JPH1180019A - 細胞増殖阻害剤 - Google Patents

細胞増殖阻害剤

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JPH1180019A
JPH1180019A JP9264931A JP26493197A JPH1180019A JP H1180019 A JPH1180019 A JP H1180019A JP 9264931 A JP9264931 A JP 9264931A JP 26493197 A JP26493197 A JP 26493197A JP H1180019 A JPH1180019 A JP H1180019A
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abrin
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cell
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Hideki Oba
英樹 大庭
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アポトーシス誘導により、特定の病態細胞を
選択的に排除しうる細胞増殖阻害剤を提供する。 【解決手段】 アブリン(abrin)からなる細胞増
殖阻害剤とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な細胞増殖阻
害剤、特にアポトーシス誘導に基づく細胞増殖阻害活性
を有する細胞増殖阻害剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガン細胞や悪性腫瘍細胞のような病態細
胞の増殖を阻害して、これらの細胞に起因する疾病を治
療するものとしては、これまで、アミノプテリン、メト
トレキセート、8‐アザグアニン、6‐メルカプトプリ
ン、5‐フルオロウラシル、1‐(2‐テトラヒドロフ
リル)‐5‐フルオロウラシルなどの合成物質、マイト
マイシンC、クロモマイシン、ブレオマイシンなどの抗
生物質、インターフェロン、CSF抑制物質、CBF、
TNFなどのバイオ製品が知られているが、これらはい
ずれも所定の細胞に作用して、それを壊死すなわちネク
ローシスを起こさせて病態細胞を排除するものである。
しかしながら、このネクローシスによる細胞死は、往々
にして病態細胞のみでなく、周囲の正常細胞にも及び新
たな疾患を惹起するという重大な欠陥がある。他方、生
理的な条件下で細胞自らが積極的に惹起するようにプロ
グラムされた細胞死すなわちアポトーシスは、周囲の細
胞に影響を与えずに、独特の形態異常を起して細胞が死
ぬ現象であり、これを誘導しうることが可能であれば、
白血病などの免疫疾患の治療に際して、生体内での特定
の病態細胞のみを排除しうるので、非常に有利である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アポトーシ
ス誘導により、特定の病態細胞を選択的に排除しうる細
胞増殖阻害剤を提供することを目的としてなされたもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、トウアズ
キ種子から抽出されたレクチンであるアブリン(abr
in)が、白血病に代表される血液ガン由来の株化細胞
を特異的に凝集し、引き続きアポトーシスを誘導するこ
とを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至っ
た。
【0005】すなわち、本発明は、アブリン(abri
n)からなる細胞増殖阻害剤を提供するものである。
【0006】アブリンは、トウアズキ(Abrus p
recatorius)の種子から分離された強毒性レ
クチンであって、ほぼ等しい分子量すなわち63000
を有し、かつ類似した生理活性を示すアブリンa及びア
ブリンbと、これらとはセハロース親和性において異な
っているもう1種が知られている[「バイオサイエンス
・バイオテクノロジー・アンド・バイオケミストリー
(Biosci.Biotech.Bioche
m.)」,第57巻(9),1409〜1413ペー
ジ]。そして、本発明においては、この中のアブリンa
又はアブリンbが好適に用いられるが、特に好ましいの
はアブリンaである。
【0007】本発明の細胞増殖阻害剤は、アポトーシス
誘導により特定の細胞について細胞死を惹起させるもの
である。このアポトーシスの発現機構は非常に複雑であ
り、どのような物質がどのような細胞に対してアポトー
シスを生じさせるかは、全く予測不可能であり、植物か
ら得られたタンパク質の1種であるアブリンが、このよ
うな作用を有することは全く予想外の知見であった。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の有効成分として用いるア
ブリンは、例えばトウアズキ(Abrusprecat
orius)の種子を原料とし、公知の方法[「トキシ
コン(Toxicon)」,第19巻,第41〜51ペ
ージ(1980)]に従い、原料の種子を液体窒素の存
在下で粉砕し、脱脂後、脱イオン水で抽出し、この抽出
液を硫安塩析し、洗浄後カラムクロマトグラフィで分画
し、ゲルろ過及びイオン交換による精製を行い、さらに
濃縮することにより調製することができる。
【0009】このようにして得られたアブリンは、無色
透明の液体であり、280nmにおける分子吸光係数E
(セル長1cm、濃度1%)15.9が10mg/ml
に相当するものとして分光学的に定量したところ、分子
量約63000であり、分子内に糖鎖を有することが分
かった。
【0010】このアブリンがアポトーシス誘導による細
胞増殖阻害作用を示すことは、例えばアブリンをフルオ
ロセインイソチオシアネートのようなケイ光試薬を用い
てケイ光標識したのち、ケイ光標識の株化細胞との結合
の形態及び細胞質内における挙動を共焦点レーザー走査
ケイ光顕微鏡により追跡し、かつアポトーシスに特徴的
な細胞の形態変化を追跡することにより、確認すること
ができる。また、顕微鏡観察では捉えることができない
