガスの流量
の適切な範囲は、使用する真空装置等の容量によっても
若干影響されるものの、真空装置(第1の工程のチャン
バ)等の容量が、例えば、0.1〜1000リットルの
範囲であれば、真空装置等の容量に合わせて、かかるア
ンモニアガスの流量をさらに調節して変更する必要は特
にない。
【0085】また、この発明のキャパシタ絶縁膜の製造
方法において、好ましくは、第3の工程における酸化工
程を、ウェット(wett)の酸化工程(ヒーリング酸
化工程と称する場合もある。)とするのが良い。すなわ
ち、第3の工程において、CVD窒化膜上に、ウェット
(wett)の酸化工程により、酸化膜、例えば、Si
2 膜を形成することが好ましい。
【0086】ここで、酸化工程には、一般に、ウェット
(wett)の酸化工程と、ドライ(dry)の酸化工
程の二つがある。そして、この発明のキャパシタ絶縁膜
の製造方法において、ウェット(wett)の酸化工程
のほうが好ましいとする理由は、どちらも酸化膜が形成
されるという点では同様であるが、ウェット(wet
t)の酸化工程のほうが、ドライ(dry)の酸化工程
よりも、より優れたヒーリング効果が得られるためであ
る。すなわち、酸化膜が下地のCVD窒化膜上に形成さ
れるとともに、この下地のCVD窒化膜の緻密化がより
図られ、キャパシタ絶縁膜の耐久性をより向上させるこ
とができるためである。また、ウェット(wett)の
酸化工程のほうが、ドライ(dry)の酸化工程より
も、より短時間で酸化処理可能なためでもある。
【0087】すなわち、ウェット(wett)の酸化工
程は、一般に酸素または空気と、所定量の水素と、ある
いはシランガスとを任意の割合で、酸化炉(第3の工程
のチャンバ)に混合添加して、例えば、温度800〜1
100℃、時間1〜60分の条件で、CVD窒化膜上
に、酸化膜として、SiO2 膜を形成する工程である。
そして、添加した水素が酸素と反応し、ウェット(we
tt)の酸化工程中に水が生成し、この生成した水によ
り、酸化効果がより促進され、キャパシタ絶縁膜の耐久
性が向上させることができる。
【0088】なお、上記ドライ(dry)の酸化工程
は、水素を添加せず、かわりに、安全性確保の観点か
ら、酸素等の酸化ガス中に、所定量の窒素を添加するこ
とに特徴がある。よって、この発明のキャパシタ絶縁膜
の製造方法においては、ウェット(wett)の酸化工
程のほうが好ましいと説明したが、第3の工程として、
もちろんこのドライ(dry)の酸化工程を単独で使用
することもできる。そして、また、上記ウェット(we
tt)の酸化工程とドライ(dry)の酸化工程とを組
み合わせて、第3の工程を実施することも、より強靱な
酸化膜を形成することができる点で好ましい。
【0089】また、この発明のキャパシタ絶縁膜の製造
方法において、好ましくは、第1の工程と第2の工程と
を同一チャンバ内で行うのが良い。すなわち、この場
合、熱窒化膜を形成後に、CVD窒化膜をInsitu
形成(その場で形成)することと同一の製造方法にな
る。そして、このように熱窒化工程と同一のチャンバ内
でCVD窒化膜をInsitu形成することにより、熱
窒化膜が外気に接触する機会が減少する。そのため、純
度の高いCVD窒化膜を、この熱窒化膜上に形成するこ
とができる。すなわち、熱窒化膜とCVD窒化膜の界面
(接合面)とが、清浄となるとともに、形成されたCV
D窒化膜中にも、微粒子等を巻き込むおそれも極めて少
なくなる。よって、熱窒化膜とCVD窒化膜との密着力
が向上する等の効果も得ることもできる。
【0090】また、このように、第1の工程と第2の工
程とを同一チャンバ内で行うと、熱窒化膜を形成後に、
第1の工程のチャンバを降温することなく、CVD窒化
膜をそのままInsitu形成することができる。その
ため、熱窒化膜において発生する熱ストレスがより少な
くなる。したがって、緻密な熱窒化膜を形成でき、いわ
ゆるパーティクル汚染が生じるおそれも少なくなる。
【0091】さらに、第1の工程と第2の工程とを同一
チャンバ内で行うことにより、いずれかのチャンバやそ
の付帯設備を省略することができるため、設備上の利点
があるのはもちろんのこと、これらの工程を実質的に同
一温度で実施することが容易となる。したがって、既に
説明したとおり、第1の工程と第2の工程との間で、実
質的に温度差がないか、あるいは温度差を少なくしてそ
れぞれの工程を実施することができるため、熱窒化膜に
おける熱ストレスの発生を防止し、いわゆるパーティク
ル汚染や初期絶縁不良の発生を著しく減少させることが
できる。
【0092】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図14を参照して、
この発明のキャパシタ絶縁膜およびその製造方法の実施
形態を説明する。但し、図1〜図14に記載されたキャ
パシタ絶縁膜の構成における各構成要素の形状や厚さ、
あるいは配置関係およびその製造方法の条件等は、この
発明が理解できる程度に概略的に示してあるにすぎな
い。したがって、言うまでもなく、この発明のキャパシ
タ絶縁膜およびその製造方法が、これら図面に表示され
た形態や条件等のみに限定されるものではない。
【0093】また、この発明のキャパシタ絶縁膜の製造
方法は、各製造方法における温度プロフィールや処理圧
力等により、例えば、3つに区別することができる(第
1のキャパシタ絶縁膜の製造方法、第2のキャパシタ絶
縁膜の製造方法および第3のキャパシタ絶縁膜の製造方
法)。
【0094】すなわち、各製造方法で作られたキャパシ
タ絶縁膜の構造等は、例えば、図1および図2に示すと
おりのもので同様であるが、第1〜第3のキャパシタ絶
縁膜の製造方法においては、図3、図10および図11
に示すように、温度プロフィールや処理圧力等を異なら
せてある。
【0095】より具体的には、第1のキャパシタ絶縁膜
の製造方法は、図3に示すように、第1工程である熱窒
化の処理温度に至るまでの昇温速度が比較的速く(例え
ば、100℃/分)、また、第1工程から第2の工程に
至るまでの降温速度も比較的速い(例えば、40℃/
分)点に特徴がある。
【0096】また、第2のキャパシタ絶縁膜の製造方法
は、図10に示すように、第1のキャパシタ絶縁膜の製
造方法と比較して、第1工程である熱窒化の処理温度に
至るまでの昇温速度が比較的遅く(例えば、50℃/
分)、また、第1工程から第2の工程に至るまでの降温
速度も比較的遅い(例えば、20℃/分)点に特徴があ
る。
【0097】さらに、第3のキャパシタ絶縁膜の製造方
法は、図11に示すように、第2のキャパシタ絶縁膜の
製造方法と比較して、第1工程である熱窒化の処理圧力
が比較的高く(例えば、760Torr)、また、第1
工程と第2の工程との処理温度を等しく(例えば、69
0℃)としてある点に特徴がある。
【0098】したがって、各製造方法における、これら
の温度プロフィールの温度や処理圧力等については、あ
くまで一例であり、この発明のキャパシタ絶縁膜の目的
に沿って、適宜変更することができる。以下、この発明
のキャパシタ絶縁膜の構造および、第1〜第3のキャパ
シタ絶縁膜の製造方法につき、順次説明する。
【0099】まず、図1は、この発明のキャパシタ絶縁
膜を説明するための図である。すなわち、この発明のキ
ャパシタ絶縁膜100を設けた、nチャネルMOSトラ
ンジスタである、一般的なDRAM(メモリーセル)9
0の断面を示してある。このDRAM(メモリーセル)
90において、p型Si基板118上に、複数のn型電
極領域120が設けてある。そして、これらn型電極領
域120の間隙のp型Si基板118上に、n型電極領
域120の一部を露出させるように、ゲート酸化膜12
2およびフィールド酸化膜116が設けてある。
【0100】また、このゲート酸化膜122の上方に
は、ゲート電極124が設けてあり、さらに、このゲー
ト電極124には、ワード線(図示せず。)が電気接続
してある。そして、このワード線(図示せず。)は、ビ
ット線(図示せず。)と、トランジスタ構造としてのn
型電極領域120等を介して、電気接続されており、よ
って、これらの配線を通じて、キャパシタ絶縁膜100
中の電荷を制御することができる。
【0101】また、このDRAM(メモリーセル)90
において、ゲート酸化膜122およびフィールド酸化膜
116間に露出したn型電極領域120に電気接続する
ように、導電性のポリシリコンからなる下部電極(スト
レージノード)112が、n型電極領域120上に積層
してある。この下部電極(ストレージノード)112
は、大面積化するために、n型電極領域120の左右の
領域、すなわち、ゲート酸化膜122およびフィールド
酸化膜116間に露出したn型電極領域120のみなら
ず、このn型電極領域120の左右にあるゲート電極1
24およびフィールド酸化膜116上にそれぞれ設けら
れた、酸化膜としてのSiO2 膜126、114の一部
の上にまで延在して形成してある。なお、これらのゲー
ト電極124およびフィールド酸化膜116上にそれぞ
れ設けられた酸化膜としてのSiO2 膜126、114
は、ゲート電極124と上部電極(セルプレート)11
