JPH118237A - 低誘電率絶縁体膜の形成方法およびこれを用いた半導体装置 - Google Patents

低誘電率絶縁体膜の形成方法およびこれを用いた半導体装置

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JPH118237A
JPH118237A JP15706997A JP15706997A JPH118237A JP H118237 A JPH118237 A JP H118237A JP 15706997 A JP15706997 A JP 15706997A JP 15706997 A JP15706997 A JP 15706997A JP H118237 A JPH118237 A JP H118237A
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dielectric constant
film
low dielectric
forming
insulator film
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JP15706997A
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Toshiaki Hasegawa
利昭 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ギャップフィル能力、グローバル平坦化能力
に優れた、膜内部に微細な気泡を有する低誘電率絶縁体
膜の形成方法、およびこれを用いた半導体装置を提供す
る。 【解決手段】 シラン系化合物、酸化剤、およびフェノ
ールや安息香酸等を原料ガスとし、液相CVD法で成膜
後、熱処理を施して低誘電率絶縁体膜14を形成する。 【効果】 液相CVDで平坦に形成された膜内には、フ
ェノールや安息香酸が採り込まれ、これらは熱処理によ
り気化してnmオーダの気泡が形成される。この結果、
比誘電率が3.0以下の低誘電率絶縁体膜が形成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低誘電率絶縁体膜の
形成方法およびこれを用いた半導体装置に関し、さらに
詳しくは、膜内部に微細な気泡を有する酸化シリコン系
絶縁膜を、段差を有する被処理基板上に平坦に形成する
際に適用して好適な低誘電率絶縁体膜の形成方法および
これを用いた半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】LSI等の半導体装置の高集積度化が進
展するに伴い、多層配線構造においては同一配線層内の
隣り合う配線間の層間絶縁膜の幅が狭まるとともに、異
なる配線層間の層間絶縁膜の厚さも薄くなっている。か
かる配線間隔の縮小により、配線間容量の上昇が問題と
なりつつある。このため半導体装置の実動作速度は1/
K(Kは縮小率)のスケーリング則に合致しなくなり、
高集積化のメリットを充分に享受することができない。
配線間容量の上昇防止は、高集積度半導体装置の高速動
作、低消費電力および低発熱等の諸要請に応えるために
は、是非とも解決しなければならない要素技術の1つで
ある。高集積度半導体装置の配線間容量の低減方法とし
て、例えば特開昭63−7650号公報に開示されてい
るように、低誘電率材料による層間絶縁膜の採用が有効
である。
【0003】低誘電率材料としては、フッ素原子を含む
酸化シリコン系絶縁膜(以下SiOFと記す)等の無機
系材料と、炭素原子を含む有機系材料が代表的である。
SiOFはSi−O−Si結合のネットワークをF原子
で終端することでその密度が低下すること、およびSi
−F結合やO−F結合の分極率が小さいことにより低誘
電率が達成される。またその成膜プロセスや加工プロセ
スがSiO2 等従来の無機系層間絶縁膜の成膜プロセス
や加工プロセスと整合性があることから、現用の製造設
備でも容易に採用できるので注目されている。また無機
系材料であるので当然のことながら耐熱性にも優れる。
【0004】SiOFの成膜法としては、従来よりTE
OSにフッ素源として例えばNF3を添加してCVD(Ch
emical Vapor Deposition) 成膜する方法(第40回応
用物理学関係連合講演会(1993年春季年会)講演予
稿集p799、講演番号1a−ZV−9)等が報告され
ている。また、膜質の安定化を目的として、難分解性の
SiF4 を高密度プラズマにより解離して低誘電率のS
iOFを形成する方法(第40回応用物理学関係連合講
演会(1993年春季年会)講演予稿集p752、講演
番号31p−ZV−1)が報告されている。
【0005】SiF4 をシリコン供給源とする高密度プ
ラズマCVD法では、比誘電率が3.4程度のSiOF
膜が得られる。しかしながら、低誘電率を達成するため
に高濃度のフッ素原子を酸化シリコン中に導入しようと
すると、遊離のFやHFがSiOF膜中に採りこまれ
る。この場合には、後工程で層間絶縁膜に接続孔を開口
し、接続孔内にTiNバリア層やWプラグを埋め込む際
に、SiOF膜中の遊離のFやHFとTiNとが反応
し、TiNバリア層の密着性が著しく低下し、Wプラグ
やW層の剥離に至る事態が発生する。かかる現象は、例
えば第43回応用物理学会学術講演会(1996年春季
年会)講演予稿集p672、講演番号28a−K−3に
報告されている。
【0006】また遊離のFやHFとはならないまでも、
