JPH1180100A - グロバリンの製造法 - Google Patents

グロバリンの製造法

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JPH1180100A
JPH1180100A JP23855897A JP23855897A JPH1180100A JP H1180100 A JPH1180100 A JP H1180100A JP 23855897 A JP23855897 A JP 23855897A JP 23855897 A JP23855897 A JP 23855897A JP H1180100 A JPH1180100 A JP H1180100A
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JP
Japan
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glycine
iodine
solution
globulin
hydrogen iodide
Prior art date
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Pending
Application number
JP23855897A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshinori Tanaka
良典 田中
Naoki Asashige
朝重  直樹
Mitsuo Nakamura
光雄 中村
Ryoichi Seki
亮一 関
Hideyuki Yamaguchi
秀幸 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グリシン、ヨウ素及びヨウ化水素を反応させ
てグロバリンを製造するに当たり、各原料成分の利用率
を高め、高純度のものを工業的にも容易に製造し得る方
法を提供する。 【解決手段】 反応の終了後、反応液よりグロバリンの
結晶を分離した後、得られる母液にグリシン、ヨウ素及
びヨウ化水素を加え、昇温し反応を行わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、殺菌殺黴活性を有
するグロバリンの製法に関するものであり、より詳しく
は、貴重な資源でもあるヨウ素および他原料を有効に利
用し得るグロバリンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】グロバリンは下記式(1)[化1]
【化1】 で表されるテトラグリシンヒドロパーアイオダイドの呼
称である。上記したグロバリンは、従来より野外での飲
料水の消毒剤等として用いられたりすることのある公知
の化学物質であり(INDUSTRIAL AND ENGINEERING CHEMI
STRY Vol.45 No.5 1013〜1015)、またその製法として
は、例えばJ.Am.Chem.74,1346(1952) に記載されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記文献に記載のよう
な、従来に知られるグロバリン製法においては、水溶媒
中でグリシン、ヨウ化水素およびヨウ素を攪拌下に加熱
して反応させ、次いで冷却し、析出した結晶を分離取得
するといったものである。
【0004】しかして、上記反応で用いられている原料
はモル比において、 グリシン:ヨウ化水素:ヨウ素=12.5: 2.5: 1 で行われており、錯体であるグロバリンの各成分のモル
比である、 グリシン:ヨウ化水素:ヨウ素= 3.2: 0.8: 1 とは著しくかけ離れた数値となっている。
【0005】そのため、得られるグロバリン結晶に対す
る各原料の利用率は、 グリシン ; 23 % ヨウ化水素 ; 46 % ヨウ素 ; 91 % である。ヨウ素は世界的にも貴重な資源であることか
ら、従来に知られるグロバリンの製法はヨウ素を有効利
用できる方法と言えるものではなく、また結晶分離後に
残る廃液の処理問題等も発生することになり、さらには
製造コストも嵩むことから、工業的にグロバリンを製造
するに際してはこれらの問題が解消された方法であるこ
とが望まれる。
【0006】本発明は、グリシン、ヨウ化水素およびヨ
ウ素を原料に用いてグロバリンを製造するにあたり、前
記した問題を解決し、各原料成分の利用率を高め、かつ
高純度のグロバリンを工業的にも容易に製造し得る方法
を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のか
かる課題を解決するために鋭意研究および検討してきた
結果、所定モル比のグリシン、ヨウ化水素およびヨウ素
を反応させた後、該反応液を冷却し、析出したグロバリ
ン結晶を分離した液(母液)に対し、さらにグリシン、
ヨウ化水素およびヨウ素を加え、反応させることによ
り、貴重な資源であるヨウ素をはじめ、各有効成分が効
率的に利用され、かつ高純度のグロバリンが収率よく得
られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、グリシン、ヨウ素お
よびヨウ化水素を反応させてグロバリンを製造するにあ
たり、該反応により生成したグロバリンの結晶を分離し
た後の液に、さらにグリシン、ヨウ素およびヨウ化水素
を加え、反応させることを特徴とするグロバリンの製造
方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施態様について
詳細に説明する。まず、原料の一成分であるグリシンに
は粉末状、粒状または固形状等のものがあるが、本発明
ではこれらいずれのものであってもよい。グリシンの反
応器への仕込みは固体のままか、あるいは水に溶解した
のち、装入するが、反応液中におけるグリシン濃度は、
あまりに薄い場合は生成するグロバリンが反応液中に多
く溶解して目的物の回収率が低下することになってしま
い、またあまりにも高濃度である場合はグリシンが溶解
せず反応が進行しにくくなることから、反応液中に1〜
50重量%の範囲とすることが望ましい。
【0010】次に、ヨウ化水素は、そのままのガス状の
ものでも、あるいは水溶液のものでもいずれであっても
よいが、水との共沸混合物である50〜57重量%濃度の水
溶液を用いることが望ましい。
【0011】また、ヨウ素は粉末状、粒状、球状、塊状
などの形状のものから任意に選択できる。当然、ヨウ化