0との電気絶縁性を確保したり、あるいは、フィールド
酸化膜116の電気絶縁性を高めるため、さらには、キ
ャパシタ絶縁膜100の面積を大きくするために設けら
れている。
【0102】そして、この下部電極(ストレージノー
ド)112上には、この下部電極(ストレージノード)
112と、さらにその上方に設けられ、導電性のポリシ
リコンからなる上部電極(セルプレート)110とを電
気絶縁し、メモリ信号としての電荷を保持するための、
この発明のキャパシタ絶縁膜100が設けてある。な
お、キャパシタ絶縁膜100も、大面積化して容量を大
きくするために、下部電極(ストレージノード)112
全域のみならず、一部、下部電極(ストレージノード)
112とゲート電極124およびフィールド酸化膜11
6との間に、それぞれ設けられた、酸化膜としてのSi
2 膜126、114の一部も覆っている。
【0103】そして、この発明のキャパシタ絶縁膜10
0は、図2に示すように、下部電極(ストレージノー
ド)112上に、下層から順に、熱窒化膜(Si34
膜)/CVD窒化膜(Si34 膜)/酸化膜(SiO
2 膜)の三層構造として形成してある。
【0104】したがって、主として熱窒化膜(Si3
4 膜)106により、アノード側からカソード側に向か
って、この場合、下部電極(ストレージノード)112
から上部電極(セルプレート)110に向かって、キャ
パシタ絶縁膜100内を流れるリーク電流(プール−フ
ランケル電流)を有効に防止するとともに、熱窒化膜1
06上に設けたCVD窒化膜104により、高い耐絶縁
破壊電圧値を得ることができる。
【0105】また、CVD窒化膜104上に設けた酸化
膜としての、SiO2 膜102により、CVD窒化膜1
04等を機械的に保護するとともに、このSiO2 膜1
02を形成する過程で、熱窒化膜106およびCVD窒
化膜104をヒーリングしてある。そのため、これらの
熱窒化膜106やCVD窒化膜104がさらに緻密化し
てあり、キャパシタ絶縁膜100全体として、著しく耐
久性が向上している。
【0106】ここで、図2を用いて、この発明のキャパ
シタ絶縁膜100の構造についてより詳細に説明する。
図2は、図1に示すDRAM(メモリセル)90のキャ
パシタ絶縁膜100を含む部分拡大図であり、キャパシ
タ絶縁膜100および、下部電極(ストレージノード)
112ならびに上部電極(セルプレート)110の一部
を含んだ構造の切り口を、断面方向から見た図である。
下層から、下部電極(ストレージノード)112、熱窒
化膜106、CVD窒化膜104、酸化膜としてのSi
2 膜102および上部電極(セルプレート)110を
順に積層してあることを示してある。
【0107】なお、この発明のキャパシタ絶縁膜100
においては、一例として、熱窒化膜106の厚さを1.
28nm、CVD窒化膜104の厚さを3.40nm、
SiO2 膜102の厚さを0.43nmとしてそれぞれ
形成してあり、さらに、全体のキャパシタ絶縁膜100
厚さを、5.11nmとしてある。
【0108】すなわち、下部電極(ストレージノード)
112上に、主として、熱窒化膜106とCVD窒化膜
104とを所定の厚さで、組み合わせて設けることによ
り、優れた耐絶縁破壊電圧値が得られるとともに、有効
にリーク電流(プール−フランケル電流)を防止するこ
とができる。
【0109】また、既に説明したように、CVD窒化膜
104上に設けた、酸化膜としてのSiO2 膜102に
より、CVD窒化膜104等を機械的に保護するととも
に、このSiO2 膜102を形成する過程で、熱窒化膜
106やCVD窒化膜104をヒーリングしてある。よ
って、結果として、キャパシタ絶縁膜100の耐久性が
著しく向上している。
【0110】さらに、このようなキャパシタ絶縁膜10
0の構成をとることにより、後述するように、キャパシ
タ絶縁膜100として、製造上も均一な膜厚のものを、
安定して形成することができる。よって、この発明のキ
ャパシタ絶縁膜100は、64M DRAM等の大容量
のDRAMに用いられた場合であっても、耐久性に優
れ、キャパシタ絶縁膜としての耐絶縁破壊電圧値や、キ
ャパシタ容量につき安定した特性を示すことができる。
【0111】そして、この発明のキャパシタ絶縁膜10
0について、従来のキャパシタ絶縁膜と同等の耐久性を
得たい場合に、従来使用されてきたONO膜(ON膜と
も称する。)や、あるいは従来提案されてきた、ランプ
窒化(RTN)/NO膜(ON/RTN膜とも称す
る。)と比較して、このキャパシタ絶縁膜100の膜厚
をかなり薄膜化することができる。よって、この発明の
キャパシタ絶縁膜100は、キャパシタ絶縁膜としての
同程度の耐久性を有しながら、高いキャパシタ絶縁膜と
しての容量を示すこともできる。
【0112】この点、この発明のキャパシタ絶縁膜10
0と、従来使用されてきたONO膜と、あるいは従来提
案されてきた、ランプ窒化(RTN)/NO膜と、TD
DB(Time Dependense Dielec
tric Breakdown)寿命について具体的に
比較することにより明確にする。すなわち、図4〜図9
に、算出した各膜のTDDB寿命の値と、これら各膜の
TDDB寿命の値を算出するにあたり、測定した累積故
障率の値とを示す。
【0113】そこで、まず、図4〜図7を用いて、この
発明のキャパシタ絶縁膜100について測定した累積故
障率(%)およびそれを用いて、一定膜厚のキャパシタ
絶縁膜100のTDDB寿命を算出する方法を説明す
る。
【0114】図4においては、横軸に、電圧印加時間
(sec)をワイブル分布における対数でとってあり、
縦軸には、下部電極(ストレージノード)112ならび
に上部電極(セルプレート)110間にそれぞれ、+
7.2V、+7.5V、+7.8V(以下、+の場合)
の電圧を印加した場合に、キャパシタ絶縁膜100が破
壊されて発生する故障数を累積的に表した、累積故障率
(%)を対数で取ってある。
【0115】但し、実際のDRAM(メモリーセル)に
おいては、下部電極(ストレージノード)112ならび
に上部電極(セルプレート)110間には、駆動電圧と
して、±1.65Vの値の電圧が印加される。したがっ
て、この試験は、印加電圧が、±1.65Vの場合のD
RAM(メモリーセル)の寿命を効率的に算出するため
の、一種の加速試験である。
【0116】図4から、明らかなように、例えば、下部
電極(ストレージノード)112をアノード電極、上部
電極(セルプレート)110をカソード電極として、そ
の間にそれぞれ、+7.2Vの電圧を印加した場合、電
圧印加時間が1(sec)をすぎたあたりから、急にキ
ャパシタ絶縁膜100の故障が発生し、6(sec)前
後で累積故障率が10.0(%)を越え、約40(se
c)で累積故障率が50.0(%)に達し、さらに、約
100(sec)を越えたあたりで、累積故障率がほぼ
100.0(%)近くとなっている。
【0117】同様に、+7.5V、+7.8Vの電圧を
印加した場合には、印加電圧が高いほど、より短時間で
累積故障率が発生しているものの、故障の変化率の傾向
は、+7.2Vの電圧を印加した場合と同一であり、そ
れぞれ約9(sec)および約1(sec)で累積故障
率が50.0(%)にそれぞれの場合に達している。
【0118】なお、印加電圧が+7.2V、+7.5
V、+7.8Vの場合の、各累積故障率の変化曲線にお
いて、累積故障率が50.0(%)の地点を、白丸(記
号)で示してある。この累積故障率が50%となる時間
を、一例として、TDDB寿命の値を算出するにあたり
基準とした。よって、TDDB寿命の値を算出するにあ
たり、より厳しい条件として、累積故障率が10%とな
る時間を基準とすることもできるし、逆に、より緩やか
な条件として、累積故障率が80%となる時間を基準と
することもできる。
【0119】また、図5に、この発明のキャパシタ絶縁
膜100についての累積故障率(%)を図4と同様に、
測定した値を示す。但し、下部電極(ストレージノー
ド)112と上部電極(セルプレート)110との間の
電圧方向を逆にしてあり、さらに、その電圧を、印加電
圧が−7.0V、−6.6V、−6.5V(以下、−側
の場合)としてある。
【0120】そして、横軸には、電圧印加時間(se
c)をワイブル分布における対数でとってあり、縦軸に
は、下部電極(ストレージノード)112ならびに上部
電極(セルプレート)110間にそれぞれ、−7.0
V、−6.6V、−6.5Vの電圧を印加した場合に、
キャパシタ絶縁膜100が破壊されて発生する故障数を
累積的に表した、累積故障率(%)を対数で取ってあ
る。
【0121】図5から明らかなように、印加電圧の絶対
値が大きいほど、短時間で累積故障率が発生する傾向
は、印加電圧が+の場合と大体同様である。しかしなが
ら、印加電圧が−側の場合のほうが、各累積故障率の変
化曲線の立ち上がりが早い。したがって、印加電圧が+
側の場合と−側の場合で、各印加電圧が同じ絶対値であ
れば、印加電圧が−側の場合のほうが、キャパシタ絶縁
膜100についての累積故障率(%)の発生速度が速い
傾向がみられた。
【0122】なお、図5においても、印加電圧が−7.
