JPH1182081A - 内燃機関 - Google Patents

内燃機関

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JPH1182081A
JPH1182081A JP9249366A JP24936697A JPH1182081A JP H1182081 A JPH1182081 A JP H1182081A JP 9249366 A JP9249366 A JP 9249366A JP 24936697 A JP24936697 A JP 24936697A JP H1182081 A JPH1182081 A JP H1182081A
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internal combustion
combustion engine
air
crankcase
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JP9249366A
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Masatoshi Hirano
正利 平野
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/025Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼室における気体の出入りを適切に制御し
て、吹抜けを減らして低公害性、燃費等を一様に向上さ
せられる内燃機関を提供する。 【解決手段】 掃気通路106に連通する空気供給管1
1を配設すると共に、空気逆止弁12を配設して、クラ
ンクケース104内への混合ガス吸入時に掃気通路10
6にも作用する負圧で掃気通路104内に混合ガスの代
りに空気を流入させた上、ピストン105下降によるク
ランクケース104内圧縮に際しても空気逆止弁12で
空気をそのまま掃気通路106内に滞留させることによ
り、掃気の際に空気を混合ガスより先に燃焼室101内
に送込め、この空気で排ガスを燃焼室101から押出し
て排出でき、排ガスと一緒に吹抜ける混合ガスを空気に
置換え、未燃混合ガスの吹抜け量を大幅に低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料を空気と共に燃
焼させて駆動力を得る内燃機関に関し、特に燃焼室への
吸・排気機構を改良した内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の内燃機関としては図18
に示すものがあった。この図18は従来の内燃機関の概
略構成図を示す。
【0003】同図において従来の内燃機関100は、吸
気管102から混合ガスをクランクケース104を介し
て燃焼室101内に取り込み、この燃焼室101内で混
合ガスを燃焼させてピストン105を上下動させ、この
燃焼により生じる排ガスを排気管103へ排出する、一
般に二サイクル機関と称される往復動内燃機関である。
この機関特有の部分として、前記吸気管102とクラン
クケース104の連通部分に配設される逆止弁としての
リードバルブ104aと、前記クランクケース104及
び燃焼室101を連通させる掃気通路106と、この掃
気通路106の燃焼室101への連通部となる掃気ポー
ト106aと、前記排気管103の燃焼室101への連
通部となる排気ポート103aとを有し、ピストン10
5が上下動しつつ燃焼室101の掃気ポート106a及
び排気ポート103aを開閉することにより、吸排気が
所定のタイミングで行われる仕組みとなっている。
【0004】次に、前記構成に基づく従来の内燃機関の
サイクル動作を説明する。まず、燃焼室101内への混
合ガス導入に先立って、吸気管102から混合ガスがク
ランクケース104に吸込まれる。これは、ピストン1
05が上昇することでクランクケース104が負圧とな
ることに伴うもので、吸気管102から混合ガスが吸込
まれるときだけ開くリードバルブ104aによって、ピ
ストン105が次の段階で下降してクランクケース10
4内圧力が高くなった時でも混合ガスが吸気管102側
に逆流しないようになっている。このリードバルブ10
4aは、一般に金属片の一端を固定してあるだけの簡略
な構造である。
【0005】ピストン105が上昇しながらクランクケ
ース104に混合ガスを吸込むとき、同時にピストン1
05上部の燃焼室101においては、以前に燃焼室10
1に入った混合ガスを圧縮している。すなわち、ピスト
ン105下側で吸入行程を行いながら、ピストン105
上側では圧縮行程を行うものである。
【0006】ピストン105の上昇で圧縮された混合ガ
スは、点火プラグ108で点火されて燃焼し、燃焼圧力
でピストン105を押下げる膨張行程を行う。ピストン
105が下降して下死点に近付くと、ピストン105で
塞がれていた排気ポート103aが開き始め、燃焼室1
01内の圧力の高い排ガスが排気管103に向けて吹出
し始める。さらにピストン105が下がると、排気ポー
ト13a同様ピストンで塞がれていた掃気ポート106
aが開放状態となり、ピストン105の下降により圧縮
されたクランクケース104内の混合ガスが掃気通路1
06を通じて燃焼室101内に吹出してくる。掃気ポー
ト106は燃焼室101に向って所定の角度をもって配
設されているので、吹込まれた混合ガスは燃焼室101
上面に向った後反転し、燃焼室101内に残った排ガス
を排気管103に強制的に押出す作用、すなわち掃気を
行う(排気・掃気行程)。
【0007】この掃気ポート103aの開放による混合
ガスの燃焼室101充填後は、ピストン105がまた上
昇し始め、掃気ポート106a及び排気ポート103a
を閉塞する。こうして排気ポート103aが閉塞された
後、ピストン105の上昇による圧縮行程が行われると
共に、前記同様クランクケース104内への吸入行程が
行われることとなり、以降、上記したサイクル動作が繰
返される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の内燃機関は以上
のように構成されていたことから、掃気行程の終了直前
では、燃焼室内に排ガスを残さないために、どうしても
少量の未燃混合ガスが排ガスを追いながら外に出てしま
う、いわゆる吹抜けが生じることになり、大気汚染源と
なるHCの排出量が多くなってしまうと共に、燃費も悪
いという課題を有した。
【0009】また、従来の内燃機関での掃気、吸気各ポ
ートの開閉タイミングは、低回転域と高回転域で相反す
る各特性のそれぞれ中間の値を得られる設定か、又は、
低回転・高回転いずれかを重視した設定となっており、
低回転域と高回転域とで性能の一様な向上を図るのは困
難であるという課題を有した。
【0010】さらに、ピストン105の上下動によって
吸排気を行うことに伴い、抵抗の大きい吸気管102及
び排気管103に気体を通過させることによる吸排気損
失、いわゆるポンピングロスが生じ、特に部分負荷状態
で損失の割合が顕著となって燃費を悪化させるという課
題を有した。
【0011】これに対し、従来の内燃機関においても、
多気筒の場合、部分負荷状態と定常負荷状態とで燃料供
給機構の作動状態を切換え、部分負荷状態で所定の気筒
における燃料供給を止めて気筒を常時燃焼させない状態
とし、燃料消費量の低減で部分負荷時の効率改善を図っ
たりするものがあった。しかし、構造が複雑化し、高コ
スト化してしまうという課題を有した。また、このよう
な負荷に応じて作動気筒数を変える可変気筒の場合、常
時休止気筒を含むため、多気筒の場合しか適用できず、
単気筒ではこうした対策を講じること自体難しいという
課題を有した。
【0012】本発明は前記課題を解消するためになされ
たもので、燃焼室における気体の出入りを適切に制御し
て、吹抜けを減らして低公害性、燃費等を一様に向上さ
せられると共に、低回転から高回転までの全回転領域に
おいて出力、燃費等を一様に向上させられ、また、簡略
な構造で部分負荷時において燃費を向上させられる内燃
機関を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る内燃機関
は、燃料を空気と共に燃焼させる燃焼室に前記燃料及び
空気の混合ガスあるいは無燃料ガスを送込むクランクケ
ースと、当該クランクケースに前記各ガスを吸入させる
吸気管と、前記クランクケースから吸気管への前記各ガ
スの逆流を防ぐ逆止弁と、前記クランクケース及び燃焼
室の間で前記各ガスの通路となる掃気通路と、前記燃焼
室の所定位置に開口孔状に形成され、前記掃気通路の燃
焼室側出口をなす掃気ポートと、前記燃料及び空気を燃
焼させた後の排ガスを燃焼室から排出させる排気管と、
前記燃焼室の所定位置に開口孔状に形成され、前記排気
管の燃焼室側入口をなす排気ポートとを備え、燃焼室の
掃気ポート及び排気ポートをピストンの上下動によりそ
れぞれ所定のタイミングで開閉して、前記各ガスの供給
及び排ガスの排出を行う内燃機関において、前記掃気通
路に接続されて配設される空気供給管と、当該空気供給
管及び掃気通路の間に介装され、空気供給管から掃気通
路への空気の流入のみ許容する空気逆止弁とを備えるも
のである。このように本発明によれば、掃気通路に連通
する空気供給管を配設すると共に、空気逆止弁を配設し
て、クランクケース内への混合ガス吸入時に掃気通路に
も作用する負圧で掃気通路内に混合ガスの代りに空気を
流入させた上、ピストン下降によるクランクケース内圧
縮に際してもそのまま掃気通路内に滞留させることによ
り、掃気の際に空気を混合ガスより先に燃焼室内に送込
め、この空気で排ガスを燃焼室から押出して排出できる
こととなり、排ガスと一緒に吹抜ける混合ガスを空気に
置換えて混合ガスの吹抜け量を大幅に低減でき、排ガス
を低公害化すると共に燃料消費効率を高められる。
【0014】また、本発明に係る内燃機関は必要に応じ
て、前記空気逆止弁として、前記空気供給管並びに掃気
通路の間に回動自在に介装され、一部を開口状態とする
一又は複数の連通部が形成される断面略円形状の回動連
通体を備え、前記回動連通体を回動させ、所定のタイミ
ングで前記空気供給管と掃気通路との間に前記連通部を
一致させて連通させるものである。このように本発明に
よれば、連通部を有する回動連通体を空気逆止弁として
