JPH07107710A - 小型モータ - Google Patents

小型モータ

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JPH07107710A
JPH07107710A JP24902493A JP24902493A JPH07107710A JP H07107710 A JPH07107710 A JP H07107710A JP 24902493 A JP24902493 A JP 24902493A JP 24902493 A JP24902493 A JP 24902493A JP H07107710 A JPH07107710 A JP H07107710A
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JP
Japan
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hygroscopicity
atmosphere
brush
alcohol
polyhydric alcohol
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JP24902493A
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English (en)
Inventor
Shigenori Uda
成徳 宇田
Seiji Kurozumi
誠治 黒住
Kazuya Nakamura
一也 中村
Kazuaki Sato
和明 佐藤
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型モータの高品質と長寿命化を実現する優
れた構成を提供する。 【構成】 小型モータの接点潤滑剤に、吸湿性の低いア
ルコール(吸湿性:40℃・90%RH雰囲気で10%
以下、沸点:160℃〜270℃)即ち1)2−メチル
−2,4−ペンタンジオールにプロピレンオキサイドを
付加したもの、2)2−メチル−2,4−ペンタンジオ
ールにエチレンオキサイドを付加したもの、3)2−メ
チル−2,4−ペンタンジオールに1,6−ヘキサンジ
オールを混合したもの、4)イソプロピルベンジルアル
コール、5)7メンタノールと吸湿性の高い多価アルコ
ール(吸湿性:40℃・90%RH雰囲気で70%以
上、沸点:290℃以上)を混合したものを使用するこ
とにより、ブラシ・整流子の接触安定性を向上させた高
品質で長寿命化を実現した小型モータを提供することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばテープレコーダ
ー・ビデオテープレコーダーなどのテープを駆動するた
めに使用される小型モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】接点開閉回数の最も多い小型モータの例
で説明すると、一般に小型モータにおけるブラシは大き
くわけて二種類ある。
【0003】一つは弾性を有する導電材料、例えば銅・
ベリリウム銅・銅チタン合金・リン青銅・洋白の薄板材
あるいは線材に貴金属合金(例えば、Au,Pd,P
t,Ag,Cu等およびそれらの合金)をクラッド化、
または薄板材,線材の一部にスポット溶接の手段によっ
て接合した構造である。
【0004】もう一つは前に述べた薄板材、あるいは線
材の一部に焼結カーボンブラシ(例えばカーボン,Ag
カーボン,Cuカーボン,AgCuカーボンおよびそれ
らの材料にSiC,MoS2 ,Pb,エポキシ系樹脂な
どを添加剤として配合したもの)を導電性接着剤,スポ
ット溶接、あるいはカシメ方式などの手段によって形成
されている。
【0005】これらのブラシを有する小型モータにおい
ては、コミュテータ回転時にブラシしゅう動部が不必要
に振動し、これによってブラシしゅう動部のコミュテー
タ・セグメントに対する接触面に異常な溶着が生じるこ
とと、火花発生に伴う黒化物(分解生成物またはメカノ