0V、−6.6V、−6.5Vの場合の、各累積故障率
の変化曲線において、累積故障率が50.0(%)の地
点を、黒丸(記号)で示してある。よって、TDDB寿
命の値を算出するにあたり、累積故障率が50%となる
時間を基準としたことを示している。
【0123】次に、図6について説明する。すなわち図
6において、図4および図5で得られた、各印加電圧に
対応した各累積故障率の変化曲線における、累積故障率
が50.0(%)の地点、すなわち、図4では白丸(記
号)の地点と、同様に図5では黒丸(記号)の地点の、
それぞれに該当する電圧印加時間を、TDDB寿命(s
ec)として対数表示で縦軸にとり、横軸には、印加電
圧(V)の値を取ってある。但し、印加電圧が−側の場
合には、その絶対値に、単位(V)を付して示してあ
る。そして、印加電圧が+側の場合と、印加電圧が−側
の場合の各点を、それぞれ線で結んだものである。
【0124】その結果、印加電圧が+側の場合と、印加
電圧が−側の場合で、それぞれ直線が得られた。これら
の直線から、印加電圧と累積故障率が50.0(%)に
なるまでの電圧印加時間、すなわちTDDB寿命との関
係式を求めた結果を図6にそれぞれ示す。そして、この
関係式を用いて、DRAM(メモリーセル)の、一般的
な印加電圧である±1.65Vの場合の、DRAM(メ
モリーセル)の累積故障率が50.0(%)になるまで
の時間、すなわちTDDB寿命をさらに求めた結果が、
それぞれ、図6中の式の説明において示してある。式の
説明において、Aが印加電圧を表しており、この印加電
圧Aが、+1.65Vの場合に、TDDB寿命であるy
の値は8.93×106 (年)、−1.65Vの場合
に、3.27×106 (年)とそれぞれ示してある。
【0125】次に、この発明のキャパシタ絶縁膜100
において、各層の厚さの比率は変えずに、キャパシタ絶
縁膜の全体の厚さだけを変えて作製し、図4〜図6の実
験および操作を繰り返した。具体的に、キャパシタ絶縁
膜100における、別の実験においては、熱窒化膜10
6の厚さを1.15nm、CVD窒化膜104の厚さを
3.07nm、酸化膜としてのSiO2 膜102の厚さ
を0.39nm、全体のキャパシタ絶縁膜100厚さ
を、4.61nmとしてあり、さらに別の実験において
は、熱窒化膜106の厚さを1.04nm、CVD窒化
膜104の厚さを2.77nm、酸化膜としてのSiO
2 膜102の厚さを0.35nm、全体のキャパシタ絶
縁膜100厚さを、4.16nmとして構成した。
【0126】そして、これら全体の厚さ(4.16n
m、4.61nm)だけを変えたキャパシタ絶縁膜10
0を用いて、図4〜図6の実験および操作を繰り返し
た。
【0127】上述した全体の厚さが5.11nmの場合
も含めて、各キャパシタ絶縁膜の厚さ(nm)を横軸に
とり、この厚さのキャパシタ絶縁膜に対応して得られ
た、印加電圧が±1.65Vの場合における、DRAM
(メモリーセル)の累積故障率が50.0(%)になる
までの印加電圧時間、すなわち、y(TDDB寿命)の
値を、対数(年)で縦軸にとって示したのが、図7であ
る。黒丸(記号)は、印加電圧が、+1.65Vの場合
であり、黒三角(記号)は、印加電圧が、−1.65V
の場合である。そして、例えば、キャパシタ絶縁膜の厚
さが、4.16nmの場合であって、印加電圧が、+
1.65Vの場合には、y(TDDB寿命)の値として
は、約1×104 (年/year)であり、印加電圧
が、−1.65Vの場合には、TDDB寿命の値として
は、約7×103 (年/year)である。また、各厚
さのキャパシタ絶縁膜の黒丸(記号)と黒三角(記号)
で表される点を、それぞれ結ぶと、図7に示す直線が得
られることがわかる。そして、かかる直線関係を、数式
で表した関係式が、図7中に示してある。なお、関係式
中、xがキャパシタ絶縁膜の厚さ(nm)を表し、yが
TDDB寿命を表している。
【0128】よって、図7から明らかなように、キャパ
シタ絶縁膜100の厚さが厚いほど、高いTDDB寿命
の値が得られることがわかる。そして、かかる関係式を
用いれば、未知のキャパシタ絶縁膜100の厚さについ
ても、正確にTDDB寿命を推定することができる。
【0129】但し、印加電圧の極性(±)の相違によ
り、同一のキャパシタ絶縁膜100の厚さであっても、
TDDB寿命の差がある。すなわち、−側に印加した場
合のほうがTDDB寿命が短い傾向がある。そして、関
係式における直線の傾きについても、若干であるが、印
加電圧の±の相違により差があり、−側に印加した場合
のほうが直線の傾きが小さい傾向が見られる。
【0130】以上のとおり、図4〜図7を用いて、この
発明のキャパシタ絶縁膜100について測定した累積故
障率(%)およびそれを用いて、一定膜厚のキャパシタ
絶縁膜100のTDDB寿命を算出する方法を説明し
た。そして、従来のキャパシタ絶縁膜であるONO膜
と、ランプ窒化/NO膜とについても、図4〜図7を用
いて説明したキャパシタ絶縁膜100と同様に、キャパ
シタ絶縁膜の厚さとTDDB寿命の値の対数(年)との
関係を、関係式として求めた。
【0131】なお、これらのキャパシタ絶縁膜の厚さと
TDDB寿命の値の対数(年)との関係式を求めるにあ
たり、ONO膜の場合、約5.6nm、6.5nm、
7.5nmの膜厚を用い、ランプ窒化/NO膜の場合
は、約5.7nm、6.5nm、7.6nmの膜厚を用
いた。そして、キャパシタ絶縁膜の各層の厚さは、例え
ば、キャパシタ絶縁膜全体の厚さが5.7nmとした場
合、ONO膜の場合に、下層の酸化膜としてのSiO2
膜26の厚さが0.76nm、CVD窒化膜24の厚さ
が4.56nm、上層のSiO2 膜22の厚さが0.3
8nmとなるような割合としてあり、同様に、ランプ窒
化/NO膜の場合は、ランプ窒化膜66の厚さが1.0
7nm、CVD窒化膜64の厚さがを4.27nm、上
層の、酸化膜としてのSiO2 膜62の厚さが0.36
nmとなるような割合としてある。
【0132】そして、求めたキャパシタ絶縁膜の厚さと
TDDB寿命の値の対数(年)との関係式から、従来の
ONO膜と、ランプ窒化/NO膜について、例えば、厚
さが約5.7nmであって、印加電圧が±1.65Vの
場合における、DRAM(メモリーセル)の累積故障率
が50.0(%)になるまでの時間、すなわち、TDD
B寿命を算出し、その値を、図8および図9にそれぞ
れ、この発明のキャパシタ絶縁膜(厚さ5.7nm換
算)と比較して示してある。
【0133】なお、従来のONO膜と、ランプ窒化/N
O膜の構成については、図16(B)および図17の
(B)にそれぞれ示すとおりである。
【0134】図8および図9から明らかなように、キャ
パシタ絶縁膜の厚さを、それぞれ等しくなるように調整
し、例えば、5.70nmとした場合に、この発明のキ
ャパシタ絶縁膜100は、従来のONO膜およびとラン
プ窒化/NO膜に対して、優れたTDDB寿命、すなわ
ち、耐久性を有していることが確認された。
【0135】具体的に、これらのキャパシタ絶縁膜10
0は、印加電圧が+1.65Vの場合には、TDDB寿
命として、約1.5×109 (年)という長期の値が得
られ、印加電圧が−1.65Vの場合にも、TDDB寿
命として、約3×108 (年)という長期の値が得られ
た。そして、(印加電圧が+1.65VのTDDB寿
命)/(印加電圧が−1.65Vの場合のTDDB寿
命)の比は、約4.0という比較的低い値となった。す
なわち、印加電圧の極性(±)の相違により、TDDB
寿命の差があるものの、その差は小さいことがわかる。
【0136】それに対して、従来のONO膜は、印加電
