JPH1178878A - 鉄道車輌用台車の操舵装置 - Google Patents

鉄道車輌用台車の操舵装置

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JPH1178878A
JPH1178878A JP9244492A JP24449297A JPH1178878A JP H1178878 A JPH1178878 A JP H1178878A JP 9244492 A JP9244492 A JP 9244492A JP 24449297 A JP24449297 A JP 24449297A JP H1178878 A JPH1178878 A JP H1178878A
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JP
Japan
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cylinder
fluid
wheel
bogie
steering
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JP9244492A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Yamaguchi
博司 山口
Hiromichi Fukui
広道 福井
Ichiro Hashimoto
一郎 橋本
Katsutoshi Ito
克敏 伊藤
Hidefumi Saito
英文 斎藤
Shuji Nishibatake
周二 西畠
Yoshihiro Sasaki
芳弘 佐崎
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Shimadzu Corp
Kinki Sharyo Co Ltd
West Japan Railway Co
Original Assignee
Shimadzu Corp
Kinki Sharyo Co Ltd
West Japan Railway Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】流体回路の流体の封じ切り量のアンバランス解
消の為の点検作業の手間をなくし、且つ、曲線区間と直
線区間において、常時適切な車輪の操舵を可能とし、ま
た長期にわたりその効果を持続させる鉄道車輌用台車の
操舵装置を提供する。 【解決手段】変位検出用シリンダ4のピストン42aが
中立位置にあるときに変位検出用シリンダ4の両シリン
ダ室41a間を直接又は間接に連通させる連通路41c
を設け、ピストン42aが中立位置から一定距離以上変
位したときにその連通路41cを遮断する構成にするこ
とで、流体回路7の作動時には流体を封じ切るが、流体
の封じ切り量にアンバランスが生じたときは流体回路7
の封じ切り状態を連通路41cにより一時的に解除して
流体の流通を許容し、自動的にそのアンバランス量を解
消する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、操舵装置に関し、
詳しくは車輌用台車の各輪軸を台車が通過している軌条
の湾曲中心に向くように操舵させる鉄道車輌用台車の操
舵装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、ボギー構造の鉄道車輌は、曲線
区間を高速で走行するために様々な問題を解決しなくて
はならない。このため、従来から様々な改善が施されて
きた。例えば、大きな遠心力の作用による乗り心地の低
下に対しては、車体を回転中心側に傾ける振子機構が実
用化されている。また、もう一つの問題点である車輪か
らレールへの横方向の荷重、これによるレールの摩耗、
きしみ音による騒音等の発生に対しては、輪軸に曲線に
合せて操舵変位を与えることが行われ始めている。
【0003】特に後者に関し、その目的を実現する方法
としては、第一に、台車の首振り変位を機械的リンクで
取り出し、これにより輪軸の軸受箱に変位を与える方式
がある。しかし、その場合には、機構が大掛りになるた
め車輌自体が重くなり、ばね下重量の増加と乗り心地の
低下が問題となる。第二に、車軸の軸受け箱の前後方向
の支持剛性を低くする方式がある。これは、輪軸の前後
方向の支持剛性が車軸の蛇行動の原因となってしまう。
これらの欠点を解消すべく第三の方法として、台車の首
振り変位を流体を介して伝達し、輪軸の軸受箱に変位を
与える方式が現在優れたものの一つである。
【0004】この方式を採用した鉄道車輌用台車の操舵