配設し、空気供給管と掃気通路間の連通及び非連通を所
定周期で切替えることにより、連通部の設定で空気供給
のタイミング調整が確実に行え、適切な量の空気を掃気
通路に正確に流入させることができ、燃焼室への空気及
び混合ガス供給のバランスをより適切なものとすること
となる。
【0015】また、本発明に係る内燃機関は必要に応じ
て、前記逆止弁として、前記吸気管並びにクランクケー
スの間に回動自在に介装され、一部を開口状態とする一
又は複数の連通部が形成される断面略円形状の回動連通
体を備え、前記回動連通体を回動させ、所定のタイミン
グで前記吸気管とクランクケースとの間に前記連通部を
一致させて連通させるものである。このように本発明に
よれば、連通部を有する回動連通体を逆止弁として配設
し、吸気管とクランクケース間の連通及び非連通を所定
周期で切替えることにより、連通部の設定で混合ガス供
給のタイミング調整が確実に行え、適切な量の混合ガス
をクランクケースに正確に流入させることができ、燃焼
室への空気及び混合ガス供給のバランスをより適切なも
のとすることとなる。
【0016】また、本発明に係る内燃機関は必要に応じ
て、前記吸気管及び空気供給管が、前記クランクケース
の掃気通路との連通部分に接続され、前記回動連通体
が、一部を開口状態とする複数の独立した連通部を形成
され、クランクケース、掃気通路、吸気管、及び空気供
給管の間に回動自在に一つ介装されてなり、前記逆止弁
として吸入期間のみ前記吸気管とクランクケースとの間
に一の連通部を一致させて連通させると共に、前記空気
逆止弁として所定のタイミングで前記空気供給管と掃気
通路との間に他の連通部を一致させて連通させ、さらに
所定のタイミングで前記クランクケースと掃気通路との
間に前記連通部のいずれかを一致させて連通状態とする
ものである。このように本発明によれば、連通部を有す
る回動連通体を吸入管、空気供給管、クランクケース、
掃気通路の間に配設し、クランクケースと掃気通路間の
連通及び非連通を所定周期で切替える一方、吸入期間は
吸気管とクランクケースとの間を連通させて混合ガスを
吸入すると共に空気供給管と掃気通路とを連通させて掃
気通路へ空気流入可能とし、また吸入期間以外は吸気管
とクランクケースとの間及び空気供給管と掃気通路の間
をそれぞれ閉止して逆流を防いで、逆止弁並びに空気逆
止弁の働きを受持たせることにより、各弁を回動連通体
一つにまとめた簡略な構造にでき、燃焼室への空気及び
混合ガス供給を適切に制御して、空気による混合ガスの
吹抜け防止と燃焼室内での十分な混合ガス量の確保によ
る燃焼安定化との両立が、より低コストで実現を図れる
こととなる。
【0017】また、本発明に係る内燃機関は必要に応じ
て、前記吸気管が、掃気通路の空気供給管との連通部分
に接続され、前記回動連通体が、前記掃気通路、吸気
管、及び空気供給管の間に回動自在に一つ介装されてな
り、前記逆止弁として吸入行程の所定の期間のみ前記吸
気管と掃気通路との間に前記連通部を一致させて吸気管
とクランクケースを連通させると共に、前記空気逆止弁
として引続いて吸入行程の残りの期間のみ前記空気供給
管と掃気通路との間に前記連通部を一致させて連通させ
るものである。このように本発明によれば、連通部を有
する回動連通体を吸入管、空気供給管、掃気通路の間に
配設し、吸入行程の初・中期は吸気管と掃気通路を連通
させ、掃気通路を介して混合ガスをクランクケースに吸
入し、また、吸入行程末期は空気供給管と掃気通路を連
通させ、クランクケースの負圧で空気を掃気通路に導入
し、これ以外の期間では吸気管、空気供給管共に掃気通
路に非連通として逆流を防いで、空気逆止弁並びに逆止
弁の働きを受持たせることにより、各弁を回動連通体一
つにまとめて簡略な機関構造にできると共に、掃気通路
への連通を吸気管から空気供給管に切替えることで確実
に混合ガスと空気の吸入割合を制御でき、空気の流入量
を適正として空気による混合ガスの吹抜け防止と燃焼室
内での十分な混合ガス量の確保による燃焼安定化との両
立が図れることとなる。
【0018】また、本発明に係る内燃機関は必要に応じ
て、前記燃焼室の排気ポート並びに排気管の間に回動自
在に介装され、一部を開口状態とする一又は複数の連通
部が形成される断面略円形状の回動連通体を備え、当該
回動連通体を回動させ、所定のタイミングで前記排気ポ
ートと排気管との間に前記連通部を一致させて連通させ
るものである。このように本発明によれば、連通部を有
する回動連通体を排気ポートと排気管との間に配設し、
これらの間の連通及び非連通を所定周期で切替えること
により、連通部の設定で排ガス排出のタイミング調整が
確実に行え、混合ガスの排気管への流出をより確実に抑
制できることとなり、排ガスを低公害化すると共に燃料
消費効率を高められる。
【0019】また、本発明に係る内燃機関は必要に応じ
て、前記回動連通体が、一部を開口状態とする複数の連
通部を形成されてなり、前記回動連通体の前記吸気管、
空気供給管とクランクケース及び/又は排気管と燃焼室
排気ポートに連通させる連通部を複数のうちから切換え
て、前記吸気管、空気供給管とクランクケース及び/又
は排気管と燃焼室排気ポートを連通させて前記各ガスや
空気の吸入及び/又は排ガスの排出を行なう周期を変化
させるものである。このように本発明によれば、複数の
連通部が形成される回動連通体を所定のタイミング又は
可変のタイミングで回動させると共に、複数の連通部を
切換えて吸気及び/又は排気の周期を変化させることに
より、通常のサイクルと切換自在に、ピストンが上下す
る行程と機関の吸入・圧縮並びに膨張・排出・掃気の各
行程とを適切に組合せた非燃焼期間を含む機関サイクル
が可能となることとなり、簡略な構造で機関出力を負荷
に応じてより細かく且つ能動的に制御でき、特に部分負
荷状態における燃費の向上が図れ、機関効率を高められ
る。
【0020】また、本発明に係る内燃機関は必要に応じ
て、前記回動連通体が、軸方向の前後へ移動自在に配設
されると共に、回動方向に各々異なった位相となる連通
部をそれぞれ軸方向にずらして複数形成され、軸方向に
変位して前記複数の連通部を切換えるものである。この
ように本発明によれば、回動連通体を所定のタイミング
又は可変のタイミングで回動させると共に、軸方向の前
後へ移動させ、連通の位相が異なる複数の連通部を切換
えることにより、容易に通常のサイクルと非燃焼期間を
含むサイクルとを切換えられることとなり、負荷状態に
適合してより効率的に機関出力を調整して燃費の向上が
図れる。
【0021】また、本発明に係る内燃機関は必要に応じ
て、前記回動連通体が、複数の連通部が各々形成されて
各々独立して回動自在な複数の略円筒体を多重に順次嵌
挿して形成され、前記いずれかの略円筒体の回転の位相
を変化させて前記連通部の連通する周期を変化させるも
のである。このように本発明によれば、連通部が各々形
成される複数の略円筒体を多重に嵌挿して回動連通体を
形成し、いずれかの略円筒体の回転の位相を変えて連通
部の連通周期を切換えることにより、容易に通常のサイ
クルと非燃焼期間を含むサイクルとを細かく切換えられ
ることとなり、負荷状態に適合してより効率的に機関出
力を調整して燃費の向上が図れる。
【0022】また、本発明に係る内燃機関は必要に応じ
て、前記回動連通体が、複数の連通部が各々形成される
複数の略円筒体を多重に順次嵌挿して形成され、前記各
円筒体に各々異なる回動及び/又は軸方向への前後移動
を行わせて前記連通部の連通する周期を変化させるもの
である。このように本発明によれば、回動連通体が複数
の略円筒体の各々を軸方向へ前後動あるいは回動させて
連通部の連通周期を切換えることにより、容易に通常の
サイクルと非燃焼期間を含むサイクルとを細かく切換え
られることとなり、負荷状態に適合してより効率的に機
関出力を調整して燃費の向上が図れる。
【0023】また、本発明に係る内燃機関は必要に応じ
て、前記回動連通体の連通部が、一の連通対象に対する
連通を開始あるいは終了するタイミングと、他の連通対
象に対する連通を開始あるいは終了するタイミングとを
異ならせるように開口形成されてなるものである。この
ように本発明によれば、連通部が形成される回動連通体
を、吸気管、空気供給管とクランクケースとの間及び/
又は排気管と排気ポートとの間に介装し、この回動連通
体を所定のタイミング又は可変のタイミングで回動さ
せ、連通部が、前記吸気管、空気供給管及び/又は排気
管側への連通の開始あるいは終了のタイミングとクラン
クケース及び/又は排気ポート側への連通の開始あるい
は終了のタイミングとをずらして各々を連通させること
により、回動連通体の連通部内に混合ガスや空気及び/
又は排ガスを所定の圧力で所定期間滞留させられること
となり、吸気慣性及び/又は排気慣性を混合ガスや空気
のクランクケースへの吸入及び/又は排ガスの燃焼室か
らの排出に有効に活用させたり、クランクケース内の混
合ガス量を調整して実圧縮比を変化させたり等、混合ガ
スや空気のクランクケースへの吸入又は排ガスの燃焼室
からの排出をより細かく且つ能動的に制御できることと
なり、簡略な構造で吸気・排気の効率を高められる。
【0024】また、本発明に係る内燃機関は必要に応じ
て、前記回動連通体が、軸方向の前後へ移動自在に配設
され、機関回転数に応じて軸方向に変位して前記連通部
の連通するタイミングを連続的に変化させるものであ
る。このように本発明によれば、回動連通体を所定のタ
イミング又は可変のタイミングで回動させると共に、軸
方向の前後へ移動させることにより、連通部の連通対象
に対する開口状態(開口形状、開口位置等)を変えて連
通タイミングをより複雑に可変制御でき、機関回転数に
適合してより効率的な混合ガスの吸入あるいは排ガスの
排出が行えることとなり、全ての回転数範囲で出力及び
燃費の向上が図れる。
【0025】また、本発明に係る内燃機関は必要に応じ
て、前記回動連通体が、連通部が各々形成される複数の
略円筒体を多重に順次嵌挿して形成され、前記各円筒体
に機関回転数に応じて各々異なる回動及び/又は軸方向
への前後移動を行わせて前記連通部の連通するタイミン
グを連続的に変化させるものである。このように本発明
によれば、連通部が各々形成される複数の略円筒体を多
重に嵌挿して回動連通体を形成することにより、連通部
の連通対象に対する開口状態を変えて連通タイミングを