シリコン1原子に2個のF原子が結合したSiF2 結合
が発生する。SiF2 結合は不安定で容易に加水分解し
てSiOH結合を生成し、さらに水素結合により大気中
のH2 Oを吸着してSiOF中の水分含有量を増大させ
る。この場合には、やはり後工程で層間絶縁膜に接続孔
を開口し、接続孔内に金属膜を埋め込む際に、ポイズン
ドビアを発生し、埋め込み特性の劣化やコンタクト抵抗
値の上昇を招く結果となる。SiOF低誘電率層間絶縁
膜に関しては、例えば月刊セミコンダクター・ワールド
誌(プレスジャーナル社刊)1996年3月号p.76
等に紹介されている。
【0007】一方の有機材料系の低誘電率絶縁体膜とし
ては、シロキサン結合を有する有機SOG(Spin
On Glass)、ポリイミド、ポリパラキシリレン
(商品名パリレン)、ベンゾシクロブテン、ポリナフタ
レン等の有機高分子材料が知られている。これらの材料
は、炭素原子を含有することで密度を低減し、また分子
(モノマ)自身の分極率を小さくすることで低誘電率を
達成している。またシロキサン結合、イミド結合、ある
いは芳香環を導入することによりある程度の耐熱性を得
ている。さらに、フレア(アライドシグナル社商品名)
あるいはパーフルオロ基含有ポリイミドやフッ化ポリア
リルエーテル等のフッ素樹脂系の有機高分子材料におい
ては、さらに低分極率のC−F結合の導入により、一層
の低誘電率と耐熱性が得られる。かかるフッ素樹脂系の
有機高分子材料は比誘電率が2.0程度と極めて低い
が、シリコン基板やシリコン酸化膜との密着性が不充分
であることが指摘される。これら有機低誘電率材料につ
いては、例えば日経マイクロデバイス誌1995年7月
号p.105に紹介されている。
【0008】これら比誘電率が3.5以下の低誘電率材
料層を、隣り合う配線間はもとより異なるレベルの配線
層間にも適用し、しかも低誘電率材料層をSiO2 (比
誘電率4)、SiON(比誘電率4〜6)やSi3 4
(比誘電率6)等の膜質に優れた薄い絶縁膜により挟み
込む構造の積層絶縁膜を、本願出願人は特開平8−16
2528号公報で開示し、低誘電率と高信頼性を合わせ
持つ層間絶縁膜を有する半導体装置の可能性を示した。
【0009】低誘電率絶縁体膜に限らず、多層配線間の
層間絶縁膜としては、隣り合う配線間の凹部を埋め込む
ために、ギャップフィル能力およびグローバル平坦化能
力が求められる。ギャップフィル能力は微細間隔のスペ
ースをボイドを発生することなく充填する能力である。
またグローバル平坦化能力は、大面積のスペース領域を
中弛みなく充填する能力のことである。これらの要請に
応じて提案された方法の一例として、英国ETE社のA
PL(Advanced Planarization
Layer)技術と呼称される方法がある。この方法
は原料ガスとしてSiH4 とH2 2 を用い、被処理基
板を0℃程度に冷却してCVDを施すことにより、凹凸
を有する被処理基板表面にあたかも液体を垂らしたよう
な状態でSiO2 を成膜するものである。ギャップフィ
ル能力に関しては、アスペクト比4程度までは問題な
く、グローバル平坦化に関しては10μmの広いスペー
スを平坦に埋め込むことが可能とされている。しかしな
がら、被処理基板温度が10℃以上に上昇すると、成膜
途上での液体のような挙動を失い、ギャップフィル能力
およびグローバル平坦化能力は徐々に劣化する。
【0010】このように、APL技術は成膜形状につい
ては魅力のある方法である。しかし、低誘電率の面では
特徴はなく、比誘電率で4〜5とSOG膜、O3 −TE
OS膜並みである。これは、APL膜に含まれる水酸基
(−OH基)が比誘電率を上げるためであり、水酸基が
除去された化学量論的なSiO2 を成膜したとしても、
比誘電率は3.8程度が限界である。最近ではAPL膜
中にF原子を導入して比誘電率を3.5程度まで低減す
る方法も報告されているが、半導体装置のさらなる高集
積化の要請により、3.0未満の低誘電率絶縁体膜が必
要とされるようになってきた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このような技術的背景
のもとで、埋め込み能力が高く、しかも3.0未満の比
誘電率の低誘電率絶縁体膜が求められている。これを達
成する方法としては2つのアプローチが考えられ、一つ
はAPL技術のような埋め込み能力の高い成膜方法を用
いて低誘電率を達成するものであり、二つ目は低誘電率
膜で、かつ埋め込み能力の高い成膜技術を開発する方法
である。本発明は、前者のAPL技術のごとき液相CV
D法を用いて、平坦性に優れた信頼性の高い低誘電率絶
縁体膜を形成する方法、およびこれを層間絶縁膜として
用いた低消費電力、低発熱かつ高速動作の高集積度半導
体装置を提供することをその課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の低誘電率絶縁体
膜の形成方法は、上述の課題を解決するために提案する
ものであり、APL技術のごとき液相CVD法を用いて
平坦性を向上し、さらに膜内部に微細な気泡を含有させ
ることにより低誘電率を達成することを技術的思想とす
るものである。すなわち、膜内部に気泡を含有する酸化
シリコン系絶縁膜を、化学的気相成長工程、およびこの
化学的気相成長工程に引き続く熱処理工程により被処理
基板上に形成する工程を有する低誘電率絶縁体膜の形成
方法において、この化学的気相成長法に用いる原料化合
物ガスは、少なくともシラン系化合物、酸化剤、および