装置は、車体に対する台車の首振り変位により伸縮して
ピストンにより画された両側のシリンダ室を背反的に拡
縮する変位検出用シリンダと、前記台車に設けられ端部
に車輪を旋回可能に軸着した輪軸を車輪が直進状態とな
る方向へ付勢するオフセット用の弾性付勢部材と、前記
輪軸を旋回駆動し得る位置に配設される復動式の輪軸操
舵用シリンダと、前記変位検出用シリンダの各シリンダ
室を輪軸操舵用シリンダの対応するシリンダ室に流体封
じ切り状態で連通させる流体回路とを備え、直線走行時
に輪軸を介して車輪を直進状態にし、曲線走行時に前記
変位検出用シリンダのシリンダ室と前記輪軸操舵用シリ
ンダの対応するシリンダ室との間で流体を移動させ、こ
れにより輪軸を車輪が曲線に沿う方向に駆動するように
構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記の流体
移動を利用した方式では、各流体回路すなわち変位検出
用シリンダの一方のシリンダ室と輪軸操舵用シリンダの
対応する一方のシリンダ室とを連通させる流体回路、お
よび変位検出用シリンダの他方のシリンダ室と輪軸操舵
用シリンダの対応する他方のシリンダ室とを連通させる
流体回路の各内部に常に均等な流体の内容量が封じ切ら
れている場合には正常な作動が期待できるが、例えば、
片側の作動流体圧が異常に上昇し、機器の破損を防ぐた
めにリリーフ弁が作動したような場合、或いは、シリン
ダ内部での一方のシリンダ室から他方のシリンダ室への
流体の内部漏れが生じた場合等には、相対する流体回路
の内容量にアンバランスが生じる。そして、この状態で
再び流体回路が封じ切られると、変位検出用シリンダが
中立位置に復帰しても輪軸操舵用シリンダが中立位置に
復帰しないことがあり、流体封じ切り状態で流体による
ロックが掛かった状態が続く。このため、輪軸すなわち
車輪が変位したままで直線走行するような事態が発生
し、かえって走行に悪影響となる場合がある。従って、
従来方式のままでは、騒音低減効果等が不十分である上
に、流体回路のアンバランス解消の為の点検作業を頻繁
に行わなければならないという問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明は、輪軸の駆動に流体移動を利用するタ
イプの鉄道車輌用台車の操舵装置に、ピストンが中立位
置にあるときに変位検出用シリンダの両シリンダ室間を
直接又は間接に連通させる連通路を設け、ピストンが中
立位置から一定距離以上変位したときにその連通路を遮
断する構成を付加したことを特徴とする。
【0007】このような構成において、車輌が直線走行
状態から曲線走行状態に移行し、台車が車体に対して旋
回変位すると、変位検出用シリンダのピストンがその変
位に応じて移動する。そして、その変位が一定距離以上
である場合には、ピストン両側の一対のシリンダ室間を
連通する連通路が遮断され、各シリンダ室はそれらが連
通している流体回路ごとに流体封じ切り状態となる。こ
のため、ピストンにより圧縮される側のシリンダ室から
は流体回路を介して対応する輪軸操舵用シリンダのシリ
ンダ室に流体が送り込まれ、ピストンにより膨脹される
側のシリンダ室には流体回路を介して対応する輪軸操舵
用シリンダのシリンダ室から流体が吸い込まれる。した
がって、例えば一方の輪軸操舵用シリンダを前後輪いず
れか一方の輪軸駆動に、また他方の輪軸操舵用シリンダ
を前後輪いずれか他方の輪軸駆動に用いた場合等には、
前後輪が逆方向に操舵され、曲線に沿った適正な操舵が
なされることになる。
【0008】一方、車輌が曲線走行から直線走行に戻る
と、変位検出用シリンダが中立位置に復帰し、流体回路
を流れる流体の方向が上記とは逆になるので、輪軸操舵
用シリンダも車輪が直進方向を向く位置まで輪軸を駆動
する。しかしながら、たとえば上記曲線走行時に、変位
検出用シリンダのうち圧縮された側のシリンダ室を含む
流体回路の回路圧が異常に上昇し、この流体回路に設け
られている機器破損防止用のリリーフ弁が一時的に作動
したような場合には、変位検出用シリンダが再び中立位
置に戻っても、一対の流体回路間に流体量のアンバラン
スが残り、その状態のままで両回路は封じ切り状態を維
持する。このため、輪軸がオフセット用の弾性付勢部材
に付勢されているとはいえ、圧縮性の乏しい流体による
輪軸のロック状態が勝って、輪軸ひいては車輪が旋回状
態のままとなる。
【0009】これに対して、本発明は、変位検出用シリ
ンダが中立位置にあるときに該シリンダの一対のシリン
ダ室間を連通させる連通路を設けているので、上述した
流体によるロック状態が解消されて、オフセット用の弾
