JPH1182602A - 減衰力調整式油圧緩衝器 - Google Patents

減衰力調整式油圧緩衝器

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JPH1182602A
JPH1182602A JP24969497A JP24969497A JPH1182602A JP H1182602 A JPH1182602 A JP H1182602A JP 24969497 A JP24969497 A JP 24969497A JP 24969497 A JP24969497 A JP 24969497A JP H1182602 A JPH1182602 A JP H1182602A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 減衰力調整式油圧緩衝器において、減衰力調
整弁であるスプール弁のスプールに作用する流体力を軽
減する。 【解決手段】 油液を封入したシリンダ14に、ピストン
15を嵌装してピストンロッド16を連結した油圧緩衝器本
体13に、減衰力発生機構23を接続する。減衰力発生機構
23の減衰力調整弁であるスプール弁34のスプール45の弁
溝48に、ポート35との間で可変絞りを形成するランド46
に隣接させて深溝部48a を形成する。ポート35とランド
46との間の可変絞りで生じる油液の噴流は、深溝部48a
によって90°に近い流入角度で弁溝48に流入するので、
この噴流によって生じるスプール45の軸方向に作用する
流体力を充分小さくすることができ、流体力によるスプ
ールの移動を防止して安定した減衰力特性を得ることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両の
懸架装置に装着される減衰力調整式油圧緩衝器に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両の懸架装置に装着される
油圧緩衝器には、路面状況、走行状況等に応じて乗り心
地や操縦安定性をよくするために減衰力を適宜調整でき
るようにした減衰力調整式油圧緩衝器がある。
【0003】減衰力調整式油圧緩衝器は、一般に、油液
が封入されたシリンダ内にピストンロッドが連結された
ピストンを摺動可能に嵌装し、ピストンロッドの伸縮に
ともなうピストンの移動によって生じる油液通路内の油
液の流動をオリフィス、ディスクバルブ等によって制御
して減衰力を発生させ、また、減衰力調整弁によって油
液通路の流路面積を変化させることにより減衰力を調整
するようになっている。そして、減衰力調整式油圧緩衝
器には、減衰力調整弁としてスプール弁を用いたものが
あり、このものでは、ソレノイドアクチュエータ等によ
ってスプールを移動させることにより、適宜減衰力特性
を調整することができる。
【0004】減衰力調整弁として用いられるスプール弁
の一例について、図9を参照して説明する。図9に示す
ように、スプール弁1は、スリーブ2内にスプール3が
摺動可能に嵌装されている。スリーブ2には、当該減衰
力調整式油圧緩衝器のピストンロッドの伸び行程時に油
液を流通させる伸び側油液通路を構成するポート4,5
および縮み行程時に油液を流通させる縮み側油液通路構
成するポート6,7が設けられている。また、スプール
3には、ポート4,5間およびポート6,7間をそれぞ
れ連通させる弁溝8,9が形成されている。
【0005】そして、伸び側のポート4,5間の流路面
積は、上流側のポート4と弁溝8の上流側のランド10の
エッジ部との間で調整され、下流側のポート5は弁溝8
に常時連通されている。また、縮み側のポート6,7間
の流路面積は、下流側のポート7と弁溝9の下流側のラ
ンド11のエッジ部との間で調整され、上流側のポート6
は弁溝9に常時連通されている。ランド10,11のエッジ
部には、それぞれポート4,7の開閉時の流路面積の急
変を防止するための切欠10a ,11a が設けられている。
【0006】この構成により、スプール3をソレノイド
アクチュエータ等によって移動させることにより、ポー
ト4,5間およびポート6,7間の流路面積を調整し
て、伸び側および縮み側の減衰力特性を調整することが
できる。また、切欠10a ,11aによって、ポート4,7
の開閉時の流路面積の急変が防止されるので、減衰力特