より複雑に変化させられ、機関回転数に適合してより効
率的な混合ガスの吸入あるいは排ガスの排出が行えるこ
ととなり、全ての回転数範囲で出力及び燃費の向上が図
れる。
【0026】
【発明の実施の形態】
(本発明の第1の実施の形態)以下、本発明の第1の実
施の形態に係る内燃機関を図1〜図3に基づいて説明す
る。本実施の形態においては火花点火ガソリン機関とし
ての例を示す。この図1は本実施の形態に係る内燃機関
の吸入及び圧縮行程説明図、図2は本実施の形態に係る
内燃機関の膨張及び排出行程説明図、図3は本実施の形
態に係る内燃機関の掃気行程説明図である。
【0027】前記各図において本実施の形態に係る内燃
機関は、前記掃気通路106の掃気ポート106a寄り
の位置に接続されて配設される空気供給管11と、空気
逆止弁としてこの空気供給管11及び掃気通路106の
間に回動自在に介装され、一部を開口状態とする連通部
12aが形成される断面略円形状の空気取入用回動連通
体12と、前記排気ポート103a及び排気管103の
間に回動自在に介装され、一部を開口状態とする連通部
13aが形成される断面略円形状の排気用回動連通体1
3と、逆止弁として前記クランクケース104及び前記
吸気管102の間に回動自在に介装され、一部を開口状
態とする連通部14aが形成される断面略円形状の吸気
用回動連通体14とを備える構成である。
【0028】前記空気取入用回動連通体12(又は、排
気用回動連通体13、吸気用回動連通体14)は、断面
略円形状の柱状体の軸心に対して直交する方向に略矩形
状開口断面の連通部12a(又は、13a、14a)を
穿設されてなり、クランクシャフト(図示を省略)によ
り駆動されてクランクシャフト二回転につき一回転する
構成である。
【0029】次に、前記構成に基づく内燃機関のサイク
ル動作について説明する。まず、クランクケース104
への混合ガスの吸入行程として、前記クランクシャフト
の回転によりピストン105が上昇してクランクケース
104内が負圧になると共に、図示矢印A方向に回転す
る吸気用回動連通体14の連通部14aが吸気管102
とクランクケース104との間に一致して連通状態とな
り、吸気管102から混合ガスが連通部14aを介して
クランクケース104内へ直接的に吸入される(図1
(A)参照)。
【0030】吸入行程末期にピストン105が上死点近
くまで達すると、図示矢印A方向に回転する空気取入用
回動連通体12の連通部12aが空気供給管11と掃気
通路106との間に一致して連通状態となる。クランク
ケース104内の負圧は掃気通路106にも導入されて
いるので、掃気通路106内へ空気供給管11から空気
が流入して充填される(図1(B)参照)。吸気用回動
連通体14はそのまま回動を続けて、連通部14aによ
る連通を終えて吸気管102を閉塞状態とし、吸入行程
を終了させる。
【0031】この吸入行程と並行して、ピストン105
上側の燃焼室101では、以前に燃焼室101に入った
混合ガスに対してピストン105の上昇により圧縮行程
が実行される。この圧縮行程を経て混合ガスが燃焼し、
さらに膨張行程としてピストン105が押下げられて再
び下降する。
【0032】ピストンが下降し始めると共に、回動して
いる空気取入用回動連通体12が連通部12aの位置を
変えて空気供給管11と掃気通路106との間を非連通
状態とする(図2(A)参照)。ピストン105の下降
に伴い、クランクケース104内の混合ガス及び掃気通
路106内の空気は圧縮された状態となるが、吸気用回
動連通体14が逆止弁として作用し、混合ガスの吸気管
102側への逆流を防止すると共に、空気取入用回動連
通体12が空気逆止弁として作用し、空気の空気供給管
11側への逆流を防ぐ。
【0033】膨張行程でピストン105が下降して下死
点に近付くと、ピストン105で塞がれていた排気ポー
ト103aが開き始め、またこの時、回動している排気
用回動連通体13が排気ポート103aと排気管103
との間に前記連通部13aを一致させて連通状態として
いることから、燃焼室101内部が排気管103に連通
状態となり、燃焼室101内の高圧の排ガスが排気ポー
ト103aから排気管103内に吹出し始める(図2
(B)参照)。
【0034】さらにピストン105が下がると、排気ポ
ート103a同様にピストン105で塞がれていた掃気
ポート106aが開放状態となり、圧縮されていた掃気
通路106内の空気並びにクランクケース104内の混
合ガスが掃気ポート106aから燃焼室101内に吹出
す(図3(A)参照)。掃気ポート106から吹出され
た空気及び混合ガスは燃焼室101内に残った排ガスを
排気管103へ押出して掃気を行う(排気・掃気行
程)。この時、掃気通路106内の空気が一番最初に吹
出してくることから、主にこの空気で排ガスを排気ポー
ト103aから押出すこととなり、排気管103へ吹抜
ける新気を空気のみとすることができ、未燃焼の混合ガ
スの排気管103外部への流出を防止できる。
【0035】この掃気ポート103aの開放により混合
ガスが燃焼室101に充填されている間に、ピストン1
05が下死点から再度上昇し始め、掃気ポート106a
及び排気ポート103aを閉塞し、排気・掃気行程が終
了する。
【0036】排気用回動連通体13は、回動により掃気
ポート106aの閉塞と前後して連通部13aによる連
通を終え、ピストン105によって排気ポート103a
が閉じるより先に排気管103を閉塞状態として混合ガ
スの吹抜けを防ぐ。
【0037】こうして排気ポート103aが閉塞された
後、ピストン105の上昇による圧縮行程が始まると共
に、前記同様、吸気用回動連通体14の連通部14aが
吸気管102とクランクケース104との間に一致して
連通状態となって、クランクケース104内への吸入行
程が行われることとなり(図1(A)参照)、以降、上
記したサイクル動作が繰返される。
【0038】このように、掃気通路106に連通する空
気供給管11並びにこれを開閉制御する空気取入用回動
連通体12を配設し、排気ポート103及び排気管10
3の間には排気用回動連通体13を配設し、クランクケ
ース104及び吸気管102の間には吸気用回動連通体
14を配設して、ピストン105上昇に伴うクランクケ
ース104への吸入行程において吸気用回動連通体14
で吸気管102とクランクケース104を連通させ、ま
ず混合ガスのみをクランクケース104に流入させると
共に、吸入行程途中に空気取入用回動連通体12の連通
部12aを空気供給管11と掃気通路106に連通させ
て空気供給管11から空気を掃気通路106に流入さ
せ、掃気通路106内に混合ガスの代りに空気を滞留さ
せることにより、ピストン105下降に伴って掃気ポー
ト106aが開くと、空気を混合ガスより先に燃焼室1
01内に送込んで主に空気で排ガスを押出して排出でき
ることとなり、排気用回動連通体13が排気管103を
適切なタイミングで閉塞することと合わせて、混合ガス
の吹抜けを少なくしてHCの排出量を低減し、排ガスを
低公害化できると共に燃料消費効率を高められる。
【0039】なお、前記実施の形態に係る内燃機関にお
いて、前記吸気用回動連通体14の連通部14aは吸気
管102側への連通とクランクケース104側への連通
とが同時になるよう開口形成されてなる構成であるが、
この他、連通部14aが吸気管102側より先にクラン
クケース104側へ連通を開始し、且つ、吸気管102
側より先にクランクケース104側への連通を終了する
ように開口を形成されてなる構成とすることもでき、吸
入行程の終りに吸気管102内の圧力の高い混合ガスを
連通部14aに閉じこめ、この閉込めた混合ガスを次の
吸入行程の初めに連通部14aからクランクケース10
4内へ送込むこととなり、吸気慣性効果を吸入行程に有
効に活用して混合ガスの充填効率を増大させられる。ま
た、これと異なり、前記吸気用回動連通体14の連通部
14aが、吸気管102側より先にクランクケース10
4側へ連通を開始し、且つ吸気管102側より後にクラ
ンクケース104側への連通を終了するよう開口を形成
されてなる構成とすることもでき、掃気行程前のクラン
クケース104内で圧縮される混合ガスの一部を連通部
14a内に閉込め、この閉込めた混合ガスをクランクケ
ース104内の掃気行程から吸入行程への移り変りの際
にクランクケース104内へ送込めることとなり、実際
に燃焼室101に送込んで燃焼させる混合ガスの量を調
整して実圧縮比を変化させられ、ノッキング等の発生を
抑えられる。
【0040】また、前記実施の形態に係る内燃機関にお
いて、前記排気用回動連通体13の連通部13aは排気
管103側への連通と燃焼室101の排気ポート103
a側への連通とが同時になるよう開口形成される構成で
あるが、この他に、排気管103側への連通開始より排
気ポート103a側への連通開始が先になるように、ま
た、排気管103側における連通終了より排気ポート1
03a側における連通終了が先になるように開口を形成
されてなる構成とすることもでき、排気行程の終りに排
気慣性効果で連通部13a内の排ガス圧力が負圧になっ
た状態をそのまま閉じこめ、次の排気行程の初めに圧力
のより高い燃焼室101内の排ガスを連通部13aに導
くことができることから、排気慣性効果を排ガスの燃焼
室101からの排出に有効に活用して混合ガスの充填効
率を増大させられる。
【0041】さらに、前記実施の形態に係る内燃機関に
おいて、前記吸気用又は排気用の各回動連通体14、1
3は単独の略円柱状体で形成される構成としているが、
図4に示すように前記吸気用又は排気用の各回動連通体
14、13が中空部分を有する略円筒体で形成され、こ
の各回動連通体14、13の円筒内に独立して軸方向に
移動可能に嵌挿される吸気用調整連通体15及び排気用
調整連通体16を備え、この吸気又は排気用の各調整連
通体15、16を吸気又は排気用の各回動連通体14、
13内で軸方向に位置調整することにより、クランクケ
ース104あるいは燃焼室101の排気ポート103a
に対する前記吸気用調整連通体14の連通部14aある
いは排気用調整連通体13の連通部13aの開口割合を
変化させる構成とすることもでき、特に機関回転数に対
応して吸気用調整連通体15(又は、排気用調整連通体
16)を位置調整することで、前記クランクケース10
4(又は排気ポート103a)に対しその連通の開口領