性付勢部材の付勢力が有効に機能し、連通路を通じて両
流体回路の間で流体を移動させながら、輪軸を介して車
輪を適正な直進状態に戻すことになる。
【0010】以上により、本発明は、流体回路の作動時
には流体を封じ切るが、流体の封じ切り量にアンバラン
スが生じたときは自動的にそのアンバランス量を解消し
て、直線走行時にも曲線走行時にも常に適正な操舵を行
い得るものとなる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図1〜図7を参
照して説明する。図1は、本実施例の鉄道車輌用台車の
操舵装置をボギー構造の鉄道車輌に適用した状態を示す
模式的な回路図である。この種の鉄道車輌の実際の構造
は、車体1の下面の前後2箇所がそれぞれ台車2に支持
され、かつ各台車2は曲線走行のためにその中心が鉛直
な支軸回りに車体1に対して水平旋回可能に軸支されて
いるものである。
【0012】台車2は前輪2輪と後輪2輪を有する4輪
支持構造のものであり、車輪3を軸支する輪軸5は旋回
可能に配設されていて、本実施例の鉄道車輌用台車の操
舵装置は流体移動を利用して各輪軸5を直線走行時に車
輪3が直進方向を向くように駆動し、曲線走行時に車輪
3が曲線に沿った方向を向くように駆動する操舵機能を
営むように構成されているものである。
【0013】詳述すると、この鉄道車輌用台車の操舵装
置は、車体1に対する台車2の首振り変位を検出する変
位検出用シリンダ4と、台車2に取り付けられ輪軸5を
車輪3が直進状態となる方向へ付勢するオフセット用の
弾性付勢部材たるバネ9と、前記輪軸5を操舵する復動
式の輪軸操舵用シリンダ6と、前記変位検出用シリンダ
4の各シリンダ室41aを輪軸操舵用シリンダ6の対応
するシリンダ室6aに流体封じ切り状態で連通させる流
体回路7とを具備してなる。
【0014】変位検出用シリンダ4は、図2に示すよう
に、外周を補助シリンダブロック41bを介して車体1
に設けた取り付け金具42gに固定されたシリンダブロ
ック41と、このシリンダブロック41に貫通させて取
り付けられ一方の貫通端を取付金具42fを介して台車
2に固定したピストンロッド42とを備えている。ピス
トンロッド42の中央には、図3に示すように、外周に
環状のシール溝42cを有しそのシール溝42cにシー
ル材42dを装着したピストン42aが設けてあり、シ
リンダブロック41はこのピストン42aにより内部を
区画されて左右一対のシリンダ室41aを形成してい
る。シリンダブロック41のピストンロッド貫通部分は
シールされ、かつ、ピストンロッド42の両貫通端とシ
リンダブロック41の対向端部との間は伸縮可能に被包
したベローズ42hによって流体の漏出防止が図られて
いる。しかして、車体1に対して台車2が旋回し、これ
により車体1側の取付金具42gと台車2側の取付金具
42fとの距離が変化したときは、前記ピストンロッド
42がシリンダブロック41に対して軸心方向に進退移
動し、これによりピストン42aによって画された両側
のシリンダ室41aが背反的に拡縮して、これらのシリ
ンダ室41aが連通する後記の流体回路7に対して流体
の流出入を惹起するようになっている。すなわち、台車
2の旋回変位量を、流体移動量という形で検出するもの
である。
【0015】バネ9は、輪軸5の両端付近に対をなして
配設され、両位置から台車2を足場にして車輪3が直進
方向を向く方向すなわち輪軸5が進行方向に対して直交
姿勢をとる方向に常時付勢している。輪軸操舵用シリン
ダ6は、輪軸5の両端を軸支し得る位置に一対に配設さ
れるもので、ハウジング6b内にピストン6cを有する
ロッド6dを貫通させ、内部にピストン6cによって画
された一対のシリンダ室6aを閉成してなる復動式のも
のであり、そのハウジング6bの基端を台車2に固定
し、ロッド6dの先端に輪軸5の対応する端部を軸支さ
せている。そして、一対の輪軸操舵用シリンダ6のシリ
ンダ室6aに対して流体を流出入させ、それらを常に逆
方向に作動させて、輪軸5に操舵変位を与え得るように
している。
【0016】流体回路7は、図1に示すように、変位検
出用シリンダ4の各シリンダ室41aを輪軸操舵用シリ
ンダ6の対応するシリンダ室6aに流体封じ切り状態で
連通させるものである。具体的に説明すると、同図中矢
印Xを進行方向とし、同進行方向Xに向かって見た場
合、右側の変位検出用シリンダ4の前シリンダ室41a
と左側の変位検出用シリンダ4の後シリンダ室41aと
は第1の系路7aにより連通され、右側の変位検出用シ
リンダ4の後シリンダ室41aと左側の変位検出用シリ
ンダ4の前シリンダ室41aとは第2の系路7bにより