性を円滑に調整することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のスプール弁を減衰力調整弁として用いた減衰力調整
式油圧緩衝器では、次のような問題がある。流速の速い
絞り部では圧力が低下するので、ポート4,5間に油液
の流れが生じると、ポート4とランド10のエッジ部との
間の絞り部に生じる噴流によって、弁溝8内のランド10
の端面付近の圧力が低下して、スプール3に閉弁方向の
流体力が作用する。同様に、ポート6,7間に油液の流
れが生じると、弁溝9内のランド11の端面付近の圧力が
低下してスプール3に閉弁方向の流体力が作用する。こ
のとき、スプール3に作用する流体力Fは、 F=ρQVcos θ=ρV2Acos θ … ただし、ρ:作動油密度、Q:流量、V:噴流速度、
A:絞り部の流路面積、θ:噴流角度 で表すことができる。
【0008】このため、減衰力の調整値およびピストン
速度等の条件によっては、スプール3に作用する流体力
Fがスプール3の保持力(通常、ソレノイドによる推力
および戻しばねのばね力等によって決定される)を越え
てスプール3を移動させ、例えば図8中に破線で示すよ
うに、減衰力特性を急変させることがあり、減衰力が不
安定となって、車両の乗り心地および操縦安定性を低下
させる虞がある。
【0009】この点については、ソレノイドの推力およ
び戻しばねのばね力を大きくしてスプール3の保持力を
大きくすることにより、ある程度改善することができる
が、完全に解消することは困難であり、また、ソレノイ
ドの推力を増大させることによって消費電力が大きくな
ったり、ソレノイドを大きくせざるを得ないという問題
を生じることになる。
【0010】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、減衰力調整式油圧緩衝器において、減衰力調整
弁であるスプール弁のスプールに作用する流体力を軽減
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、油液が封入されたシリンダ
と、該シリンダ内に摺動可能に嵌挿されたピストンと、
一端が前記ピストンに連結され他端が前記シリンダの外
部へ延出されたピストンロッドと、該ピストンロッドの
ストロークによって油液を流通させる油液通路と、該油
液通路の流路面積を調整するスプール弁とを備えた減衰
力調整式油圧緩衝器において、前記スプール弁は、一対
のポートを有するスリーブと、該スリーブに摺動可能に
嵌装され、ランド間に形成された弁溝によって前記一対
のポート間を連通させて前記ランドと前記ポートとの間
で可変絞りを形成するスプールとを備え、さらに、前記
スプールの弁溝には、前記可変絞りを形成するランドに
隣接して環状の深溝部が形成されていることを特徴とす
る。
【0012】このように構成したことにより、スプール
弁のポートとランドとの間に形成される可変絞りで生じ
る油液の噴流は、深溝部によって、スプール弁の軸方向
に対して垂直に近い方向に向けられるので、スプールの
軸方向に作用する流体力が小さくなる。
【0013】請求項2の発明は、上記請求項1の構成に
加えて、前記スリーブの内周面には、前記可変絞りを形
成するポートに連通する環状溝が形成されていることを
特徴とする。
【0014】このように構成したことにより、ポートに
連通する環状溝とスプールのランドとの間で可変絞りが
形成される。
【0015】請求項3の発明は、上記請求項1または2
の構成に加えて、前記深溝部の軸方向長さは、前記可変
絞りを形成するポートの直径の約1.0 〜1.6 倍であるこ
とを特徴とする。
【0016】また、請求項4の発明は、上記請求項2ま
たは3の構成に加えて、前記深溝部の軸方向長さは、前
記環状溝の軸方向長さの約0.7 〜1.1 倍であることを特
徴とする。
【0017】請求項3または4の構成によれば、可変絞
りで生じる油液の噴流をスプール弁の軸方向に対して、
より垂直に近い方向に向けることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0019】図1に示すように、本実施形態の減衰力調
整式油圧緩衝器12の油圧緩衝器本体13は、油液が封入さ
れたシリンダ14内にピストン15が摺動可能に嵌装されて
おり、このピストン15によってシリンダ14内がシリンダ