圧が+1.65Vの場合には、TDDB寿命は約2×1
7 (年)という低い値となり、また、印加電圧が−
1.65Vの場合には、TDDB寿命は、約5×106
(年)というさらに低い値が得られた。但し、(印加電
圧が+1.65VのTDDB寿命)/(印加電圧が−
1.65Vの場合のTDDB寿命)の比については、約
4.0という低い値となった。すなわち、ONO膜につ
いて、印加電圧の極性(±)の相違により、TDDB寿
命の差があるものの、この発明のキャパシタ絶縁膜10
0と同様、その差は小さいことがわかる。
【0137】また、従来のランプ窒化/NO膜について
は、印加電圧が+1.65Vの場合、TDDB寿命とし
て、約3×108 (年)と言う比較的低い値が得られ、
さらに、印加電圧が−1.65Vの場合には、TDDB
寿命として、約9×106 (年)という、かなり低い値
しか得られなかった。そして、(印加電圧が+1.65
VのTDDB寿命)/(印加電圧が−1.65Vの場合
のTDDB寿命)の比は、約33.3という高い値とな
った。すなわち、印加電圧の極性(±)の相違により、
TDDB寿命に顕著な差があることがわかる。
【0138】次に、図3を用いて、第1のキャパシタ絶
縁膜100の製造方法(以下、第1の製造方法)につい
て説明する。すなわち、図3は、第1の製造方法が、第
1工程(熱窒化工程)、第2工程(CVD工程)および
第3工程(ヒーリング酸化工程)から構成されているこ
とを示しており、さらに、各工程における温度プロフィ
ール例等を示している。そして、横軸には、時間(相対
値)を取ってあり、縦軸には、温度(℃)を取ってあ
る。
【0139】まず、チャンバ(チャンバA)が、例えば
400℃の一定温度になったことを確認後、このチャン
バ(チャンバA)内に、図1における下部電極(ストレ
ージノード)112までが形成された状態のDRAM
(メモリーセル)90のサンプルを挿入する。このサン
プルの挿入操作を行う温度であることを示すために、図
3中に、「Load」と表示してある。そして、サンプ
ルの挿入後、すぐにチャンバ(チャンバA)内の昇温を
開始する。このとき、第1の製造方法においては、例え
ば100℃/分の、比較的速い速度で昇温する。
【0140】そして、昇温を開始してから約3分後に、
チャンバ(チャンバA)の温度が例えば850℃に達し
た時点で昇温を中止し、チャンバ(チャンバA)を、こ
の温度に保持する。
【0141】一方、チャンバ(チャンバA)内の圧力
を、例えば1.2Torrと低圧状態にしたままアンモ
ニアガス(NH3 )を、一例として、2リットル/分の
流量でチャンバ(チャンバA)内にバルブ(図示せ
ず。)等を操作して流入させる。よって、導電性のポリ
シリコンからなる下部電極(ストレージノード)112
および一部、酸化膜としてのSiO2 膜114、126
上に、既に説明した挿入反応と水素脱離反応を素反応と
した熱窒化反応により、厚さ1.28nm熱窒化膜10
6を形成する。
【0142】なお、熱窒化膜106の厚さは、後述する
ように、より高温、例えば、熱窒化の処理温度として1
000℃という値を用いれば、熱窒化膜の膜厚をより厚
くすることができる。逆に、より薄い熱窒化膜を所望の
場合には、熱窒化の処理温度を850℃未満とすること
により、容易に膜厚を制御して、薄い熱窒化膜を作製す
ることができる。
【0143】それから、第1の工程の熱窒化後、約40
℃/分の条件で、第2の工程の処理温度である、例えば
690℃に降下させる。但し、第2の工程も、第1の工
程と同一のチャンバ(チャンバA)を用いる。したがっ
て、第1の製造方法においては、CVD窒化膜をIns
itu形成(その場で形成)することになる。そして、
このように熱窒化工程と同一のチャンバ内でCVD窒化
膜をInsitu形成することにより、熱窒化膜が外気
に接触する機会が減少し、純度の高いCVD窒化膜およ
び熱窒化膜との界面を形成することができる。また、こ
のように、第1の工程と第2の工程とを同一チャンバ
(チャンバA)内で行うと、熱窒化膜において発生する
熱ストレスが少なくなり、緻密な熱窒化膜を形成でき
る。したがって、いわゆるパーティクル汚染や、キャパ
シタ絶縁膜の初期絶縁不良が発生するおそれを少なくす
ることができる。
【0144】そして、第2の工程の温度が一定になった
後、ジクロロシラン(DCS)とアンモニアガス(NH
3 )をそれぞれ、例えば30ccと150ccの比率で
チャンバ内に導入し、圧力約0.15Torrの条件
で、CVD装置(図示せず。)を用いて、厚さ3.40
nmのCVD窒化膜104を、第1の工程で形成した熱
窒化膜106上に形成する。
【0145】それから、第2の工程のCVD窒化後、図
1における下部電極(ストレージノード)112上に、
熱窒化膜106およびCVD窒化膜104がそれぞれ形
成されたDRAM(メモリーセル)90のサンプルをチ
ャンバ(チャンバA)から取り出すために、約40℃/
分の条件で、例えば400℃に降下させる。このサンプ
ルを取り出す操作(温度)を示すために、図3中に、
「Unload」として表示してある。
【0146】そして、取り出した、熱窒化膜106およ
びCVD窒化膜104がそれぞれ形成されたDRAM
(メモリーセル)90のサンプルを、第3工程(ヒーリ
ング酸化工程)を実施するために、再び別のチャンバ
(チャンバB)(図示せず。)に移送し、挿入する。
【0147】ここで、別のチャンバ(チャンバB)は、
熱酸化炉であり、例えば約800℃に、予め加熱してあ
る。そして、熱窒化膜106およびCVD窒化膜104
がそれぞれ形成されたDRAM(メモリーセル)90の
サンプルを挿入後、チャンバ(チャンバB)を、昇温速
度約10℃/分で加熱し、例えば、850℃の温度に昇
温する。ここで、昇温速度を約10℃/分と、第1の工
程と比較して、比較的低速度にしてあるのは、下部電極
(ストレージノード)112上に形成してある熱窒化膜
106およびCVD窒化膜104に、余分な熱ストレス
を加えないためである。
【0148】そして、この第3工程(ヒーリング酸化工
程)におけるチャンバ(チャンバB)には、所定量の水
素が導入されて、ウェット(wett)な酸化状態とな
っている。したがって、水素が酸素と反応して、水蒸気
が発生するため、熱窒化膜106およびCVD窒化膜1
04に対して、より優れたヒーリング効果が付与され
る。
【0149】すなわち、このウェット(wett)酸化
により、酸化膜としてのSiO2 膜102が下地のCV
D窒化膜104上に形成されるとともに、この下地の熱
窒化膜106およびCVD窒化膜104の緻密化がより
図られる。そのため、キャパシタ絶縁膜100の耐久性
をより向上させることができる。
【0150】なお、第3工程(ヒーリング酸化工程)の
時間を調節して、酸化膜としてのSiO2 膜102の厚
さを0.43nmとなるように条件設定してあり、よっ
て、この発明のキャパシタ絶縁膜100としては、全体
の厚さが、5.11nmとなる。
【0151】ここで、この発明のキャパシタ絶縁膜にお
ける熱窒化膜の厚さに対する、熱窒化処理時間の影響に
ついて検討した結果を、図13を用いて説明する。
【0152】図13は、横軸に熱窒化処理時間(分)を
取ってあり、縦軸に熱窒化膜の厚さ(nm)を取ってあ
る。チャンバ内で熱窒化反応を生じさせて、その処理時
間を変えて熱窒化膜の厚さを測定したものである。そし
て、この場合の熱窒化の処理温度は850℃、すなわ
ち、第1の製造方法における熱窒化処理条件と同一とし
てある。また、他の熱窒化処理条件である、アンモニア
ガス(NH3 )の流量は、2リットル/分、圧力は1.