連通されているとともに、前右側の輪軸操舵用シリンダ
6の前シリンダ室6a、前左側の輪軸操舵用シリンダ6
の後シリンダ室6a、後右側の輪軸操舵用シリンダ6の
後シリンダ室6a、後左側の輪軸操舵用シリンダ6の前
シリンダ室6aをそれぞれ前記第1の系路7aに系路7
c、7d、7e、7fを介して接続し、前右側の輪軸操
舵用シリンダ6の後側のシリンダ室6a、前左側の輪軸
操舵用シリンダ6の前シリンダ室6a、後右側の輪軸操
舵用シリンダ6の前側のシリンダ室6a、後左側の輪軸
操舵用シリンダ6の後シリンダ室6aをそれぞれ前記第
2の系路7bに系路7g、7h、7i、7jを介して接
続している。また、流体回路7は、図1・図5に示すよ
うに、流体を充填したオイルタンク83と、流体がオイ
ルタンク83より流体回路内7に流れ出る方向を順方向
とするチェック弁82a・82bと、流体回路7が一定
圧以上になると流体をオイルタンク83に逃がすリリー
フ弁81a・81bとを備えた一対の流体配給源8に接
続されている。具体的には、第1の系路7aは、チェッ
ク弁82a及びリリ−フ弁81aを介してオイルタンク
に接続され、また第2の系路7bは、チェック弁82b
及びリリ−フ弁81bを介してオイルタンク83に接続
されている。以上の構成に本実施例は、図3に示すよう
に、前記変位検出用シリンダ4の補助シリンダブロック
41b底部に連通路41cを設けたことを特徴とする。
具体的には、補助シリンダブロック41bの中央部の内
周にはその内径を狭める方向に環状突起41eが突設さ
れ、その環状突起41eの底部側に軸心方向に沿って前
記連通路41cを貫通しており、この連通路の両端を環
状突起41eと半割りにした各シリンダブロック41の
内方端面との間に設けた隙間を介して対応するシリンダ
室41aに連通させている。この連通路41cにより、
変位検出用シリンダ4のピストン42aが中立位置にあ
る時には、変位検出用シリンダ4の両シリンダ室41a
間を連通状態にして流体の移動を許容し、また、ピスト
ン42aが中立位置から一定距離以上変位した時にはピ
ストン42aに装着されたシール材42dがシリンダブ
ロック41の内周面に液密に摺接することにより流体は
遮断され、封じ切られた流体回路7を適切に作動させる
ようにしている。
【0017】次に、本実施例の作動行程を説明する。ま
ず、車輌が直線区間走行時は、車体1に対し台車2は、
首振りをしないため、変位検出用シリンダ4内のピスト
ン42aは中立位置にあり、変位検出用シリンダ4の両
シリンダ室41aの流体容積は等しく、相対する封じ切
られた流体回路7の内容量はバランスを保っている。こ
の時には、輪軸5は直進方向に配向された状態で走行し
ている。
【0018】次に、曲線区間に差し掛かると、台車2が
車体1に対して旋回変位し、一方の変位検出用シリンダ
4に挿入されたピストンロッド42は前方に押され、他
方の変位検出用シリンダ4に挿入されたピストンロッド
42は、後方に引かれる。これにより、変位検出用シリ
ンダ4のピストン42aがその変位に応じて移動し、そ
の変位が一定距離以上である場合には、ピストン42a
両側の一対のシリンダ室41a間を連通する連通路41
cが遮断され、各シリンダ室41aはそれらが連通して
いる流体回路7ごとに流体封じ切り状態となる。このた
め、ピストン42aにより圧縮される側のシリンダ室4
1aからは流体回路7の第1の系路7a若しくは第2の
系路7bの一方に接続された全ての系路を介して対応す
る輪軸操舵用シリンダ6のシリンダ室6aに流体が送り
込まれ、ピストン42aにより膨脹される側のシリンダ
室41aには流体回路7の第1の系路7a若しくは第2
の系路7bの他方に接続された全ての系路を介して対応
する輪軸操舵用シリンダ6のシリンダ室6aから流体が
吸い込まれる。したがって、例えば路線が進行方向に対
して左側に湾曲しているような場合には、図1に想像線
で示すように前2輪が輪軸5を介して左旋回駆動され、
後2輪が右旋回駆動されて、曲線に沿った円滑な走行が
可能となり、また路線が右側に湾曲しているときは、図
中想像線とは逆方向の旋回駆動によってやはり曲線に沿
った円滑な走行が可能となる。
【0019】また、曲線区間から直線区間に戻るときに
は、車輌間の首振りが無くなる事により変位検出用シリ
ンダ4のピストン42aは中立位置に戻るため、これに
伴い流体回路7を流れる流体の流れが上記とは逆になる
ので、輪軸操舵用シリンダ6も車輪3が直進方向を向く
位置まで輪軸5を駆動する。ここで、曲線区間から直線
区間に戻る際、流体の封じ切り量にアンバランスが残る
場合がある。例えば、輪軸3の傾きが限界を越えた場合