OH基を有する芳香族化合物を含むことを特徴とする。
このOH基を有する芳香族化合物としては、フェノール
およびその誘導体、ナフトールおよびその誘導体等が例
示される。
【0013】また本発明の別の低誘電率絶縁体膜の形成
方法は、膜内部に気泡を含有する酸化シリコン系絶縁膜
を、化学的気相成長工程、およびこの化学的気相成長工
程に引き続く熱処理工程により被処理基板上に形成する
工程を有する低誘電率絶縁体膜の形成方法において、こ
の化学的気相成長法に用いる原料化合物ガスは、少なく
ともシラン系化合物、酸化剤、およびCOOH基を有す
る芳香族化合物を含むことを特徴とする。このCOOH
基を有する芳香族化合物としては、安息香酸およびその
誘導体、ナフタレンカルボン酸およびその誘導体等が例
示される。
【0014】いずれの低誘電率絶縁体膜の形成方法にお
いても、シラン系化合物としてはモノシラン、ジシラン
等の無機シラン化合物と、モノメチルシラン、ジメチル
シラン等の有機シラン化合物のいずれをも用いることが
できる。また酸化剤としてはH2 2 ガス(過酸化水素
ガスであり、プラズマ状態ではないもの)、H2 Oガス
すなわち水蒸気のプラズマ、およびH2 とO2 の混合ガ
スのプラズマうちのいずれかであることが望ましい。原
料化合物ガスは、さらにフルオロカーボン系化合物を含
有してもよい。かかる化合物としては、テトラフルオロ
エチレンやその2量体以上の重合体のうち、気化しうる
低重合度のポリテトラフルオロエチレン等を例示するこ
とができる。
【0015】またいずれの低誘電率絶縁体膜の形成方法
においても、成膜時においては、被処理基板を室温以下
に制御しつつ、好ましくは10℃以下に制御しつつ、さ
らに好ましくは0℃以下に制御しつつ、化学的気相成長
を施すことを特徴とする。本明細書中における室温と
は、通常の半導体装置の製造工程に用いるクリーンルー
ムの室温を意味する。かかるCVD条件の採用により、
被処理基板がその表面に段差を有する場合においても、
この段差を埋めて略平坦な表面を有する低誘電率絶縁体
膜を好ましく形成することができる。また本発明の低誘
電率絶縁体膜の形成方法により、3.0未満の比誘電率
の絶縁膜を形成することが可能である。
【0016】本発明の半導体装置は、かかる方法により
形成された微細な気泡を有する低誘電率絶縁体膜を、層
間絶縁膜等として有することを特徴とする。
【0017】ところで、膜内部に気泡を有する低誘電率
絶縁体膜としては、Xerogelと呼称される気泡入
りガラス膜が知られている。この膜は比誘電率が2.0
程度以下と低いが、スピンコーティング等の塗布法で形
成されるため、膜厚の制御性や膜質等が必ずしも十分で
はない。本発明においては、膜内部に気泡を有する低誘
電率絶縁体膜を、CVD工程およびこれに引き続く熱処
理工程で形成するため、膜厚の制御性や膜質等において
優れた膜を形成することができる。
【0018】APL技術においては、シラン系化合物と
2 2 等の酸化剤を反応させることにより、下式に示
されるようにSi(OH)2 2 をはじめとする、Si
(OH)x 4-x (xは4以下の自然数)等のシラノー
ル中間生成物を形成し、さらにこの化合物を脱水縮合す
ることにより、表面が平坦なシリコン酸化膜を形成する
ものである。 SiH4 +2H2 2 → SiH2 (OH)2 +2H2
O↑ 2SiH2 (OH)2 →HOSiH2 ・OSiH2 OH
+H2 O↑ 上式に示される重合反応を繰り返すことにより、シロキ
サン重合体からなる絶縁体膜が形成される。この重合反
応は、反応副生成物のH2 Oの脱離反応が律速となる比
較的遅い反応であり、重合が進まないうちは、低次の重
合体膜は液体のように挙動する。したがって、このCV
D法(液相CVD法)は、ギャップフィル能力とグロー
バル平坦化能力を共に満たす成膜法となる。
【0019】この液相CVD法において、原料ガス中に
フルオロカーボンガス、一例としてテトラフルオロエチ
レンを含有させる場合には、フルオロカーボン・シロキ
サン共重合膜が下式のメカニズムにより形成される。 SiH4 +2H2 2 → SiH2 (OH)2 +2H2
O↑ SiH2 (OH)2 +C2 2 →HOSiH2 OCF2
CHF2 HOSiH2 OCF2 CHF2 +SiH2 (OH)2
HOSiH2 OSiH2 OCF2 CHF2 +H2 O↑ 上式に示される共重合反応を繰り返すことにより、フル
オロカーボン・シロキサン共重合体からなる低誘電率絶
縁体膜が形成される。この共重合反応も、反応副生成物
のH2 Oの脱離反応が律速となる比較的遅い反応であ
り、共重合が進まないうちは、低次の共重合体膜は液体
のように挙動する。したがって、このCVD法もギャッ
プフィル能力とグローバル平坦化能力を共に満たす成膜
法となる。
【0020】本発明で採用した方法は、この脱水縮合反
応が完了する前のシラノール中間生成物中にフェノール
類、安息香酸類等のOH基やCOOH基を持った芳香族
化合物を混合させる。これらOH基やCOOH基を持っ
た芳香族化合物は、親水性のOH基を外側に向けたミセ
ルとなってシラノール中間生成物中に凝集し、ナノメー
タ(nm)オーダの微粒子となる。この後、シラノール
の脱水縮合反応を進行させ、シリコン酸化膜を形成する
と、OH基を持った芳香族化合物分子の集合体からなる
微粒子が、シリコン酸化膜中に均一に分散された状態の
複合膜となる。引き続き、OH基を持った芳香族化合物
