JPH1180765A - 接点潤滑剤および小型モータ - Google Patents

接点潤滑剤および小型モータ

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JPH1180765A
JPH1180765A JP23933497A JP23933497A JPH1180765A JP H1180765 A JPH1180765 A JP H1180765A JP 23933497 A JP23933497 A JP 23933497A JP 23933497 A JP23933497 A JP 23933497A JP H1180765 A JPH1180765 A JP H1180765A
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JP
Japan
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lubricant
contact
brush
pentanediol
methyl
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JP23933497A
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English (en)
Inventor
Shunichi Kawasaki
俊一 河崎
Shigenori Uda
成徳 宇田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型モータの高品質と長寿命化を実現するこ
とを目的とする。 【解決手段】 小型モータの接点潤滑剤として、吸湿性
の低い潤滑剤(吸湿性が40℃・90%RHの雰囲気で
15%以下で沸点が160℃から290℃のもの)をゲ
ル化剤でゲル化したものを使用する。または吸湿性の高
い潤滑剤(吸湿性が40℃・90%RHの雰囲気で50
%以上、沸点は250℃以上のもの)をゲル化剤でゲル
化したものを使用する。上記2種類を混合することなく
各々別個に小型モータケース内部へ配したことによりブ
ラシ・整流子の接触安定性を向上させた高品質で長寿命
化を実現した小型モータを提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばテープレコ
ーダー・ビデオテープレコーダーなどのテープを駆動す
るために使用されるブラシと整流子を備えた小型モータ
などの電気接点の接点潤滑剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、接点潤滑剤は多価アルコールを用
いてその蒸気雰囲気で小型モータを運転する場合(日本
国特許1592391号参照)、ブラシ,整流子の接触
安定性の向上と長寿命化を達成できることが知られてい
る。
【0003】接点開閉回数の最も多い小型モータの例で
説明すると、一般に小型モータにおけるブラシは、大き
く分けて二種類ある。
【0004】一つは、弾性を有する導電材料、例えば銅
・ベリリウム銅・銅チタン合金・リン青銅・洋白の薄板
材あるいは線材に貴金属合金(例えば、Au,Pd,P
t,Ag,Cu等およびそれらの合金)をクラッド化、
または薄板材,線材の一部にスポット溶接の手段によっ
て接合した構造である。
【0005】もう一つは、前に述べた薄板材あるいは線
材の一部に焼結カーボンブラシ(例えば、カーボン、A
gカーボン、Cuカーボン、AgCuカーボン、および
それらの材料にSiC,MoS2,Pb,エボキシ系樹
脂などを添加剤として配合したもの)を導電性接着剤、
スポット溶接、あるいはカシメ方式などの手段によって
形成されている。
【0006】これらのブラシを有する小型モータにおい
ては、コミュテータ回転時に、ブラシ摺動部が不必要に
振動し、これによってブラシ摺動部のコミュテータ・セ
グメントに対する接触面に異常な溶着が生じることと、
火花発生に伴う黒化物(分解生成物またはメカノケミカ
ル反応でできた重合物であるカーボン状のものおよびブ
ラシとコミュテータ・セグメント間で生ずる摺動摩耗粉
が混じり合ったもの)といわれる異常現象を促進する異
物が生成されることがしばしば起こり問題となる。
【0007】小型モータのブラシの一例として、コミュ
テータ・セグメントに摺接するブラシ摺動部がモータケ
ースの蓋などに設けられた支持手段により支持されてい