初期段階のアポトーシス発現は、特定の細胞膜構成成分
の変化をフローサイトメトリー法で定量することによ
り、検出することができる。本発明の細胞増殖阻害剤
は、非経口的に投与される。その投与量は、治療すべき
疾患の程度により増減されるが、通常1日当り0.01
〜10mg/kgの範囲内で選ばれる。このものは、ア
ポトーシス誘導体による細胞増殖阻害作用を示すため、
他の細胞増殖阻害剤よりも少ない量の投与で十分な効果
が得られる。このものは、0.1〜10%濃度の水性溶
液として製剤化されるが、所望に応じ溶解補助剤、緩衝
剤、等張化剤、安定剤、保存剤、無痛化剤など注射液に
慣用されている添加剤を併用することもできる。
【0011】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【0012】実施例1 急性リンパ性白血病由来のジャーカット(Jurka
t)をRPMI−1640培地(10%牛胎仔血清、1
%グルタミン及び抗生物質としてストレプトマイシン及
びペニシリンを含む)に接種し、5%CO2雰囲気下、
37℃で培養し、株化細胞を調製した。上記株化細胞を
2×106個/mlの水性懸濁液とし、その540μl
に対し、8μMアブリンa水溶液60μlを添加し、5
%CO2雰囲気下、37℃で2時間、4時間、6時間、
10時間及び24時間培養した。また、コントロールと
して細胞懸濁液90μlにリン酸塩緩衝生理的食塩水
(Caイオン及びMgイオンを含まない。pH7.4)
10μlを添加したものについても同様の処理を行っ
た。各時間培養した培養液100μlを採取し、遠心分
離(1000rpm、2分間)により細胞を捕集した。
これらの細胞から、アポトーシスラダー検出キット(和
光純薬社製)を用いてそれぞれDNAを抽出し、精製
後、アガロース電気泳動(ゲル濃度:1.5%)を行っ
た。その結果を図1に示す。図1において、No.1は
マーカー、No.2はコントロール、No.3は2時間
培養、No.4は4時間培養、No.5は6時間培養、
No.6は10時間培養、No.7は24時間培養の結
果である。これらの結果から、4時間培養後にすでにア
ポトーシス誘導に伴うDNAの断片化が行われているこ
とが分る。次に、2.22×105個/mlに濃度を調
整した細胞懸濁液を、96穴マイクロプレート上に90
μlずつ6か所に分注し、5%CO2雰囲気下、37℃
で24時間培養後、アブリンa水溶液を10μlずつ添
加し、同条件下でさらに2時間、4時間、6時間、10
時間及び24時間培養した。また、前記したものと同じ
リン酸塩緩衝生理的食塩水を添加したものをコントロー
ルとして用いた。各時間培養した後の培養液100μl
を採取し、セルティター(cellTiter)96
(プロメガ社製)により分析し、アブリンaの細胞株に
対する細胞増殖阻害活性を、ミトコンドリア脱水素酵素
の活性を指標として調べた。その結果をグラフとして図
2に示す。この図から分るように、アブリンaは2時間
後において40%、24時間後において90%のミトコ
ンドリア脱水素酵素の活性を減少させる顕著な細胞増殖
阻害活性を有する。
【0013】実施例2 実施例1におけるジャーカット(Jurkat)の代わ
りに同じく急性リンパ白血病由来のCCRF−CEMを
同様の条件で培養したものを株化細胞として用い、DN
Aの断片化試験を行った。この結果を図3に示す。この
図3のNo.4から分るように4時間後にはすでにDN
Aの断片化が認められ、アブリンaはCCRF−CEM
に対してもアポトーシスを誘導している。次に、実施例
1と同様にして細胞増殖阻害活性を調べた。その結果を
グラフとして図4に示す。このグラフから分るように、
アブリンaはCCRF−CEMに対しても、24時間後
にミトコンドリア脱水素酵素の活性を40%減少させる
細胞増殖阻害活性を有する。
【0014】
【発明の効果】本発明の細胞増殖阻害剤は、アポトーシ
ス誘導に基づく細胞増殖阻害活性を有するため、周囲の
正常細胞に影響を与えずに、病態細胞の増殖のみを選択
的に阻害しうるので、ガン特に白血病の治療に好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アブリンaをジャーカット細胞に作用させた
ときの異なった時間におけるアガロース電気泳動図。
【図2】 アブリンaのジャーカット細胞に対する細胞
増殖阻害曲線グラフ。
【図3】 アブリンaをCCRF−CEM細胞に作用さ
せたときの異なった時間におけるアガロース電気泳動
図。
【図4】 アブリンのCCRF−CEMに対する細胞増
殖阻害曲線グラフ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アブリン(abrin)からなる細胞増
    殖阻害剤。
JP9264931A 1997-09-10 1997-09-10 白血病細胞増殖阻害剤 Expired - Lifetime JP3015872B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102268071A (zh) * 2011-07-04 2011-12-07 中国人民解放军63975部队 对肿瘤细胞具有抑制作用的活性寡肽
CN115433068A (zh) * 2022-06-13 2022-12-06 右江民族医学院 一种从鸡骨草中分离并提取大黄酚、木犀草素、相思子碱及原儿茶酸的方法及应用

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102268071A (zh) * 2011-07-04 2011-12-07 中国人民解放军63975部队 对肿瘤细胞具有抑制作用的活性寡肽
CN115433068A (zh) * 2022-06-13 2022-12-06 右江民族医学院 一种从鸡骨草中分离并提取大黄酚、木犀草素、相思子碱及原儿茶酸的方法及应用
CN115433068B (zh) * 2022-06-13 2023-11-24 右江民族医学院 一种从鸡骨草中分离并提取大黄酚、木犀草素、相思子碱及原儿茶酸的方法及应用

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