分子の沸点あるいは分解温度以上である、例えば150
℃〜200℃の熱処理を加えることにより、このOH基
を有する芳香族化合物分子は気化し、シリコン酸化膜中
から脱離して微細な空隙すなわち、気泡を残す。このよ
うにして、nmオーダの気泡が膜内部に含有された酸化
シリコン系絶縁膜が形成される。ギャップフィル能力や
グローバル平坦化能力についても、液相CVD法である
ので原理的に優れる。
【0021】本発明の低誘電率絶縁体膜の形成方法によ
り形成される膜内部に気泡を有する酸化シリコン系絶縁
膜は、その比表面積が大きく吸着活性が高いので、ガス
バリア性を有する緻密な窒化膜や酸化膜等の保護膜と併
用することが望ましい。この保護膜も通常CVD法で形
成するので、膜内部に気泡を有する酸化シリコン系絶縁
膜のCVD工程と連続的に形成することも可能であり、
製造プロセスの整合性がよい。膜内部に気泡を有する酸
化シリコン系絶縁膜中に水分が残存する場合には、保護
膜の形成工程の後あるいは前に、400℃程度のさらに
高温の熱処理を加えることにより、信頼性の高い低誘電
率絶縁体膜を得ることができる。
【0022】このように、本発明の低誘電率絶縁体膜の
形成方法を採用することにより、高速動作かつ低消費電
力の信頼性の高い高集積度半導体装置を提供することが
可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の低誘電率絶縁体膜
の形成方法およびこれを用いた半導体装置の実施形態例
につき、図面を参照しながら説明する。まず本発明の低
誘電率絶縁体膜の形成方法に供される液相CVD装置の
一構成例を、図3に示す概略断面図を参照して説明す
る。本CVD装置は基本的には枚葉式の減圧CVD装置
であり、CVDチャンバ5内には被処理基板1を載置す
る基板ステージ2およびガス拡散板3が対向配置されて
いる。基板ステージ2は不図示の冷却手段から例えばフ
ロリナートやエタノール等の冷媒を循環することによ
り、被処理基板1を例えば0℃の低温に制御することが
可能である。基板ステージ2は不図示のヒータを内蔵し
ていてもよい。ガス拡散板3にはシラン系化合物、酸化
剤およびOH基あるいはCOOH基を有する芳香族化合
物をガス拡散板3に導入するガス配管4が接続され、こ
れら化合物の混合ガスを被処理基板1に向けて均一に供
給することができる。これらガス配管4およびガス拡散
板3等は、原料化合物が露結あるいは凝固しないよう
に、必要に応じて加熱できるヒータ等の加熱手段が付随
している。また酸化剤の配管中途には、リモートプラズ
マ発生装置(図示せず)を設けてもよい。酸化剤ソース
としてH2 O、あるいはH2とO2 との混合ガスを採用
する場合には、リモートプラズマ発生装置によりH2
プラズマ、あるいはH2 とO2 との混合ガスプラズマの
形で活性な酸化剤をガス拡散板3に供給することができ
る。リモートプラズマ発生装置は周知の容量結合型、誘
導結合型あるいはマイクロ波励起型等いずれの方式のも
のでもよい。なお図3においては被処理基板1の搬入搬
出口やガス排気口、真空ポンプ、あるいは温度制御装置
等の装置細部は図示を省略する。
【0024】図4は本発明の低誘電率絶縁体膜の保護膜
を形成するためのCVD装置の一構成例を示す概略断面
図である。本CVD装置は枚葉式の平行平板型プラズマ
CVD装置であり、図3に示した液相CVD装置と類似
の構成要素部分には共通の参照符号を付してある。CV
Dチャンバ5内には被処理基板1を載置する基板載置電
極6およびガス拡散板を兼ねる対向電極7が対向配置さ
れている。基板載置電極6は接地電位であり、被処理基
板1を加熱するための加熱手段、例えばヒータが内蔵さ
れており、被処理基板1を例えば300℃〜400℃の
任意の温度に制御することが可能である。対向電極7に
はRF電源8が接続されており、アノードカップル方式
の構成となっている。同じく対向電極7にはシラン系化
合物、酸化剤およびキャリアガス等を導入するガス配管
4が接続され、これら化合物の混合ガスを被処理基板1
に向けて均一に供給することができる。なお図4におい
ても被処理基板1の搬入搬出口やガス排気口、真空ポン
プ、あるいは温度制御装置等の装置細部は図示を省略す
る。図3に示した液相CVD装置と、図4に示したプラ
ズマCVD装置とを、不図示のゲートバルブを介して接
続し、連続CVD装置として構成すれば、低誘電率絶縁
体膜とその保護膜とを連続的に形成することができ、ス
ループットの高い成膜プロセスが可能となる。さらに、
熱処理装置をこれも不図示のゲートバルブを介して接続
して連続処理装置としてもよい。
【0025】本発明の低誘電率絶縁体膜の形成方法を、
多層配線構造の半導体装置の層間絶縁膜に適用した例の
概略断面図を図2に示す。図2の半導体装置は、半導体
基板11上の下層絶縁膜12上に形成された下層配線2
1および上層配線23、およびこれらを接続するビアコ
ンタクト22等による多層配線構造の層間絶縁膜とし
て、本発明の低誘電率絶縁体膜の形成方法を適用した例
である。すなわち、下層絶縁膜12上にはAl系金属や
多結晶シリコン、高融点金属ポリサイド等による下層配
線21が形成され、必要に応じてこの下層配線21を覆
うようにコンフォーマルな形状の薄い下層保護膜13が
形成されている。符号14は本発明の低誘電率絶縁体膜
の形成方法により形成された下層低誘電率絶縁体膜であ
り、下層配線21により形成された段差を埋めて平坦な
表面が形成されている。さらに下層低誘電率絶縁体膜1
