JPH1178213A - 画像記録シートおよび保護シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 視認性を高めることができる画像記録シート
および耐候性、耐水性を高め、全体の厚さ寸法を小さく
して取扱いの便利な保護シートを提供すること。 【解決手段】 基材２の表面にインク受像層３を形成
し、このインク受像層３に光拡散剤を混入したことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は画像記録シートおよ
び保護シートに係り、特にインクジェット式等の画像記
録装置により、所定の画像を記録するための画像記録シ
ートおよびこの画像記録シートの画像記録面を保護する
ための保護シートに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、例えば、インクジェット式等の
画像記録装置により、所定の画像を記録するための画像
記録シートが多く用いられている。

【０００３】しかしながら、このような画像記録シート
においては、例えば、広告用の看板等に適用した場合
に、記録画像の視認効果が低いことから、従来から、記
録画像の視認性を高めるようにした画像記録シートが開
発されている。

【０００４】図４はこのような従来の画像記録シートを
示したもので、この画像記録シート２０は、合成樹脂、
紙または布等からなる基材２１の裏面側に光拡散剤を塗
工してなる光拡散層２２を形成するようになっている。

【０００５】このような従来の画像記録シート２０にお
いては、例えば、インクジェット式等の画像記録装置に
より、前記画像記録シート２０の表面にインクを吐出す
ることにより、所望の画像を記録するようになってい
る。

【０００６】そして、例えば、広告用の看板に使用する
場合には、この画像が記録された画像記録シート２０
を、内部に光源が配設された看板体の表面に貼着するこ
とにより装着する。このように画像記録シート２０を装
着した状態で、看板体の光源を点灯させることにより、
この光源からの光が前記光拡散層２２により拡散され、
この拡散された光が基材２１および記録画像２３を透過
して外部に照射されることになり、前記画像記録シート
２０の記録画像２３の輝度が増加してこの記録画像２３
をきらびやかに光らせることができ、視認性を高めるこ
とができるものである。

【０００７】一方、前記インクジェット式の画像記録装
置においては、前記画像記録シート２０に画像２３を記
録する場合、通常、染料インクを用いて画像記録を行な
うものであるが、このような染料インクは、耐候性、耐
水性が悪く、紫外線あるいは雨等により記録画像２３が
劣化してしまうため、記録画像２３の表面を保護シート
により被覆することが行なわれている。

【０００８】図５はこのような従来の保護シートを示し
たもので、この保護シート２４は、透明な材料からなる
被覆シート２５の一面側に接着層２６を形成することに
より構成されている。

【０００９】そして、図６に示すように、この保護シー
ト２４の接着層２６を前記画像記録シート２０の記録画
像２３面に接着させて、被覆シート２５を貼着すること
により、画像記録シート２０の記録画像２３を保護する
ようにしていた。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の画像記
録シート２０においては、基材２１の裏面側に光拡散層
２２を形成するようにしているので、基材２１の裏面側
から光を照射した場合にのみ光拡散効果を有するもので
あり、画像記録シート２０の記録画像２３側から照射さ
れる太陽光等の外光によって記録画像２３の輝度が増加
することがなく、そのため、きらびやかな印象を与える
ことがなく、記録画像２３の視認性を高めることができ
ないという問題を有している。

【００１１】また、前記従来の保護シート２４において
は、保護シート２４は、被覆シート２５により記録画像
２３を保護するものであり、この被覆シート２５は、比
較的厚さ寸法が大きいため、画像記録シート２０に保護
シート２４を貼着すると、全体としての厚さ寸法が大き
くなってしまい、さらに、保護シート２４の厚さ寸法が
大きいため、保護シート２４が貼着された画像記録シー
ト２０を巻回して保存、運搬等を行なう場合、画像記録
シート２０と保護シート２４とがずれたり、画像記録シ
ート２０と保護シート２４との間に空気が入ってしまう
ことがあり、取扱いが極めて不便であるという問題を有
している。

【００１２】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、視認性を高めることができる画像記録シートお
よび耐候性、耐水性を高め、全体の厚さ寸法を小さくし
て取扱いの便利な保護シートを提供することを目的とす
るものである。

【００１３】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
請求項１に記載の発明に係る画像記録シートは、インク
ジェット式等の画像記録装置により、所定の画像を記録
するための画像記録シートにおいて、基材の表面にイン
ク受像層を形成し、このインク受像層に光拡散剤を混入
したことを特徴とするものである。

【００１４】この請求項１に記載の発明によれば、画像
記録シートのインク受像層の表面に、インクジェット式
の画像記録装置を用いてインクを吐出させることによ
り、所望の画像を形成するものであり、インク受像層に
光拡散剤を混入しているので、画像記録シートの記録画
像に外光が照射された場合に、この外光がインク受像層
の光拡散剤により拡散されて反射され、この反射された
光が記録画像を透過して外部に照射されることになり、
前記画像記録シートの記録画像の輝度が増加してこの記
録画像をきらびやかに光らせることができ、視認性を高
めることができるものである。