ケミカル反応でできた重合物であるカーボン状のものお
よびブラシとコミュテータ・セグメント間で生ずるしゅ
う動摩耗粉が混じり合ったもの)と言われる異常現象を
促進する異物が生成されることがしばしば起こり問題と
なる。
【0006】小型モータのブラシの一例として、コミュ
テータ・セグメントにしゅう接するブラシしゅう動部が
モータケースの蓋などに設けられた支持手段により支持
されているブラシ基部と一体に成形されたものがある。
【0007】その種のブラシとコミュテータ・セグメン
トとの接触状態を図3に示す。図3において、ブラシ支
持手段1に支持されたブラシ基部2から、折り曲げられ
たブラシしゅう動部3が伸びている。このブラシ基部
2,ブラシしゅう動部それ自体が弾性を有し、コミュテ
ータ・セグメント4に押圧された状態で接触している。
そしてこの押圧力は、ブラシ基部2とブラシしゅう動部
3との折り曲げ角を適当に選ぶことによって必要な値に
することができる。また、コミュテータ・セグメント4
は整流子基台5を介してモータ回転軸6に固定され、モ
ータの回転とともに回転する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、しゅう接
するコミュテータ・セグメント4とブラシしゅう動部3
からは整流時および接触点の断続により電気火花が発生
し、この電気火花の発生に伴って電気ノイズや、コミュ
テータ・セグメント4,ブラシしゅう動部3に消耗や溶
着が発生するなど、不都合な状態が生じる。
【0009】例えば、コミュテータ・セグメント4と接
触し始める位置および離れる位置(図3のa部分)に溶
着が生じると、この溶着物がコミュテータ・セグメント
4の表面を擦過して損傷を与え、さらにこの擦過によっ
て生じた切屑が互いに隣合うコミュテータ・セグメント
4の間のギャップ部(図3のb部分)に溜まり、そのた
めにコミュテータ・セグメント相互間が導通され回転不
安定になる。
【0010】また例えば、摩耗によりコミュテータ・セ
グメント表面の面粗度が粗くなるとブラシの振動の原因
となり、電気火花の発生を助長しさらに摩耗を進行し異
常摩耗などの原因となったり、電気ノイズや整流位置の
ズレなどモータの性能そのものを低下してしまう。
【0011】なお、前記ブラシしゅう動部3コミュテー
タ・セグメント4との接触面aにおいてもっともよく電
気火花が発生する。もちろんしゅう接するコミュテータ
・セグメント4とブラシしゅう動部3には、電気火花を
原因としない機械的な摩耗も生じるのはいうまでもな
い。
【0012】よく用いられるブラシしゅう動部3の材質
は前記のごとく貴金属合金あるいは焼結カーボンであ
り、コミュテータ・セグメント4の材質は、Au,P
d,Ag等の貴金属合金(例えば、AgCu,AgC
d,AgCuCd,AgCuTiなど)からなる。特に
貴金属ブラシとの組み合わせではいずれも表面エネルギ
ーが高く両者がほぼ同様の材質であることから、しゅう
接面で擦過傷が発生し易い不利な組み合わせである。ま
た、焼結カーボンブラシとの組み合わせにおいても、貴
金属合金ブラシと較べてしゅう動抵抗は小さくなるとい
えども、ブラシを構成する配合材料中にはSiO2 など
の不純物が少なからず混入しており、擦過傷の危険性は
あり、また貴金属合金ブラシの場合と同様に貴金属合金
のカーボンの場合は、しゅう接面で擦過傷が発生し易い
不利な組み合わせになる。
【0013】図4(a)の例は、これらの欠点の原因と
なっている電気火花を抑制する機械的手段を有していな
い構造を示す。すなわちブラシしゅう動部3に振動減衰
対策を何等講じていないものはブラシしゅう動部の振動
が大きく、火花の発生が多くなり溶着,消耗が起こり易
い。
【0014】図4(b)の例は、ブラシしゅう動部3に
振動減衰対策を講じた構成を示す。すなわちブラシしゅ
う動部3に防振ゴム9を粘着剤8で貼り付けたものであ
り、常温においては振動吸収がよく、火花の発生を抑え
ることができる。
【0015】しかし、使用上限温度の60℃近くにおい