2Torrとそれぞれ設定してある。すなわち、第1の
製造方法の熱窒化処理条件と同一条件でキャパシタ絶縁
膜を作製した場合の、熱窒化膜の厚さに対する熱窒化処
理時間の影響を測定した。結果を、図13に、白丸(記
号)で表してある。
【0153】結果から明らかなように、第1の製造方法
と同一の熱窒化処理条件で、熱窒化膜を作製すると、熱
窒化処理時間に比例して、熱窒化膜の厚さは直線的に増
加する。しかしながら、熱窒化処理時間が15分を過ぎ
たあたりで、熱窒化処理時間の長さにかかわらず、熱窒
化膜の厚さは増加せず、一定となる。すなわち、熱窒化
膜の厚さが、1.5nmあたりになった時点で、熱窒化
膜の厚さはいわゆる飽和して、増加しなくなる。
【0154】この熱窒化膜の厚さの飽和減少の理由につ
いては、必ずしも明確ではないが、熱窒化膜中の酸素の
拡散係数が、3×10-9cm2 /sec(約1000℃
条件)であるのに対して、熱窒化膜中の窒素の拡散係数
が、約10×10-20 cm2/sec以下(約1000
℃条件)と著しく低いことが一因と考えられている。す
なわち、熱窒化膜の厚さが所定以上になると、新たに熱
窒化膜を形成すべきシリコン面に、窒素が、拡散速度の
速い酸素に邪魔されて到達できなくなり、結果として新
たな熱窒化膜の形成が困難となるためと考えられる。
【0155】それに対して、第1の製造方法の熱窒化処
理条件を若干変えて、すなわち、アンモニアガス(NH
3 )流量を、1リットル/分、圧力を2.4Torrと
それぞれ変更して、キャパシタ絶縁膜を作製した場合
の、熱窒化膜の厚さに対する熱窒化処理時間の影響を測
定した。その結果を、図13に、白三角(記号)で表し
てある。
【0156】この第1の製造方法の条件を弱冠変えた熱
窒化処理条件で、熱窒化膜を作製した場合も、熱窒化処
理時間に比例して、ある程度まで熱窒化膜の厚さは直線
的に増加する。但し、熱窒化処理時間が10分を過ぎた
あたりで、熱窒化処理時間の長さにかかわらず熱窒化膜
の厚さは、1.5nm程度で飽和して変化しなくなる。
この点は、第1の製造条件における熱窒化処理条件で、
熱窒化膜を作製した場合と同様の傾向である。
【0157】しかしながら、第1の製造方法における熱
窒化処理条件では、熱窒化膜の厚さが飽和して変化しな
くなるまでの時間が、約15分かかったのに対し、アン
モニアガス(NH3 )流量を、1リットル/分、圧力を
2.4Torrとした場合には、約10分と短縮されて
いる。
【0158】すなわち、第1の工程時間を短縮したい場
合には、第1の製造方法における熱窒化処理条件とし
て、アンモニアガス(NH3 )流量を減少させて、例え
ば、1リットル/分とし、逆に圧力については上昇させ
て、例えば、2.4Torrにすることにより短縮する
ことができる。なお、このように第1の製造方法の熱窒
化処理条件を変更しても、この変更した条件で作製され
た最終的なキャパシタ絶縁膜の耐久性等の特性として
は、第1の製造方法により作製されたキャパシタ絶縁膜
の特性と顕著な差がないことが確認されている。
【0159】また、図13に示す熱窒化膜の厚さに対す
る、熱窒化処理時間の影響についての検討では、熱窒化
の処理温度として850℃を用いているが、より高温、
例えば、熱窒化の処理温度として1000℃という値を
用いれば、飽和する膜厚を厚くすることができることが
別途判明している。
【0160】よって、第1の製造方法において、より厚
い熱窒化膜を所望の場合には、熱窒化の処理温度を85
0℃以上とするのが良い。そして、逆に、より薄い熱窒
化膜を所望の場合には、熱窒化の処理温度を850℃未
満とすることにより、容易に膜厚を制御して、作製する
ことができる。
【0161】次に、図10を用いて、第2のキャパシタ
絶縁膜の製造方法(以下、第2の製造方法)について説
明する。なお、この第2の製造方法の説明において、キ
ャパシタ絶縁膜の第1の製造方法と異なる点を中心に説
明し、同一な点は適宜省略する。そして、第2の製造方
法により作製されるキャパシタ絶縁膜の構成は、第1の
製造方法により作製されるキャパシタ絶縁膜の構成と基
本的に等しいため、キャパシタ絶縁膜の構成が問題にな
る場合には、適宜、図1および図2に示されるキャパシ
タ絶縁膜100を参照する。
【0162】すなわち、図10は、キャパシタ絶縁膜1
00の第2の製造方法における、第1工程(熱窒化工
程)および第2工程(CVD窒化工程)の温度プロフィ
ール例を示している。そして、第3工程(ヒーリング酸
化工程)に関しては、第1の製造方法のそれと実質的に
等しいため、図から省略してある。
【0163】また、図10の横軸には、時間(相対値)
を取ってあり、縦軸には、温度(℃)を取ってある。そ
して、図3と同様に、チャンバ(チャンバA)が、例え
ば400℃の一定温度になったことを確認後、このチャ
ンバ(チャンバA)内に、図1における下部電極(スト
レージノード)112までが形成されたDRAM(メモ
リーセル)90のサンプルを挿入する。そして、すぐに
昇温を開始する。ここまでは、キャパシタ絶縁膜100
の第2の製造方法と第1の製造方法とで差はない。
【0164】しかしながら、第2の製造方法において
は、第1の工程の、熱窒化の温度に達するまでの昇温速
度を、例えば50℃/分という比較的遅い速度としてあ
り、さらに、第1の工程後、第2の工程の温度に降温す
る際の降温速度を、例えば20℃/分という比較的遅い
速度としてある点が異なっている。
【0165】逆に言えば、他の製造条件としての、第1
の工程の熱窒化の処理条件や、第2の工程のCVD窒化
の処理条件等については、第2の製造方法と第1の製造
方法とで同一である。すなわち、第2の製造方法におい
て、第1の工程の熱窒化の処理温度は、例えば850℃
としてあり、チャンバ(チャンバA)内の圧力は、例え
ば1.2Torrとしてあり、さらに、アンモニアガス
(NH3 )の流量は、例えば、2リットル/分としてあ
る。
【0166】また、第2の製造方法において、第2の工
程についても、第1の製造方法と条件は同一である。例
えば、第2の工程の処理温度については、例えば690
℃としてあり、第2の工程のCVD窒化の原料であるジ
クロロシラン(DCS)とアンモニアガス(NH3 )の
量は、それぞれ30ccと150ccとしてあり、チャ
ンバ(チャンバA)内の圧力は、例えば圧力約0.15
Torrとしてあり、それぞれ、第1の製造方法と条件
は同一である。
【0167】すなわち、第2の製造方法において、以上
のように、第1の工程の、熱窒化の温度に達するまでの
昇温速度と、第1の工程後、第2の工程の温度に降温す
る際の降温速度が、第1の製造方法と異なるほかは、第
1の製造方法と同様の条件で、図1における下部電極
(ストレージノード)112上に、熱窒化膜106およ
びCVD窒化膜104を形成してある。
【0168】ここで、第2の製造方法においては、第1
の工程の、熱窒化の温度に達するまでの昇温速度を、比
較的遅い速度(例えば50℃/分)としてあり、さら
に、第1の工程後、第2の工程の温度に降温する際の降
温速度(例えば20℃/分)と、比較的遅い速度として
ある理由を、図12を用いて説明する。
【0169】図12は、横軸に、実験回数(回)を時間
(相対値)を取ってあり、縦軸には、パ−ティクル数
(個)を取ってある。このパ−ティクル数は、パ−ティ
クルカウンタを用いて、製造過程で熱窒化膜およびCV
D窒化膜が損傷して、チャンバ(チャンバA)内に飛散
した膜の一部を、チャンバ(チャンバA)の汚染粒子と
して、カウントしたものである。そして、チャンバ(チ
ャンバA)内で、スタート状態から、第1および第2の
製造条件における第1工程と第2工程の製造条件を、そ
れぞれ繰り返し実験した。
【0170】すなわち、図2における熱窒化膜106と
CVD窒化膜104を、下部電極(ストレージノード)
112までが形成された状態のDRAM(メモリーセ
