JPH1180071A - ペルフルオロカルボン酸ハライドの製造方法 - Google Patents

ペルフルオロカルボン酸ハライドの製造方法

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JPH1180071A
JPH1180071A JP26284297A JP26284297A JPH1180071A JP H1180071 A JPH1180071 A JP H1180071A JP 26284297 A JP26284297 A JP 26284297A JP 26284297 A JP26284297 A JP 26284297A JP H1180071 A JPH1180071 A JP H1180071A
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acid
perfluorocarboxylic
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紀夫 佐藤
Taizo Ono
泰蔵 小野
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隆 阿部
Eiji Hayashi
永二 林
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より簡便なペルフルオロカルボン酸ハライド
の製造方法を提供すること。 【解決手段】 一般式X2 PR3 (Xはフッ素,塩素,
臭素,ヨウ素を,Rはアルキル基,アルキル置換基を有
してもよいアラルキル基を示す)で表される有機リン化
合物を,ペルフルオロカルボン酸に作用させることによ
り,ペルフルオロカルボン酸ハライドを得ること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,洗浄剤,溌水剤,潤滑剤,液晶
材料等の合成中間体として重要なペルフルオロアシルア
イオダイド,及びペルフルオロカルボン酸ハライドの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ペルフルオロカルボン酸ハライドの合成
は,フッ素を含まない炭化水素系のアルキルカルボン酸
の場合とは異なり,その合成が難しいことが知られてい
る。また,ハライドが,ヨウ素,臭素,塩素,フッ素の
どれであるかによってその難易度も大きく異なる。例え
ば,酸塩化物は,塩化チオニル或いは三塩化リンによっ
て合成が可能である。他の酸ハロゲン化物は,酸塩化物
のハロゲン交換反応によって合成が可能であるが,ここ
でもまた,ハロゲンの種類によってハロゲン交換の難易
度が異なる。
【0003】例えば,酸塩化物の酸フッ化物への変換反
応は,容易に行え,様々な方法がすでに知られている
が,臭素,或いは特にヨウ素となると極めてハロゲン交
換反応が難しい。
【0004】酸ヨウ化物の場合は,酸フッ化物とヨウ化
リチウムの組み合せの時にのみ,それもかなり過激な条
件下で合成が可能である。従って,現在のところ,ペル
フルオロカルボン酸から容易に導ける酸ハライドは酸塩
化物のみで,酸臭素化物と酸ヨウ素化物の合成は,かな
りの困難を伴う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように,現在の
ところ,ペルフルオロカルボン酸ハライドの合成のう
ち,ペルフルオロカルボン酸の塩化物,或いはそのフッ
素化物については,適当な製造方法が得られる。しか
し,その場合でも尚,生成物のペルフルオロカルボン酸
塩化物から塩素化剤である三塩化物や塩化チオニルを除
くのが難しいなどの問題がある。
【0006】さらに,ペルフルオロカルボン酸の臭素化
物とヨウ素化物については,合成それ自体が難しく,反
応条件がきびしいだけでなく,ステップ数も多く,収率
も低いなどの問題がある。そのため,これらの化合物を
積極的に利用しようとする研究の妨げになってきた。こ
のような背景から,より簡便なペルフルオロカルボン酸
ハライドの合成方法の出現が要望されていた。