域が大きく吸入(又は排出)の期間が長くなる状態(高
回転に適する状態)から、開口領域が小さく吸入(又は
排出)の期間が短い状態(低回転に適する状態)まで連
続的に変化させられ、吸入又は排出時期を回転数に応じ
た最適の状態に調整できる。加えて、機関回転数に応じ
て連続的に連通部の開口面積を変化させられ、混合ガス
の吸入量を制御できることから、吸入空気量を調節する
スロットルバルブを配設する必要がなくなり、絞り損失
を減らして燃費を向上させられる。さらに、このように
吸気用又は排気用の各調整連通体15、16を軸方向に
位置調整する他に、この吸気用又は排気用の各調整連通
体15、16を吸気用又は排気用の各回動連通体14、
13に対し回動可能に配設し、回動による位置調整を行
う構成とすることもできる。
【0042】また、前記した吸気用回動連通体14の吸
気管102及びクランクケース104に対する連通タイ
ミングの調整と同様に、空気取入用回動連通体12の空
気供給管11及び掃気通路106に対する連通タイミン
グの調整も行え、混合ガスを空気に置換えた形で同様の
効果が得られる
【0043】(本発明の第2の実施の形態)本発明の第
2の実施の形態に係る内燃機関を図5〜図7に基づいて
説明する。本実施の形態においても火花点火ガソリン機
関としての例を示す。この図5は本実施の形態に係る内
燃機関の吸入及び圧縮行程説明図、図6は本実施の形態
に係る内燃機関の膨張及び排出行程説明図、図7は本実
施の形態に係る内燃機関の掃気行程説明図である。
【0044】前記各図において本実施の形態に係る内燃
機関は、混合ガスを送給する前記吸気管102がクラン
クケース104の掃気通路106との連通部分に接続さ
れて配設される他、前記吸気管102同様クランクケー
ス104の掃気通路106との連通部分に接続されて配
設される空気供給管21と、前記クランクケース10
4、掃気通路106、吸気管102及び空気供給管21
の間に回動自在に介装され、一部を開口状態とする二つ
の独立した連通部22a、22bが形成される断面略円
形状の回動連通体22と、前記ピストン105側部の所
定位置に形成され、ピストン105の上死点前状態で前
記掃気ポート106aとピストン105内側空間に通じ
るクランクケース104とを連通させる空気通路孔10
5aとを備える構成である。
【0045】前記回動連通体22は、断面略円形状の柱
状体外周の軸対称となる二箇所に略U字状断面溝の連通
部22a及び22bをそれぞれ形成されてなり、クラン
クシャフト(図示を省略)により駆動されてクランクシ
ャフト二回転につき一回転する構成である。
【0046】次に、前記構成に基づく内燃機関のサイク
ル動作について説明する。まず、クランクケース104
への混合ガスの吸入行程として、前記クランクシャフト
の回転によりピストン105が上昇してクランクケース
104内が負圧になると共に、図示矢印B方向に回転す
る回動連通体22の連通部22aが吸気管102とクラ
ンクケース104との間に一致して連通状態となり、吸
気管102から混合ガスが連通部22aを介してクラン
クケース104内へ直接的に吸入される(図5(A)参
照)。
【0047】この時、回動連通体22の連通部22bは
空気供給管21と掃気通路106との間に一致して連通
状態となり、空気供給管21から掃気通路106へ空気
が流入可能な状態となっている。吸入行程末期にピスト
ン105が上死点直前まで達すると、ピストン105の
空気通路孔105aが掃気ポート106aと対向し、ク
ランクケース104に通じたピストン105の内側と掃
気通路106とが連通する。これにより、クランクケー
ス104内の負圧が掃気通路106に導入され、掃気通
路106内へ空気供給管21から空気が流入して充填さ
れる(図5(B)参照)。回動連通体22はそのまま回
動を続けて、連通部22a、22bによる連通を終えて
吸気管102及び空気供給管21を閉塞状態とし、吸入
行程を終了させる。
【0048】一方、ピストン105上側の燃焼室101
では、前記第1の実施の形態と同様、以前に燃焼室10
1に入った混合ガスに対して圧縮行程が実行されてお
り、これを経て混合ガスが燃焼し、さらに膨張行程とし
てピストン105が再び下降する。
【0049】ピストンが下降し始めると共に、回動連通
体22がクランクケース104と掃気通路106との間
に前記連通部22aを一致させて連通状態とする(図6
(A)参照)。ピストン105の下降に伴い、クランク
ケース104内の混合ガス及び掃気通路106内の空気
は圧縮された状態となるが、回動連通体22が混合ガス
の吸気管102側への逆流を防止すると共に、空気の空
気供給管21側への逆流を防ぐ。
【0050】膨張行程でピストン105が下降して下死
点に近付くと、前記第1の実施の形態と同様に、排気ポ
ート103aが開き始め、燃焼室101内の高圧の排ガ
スが排気ポート103aから排気管103内に吹出し始
める(図6(B)参照)。
【0051】さらにピストン105が下がると、掃気ポ
ート106aも開放状態となり、掃気通路106内の空
気並びにクランクケース104内の混合ガスが掃気ポー
ト106aから燃焼室101内に吹出す(図7(A)参
照)。吹出された空気及び混合ガスは燃焼室101内に
残った排ガスを排気管103へ押出して掃気を行う(排
気・掃気行程)。前記第1の実施の形態と同様、空気が
一番最初に吹出してくることから、主に空気で排ガスを
排気ポート103aから押出して排気管103へ吹抜け
る新気を空気のみとすることができ、未燃焼の混合ガス
の外部への流出を防げる。
【0052】こうして混合ガスが燃焼室101に充填さ
れている間に、ピストン105が下死点から再度上昇し
始め、掃気ポート106a及び排気ポート103aを閉
塞し、排気・掃気行程が終了する。この後、ピストン1
05の上昇による圧縮行程が始まると共に、回動連通体
22の連通部22bが吸気管102とクランクケース1
04との間に一致し、また、連通部22aが空気供給管
21と掃気通路106との間に一致してそれぞれ連通状
態となって、クランクケース104内への吸入行程が行
われ、前記同様の各行程が連通部22a、22bを入れ
替えた形で行われることとなる。以降、上記したサイク
ル動作が連通部22a、22bの役目をそれぞれ交替さ
せながら繰返される。
【0053】このように、掃気通路に連通する空気供給
管21を配設し、クランクケース104、掃気通路10
6、吸気管102及び空気供給管21の間には回動連通
体22を配設し、ピストン105側部には空気通路10
5aを形成して、クランクケース104への吸入行程に
おいて回動連通体22で空気供給管21と掃気通路10
6間、及び吸気管102とクランクケース104間をそ
れぞれ連通させ、まず混合ガスのみをクランクケース1
04に流入させると共に、吸入行程末期にピストン10
5の空気通路孔105a及び掃気ポート106aを介し
て掃気通路106にクランクケース104内の負圧を導
入して空気供給管21から空気を掃気通路106に流入
させ、掃気通路106内に混合ガスの代りに空気を充填
することにより、膨張行程でのピストン105下降に伴
いクランクケース104と掃気通路106とを連通さ
せ、さらに掃気ポート106aが開くと、空気を混合ガ
スより先に燃焼室101内に送込んで燃焼室101から
排ガスを押出して排出できることとなり、混合ガスの吹
抜けを少なくしてHCの排出量を低減し、排ガスを低公
害化できると共に燃料消費効率を高められる。また、空
気を余分にクランクケース104内に入れることがな
く、掃気通路106内のみの適正な量とすることがで
き、空気による吹抜け防止効果と燃焼室101での十分
な混合ガス量の確保の両立が図れる。さらに、回動連通
体22で吸入、掃気及び空気導入の制御をまとめて行
え、簡略な構成で確実な効果を得られる。
【0054】(本発明の第3の実施の形態)本発明の第
3の実施の形態に係る内燃機関を図8〜図10に基づい
て説明する。本実施の形態においても火花点火ガソリン
機関としての例を示す。この図8は本実施の形態に係る
内燃機関の吸入及び圧縮行程説明図、図9は本実施の形
態に係る内燃機関の膨張及び排出行程説明図、図10は
本実施の形態に係る内燃機関の掃気行程説明図である。
【0055】前記各図において本実施の形態に係る内燃
機関は、混合ガスを送給する前記吸気管102が掃気通
路106の燃焼室寄り位置に接続されて配設されてなる
他、前記吸気管102に並行して配設され、吸気管10
2同様掃気通路106の燃焼室寄り位置に接続される空
気供給管31と、前記掃気通路106、吸気管102及
び空気供給管31の間に回動自在に介装され、一部を開
口状態とする連通部32aが形成される断面略円形状の
回動連通体32とを備える構成である。
【0056】前記回動連通体32は、断面略円形状の柱
状体の軸心に対して直交する方向に略矩形状開口断面の
連通部32aを穿設されてなり、クランクシャフト(図
示を省略)により駆動されてクランクシャフト二回転に
つき一回転する構成である。
【0057】次に、前記構成に基づく内燃機関のサイク
ル動作について説明する。まず、クランクケース104
への混合ガスの吸入行程として、前記クランクシャフト
の回転によりピストン105が上昇してクランクケース
104内が負圧になると共に、図示矢印C方向に回転す
る回動連通体32の連通部32aが吸気管102と掃気
通路106との間に一致して連通状態となり、吸気管1
02から混合ガスが連通部32a及び掃気通路106を
介してクランクケース104内へ直接的に吸入される
(図8(A)参照)。
【0058】吸入行程末期にピストン105が上死点直
前まで達すると、回動連通体32の連通部32aは掃気
通路106側への連通はそのままに、吸気管102側へ
の連通を終了して空気供給管31に連通する状態へと切
り替り、空気供給管31から空気が掃気通路106内へ
流入する(図8(B)参照)。回動連通体32はそのま
ま回動を続け、掃気通路106内がちょうど空気で満た
されたタイミングで、連通部32aによる連通を終えて
空気供給管31を閉塞状態とし、吸入行程を終了させる
(図9(A)参照)。
【0059】一方、ピストン105上側の燃焼室101
では、前記第1の実施の形態と同様、以前に燃焼室10
1に入った混合ガスに対して圧縮行程が実行されてお
り、これを経て混合ガスが燃焼し、さらに膨張行程とし