ては粘着剤の粘性が著しく低下し、防振ゴム9のしゅう
動部3との接着力が減少し、振動吸収能力が低下して火
花の発生が多くなり、寿命の長い品質の優れたものは得
難くなる。
【0016】さらに図4(c)は、図4(b)と同様に
ブラシしゅう動部3に振動減衰対策を講じた構造の別の
例を示す。すなわちブラシしゅう動部3に防振シート1
2を基材10の両面に粘着剤8を塗布した構成の接着部
材11で貼り付けたものであり、上記図4(b)の例と
比較すると、高温での粘着剤の粘性の低下がある程度抑
えられるものの不充分であり、高温での長寿命,高品質
を満足することはできない。
【0017】また、接点潤滑剤として多価アルコールを
用いてその蒸気雰囲気で小型モータを運転する場合(日
本特許登録NO.1592391参照)、接触安定性の向
上と長寿命化を達成できるが、市場の要求が更に200
0時間から5000時間へと長寿命化の流れとなり接点
潤滑剤の寿命の延長が課題となっている。
【0018】なお、この機器の使用雰囲気温度は、−1
0℃〜+60℃で使用するものが多い。
【0019】本発明は、接点潤滑剤の飛躍的な長寿命化
を図るものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記問題点を解決するた
めに、薄板状あるいは線状金属弾性体からなるブラシ基
部およびこのブラシ基部から延設され、あるいはこのブ
ラシ基部の一部に固設されたブラシしゅう動部を有する
ブラシを備えた小型モータにおいて、モータケース内の
一部、例えばブラケット上のブラシしゅう動部の近傍に
吸湿性の低いアルコール(吸湿性:40℃・90%RH
雰囲気で10%以下、沸点:160℃〜270℃)と吸
湿性の高い多価アルコール(吸湿性:40℃・90%R
H雰囲気で70%以上、沸点:290℃以上)を混合し
たものを含浸させた部材、例えばフェルトを接着剤で固
着あるいは圧着方式などの手段で着設する。
【0021】この、吸湿性の低いアルコール(吸湿性:
40℃・90%RH雰囲気で10%以下、沸点:160
℃〜270℃)と吸湿性の高い多価アルコール(吸湿
性:40℃・90%RH雰囲気で70%以上、沸点:2
90℃以上)を混合したものが雰囲気温度により吸湿性
の低いアルコール(吸湿性:40℃・90%RH雰囲気
で10%以下、沸点:160℃〜270℃)の蒸気と吸
湿性の高い多価アルコール(吸湿性:40℃・90%R
H雰囲気で70%以上、沸点:290℃以上)から放出
される水蒸気の雰囲気となり、モータケース内に充満す
るように構成する。
【0022】
【作用】これまでの実験で接点潤滑剤の長寿命化には、
吸湿性の低いアルコール(吸湿性:40℃・90%RH
雰囲気で10%以下、沸点:160℃〜270℃)(4
0℃・90%RH雰囲気での吸水率が10%以下)のみ
では限界があることが解明されつつある。寿命の短くな
る原因は、低湿度雰囲気を長時間履歴すると多価アルコ
ールが蒸発してしまい接点部表面への吸着分子がなくな
ることにある。接点部表面へ吸着していた多価アルコー
ルのなくなった状態では、ブラシしゅう動部とコミュテ
ータ・セグメントがしゅう動する部位の雰囲気か、また
はコミュテータ・セグメント自体に不飽和環状炭化水素
が存在したり、吸着したりしていると接点部表面への黒
化物の生成で接触不安定となる。
【0023】また不飽和環状炭化水素以外の炭化水素の
雰囲気では、コミュテータ・セグメントへの吸着により
その分子構造に起因するものであるが、生成するカーボ
ンは軟質のものとなり異常現象につながらぬことが解明
されている。これらの現象をもとにして、微量の炭化水
素の吸着したコミュテータ・セグメントを用いて長期間
の運転実験を行った。この実験で、 (1)高温・低湿の場合のコミュテータ・セグメントに
異常摩耗の発生する確率が高い。
【0024】そこで上記現象を考慮した結果、小型モー
タの接点潤滑剤として分解し易い、また電気接点のアー
クエネルギーで燃焼し易い分子構造のアルコール類を用
いると、スチレンモノマーやトルエンと異なりその分子
構造の中に酸素や3級のカーボンを有しているためによ