【0007】このような状況下にあって,本発明者ら
は,上記従来技術に鑑みてペルフルオロカルボン酸ハラ
イドの合成法を開発することを目標として種々研究を進
める中で,一般式X2 PR3 で表される有機リン化合物
に注目し,鋭意努力を重ねた結果,適当な溶媒の存在下
で,または,無溶媒でペルフルオロカルボン酸と上述の
有機リン化合物の混合したものを加熱撹拌することで容
易にペルフルオロカルボン酸ハライドが良い収率で得ら
れることを見出した。本発明者らは,これらの知見を踏
まえて本発明を完成するに至った。
【0008】本発明は,より簡便なペルフルオロカルボ
ン酸ハライドの製造方法を提供しようとするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は,一般式X2 PR3 (Xはフッ素,塩素,臭素,ヨウ
素を,Rは直鎖或いは環状構造のアルキル基,アルキル
置換基を有してもよい,アリール基又はアラルキル基を
示す)で表される有機リン化合物を,ペルフルオロカル
ボン酸に作用させることにより,ペルフルオロカルボン
酸ハライドを得ることを特徴とするペルフルオロカルボ
ン酸ハライドの製造方法である。
【0010】上記製造方法においては,上記有機リン化
合物(X2 PR3 )とペルフルオロカルボン酸との混合
物を,適当な溶媒存在下で,または無溶媒下で加熱反応
させる。上記の溶媒としては,例えば,ベンゼン,トル
エン,エーテル,クロロホルム,ジクロロメタンなどが
ある。本製造方法における,ペルフルオロカルボン酸
は,酸素或いは窒素などのヘテロ原子を含むペルフルオ
ロ環状構造の置換基で置換していてよい,炭素数が1か
ら20の直鎖または分岐のペルフルオロアルキル基含有
ペルフルオロ化合物である。上記のペルフルオロカルボ
ン酸から,ペルフルオロカルボン酸ハライドを製造する
ことが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】次に,上記製造方法についてさら
に詳述する。上記のように,本発明は,ペルフルオロカ
ルボン酸と上記特定の有機リン化合物とを適当な溶媒の
存在下で,または無溶媒下で加熱反応させることにより
ペルフルオロカルボン酸ハライドを製造する方法であ
る。
【0012】ここで,ペルフルオロカルボン酸として
は,特に限定されるものではなく,適宜の化合物を使用
することが出来る。なお,好適なものをあげれば,次の
一般式(A)で表される化合物が例示できる。また,ハ
ロゲン化剤の有機リン化合物としては,次の一般式
(B)で表される化合物が代表的なものとして例示でき
るが,本発明の方法は,これらの化合物に限らず,他の
化合物についても同様に適用することが可能である。
【0013】次に,上記製造方法について,代表的な化
合物を例にあげて説明する。すなわち,その好適な例を
あげれば,下記の一般式(A)で表されるペルフルオロ
カルボン酸と下記の化学式(B)で表される有機リン化
合物とからなる混合物を,無溶媒下で,加熱反応させて
ペルフルオロカルボン酸ハライドを製造する。
【0014】RfCOOH・・・・・(A) (A)式中Rfは,酸素或いは窒素などのヘテロ原子を
含んでも良く,例えば,ペルフルオロモルホリノ,或い
はペルフルオロピロリジノなどのペルフルオロ環状構造
の置換基で置換していてよい炭素数が1から20の直鎖
または分岐のペルフルオロアルキル基を示す。ペルフル
オロアルキル基とは,炭化水素基の全ての水素をフッ素
原子で置換したものである。
【0015】X2 PR3 ・・・・・(B) (B)式中,Xはフッ素,塩素,臭素,又はヨウ素を示
す。また,Rは炭素数が1から8の直鎖及び環状構造の
アルキル基,又は炭素数が1から3の低級アルキル基を
有しても良いアリール基,又はベンジル基などのアラル
キル基を示す。
【0016】本発明において,出発原料であるペルフル
オロカルボン酸は,市販で手に入るものが多くある。し
かし,市販されていないものについては,文献既知の方
法で,対応する炭化水素系のカルボン酸エステルを電解
フッ素化して得ることができる。
【0017】上記既知文献としては,例えば,(T.