てピストン105が再び下降する。ピストン105の下
降に伴い、クランクケース104内の混合ガス及び掃気
通路106内の空気は圧縮された状態となるが、回動連
通体32が吸気管102側並びに空気供給管31側への
逆流を防ぐ。
【0060】膨張行程でピストン105が下降して下死
点に近付くと、前記第1の実施の形態と同様に、排気ポ
ート103aが開き始め、燃焼室101内の高圧の排ガ
スが排気ポート103aから排気管103内に吹出し始
める(図9(B)参照)。
【0061】さらにピストン105が下がると、掃気ポ
ート106aも開放状態となり、掃気通路106内の空
気並びにクランクケース104内の混合ガスが掃気ポー
ト106aから燃焼室101内に吹出す(図10(A)
参照)。吹出された空気及び混合ガスは燃焼室101内
に残った排ガスを排気管103へ押出して掃気を行う
(排気・掃気行程)。前記第1の実施の形態と同様、空
気が一番最初に吹出してくることから、主に空気で排ガ
スを排気ポート103aから押出して排気管103へ吹
抜ける新気を空気のみとすることができ、未燃焼の混合
ガスの外部への流出を防げる。
【0062】こうして混合ガスが燃焼室101に充填さ
れている間に、ピストン105が下死点から再度上昇し
始め、掃気ポート106a及び排気ポート103aを閉
塞し、排気・掃気行程が終了する。この後、ピストン1
05の上昇による圧縮行程が始まると共に、前記同様、
回動連通体32の連通部32aが吸気管102と掃気通
路106との間に一致して連通状態となって、クランク
ケース104内への吸入行程が行われることとなり(図
8(A)参照)、以降、上記したサイクル動作が繰返さ
れる。
【0063】このように、掃気通路に連通する吸気管1
02及び空気供給管31を配設し、掃気通路106、吸
気管102及び空気供給管31の間には回動連通体32
を配設して、クランクケース104への吸入行程におい
て回動連通体32で吸気管102と掃気通路106間を
それぞれ連通させ、まず混合ガスのみを掃気通路106
を介してクランクケース104に流入させた後、吸入行
程末期に回動連通体32で空気供給管31と掃気通路1
06間を連通させて空気供給管31から空気を掃気通路
106に流入させ、掃気通路106内に空気を充填する
ことにより、膨張行程でのピストン105下降に伴い掃
気ポート106aが開くと、空気を混合ガスより先に燃
焼室101内に送込んで燃焼室101から排ガスを押出
して排出できることとなり、混合ガスの吹抜けを少なく
してHCの排出量を低減し、排ガスを低公害化できると
共に燃料消費効率を高められる。また、回動連通体の連
通タイミングが適切に調整されることにより、空気を余
分にクランクケース内に入れずに適正な量とすることが
でき、空気による吹抜け防止効果と燃焼室101での十
分な混合ガス量の確保の両立が図れる。さらに、回動連
通体32で吸入、掃気及び空気導入の制御をまとめて行
え、簡略な構成で確実な効果を得られる。
【0064】(本発明の第4の実施の形態)本発明の第
4の実施の形態に係る内燃機関を図11に基づいて説明
する。図11は本実施の形態に係る内燃機関の要部概略
構成説明図である。
【0065】前図において本実施の形態に係る内燃機関
は、前記第1〜第3の各実施の形態と同様に、空気供給
管と、回動連通体とを備える一方、異なる点として、回
動連通体41が中空部分を有する略円筒体で形成され、
この円筒体の円周側壁に開口孔状の連通部41aが複数
形成されてなり、この各回動連通体41の円筒内に回動
自在に嵌挿される内側回動連通体42を備え、この回動
連通体41及び内側回動連通体42を相互に連通状態と
して所定のタイミングで回動させる構成である。
【0066】前記回動連通体41は、中空円筒体で形成
され、この円筒体の円周側壁の所定位置及びその軸対称
位置に開口孔状の連通部41aを二つ穿設され、さらに
二つの連通部41aの中間の円周位置に同様の連通部4
1bを穿設され、さらに前記連通部41aから軸方向に
ずれた円周側壁の所定位置及びその軸対称位置に開口孔
状の連通部41cを二つ穿設され、さらに二つの連通部
41cの中間の円周位置で前記連通部41bとは反対側
に同様の連通部41dを穿設されてなり、クランクシャ
フト二回転につき一回転する構成である。
【0067】前記内側回動連通体42は、断面略円形状
の柱状体で形成され、前記回動連通体41の連通部41
a、41bの位置に対応するこの柱状体の側壁の所定位
置に形成された開口孔に、この開口孔の軸対称位置で前
記回動連通体41の連通部41c、41dの位置に対応
する側壁の所定位置に形成される二つの開口孔を連通さ
せるよう穿設されてなる連通部42aを備え、前記回動
連通体41に対し独立して回動自在に配設され、前記回
動連通体41同様クランクシャフト(図示を省略)二回
転につき一回転する構成である。
【0068】次に、前記構成に基づく本実施の形態のサ
イクル動作について説明する。クランクシャフトの回転
に伴って回動連通体41が図11(B)中に示す矢印D
方向に回転すると共に、内側回動連通体42が同じ向き
に同じ回転周期で回転することとなる。
【0069】まず、クランクケース104への混合ガス
の吸入行程として、ピストン(図示を省略)が上昇して
クランクケース104内が負圧になると共に、回転する
回動連通体41の連通部41a、41c及び内側回動連
通体42の連通部42aが吸気管102(又は空気供給
管)とクランクケース104との間に一致して連通状態
となり、吸気管102(又は空気供給管)から混合ガス
(又は空気)が連通部41a、42a、41cを通じて
クランクケース104内へ直接的に吸入される。
【0070】吸入行程終了時に、回転する回動連通体4
1の連通部41a、41c及び内側回動連通体42の連
通部42aが吸気管102(又は空気供給管)あるいは
クランクケース104への連通を終了して非連通状態と
なる。吸入行程終了後、前記第1〜第3の実施の形態と
同様に、燃焼室(図示を省略)で膨張、排出、掃気行程
が行われ、掃気行程の後に前記同様、回動連通体41の
連通部41a、41c及び内側回動連通体42の連通部
42aが吸気管102(又は空気供給管)とクランクケ
ース104との間に一致して連通状態となって、クラン
クケース104内への吸入行程が行われることとなり、
以降、こうしたサイクル動作が繰返される。
【0071】ここで、図11(C)に示すように、回動
連通体41の回転の位相を90°ずらした場合について
説明する。まず、回動連通体41の連通部41b、41
d及び内側回動連通体42の連通部42aが吸気管10
2(又は空気供給管)とクランクケース104との間に
一致して連通状態となり、吸気管102(又は空気供給
管)から混合ガス(又は空気)が連通部41b、42
a、41dを通じてクランクケース104内へ直接的に
吸入される。
【0072】吸入行程終了時に、回転する回動連通体4
1の連通部41b、41d及び内側回動連通体42の連
通部42aが吸気管102あるいはクランクケース10
4への連通を終了して非連通状態となる。吸入行程終了
後、前記第1から第3の実施の形態と同様に、燃焼室で
膨張、排出、掃気行程が行われる。掃気行程の後、ピス
トンの上昇に伴う吸入行程が始まるものの、クランクケ
ース104内においては、回転する回動連通体41及び
内側回動連通体42の各連通部は吸気管102あるいは
クランクケース104に一致せず非連通状態を保持する
ことから、吸気管102(又は空気供給管)からの混合
ガス(又は空気)の吸入が行われない。
【0073】この後、圧縮行程を経て燃焼が起り、次に
膨張、排出行程が行われるが、さらにピストンが下がっ
て掃気ポート(図示を省略)を開放しても、クランクケ
ース104内には混合ガスが吸入されなかったために、
クランクケース104から混合ガスがほとんど吹出せ
ず、排ガスが掃気されずに燃焼室内に一部残った状態と
なる。
【0074】この後、ピストン105の上昇により燃焼
室内に残った排ガスは圧縮されるが、混合ガスがほとん
ど供給されていないために燃焼は起らない。一方、ピス
トン上昇に伴い、前記同様、回動連通体41の連通部4
1b、41d及び内側回動連通体42の連通部42aが
再び吸気管102とクランクケース104との間に一致
して連通し、クランクケース104内への吸入行程が行
われることとなり、以降、上記したサイクル動作が繰返
される。
【0075】このように回動連通体41を内側回動連通
体42に対し回転位相調整し、吸気の周期を調整できる
ことにより、ピストン105の上下往復行程を一単位と
して通常の毎回燃焼を行うサイクルと燃焼を一回おきに
行うようなサイクルとが切換自在となり、非燃焼時に燃
料消費を抑え、吸入休止時のポンピングロスの減少分だ
け損失を減らして機関効率を高められることとなり、部
分負荷時の燃費を向上させられる。
【0076】なお、前記第4の実施の形態においては、
回動連通体41を内側回動連通体42に対し回転位相調
整して吸入の周期調整を行う構成としたが、この他、回
動連通体が、軸方向に移動可能に配設されると共に、互
いに回転位相をずらした複数の連通部を軸方向に並列に
配設され、軸方向に位置調整されることで連通部を切換
えて、内側回動連通体を用いずに周期調整を行う構成と
することもでき、前記同様に燃焼を行う周期を変化させ
て部分負荷時の燃費を向上させられることとなる。
【0077】また、前記第4の実施の形態に係る内燃機
関におけるこうした吸入動作において、内側回動連通体
42を回動連通体41内で軸方向に位置調整自在とし、
クランクケース104に対する内側回動連通体42の連
通部42aの開口割合を変化させる構成とすることもで
き、クランクケース104に対しその連通の開口領域が
大きく吸入の期間が長くなる状態から、開口領域が小さ
く吸入の期間が短い状態まで連続的に変化させられ、吸
入期間を回転数に応じた最適の状態に調整できる。ま
た、機関回転数に応じて連続的に連通部の開口面積を変
化させられ、混合ガスのクランクケース104内への充
填量を制御できることから、吸入空気量を調節するスロ
ットルバルブを配設する必要がなくなり、絞り損失を減
らして燃費を向上させられる。
【0078】(本発明の第5の実施の形態)本発明の第
5の実施の形態に係る内燃機関を図12〜図17に基づ
いて説明する。この図12は本実施の形態に係る内燃機