ル)90のサンプルに対して、それぞれ形成する実験
を、チャンバ(チャンバA)のスタート状態から繰り返
した。そして、その時に測定されたパ−ティクル数か
ら、チャンバ(チャンバA)内の汚染状態を推定した。
【0171】なお、パ−ティクル数は、実験ごとに、チ
ャンバ(チャンバA)内に所定の大きさのシリコン基板
片を載置して、そのシリコン基板片に付着した0.17
μm以上の粒径を有する粒子の数をパ−ティクルカウン
タを用いて測定したものである。
【0172】また、スタート状態とは、チャンバ(チャ
ンバA)を清掃直後の状態である。すなわち、スタート
状態とは、いまだいずれの実験も行っていない状態であ
る。但し、図12から明らかなように、スタート状態に
おいても、チャンバ(チャンバA)内には、20〜30
個のパ−ティクルは観察されている。したがって、カウ
ントされるパ−ティクル数の中には、一部、第1工程と
第2工程との製造条件以外のものを要因とするパ−ティ
クル数を含んでいる可能性がある。
【0173】そして、パ−ティクル数に関する実験の結
果、第1の製造方法における、第1工程と第2工程との
製造条件の操作を繰り返した場合においては、スタート
状態から、11回目の実験までは、測定されたパ−ティ
クル数は、30〜40個の低い値にとどまっていた。し
かしながら、14回目以降の実験にあっては、いずれも
測定されたパ−ティクル数は100個以上となり、チャ
ンバ(チャンバA)内が、いわゆるパ−ティクル汚染さ
れたことがわかる。
【0174】ここで、チャンバ(チャンバA)内のパ−
ティクル汚染の是非を、かかるパ−ティクル数が100
個を越えた場合として判断するのは、経験的なものでは
あるが、測定されたパ−ティクル数が100個以上とな
ると、その後の工程におけるエッチング不良等が著しく
多くなるためである。したがって、図12中、かかるパ
−ティクル数の100個を、基準と示すべく、点線で示
してある。そして、測定されたパ−ティクル数が、この
基準の点線を越えた場合には、チャンバ内の清掃を行
い、いわゆるスタート状態に戻すものとする。
【0175】なお、一般的に、第1工程と第2工程の製
造条件の操作を、10回程度まで繰り返すことができれ
ば、チャンバ(チャンバA)内の清掃を、長期間行う必
要が無く、熱窒化膜とCVD窒化膜を製造する際の製造
条件としては、実用上好ましいと考えられる。したがっ
て、第1の製造方法においても、13回程度の実験は繰
り返すことができる以上、実用上好ましい製造条件と考
えられる。
【0176】一方、第2の製造方法における、第1工程
と第2工程との製造条件を繰り返した場合においては、
19回目まで実験を繰り返しても、測定されたパ−ティ
クル数は60個以下の低い値であり、チャンバ(チャン
バA)内が、スタート状態の清潔な状態が保持されてい
ることがわかる。したがって、第2の製造方法において
も、第1の製造方法と同じく、10回以上の実験を繰り
返すことができ、実用上好ましい製造条件と考えられ
る。
【0177】但し、キャパシタ絶縁膜の第1の製造方法
と、第2の製造方法を比較した場合には、パ−ティクル
汚染性がより低い観点から、第2の製造方法における、
第1工程と第2工程の製造条件の方が好ましいことがわ
かる。この理由は、第2の製造方法においては、第1の
工程の、熱窒化の温度に達するまでの昇温速度を、比較
的遅い速度、例えば50℃/分とし、また、第1の工程
後、第2の工程の温度に降温する際の降温速度を、比較
的遅い速度、例えば20℃/分としてあることに起因し
ていると考えられる。すなわち、このように、比較的遅
い速度で第1の工程を昇温および降温することにより、
第1の工程で形成される熱窒化膜に発生する熱ストレス
を著しく低減できるためと考えられる。また、パ−ティ
クル汚染は、一般に、この熱ストレスによって、熱窒化
膜等の酸化膜が損傷して、チャンバ内に、損傷した窒化
膜の一部が飛散することにより生じると考えられてい
る。
【0178】したがって、第2の製造方法においては、
第1の工程の、熱窒化の温度に達するまでの昇温速度
を、比較的遅い速度とし、また、第1の工程後、第2の
工程の温度に降温する際の降温速度を、比較的遅い速度
とすることにより、余分な熱ストレスを熱窒化膜に与え
ず、熱窒化膜の損傷を防止し、そのため、チャンバ内の
パ−ティクル汚染を防止できるものと考えられる。
【0179】よって、以上のように、第2の製造方法
は、第1の製造方法と比較して、第1の工程の、熱窒化
の温度に達するまでの昇温速度を、比較的遅い速度(例
えば50℃/分)としてあり、さらに、第1の工程後、
第2の工程の温度に降温する際の降温速度を、比較的遅
い速度(例えば20℃/分)としてある。
【0180】次に、図11を用いて、第3のキャパシタ
絶縁膜の製造方法(以下、第3の製造方法)について説
明する。なお、この第3の製造方法の説明においても、
キャパシタ絶縁膜の第1の製造方法および第2の製造方
法と異なる点を中心に説明し、同一な点は適宜省略す
る。また、第3の製造方法で作製されるキャパシタ絶縁
膜の構成は、第1の製造方法で作製されるキャパシタ絶
縁膜と基本的に等しいため、キャパシタ絶縁膜の構成が
問題になる場合には、図1および図2に示されるキャパ
シタ絶縁膜100を適宜参照する。
【0181】すなわち、図11は、第3の製造方法、す
なわち、第1工程(熱窒化工程)および第2工程(CV
D窒化工程)における温度プロフィール例を示してい
る。そして、第3工程(ヒーリング酸化工程)に関して
は、第1の製造方法のそれと等しいため、省略してあ
る。
【0182】また、図11の横軸には、時間(相対値)
を取ってあり、縦軸には、温度(℃)を取ってある。そ
して、図3と同様に、チャンバ(チャンバA)が、例え
ば400℃の一定温度になったことを確認後、このチャ
ンバ(チャンバA)内に、図1における下部電極(スト
レージノード)112までが形成されたDRAM(メモ
リーセル)90のサンプルを挿入する。そして、すぐに
昇温を開始する。ここまでは、第3の製造方法と、第1
および第2の製造方法とで差はない。また、第3の製造
方法においても、第1の工程の、熱窒化の温度に達する
までの昇温速度を、例えば50℃/分の、比較的遅い速
度としてあり、この点でも、第2の製造方法のそれと差
はない。
【0183】しかしながら、第3の製造方法において
は、第1の工程と、第2の工程の温度が同一である点
で、第1および第2の製造方法と異なっている。したが
って、第1の工程から第2の工程へ移行する際に、降温
する必要がなく、温度を均一とするための遷移時間を省
略する、あるいは短時間とすることができる。そのた
め、キャパシタ絶縁膜100の製造時間を全体として、
短縮することができる。
【0184】また、このように、第1の工程と第2の工
程とを、実質的に等しい温度とすると、第1の工程と第
2の工程との間で、実質的に温度差がないか、あるいは
少ないため、特に、第1の工程で形成された熱窒化膜1
06における熱ストレスの発生が減少する。したがっ
て、熱窒化膜106が破壊されて、チャンバ(チャンバ
A)内に飛散することにより発生する、いわゆるパーテ
ィクル汚染の問題が著しく減少させることができる。ま
た、作製された熱窒化膜106の緻密性が向上するた
め、この熱窒化膜106が、DRAM(メモリーセル)
のキャパシタ絶縁膜の一部として用いられた場合には、
キャパシタ絶縁膜に起因した電気絶縁初期不良を著しく
低下させることができる。
【0185】また、第3の製造方法において、第1の工
程の温度は、例えば、690℃としてあり、第1および
第2の製造方法の第1の工程の温度である、850℃と
比較すると、かなり低い。よって、特別な加熱手段等が
不必要になり、設備上の利点を有することはもちろんの
こと、第1の工程で形成された熱窒化膜106における
熱ストレスの発生が減少する。したがって、第1の工程
から第2の工程へ移行する際に、降温する必要がないこ