るブラシ基部と一体に成形されたものである。
【0008】一般的なブラシとコミュテータ・セグメン
トとの接触状態を図3に示す。図3において、ブラシ支
持手段1に支持されたブラシ基部2から、折り曲げられ
たブラシ摺動部3が伸びている。このブラシ基部2、ブ
ラシ摺動部それ自体が弾性を有しコミュテータ・セグメ
ント4に押圧された状態で接触している。そして、この
押圧力は、ブラシ基部2とブラシ摺動部3と折り曲げ角
を適当に選ぶことによって、必要な値にすることができ
る。また、コミュテータ・セグメント4は、整流子基台
5を介してモータ回転軸6に固定され、モータの回転と
ともに回転する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、摺接する
コミュテータ・セグメント4とブラシ摺動部3からは、
整流時および、接触点の断続により電気火花が発生し、
この電気火花の発生に伴って電気ノイズや、コミュテー
タ・セグメント4、ブラシ摺動部3に消耗や溶着が発生
するなど、不具合な状態が生じる。
【0010】例えば、コミュテータ・セグメント4と接
触し始める位置および離れる位置(図3のa部)に溶着
が生じると、この溶着物がコミュテータ・セグメント4
の表面を擦過して損傷を与え、さらにこの擦過によって
生じた切屑が、互いに隣合うコミュテータ・セグメント
4の間のギャップ部(図3のb部)に溜まり、そのため
にコミュテータ・セグメント相互間が導通され回転不安
定になる。
【0011】また例えば、摩耗によりコミュテータ・セ
グメント表面の面粗度が粗くなると、ブラシの振動の原
因となり、電気火花の発生を助長し、さらに摩耗を進行
し、異常摩耗などの原因となったり、電気ノイズや整流
位置のズレなどモータの性能そのものを低下してしま
う。
【0012】なお、前記ブラシ摺動部3コミュテータ・
セグメント4との接触面aにおいて、もっともよく電気
火花が発生する。もちろん摺接するコミュテータ・セグ
メント4とブラシ摺動部3には、電気火花を原因としな
い機械的な摩耗も生じるのはいうまでもない。
【0013】よく用いられるブラシ摺動部3の材質は前
記のごとく貴金属合金あるいは焼結カーボンであり、コ
ミュテータ・セグメント4の材質は、Au,Pd,Ag
等の貴金属合金(例えば、AgCu,AgCd,AgC
uCd,AgCuTiなど)からなる。特に貴金属ブラ
シとの組み合わせでは、いずれも、表面エネルギーが高
く両者がほぼ同様の材質であることから、摺接面で擦過
傷が発生し易い不利な組み合わせである。また、焼結カ
ーボンブラシとの組み合わせにおいても、貴金属合金ブ
ラシと較べて摺動抵抗は小さくなるといえども、ブラシ
を構成する配合材料中には、SiO2などの不純物が少
なからず混入しており、擦過傷の危険性はあり、また貴
金属合金のブラシの場合と同様に貴金属合金のカーボン
の場合は、摺接面で擦過傷が発生し易い不利な組み合わ
せになる。
【0014】図4(a)の例は、これらの欠点の原因に
なっている電気火花を、抑制する機械的手段を有してい
ない構造を示す。即ちブラシ摺動部3に振動減衰対策を
何等講じていないものは、ブラシ摺動部の振動が大き
く、火花の発生が多くなり、溶着,消耗が起こり易い。
【0015】図4(b)の例はブラシ摺動部3に振動減
衰対策を講じた構成を示す。即ちブラシ摺動部3に、防
振ゴム9を粘着剤8で貼り付けたものであり、常温にお
いては振動吸収がよく、火花の発生を抑えることができ
る。
【0016】しかし、使用上限温度の60℃近くにおい
ては粘着剤の粘性が著しく低下し、防振ゴム9の摺動部
3との接着力が減少し、振動吸収能力が低下して火花の
発生が多くなり、寿命の長い品質の優れたものは得難く
なる。
【0017】さらに図4(c)は、図4(b)と同様に
ブラシ摺動部3に振動減衰対策を講じた構造の別の例を
示す。即ちブラシ摺動部3に防振シート12を基材10
の両面に粘着剤8を塗布した構成の接着部材11で貼り
付けたものであり、上記図4(b)の例と比較すると、
高温での粘着剤の粘性の低下が、ある程度抑えられるも
のの不充分であり、高温での長寿命,高品質を満足する
ことはできない。
【0018】また、接点潤滑剤として多価アルコールを
用いてその蒸気雰囲気で小型モータを運転する場合、接
触安定性の向上と長寿命化を達成できるが、市場の要求
がさらに3000時間から5000時間へと長寿命化の
流れとなり接点潤滑剤から発生する蒸気雰囲気の寿命時
間の延長が課題となっている。