【００１５】また、請求項２に記載の発明に係る保護シ
ートは、画像が記録された画像記録シートの画像記録面
を保護するための保護シートにおいて、剥離用シートの
一面側に耐候性および耐水性を有する材料からなる保護
層を形成するとともに、この保護層の表面に接着層を形
成してなり、前記接着層を介して前記保護層を前記画像
記録シートの画像記録面に貼着させた後、前記剥離用シ
ートを剥離させて前記画像記録シートに前記保護層のみ
を残存させるようにしたことを特徴とするものである。

【００１６】この請求項２に記載の発明によれば、画像
が記録された画像記録シートの画像記録側面に、保護シ
ートを接着層を介して貼着し、この状態で、前記剥離用
シートを剥離させることにより、保護層および光拡散層
を画像記録シート側に残存させて、この保護層および光
拡散層により画像記録シートの表面を被覆するものであ
る。そして、前記画像記録シートに対して太陽光等の外
光が照射されたり、雨水等があたった場合に、前記保護
層により、確実に画像記録シートの記録画像を保護する
ことができ、画像記録シートの耐候性および耐水性を著
しく高めることができるものである。

【００１７】請求項３に記載の発明は、請求項２におい
て、前記保護層と接着層との間に、光拡散剤を塗布して
なる光拡散層を形成したことを特徴とするものである。

【００１８】この請求項３に記載の発明によれば、保護
層と接着層との間に光拡散層を形成するようにしている
ので、この光拡散層により、保護層側から外光が照射さ
れた場合に、この外光が前記光拡散層により拡散される
ことになるため、画像記録シートの記録画像の輝度が増
加してこの記録画像をきらびやかに光らせることがで
き、視認性を高めることができるものである。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図１か
ら図３を参照して説明する。

【００２０】図１は本発明に係る画像記録シートの実施
の一形態を示したもので、この画像記録シート１は、例
えば、合成樹脂、布または紙等の材料からなるシート状
の基材２を有しており、この基材２の表面側には、イン
ク受像層３が形成されている。このインク受像層３は、
例えば、シリカやアルミナ等のセラミック材料、また
は、吸水性高分子等のインクが吸着されやすい材料によ
り形成されている。さらに、本実施形態においては、こ
のインク受像層３には、例えば、ガラスビーズ、水分吸
収能力を有するフィラー、層状鉱物、シリカ、タンカ
ル、球状のポリマー等の１種もしくは複数種からなる光
拡散機能を有する光拡散剤が混入されている。なお、前
記フィラーを用いるとインクの吸収性を一層向上させる
ことができる。このインク受像層３は、このインク受像
層３の形成材料を合成した水溶液を基材２の表面に塗布
することにより形成されるものであり、前記光拡散剤
は、前記インク受像層３の形成材料の合成中に混入して
もよいし、合成後に混入するようにしてもい。

【００２１】次に、本実施形態の作用について説明す
る。

【００２２】本実施形態においては、前記画像記録シー
ト１の前記インク受像層３の表面に、例えば、インクジ
ェット式の画像記録装置を用いてインクを吐出させるこ
とにより、所望の画像４を記録するようになっている。

【００２３】この場合に、前記インク受像層３をインク
が吸着されやすい材料により形成するようにしているの
で、前記インクが適正に吸着されて鮮明な画像４を得る
ことができる。

【００２４】この画像４が記録された画像記録シート１
を、例えば、広告用の看板に使用する場合には、この画
像４が記録された画像記録シート１を図示しない看板の
表面に貼着することにより装着する。

【００２５】そして、画像記録シート１の記録画像４に
外光が照射された場合に、この外光が前記インク受像層
３の光拡散剤により拡散されて反射され、この反射され
た光が記録画像４を透過して外部に照射されることにな
り、前記画像記録シート１の記録画像４の輝度が増加し
てこの記録画像４をきらびやかに光らせることができ、
視認性を高めることができるものである。

【００２６】したがって、本実施形態においては、イン
ク受像層３に光拡散剤を混入するようにしているので、
画像記録シート１の記録画像４側から外光が照射された
場合でも、記録画像４の輝度を高めることができ、従来
のように画像記録シート１の裏面側から光を照射するこ
となく、記録画像４の視認性を高めることができる。

【００２７】また、図２は保護シートの実施の一形態を
示したもので、この保護シート５は、合成樹脂等の材料
からなる剥離用シート６を有しており、この剥離用シー
ト６の一面側には、例えば、ＺｎＯ、ＴｉＯ₂ 、ＣｅＯ
₂ 等の無機系のものやベンゾトリアゾール等の有機系の
もの等からなる紫外線カット剤およびハードコート剤等
の耐候性および耐水性を有する材料からなる保護層７が
形成されている。この保護層７の表面には、光拡散剤を
塗布してなる光拡散層８が形成されており、さらに、こ
の光拡散層８の表面には、常温または加温状態で接着機
能を発揮する接着層９が形成されている。