とのほか、かかる第1の工程の温度が低いことによって
も、熱窒化膜106における熱ストレスの発生を防止す
ることができる。よって、第3の製造方法において、よ
り優れた、チャンバ(チャンバA)内のパーティクル汚
染防止効果を得ることができる。
【0186】さらに、第3の製造方法においては、第1
の工程の圧力が高い点で、第1および第2のキャパシタ
絶縁膜の製造方法と異なっている。
【0187】この点、図14を用いて説明する。すなわ
ち、図14は、図13と同様に、横軸に熱窒化処理時間
(分)を取ってあり、縦軸に熱窒化膜の厚さ(nm)が
取ってある。そして、この場合の熱窒化処理条件として
は、熱窒化の温度は690℃、アンモニアガス(NH
3 )流量は、2リットル/分、圧力は760Torrと
してある。
【0188】すなわち、第3の製造方法の熱窒化処理条
件と同一条件で、キャパシタ絶縁膜を作製した場合の、
熱窒化膜の厚さに対する熱窒化処理時間の影響を測定し
た。結果を、図14に、白三角(記号)で表してある。
このように、第3の製造方法と同一の熱窒化処理条件で
熱窒化膜を作製した場合も、熱窒化処理時間に比例し
て、熱窒化膜の厚さは直線的に増加する。しかしなが
ら、熱窒化処理時間が15分を過ぎたあたりで、熱窒化
処理時間の長さにかかわらず熱窒化膜の厚さは飽和し
て、約1.5nm付近まで達して変化しなくなることが
わかる。
【0189】すなわち、既に説明したように、一般に、
熱窒化の温度を低下させると、得られる膜厚が減少する
ことが知られているが、このように、圧力を増加させる
だけで熱窒化膜の厚さを増加させることができる。した
がって、このように第1の工程の圧力を増加させること
により、第1の製造方法により作製されたキャパシタ絶
縁膜の構成と同一の構成(厚さ)を保持したまま、第1
の工程の熱窒化の温度を低下させて、この第1の工程の
温度を、第2の工程であるCVD窒化工程の温度と、同
一とすることができる。
【0190】よって、第1の工程から第2の工程へ、温
度変化させる必要がなくなり、温度の安定化時間が不要
となる。すなわち、既に説明したように、キャパシタ絶
縁膜全体の工程時間を短縮化することができる。そし
て、さらには、温度の安定化時の間に、チャンバ内で、
形成した熱窒化膜が受ける熱酸化や熱ストレスの影響あ
るいはパーティクル汚染の問題を減少させることができ
る。そのため、均一で、清浄度の高い熱窒化膜として、
この熱窒化膜表面に、次工程であるCVD窒化工程によ
り、CVD窒化膜を形成することができる。
【0191】なお、図14には、キャパシタ絶縁膜の第
3の製造方法における熱窒化処理条件である、圧力条件
を1.2Torrとした、すなわち、第3の製造方法の
熱窒化処理条件における圧力条件とした場合の、熱窒化
膜の厚さに対する熱窒化処理時間の影響を検討した結果
を、白丸(記号)で表してある。また、その他の熱窒化
処理条件は、第3の製造方法の熱窒化処理条件と同等で
あり、すなわち、熱窒化の温度は690℃、アンモニア
ガス(NH3 )流量は、2リットル/分としてある。
【0192】そして、この熱窒化処理条件でキャパシタ
絶縁膜を作製すると、熱窒化処理時間に比例して、熱窒
化膜の厚さは、ほぼ直線的に増加するものの、熱窒化処
理時間が20分を過ぎたあたりで、熱窒化膜の厚さが約
1.0nm付近になると飽和することがわかる。したが
って、第3の製造方法において、より薄い熱窒化膜を所
望の場合には、熱窒化の圧力を、約1.2Torrと低
下させることにより、容易に膜厚を制御して、作製する
こともできる。
【0193】
【発明の効果】シリコンの熱窒化膜、CVD窒化膜(C
VD−SiN膜と称する場合もある。)および酸化膜、
例えばSiO2 膜を、この順に下から積層することによ
り形成したキャパシタ絶縁膜によって、64M DRA
M等の大容量のDRAM等の用途であっても、キャパシ
タ絶縁膜としての耐絶縁破壊電圧値や、キャパシタ容量
につき安定した特性を示すことができ、また、キャパシ
タ絶縁膜の耐久性に優れ、キャパシタ絶縁膜の大容量化
のために、キャパシタ絶縁膜の薄膜化が可能で、さらに
製造の容易なキャパシタ絶縁膜を提供することができる
ようになった。
【0194】例えば、40nmのキャパシタ絶縁膜の厚
さにおいて、この発明のキャパシタ絶縁膜は、少なくと
も、8MV/cm以上の高い耐絶縁破壊電圧値が得られ
ることが判明している。ちなみに、同一の膜厚で、従来
のONO膜やランプ窒化/NO膜の耐絶縁破壊電圧値
は、4MV/cm以下の低い値である。
【0195】さらに、キャパシタ絶縁膜の耐久性につい
ては、既に説明したように、TDDB寿命で比較するこ
とができるが、この発明のキャパシタ絶縁膜は、40n
mのキャパシタ絶縁膜の厚さにおいても、印加電圧の極
性にかかわらず、1000年以上の極めて長いTDDB
寿命の値を得られることが推定された。それに対し、従
来のONO膜やランプ窒化/NO膜のTDDB寿命は、
同一の膜厚において、10年未満の低い値であった。ま
た、ランプ窒化/NO膜においては、特に、印加電圧の
極性が−側の場合に、TDDB寿命の値が低くなった
が、この発明のキャパシタ絶縁膜では、印加電圧の極性
により、かかる極端なTDDB寿命の差は見られなかっ
た。
【0196】また、この発明の、CVD窒化膜を含むキ
ャパシタ絶縁膜の製造方法において、第1の工程とし
て、導電性のポリシリコンから構成される下部電極(ス
トレージノード)上に、高温条件でアンモニアガスを用
いてシリコンの熱窒化膜を積層し、第2の工程として、
熱窒化膜の表面に、CVD法により、CVD窒化膜を積
層し、第3の工程として、CVD窒化膜の表面に、酸化
工程により酸化膜を積層することにより、容易に各層、
特に熱窒化膜の膜厚を制御することができるようになっ
た。そして、さらには、この発明により、緻密で、パー
ティクル汚染性の少ないキャパシタ絶縁膜を容易に形成
することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のキャパシタ絶縁膜を説明するための
図である。
【図2】この発明のキャパシタ絶縁膜の構造を説明する
ための図である。
【図3】第1のキャパシタ絶縁膜の製造方法における温
度プロフィール例を説明するための図である。
【図4】この発明のキャパシタ絶縁膜における電圧(+
側)印加時間と累積故障率の関係を示す図である。
【図5】この発明のキャパシタ絶縁膜における電圧(−
側)印加時間と累積故障率の関係を示す図である。
【図6】この発明のキャパシタ絶縁膜における印加電圧
とTDDB寿命の関係を示す図である。
【図7】この発明のキャパシタ絶縁膜におけるキャパシ
タ絶縁膜の厚さとTDDB寿命の関係を示す図である。
【図8】この発明のキャパシタ絶縁膜とONO膜とのT
DDB寿命を比較した図である。
【図9】この発明のキャパシタ絶縁膜と、従来のランプ
窒化/NO膜とのTDDB寿命を比較した図である。
【図10】第2のキャパシタ絶縁膜の製造方法における
温度プロフィール例を説明するための図である。
【図11】第3のキャパシタ絶縁膜の製造方法における
温度プロフィール例を説明するための図である。
【図12】この発明のキャパシタ絶縁膜における、パー
ティクル数と実験回数の関係を示す図である。
【図13】熱窒化膜の厚さと熱窒化処理時間の関係(そ
の1)を示す図である。
【図14】熱窒化膜の厚さと熱窒化処理時間の関係(そ
の2)を示す図である。
【図15】(A)は、従来のONO膜が使用されるDR
AMの構造を説明するための図、(B)は、従来のON
O膜の構造を説明するための図である。
【図16】(A)は、従来のランプ窒化/NO膜が使用
されるDRAMの構造を説明するための図、(B)は、
従来のランプ窒化/NO膜の構造を説明するための図で
ある。
【符号の説明】