【0019】なお、このモータを使用する機器の使用雰
囲気温度は、−10℃〜+60℃で使用するものが多
い。
【0020】この接点潤滑剤は、長寿命化が要求されて
いる小型モータに関してブラシ摺動部の寿命を延ばすた
め本発明は、接点潤滑剤から発生する蒸気雰囲気の長寿
命化を図るものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、薄板状あるいは線状金属弾性体からなるブラシ基部
および、このブラシ基部から延設され、あるいはこのブ
ラシ基部の一部に固設されたブラシ摺動部を有するブラ
シを備えた小型モータにおいて、モータケース内の一
部、例えばブラケット上のブラシ摺動部の近傍に、吸湿
性が40℃・90%RHの雰囲気で15%以下であり沸
点が160℃から290℃までの潤滑剤(以降潤滑剤1
と記す)のゲルと吸湿性が40℃・90%RHの雰囲気
で50%以上であり沸点が250℃以上の潤滑剤(以降
潤滑剤2と記す)のゲルをそれぞれ混合することなく単
独で用いるか両者を同一のモータケース内へ混合しない
ように着設する。
【0022】この、潤滑剤1のゲルおよび潤滑剤2のゲ
ルから蒸発する潤滑剤の蒸気と潤滑剤2から放出される
水分が、モータケース内に充満するように構成する。
【0023】これまでの実験で接点潤滑剤の長寿命化に
は、接点潤滑剤を液体で一台あたり0.02g滴下する
のみでは3000時間以上の実用時間の保証が困難であ
る。
【0024】その原因は、低湿度雰囲気を長時間履歴す
ると気相潤滑剤が蒸発してしまい接点部表面への吸着分
子がなくなることにある。接点部表面へ吸着していた気
相潤滑剤のなくなった状態では、ブラシ摺動部とコミュ
テータ・セグメントが摺動する部位の雰囲気か、または
コミュテータ・セグメント自体に不飽和環状炭化水素が
存在したり、吸着したりしていると接点部表面への黒化
物の生成で接触不安定となる。
【0025】そこで上記現象を考慮した結果、小型モー
タの接点潤滑剤として潤滑剤1のゲルまたは潤滑剤2の
ゲルをそれぞれ単独で用いるかまたは混じり合わないよ
うに着設して併用する。ゲル状の気相潤滑剤は従来以上
の量が容易に着設可能である。
【0026】例えば従来の0.02gの気相潤滑剤が3
年の持続時間が確認されているが、ゲル化した気相潤滑
剤を0.06から0.10g着設するとその量のために
持続時間は9年から15年と長寿命化に貢献する。
【0027】さらに潤滑剤1のゲルと潤滑剤2のゲルを
同時に着設すると、気相潤滑剤は、例えば異常現象の発
生する確率の高い高温・低湿においても潤滑剤1の蒸発
を抑制するべく潤滑剤2が水分を放出して湿度を補う。
低湿度雰囲気では、先ず潤滑剤2の保持する水分の放出
によりほぼ密閉構造のモータケース内の低湿雰囲気を緩
和し、潤滑剤1の蒸発量を減じさらに長寿命化が図れ
る。なぜならば潤滑剤2は湿度が高くなると大気中の水
分を吸着して湿度の低い時放出した水分を補うため潤滑
剤1の蒸気が抑えられるためである。
【0028】水分と気相潤滑剤の蒸気雰囲気がケース内
に得られることと、水および気相潤滑剤が有する水酸基
により金属表面に強力に吸着することで接点部表面の潤
滑に充分の効果を得ることができる。
【0029】また小型モータは、空気の流通の少ないほ
ぼ密閉に近い構造であるが、その小型モータが組み込ま
れる機器そのものが空気の流通の少ない構造のものの方
が好効果が得られる。
【0030】気相潤滑剤と水分の吸着で、Au,Pd,
Pt,Ag等およびその合金の触媒作用の強い材料を用
いたコミュテータ・セグメントおよびブラシは勿論のこ
と、Cuなどでできたそれ、焼結カーボンブラシの表
面、およびそれ以外のモータを構成する金属部品の表面
へも吸着し、表面へ電気絶縁性の黒化物を生成し易いガ
ス(スチレンモノマー,トルエン等)が付着することを
防止する。
【0031】これは、多価アルコールと水分が、例えば
スチレンモノマー,トルエン等のファンデアワールスの
引力により吸着する有機ガスに比べて水素結合を作り強
力に吸着するためである。
【0032】また潤滑剤2は、モータを使用する雰囲気
が低湿度となった時水分を放出し、常湿度となった時水
分を保持する。低湿度が長時間連続せず低湿度と常湿度
が繰り返す一般的な使用条件では潤滑剤1と潤滑剤2の
両者の併用が効果時間の延長に特に有効である。
【0033】前述の潤滑剤1と潤滑剤2から蒸発した水
分は、ブラシ、コミュテータ・セグメント表面へ吸着