水素と作用して水に可溶性の多価ヨウ素になってヨウ素
が消費されるため、表面積の大きい粉末状または粒状の
ヨウ素が処理時間の面で望ましい。
【0012】反応溶媒としては、グリシン、ヨウ化水素
および多価ヨウ素を溶解し得るものであれば特に問題は
なく、広い範囲から選択することができるが、溶解性の
面から水を用いるのが最も望ましい。
【0013】反応溶媒中における各原料成分の比率は、
ヨウ素の1モルあたり、ヨウ化水素は1モル以上が必要
であり、望ましくは 2.0〜4.0 モルである。またグリシ
ンは、ヨウ素の1モルあたり4モル以上が必要であり、
望ましくは 6.0〜15.0モルである。上記比率において、
ヨウ化水素が1モル未満であるような場合は、ヨウ素が
溶解しにくく反応液中に固体のまま残りやすくなり、生
成するグロバリンの結晶中に遊離のヨウ素として混入す
るため、好ましくない。
【0014】また、グリシンがあまりにも少ない場合、
特にヨウ素の1モルあたり4モル未満であるような場合
は、下記式(2)[化2]
【化2】 で表される、グリシンとヨウ素との錯体が生成しやすく
なり、このものは不純物として、生成するグロバリンの
結晶中に混入するため望ましくない。
【0015】本発明において、反応系への各原料成分の
装入順序については特に限定はなく、反応時にグリシ
ン、ヨウ化水素およびヨウ素の各成分が存在しているよ
うな態様であれば、これら成分はどのような順序で装入
されても、反応の進行には通常何ら影響はない。
【0016】反応は、溶媒中で上記各原料の混合物を攪
拌下に50〜100 ℃に加熱することにより進行させること
ができる。反応時間は温度にも左右され一定しないが、
通常は 0.5〜4時間の範囲である。次いで反応の終了後
は反応液を冷却し、析出する結晶を分離することにより
目的のグロバリンを得ることができる。
【0017】次いで本発明では、上記グロバリン結晶分
離後の液(母液)を用い、これに原料であるグリシン、
ヨウ素およびヨウ化水素を加え、再び攪拌下に加熱する
ことにより反応を進行させることができ、前記同様の操
作を行うことにより、以下何度でも繰り返しグロバリン
の結晶を得ることが可能である。
【0018】上記において、母液に加える各原料成分の
量および比率は、分離取得されたグロバリンの重量より
化学量論的に求めることができるし、あるいは母液中の
ヨウ素、ヨウ素イオンおよびグリシン濃度を測定し、消
費された各成分の分量を算出することにより求めること
もできる。
【0019】
【実施例】以下、本発明によるグロバリンの製造方法を
実施例を挙げ、更に具体的に説明する。以下において、
%は全て重量基準である。
【0020】実施例1 純水 950mlにグリシン75.1g( 1.0モル)および56%濃
度のヨウ化水素酸水溶液 114g(HIで 0.5モル)を加
え溶解する。次いで昇温しながら60℃にてグリシン 225
g( 3.0モル)およびヨウ素80g(0.32モル)を加え
る。70℃に昇温し、1時間この温度にて熟成した後、穏
やかに5℃まで冷却する。析出した結晶を濾別し、減圧
乾燥した。金属光沢のある黒褐色針状結晶 170.9gが得
られた。元素分析により得られたこのものは、下記式
(1)[化3]
【化3】 で表されるグロバリンであった。その元素分析による各
成分の実測値を下記表1に示す。またこの際の、グロバ
リン結晶を分離取得した後の母液は1240gであった。
【0021】
【表1】
【0022】実施例2 前記実施例1の操作後に残った母液1240gを用い、これ
を攪拌下に60℃に昇温し、グリシン69.2g、56%ヨウ化
水素酸溶液52.1g、ヨウ素73.5gおよび純水10mlを加え
る。次いで70℃に昇温し、1時間この温度にて熟成した
のち、穏やかに5℃まで冷却する。析出した結晶を濾別
し、減圧乾燥した。この操作によるグロバリン結晶の取
得量は 165.4gであり、母液は1245gであった。また、
得られた結晶中の遊離ヨウ素の分析結果は42.4%であっ
た。
【0023】実施例3〜7 前記実施例2の操作後に得られた母液をさらに同様に用
い、以下、これに表2に記載の量のグリシン、ヨウ化水
素酸、ヨウ素および水を加え、繰り返し第3〜7回目の
反応を行わせた。これらのまとめ、ならびに結果を表2
に、各原料に対するグロバリンの収率を表3に、またグ
ロバリンの取得量を表4に、それぞれ示した。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明のグロバリンの製
造方法によれば、結晶分離後の母液は次回の反応用にそ
の全てを使用することができ、何ら廃液を生ずるような
ことがない。
【0028】また、得られるグロバリンは前記表1およ
び2からも明らかなように極めて高純度のものであり、
さらには貴重な資源でもあるヨウ素を有効に利用し得る
方法であることから、本発明によるグロバリンの製法は
工業的にも非常に有用な方法である。
フロントページの続き (72)発明者 関 亮一 千葉県茂原市東郷1900番地 三井東圧化学 株式会社内 (72)発明者 山口 秀幸 千葉県茂原市茂原1579−206

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリシン、ヨウ素およびヨウ化水素を反
    応させてグロバリンを製造するにあたり、該反応により
    生成したグロバリンの結晶を分離した後の液に、さらに
    グリシン、ヨウ素およびヨウ化水素を加え、反応させる
    ことを特徴とするグロバリンの製造方法。
JP23855897A 1997-09-03 1997-09-03 グロバリンの製造法 Pending JPH1180100A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9103498B2 (en) 2006-07-25 2015-08-11 Shell Oil Company Method and apparatus for vaporizing a liquid stream

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9103498B2 (en) 2006-07-25 2015-08-11 Shell Oil Company Method and apparatus for vaporizing a liquid stream

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