上室14a とシリンダ下室14bの2室に画成されている。
ピストン15には、ピストンロッド16の一端が連結されて
おり、ピストンロッド16は、シリンダ上室14a を通って
その他端側がシリンダ14の外部へ延出されている。シリ
ンダ下室14b には、シリンダ14の底部に設けられたベー
スバルブ17を介して油液およびガスが封入されたリザー
バ18が接続されている。
【0020】ピストン15には、シリンダ上下室14a ,14
b 間を連通させる油路19およびこの油路19のシリンダ下
室14b 側からシリンダ上室14a 側への油液の流通のみを
許容する逆止弁20が設けられている。また、ベースバル
ブ17には、シリンダ下室14bとリザーバ18とを連通させ
る油路21およびこの油路21のリザーバ18側からシリンダ
下室14b 側への油液の流通のみを許容する逆止弁22が設
けられている。そして、油圧緩衝器本体13には、減衰力
発生機構23が接続されている。
【0021】図2にも示すように、減衰力発生機構23
は、略有底円筒状のケース24の開口部に比例ソレノイド
アクチュエータ25(以下、比例ソレノイド25という)を
取付けてハウジングを構成しており、ケース24には、油
圧緩衝器本体13のシリンダ上室14a 、シリンダ下室14b
およびリザーバ16にそれぞれ連通する油路26,27,28が
設けられている。そして、ケース24内には、油路26から
油路27への油液の流動を制御して減衰力を発生させる伸
び側減衰弁29および油路27から油路28への油液の流動を
制御して減衰力を発生させる縮み側減衰弁30が設けられ
ている。
【0022】伸び側減衰弁29は、パイロット型圧力制御
弁であるメインバルブ31と、圧力制御弁であるサブバル
ブ32と、固定オリフィス33と、可変流量制御弁であるス
プール弁34とから構成されている。そして、比例ソレノ
イド25によってスプール弁34を操作して、ポート35,36
間の流路面積を変化させることにより、オリフィス特性
(減衰力がピストン速度の2乗にほぼ比例する)を直接
調整するとともに、これによってパイロット室37の圧力
(メインバルブ31のパイロット圧)を変化させ、メイン
バルブ31の開弁圧力を変化させて、バルブ特性(減衰力
がピストン速度にほぼ比例する)を同時に調整すること
ができるようになっている。なお、サブバルブ32は、オ
リフィス特性域、すなわち、ピストン速度の低速域にお
いて、適度な減衰力(バルブ特性)を得ることによっ
て、減衰力特性を適正化するためのものである。
【0023】同様に、縮み側減衰弁30は、パイロット型
圧力制御弁であるメインバルブ38と、圧力制御弁である
サブバルブ39と、固定オリフィス40と、伸び側減衰弁29
と共用のスプール弁34とから構成されている。そして、
比例ソレノイド25によってスプール弁34を操作して、ポ
ート41,42間の流路面積を変化させることにより、オリ
フィス特性を直接調整するとともに、これによってパイ
ロット室43の圧力(メインバルブ38のパイロット圧)を
変化させ、メインバルブ38の開弁圧力を変化させて、バ
ルブ特性を同時に調整することができるようになってい
る。なお、サブバルブ39は、オリフィス特性域、すなわ
ち、ピストン速度の低速域において、適度な減衰力(バ
ルブ特性)を得ることによって、減衰力特性を適正化す
るためのものである。
【0024】スプール弁34は、一対の伸び側のポート3
5,36および一対の縮み側のポート41,42を有するスリ
ーブ44内に、スプール45が摺動可能に嵌装されている。
スプール45には、ランド46とランド47との間にポート3
5,36間を連通させる環状の弁溝48が形成され、また、
ランド47とランド49との間にポート41,42間を連通させ
る環状の弁溝50が形成されている。
【0025】伸び側の一方のポート35および縮み側の一
方のポート42の内周側の開口部には、それぞれスリーブ
44の内周面に沿って環状溝51,52が形成されている。そ
して、伸び側のポート35,36間の流路面積は、上流側の
ポート35の環状溝51とランド46の弁溝48側の端部のエッ
ジ部との間で形成される可変絞りによって調整され、下
流側のポート36は、弁溝48に常時連通されている。ま
た、縮み側のポート41,42間の流路面積は、下流側のポ
ート42の環状溝52とランド49の弁溝50側の端部のエッジ