4上には保護膜を兼ねる中間絶縁膜15が形成され、こ
の中間絶縁膜15、下層低誘電率絶縁体膜14および下
層保護膜13を貫通してAl系金属や多結晶シリコン、
タングステン等のビアコンタクト22が埋め込み形成さ
れている。ビアコンタクト22には不図示のコンタクト
メタルやバリアメタル等が形成されていてもよい。さら
に中間絶縁膜15上には同じくAl系金属や多結晶シリ
コン、高融点金属ポリサイド等による上層配線23が形
成され、必要に応じてこの上層配線23を覆うようにコ
ンフォーマルな形状の薄い上層保護膜16が形成されて
いる。符号17は本発明の低誘電率絶縁体膜の形成方法
により形成された上層低誘電率絶縁体膜であり、上層配
線23により形成された段差を埋めて平坦な表面が形成
されている。さらに上層低誘電率絶縁体膜17上には保
護膜を兼ねる上層絶縁膜18が形成されている。上層配
線23が最上層配線の場合には、上層絶縁膜18は最終
パシベーション膜であってよい。
【0026】図2に示される多層配線構造の半導体装置
によれば、層間絶縁膜の平坦性に優れ、配線間容量の低
減された高集積度半導体装置を提供することが可能であ
る。
【0027】以下、本発明の低誘電率絶縁体膜の形成方
法およびこれを用いた半導体装置の好適な実施例につ
き、図面を参照してさらに詳しく説明する。なお本発明
はこれら実施例になんら限定されるものではない。
【0028】実施例1 本実施例は、COOH基を含む芳香族化合物として安息
香酸(BenzoicAcid ; mp=122.4
℃,bp=249.2℃)を用いた例である。被処理基
板として、Al等の金属配線により段差が形成されたも
のを採用し、この被処理基板上に低誘電率絶縁体膜を含
む積層層間絶縁膜を形成した。この工程を図1(a)〜
(c)を参照して説明する。なお同図においては、先に
図2で説明した構成要素に準じる構成要素には同一の参
照符号を付すものとする。
【0029】本実施例で採用した被処理基板は図1
(a)に示すように、不図示のMOSトランジスタ等が
作りこまれたSi等の半導体基板11上に、SiO2
からなる下層絶縁膜12、Al−1%Si等からなる下
層配線21、および下層配線21をコンフォーマルに被
覆するSiO2 等からなる下層保護膜13が形成された
ものである。
【0030】この下層絶縁膜12は、例えばSiH4
2 O混合ガスやTEOS/O2 混合ガスを用いたプラ
ズマCVD法等により500nmの厚さに形成したもの
である。また下層配線層21は一例としてAl−1%S
iをターゲットとしたスパッタリング成膜、レジストマ
スクパターニングおよび塩素系ガスを用いたドライエッ
チングの各工程を経て、0.25μmのラインアンドス
ペースパターンに形成したものであり、その厚さは例え
ば500nm、アスペクト比は2である。また図1
(a)には示していないが、同じ被処理基板上には下層
配線21間隔が数μmから数十μmにおよぶ広い凹部が
形成されている。また、下層保護膜13は下層配線層2
1の腐食等を防止して信頼性を高めるための保護層であ
り、その厚さは約50nmである。
【0031】下層保護膜13は例えば図4で例示した平
行平板型プラズマCVD装置を用い、一例として下記プ
ラズマCVD条件により成膜した。 SiH4 40 sccm N2 O 100 sccm He 50 sccm ガス圧力 100 Pa RFパワー 1.0 W/cm2 (13.56MHz) 基板温度 350 ℃
【0032】この被処理基板を、図3に示した液相CV
D装置に搬送し、その基板ステージ2上にセッティング
し、一例として下記CVD条件により下層低誘電率絶縁
体膜14を例えば800nmの厚さ(段差凹部)に平坦
に形成する。成膜後の状態を図1(b)に示す。なお図
1(b)の状態においては、下層低誘電率絶縁体膜14
内部には未だ気泡は形成されていない。 SiH4 50 sccm H2 2 200 sccm 安息香酸(気体) 200 sccm ガス圧力 200 Pa 被処理基板温度 0 ℃ 本液相CVD工程において、H2 2 (mp=−0.4
3℃、bp=152℃)および安息香酸は液体ソースで
あるので、これらの容器を加熱して気化させてCVDチ
ャンバ5内に導入する。この際にはArはHe等のキャ
リアガスを用いてもよい。またガス拡散板3は例えば1
00℃に制御し、ここでのソースガスの凝縮を防止す
る。なおSiH4 はジシラン(Si2 6 )を用いても
よい。
【0033】この後、平坦な下層低誘電率絶縁体膜14
の表面に保護膜を兼ねる中間絶縁膜15を例えば300
nmの厚さに形成する。中間絶縁膜15の成膜条件は、
先に下層保護層13の成膜時に採用したプラズマCVD
条件でよい。その他スパッタリング法、SOGのスピン
コーテイング法等いずれの方法を採用してもよい。
【0034】つぎに、被処理基板の熱処理工程に入る。
熱処理条件は例えば大気圧窒素雰囲気中で150℃〜2
00℃、30分程度でよい。またこの熱処理を減圧雰囲
気中で施してもよい。この熱処理により下層低誘電率絶
縁体膜14中から安息香酸成分が気化し、微細な気泡が
形成されるとともに下層低誘電率絶縁体膜14の重合が
進む。さらに、下層低誘電率絶縁体膜14中に水分が残
留する場合には、大気圧あるいは減圧窒素雰囲気中で4
00℃、30分程度の熱処理を施す。なおこの熱処理工
程は下層低誘電率絶縁体膜14の成膜前におこなっても
よい。
【0035】熱処理工程終了後の被処理基板を図1
(c)に示す。なお下層低誘電率絶縁体膜14中に形成