く燃焼し、異常現象の一つである硬質の黒化物生成に対
して最も遠い存在となり、カーボン生成があっても極め
て軟質のものとなりブラシしゅう動部とコミュテータ・
セグメントのしゅう動抵抗を減ずる。しかし、小型モー
タの長寿命化の要求の度合いによりアルコール類の蒸発
速度を抑制しさらに長寿命を達成する必要が生まれてき
た。
【0025】そこで上記現象を考慮した結果、小型モー
タの接点潤滑剤として吸湿性の低いアルコール(吸湿
性:40℃・90%RH雰囲気で10%以下、沸点:1
60℃〜270℃)と吸湿性の高い多価アルコール(吸
湿性:40℃・90%RH雰囲気で70%以上、沸点:
290℃以上)を併用する。
【0026】この接点潤滑剤は、例えば異常現象の発生
する確率の高い高温・低湿においても吸湿性の低いアル
コール(吸湿性:40℃・90%RH雰囲気で10%以
下、沸点:160℃〜270℃)の蒸発を抑制する雰囲
気が吸湿性の高い多価アルコール(吸湿性:40℃・9
0%RH雰囲気で70%以上、沸点:290℃以上)が
放出する水分により得られる。低湿度雰囲気では、まず
吸湿性の高い多価アルコール(吸湿性:40℃・90%
RH雰囲気で70%以上、沸点:290℃以上)の保持
する水分の放出によりほぼ密閉構造のモータケース内の
低湿雰囲気を緩和し、沸点の低い多価アルコール類の蒸
発量を減じ長寿命化を図るものである。
【0027】水分と多価アルコールの蒸気雰囲気がケー
ス内に得られることと、水および多価アルコールが有す
る水酸基により金属表面に強力に吸着することで接点部
表面の潤滑に充分の効果を得ることができる。
【0028】また小型モータは、空気の流通の少ないほ
ぼ密閉に近い構造であるが、その小型モータが組み込ま
れる機器そのものが空気の流通の少ない構造のものの方
が好結果が得られる。
【0029】多価アルコールと水分の吸着で、Au,P
d,Pt,Ag,等およびその合金の触媒作用の強い材
料を用いたコミュテータ・セグメントおよびブラシは勿
論のこと、Cuなどでできたそれ、焼結カーボンブラシ
の表面およびそれ以外のモータを構成する金属部品の表
面へも吸着し、表面へ電気絶縁性の黒化物を生成し易い
ガス(スチレンモノマー,トルエン等)が付着すること
を防止する。
【0030】これは、多価アルコールと水分が例えばス
チレンモノマー,トルエン等のファンデアワールスの引
力より吸着する有機ガスに比べて水素結合を作り強力に
吸着するためである。
【0031】また吸湿性の高い多価アルコール(吸湿
性:40℃・90%RH雰囲気で70%以上、沸点:2
90℃以上)は、モータを使用する雰囲気が低湿度とな
った時水分を放出し、常湿度となった時水分を保持す
る。低湿度が長期間連続せず低湿度と常湿度が繰り返す
一般的な使用条件では両者の併用が効果時間の延長に特
に有効である。
【0032】前述の多価アルコールと水分は、ブラシ,
コミュテータ・セグメント表面へ吸着し単分子膜を形成
するため、潤滑性も極めて向上し接触部分の摩耗も著し
く減少する。
【0033】本発明は上記接点潤滑剤を使用することに
より、高性能,長寿命の小型モータを得るものである。
【0034】
【実施例】以下本発明の実施例について、図を参考にし
ながら説明する。図1および図2は、それぞれ本発明の
一実施例を示したものである。
【0035】ここで図4のものと同一名称部分には同一
符号を付してある。図において、3はブラシしゅう動
部、14はブラシしゅう動部3などを保持するブラケッ
ト、15はモータケース下、16は多価アルコールと吸
湿剤を含浸させたフェルトである。
【0036】図1の実施例ではフェルト16はブラケッ
ト14上のブラシしゅう動部3の近傍に配置されてお
り、また図2の実施例ではブラシ基部2上にフェルト1
6を取り付けてある。
【0037】なお、図1,図2の実施例ではいずれもブ
ラシ基部2の先端部にカーボンブラシよりなるブラシし
ゅう動部3を固着した構成になっているが、ブラシ基部
2から曲げ延設されたブラシしゅう動部を設け、そのし