し、単分子膜を形成するため、潤滑性も極めて向上し、
接触部分の摩耗も著しく減少する。
【0034】本発明は上記気相潤滑剤を使用することに
より、高性能,長寿命の小型モータを得るものである。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、ブラシとコミュテータを有し、ブラシとコミュテー
タが摺動する構造の小型モータのモータケース内に設け
る接点潤滑剤であって吸湿性が40℃・90%RHの雰
囲気で15%以下であり沸点が160℃から290℃ま
での潤滑剤をゲル化するものであり、接点潤滑剤から発
生する蒸気雰囲気の長寿命化を達成するという作用を有
する。
【0036】請求項2に記載の発明は、潤滑剤として
「2−メチル−2,4−ペンタンジオールにプロピレン
オキサイド」1モルを付加したものを用いたものであ
り、接点潤滑剤の長寿命化を達成するという作用を有す
る。
【0037】請求項3に記載の発明は、潤滑剤として
「2−メチル−2,4−ペンタンジオールにエチレンオ
キサイド」1モルを付加したものを用いたものであり、
接点潤滑剤の長寿命化を達成するという作用を有する。
【0038】請求項4に記載の発明は、潤滑剤として
「2−メチル−2,4−ペンタンジオールにプロピレン
オキサイド」2モルを付加したものを用いたものであ
り、接点潤滑剤の長寿命化を達成するという作用を有す
る。
【0039】請求項5に記載の発明は、潤滑剤として
「2−メチル−2,4−ペンタンジオールにエチレンオ
キサイド」2モルを付加したものを用いたものであり、
接点潤滑剤の長寿命化を達成するという作用を有する。
【0040】請求項6に記載の発明は、潤滑剤として
「2−メチル−2,4−ペンタンジオールにプロピレン
オキサイド」3モルを付加したものを用いたものであ
り、接点潤滑剤の長寿命化を達成するという作用を有す
る。
【0041】請求項7に記載の発明は、潤滑剤として
「2−メチル−2,4−ペンタンジオールにエチレンオ
キサイド」3モルを付加したものを用いたものであり、
接点潤滑剤の長寿命化を達成するという作用を有する。
【0042】請求項8に記載の発明は、潤滑剤として2
−メチル−2,4−ペンタンジオールと1,6−ヘキサ
ンジオールを混合したものを用いたものであり、接点潤
滑剤の長寿命化を達成するという作用を有する。
【0043】請求項9に記載の発明は、潤滑剤としてイ
ソプロピルベンジルアルコールを用いたものであり、接
点潤滑剤の長寿命化を達成するという作用を有する。
【0044】請求項10に記載の発明は、潤滑剤として
7メンタノールを用いたものであり、接点潤滑剤の長寿
命化を達成するという作用を有する。
【0045】請求項11に記載の発明は、ブラシとコミ
ュテータを有し、ブラシとコミュテータが摺動する構造
の小型モータのモータケース内に設ける接点潤滑剤であ
って吸湿性が40℃・90%RHの雰囲気で50%以上
であり沸点が250℃以上の潤滑剤をゲル化したもので
あり、接点潤滑剤から発生する蒸気雰囲気の長寿命化を
達成するという作用を有する。
【0046】請求項12に記載の発明は、潤滑剤として
トリエチレングリコールを用いたものであり、接点潤滑
剤の長寿命化を達成するという作用を有する。
【0047】請求項13に記載の発明は、潤滑剤として
テトラエチレングリコールを用いたものであり、接点潤
滑剤の長寿命化を達成するという作用を有する。
【0048】請求項14に記載の発明は、潤滑剤として
トリプロピレングリコールを用いたものであり、接点潤
滑剤の長寿命化を達成するという作用を有する。
【0049】請求項15に記載の発明は、潤滑剤として
テトラプロピレングリコールを用いたものであり、接点
潤滑剤の長寿命化を達成するという作用を有する。
【0050】請求項16に記載の発明は、潤滑剤として
1,4ブタンジオールを用いたものであり、接点潤滑剤
の長寿命化を達成するという作用を有する。
【0051】請求項17に記載の発明は、潤滑剤として
グリセリンを用いたものであり、接点潤滑剤の長寿命化
を達成するという作用を有する。
【0052】請求項18に記載の発明は、潤滑剤のゲル
化剤は、新日本理化(株)製ゲルオールDを使用するも
のであり、接点潤滑剤の長寿命化を達成するという作用
を有する。
【0053】請求項19に記載の発明は、潤滑剤のゲル
化剤は、カラギナンを用いるものであり、接点潤滑剤の
長寿命化を達成するという作用を有する。
【0054】請求項20に記載の発明は、潤滑剤のゲル