部との間で形成される可変絞りによって調整され、上流
側のポート41は、弁溝50に常時連通されている。ランド
46,49のエッジ部には、それえぞれポート35,42の開閉
時の流路面積の急変を防止するために切欠46a ,49a が
設けられている。また、各ランド46,47,49には、それ
ぞれ流体固着を防止するために数本の外周溝53,54,55
が設けられている。
【0026】スプール45の伸び側の弁溝48は、上流側の
ポート35(環状溝51)との間で可変絞りを形成する一方
のランド46に隣接してポート35に対向する深溝部48a
と、他方のランド47に隣接して下流側のポート36に対向
する浅溝部48b とから構成されている。また、縮み側の
弁溝50は、下流側のポート42(環状溝52)との間で可変
絞りを形成する一方のランド49に隣接してポート42に対
向する深溝部50a と、他方のランド47に隣接して上流側
のポート41に対向する浅溝部50b とから構成されてい
る。
【0027】ここで、図3ないし図5に示すように、ス
プール45の直径Dと伸び側の弁溝48の深溝部48a の直径
D1と浅溝部48b の直径D2との関係は、D>D2>D1であ
り、かつ、好ましくは、浅溝部48b とスリーブ44との間
の流路断面積π(D2−D2 2 )/4は、この部分での圧力
損失が減衰力特性に影響しないように、伸び側の固定オ
リフィス33の流路面積の2倍以上とするとよい。
【0028】同様に、スプール45の直径Dと縮み側の弁
溝50の深溝部50a の直径D3と浅溝部50b の直径D4との関
係は、D>D4>D3であり、かつ、好ましくは、浅溝部50
b とスリーブ44との間の流路断面積π(D2−D4 2 )/4
は、この部分での圧力損失が減衰力特性に影響しないよ
うに、縮み側の固定オリフィス40の流路面積の2倍以上
とするとよい。
【0029】さらに、好ましくは、可変絞りを形成する
ポート35,42のそれぞれの直径d1,d2と、弁溝48,50の
深溝部48a ,50a のそれぞれの軸方向長さL1,L2との関
係はは、おおむね、 L1/d1=L2/d2=1.0 〜1.6 となるようにし、また、これらのポート35,42のそれぞ
れの環状溝51,52の軸方向幅W1,W2と弁溝48,50の深溝
部48a ,50a のそれぞれの軸方向長さL1,L2との関係
は、おおむね、 L1/W1=L2/W2=0.7 〜1.1 となるようにするとよい。
【0030】そして、比例ソレノイド25のプランジャ56
によって、コイル57への通電電流に応じた推力でスプー
ル45を押圧して戻しばね58のばね力に抗して移動させ、
プランジャ56の推力と戻しばね58のばね力とのバランス
によってスプール45を所望の位置に位置決めすることに
より、伸び側のポート35,36間および縮み側のポート4
1,42間の流路面積を調整する。このとき、伸び側のポ
ート35,36間と縮み側のポート41,42間との流路面積
は、一方が大のとき他方が小となり、一方が小のとき他
方が大となる。
【0031】以上のように構成した本実施形態の作用に
ついて次に説明する。
【0032】ピストンロッド16の伸び行程時には、ピス
トン15の移動にともないピストン15の逆止弁20が閉じて
シリンダ上室14a 側の油液が加圧され、減衰力発生機構
23の油路26へ流れ、油路26からサブバルブ32、固定オリ
フィス33、スプール弁34の伸び側のポート35,36および
油路27を通ってシリンダ下室14b へ流れる。このとき、
シリンダ上室14a 側の圧力がメインバルブ31の開弁圧力
に達すると、メインバルブ31が開いて油液がサブバルブ
32から油路27へ直接流れる。一方、ピストンロッド16が
シリンダ14内から退出した分の油液がリザーバ18からベ
ースバルブ17の逆止弁22を開いてシリンダ下室14b へ流
れる。
【0033】よって、伸び行程時には、ピストン速度が
低くメインバルブ31の開弁前には、固定オリフィス33お
よびスプール弁34の伸び側のポート35,36間の流路面積
に応じてオリフィス特性の減衰力が発生し、ピストン速
度が高くなり、シリンダ上室14a 側の圧力が上昇してメ
インバルブ31が開くと、その開度に応じてバルブ特性の
減衰力が発生する。そして、比例ソレノイド25によっ
て、コイル57への通電電流に応じて、スプール弁34の伸
び側のポート35,36間の流路面積を調整することによ