Abe, E. Hayashi,H. Fukay
a, and H. Baba, J. Fluori
neChem. 50, 173−196, 199
0; T. Abe, E.Eiji, H. Bab
a, and H. Fukaya, J. Fluo
rine Chem., 48, 257−279,
1990; T.Abe, E. Hayashi,
H. Fukaya, Y. Hayakawa,
H. Baba, S. Ishikawa, and
K. Asahino, J. Fluorine
Chem., 57, 101−111, 1992;
T. Abe, H. Fukaya, E. Ha
yashi, Y. Hayakawa, M. Ni
shida, and H.Baba, J. Flu
orine Chem., 66, 193−202,
1994)。
【0018】次に,ハロゲン化剤である有機リン化合物
に関しては,トリフェニルホスフィン誘導体は,塩素,
臭素,ヨウ素のものについては,市販で容易に入手出来
る。その他,後述の実施例で使用した有機リン化合物
は,例えば,ヨウ素については,文献(Richard
K. Haynes and Malcolm Ho
lden,Aust. J. Chem., 35,5
17−524,1982)に従って,また,フッ素につ
いては,文献(Pata.j.Harvoyand I
an D. Jenkins,Tetrahedron
Lett.,35,9775−9778,1994)
に従って合成できる。
【0019】なお,反応は,ペルフルオロカルボン酸1
等量に対して,ハロゲン化剤の有機リン化合物を1〜6
等量を用いて行うことができる。しかし,好ましくは2
〜3等量を用いて行うことで,高価なペルフルオロカル
ボン酸を無駄なく高い収率で,ペルフルオロカルボン酸
ハライドに変換出来る。
【0020】反応温度については,用いる基質によって
最適温度が異なるが,一般的には80〜200℃で行う
のが良く,好ましくは110〜170℃で行うのが良
い。精製に関しては,副反応生成物がないため,反応を
減圧下で行うことで,生成物が生成すると同時にトラッ
プに単蒸留で移すという方法で簡単に行うことができ
る。
【0021】なお,上記一般式(A),(B)に記載の
化合物は,好適な例としてあげたものであり,本発明の
方法は,これらの化合物に限らず,他のペルフルオロカ
ルボン酸から対応するペルフルオロカルボン酸ハライド
を製造することが可能である。また,有機リン化合物
は,実施例に記載の化合物以外のものも,容易に合成出
来るものである。また,電子供与性であるトリブチルホ
スフィンと電子吸引性であるトリフェニルホスフィンの
例から,その中間に位置する化合物群は,目的の反応に
使用可能である。
【0022】また,上記のごとくして得られるペルフル
オロカルボン酸ハライドは,例えば,洗浄剤,溌水剤,
潤滑剤,或いは液晶材料などを合成するための中間体と
して用いられる。
【0023】また,上記より知られるごとく,上記一般
式のXがヨウ素であるI2 PR3 で表される有機リン化
合物をペルフルオロカルボン酸に作用させることによ
り,ペルフルオロカルボン酸ヨージドを合成することが
できる。
【0024】また,上記Xが臭素であるBr2 PR3
表される有機リン化合物をペルフルオロカルボン酸に作
用させることにより,ペルフルオロカルボン酸ブロミド
を合成することができる。
【0025】また,上記製造方法においては,酸素或い
は窒素などのヘテロ原子を含むペルフルオロ環状構造の
置換基で置換していてよい,炭素数が1から20の直鎖
または分岐のペルフルオロアルキル基を有するペルフル
オロカルボン酸を用い,該ペルフルオロカルボン酸から
ペルフルオロカルボン酸ハライドを製造することができ
る。
【0026】次に,本発明の実施形態例について説明す
る。 実施形態例1 本例は,ペルフルオロカルボン酸ヨージドとしてのペル
フルオロオクタン酸ヨージド(化学式;Rf−CO−
I),及びその製造方法に関するものである。本例は,
上記物質の製造にあたって,有機リン化合物としてトリ
フェニルホスフィン誘導体を,また,ペルフルオロカル
ボン酸としてペルフルオロオクタン酸を用いたものであ
る。
【0027】まず,ペルフルオロオクタン酸(0.41
g,1mmol)と,有機リン化合物としてのトリフェ
ニルホスフィンとヨウ素の1:1分子性錯体(ジヨード
トリフェニルホスホラン)(1.55g,3mmol)
とを20mL容の枝付きフラスコにとり,テフロンコー
トした磁気撹拌子を入れた。
【0028】反応容器内をアルゴン置換した後に,16
0℃に加温したオイルバスにつけ撹拌した。生成するペ
ルフルオロオクチルヨージドは,ドライアイスーアセト
ンバスで冷却したトラップに減圧下に補集した(194
mg)。得られた化合物は,下記のように19F−NMR
測定法,及び赤外線分析法(IR)により,純粋なペル
フルオロオクチルヨージドであることが確認された(収
率37.0%)。
【0029】19F−NMR: −81.26 (t,
J = 9.5 Hz, 3F),−110.20
(t, J = 13.0 Hz, 2F), −12
1.32 (m, overlapped, 4F),
−122.45 (bs,2F), −123.19
(bs, 2F), −126.58 (m,2F)13 C{1 H,19F}−NMR: 146.89 (C=
O), 117.29(CF3 ), 110.75,
110.39, 109.97, 108.58, 1
05.60
【0030】MS(EI, 70eV):397 (M
−I, 2.8), 369 (C 7 15, 23.