化剤は、グアガムを用いるものであり、接点潤滑剤の長
寿命化を達成するという作用を有する。
【0055】請求項21に記載の発明は、請求項1記載
の接点潤滑剤と請求項11記載の接点潤滑剤をそれぞれ
混合することなく独立にモータケース内に用いるもので
あり、接点潤滑剤の長寿命化を達成するという作用を有
する。
【0056】
【実施例】以下本発明の実施例について、図面を参照し
ながら説明する。図1および図2は、それぞれ本発明の
実施例を示したものである。
【0057】ここで図4のものと同一名称部分には同一
符号を付してある。図において、1はブラシ支持手段、
2はブラシ基部、3はブラシ摺動部、4はコミュテータ
・セグメント、5は整流子基台、6はモータ回転軸、7
はメタル、9は防振ゴム、12はブラケット、14,1
5は気相潤滑剤、16はゲル化した気相潤滑剤、17は
巻線、18はアマチュアコア、19はマグネット、20
はモータケースである。
【0058】図1において、フェルトに保持されたゲル
化した気相潤滑剤14はブラケット12上のブラシ摺動
部3の近傍に配置されており、また図2ではブラシ基部
2上にフェルトに保持されたゲル化した気相潤滑剤15
を取り付けてある。
【0059】なお、図1,図2では、いずれもブラシ基
部2の先端部にカーボンブラシより成るブラシ摺動部3
を固着した構成になっているが、ブラシ基部2から曲げ
延設されたブラシ摺動部を設け、その摺動部上にフェル
トに保持されたゲル化した気相潤滑剤を着設してもよ
い。
【0060】また、いずれの実施例も、モータケース内
の雰囲気が多価アルコールと水分による蒸気雰囲気にな
り、ブラシおよびコミュテータ・セグメント表面に潤滑
剤1および水分が吸着することを目的としたものであ
り、その手段はこの限りではない。
【0061】(表2)に、従来と本発明の一実施例のテ
スト品の結果を示す。実施例におけるモータは直流モー
タで、外径30mm高さ25mmの大きさで定格出力0.1
W、試験時の運転条件は、DC4.2V、25mAであ
る。
【0062】このモータの空隙にポリエステルフェルト
をポリフルオロエチレン液で洗浄し脱脂したものに、潤
滑剤1のゲルまたは潤滑剤2のゲルを含侵させたものを
設置したもの16は、多価アルコールと水分が徐々に蒸
発し著しい効果を得ることができた。
【0063】なお、(表1)において、(表2)に対応
する薬品の配合例を示すがこの配合例の範囲のものが特
に著しい性能向上が見られた。
【0064】なお、以上の説明では(表1),(表2)
の組み合わせで説明したが潤滑剤1と潤滑剤2の組み合
わせを変更しても同様の結果が得られる。
【0065】次に、本件発明の具体例を説明する。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】(表1)および(表2)に示す組み合わせ
で実験した所、実施例は何れも顕著な接点潤滑剤の長寿
命化が図れた。
【0069】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、下記の効果を奏する。 1.気相潤滑剤をゲル化することで容易に従来の着設量
の3から5倍が着設できることにより気相潤滑剤の有効
期間が3から5倍に伸びる。 2.潤滑剤1と潤滑剤2が放出する水分がブラシ、コミ
ュテータ・セグメント表面へ吸着することにより、潤滑
作用がはたらき、摺接面の異常摩耗や溶着とそれによる
擦過損傷を防止できる効果がある。(表2)にその結果
の一例を示す。 3.スチレンモノマーやトルエンなどのベンゼン環を有
する有機ガスがあってもブラシ、コミュテータ・セグメ
ント表面へ吸着した多価アルコールと水分の皮膜で保護
され、黒化物の生成も微少となり、ブラシ、コミュテー
タ・セグメント間の接触不良の発生を防止できる。また
接触不良を起こさないため、電気ノイズの発生も減少
し、小型モータの速度の安定化も図られ、結果的には、
1〜30V程度の比較的低電圧用の小型モータが使用さ
れる機器のワウ・フラッターを低減する。(表2)にそ
の結果の一例を示す。 4.潤滑剤1と潤滑剤2から放出される水分の潤滑作用
により一般によく用いられる動作電圧:1〜30V、電
流値:100mA前後のマイクロモータを多価アルコー
ルと水分の雰囲気で運転すると、電流値が5〜10%減
少し、省エネルギー化が図れる。(表2)にその結果の
一例を示す。 5.潤滑剤1と潤滑剤2が放出する水分がブラシとコミ