や輪軸3を設定した傾き以上に傾けたくない場合には、
一方の変位検出用シリンダ4のシリンダ室41aから輪
軸操舵用シリンダ6のシリンダ室6aへ流体が流れ、片
側の作動流体圧が上昇するため、流体配給源8のリリー
フ弁81a・81bが作動し、流体タンク83へ流体を
逃がし、また、他方の変位検出用シリンダ室41aの膨
脹により流体供給源8のチェック弁82a・82bが開
き流体が流体回路7内へ供給される場合がある。また、
各シリンダ6・41内部での一方のシリンダ室6a・4
1aから他方のシリンダ室6a・41aへの漏れが生じ
た場合等の要因が挙げられる。このような状態になる
と、変位検出用シリンダ4が再び中立位置に戻っても、
第1の系路7aを主体として封じ切られた流体回路7と
第2の系路7bを主体として封じ切られた流体回路7と
の間に流体量のアンバランスが残り、その状態のままで
両回路7は封じ切り状態を維持する。このため、流体は
輪軸操舵用シリンダ6を中立位置に戻す方向に流れ出す
が、一対の流体回路7の流体量にアンバランスがあるた
め、輪軸操舵用シリンダ6のピストン6cは中立位置以
上に動くこととなり、輪軸5がオフセット用のバネ9に
付勢されているとはいえ、圧縮性の乏しい流体による輪
軸5のロック状態が勝って、輪軸5は、前記曲線区間と
逆方向に変位した状態に操舵されてしまう。
【0020】これに対して、本実施例は、連通路41c
を設けたことにより前記の流体によるロック状態を解消
する。つまり、このような状態においても、車輌は、直
線区間に入ると車体1に対する台車2の変位により強制
的に変位検出用シリンダ4のピストン42aを中立位置
に戻し、連通路41cを通じて流体の連通を許容する状
態となる。ここで、車軸5を進行方向と直交姿勢を取る
方向へのバネ9による付勢力により、流体が連通路41
cを通ってアンバランス解消方向へと流れ出し、一対の
流体回路7の流体量はバランスを取り戻すことができ
る。これに伴い、輪軸操舵用シリンダ6を中立位置へと
戻し、輪軸5の変位を自動的に直線区間に適した方向に
戻すように操舵することが可能となる。
【0021】以上により、作動による流体の封じ切りア
ンバランス量を常に自動的に解消することができる。こ
れにより、アンバランス解消の為の点検作業の手間が必
要がなくなり、且つ、走行時における不意のアンバラン
スにも対応できる。また、曲線区間と直線区間におい
て、常時適切な車輪3の操舵を可能とし、長期にわたり
その効果を維持することができる。
【0022】尚、各部の具体的構成は、図示実施例のも
のに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しな
い範囲で種々変形が可能である。例えば、図6・7に示
すように連通路10・11を変位検出用シリンダ4の外
部に設けるようにしても勿論構わない。また、連通路1
0・11は、直線区間において、流体回路7を連通状態
とするため、輪軸操舵用シリンダ6は、輪軸5に対し保
持力を受け持たないことになる。この為、高速で走行し
た際に車輪3が左右に振れる蛇行動に対しては不利にな
る恐れがある。そこで、前記問題点解消のために、第1
に連通路10・11に図6・7中の符号13を付して示
すようなオリフィスを設ける方法がある。これにより、
蛇行動に因る輪軸への働きと連通路10・11への流体
の働きに遅れができるため、輪軸5は保持力を受け持つ
こととなる。第2に図6中の連通路10に電気的なON
・OFF弁を設けて開閉制御可能とする方法である。す
なわち、変位検出用シリンダ4のピストン42aの変位
に応じて、連通路10を開閉制御すると共に、通常車輌
が曲線区間から直線区間に入り速度が上昇するまでに必
要な10数秒間は前記連通路10をONにしてアンバラ
ンスを解消し、速度が速くなる前に前記連通路10をO
FFにして連通を遮断することで蛇行動により有効に対
応することができる。
【0023】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載される効果を奏する。すなわち、本
発明の鉄道車輌用台車の操舵装置は、ピストンが中立位
置にあるときに前記変位検出用シリンダの両シリンダ室
間を直接又は間接に連通させる連通路を設け、ピストン
が中立位置から一定距離以上変位したときにその連通路
を遮断するように構成したことを特徴とする。
【0024】これにより、アンバランス解消の為の点検
作業の手間をなくし、且つ、曲線区間と直線区間におい
て、常時適切な車輪の操舵が可能となり、長期にわたり
その効果を持続させることができる。また、前記連通路
を、変位検出用シリンダのピストン外周とシリンダ内周