関の定常状態の吸入及び圧縮行程説明図、図13は本実
施の形態に係る内燃機関の定常状態の膨張及び排出行程
説明図、図14は本実施の形態に係る内燃機関の定常状
態の掃気行程説明図、図15は本実施の形態に係る内燃
機関の低負荷状態の吸入及び圧縮行程説明図、図16は
本実施の形態に係る内燃機関の低負荷状態の膨張、排出
及び圧縮行程説明図、図17は本実施の形態に係る内燃
機関の低負荷状態の排気行程説明図である。
【0079】前記各図において本実施の形態に係る内燃
機関は、前記第3の実施の形態と同様に、前記吸気管1
02が掃気通路106の燃焼室寄り位置に接続されて配
設されてなる他、空気供給管51と、回動連通体52と
を備える一方、異なる点として、前記回動連通体52が
一部を開口状態とする連通部52aを穿設される略円筒
形状に形成されてなり、この回動連通体52内に、一部
を開口状態とする連通部53aが形成される断面略円形
状の内側回動連通体53が回動自在に配設される構成を
有するものである。
【0080】前記回動連通体52は、中空円筒体で形成
され、この円筒体の円周側壁の所定位置及びその軸対称
位置に開口孔状の連通部52aを二つ穿設されてなり、
クランクシャフト(図示を省略)により駆動されてクラ
ンクシャフト二回転につき一回転する構成である。
【0081】前記内側回動連通体53は、断面略円形状
の柱状体で形成され、柱状体の軸心に対して直交する方
向に穿設される開口孔とこの開口孔に直交する開口孔と
を加え合わせた形状の断面略十字状の連通部53aを穿
設されると共に、この連通部53aから軸方向にずれた
位置に、前記柱状体の軸心に対して直交する方向に開口
孔状に穿設される連通部53bを配設されてなり、前記
回動連通体52に対し独立して回動自在に配設され、ク
ランクシャフト(図示を省略)により駆動されてクラン
クシャフト四回転につき一回転する構成である。
【0082】次に、前記構成に基づく内燃機関のサイク
ル動作について説明する。クランクシャフトの回転に伴
って回動連通体52が図12中に示す矢印E方向に回転
すると共に、この回動連通体52内部において、内側回
動連通体53が同じ向きに回転することとなる。
【0083】まず、クランクケース104への混合ガス
の吸入行程として、前記クランクシャフトの回転により
ピストン105が上昇してクランクケース104内が負
圧になると共に、図示矢印E方向に回転する回動連通体
52の連通部52a及び内側回動連通体53の連通部5
3aが吸気管102と掃気通路106との間に一致して
連通状態となり、吸気管102から混合ガスが連通部5
2a、53a及び掃気通路106を介してクランクケー
ス104内へ直接的に吸入される(図12(A)参
照)。
【0084】吸入行程末期にピストン105が上死点直
前まで達すると、回動連通体52の連通部52aは掃気
通路106側への連通はそのままに、吸気管102側へ
の連通を終了して空気供給管51に連通する状態へと切
り替り、空気供給管51から空気が掃気通路106内へ
流入する(図12(B)参照)。回動連通体52はその
まま回動を続け、掃気通路106内がちょうど空気で満
たされたタイミングで、連通部52aによる連通を終え
て空気供給管51を閉塞状態とし、吸入行程を終了させ
る(図13(A)参照)。
【0085】一方、ピストン105上側の燃焼室101
では、前記第3の実施の形態と同様、以前に燃焼室10
1に入った混合ガスに対して圧縮行程が実行されてお
り、これを経て混合ガスが燃焼し、さらに膨張行程とし
てピストン105が再び下降する。ピストン105の下
降に伴い、クランクケース104内の混合ガス及び掃気
通路106内の空気は圧縮された状態となるが、回動連
通体52が吸気管102側並びに空気供給管51側への
逆流を防ぐ。
【0086】膨張行程でピストン105が下降して下死
点に近付くと、前記第3の実施の形態と同様に、排気ポ
ート103aが開き始め、燃焼室101内の高圧の排ガ
スが排気ポート103aから排気管103内に吹出し始
める(図13(B)参照)。
【0087】さらにピストン105が下がると、掃気ポ
ート106aも開放状態となり、掃気通路106内の空
気並びにクランクケース104内の混合ガスが掃気ポー
ト106aから燃焼室101内に吹出す(図14(A)
参照)。吹出された空気及び混合ガスは燃焼室101内
に残った排ガスを排気管103へ押出して掃気を行う
(排気・掃気行程)。前記第3の実施の形態と同様、空
気が一番最初に吹出してくることから、主に空気で排ガ
スを排気ポート103aから押出して排気管103へ吹
抜ける新気を空気のみとすることができ、未燃焼の混合
ガスの外部への流出を防げる。
【0088】こうして混合ガスが燃焼室101に充填さ
れている間に、ピストン105が下死点から再度上昇し
始め、掃気ポート106a及び排気ポート103aを閉
塞し、排気・掃気行程が終了する。この後、ピストン1
05の上昇による圧縮行程が始まると共に、前記同様、
回動連通体52の連通部52a及び内側回動連通体53
の連通部53aが吸気管102と掃気通路106との間
に一致して連通状態となって、クランクケース104内
への吸入行程が行われることとなり(図12(A)参
照)、以降、上記したサイクル動作が繰返される。
【0089】ここで、図15〜図17に示すように、内
側回動連通体52を軸方向にずらし、回動連通体52の
連通部52aに対応する位置へ連通部53aの代りに連
通部53bを位置させた場合について、そのサイクル動
作を、ピストン105の下死点からの上昇と共に回動連
通体52の連通部52a及び内側回動連通体53の連通
部53bが吸気管102及び掃気通路106に一致して
連通状態となった状態を開始点として説明する。
【0090】ピストン105の上昇と共に、吸気管10
2から混合ガスが連通部52a、53a及び掃気通路1
06を介してクランクケース104内へ吸入される(図
15(A)参照)。吸入行程末期にピストン105が上
死点直前まで達すると、前記同様回動連通体52の連通
部52aは吸気管102側への連通を終了して空気供給
管51に連通する状態へと切り替り、空気供給管51か
ら空気が掃気通路106内へ流入する(図15(B)参
照)。回動連通体52はそのまま回動を続け、掃気通路
106内がちょうど空気で満たされたタイミングで、連
通部52aによる連通を終えて空気供給管51を閉塞状
態とし、吸入行程を終了させる。
【0091】この後、ピストン105が下降開始して、
ピストン105が下死点近くまで下降すると、前記同様
排気ポート103aが開き、さらにピストン105が下
がると、掃気ポート106aも開放状態となり、掃気通
路106内の空気並びにクランクケース104内の混合
ガスが掃気ポート106aから燃焼室101内に吹出す
(図16(A)参照)。吹出された空気及び混合ガスは
燃焼室101内に残っていた排ガスを排気管103へ押
出して掃気を行う。前記同様、空気が一番最初に吹出し
てくることから、主に空気で排ガスを排気ポート103
aから押出せ、排気管103への未燃焼混合ガスの吹抜
けを防げる。
【0092】こうして混合ガスが燃焼室101に充填さ
れている間に、ピストン105が下死点から上昇し始
め、掃気ポート106a及び排気ポート103aを閉塞
する。ピストン105の上昇により圧縮行程が始まるも
のの、クランクケース104内においては、回転する内
側回動連通体53の連通部53bが吸気管102及び掃
気通路106に連通せず非連通状態となっていることか
ら、吸気管102からの混合ガスの吸入が行われない
(図16(B)参照)。
【0093】この後、圧縮行程を経て燃焼が起り、次に
膨張行程としてピストン105が下降を開始する。ピス
トン105が下死点近くまで下降すると、前記同様排気
ポート103aが開き、燃焼室101内の排ガスが排気
管103内へ吹出すが(図17(A)参照)、さらにピ
ストン105が下がって掃気ポート106aを開放して
も、クランクケース104内には混合ガスが吸入されな
かったために燃焼室101内に混合ガスがほとんど吹出
せず、排ガスが掃気されずに燃焼室101内に一部残っ
た状態となる(図17(B)参照)。
【0094】ピストン105は下死点から再度上昇し始
め、掃気ポート106a及び排気ポート103aを閉塞
する。ピストン105の上昇により燃焼室101内に残
った排ガスは圧縮されるが、混合ガスがほとんど供給さ
れていないために燃焼は起らない。このピストン105
の上昇の際、前記同様回動連通体52の連通部52aと
共に内側回動連通体53の連通部53bが吸気管102
及び掃気通路106に連通して、吸気管102からの混
合ガスの吸入が行われることとなり(図15(A)参
照)、以降、上記したサイクル動作が繰返される。
【0095】このように、前記第3の実施の形態同様に
空気を混合ガスより先に燃焼室101内に送込んで燃焼
室101から排ガスを押出して排出でき、混合ガスの吹
抜けを少なくしてHCの排出量を低減し、排ガスを低公
害化できると共に燃料消費効率を高められることに加え
て、内側回動連通体53を回動連通体52に対し軸方向
に移動調整し、吸入の周期を調整できることにより、ピ
ストン105の上下往復行程を一単位として通常の毎回
燃焼を行うサイクルと燃焼を一回おきに行うようなサイ
クルとが切換自在となり、非燃焼時に燃料消費を抑え、
吸入休止時のポンピングロスの減少分だけ損失を減らし
て機関効率を高められることとなり、部分負荷時の燃費
を向上させられる。
【0096】なお、前記第1〜第5の各実施の形態にお
いては、クランクケース圧縮型の掃気のみ行うような構
成としているが、ピストンバルブやロータリーバルブを
組合わせた複合方式とする構成とすることもできる。
【0097】さらに、前記第1〜第5の各実施の形態に
おける吸気管102からのガス供給は、混合ガスの他、
空気など燃料を含まない無燃料ガスを供給したり、水な
どの非燃料液体を霧状にしたものを上記したガスに混入
させたり、燃焼室から排出された排ガスの一部を上記し
たガスに混ぜて再循環(EGR)させたりする構成とす
ることもできる。特に、水混入やEGRを行なった場
合、燃焼温度が低下し、排ガス中の窒素酸化物の量を減
らしてより低公害化できると共に、火花点火ガソリン機
関の場合スロットルバルブの開度を大きくでき絞り損失
を減らして燃費向上が図れる。
【0098】
【発明の効果】以上のように本発明においては、掃気通