された気泡はnmオーダの微細なものであるので、図示
は省略する。このようにして形成した低誘電率絶縁体膜
14は、比誘電率が1.3〜2.0であり、従来のAP
L膜の約50%の値である。なお、気泡による空隙率を
上げて比誘電率をさらに下げるためには、ビフェニルカ
ルボン酸等のC6 5 (C6 4 n COOH(nは容
易に気化しうる範囲から選ばれ、例えば5程度以下の自
然数である)やナフタレンカルボン酸を用いてもよい。
ただし気化脱離温度は上昇するので、熱処理可能温度と
の兼ね合いを考慮する必要がある。一方の埋め込み性能
は、ギャップフィル能力はアスペクト比4まで、またグ
ローバル平坦化能力は配線スペース間隔10μmまで、
ともにほぼ平坦な表面が得られるものであった。
【0036】この後の工程、すなわち中間絶縁膜15、
下層低誘電率絶縁体膜14および下層保護膜13からな
る積層膜のドライエッチングによるビアコンタクト孔の
開口、コンタクトプラグの充填等は通常の方法に準じて
おこなってよい。下層低誘電率絶縁体膜14のエッチン
グ特性は従来のSiO2 のエッチング特性とほぼ同じで
あるので、1ステップでのドライエッチングが可能であ
りスループットの高いプロセスを実現できる。この後、
上層配線、上層保護膜、上層低誘電率絶縁体膜および上
層絶縁膜等を上述した下層配線、下層保護膜、下層低誘
電率絶縁体膜および下層絶縁膜に準じて反復して形成
し、図2に示されるような多層配線構造を有する半導体
装置を完成する。本実施例によれば、安息香酸、モノシ
ランおよびH2 2 を原料ガスに採用することにより、
段差を有する被処理基板上に気泡を有する低誘電率絶縁
体膜を平坦に形成することができる。
【0037】実施例2 本実施例は、OH基を有する芳香族化合物としてフェノ
ール(mp=40.8℃、bp=182℃)を採用し、
さらにフルオロカーボン系化合物としてポリテトラフル
オロエチレンを原料ガス中に添加して低誘電率絶縁体膜
を形成した例であり、再び図1(a)〜(c)を参照し
て説明する。この低誘電率絶縁体膜の形成方法以外は実
施例1に準拠したものであるので、特徴となる相違点の
みを説明し、重複する説明は省略する。
【0038】ポリテトラフルオロエチレン(CF3 (C
2 n CF3 )(nは自然数)は、比較的重合度の小
さい気化可能のものが選ばれる。このポリテトラフルオ
ロエチレンは固体ソースの場合もあるので、溶媒として
フロリナートに溶解し、窒素をキャリアガスとしてCV
Dチャンバ内に導入した。ポリテトラフルオロエチレン
は、アモルファス状のものが溶解度が大きくこの目的に
相応しい。ポリテトラフルオロエチレンの供給方法とし
ては、CVDチャンバ内に例えば分子量数万の固体ソー
スを設置し、これをレーザ光照射等で加熱しクラッキン
グして気化してもよい。CVDチャンバ内のガス拡散板
は、例えば200℃に制御してポリテトラフルオロエチ
レンの凝着を防止した。
【0039】下層低誘電率絶縁体膜14のCVD条件の
一例を下記に示す。 SiH4 50 sccm (またはSi2 6 ) H2 2 200 sccm フェノール(気体) 200 sccm N2 500 sccm (ポリテトラフルオロエチレンのキャリアガスとして) ガス圧力 200 Pa 被処理基板温度 0 ℃ 下層低誘電率絶縁体膜14のCVDを終えた図1(b)
の状態においては、下層低誘電率絶縁体膜14内部には
未だ気泡は形成されていない。
【0040】この後の図1(c)に示す中間絶縁膜15
形成工程および熱処理工程は前実施例1と同様である。
本実施例においては、形成された下層低誘電率絶縁体膜
14中にフッ素が導入されたことにより、比誘電率が
1.2〜2.0の範囲となった。またギャップフィル能
力はアスペクト比4まで、またグローバル平坦化能力は
配線スペース間隔10μmまで充分であり、ほぼ平坦な
表面を確保することが可能であった。なお、気泡による
空隙率を上げて比誘電率をさらに下げるためには、フェ
ノールの誘導体やナフトール類を用いてもよい。ただし
この場合も気化脱離温度は上昇するので、熱処理可能温
度との兼ね合いを考慮する必要はある。本実施例によれ
ば、フェノール、モノシラン、ポリテトラフルオロエチ
レンおよびH2 2 を原料ガスに採用することにより、
段差被処理基板上に気泡およびフッ素原子を有する低誘
電率絶縁体膜を平坦に形成することができる。フルオロ
カーボン系化合物としては、CF4 やC2 6 等、常温
で気体の化合物を用いてもよい。
【0041】実施例3 本実施例は、シラン系化合物として有機シラン化合物で
あるメチルシランを、OH基を有する芳香族化合物とし
てフェノールを採用して低誘電率絶縁体膜を形成した例
であり、再び図1(a)〜(c)を参照して説明する。
本実施例においても、この低誘電率絶縁体膜の形成方法
以外は実施例1に準拠したものであるので、特徴となる
相違点のみを説明し重複する説明は省略する。
【0042】本実施例の低誘電率絶縁体膜の形成方法に
用いた有機シラン化合物としては、シランに替えてメチ
ルシランを採用した。メチルシランとしてはモノメチル
シランあるいはジメチルシラン、あるいはこれらの混合
物のいずれでもよい。下層低誘電率絶縁体膜14のCV
D条件の一例を下記に示す。 (CH3 )SiH3 50 sccm (CH3 2 SiH2 50 sccm H2 2 200 sccm フェノール(気体) 200 sccm ガス圧力 200 Pa 被処理基板温度 0 ℃
【0043】このCVD条件においても、図1(b)に