との間であって両側のシリンダ室を直接連通させる位置
に形成することで部品点数を減らすこともでき、更に、
連通路にオリフィスや電気的なON・OFF弁を備える
ことで、輪軸操舵用シリンダは輪軸に対し保持力を受け
持ち、この為、高速で走行した際に車輪が左右に振れる
蛇行動を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す流体回路図。
【図2】同実施例を示す要部縦断面図。
【図3】同実施例の模式的な作用説明図。
【図4】同実施例の模式的な作用説明図。
【図5】同実施例を示す流体回路図の要部拡大図。
【図6】本発明の他の実施例を示す流体回路図。
【図7】本発明の他の実施例を示す流体回路図。
【符号の説明】
1…車体 2…台車 3…車輪 4…変位検出用シリンダ 5…輪軸 6…輪軸操舵用シリンダ 6a…シリンダ室 7…流体回路 9…弾性付勢部材(バネ) 41a…シリンダ室 10、11、41c…連通路 42a…ピストン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福井 広道 大阪市北区芝田二丁目4番24号 西日本旅 客鉄道 株式会社内 (72)発明者 橋本 一郎 大阪市北区芝田二丁目4番24号 西日本旅 客鉄道 株式会社内 (72)発明者 伊藤 克敏 大阪市北区芝田二丁目4番24号 西日本旅 客鉄道 株式会社内 (72)発明者 斎藤 英文 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会 社島津製作所三条工場内 (72)発明者 西畠 周二 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会 社島津製作所三条工場内 (72)発明者 佐崎 芳弘 東大阪市稲田新町3丁目9番60号 近畿車 輌 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体に対する台車の首振り変位により伸縮
    してピストンにより画された両側のシリンダ室を背反的
    に拡縮する変位検出用シリンダと、前記台車に設けられ
    端部に車輪を旋回可能に軸着した輪軸を車輪が直進状態
    となる方向へ付勢するオフセット用の弾性付勢部材と、
    前記輪軸を旋回駆動し得る位置に配設される復動式の輪
    軸操舵用シリンダと、前記変位検出用シリンダの各シリ
    ンダ室を輪軸操舵用シリンダの対応するシリンダ室に流
    体封じ切り状態で連通させる流体回路とを備え、直線走
    行時に輪軸を介して車輪を直進状態にし、曲線走行時に
    前記変位検出用シリンダのシリンダ室と前記輪軸操舵用
    シリンダの対応するシリンダ室との間で流体を移動さ
    せ、これにより輪軸を車輪が曲線に沿う方向に駆動する
    ように構成されたものにおいて、 ピストンが中立位置にあるときに前記変位検出用シリン
    ダの両シリンダ室間を直接又は間接に連通させる連通路
    を設け、ピストンが中立位置から一定距離以上変位した
    ときにその連通路を遮断するように構成したことを特徴
    とする鉄道車輌用台車の操舵装置。
  2. 【請求項2】連通路が、変位検出用シリンダのピストン
    外周とシリンダ内周との間であって両側のシリンダ室を
    直接連通させる位置に形成されていることを特徴とした
    請求項1記載の鉄道車輌用台車の操舵装置。
  3. 【請求項3】連通路が、オリフィスを備えていることを
    特徴とした請求項1記載の鉄道車輌用台車の操舵装置
  4. 【請求項4】連通路が、電気的なON・OFF弁を備え
    ていることを特徴とした請求項1記載の鉄道車輌用台車
    の操舵装置
JP9244492A 1997-09-09 1997-09-09 鉄道車輌用台車の操舵装置 Pending JPH1178878A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1612087A1 (fr) * 2004-07-02 2006-01-04 Alstom Transport S.A. Véhicule prévu pour se déplacer le long d'au moins un rail
WO2006075756A1 (ja) * 2005-01-17 2006-07-20 The University Of Tokyo 自己操舵台車

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