2), 281 (1.7), 231 (2.7),
219 (2.3), 181 (6.1), 17
7 (3.8), 169 (22.0), 155
(15.7), 150 (1.1), 131 (2
7.6), 127 (I, 33.5), 119
(33.8), 112(1.4), 109 (5.
0), 100 (25.7), 93 (5.4),
81 (1.8), 69 (100), 50
(3.6)
【0031】実施形態例2 本例は,ペルフルオロオクタン酸ヨージド(化学式;R
f−CO−I),及びその製造方法に関するものであ
る。本例は,上記物質の製造にあたって,有機リン化合
物としてトリブチルホスフィン誘導体を用いたものであ
る。
【0032】まず,ペルフルオロオクタン酸 (0.4
1g,1mmol)と,有機リン化合物としてのジヨー
ドトリブチルホスホラン(1.37g,3mmol)と
を20mL容の枝付きフラスコにとり,テフロンコート
した磁気撹拌子を入れた。
【0033】反応容器内をアルゴン置換した後に,16
0℃に加温したオイルバスにつけ撹拌した。生成するペ
ルフルオロオクタン酸ヨージドは,ドライアイスーアセ
トンバスで冷却したトラップに減圧下に補集した(32
9mg)。得られた化合物は,19F−NMR,IRによ
り,純粋なペルフルオロオクチルヨージドであることが
確認された(収率64.0%)。
【0034】実施形態例3 本例は,ペルフルオロオクタン酸ブロミド(化学式;R
f−CO−Br),及びその製造方法に関するものであ
る。まず,ペルフルオロオクタン酸(0.41g,1m
mol)と,有機リン化合物としてのジブロモトリフェ
ニルホスホラン(1.26g,3mmol)を20mL
容の枝付きフラスコにとり,テフロンコートした磁気撹
拌子を入れた。
【0035】反応容器内をアルゴン置換した後に,16
0℃に加温したオイルバスにつけ撹拌した。生成するペ
ルフルオロオクタン酸ブロミドは,ドライアイスーアセ
トンバスで冷却したトラップに減圧下に補集した(46
1mg)。得られた化合物は,19F−NMRにより,純
粋なペルフルオロオクタン酸ブロミドであることが確認
された(収率96.6%)。
【0036】19F−NMR: −81.24 (t,
J = 9.6 Hz, 3F),−111.47
(t, J = 13.0Hz), −121.37
(m, 3F), −121.55 (bs, 2
F), −122.41 (bs, 2F), −12
3.16 (bs, 2F), −126.58
(m,2F)13 C{1 H,19F}−NMR:157.91 (C=
O), 117.39(CF3 ),110.90, 1
10.50, 108.69, 108.02
【0037】MS(EI, 70eV):369(C7
F15, 2.2), 281 (C6F11, 4.
0), 219 (C4F9, 4.2), 193
(C5F7, 1.1), 181 (C4F7,
6.7), 169 (C3F7, 28.1), 1
31 (C3F5, 28.9), 119 (C2F
5, 34.5), 109 (COBr, 28.
1), 107 (COBr, 24.8), 100
(C2F4, 26.2), 81 (Br,7.
