JPH1183006A - 燃焼炉の炉内圧制御方法 - Google Patents

燃焼炉の炉内圧制御方法

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JPH1183006A
JPH1183006A JP9238401A JP23840197A JPH1183006A JP H1183006 A JPH1183006 A JP H1183006A JP 9238401 A JP9238401 A JP 9238401A JP 23840197 A JP23840197 A JP 23840197A JP H1183006 A JPH1183006 A JP H1183006A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】制御レンジの拡大を図るとともに、省エネ効果
を高めることが可能となる。 【解決手段】排ガス流路に排ガスファン14と排ガスダ
ンパ4を備えた燃焼炉において、排ガスファン14の回
転数制御により排ガス流量を制御して、炉内圧を所定圧
力に保持しようとする制御動作に、前記排ガスファン1
4の回転数に基づいて排ガスダンパ4の開度を調節する
制御動作を併用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バッチ式燃焼炉の
炉内圧制御方法に関するものであって、特に、排ガスフ
ァンの回転数を制御することにより燃焼排ガスなどの排
出流量を調節して、燃焼炉内の圧力を目的値に制御する
方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】燃焼炉の燃焼状態を最も好ましい状態に
保持するには、炉内圧をある範囲内に制御することが必
要な条件の一つであり、この炉内圧は、燃焼炉にバーナ
から入力される燃焼用空気、燃料、あるいはその他送入
空気、例えば冷却空気などを燃焼炉外に排出するに際し
て、適度な抵抗を与えることにより、炉内外に差圧を設
けることにより得られる。
【0003】特に、バッチ式燃焼炉においては、昇温、
最高温度保持、冷却など一連の加熱操作を行うために、
時間経過とともに燃焼空気または冷却空気など入力操作
量の変化が大きいので、炉内圧の制御はバッチ式燃焼炉
の運転上必要不可欠な自動制御要素となっている。
【0004】ここで図4によって、従来の燃焼炉の炉内
圧の制御方法の1例を説明する。燃焼炉の炉本体11に
は、外部から送り込まれた燃料、燃焼空気などが、燃焼
した後の排ガスなどになって、排ガス煙道12から取り
出され、必要に応じて外気が導入されるプレナム13を
経て、排ガスファン14によって、排ガスダンパ3から
煙突15へ送られ、最終的に大気中に排気される。
【0005】この場合、炉本体11内の炉内圧も制御の
ため、炉内圧を入力要素とし、排ガスファン14の回転
数を出力要素とするPID制御ループが構成されてい
る。図4では、炉本体11内の炉内圧は、圧力発信器2
1によって制御演算器22に送られ、目標値との偏差に
応じて、この制御演算器22から、排ガスファン14を
駆動するインバータ制御器23に対して、排ガスファン
14が予めプログラムした回転数で回転するようインバ
ータ駆動出力を発するように指令する。このように、炉
内圧を高くするにはインバータ制御によって排ガスファ
ン14の回転数を減らし、炉内圧を低くするには回転数
を増やすというようにして、排ガスの流量を自動調節す
ることにより炉内圧を安定に保つことができる。
【0006】さらに、排ガス流量は、排ガスダンパ3の
開度を経過時間によりプログラム化された排ガスダンパ
プログラム31によって調節することによっても、制御
され得る。しかしながら、実機運転においては、製品の
形状、寸法の変化、詰め重量、外気温度の変動などの外
乱によりプログラムとのオフセットが発生することが避
けられない。この対応には、オペレータの修正操作、あ
るいは必要以上の回転数を維持するよう安全設定にする
など、自動化の推進や省エネ対策上の不具合となってい
た。
【0007】一方、前記の排ガスファン14についてイ
ンバータ回転数制御を行う場合には、定格回転数の1/
10〜1/20以下のレンジでは、ファンの駆動モータ
の連続許容トルクが不足するので、負荷トルクに対応で
きなくなって、回転が不安定となり適正な制御が困難と
なる問題や、回転不足から冷却風が不足しモータ内部の
冷却が不十分になるという不具合があった。従って、こ
のように排ガスファンの回転数制御レンジは、定格回転
数の範囲内で1:10から1:20の範囲の数値という
ことになり、この場合の排ガス流量もその制御レンジに
相当する、1:10から1:20の範囲内の数値でしか
制御できないという問題につながっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように図4に例示
した炉内圧制御においては、排ガスファンの回転数制御
下限は、定格回転数の1/10〜1/20であって、
1:10から1:20の制御レンジを持っているが、従
来のバッチ式燃焼炉に要求される排ガス流量の制御レン