示すように、CVD成膜された下層低誘電率絶縁体膜1
4のギャップフィル能力はアスペクト比4まで、またグ
ローバル平坦化能力は配線スペース間隔10μmまで充
分であり、ほぼ平坦な表面を確保することが可能であっ
た。本実施例においてはシリコンソースとしてアルキル
基、ここではメチル基を有するメチルシランを用いてい
るので、形成された下層低誘電率絶縁体膜14中には有
機成分が採り込まれ、その比誘電率は1.2〜2.0の
範囲で小さいものが得られる。ただし、耐熱性の点では
若干の低下が見られるので、用途による使い分けが必要
である。
【0044】この後の図1(c)に示す中間絶縁膜15
形成工程および熱処理工程は実施例1に準じて良い。本
実施例によれば、微細な気泡を有する低誘電率絶縁体膜
中にさらに有機成分を導入することにより、比誘電率の
一層の低減を図ることができる。
【0045】実施例4 本実施例はCOOH基を含む芳香族化合物として安息香
酸を、酸化剤として水素ガスおよび酸素ガスの混合ガス
のプラズマを採用して低誘電率絶縁体膜を形成した例で
あり、再び図1(a)〜(c)を参照して説明する。本
実施例においても、この低誘電率絶縁体膜の形成方法以
外は実施例1に準拠したものであるので、特徴となる相
違点のみを説明し重複する説明は省略する。
【0046】本実施例の低誘電率絶縁体膜の形成方法に
用いたシラン系化合物としては、モノシランを採用し
た。またCVD装置としては図3に示した減圧CVD装
置の酸化剤配管の途中にリモートプラズマ発生装置(不
図示)を付加したものを用いた。またガス拡散板3は例
えば100℃に制御した。下層低誘電率絶縁体膜14の
CVD条件の一例を下記に示す。
【0047】このCVD条件においても、図1(b)に
示すように、CVD成膜された下層低誘電率絶縁体膜1
4のギャップフィル能力はアスペクト比4まで、またグ
ローバル平坦化能力は配線スペース間隔10μmまで充
分であり、ほぼ平坦な表面を確保することが可能であっ
た。この後の図1(c)に示す中間絶縁膜15形成工程
および熱処理工程は前実施例1と同様である。
【0048】本実施例においては、形成された下層低誘
電率絶縁体膜14は比誘電率が1.3〜2.0の範囲で
あり、ギャップフィル能力はアスペクト比4まで、また
グローバル平坦化能力は配線スペース間隔10μmまで
充分であり、ほぼ平坦な表面を確保することが可能であ
った。なお、気泡による空隙率を上げて比誘電率をさら
に下げるためには、安息香酸の誘導体やナフタレンカル
ボン酸類を用いてもよい。ただしこの場合も気化脱離温
度は上昇するので、熱処理可能温度との兼ね合いを考慮
する必要はある。またフェノールやナフトール、および
これらの誘導体を用いてもよい。またH2 /O2 混合ガ
スプラズマの替わりに、H2 O(水蒸気)プラズマを用
いてもよい。本実施例によれば、酸化剤としてH2 /O
2 混合ガスプラズマを用い、原料ガス中に安息香酸を混
合することにより、微細な気泡入りの低誘電率絶縁体膜
を効率よく成膜することができる。
【0049】以上、本発明を4例の実施例により詳細に
説明したが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるも
のではない。
【0050】例えば、OH基、あるいはCOOH基を有
する芳香族化合物としてフェノールおよび安息香酸を例
示したが、これらの誘導体や、ナフトール、ナフタレン
カルボン酸、あるいはこれらの誘導体等を用いてもよ
い。またAl−1%Si合金からなる配線層により段差
が形成された被処理基板を採用したが、多結晶シリコン
や高融点金属、あるいはその積層構造の高融点金属ポリ
サイドを用いてもよい。この場合には低誘電率絶縁体膜
のアニール条件等の温度条件は高温側にシフトすること
ができる。また半導体装置の構造としても、配線層上に
低誘電率絶縁体膜からなる層間絶縁膜を形成する場合に
ついて例示したが、低誘電率絶縁体膜からなる層間絶縁
膜に溝を形成し、溝内にエッチバックや研磨により埋め
込み配線を形成する半導体装置構造に用いてもよい。さ
らに、最終パッシベーション膜として用いる場合や、ト
レンチアイソレーション等をボイドの発生なく平坦に埋
め込む場合等にも適用できる。半導体基板としてはSi
の他にGaAs等の化合物半導体基板を用いる場合にも
有効である。また半導体装置以外にも、薄膜ヘッドや薄
膜インダクタ等、高周波の各種マイクロ電子デバイスに
も適用可能であることは言うまでもない。
【0051】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の低誘電率絶縁体膜の形成方法によれば、従来の方法に
比較して比誘電率が低減され、ギャップフィル能力およ
びグローバル平坦化能力ともに遜色のない低誘電率絶縁
体膜が得られる。したがって、配線間容量による信号遅
延や消費電力が問題となるロジックICや高集積度メモ
リ等の半導体装置を信頼性よく提供することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1ないし4の工程を説明する概
略断面図である。
【図2】本発明の低誘電率絶縁体膜の形成方法を、多層
配線構造の半導体装置の層間絶縁膜に適用した例の概略
断面図である。
【図3】本発明の低誘電率絶縁体膜の形成方法に供され
る液相CVD装置の一構成例を示す概略断面図である。
【図4】本発明の低誘電率絶縁体膜の保護膜を形成する