4), 79 (Br, 5.9), 69 (10
0).
【0038】実施形態例4 本例は,ペルフルオロオクタノイルクロリド(化学式;
Rf−CO−Cl),及びその製造方法に関するもので
ある。まず,ペルフルオロオクタン酸(0.41g,1
mmol)と,有機リン化合物としてのジクロロトリフ
ェニルホスホラン(1.0g,3mmol)を20mL
容の枝付きフラスコにとり,テフロンコートした磁気撹
拌子を入れた。
【0039】反応容器内をアルゴン置換した後に,16
0℃に加温したオイルバスにつけ撹拌した。生成するペ
ルフルオロオクタン酸クロリドは,ドライアイスーアセ
トンバスで冷却したトラップに減圧下に補集した(31
2mg)。得られた化合物は,19F−NMRにより,純
粋なペルフルオロオクタン酸クロリドであることが確認
された(収率72.2%)。
【0040】19F−NMR: −81.28 (t,
J = 9.5 Hz, 3F),−113.37
(t, J = 12.0 Hz, 2F), −12
1.62 (bs, overlapped, 4
F), −122.43 (bs, 2F), −12
3.17 (bs, 2F), −126.60
(m,2F)13 C{1 H,19F}−NMR:161.86, 11
7.46, 111.01 (broad), 11
0.62 (broad), 108.81, 108
.45
【0041】MS(EI, 70eV):369 (C
7F15, 9.4), 281(C6F11, 2.
3), 219 (C4F9, 3.3), 181
(C4F7, 4.1), 169 (21.1),
147 (1.3),135 (1.7), 131
(19.3), 119 (25.6), 109
(2.8), 100 (18.2), 93 (4.
1), 87 (2.1), 85 (6.9), 8
1 (1.4), 69 (86.0),65 (CO
Cl, 33.0), 63 (COCl, 10
0).
【0042】実施形態例5 本例は,ペルフルオロオクタン酸フロリド(化学式;R
f−CO−F),及びその製造方法に関するものであ
る。まず,ペルフルオロオクタン酸(0.83g,2m
mol)と,有機リン化合物としてのジフルオロトリフ
ェニルホスホラン(1800mg,6mmol)を20
mL容の枝付きフラスコにとり,テフロンコートした磁
気撹拌子を入れた。
【0043】反応容器内をアルゴン置換した後に,16
0℃に加温したオイルバスにつけ撹拌した。生成するペ
ルフルオロオクタン酸フロリドは,ドライアイスーアセ
トンバスで冷却したトラップに減圧下に補集した(24
7mg)。得られた化合物は,19F−NMRにより,純
粋なペルフルオロフロリドであることが確認された(収
率29.7%)。
【0044】19F−NMR: −85.61(bs,4
F),−86.14(qui,2F,J=14.7),
−91.13(t,4F,J=13.8)13 C{1 H,19F}−NMR: 146.19,11
2.97,110.54,110.01(CF2)
【0045】実施形態例6 本例は,ペルフルオロ(2−モルホリノアセチル)ヨー
ジド(化学式;Rf−CO−I),及びその製造方法に
関するものである。まず,ペルフルオロ(2−モルホリ
ノ酢酸)(325mg,1mmol)と,有機リン化合
物としてのトリフェニルホスフィンとヨウ素の1:1分
子性錯体(ジヨードトリフェニルホスフィン)(155
0mg,3mmol)を20mL容の枝付きフラスコに
とり,テフロンコートした磁気撹拌子を入れた。
【0046】反応容器内をアルゴン置換した後に,16
0℃に加温したオイルバスにつけ撹拌した。生成するペ
ルフルオロ(2−モルホリノアセチル)ヨージドは,ド
ライアイスーアセトンバスで冷却したトラップに減圧下
に補集した(210mg)。得られた化合物は,19F−
NMRにより,純粋なペルフルオロ(2−モルホリノア
セチル)ヨージドであることが確認された(収率48.