ジは1:20程度であったから、格別の支障が無かっ
た。しかし、パルスファイヤリングに代表されるよう
な、最近の低温度域の過剰空気の削減を意図した省エネ
燃焼システムでは、制御レンジとして1:30〜1:5
0にいたる広範囲なものが要求されるようになった。
【0009】本発明は、上記した新しい要求に対応すべ
くなされたものであり、従来と同様な排ガスファンと排
ガスダンパを備えたバッチ式燃焼炉において、制御レン
ジの拡大を図るとともに、省エネ効果を高めることが可
能となる燃焼炉の炉内圧制御方法を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めになされた本発明の燃焼炉の炉内圧制御方法は、排ガ
ス流路に排ガスファンと排ガスダンパを備えた燃焼炉に
おいて、排ガスファンの回転数制御により排ガス流量を
制御して、炉内圧を所定圧力に保持しようとする制御動
作に、前記排ガスファンの回転数に基づいて排ガスダン
パの開度を調節する制御動作を併用することを特徴とす
るものである。
【0011】また、この発明は、前記排ガスファンの回
転数が所定の設定値以下に低下したときに前記排ガスダ
ンパの開度を閉方向に制御し、設定値以上に回復したと
きに前記排ガスダンパの開度を全開方向に制御する形態
に具体化することができる。そして、その回転数の所定
の設定値を定格回転数の1/5〜1/10とするのが特
に好適である。
【0012】さらに、具体的には、前記の排ガスファン
の回転数に基づく排ガスダンパの開度制御を停止し、別
途に任意に設定した開度に自動でまたは手動で操作する
制御方法を準備しておき、それの方法に切換え自在とす
るのが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の燃焼炉の炉内圧制
御方法に係る実施形態を図1〜3を参照して説明する 本願発明の燃焼炉の炉内圧制御方法は、図1において、
バッチ式燃焼炉のような燃焼炉の炉本体11の排ガス煙
道12から排ガスが取り出され、プレナム13を経て、
排ガスファン14から排ガスダンパ4、煙突15の順に
送られて最終的に大気中に排気される構造の燃焼炉に適
用されるものであり、炉本体11内の炉内圧を制御する
ための、炉内圧を入力要素とし、排ガスファン14の回
転数を出力要素とするPID制御ループが構成されてい
る点でも先に説明したものと同様である。
【0014】具体的には、図1に例示する通り、圧力発
信器21によって炉本体11内の炉内圧に係る信号が、
制御演算器22に送られ、目標値との偏差に応じて、こ
の制御演算器22から、排ガスファン14を駆動するイ
ンバータ制御器23に対して、排ガスファン14が予め
プログラムした回転数で回転するようインバータ駆動出
力を発するように指令する。排ガスの流量を自動調節す
ることにより炉内圧を安定に保つことができる。
【0015】そして、本発明の特徴とするところは、前
記した排ガス流路に排ガスファン14と排ガスダンパ4
を備えた燃焼炉において、排ガスファン14の回転数制
御により排ガス流量を制御して、炉内圧を所定圧力に保
持しようとする制御動作に、前記排ガスファン14の回
転数に基づいて排ガスダンパ4の開度をPID制御する
動作を併用する炉内圧の制御方法である。
【0016】この排ガスダンパ4のPID開度制御は具
体的には、図1において、排ガスファン14の回転数の
信号が排ガスダンパ制御器41に送られ、この回転数の
信号に基づいて排ガスダンパ4の開度を調節するPID
信号が排ガスダンパ4に送られるのであるが、回転数が
高回転数領域では開方向に、回転数が低回転数領域では
閉方向になるよう、ダンパ開度の開閉動作を行うもので
ある。
【0017】この場合に、前記排ガスファン14の回転
数が所定の設定値以下に低下したときに前記排ガスダン
パ4の開度を閉方向に制御して排ガス流量を小流量に確
保し、また、設定値以上に回復したときに前記排ガスダ
ンパ4の開度を全開方向に制御して大流量を確保して、
回転数が制御下限以下にならないようにする形態に具体
化することができる。そして、その回転数の所定の設定
値としては、使用する排ガスファン14の回転数の制御
下限近傍の回転数とすればよいが、具体的には定格回転
数の1/5〜1/10とするのがよい。
【0018】本発明では、このような排ガスダンパの開
度制御を行うので、ダンパ開度が100%の通常の運転
モードにおいて、ファン回転数が制御下限近傍から選ん
だ設定値を下回るような回転数が要求される状況になっ
た場合、ダンパ開度制御によってダンパが閉方向に動作
し、例えば、開度100%から10%に閉ざされたとす
ると、その時点で排ガス流量は1/10の小流量に絞ら
れるので、炉内圧が上昇し、結果、ファン回転数が回復
するよう制御され、制御下限を下回るのを回避すること
ができるとともに、このように排ガス流量が絞られた流
量の範囲内でさらに流量の調節が行われるので、最大流
量100%の状態から最小流量1%のレベルまでの広範
囲の制御レンジを得ることができる利点がある。
【0019】そして、上記のようにダンパ開度が10%