ュテータの摺動により発生する振動を押さえるダンピン
グ効果を有し、1〜10%の機械雑音の減少を可能とす
る。即ちブラシに通常張り付ける防振ゴムと殆ど同程度
の消音効果を有する。(表2)にその結果の一例を示
す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の構成図
【図2】本発明の実施例の構成図
【図3】一般的なブラシ、コミュテータの構成を示す図
【図4】従来のブラシ摺動部の代表的構成を示す図
【符号の説明】
4 コミュテータ・セグメント 14 ブラケット 16 ゲル化した気相潤滑剤 20 モータケース

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブラシとコミュテータを有し、ブラシとコ
    ミュテータが摺動する構造の小型モータのモータケース
    内に設ける接点潤滑剤であって吸湿性が40℃・90%
    RHの雰囲気で15%以下であり沸点が160℃から2
    90℃までの潤滑剤をゲル化した接点潤滑剤。
  2. 【請求項2】潤滑剤として「2−メチル−2,4−ペン
    タンジオールにプロピレンオキサイド」1モルを付加し
    たものを用いた請求項1記載の接点潤滑剤。
  3. 【請求項3】潤滑剤として「2−メチル−2,4−ペン
    タンジオールにエチレンオキサイド」1モルを付加した
    ものを用いた請求項1記載の接点潤滑剤。
  4. 【請求項4】潤滑剤として「2−メチル−2,4−ペン
    タンジオールにプロピレンオキサイド」2モルを付加し
    たものを用いた請求項1記載の接点潤滑剤。
  5. 【請求項5】潤滑剤として「2−メチル−2,4−ペン
    タンジオールにエチレンオキサイド」2モルを付加した
    ものを用いた請求項1記載の接点潤滑剤。
  6. 【請求項6】潤滑剤として「2−メチル−2,4−ペン
    タンジオールにプロピレンオキサイド」3モルを付加し
    たものを用いた請求項1記載の接点潤滑剤。
  7. 【請求項7】潤滑剤として「2−メチル−2,4−ペン
    タンジオールにエチレンオキサイド」3モルを付加した
    ものを用いた請求項1記載の接点潤滑剤。
  8. 【請求項8】潤滑剤として2−メチル−2,4−ペンタ
    ンジオールと1,6−ヘキサンジオールを混合したもの
    を用いた請求項1記載の接点潤滑剤。
  9. 【請求項9】潤滑剤としてイソプロピルベンジルアルコ
    ールを用いた請求項1記載の接点潤滑剤。
  10. 【請求項10】潤滑剤として7メンタノールを用いた請
    求項1記載の接点潤滑剤。
  11. 【請求項11】ブラシとコミュテータを有し、ブラシと
    コミュテータが摺動する構造の小型モータのモータケー
    ス内に設ける接点潤滑剤であって吸湿性が40℃・90
    %RHの雰囲気で50%以上であり沸点が250℃以上
    の潤滑剤をゲル化した接点潤滑剤。
  12. 【請求項12】潤滑剤としてトリエチレングリコールを
    用いた請求項11記載の接点潤滑剤。
  13. 【請求項13】潤滑剤としてテトラエチレングリコール
    を用いた請求項11記載の接点潤滑剤。
  14. 【請求項14】潤滑剤としてトリプロピレングリコール
    を用いた請求項11記載の接点潤滑剤。
  15. 【請求項15】潤滑剤としてテトラプロピレングリコー
    ルを用いた請求項11記載の接点潤滑剤。
  16. 【請求項16】潤滑剤として1,4ブタンジオールを用
    いた請求項11記載の接点潤滑剤。
  17. 【請求項17】潤滑剤としてグリセリンを用いた請求項
    11記載の接点潤滑剤。
  18. 【請求項18】潤滑剤のゲル化剤は、新日本理化(株)
    製ゲルオールDを使用する請求項1または請求項11記
    載の接点潤滑剤。
  19. 【請求項19】潤滑剤のゲル化剤は、カラギナンを用い
    る請求項1または請求項11記載の接点潤滑剤。
  20. 【請求項20】潤滑剤のゲル化剤は、グアガムを用いる
    請求項1または請求項11記載の接点潤滑剤。
  21. 【請求項21】請求項1記載の接点潤滑剤と請求項11
    記載の接点潤滑剤をそれぞれ混合することなく独立にモ
    ータケース内に用いる小型モータ。
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