ゅう動部上にフェルト16を着設してもよい。
【0038】また、いずれの実施例も、モータケース内
の雰囲気が多価アルコールと水分による蒸気雰囲気にな
り、ブラシおよびコミュテータ・セグメント表面に多価
アルコールと水分が吸着することを目的としたものであ
り、その手段はこの限りではない。
【0039】(表1)に、従来例と本発明の実施例のテ
スト品の結果を示す。
【0040】
【表1】
【0041】実施例におけるモータは直流モータで外径
30mm、高さ25mmの大きさで定格出力0.1W、試験
時の運転条件はDC4.2V、25mAである。
【0042】このモータの空隙にポリエステルフェルト
16をポリフルオロエチレン液で洗浄し脱脂したもの
に、吸湿性の低いアルコール(吸湿性:40℃・90%
RH雰囲気で10%以下、沸点:160℃〜270℃)
と吸湿性の高い多価アルコール(吸湿性:40℃・90
%RH雰囲気で70%以上、沸点:290℃以上)を含
浸させたものを設置したものは、多価アルコールと水分
が徐々に蒸発し著しい効果を得ることができた。
【0043】前記ポリエステルフェルト16は、その繊
維の太さとみかけ比重を変えることによって蒸発スピー
ドのコントロールが可能である。前記ポリエステルフェ
ルト16のかわりに連続発泡のプラスチックまたはゴム
のスポンジを用いても著しい効果を得ることができた。
【0044】
【表2】
【0045】なお、(表2)において、(表1)に対応
する薬品の配合例を示すがこの配合例の範囲のものが特
に著しい性能向上が見られた。
【0046】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、下記の効果を奏する。
【0047】多価アルコールと水分がブラシ,コミュテ
ータ・セグメント表面へ吸着することにより潤滑作用が
働き、しゅう接面の異常摩耗や溶着とそれによる擦過損
傷を防止できる効果がある。(表1)にその結果の一例
を示す。
【0048】スチレンモノマーやトルエンなどのベンゼ
ン環を有する有機ガスがあってもブラシ,コミュテータ
・セグメント表面へ吸着した多価アルコールと水分の皮
膜で保護され、黒化物の生成も微少となりブラシ,コミ
ュテータ・セグメント間の接触不良の発生を防止でき
る。また接触不良を起こさないため電気ノイズの発生も
減少し、小型モータの速度の安定化も図られ、結果的に
は1〜30V程度の比較的低電圧用の小型モータが使用
される機器のワウ・フラッターを低減する。(表1)に
その結果の一例を示す。
【0049】多価アルコールと水分の潤滑作用により一
般によく用いられる動作電圧:1〜30V、電流値:1
00mA前後のマイクロモータを多価アルコールと水分
の雰囲気で運転すると電流値が5〜10%減少し、省エ
ネルギー化がはかれる。(表1)にその結果の一例を示
す。
【0050】上記実施例のごとく、本発明の薬品の混合
比の範囲で良好な結果を得た。これは吸湿性の低い多価
アルコールが30%以下になると沸騰点の高いグリセリ
ンの割合が増し、グリセリンの保持する水分で吸湿性の
低い多価アルコールの蒸発を抑制できても絶対量が不足
し長寿命化を達成するに至らないものと思われる。ま
た、吸湿性の低い多価アルコールが90%以上の場合
は、低湿度雰囲気で湿度を調整するグリセリンの量が不
足し低湿度の改善が困難で蒸発が早まり、長期間にわた
って特性を維持することが困難になるためと判断でき
る。
【0051】多価アルコールと水分がブラシとコミュテ
ータのしゅう動により発生する振動を押さえるダンピン
グ効果を有し、1〜10%の機械雑音の減少を可能とす
る。すなわちブラシに通常張りつける防振ゴムと殆ど同
程度の消音効果を有する。(表1)にその結果の一例を
示す。
【0052】吸湿性の低いアルコール(吸湿性:40℃
・90%RH雰囲気で10%以下、沸点:160℃〜2
70℃)は、吸湿性の高い多価アルコール(吸湿性:4
0℃・90%RH雰囲気で70%以上、沸点:290℃
以上)が吸着した水分が蒸発してモータ内部の水分の蒸
気圧を上げるため、その不足分を充足するためだけに使