に絞られている状態から100%開いた状態に復帰させ
る動作は、ファン回転数が送入空気の増加に伴い制御下
限近傍から選んだ設定値を上回るような回転数が要求さ
れるという状態に至ったときに、前記の排ガスダンパ制
御器41から送られるPID信号によって発動されるの
である。
【0020】このように、制御レンジをファンの制御下
限以下に拡大する必要のないときは、ダンパ開度を10
0%とすることにより、ダンパによる排気抵抗を最小に
して、自然通風を有効に活用し、理想流量が得られるな
ど、効果的な省エネ運転が可能となるという利点も得ら
れるのである。
【0021】以上説明した本発明の制御方法による実施
結果を図2、3に例示する。図2は、燃焼炉の加熱〜冷
却にいたる時間の経過と、ダンパ開度制御を行うための
ファン回転数設定値を10ヘルツに設定した場合のファ
ン回転数、ダンパ開度の関係を表すものである。この結
果によれば、例えば、ファン回転数が低くく調節される
15時間目から21時間目までの間では、ダンパ開度は
0%に調節され、ファン回転数は、制御下限である約6
ヘルツを下回ることがない。しかも、経過時間と炉内圧
の関係を記録した図3を対照すると、15時間目から2
1時間目までの間では、炉内圧の目標値は大きく変化し
ているのであるが、測定された炉内圧はよく制御され、
目標値に追随していることが分かる。
【0022】さらに、本発明においては、前記の排ガス
ファン14の回転数に基づく排ガスダンパの開度制御を
停止し、独立したダンパ開度出力によって排ガスダンパ
の開度を別途に任意に設定した開度に操作する制御動作
に切換え自在とするのが好ましい。例えば、図1におい
て、排ガスダンパの操作回路に切替え器43を設け、先
に説明した排ガスダンパ制御器41、またはプリセット
ダンパ出力器42のいずれかに切替え可能としておけ
ば、必要に応じて、プリセットダンパ出力器42の指令
によって任意に設定した開度に操作することができるの
である。
【0023】このようなサブシステムを設けることによ
り、例えば焼成工程後半の冷却工程への移行時、または
炉内パージが終了したような負荷の急変時には、ダンパ
操作出力をファン回転数に基づく自動制御から切り離し
て、独立して制御することにより、炉内圧制御の応答性
を確保することができる。
【0024】その1例を図2、3に示すと、横軸38時
間目あたりから冷却工程に切り替わるのであるが、この
ときにダンパ開度を100%からプリセットダンパ出力
器で設定した80%にある時間だけ切り換えることによ
り、ファン回転数制御を支援することができるから、目
標値が急激に低下するにもかかわらず、炉内圧の過度の
低下を防止することができるのである。
【0025】
【発明の効果】本発明の燃焼炉の炉内圧制御方法は、以
上に説明したように構成されているので、炉内圧を安定
に制御せきる制御レンジを従来の1:10程度から1:
100のレベルまで拡大することが可能となり、省エネ
効果の高い運転も可能となる。よって本発明は従来の問
題点を解消した燃焼炉の炉内圧制御方法として、その工
業的価値は極めて大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炉内圧制御方法を説明するための燃焼
炉の概念図。
【図2】本発明の炉内圧制御方法による時間−回転数な
ど実績を示すグラフ。
【図3】本発明の炉内圧制御方法による時間−炉内圧な
ど実績を示すグラフ。
【図4】従来の炉内圧制御方法を説明するための燃焼炉
の概念図。
【符号の説明】
11 炉本体、12 排ガス煙道、13 プレナム、1
4 排ガスファン、15煙突、21 圧力発信器、22
制御演算器、23 インバータ制御器、4排ガスダン
パ、41 排ガスダンパ制御器、42 プリセットダン
パ出力器、43 切替え器。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】排ガス流路に排ガスファンと排ガスダンパ
    を備えた燃焼炉において、排ガスファンの回転数制御に
    より排ガス流量を制御して、炉内圧を所定圧力に保持し
    ようとする制御動作に、前記排ガスファンの回転数に基
    づいて排ガスダンパの開度を調節する制御動作を併用す
    ることを特徴とする燃焼炉の炉内圧制御方法。
  2. 【請求項2】前記排ガスファンの回転数が所定の設定値
    以下に低下したときに前記排ガスダンパの開度を閉方向
    に制御し、設定値以上に回復したときに前記排ガスダン
    パの開度を全開方向に制御する請求項1に記載の燃焼炉
    の炉内圧制御方法。
  3. 【請求項3】前記回転数の所定の設定値を定格回転数の
    1/5〜1/10とした請求項2に記載の燃焼炉の炉内
    圧制御方法。
  4. 【請求項4】前記排ガスファンの回転数に基づく排ガス
    ダンパの開度制御を停止し、任意に設定した開度に操作
    する制御方法に切換え自在とした請求項1、2または3
    に記載の燃焼炉の炉内圧制御方法。
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