10、50、90:DRAM(メモリーセル) 12、52、110:上部電極(セルプレート) 14、54、112:下部電極(ストレージノード) 18、22、26、58、62、102、114、12
6:SiO2 膜(酸化膜) 20、70、118:p型Si基板 24、64、104:CVD窒化膜 28、68、100:キャパシタ絶縁膜 66:ランプ窒化膜(RTN膜) 106:熱窒化膜(Si34 膜) 116:フィールド酸化膜 120:n型電極領域 122:ゲート酸化膜 124:ゲート電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/822

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CVD窒化膜を含むキャパシタ絶縁膜に
    おいて、シリコンの熱窒化膜、CVD窒化膜および酸化
    膜を、この順に下から積層してあることを特徴とするキ
    ャパシタ絶縁膜。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のキャパシタ絶縁膜にお
    いて、前記シリコンの熱窒化膜の厚さをXとしたとき
    に、該熱窒化膜の厚さXを、0.1〜5.0nmの範囲
    内の値としてあることを特徴とするキャパシタ絶縁膜。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のキャパシタ絶
    縁膜において、前記CVD窒化膜の厚さをYとしたとき
    に、該CVD窒化膜の厚さYを、0.2〜10.0nm
    の範囲内の値としてあることを特徴とするキャパシタ絶
    縁膜。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のキ
    ャパシタ絶縁膜において、前記酸化膜の厚さをZとした
    ときに、該酸化膜の厚さZを、0.01〜5.0nmの
    範囲内の値としてあることを特徴とするキャパシタ絶縁
    膜。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のキ
    ャパシタ絶縁膜において、前記熱窒化膜の厚さXと、前
    記CVD窒化膜の厚さYとの、合計の厚さ(X+Y)
    を、0.5〜15.0nmの範囲内の値としてあること
    を特徴とするキャパシタ絶縁膜。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載のキ
    ャパシタ絶縁膜において、前記CVD窒化膜の厚さを、
    前記熱窒化膜の厚さXの、1.0〜10.0倍の範囲内
    の値としてあることを特徴とするキャパシタ絶縁膜。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のキ
    ャパシタ絶縁膜において、前記熱窒化膜の厚さXと、前
    記CVD窒化膜の厚さYと、前記酸化膜の厚さZとの、
    合計の厚さ(X+Y+Z)を、1.0〜20.0nmの
    範囲内の値としてあることを特徴とするキャパシタ絶縁
    膜。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載のキ
    ャパシタ絶縁膜において、前記シリコンの熱窒化膜およ
    び前記CVD窒化膜は、それぞれSi34を主材料と
    して構成してあることを特徴とするキャパシタ絶縁膜。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載のキ
    ャパシタ絶縁膜において、前記酸化膜は、SiO2 を主
    材料として構成してあることを特徴とするキャパシタ絶
    縁膜。
  10. 【請求項10】 CVD窒化膜を含むキャパシタ絶縁膜
    の製造方法において、第1の工程として、導電性のポリ
    シリコンから構成される下部電極(ストレージノード)
    上に、高温条件でアンモニアガスを用いてシリコンの熱
    窒化膜を積層し、第2の工程として、該熱窒化膜の表面
    に、CVD法により、CVD窒化膜を積層し、第3の工
    程として、該CVD窒化膜の表面に、酸化工程により酸
    化膜を積層し、前記キャパシタ絶縁膜を形成することを
    特徴とするキャパシタ絶縁膜の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のキャパシタ絶縁膜
    の製造方法において、前記第1の工程と、前記第2の工
    程とを、実質的に等しい温度で行うことを特徴とするキ
    ャパシタ絶縁膜の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項10または11に記載のキャパ
    シタ絶縁膜の製造方法において、前記第1の工程の温度
    を、600〜1000℃の範囲内の値とすることを特徴
    とするキャパシタ絶縁膜の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項10〜12のいずれか1項に記
    載のキャパシタ絶縁膜の製造方法において、前記第1の
    工程の圧力を、0.01〜900Torrの範囲内の値
    とすることを特徴とするキャパシタ絶縁膜の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項10〜13のいずれか1項に記
    載のキャパシタ絶縁膜の製造方法において、前記第2の
    工程の温度を、600〜800℃の範囲内の値とするこ
    とを特徴とするキャパシタ絶縁膜の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項10〜14のいずれか1項に記
    載のキャパシタ絶縁膜の製造方法において、前記第2の
    工程の圧力を、0.01〜10.0Torrの範囲内の
    値とすることを特徴とするキャパシタ絶縁膜の製造方
    法。
  16. 【請求項16】 請求項10〜15のいずれか1項に記
    載のキャパシタ絶縁膜の製造方法において、前記第1の
    工程の温度に昇温する場合の昇温速度を、50〜100
    ℃/分の範囲内の値とすることを特徴とするキャパシタ
    絶縁膜の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項10〜16のいずれか1項に記
    載のキャパシタ絶縁膜の製造方法において、前記第1の
    工程から前記第2の工程に降温する場合の降温速度を、
    10〜40℃/分の範囲内の値とすることを特徴とする
    キャパシタ絶縁膜の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項10〜17のいずれか1項に記
    載のキャパシタ絶縁膜の製造方法において、前記第1の
    工程のアンモニアガスの流量を、0.1〜10.0リッ
    トル/分の範囲内の値とすることを特徴とするキャパシ
    タ絶縁膜の製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項10〜18のいずれか1項に記
    載のキャパシタ絶縁膜の製造方法において、前記第3の
    工程における酸化工程を、ウェット(wett)のヒー
    リング酸化工程とすることを特徴とするキャパシタ絶縁
    膜の製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項10〜19のいずれか1項に記
    載のキャパシタ絶縁膜の製造方法において、前記第1の
    工程と、前記第2の工程とを、同一チャンバ内で行うこ
    とを特徴とするキャパシタ絶縁膜の製造方法。
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