【００２８】次に、本実施形態の作用について説明す
る。

【００２９】本実施形態においては、画像１０が記録さ
れた画像記録シート１１の記録画像１０面に、前記保護
シート５を接着層９を介して貼着し、この状態で、前記
剥離用シート６を剥離させることにより、図３に示すよ
うに、保護層７および光拡散層８を画像記録シート１１
側に残存させて、この保護層７および光拡散層８により
画像記録シート１１の表面を被覆するようになってい
る。

【００３０】そして、前記画像記録シート１１に対して
太陽光等の外光が照射されたり、雨水等があたった場合
に、前記保護層７により、確実に画像記録シート１１の
記録画像１０を保護することができ、画像記録シート１
１の耐候性および耐水性を著しく高めることができる。
なお、前記保護層７は、薄膜状に形成されているが、耐
候性および耐水性を確保するためには十分である。

【００３１】また、前記光拡散層８により、前記保護層
７側から外光が照射された場合に、この外光が前記光拡
散層８により拡散されることになるため、画像記録シー
ト１１の記録画像１０の輝度が増加してこの記録画像１
０をきらびやかに光らせることができ、視認性を高める
ことができるものである。

【００３２】なお、前記図１に示す画像記録シート１の
ように、画像記録シート１のインク受像層３に光拡散剤
が混入されているような画像記録シート１に対して使用
する保護シート５の場合には、光拡散層８を省略するよ
うにしてもよい。

【００３３】したがって、本実施形態においては、剥離
用シート６を剥離させて保護層７および光拡散層８のみ
により画像記録シート１１の表面を被覆するようにして
いるので、全体としての厚さ寸法を小さくすることがで
き、さらに、保護シート５の厚さ寸法が小さいため、保
護層７により被覆された画像記録シート１１を巻回して
保存、運搬等を行なう場合、画像記録シート１１に対し
て保護層７がずれてしまうことがなく、取扱いに便利で
ある。

【００３４】なお、本発明は前記各実施形態のものに限
定されるものではなく、必要に応じて種々変更すること
が可能である。

【００３５】

【発明の効果】以上述べたように請求項１に記載の発明
に係る画像記録シートは、インク受像層に光拡散剤を混
入しているので、画像記録シートの記録画像に外光が照
射された場合に、画像記録シートの記録画像の輝度が増
加してこの記録画像をきらびやかに光らせることがで
き、従来のように画像記録シートの裏面側から光を照射
することなく、記録画像の視認性を高めることができ
る。

【００３６】請求項２に記載の発明に係る保護シート
は、剥離用シートを剥離させて保護層のみにより画像記
録シートの表面を被覆するようにしているので、前記画
像記録シートに対して太陽光等の外光が照射されたり、
雨水等があたった場合に、前記保護層により、確実に画
像記録シートの記録画像を保護することができ、画像記
録シートの耐候性および耐水性を著しく高めることがで
きる。しかも、全体としての厚さ寸法を小さくすること
ができるため、保護層により被覆された画像記録シート
を巻回して保存、運搬等を行なう場合、画像記録シート
に対して保護層がずれてしまうことがなく、取扱いに便
利である。

【００３７】請求項３に記載の発明は、保護層と接着層
との間に光拡散層を形成するようにしたので、この光拡
散層により、保護層側から外光が照射された場合に、こ
の外光が前記光拡散層により拡散されることになるた
め、画像記録シートの記録画像の輝度が増加してこの記
録画像をきらびやかに光らせることができ、視認性を高
めることができる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る画像記録シートの実施の一形態
を示す概略断面図

【図２】 本発明に係る保護シートの実施の一形態を示
す概略断面図

【図３】 図２に示す保護シートを画像記録シートに適
用した状態を示す概略断面図

【図４】 従来の画像記録シートを示す概略断面図

【図５】 従来の保護シートを示す概略断面図

【図６】 図５に示す保護シートを画像記録シートに適
用した状態を示す概略断面図

【符号の説明】

１，１１ 画像記録シート ２ 基材 ３ インク受像層 ４，１０ 記録画像 ５ 保護シート ６ 剥離用シート ７ 保護層 ８ 光拡散層 ９ 接着層

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インクジェット式等の画像記録装置によ
   り、所定の画像を記録するための画像記録シートにおい
   て、基材の表面にインク受像層を形成し、このインク受
   像層に光拡散剤を混入したことを特徴とする画像記録シ
   ート。
2. 【請求項２】 画像が記録された画像記録シートの画像
   記録面を保護するための保護シートにおいて、剥離用シ
   ートの一面側に耐候性および耐水性を有する材料からな
   る保護層を形成するとともに、この保護層の表面に接着
   層を形成してなり、前記接着層を介して前記保護層を前
   記画像記録シートの画像記録面に貼着させた後、前記剥
   離用シートを剥離させて前記画像記録シートに前記保護
   層のみを残存させるようにしたことを特徴とする保護シ
   ート。
3. 【請求項３】 前記保護層と接着層との間に、光拡散剤
   を塗布してなる光拡散層を形成したことを特徴とする請
   求項２に記載の保護シート。