2%)。
【0047】19F−NMR: −85.61 (bs,
4F), −86.14 (quintet, J
= 14.7 Hz, 2F), −91.13
(t,J = 13.8 Hz, 4F)13 C{1 H,19F}−NMR:146.19 (C=
O), 112.97,110.54, 110.01
【0048】MS(EI, 70eV):388 (O
(CF2 CF2 2 NCFI, 1.6), 281
(5.6), 280 (O(CF2 CF2 2 NCF
2,95.7), 227 (1.2), 222
(CF3 CNI, 1.2), 177 (CF2 I,
17.0), 164 (C3 6 N, 22.
8), 155 (COI, 8.2), 145
(C2 5 CN, 3.9), 127 (I, 3
4.7), 119 (76.6), 114 (10
0), 100 (33.1), 97 (CF3
O, 2.9), 95(CF3 CN, 6.8),
78 (CF2 CO, 5.7), 76 (CF2
N, 5.4), 69 (CF3 , 43.8),
50 (22.4), 47 (COF, 4.0)
【0049】実施形態例7 本例は,ペルフルオロ(2−モルホリノアセチル)ブロ
ミド(化学式;Rf−CO−Br),及びその製造方法
に関するものである。まず,ペルフルオロ(2−モルホ
リノ酢酸)(325mg,1mmol)と,有機リン化
合物としてのジブロモトリフェニルホスホラン(126
0mg,3mmol)を20mL容の枝付きフラスコに
とり,テフロンコートした磁気撹拌子を入れた。
【0050】反応容器内をアルゴン置換した後に,16
0℃に加温したオイルバスにつけ撹拌した。生成するペ
ルフルオロ(2−モルホリノアセチル)ブロミドは,ド
ライアイスーアセトンバスで冷却したトラップに減圧下
に補集した(307mg)。得られた化合物は,19F−
NMRにより,純粋なペルフルオロ(2−モルホリノア
セチル)ブロミドであることが確認された(収率87.
6%)。
【0051】19F−NMR: −85.31 (qui
ntet, J = 19.6,2F), −85.6
8 (bs, 4F), −91.42 (t, J
=14.5 Hz, 4F)13 C{1 H,19F}−NMR:157.77 (C=
0), 113.00,111.38, 110.06
【0052】MS(EI, 70eV):342 (O
(CF2 CF2 2 NCFBr,1.4), 340
(O(CF2 CF2 2 NCFBr, 1.4), 2
80 (O(CF2 CF2 2 NCF2 , 69),
181 (C2 4 Br,1.6), 179 (C2
4 Br, 1.7), 176 (CF3 CNBr,
1.1), 174 (CF3 CNBr, 1.
1), 164 (25.3), 145 (CF3
2 CN, 3.4), 142 (2.1), 13
1 (CF2 Br, 10.5), 129 (CF2
Br, 10.8), 119 (74.9), 11
4 (100), 109 (COBr, 8.8),
107 (COBr, 9.6), 100 (4
0.5),97 (CF3 CO, 4.6), 95
(CF3 CN, 7.0), 81 (Br, 7.
8), 79 (Br, 6.0), 78 (CF2
CO, 9.5), 76 (CF2 CN, 9.
5), 72 (1.1), 69 (45.8),
50 (31 .7), 47 (COF, 4.8)
【0053】
【発明の効果】本発明によれば,より簡便なペルフルオ
ロカルボン酸ハライドの製造方法を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川角 昌弥 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 佐藤 紀夫 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 小野 泰蔵 岐阜県多治見市小名田町6−324 (72)発明者 阿部 隆 愛知県春日井市押沢台7−6−4 (72)発明者 林 永二 愛知県江南市布袋町北153

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式X2 PR3 (Xはフッ素,塩素,
    臭素,ヨウ素を,Rは直鎖或いは環状構造のアルキル
    基,アルキル置換基を有してもよい,アリール基又はア
    ラルキル基を示す)で表される有機リン化合物を,ペル
    フルオロカルボン酸に作用させることにより,ペルフル
    オロカルボン酸ハライドを得ることを特徴とするペルフ
    ルオロカルボン酸ハライドの製造方法。
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