ためのCVD装置の一構成例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1…被処理基板、2…基板ステージ、3…ガス拡散板、
4…ガス配管、5…CVDチャンバ、6…基板載置電
極、7…対向電極、8…RF電源 11…半導体基板、12…下層絶縁膜、13…下層保護
膜、14…下層低誘電率絶縁体膜、15…中間絶縁膜、
16…上層保護膜、17…上層低誘電率絶縁体膜、18
…上層絶縁膜、21…下層配線、22…ビアコンタク
ト、23…上層配線

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜内部に気泡を含有する酸化シリコン系
    絶縁膜を、化学的気相成長工程、および前記化学的気相
    成長工程に引き続く熱処理工程により被処理基板上に形
    成する工程を有する低誘電率絶縁体膜の形成方法におい
    て、 前記化学的気相成長法に用いる原料化合物ガスは、少な
    くともシラン系化合物、酸化剤、およびOH基を有する
    芳香族化合物を含むことを特徴とする低誘電率絶縁体膜
    の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記OH基を有する芳香族化合物は、フ
    ェノールおよびその誘導体、ナフトールおよびその誘導
    体のうちの少なくともいずれか1種であることを特徴と
    する請求項1記載の低誘電率絶縁体膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 膜内部に気泡を含有する酸化シリコン系
    絶縁膜を、化学的気相成長工程、および前記化学的気相
    成長工程に引き続く熱処理工程により被処理基板上に形
    成する工程を有する低誘電率絶縁体膜の形成方法におい
    て、 前記化学的気相成長法に用いる原料化合物ガスは、少な
    くともシラン系化合物、酸化剤、およびCOOH基を有
    する芳香族化合物を含むことを特徴とする低誘電率絶縁
    体膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記COOH基を有する芳香族化合物
    は、安息香酸およびその誘導体、ナフタレンカルボン酸
    およびその誘導体のうちの少なくともいずれか1種であ
    ることを特徴とする請求項3記載の低誘電率絶縁体膜の
    形成方法。
  5. 【請求項5】 前記シラン系化合物は、無機シラン化合
    物および有機シラン化合物のうちの少なくともいずれか
    1種であることを特徴とする請求項1または3記載の低
    誘電率絶縁体膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 前記酸化剤はH2 2 ガス、H2 Oガス
    のプラズマ、およびH2 とO2 の混合ガスのプラズマの
    うちの少なくともいずれか1種であることを特徴とする
    請求項1または3記載の低誘電率絶縁体膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 前記原料化合物ガスは、さらにフルオロ
    カーボン系化合物を含むことを特徴とする請求項1また
    は3記載の低誘電率絶縁体膜の形成方法。
  8. 【請求項8】 前記被処理基板を室温以下に制御しつ
    つ、前記化学的気相成長を施すことを特徴とする請求項
    1または3記載の低誘電率絶縁体膜の形成方法。
  9. 【請求項9】 前記被処理基板は段差を有し、前記段差
    を埋めて略平坦な表面を有する低誘電率絶縁体膜を形成
    することを特徴とする請求項1または3記載の低誘電率
    絶縁体膜の形成方法。
  10. 【請求項10】 前記低誘電率絶縁体膜の比誘電率は
    3.0未満であることを特徴とする請求項1または3記
    載の低誘電率絶縁体膜の形成方法。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の低誘電率絶縁体膜の形
    成方法により形成された低誘電率絶縁体膜を、層間絶縁
    膜として有することを特徴とする半導体装置。
  12. 【請求項12】 請求項3記載の低誘電率絶縁体膜の形
    成方法により形成された低誘電率絶縁体膜を、層間絶縁
    膜として有することを特徴とする半導体装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007258403A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 United Microelectronics Corp 多孔性低誘電率薄膜及びその製作方法
JP2010114452A (ja) * 2004-09-28 2010-05-20 Air Products & Chemicals Inc 多孔質の低誘電率組成物並びにそれを作製及び使用するための方法
US9633836B2 (en) 2013-06-13 2017-04-25 Samsung Electronics Co., Ltd. Methods of forming semiconductor devices including low-k dielectric layer

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