り、オリフィス特性を直接調整するとともに、これによ
ってパイロット室37の圧力(メインバルブ31の背圧)を
変化させてバルブ特性を調整することができる。
【0034】また、ピストンロッド16の縮み行程時に
は、ピストン15の移動にともない、ピストン15の逆止弁
20が開いてシリンダ下室14b の油液が油路19を通ってシ
リンダ上室14a に直接流入することによってシリンダ上
下室14a ,14b がほぼ同圧力となるので、減衰力発生機
構23の油路26,27間では油液の流れが生じない。一方、
ピストンロッド16のシリンダ14内への侵入にともなって
ベースバルブ17の逆止弁22が閉じ、ピストンロッド16が
侵入した分、シリンダ14内の油液が加圧されて、シリン
ダ下室14b から減衰力発生機構23の油路27へ流れ、油路
27からサブバルブ39、固定オリフィス40、スプール弁34
の縮み側のポート41,42および油路28を通ってリザーバ
18へ流れる。このとき、シリンダ上下室14a ,14b 側の
圧力がメインバルブ38の開弁圧力に達すると、メインバ
ルブ38が開いて油液がサブバルブ39から油路28へ直接流
れる。
【0035】よって、縮み行程時には、ピストン速度が
低くメインバルブ38の開弁前には、固定オリフィス40お
よびスプール弁34の縮み側のポート41,42間の流路面積
に応じてオリフィス特性の減衰力が発生し、ピストン速
度が高くなり、シリンダ上下室14a ,14b 側の圧力が上
昇してメインバルブ38が開くと、その開度に応じてバル
ブ特性の減衰力が発生する。そして、比例ソレノイド25
によってコイル57への通電電流に応じてスプール弁34の
縮み側のポート41,42間の流路面積を調整することによ
って、オリフィス特性を直接調整するとともに、これに
よってパイロット室43の圧力(メインバルブ38の背圧)
を変化させてバルブ特性を調整することができる。
【0036】そして、スプール弁34の伸び側のポート3
5,36間と縮み側のポート41,42間との流路面積は、一
方が大のとき他方が小となり、一方が小のとき他方が大
となるので、伸び側と縮み側とで大小異なる種類の減衰
力特性の組合せ(例えば、伸び側がハードで縮み側がソ
フト、または、伸び側がソフトで縮み側ハードの組合
せ)を設定することができる。減衰力調整式油圧緩衝器
12の減衰力特性を図8中に実線で示す。
【0037】このとき、図6に示すように、スプール弁
34の伸び側のポート35,36では、ポート35の環状溝51と
ランド46のエッジ部との間の絞り部で生じた油液の噴流
は、深溝部48a の端面a1に衝突して渦S1を発生し、この
渦S1によって噴流は深溝部48a の底面b1側へ向けられ、
その後、浅溝部48b を通ってポート36へ流れる。これに
より、噴流のスプール弁34の軸方向に対する流入角度θ
が90°(垂直)に近づくので、上記式からスプール45
に作用する流体力Fが充分小さくなり、流体力によるス
プール45の移動を防止して安定した減衰力特性を得るこ
とができる。
【0038】また、図7に示すように、スプール弁34の
縮み側のポート41,42では、ポート41から流入した油液
が浅溝部50b を通り、深溝部50a を流れる際に、深溝部
の端面a2で油液の剥離が生じ、これにより、油液の流れ
が深溝部50a の底面b2側へ引っ張られて渦S2が発生す
る。この渦S2によって、ポート42の環状溝52とランド49
のエッジ部との間の絞り部から流出する油液の噴流のス
プール弁34の軸方向に対する流出角度θが90°に近づけ
られるので、上記式からスプール45に作用する流体力
Fが充分小さくなり、流体力によるスプール45の移動を
防止して安定した減衰力特性を得ることができる。
【0039】このようにして、伸び側および縮み側とも
に、流体力によるスプール45の移動を防止することがで
き、減衰力の急変を防止して安定した減衰力特性を得る
ことができる。また、これにより、スプール45の保持力
を軽減することができるので、比例ソレノイド25の推力
および戻しばね58のばね力を小さくして消費電力を低減
することができると共に、ひいてはソレノイドを小さく
することができる。なお、弁溝48,50は、それぞれ深溝
部48a ,50a および浅溝部48b ,50b からなる比較的簡
単な形状であるから、スプール45を容易に製造すること