路に連通する空気供給管を配設すると共に、空気逆止弁
を配設して、クランクケース内への混合ガス吸入時に掃
気通路にも作用する負圧で掃気通路内に混合ガスの代り
に空気を流入させた上、ピストン下降によるクランクケ
ース内圧縮に際してもそのまま掃気通路内に滞留させる
ことにより、掃気の際に空気を混合ガスより先に燃焼室
内に送込め、この空気で排ガスを燃焼室から押出して排
出できることとなり、排ガスと一緒に吹抜ける混合ガス
を空気に置換えて混合ガスの吹抜け量を大幅に低減で
き、排ガスを低公害化すると共に燃料消費効率を高めら
れるという効果を奏する。また、本発明においては、連
通部を有する回動連通体を空気逆止弁として配設し、空
気供給管と掃気通路間の連通及び非連通を所定周期で切
替えることにより、連通部の設定で空気供給のタイミン
グ調整が確実に行え、適切な量の空気を掃気通路に正確
に流入させることができ、燃焼室への空気及び混合ガス
供給のバランスをより適切なものとするという効果を有
する。また、本発明においては、連通部を有する回動連
通体を逆止弁として配設し、吸気管とクランクケース間
の連通及び非連通を所定周期で切替えることにより、連
通部の設定で混合ガス供給のタイミング調整が確実に行
え、適切な量の混合ガスをクランクケースに正確に流入
させることができ、燃焼室への空気及び混合ガス供給の
バランスをより適切なものとするという効果を有する。
また、本発明においては、連通部を有する回動連通体を
吸入管、空気供給管、クランクケース、掃気通路の間に
配設し、クランクケースと掃気通路間の連通及び非連通
を所定周期で切替える一方、吸入期間は吸気管とクラン
クケースとの間を連通させて混合ガスを吸入すると共に
空気供給管と掃気通路とを連通させて掃気通路へ空気流
入可能とし、また吸入期間以外は吸気管とクランクケー
スとの間及び空気供給管と掃気通路の間をそれぞれ閉止
して逆流を防いで、逆止弁並びに空気逆止弁の働きを受
持たせることにより、各弁を回動連通体一つにまとめた
簡略な構造にでき、燃焼室への空気及び混合ガス供給を
適切に制御して、空気による混合ガスの吹抜け防止と燃
焼室内での十分な混合ガス量の確保による燃焼安定化と
の両立が、より低コストで実現を図れるという効果を有
する。また、本発明においては、連通部を有する回動連
通体を吸入管、空気供給管、掃気通路の間に配設し、吸
入行程の初・中期は吸気管と掃気通路を連通させ、掃気
通路を介して混合ガスをクランクケースに吸入し、ま
た、吸入行程末期は空気供給管と掃気通路を連通させ、
クランクケースの負圧で空気を掃気通路に導入し、これ
以外の期間では吸気管、空気供給管共に掃気通路に非連
通として逆流を防いで、空気逆止弁並びに逆止弁の働き
を受持たせることにより、各弁を回動連通体一つにまと
めて簡略な機関構造にできると共に、掃気通路への連通
を吸気管から空気供給管に切替えることで確実に混合ガ
スと空気の吸入割合を制御でき、空気の流入量を適正と
して空気による混合ガスの吹抜け防止と燃焼室内での十
分な混合ガス量の確保による燃焼安定化との両立が図れ
るという効果を有する。また、本発明においては、連通
部を有する回動連通体を排気ポートと排気管との間に配
設し、これらの間の連通及び非連通を所定周期で切替え
ることにより、連通部の設定で排ガス排出のタイミング
調整が確実に行え、混合ガスの排気管への流出をより確
実に抑制できることとなり、排ガスを低公害化すると共
に燃料消費効率を高められるという効果を有する。ま
た、本発明においては、複数の連通部が形成される回動
連通体を所定のタイミング又は可変のタイミングで回動
させると共に、複数の連通部を切換えて吸気及び/又は
排気の周期を変化させることにより、通常のサイクルと
切換自在に、ピストンが上下する行程と機関の吸入・圧
縮並びに膨張・排出・掃気の各行程とを適切に組合せた
非燃焼期間を含む機関サイクルが可能となることとな
り、簡略な構造で機関出力を負荷に応じてより細かく且
つ能動的に制御でき、特に部分負荷状態における燃費の
向上が図れ、機関効率を高められるという効果を有す
る。また、本発明においては、回動連通体を所定のタイ
ミング又は可変のタイミングで回動させると共に、軸方
向の前後へ移動させ、連通の位相が異なる複数の連通部
を切換えることにより、容易に通常のサイクルと非燃焼
期間を含むサイクルとを切換えられることとなり、負荷
状態に適合してより効率的に機関出力を調整して燃費の
向上が図れるという効果を有する。また、本発明におい
ては、連通部が各々形成される複数の略円筒体を多重に
嵌挿して回動連通体を形成し、いずれかの略円筒体の回
転の位相を変えて連通部の連通周期を切換えることによ
り、容易に通常のサイクルと非燃焼期間を含むサイクル
とを細かく切換えられることとなり、負荷状態に適合し
てより効率的に機関出力を調整して燃費の向上が図れる
という効果を有する。また、本発明においては、回動連
通体が複数の略円筒体の各々を軸方向へ前後動あるいは
回動させて連通部の連通周期を切換えることにより、容
易に通常のサイクルと非燃焼期間を含むサイクルとを細
かく切換えられることとなり、負荷状態に適合してより
効率的に機関出力を調整して燃費の向上が図れるという
効果を有する。また、本発明においては、連通部が形成
される回動連通体を、吸気管とクランクケースとの間及
び/又は排気管と排気ポートとの間に介装し、この回動
連通体を所定のタイミング又は可変のタイミングで回動
させ、連通部が、前記吸気管及び/又は排気管側への連
通の開始あるいは終了のタイミングとクランクケース及
び/又は排気ポート側への連通の開始あるいは終了のタ
イミングとをずらして各々を連通させることにより、回
動連通体の連通部内に混合ガス及び/又は排ガスを所定
の圧力で所定期間滞留させられることとなり、吸気慣性
及び/又は排気慣性を混合ガスのクランクケースへの吸
入及び/又は排ガスの燃焼室からの排出に有効に活用さ
せたり、クランクケース内の混合ガス量を調整して実圧
縮比を変化させたり等、混合ガスのクランクケースへの
吸入又は排ガスの燃焼室からの排出をより細かく且つ能
動的に制御できることとなり、簡略な構造で吸気・排気
の効率を高められるという効果を有する。また、本発明
においては、回動連通体を所定のタイミング又は可変の
タイミングで回動させると共に、軸方向の前後へ移動さ
せることにより、連通部の連通対象に対する開口状態
(開口形状、開口位置等)を変えて連通タイミングをよ
り複雑に可変制御でき、機関回転数に適合してより効率
的な混合ガスの吸入あるいは排ガスの排出が行えること
となり、全ての回転数範囲で出力及び燃費の向上が図れ
るという効果を有する。また、本発明においては、連通
部が各々形成される複数の略円筒体を多重に嵌挿して回
動連通体を形成することにより、連通部の連通対象に対
する開口状態を変えて連通タイミングをより複雑に変化
させられ、機関回転数に適合してより効率的な混合ガス
の吸入あるいは排ガスの排出が行えることとなり、全て
の回転数範囲で出力及び燃費の向上が図れるという効果
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の第1の実施の形態に係る内燃
機関の吸入及び圧縮行程前半説明図である。(B)は本
発明の第1の実施の形態に係る内燃機関の吸入及び圧縮
行程後半説明図である。
【図2】(A)は本発明の第1の実施の形態に係る内燃
機関の膨張及び排出行程初期説明図である。(B)は本
発明の第1の実施の形態に係る内燃機関の膨張及び排出
行程末期説明図である。
【図3】(A)は本発明の第1の実施の形態に係る内燃
機関の掃気行程前半説明図である。(B)は本発明の第
1の実施の形態に係る内燃機関の掃気行程後半説明図で
ある。
【図4】(A)は本発明の第1の実施の形態に係る内燃
機関の他の回動連通体の開口割合変化状態説明図であ
る。(B)は本発明の第1の実施の形態に係る内燃機関
の他の回動連通体における吸入開始時期の変化状態説明
図である。(C)は本発明の第1の実施の形態に係る内
燃機関の他の回動連通体における排出開始時期の変化状
態説明図である。
【図5】(A)は本発明の第2の実施の形態に係る内燃
機関の吸入及び圧縮行程前半説明図である。(B)は本
発明の第2の実施の形態に係る内燃機関の吸入及び圧縮
行程後半説明図である。
【図6】(A)は本発明の第2の実施の形態に係る内燃
機関の膨張及び排出行程初期説明図である。(B)は本
発明の第2の実施の形態に係る内燃機関の膨張及び排出
行程末期説明図である。
【図7】(A)は本発明の第2の実施の形態に係る内燃
機関の掃気行程前半説明図である。(B)は本発明の第
2の実施の形態に係る内燃機関の掃気行程後半説明図で
ある。
【図8】(A)は本発明の第3の実施の形態に係る内燃
機関の吸入及び圧縮行程前半説明図である。(B)は本
発明の第3の実施の形態に係る内燃機関の吸入及び圧縮
行程後半説明図である。
【図9】(A)は本発明の第3の実施の形態に係る内燃
機関の膨張及び排出行程初期説明図である。(B)は本
発明の第3の実施の形態に係る内燃機関の膨張及び排出
行程末期説明図である。
【図10】(A)は本発明の第3の実施の形態に係る内
燃機関の掃気行程前半説明図である。(B)は本発明の
第3の実施の形態に係る内燃機関の掃気行程後半説明図
である。
【図11】(A)は本発明の第4の実施の形態に係る内
燃機関の要部概略構成横断面図である。(B)は本発明
の第4の実施の形態に係る内燃機関の定常状態の要部縦
断面図である。(C)は本発明の第4の実施の形態に係
る内燃機関の低負荷状態の要部縦断面図である。
【図12】(A)は本発明の第5の実施の形態に係る内
燃機関の定常状態の吸入及び圧縮行程前半説明図であ
る。(B)は本発明の第5の実施の形態に係る内燃機関
の定常状態の吸入及び圧縮行程後半説明図である。
【図13】(A)は本発明の第5の実施の形態に係る内
燃機関の定常状態の膨張及び排出行程初期説明図であ
る。(B)は本発明の第5の実施の形態に係る内燃機関
の定常状態の膨張及び排出行程末期説明図である。
【図14】(A)は本発明の第5の実施の形態に係る内
燃機関の定常状態の掃気行程前半説明図である。(B)
は本発明の第5の実施の形態に係る内燃機関の定常状態
の掃気行程後半説明図である。
【図15】(A)は本発明の第5の実施の形態に係る内