用されるため長時間徐々に蒸発して効果を発揮する。
【0053】以上の説明から明らかなように本発明によ
れば、下記の効果を奏する。 (1)本発明の薬品が小型モータのブラシおよびコミュ
テータ・セグメントのしゅう動部表面へ吸着することに
より潤滑作用がはたらき、しゅう動面の異常摩耗を防止
できる。 (2)しゅう動面へ吸着した本発明の薬品ガスが比較的
燃焼し易いため、火花により燃焼する場合ブラックパウ
ダーを生成することなくブラシ,コミュテータ・セグメ
ントの接触安定性が長期にわたって確保でき、特性の劣
化を防止する高品位の小型モータを提供することができ
る。 (3)モータケース内が芳香族炭化水素(トルエンな
ど)の微量雰囲気中にあっても前記(1),(2)の効
果が得られ、芳香族炭化水素の微量雰囲気中でも小型モ
ータの使用が可能となった。 (4)吸湿性の高い多価アルコールが常温・常湿の雰囲
気で水分を吸着し低湿度雰囲気で水分を放出するため、
吸湿性の低い多価アルコールの蒸発が緩和され接点潤滑
剤の長寿命化が飛躍的に向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における小型モータの構
成図
【図2】本発明の第2の実施例における小型モータの構
成図
【図3】一般的なブラシおよびコミュテータの構成を示
す図
【図4】従来例のブラシしゅう動部の代表的構成を示す
【符号の説明】
1 ブラシ支持手段 2 ブラシ基部 3 ブラシしゅう動部 4 コミュテータ・セグメント 5 整流子基台 6 モータ回転軸 8 粘着剤 9 防振ゴム 10 基材 11 接着部材 12 防振シート 14 ブラケット 15 モータケース下 16 フェルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 和明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブラシ機構部とコミュテータを有し、ブラ
    シとコミュテータがしゅう動する構造の小型モータにお
    いて、モータケース内に小型モータの接点潤滑剤として
    吸湿性の低いアルコール(吸湿性:40℃・90%RH
    雰囲気で10%以下、沸点:160℃〜270℃)と吸
    湿性の高い多価アルコール(吸湿性:40℃・90%R
    H雰囲気で70%以上、沸点:290℃以上)を混合し
    たものを用いることを特徴とした小型モータ。
  2. 【請求項2】前記吸湿性の低いアルコールとして2−メ
    チル−2,4−ペンタンジオールにプロピレンオキサイ
    ドを付加したものを用いた請求項1記載の小型モータ。
  3. 【請求項3】前記吸湿性の低いアルコールとして2−メ
    チル−2,4−ペンタンジオールにエチレンオキサイド
    を付加したものを用いた請求項1記載の小型モータ。
  4. 【請求項4】前記吸湿性の低いアルコールとして2−メ
    チル−2,4−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジ
    オールを混合したものを用いた請求項1記載の小型モー
    タ。
  5. 【請求項5】前記吸湿性の低いアルコールとしてイソプ
    ロピルベンジルアルコールを用いた請求項1記載の小型
    モータ。
  6. 【請求項6】前記吸湿性の低いアルコールとして7メン
    タノールを用いた請求項1記載の小型モータ。
  7. 【請求項7】前記吸湿性の高い多価アルコール(吸湿
    性:40℃・90%RH雰囲気で70%以上、沸点:2
    90℃以上)としてグリセリンを用いた請求項1記載の
    小型モータ。
  8. 【請求項8】前記吸湿性の高い多価アルコール(吸湿
    性:40℃・90%RH雰囲気で70%以上、沸点:2
    90℃以上)の割合が10〜70%である請求項1記載
    の小型モータ。
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