ができる。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明に
係る減衰力調整式油圧緩衝器は、減衰力調整弁であるス
プール弁のスプールの弁溝に深溝部を設けたことによ
り、スプール弁のポートとランドとの間に形成される可
変絞りで生じる油液の噴流は、深溝部によって、スプー
ル弁の軸方向に対して垂直に近い方向に向けられるの
で、スプールの軸方向に作用する流体力を小さくするこ
とができ、流体力によるスプールの移動を防止して安定
した減衰力特性を得ることができる。
【0041】請求項2の発明に係る減衰力調整式油圧緩
衝器は、スリーブの内周面に可変絞りを形成するポート
に連通する環状溝を形成したことにより、この環状溝と
スプールのランドとの間で可変絞りが形成される。
【0042】請求項3の発明に係る減衰力調整式油圧緩
衝器は、深溝部の軸方向長さを可変絞りを形成するポー
トの直径の約1.0 〜1.6 倍としたことにより、可変絞り
で生じる油液の噴流をスプール弁の軸方向に対して、よ
り垂直に近い方向に向けることができる。
【0043】また、請求項4の発明に係る減衰力調整式
油圧緩衝器は、深溝部の軸方向長さを環状溝の軸方向長
さの約0.7 〜1.1 倍としたことにより、可変絞りで生じ
る油液の噴流をスプール弁の軸方向に対して、より垂直
に近い方向に向けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の減衰力調整式油圧緩衝器
の概略構成を示す図である。
【図2】図1の装置の減衰力発生機構の要部を拡大して
示す図である。
【図3】図1の装置のスプール弁を拡大して示す図であ
る。
【図4】図3のスプールのA−A線による縦断面図であ
る。
【図5】図3のスプールのB−B線による縦断面図であ
る。
【図6】図1の装置のスプール弁の伸び側のポートの付
近の油液の流れを示す図である。
【図7】図1の装置のスプール弁の縮み側のポートの付
近の油液の流れを示す図である。
【図8】図1の装置の減衰力特性を示す図である。
【図9】従来の減衰力調整式油圧緩衝器の減衰力調整弁
であるスプール弁のポート付近の油液の流れるを示す図
である。
【符号の説明】
12 減衰力調整式油圧緩衝器 14 シリンダ 15 ピストン 16 ピストンロッド 34 スプール弁 35,36,41,42 ポート 44 スリーブ 45 スプール 46,47,49 ランド 48,50 弁溝 48a,50a 深溝部 51,52 環状溝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油液が封入されたシリンダと、該シリン
    ダ内に摺動可能に嵌挿されたピストンと、一端が前記ピ
    ストンに連結され他端が前記シリンダの外部へ延出され
    たピストンロッドと、該ピストンロッドのストロークに
    よって油液を流通させる油液通路と、該油液通路の流路
    面積を調整するスプール弁とを備えた減衰力調整式油圧
    緩衝器において、 前記スプール弁は、一対のポートを有するスリーブと、
    該スリーブに摺動可能に嵌装され、ランド間に形成され
    た弁溝によって前記一対のポート間を連通させて前記ラ
    ンドと前記ポートとの間で可変絞りを形成するスプール
    とを備え、さらに、前記スプールの弁溝には、前記可変
    絞りを形成するランドに隣接して環状の深溝部が形成さ
    れていることを特徴とする減衰力調整式油圧緩衝器。
  2. 【請求項2】 前記スリーブの内周面には、前記可変絞
    りを形成するポートに連通する環状溝が形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の減衰力調整式油圧緩
    衝器。
  3. 【請求項3】 前記深溝部の軸方向長さは、前記可変絞
    りを形成するポートの直径の約1.0 〜1.6 倍であること
    を特徴とする請求項1または2に記載の減衰力調整式油
    圧緩衝器。
  4. 【請求項4】 前記深溝部の軸方向長さは、前記環状溝
    の軸方向長さの約0.7 〜1.1 倍であることを特徴とする
    請求項2または3に記載の減衰力調整式油圧緩衝器。
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