燃機関の低負荷状態の吸入及び圧縮行程前半説明図であ
る。(B)は本発明の第5の実施の形態に係る内燃機関
の低負荷状態の吸入及び圧縮行程後半説明図である。
【図16】(A)は本発明の第5の実施の形態に係る内
燃機関の低負荷状態の膨張及び排出行程説明図である。
(B)は本発明の第5の実施の形態に係る内燃機関の低
負荷状態の圧縮行程説明図である。
【図17】(A)は本発明の第5の実施の形態に係る内
燃機関の低負荷状態の排気行程初期説明図である。
(B)は本発明の第5の実施の形態に係る内燃機関の低
負荷状態の排気行程末期説明図である。
【図18】(A)は従来の内燃機関の吸入及び圧縮行程
説明図である。(B)は従来の内燃機関の膨張、排出及
び掃気行程説明図である。
【符号の説明】
11、21、31、51 空気供給管 12 空気取入用回動連通体 12a、13a、14a、15a、16a 連通部 13 排気用回動連通体 14 吸気用回動連通体 15 吸気用調整連通体 16 排気用調整連通体 22、32 回動連通体 22a、22b、32a 連通部 41、52 回動連通体 41a、41b、41c、41d、42a 連通部 42、53 内側回動連通体 52a、53a、53b 連通部 101 燃焼室 102 吸気管 103 排気管 103a 排気ポート 104 クランクケース 104a リードバルブ 105 ピストン 105a 空気通路孔 106 掃気通路 106a 掃気ポート 107 クランクシャフト 108 点火プラグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 9/16 F02D 9/16

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料を空気と共に燃焼させる燃焼室に前
    記燃料及び空気の混合ガスあるいは無燃料ガスを送込む
    クランクケースと、当該クランクケースに前記各ガスを
    吸入させる吸気管と、前記クランクケースから吸気管へ
    の前記各ガスの逆流を防ぐ逆止弁と、前記クランクケー
    ス及び燃焼室の間で前記各ガスの通路となる掃気通路
    と、前記燃焼室の所定位置に開口孔状に形成され、前記
    掃気通路の燃焼室側出口をなす掃気ポートと、前記燃料
    及び空気を燃焼させた後の排ガスを燃焼室から排出させ
    る排気管と、前記燃焼室の所定位置に開口孔状に形成さ
    れ、前記排気管の燃焼室側入口をなす排気ポートとを備
    え、燃焼室の掃気ポート及び排気ポートをピストンの上
    下動によりそれぞれ所定のタイミングで開閉して、前記
    各ガスの供給及び排ガスの排出を行う内燃機関におい
    て、 前記掃気通路に接続されて配設される空気供給管と、 当該空気供給管及び掃気通路の間に介装され、空気供給
    管から掃気通路への空気の流入のみ許容する空気逆止弁
    とを備えることを特徴とする内燃機関。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の内燃機関におい
    て、 前記空気逆止弁として、前記空気供給管並びに掃気通路
    の間に回動自在に介装され、一部を開口状態とする一又
    は複数の連通部が形成される断面略円形状の回動連通体
    を備え、 前記回動連通体を回動させ、所定のタイミングで前記空
    気供給管と掃気通路との間に前記連通部を一致させて連
    通させることを特徴とする内燃機関。
  3. 【請求項3】 前記請求項1又は2に記載の内燃機関に
    おいて、 前記逆止弁として、前記吸気管並びにクランクケースの
    間に回動自在に介装され、一部を開口状態とする一又は
    複数の連通部が形成される断面略円形状の回動連通体を
    備え、 前記回動連通体を回動させ、所定のタイミングで前記吸
    気管とクランクケースとの間に前記連通部を一致させて
    連通させることを特徴とする内燃機関。
  4. 【請求項4】 前記請求項3に記載の内燃機関におい
    て、 前記吸気管及び空気供給管が、前記クランクケースの掃
    気通路との連通部分に接続され、 前記回動連通体が、一部を開口状態とする複数の独立し
    た連通部を形成され、クランクケース、掃気通路、吸気
    管、及び空気供給管の間に回動自在に一つ介装されてな
    り、前記逆止弁として吸入期間のみ前記吸気管とクラン
    クケースとの間に一の連通部を一致させて連通させると
    共に、前記空気逆止弁として所定のタイミングで前記空
    気供給管と掃気通路との間に他の連通部を一致させて連
    通させ、さらに所定のタイミングで前記クランクケース
    と掃気通路との間に前記連通部のいずれかを一致させて
    連通状態とすることを特徴とする内燃機関。
  5. 【請求項5】 前記請求項3に記載の内燃機関におい
    て、 前記吸気管が、掃気通路の空気供給管との連通部分に接
    続され、 前記回動連通体が、前記掃気通路、吸気管、及び空気供
    給管の間に回動自在に一つ介装されてなり、前記逆止弁
    として吸入行程の所定の期間のみ前記吸気管と掃気通路
    との間に前記連通部を一致させて吸気管とクランクケー
    スを連通させると共に、前記空気逆止弁として引続いて
    吸入行程の残りの期間のみ前記空気供給管と掃気通路と
    の間に前記連通部を一致させて連通させることを特徴と
    する内燃機関。
  6. 【請求項6】 前記請求項1ないし5のいずれかに記載
    の内燃機関において、 前記燃焼室の排気ポート並びに排気管の間に回動自在に
    介装され、一部を開口状態とする一又は複数の連通部が
    形成される断面略円形状の回動連通体を備え、 当該回動連通体を回動させ、所定のタイミングで前記排
    気ポートと排気管との間に前記連通部を一致させて連通
    させることを特徴とする内燃機関。
  7. 【請求項7】 前記請求項3ないし6のいずれかに記載
    の内燃機関において、 前記回動連通体が、一部を開口状態とする複数の連通部
    を形成されてなり、 前記回動連通体の前記吸気管、空気供給管とクランクケ
    ース及び/又は排気管と燃焼室排気ポートに連通させる
    連通部を複数のうちから切換えて、前記吸気管、空気供
    給管とクランクケース及び/又は排気管と燃焼室排気ポ
    ートを連通させて前記各ガスや空気の吸入及び/又は排
    ガスの排出を行なう周期を変化させることを特徴とする
    内燃機関。
  8. 【請求項8】 前記請求項7に記載の内燃機関におい
    て、 前記回動連通体が、軸方向の前後へ移動自在に配設され
    ると共に、回動方向に各々異なった位相となる連通部を
    それぞれ軸方向にずらして複数形成され、軸方向に変位
    して前記複数の連通部を切換えることを特徴とする内燃
    機関。
  9. 【請求項9】 前記請求項7に記載の内燃機関におい
    て、 前記回動連通体が、複数の連通部が各々形成されて各々
    独立して回動自在な複数の略円筒体を多重に順次嵌挿し
    て形成され、前記いずれかの略円筒体の回転の位相を変
    化させて前記連通部の連通する周期を変化させることを
    特徴とする内燃機関。
  10. 【請求項10】 前記請求項7に記載の内燃機関におい
    て、 前記回動連通体が、複数の連通部が各々形成される複数
    の略円筒体を多重に順次嵌挿して形成され、前記各円筒
    体に各々異なる回動及び/又は軸方向への前後移動を行
    わせて前記連通部の連通する周期を変化させることを特
    徴とする内燃機関。
  11. 【請求項11】 前記請求項2ないし10のいずれかに
    記載の内燃機関において、 前記回動連通体の連通部が、一の連通対象に対する連通
    を開始あるいは終了するタイミングと、他の連通対象に
    対する連通を開始あるいは終了するタイミングとを異な
    らせるように開口形成されてなることを特徴とする内燃
    機関。
  12. 【請求項12】 前記請求項2ないし11のいずれかに
    記載の内燃機関において、 前記回動連通体が、軸方向の前後へ移動自在に配設さ
    れ、機関回転数に応じて軸方向に変位して前記連通部の
    連通するタイミングを連続的に変化させることを特徴と
    する内燃機関。
  13. 【請求項13】 前記請求項2ないし11のいずれかに
    記載の内燃機関において、 前記回動連通体が、連通部が各々形成される複数の略円
    筒体を多重に順次嵌挿して形成され、前記各円筒体に機
    関回転数に応じて各々異なる回動及び/又は軸方向への
    前後移動を行わせて前記連通部の連通するタイミングを
    連続的に変化させることを特徴とする内燃機関。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6817323B2 (en) 2001-02-01 2004-11-16 John Arthur Notaras Internal combustion engine
WO2007000903A1 (ja) * 2005-06-29 2007-01-04 Souji Nakagawa 内燃機関の吸気・排気構造
JP2011149375A (ja) * 2010-01-22 2011-08-04 Yamabiko Corp 2ストローク内燃エンジン及びその掃気方法
US11236651B2 (en) 2017-11-24 2022-02-01 Brp-Rotax Gmbh & Co. Kg Exhaust valve assembly for a two-stroke internal combustion engine

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US11891930B2 (en) 2017-11-24 2024-02-06 Brp-Rotax Gmbh & Co. Kg Exhaust valve assembly for a two-stroke internal combustion engine

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